JP3153849U - 圧力鍋の逃圧構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力調整弁および安全弁の双方が作動不良を生じて、異常過熱してしまった場合にも自動的にパッキンの適所を破損させて逃圧し、冷却後に新しいパッキンに交換すれば、以降も安全且つ正常に利用可能となる新たな圧力鍋技術を提供する。【解決手段】容器開口縁22密閉用フラット面23に連なる外周壁21面に、逃圧用凹欠24,24,……を形成した鍋本体2開口縁と、耐圧蓋4の外装周壁40との間にロック機構7を設け、耐圧蓋4パッキン装着溝42に、断面コ字形の上片90はパッキン装着溝42内上面に、下片91は密閉用フラット面23に密着状に当接可能で、下片91に凸部92,92,……を突設したパッキン9を交換自在に装着し、各逃圧用凹欠24,24,……内に遊嵌したパッキン9各凸部92,92,……の下方位に、夫々破壊圧力調整部3,3,……を配して圧力鍋の逃圧構造とする。【選択図】図10

Description

この考案は、加熱調理用器具に関するものであり、特に容器内の気圧を高めて調理可能な圧力鍋や圧力釜などを製造する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
加熱調理中に容器内が高圧となる圧力鍋は、一般に圧力調整弁および安全弁を有しており、該圧力調整弁で加熱中の圧力鍋内の気圧を一定に維持可能とし、異常な過熱や圧力調整弁の故障などで同圧力調整弁の設定圧力を超えて内圧が上昇してしまったときには、安全弁が作動して内圧を自動的に減圧させるものとなっているが、それら圧力調整弁および安全弁の双方に目詰まりや故障などによる作動不良を生じてしまうと、圧力鍋の内圧が同圧力鍋の耐圧強度を超えてしまう虞があり、このような危険を回避するものとして、鍋蓋の周縁内に装着された耐熱弾性素材製のパッキンの外周がわに対峙する鍋蓋周壁適所に適切な形状寸法のスリットを貫通状に開口しておき、圧力調整弁および安全弁の双方が作動しなかった場合に、該パッキンの一部がスリットから膨出するよう変形して当該圧力鍋内の蒸気を逃圧可能にしたものが広く市販されている。
しかしながら、鍋蓋周壁の容器平面遠心方向に開口した当該スリットから蒸気を逃がすようにしたものは、圧力鍋周囲の利用者などに高温の蒸気が吹き掛かってしまう虞がある上、鍋蓋周壁のスリットから膨出する程度まで一度でも加圧変形させてしまったパッキンは、冷却後も変形が残ったり、亀裂や摩耗を生じたりして密着性能が著しく低下しており、以降の正常な使用に支障を来すものとなってしまう虞れが高く、新しいパッキンに交換するのが望ましいといえるが、圧力鍋の利用者、それが一般家庭の利用者の場合であれば特に、そうした部品交換の判断をするのは難しくなってそのまま使い続けてしまう確立は高くなり、圧力鍋の本来の機能を発揮できない状態のままで長期間に渡って使用し続けてしまうことが懸念されるものであった。
(従来の技術)
こうした状況を憂慮し、例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、圧力調整弁の構造を簡単なものとして、組み立ておよび取り外しが容易で、洗浄し易くして誰でも簡単に圧力調整弁の作動を正常に保つことができるようにしたものや、同特許文献1(2)に見られるような、圧力鍋の内圧異常が生じた場合に、これを温度異常として検知し、当該事実をユーザに報知可能とするよう、自動制御可能とした電気圧力鍋などが散見される。
