JP3154157B2 - ジャガード織機用のヘルドロッド保持装置 - Google Patents

ジャガード織機用のヘルドロッド保持装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヘルドロッド保持装
置(heald rod retention device)に関し、さらに特定
すれば、ヘルドロッドが、ジャガード針(jacquard nee
dle )に、一対のプリーと、それぞれプリーの周囲に延
び、ヘルドロッドとジャガード針とに接続されている一
対のロープによって接続されている構造のヘルドロッド
保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ジャガ
ード織機(jacquard system )に使用される最近のヘル
ドロッド保持装置は、搭載フレームと、搭載フレームに
固定された電磁石と、搭載フレームに回動式に搭載さ
れ、それぞれフックを有した一対のスチール保持プレー
トと、搭載フレームにスライド式に搭載された一対の
ルドロッドとを含んでおり、各ヘルドロッドは各保持プ
レートのフックと係合するフックを有しており、さらに
搭載フレームにスライド式に搭載された一対のプリー
(pulley)と、第1プリーの周囲に延び、ヘルドロッド
にそれぞれ固定されている2端部を有した第1コントロ
ールロープセクションと、第2プリーの周囲に延び、搭
載フレームに固定された第1端部と、ジャガード針と接
続するための第2端部とを有した第2コントロールロー
プセクションと、ヘルドロッドに対してそれぞれ横方向
の引力を作用させている一対の螺旋スプリングとを含ん
でおり、電磁石にエネルギーが提供されていない通常状
態では、保持プレートのフック端部は互い方向に移動す
べく押し付けられている。
【0003】電磁石にエネルギーが提供されると、各保
持プレートのフック端部とは離れている端部を引き付け
て保持プレートを回動させ、そのフック端部をヘルドロ
ッドのフック端部から外す。この状態では、ヘルドロッ
ドは搭載フレーム上を上下に自由にスライドでき、ヘル
ドロッドとそれぞれ接触している一対のナイフバー(kn
ife bar)の上下移動はプリーと第2コントロールロー
プセクションの移動を生じさせない。従って、第2コン
トロールロープセクションと接続したジャガード針が動
くことはなく、ジャガード織りを実行しない。
【0004】電磁石への電気エネルギーの供給が停止さ
れると、電磁石と保持プレートとの間の引力は作用を停
止し、螺旋スプリングは保持プレートを引っ張ってそれ
ぞれを元のポジションに戻す。ヘルドロッドのフック端
部は保持プレートのフック端部と係合し、ヘルドロッド
の下方への移動が維持される。ナイフバーの移動はプリ
ーと第2コントロールロープセクションとの移動を生じ
させる。従って、第2コントロールロープセクションと
接続したジャガード針は移動して望むジャガード織りを
実行する。
【0005】このようなジャガード織機用の従来式の
ルドロッド保持装置は、適切なタイミングでジャガード
織りを実行するようにジャガード針の動きをコントロー
ルする機能を有しているが、従来式のヘルドロッドのデ
ザインと構造との限定要因によって、ナイフバーが上方
へ移動し、ヘルドロッドを保持プレートのフック端部を
越えて上方に押し移動させるときは常に、ヘルドロッド
のフック端部は保持プレートのフック端部と衝突し、
ルドロッドのフック端部を摩耗させる。経験によれば、
ヘルドロッドを8カ月から9カ月で新品と交換する必要
がある。このようなヘルドロッドの頻繁な交換はコスト
高を招き、面倒でもある。
【0006】従って、本発明は上記の問題を解消するよ
うなジャガード織機用の改良ヘルドロッド保持装置の提
供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、ジャガード織機用のヘルド
ロッド保持装置であって、鉄磁石を有した搭載フレーム
と、その搭載フレームに搭載された一対の保持プレート
であって、それぞれ複数のコイルと第1フック端部とを
含んでおり、 それらコイルにエネルギーが提供される
と、前記鉄磁石との相互作用によって保持プレートを前
記搭載プレートに対して第1方向に回動させ、両方の前
記第1フック端部を引き離すように構成された保持プレ
ートと、前記保持プレートに対して力を作用させ、前記
第1フック端部を互い方向に引き付けるように構成され
た一対のスプリングと、前記搭載フレームにスライド式
に搭載された一対のヘルドロッドであって、前記コイル
にエネルギーが提供されると前記第1フック端部と係合