しかし、前者特許文献1(1)に示されているような圧力調整弁の構造を簡素化して分解洗浄し易くしたものは、メンテナンスが頻繁に行われている場合にはある程度有効であるが、圧力調整弁の洗浄が滅多に行われなかったり、充分に洗浄していても誤って容量を超えた調理対象物を投入して一度の加熱調理中に圧力調整弁に、内容物が目詰まりを起こしてしまったりした場合などには、従来型の圧力鍋と同等に圧力調整弁および安全弁の双方が作動しなくなる虞があり、また後者特許文献1(2)の電気圧力鍋などは、過熱装置や温度センサなどを自動制御可能とした電気製品でなければ、圧力異常の報知ができず、一般的な圧力鍋には全く採用できないという致命的な欠点があった。
(1)登録実用新案第3148043号公報特開 (2)特開2004−248795
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種圧力調整弁や電気圧力鍋で、電子的自動制御装置などの組み込みも無い一般的な圧力鍋の場合、その圧力調整弁および安全弁の双方が作動不良を生じてしまったとき、万が一そのまま放置され、利用者の適切な監視がないままに過熱調理が継続されてしまうと、圧力鍋自体が破壊するまで内部圧力の上昇を来たしてしまい、不測の事態を阻止できないという欠点があるにも拘らず、従来型では、その内圧が異常上昇したとき、鍋蓋周壁のスリットからパッキンの一部が膨出して自動的に逃圧するもの以外に有効な解決策がなく、このような利用者の不注意にあっても、緊急異常過熱時にパッキンが確実に破損、逃圧機能するものとなし、その際の摩耗や損傷を生じてしまった後には、そのままの継続使用はできないものとし、必ずパッキンを新しいものに交換しなければ正常に利用し続けることができないようにする技術は、未だ存在しないというのが現状である。
(考案の目的)
そこで、この考案は、圧力調整弁および安全弁の双方が作動不良を生じて異常過熱してしまった場合、自動的にパッキンの適所を破損させて逃圧するようにし、その沈静化後には、それら変形、損傷したものは廃棄して新しいパッキンに交換しなければ圧力鍋として機能せず、パッキンを交換しさえすれば、以降も安全且つ正常な利用が保証されることになるという新たな発想に基づいた圧力鍋技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の圧力鍋の逃圧構造を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(考案の構成)
図面に示すこの考案を代表する実施例からも明確に理解されるように、この考案の圧力鍋の逃圧構造は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、円筒状容器の開口縁上端面を密閉用フラット面に形成し、該密閉用フラット面に連なる外周壁面の適宜間隔置きとなる複数箇所の夫々に、容器平面遠心方向に開放状で、密閉用フラット面から所定下方位までとなる逃圧用凹欠を形成した鍋本体の開口縁外周壁と、圧力調整弁および/または安全弁の設けられた耐圧蓋の外装周壁内面との間の適所に、所望の耐圧性をもって施蓋固定および解放可能とするロック機構を設けると共に、当該耐圧蓋パッキン装着溝には、全周に内装可能な環状であり、その求心方向に開口する断面コ字形の耐熱弾性素材製で、その上片がわは耐圧蓋パッキン装着溝内上面に、またその下片がわは当該鍋本体密閉用フラット面に夫々密着状に当接可能であって、同下片の当該鍋本体逃圧用凹欠に対応する各所には、それら各逃圧用凹欠内に遊嵌状となる凸部が突設されたパッキンを交換自在に装着し、さらに当該鍋本体の各逃圧用凹欠内に遊嵌状としたパッキン各凸部の下方位には、夫々破壊圧力調整部を配してなるものとした構成を要旨とする圧力鍋の逃圧構造である。
より具体的なものとして示すと、円筒状容器の開口縁上端面を密閉用フラット面に形成し、該密閉用フラット面に連なる外周壁面の適宜間隔置きとなる複数箇所の夫々に、容器平面遠心方向に開放状で、密閉用フラット面から所定下方位までとなる逃圧用凹欠を形成した鍋本体と、該鍋本体開口に外装嵌合可能で、適所に圧力調整弁および/または安全弁の中、少なくとも1個を設けてなる蓋体であって、その外周縁に沿って、当該鍋本体開口縁周り外周壁面との間で、各逃圧用凹欠に連通状となる放出間隙を形成するよう下向きに延伸させた外装周壁を有し、該外装周壁内がわには、蓋体平面形求心方向に開口するパッキン装着溝を刻設した耐圧蓋とを有し、これら鍋本体開口縁外周壁と耐圧蓋外装周壁内面との間の適所に、所望の耐圧性をもって施蓋固定および解放可能とするロック機構を設けると共に、当該耐圧蓋パッキン装着溝には、全周に内装可能な環状であり、その求心方向に開口する断面コ字形の耐熱弾性素材製で、その上片は耐圧蓋パッキン装着溝内上面に、またその下片は当該鍋本体密閉用フラット面に夫々密着状に当接可能であって、同下片の当該鍋本体逃圧用凹欠に対応する各所には、それら各逃圧用凹欠内に遊嵌状となる凸部が突設されたパッキンを交換自在に装着し、さらに当該鍋本体の各逃圧用凹欠内に遊嵌状としたパッキン各凸部の下方位には、夫々破壊圧力調整部を配してなるものとした構成からなる圧力鍋の逃圧構造となる。
表現を変えて示すと、円筒状容器の開口縁上端面を密閉用フラット面に形成し、該密閉用フラット面に連なる外周壁面の適宜間隔置きとなる複数箇所の夫々に、容器平面遠心方向に開放状で、密閉用フラット面から所定下方位までとなる逃圧用凹欠を形成した鍋本体の開口縁外周壁と、圧力調整弁および/または安全弁の設けられた耐圧蓋の外装周壁内面との間の適所に、所望の耐圧性をもって施蓋固定および解放可能とするロック機構を設けると共に、当該耐圧蓋パッキン装着溝には、全周に内装可能な環状であり、その求心方向に開口する断面コ字形の耐熱弾性素材製で、その上片がわは耐圧蓋パッキン装着溝内上面に、またその下片がわは当該鍋本体密閉用フラット面に夫々密着状に当接可能であって、同下片の当該鍋本体逃圧用凹欠に対応する各所には、それら各逃圧用凹欠内に遊嵌状となる凸部が突設されたパッキンを交換自在に装着し、さらに当該鍋本体の各逃圧用凹欠内に遊嵌状としたパッキン各凸部の下方位には、夫々破壊圧力調整部を配してなり、加熱調理中に圧力調整弁および/または安全弁の何れもが作動不良を生じた場合に、内圧を受けて膨張するパッキンの各凸部の下降量が、夫々破壊圧力調整部で規制されるものとし、該パッキンの各凸部周囲であって、当該鍋本体各逃圧用凹欠および放出間隙に対峙する下片がわ中途箇所に集中的に加圧して、同パッキンを強制的に緊急破裂させて減圧可能とし、緊急破裂の後には、新品のパッキンに交換可能なものとした構成からなる圧力鍋の逃圧構造となる。
以上のとおり、この考案の圧力鍋の逃圧構造によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、加熱調理中に圧力調整弁および安全弁が正常に作動しなかった場合に、鍋本体の各逃圧用凹欠に対応するパッキンの各凸部周辺部分が緊急的に破裂し、各逃圧用凹欠およびそれに連通する放出間隙を通じて圧力鍋内の蒸気を逃がして自動的に減圧するものとなり、圧力鍋の破損に繋がるような高圧に達してしまうのを未然に防ぐことができ、しかも従来型のようなパッキンの一部がスリットから外部に膨出して減圧するタイプとは基本的に発想を異にし、緊急破裂させることを前提にしていることから、その破裂してしまったパッキンは、必ず新しいものに交換せざるを得なくなることから、次回以降も高いシール効果を得て、良好な加熱調理を実現化することができるという秀れた特徴が得られるものである。