し、そのコイルにエネルギーが提供されていないときに
は分離状態である第2フック端部をそれぞれ備えている
ヘルドロッドと、前記搭載フレームにスライド式に搭載
された一対のプリーと、前記ヘルドロッドとそれぞれ接
続された2端部を有しており、その一対のプリーの第1
プリー周囲に延びている第1コントロールロープセクシ
ョンと、前記搭載フレームに固定された第1端部と、ジ
ャガード針に接続される第2端部とを有しており、前記
一対のプリーの第2プリー周囲に延びている第2コント
ロールロープセクションと、を含んでいることを特徴と
するヘルドロッド保持装置をその要旨とした。
【0008】請求項2記載の発明は、搭載フレームに前
記鉄磁石を受領するチャンバが提供されていることを特
徴とするヘルドロッド保持装置をその要旨とした。
【0009】請求項3記載の発明は、搭載フレームに2
本のピボットピンが提供されており、それぞれの前記保
持プレートには、そのピボットピンとそれぞれフィット
し、その保持プレートを搭載フレームに回動式に搭載さ
せるように孔が提供されていることを特徴とするヘルド
ロッド保持装置をその要旨とした。
【0010】請求項4記載の発明は、それぞれの前記保
持プレートの側部に膨出部が提供されており、前記搭載
フレームには前記一対のスプリングを収容する一対のス
プリング設置部が提供されており、それらスプリングは
それぞれその膨出部と係合して保持プレートに対して押
力を提供することを特徴とするヘルドロッド保持装置を
その要旨とした。
【0011】請求項5記載の発明は、搭載フレームにそ
の2側部にクッション部材搭載ピンが提供されており、
ヘルドロッド保持装置はそのクッション部材搭載ピン
にそれぞれ搭載された2体のクッション部材をさらに含
んでおり、これらクッション部材は、前記コイルにエネ
ルギーが提供され、前記保持プレートを前記搭載フレー
ムに対して第1方向に回動させるとき保持プレートによ
って発生される力を吸収することを特徴とするヘルドロ
ッド保持装置をその要旨とした。
【0012】請求項6記載の発明は、それぞれの前記保
持プレートはそのほぼ中央部にコイル設置チャンバが提
供されており、前記コイルを受領することを特徴とする
ヘルドロッド保持装置をその要旨とした。
【0013】請求項7記載の発明は、コイル設置チャン
バは2枚のアルミプレートを含んでいることを特徴とす
ヘルドロッド保持装置をその要旨とした。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の他の目的、長所
及び新規な特徴を、添付の図面を基に解説する。図1に
は本発明のヘルドロッド保持装置の上部を構成している
要素が示されている。説明のため、搭載フレーム10の
カバーは外されている。本図では、それぞれ1体のみの
導電プレート17、保持プレート20、及びヘルドロッ
30が示されている。実際にはそれらは2体で提供さ
れる。
【0015】本例の搭載フレーム10はプラスチック製
であり、3つの搭載孔15を有しており、カバー(図示
せず)をネジ(図示せす)で固定する。鉄磁石設置チャ
ンバ11は搭載フレーム10の中央部に位置し、鉄磁石
16(図2)を設置する。2本のピボットピン12は鉄
磁石設置チャンバ11の上方にて提供されている。2体
のスプリング設置部13は鉄磁石設置チャンバ11の下
方の左右に提供されている。各スプリング設置部13の
上方にはそれぞれ2本のクッション部材搭載ピン14が
提供されている。導電プレート17は、搭載フレーム1
0の右上角部に位置した搭載孔15周囲で搭載フレーム
10に搭載される(図4と5参照)。
【0016】保持プレート20はピボットピン12とフ
ィットするピボット孔21を有しており、保持プレート
20を搭載フレーム10に回動式に搭載する。2本の電
気コネクタ22は保持プレート20の左上角部に提供さ
れ、2枚のアルミプレート25が提供されるコイル設置
チャンバ内に受領されるコイル26(図3)は、導電プ
レート17と、導電プレート17と電気コネクタ22と
の間の電線222を介して電源(図示せず)に接続され
る(図4と5参照)。コイル設置チャンバは保持プレー
ト20のほぼ中央に位置する。保持プレート20は1体
の膨出部24を有しており、スプリング設置部13に受
領されたスプリング27と係合する(図4と5参照)。
スプリング27は保持プレート20に対して横方向の押
力を提供する。保持プレート20は下側フック端部23
を有している。図3に示すように、保持プレート20は
コイル26を両アルミプレート25の間に設置すること
で提供される。コイル26とアルミプレート25とは共