加えて、各逃圧用凹欠に配した破壊圧力調整部が、加熱調理中に圧力調整弁および安全弁が正常に作動せずに異常高圧となった場合に、パッキン各凸部の降下量を適切に規制してパッキン下片の密閉用フラット面からの脱落を確実に阻止し、当該逃圧構造を的確に緊急破裂、逃圧作動させるようにすることができ、さらに、耐圧蓋の外装周壁を下向きに延伸させてあることから、鍋本体外周壁面と耐圧蓋外装周壁との間に形成される放出間隙の放出口が下向き開口となっており、同放出間隙放出口から放出する蒸気がその方向に規制されるようにし、従前までのものように圧力鍋の周囲に広く飛沫してしまうのを確実に防止し得るものとしてあって、圧力鍋の利用者、特に豚骨スープやラーメンスープなどの営業用スープ用として寸胴鍋に圧力鍋の構造を組み合わせ、調理の効率化を図ろうとする類いのもののように、一旦発生したならば甚大な被害の予想されるこれら営業用大型圧力鍋の利用者への安全の確保を確実に保証し得るものとなっている。
また、破壊圧力調整部が、鍋本体の各逃圧用凹欠内に、容器平面求心方向に向けて穿設した1個または複数個のネジ孔と、それらに螺着された頭部を円柱形状とした1個または複数個の特殊ネジとからなるものは、各ネジ孔の穿設位置を上下左右に調整するなどして各特殊ネジの螺着位置を変更することが可能であり、金型の加工など経済的負担の大きな作業を要さずに、当該逃圧構造の作動圧力の調整や変更、および、パッキン下片の密閉用フラット面からの脱落を確実に阻止するよう改良することなどが容易となり、しかも各特殊ネジの円柱形状とした頭部が、螺合締め付け具合に拘わらず、パッキン凸部の下降規制位置を一定の位置に定めて、逃圧構造の作動を一段と確実なものとすることができる。
破壊圧力調整部が、鍋本体の各逃圧用凹欠の底壁面からなるものや、鍋本体の各逃圧用凹欠内に突設するよう一体成型された段差部からなるもの、または、鍋本体の各逃圧用凹欠の底壁面中央から、上向きに突出したブロック部からなるものは何れも、各逃圧用凹欠の加工工程中に同時に各破壊圧力調整部を一体形成することができ、製造工数を大幅に削減すると共に、各破壊圧力調整部が鍋本体から不用意に脱落したりすることがなく、耐久性と信頼性とに一層秀れた逃圧構造をより経済的に製造することができるという効果を奏するものである。
鍋本体密閉用フラット面の内周縁に沿って環状土堤部を設けてなるものは、該密閉用フラット面を他物との干渉から保護するものとなる上、圧力鍋内の蒸気がパッキン下片に直接的に吹き付けるのを阻止し、パッキンの劣化を防ぐことができるから、特に高い耐久性が求められる業務用圧力鍋などの性能と品質とを高めるのに有効であり、一段と秀れた付加価値を付与することができる。
さらに、鍋本体の外周壁と、同鍋本体に施蓋状態に組み合わせた耐圧蓋の外装周壁との間に形成される放出間隙が、その放出口を鍋本体胴部外周壁よりも遠心がわに下向き開口するよう形成してなるものは、従来の耐圧蓋周壁に設けたスリットから容器平面遠心方向に蒸気が放出されてしまう危険性を無くすと共に、鍋本体外周壁から離れた位置から蒸気を下向き放出するようにして、ガスコンロの火に直接吹き掛かるのを確実に防止できるようにすることができる上、耐圧蓋外装周壁の下端周縁内壁面をパッキン装着溝よりも容器平面遠心がわに配置すると共に、該外装周壁の下端周縁内壁面に対峙する鍋本体の外周壁に、容器平面遠心がわに膨出して放出間隙を遠心がわに折曲し、同放出間隙の放出口を鍋本体胴部外周壁より遠心がわで、鉛直下向き方向に開口するよう形成可能とする誘導鍔部を設けてなるものは、該誘導鍔部が、パッキンの緊急的破裂で各逃圧用凹欠および放出間隙を通じて鉛直下方に向けて噴出する蒸気を堰き止め状として緩衝し、減圧された状態で放出口から鉛直下向き方向に放出されるよう誘導可能とすることができ、当該逃圧構造が作動したときに噴出される蒸気の勢いを弱めて、一層安全性に秀れたものとすることができるという大きな効果を奏する。
上記したとおりの構成からなるこの考案の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
鍋本体は、所定量の調理対象物を収容し、底面からの加熱を受けて内容物を加熱可能とするものであり、上向きに開口する開口縁に耐圧蓋を開閉自在に密閉装着可能であり、充分な耐熱性および耐圧性を有するものとし、円筒状容器の開口縁上端面を密閉用フラット面に形成し、該密閉用フラット面に連なる外周壁面の適宜間隔置きとなる複数箇所の夫々に、容器平面遠心方向に開放状で密閉用フラット面から所定下方位までとなる逃圧用凹欠を形成した上、同開口縁外周壁と耐圧蓋の外装周壁内面との間の適所に、所望の耐圧性をもって施蓋固定および解放可能とするロック機構を有するものとしなければならず、例えば片手鍋型や両手鍋型、寸胴鍋型、土鍋型のもの、または二重容器構造を有する炊飯釜型や蒸し鍋型のものなど様々な形状のものとすることができ、後述する実施例に示すように、密閉用フラット面の内周縁に沿って耐圧蓋施蓋状態で密着状に当接するパッキン下片の厚みより僅かに高くなるよう上向き突出し、密閉用フラット面保護およびパッキン下片保護用となる環状土堤部を設けてなるものとするのが望ましい。
密閉用フラット面は、鍋本体に耐圧蓋を組み合わせた場合に、同耐圧蓋の外装周壁内がわに装着されたパッキンの下片が密着状に当接可能となるようにする機能を果たし、耐圧蓋を閉じた場合に、パッキンの下片に対応する鍋本体の円形開口縁上端の無端帯状範囲に渡って面一状に形成されたものとしなければならず、鍛造や切削加工などによって鍋本体に一体形成されてなるものとするのが望ましい。
逃圧用凹欠は、鍋本体に施蓋するよう組み合わせた耐圧蓋のパッキンの各凸部が、遊嵌状配置となると共に、破壊圧力調整部を形成可能とするものであって、鍋本体開口縁の外周壁面と、該鍋本体に施蓋装着した場合の耐圧蓋外装周壁との間に形成される放出間隙に連通状になるようにしたものとしなければならない。
ロック機構は、鍋本体に施蓋状に組み合わせた耐圧蓋を安全且つ強固に固定し、また簡単に取り外し、解放可能とする機能を果たすものであり、鍋本体と耐圧蓋との相互間適所であって、それ以外の構造部分に支障を来さないよう適切に配置、形成されたものとしなければならず、例えば、鍋本体または耐圧蓋の何れか一方の、周回りの均衡する複数箇所にロック・アンロック可能なバックル機構やレバー機構、またはクランプ機構などを設けたものとすることができる外、後述する実施例に示すように、鍋本体開口縁の外周壁面の周回りに均衡する複数箇所に夫々係止爪を設け、耐圧蓋外装周壁内壁の施蓋状態で各係止爪に重なり、解放状態で各係止爪間となる複数箇所夫々に係止爪間を上下方向に通過可能な寸法、形状の係合爪を設けてなるものとすることができる。
破壊圧力調整部は、鍋本体に耐圧蓋を施蓋状に組み合わせて加熱調理をしている最中に、圧力調整弁および安全弁の双方が正常に作動せず、当該圧力鍋の内部圧力が異常に上昇し、各逃圧用凹欠内に遊嵌状配置となっているパッキン下片の各凸部が押し下げられようとしたとき、その押し下げ量を適切に規制して各逃圧用凹欠および放出間隙に対峙する下片がわ中途箇所に集中的に加圧されるようにし、パッキンの各逃圧用凹欠および放出間隙に対峙する下片がわ中途箇所が自動的に破裂して内部圧力を逃がすよう誘導可能とするものであり、各逃圧用凹欠内に遊嵌状としたパッキン各凸部の下方位に配するようにし、圧力調整弁および安全弁の双方が正常に作動しなかった場合に、その内圧によってパッキン下片が密閉用フラット面より下方の容器平面遠心方向に脱落してしまうのを阻止可能となる、パッキン各凸部の下方位置に配されたものとしなければならず、後述する実施例に示すように、鍋本体の各逃圧用凹欠内に、容器平面求心方向に向けて穿設した1個または複数個のネジ孔と、それらに螺着された頭部を円柱形状とした1個または複数個の特殊ネジとからなるものとすることができる外、破壊圧力調整部は、鍋本体の各逃圧用凹欠の底壁面からなるものや、各逃圧用凹欠内に突設するよう一体成型された段差部、または、各逃圧用凹欠の底壁面中央から、上向きに突出したブロック部からなるものなどの中の何れかとすることが可能である。