にプラスチックインジェクション成型される。この保持
プレート20の成型方法と、その構造とは従来には存在
しなかった新規なものである。
【0017】ヘルドロッド30は突起部31と上側フッ
ク端部32とを有している。図4と図5には本発明によ
ヘルドロッド保持装置の上部を構成する前述の部品が
組み立てられた状態で示されており、ヘルドロッド保持
装置はそれぞれ別のポジションを有している。図4はリ
リースあるいは通常ポジションにあるヘルドロッド保持
装置を示しており、ヘルドロッド30の上側フック端部
32は保持プレート20の下側フック端部23から分離
しており、ヘルドロッド30は搭載フレーム10上を自
由にスライドすることができ、図6に示すロープ−プリ
ー構造32、33、34を介してヘルドロッド30と接
続されているジャガード針(図示せず)はジャガード織
りを実行しない。図4に示すリリースポジションではコ
イル26にはエネルギーが供給されておらず、コイル2
6と鉄磁石16との間には相互作用が働かず、保持プレ
ート20の下側フック端部23はスプリング27の作用
で互い方向に押し付けられている。
【0018】それに対して、図5は保持あるいは作動ポ
ジションにあるヘルドロッド保持装置を示している。保
持プレート20は回動しており、下側フック端部23は
それぞれ上側フック端部32と係合し、ジャガード針
(図示せず)は要求されるジャガード織りを実行する。
図5に示すポジションではコイル26にはエネルギーが
供給されており、コイル26と鉄磁石16との間には相
互作用(反発作用)が働き、下側フック端部23は搭載
フレーム10の側方向に移動するように力を与えられて
スプリング27は縮められ、各保持プレート20の1角
部はクッション部材搭載ピン14に搭載されたクッショ
ン部材18に接する。クッション部材18は、保持プレ
ート20を搭載フレーム10に対して回動させるために
コイル26にエネルギーが供給されると、保持プレート
20によって提供される力を吸収する。
【0019】図4と図5とから、従来にはない本発明の
長所とは、スプリング27の押力により、通常ポジショ
ン(コイル26にはエネルギーが提供されていない)に
おいては、下側フック端部23はヘルドロッドのスライ
ド通路から離れた位置にあり、ヘルドロッド30が搭載
フレーム10上をスライドするとき上側フック端部32
は保持プレート20の下側フック端部23とは衝突せ
ず、上側フック端部32が下側フック端部23と衝突す
る頻度は大きく減少され、ヘルドロッド30の使用寿命
が大きく引き延ばされることであることが理解されよ
う。
【0020】図6は、本発明のヘルドロッド保持装置の
上部がロープ−プリー構造と組み合わされて完成した
ルドロッド保持装置を示している。このロープ−プリー
構造は従来式のものであり、ヘルドロッド30とそれぞ
れ接続された2端を有し、搭載フレーム10にスライド
式に搭載された一対のプリー33の上側プリー周囲に延
びる第1コントロールロープセクション37と、搭載フ
レーム10の下側延長部に固定された第1端部35と、
ジャガード針(図示せず)と接続する第2端部36とを
有しており、一対のプリー33の下側プリー周囲に延び
る第2コントロールロープセクション34とで成る。
【0021】さらに、図6に示すように、2体のナイフ
バー40はそれぞれヘルドロッド30の側部突起部31
と接触している。ヘルドロッド30がナイフバー40に
よって上方に動かされるとき、下側フック端部23は上
側フック端部32と係合するので、プリー33は上方に
移動して第2コントロールロープセクション34の第2
端部36と接続しているジャガード針(図示せず)も上
方に移動し、ジャガード織りが実行される。
【0022】本発明は前述の実施例を基に説明されてい
るが、この実施例は本発明の説明のみを目的としたもの
であり、本発明のスコープ内でその細部の変更は可能で
ある。
【0023】
【発明の効果】本発明のジャガード織機用のヘルドロッ
保持装置は、ナイフバーによりヘルドロッドが上方に
移動するときのヘルドロッドのフック端部と保持プレー
トのフック端部との衝突を大きく減少させるものであ
り、ヘルドロッドの使用寿命を大きく引き延ばすもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるジャガード織機用のヘルドロッ
保持装置の上部を構成する要素を示す分解斜視図であ
る。
【図2】 搭載フレームの内部構造を示す断面図であ
る。
【図3】 保持プレートの内部構造を示す断面図であ
る。
【図4】 組み立てられた状態のヘルドロッド保持装置