耐圧蓋は、鍋本体の上部開口に脱着自在に組み合わせて密閉状に閉鎖可能とするものであり、適所に圧力調整弁および/または安全弁を有し、当該鍋本体の開口縁外周壁と、それに対峙する外装周壁内面との間の適所にはロック機構を設け、またパッキン装着溝にはパッキンを交換自在に装着したものとしなければならず、該外装周壁内面が、当該鍋本体開口縁周り外周壁面との間で、各逃圧用凹欠に連通状となる放出間隙を形成するよう下向きに延伸し、且つ該外装周壁内がわには、蓋体平面形求心方向に開口するパッキン装着溝を刻設してなるものとすべきである。
耐圧蓋の外装周壁は、同耐圧蓋の外周縁を当該鍋本体開口縁の外周壁に対して外嵌状に組み合わせ可能とし、内周壁適所にパッキンを装着可能とし、ロック機構の一部を形成可能であり、鍋本体開口縁外周壁との間に放出間隙を形成可能とする機能を果たし、蓋体に充分な強度をもって一体化するようにしたものとしなければならず、同外装周壁内がわに、蓋体平面形求心方向に開口するパッキン装着溝を刻設し、同外装周壁の下端周縁が、それに対峙する鍋本体開口縁の外周壁との間に開口する放出間隙の放出口を、鉛直下向きに開口するよう下向きに延伸形成してなるものとするのが望ましい。
圧力調整弁は、加熱調理中の圧力鍋内の圧力を所望の値の下に安定するよう自動的に減圧制御可能とする機能を果たすものであり、安全弁は、圧力調整弁の制御圧力を超えて圧力鍋内の圧力が上昇したときに自動的に作動して蒸気を放出可能とする機能を果たすものであり、圧力調整弁および安全弁は、何れも一般的な圧力鍋に採用されている、例えば錘式やバネ式など公知の各種のものを装着することが可能である。
放出間隙は、耐圧蓋を鍋本体に施蓋状態に組み合わせたときに、耐圧蓋の外装周壁と鍋本体開口縁周り外周壁面との間に形成され、各逃圧用凹欠と外部とを通気可能に連通する機能を果たし、下向きに開口する放出口を形成したものとしなければならず、鍋本体の外周壁と、同鍋本体に施蓋状態に組み合わせた耐圧蓋の外装周壁との間に形成される放出間隙が、その放出口を鍋本体胴部外周壁よりも遠心がわに下向き開口するよう形成してなるものとするのが望ましく、後述する実施例に示すように、耐圧蓋外装周壁の下端周縁内壁面をパッキン装着溝よりも容器平面遠心がわに配置すると共に、該外装周壁の下端周縁内壁面に対峙する鍋本体の外周壁に、容器平面遠心がわに膨出して放出間隙を遠心がわに折曲し、同放出間隙の放出口を鍋本体胴部外周壁より遠心がわで、鉛直下向き方向に開口するよう形成可能とする誘導鍔部を設け、該放出間隙の放出口が鍋本体胴部外周壁より遠心がわで鉛直下向き方向に開口さけたものとすることができる。
誘導鍔部は、緊急的に破裂したパッキンから逃圧用凹欠、放出間隙に噴出し、鉛直下方に向かう蒸気を堰き止め状として減圧した後、放出口向けて誘導可能とする機能を果たし、鍋本体胴部外周壁の適所から容器平面遠心方向に向けて突出した形状としなければならず、パッキン装着溝よりも容器平面遠心がわに配置した耐圧蓋外装周壁の下端周縁内壁面と間に形成する放出間隙を遠心がわに折曲可能な形状とすべきであり、同誘導鍔部外周壁面を放出口が鍋本体胴部外周壁より遠心がわで、鉛直下向き方向に開口するよう形成せてなるものとするのが望ましく、鍋本体の鍛造や切削加工と同時に一体化形成したものとすることができる外、耐熱性および耐圧性に秀れた別部品を、当該鍋本体外周壁の適所に装着し、強固に一体化したものとすることが可能である。