の上部を示す正面図であり、一対のヘルドロッドがリリ
ースポジションで示されている。
【図5】 図4に類似したヘルドロッド保持装置の上部
を示す正面図であり、保持ポジションにあるヘルドロッ
を示している。
【図6】 2体のナイフバーを有したヘルドロッド全体
を示す正面図であり、ヘルドロッドは保持ポジションに
ある。
【符号の説明】
16・・・鉄磁石 10・・・搭載フレーム 20・・・保持プレート 23・・・フック端部 26・・・コイル 27・・・スプリング 30・・・ヘルドロッド 32・・・フック端部 33・・・プリー 34・・・第2コントロールロープセクション 35、36・・・端部 37・・・第1コントロールロープセクション 40・・・ナイフバー

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジャガード織機システム用のヘルドロッド
    保持装置において、 鉄磁石を含んだ搭載フレームと、その搭載フレームにピ
    ボット式に搭載された一対の保持プレートであって、各
    保持プレートは複数のコイルと第1フック端部とを含ん
    でおり、該コイルにエネルギーが供給されると、前記鉄
    磁石との相互作用によって該保持プレートを前記搭載フ
    レーム周囲で第1方向に回動させ、前記第1フック端部
    を互いから引き離すように提供された保持プレートと、 前記保持プレートに対してそれぞれ力を作用させ、前記
    第1フック端部を互い方向に引き付けさせる一対のスプ
    リングと、 前記搭載フレームにスライド式に搭載された一対のヘル
    ドロッドであって、各ヘルドロッドは第2フック端部を
    備えており、該第2フック端部は、前記コイルにエネル
    ギーが供給されたときに前記第1フック端部の対応する
    方と係合し、該コイルにエネルギーが供給されないとき
    に分離されることを特徴とするヘルドロッドと、 前記搭載フレームにスライド式に搭載された一対のプリ
    ーと、 前記ヘルドロッドとそれぞれ接続された2端部を有して
    おり、前記一対のプリーのうちの第1プリー周囲に延び
    る第1コントロールロープセクションと、 前記搭載フレームに固定的に係留された第1端部と、ジ
    ャガード針に接続するための第2端部とを有しており、
    前記一対のプリーのうちの第2プリー周囲に延びる第2
    コントロールロープセクションと、 を含んでいることを特徴とするヘルドロッド保持装置。
  2. 【請求項2】前記搭載フレームには前記鉄磁石を受領す
    るチャンバが提供されていることを特徴とする請求項1
    記載のヘルドロッド保持装置。
  3. 【請求項3】前記搭載プレートには2本のピボットピン
    が提供されており、各前記保持プレートには該ピボット
    ピンの対応する方とぴったりと係合する穴が提供されて
    おり、該保持プレートを該搭載プレート上にピボット式
    に搭載させていることを特徴とする請求項1記載のヘル
    ドロッド保持装置。
  4. 【請求項4】各前記保持プレートには側部膨出部が提供
    されており、前記搭載フレームには前記一対のスプリン
    グを収容する一対のスプリング設置部が提供されてお
    り、該スプリングは該側部膨出部とそれぞれ係合し、該
    保持プレートに対して押力を提供することを特徴とする
    請求項1記載のヘルドロッド保持装置。
  5. 【請求項5】前記搭載フレームにはその2側部にクッシ
    ョン部材搭載ピンが提供されており、本ヘルドロッド保
    持装置は該クッション部材搭載ピンにそれぞれ搭載され
    た2体のクッション部材をさらに含んでおり、該クッシ
    ョン部材は、前記コイルにエネルギーが供給され、前記
    保持プレートを前記搭載プレートに対して第1方向に回
    動させるとき、該保持プレートによって発生される力を
    吸収するために使用されることを特徴とする請求項1記
    載のヘルドロッド保持装置。
  6. 【請求項6】それぞれの前記保持プレートにはその中央
    部にコイル設置チャンバが提供されており、該コイル収
    容チャンバは前記コイルを収容することを特徴とする請
    求項1記載のヘルドロッド保持装置。
  7. 【請求項7】前記コイル設置チャンバは2枚のアルミプ
    レートを含んでいることを特徴とする請求項6記載のヘ
    ルドロッド保持装置。
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