パッキンは、耐圧蓋を鍋本体に施蓋状態に組み合わせたときに、耐圧蓋のパッキン装着溝と鍋本体開口縁との間の隙間を、双方に弾性的に密着して閉鎖し、加熱調理中の圧力鍋内圧を外に逃がさないようにすると共に、圧力鍋内圧が異常に高まったときには、その圧力によって逃圧用凹欠に対応する凸部以外の下片中途箇所が破裂して逃圧可能とする機能を果たし、当該耐圧蓋パッキン装着溝の全周に内装可能な環状であり、その求心方向に開口する断面コ字形の耐熱弾性素材製で、その上片がわは耐圧蓋パッキン装着溝内上面に、またその下片がわは当該鍋本体密閉用フラット面に、夫々密着状に当接可能であり、同下片の当該鍋本体逃圧用凹欠に対応する各所には、それら各逃圧用凹欠内に遊嵌状となる凸部を突設し、該パッキン装着溝に交換自在に装着可能なものとしなければならず、該パッキンは、その上片90、下片91および各凸部92を全て同一素材製の一体成型品として製造可能である外、各凸部だけ別部品で製造したものを、下片がわの適所夫々に接着、熔着、または金具類などを用いて強固に一体化したものとすることができる。
以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1の解放した圧力鍋要部の断面図、図2の閉鎖した圧力鍋要部の断面図、図3の鍋本体開口縁の平面図、図4の圧力鍋の斜視図、図5の拡大した逃圧構造の断面図、図6のパッキンの装着不良状態の断面図、図7の破壊圧力調整部の断面図、図8の破壊圧力調整部の正面図、図9の異常高圧下の逃圧構造の断面図、図10逃圧動作状態の逃圧構造の断面図、図11の底壁面を破壊圧力調整部とした逃圧用凹欠の断面図、図12の底壁面を破壊圧力調整部とした逃圧用凹欠の正面図、図13の段差部が破壊圧力調整部となる逃圧用凹欠の断面図、図14の段差部が破壊圧力調整部となる逃圧用凹欠の正面図、図15のブロック部が破壊圧力調整部となる逃圧用凹欠の断面図、図16のブロック部が破壊圧力調整部となる逃圧用凹欠の正面図、図17の不適切な配置の破壊圧力調整部の断面図、および、図18の不適切な配置の破壊圧力調整部の正面図には、この考案の圧力鍋の逃圧構造における代表的な一実施例を示してある。
この事例は、容器開口縁22上端面に形成した密閉用フラット面23に連なる外周壁21面に、逃圧用凹欠24,24,……を形成した鍋本体2の開口縁22外周壁21と、耐圧蓋4の外装周壁40内面との間に、ロック機構7を設けると共に、当該耐圧蓋4パッキン装着溝42には、全周に内装可能な環状で、断面コ字形の上片90がわはパッキン装着溝42内上面に、また下片91がわは密閉用フラット面23に夫々密着状に当接可能であって、同下片91の各逃圧用凹欠24,24,……に対応する各所に凸部92,92,……が突設されたパッキン9を交換自在に装着し、各逃圧用凹欠24,24,……内に遊嵌したパッキン9各凸部92,92,……の下方位に、夫々破壊圧力調整部3,3,……を配してなる圧力鍋の逃圧構造の例である。
それら各図からも明確に把握できるとおり、この考案の逃圧構造1は、ステンレス鋼やアルミニウム合金などを複数枚積層し、プレス成型によって製造した圧力鍋10の、有底円筒状の所謂寸胴型とした所定容量の鍋本体2と、その上端開口縁22に施蓋可能に組み合わせる耐圧蓋4周縁との間に設けられたものであり、図1ないし図3に示すように、該鍋本体2は、その平面円形の開口縁22上端面を面一状の平滑な密閉用フラット面23に形成し、該密閉用フラット面23に連なる外周壁21外周面の周回り一定間隔置きとなる8箇所夫々に、容器平面遠心方向に開放状で、密閉用フラット面23から所定下方位までの深さとなる逃圧用凹欠24,24,……を形成したものである。
耐圧蓋4は、鍋本体2の開口縁22に外装嵌合可能な寸法、形状に設定されており、図4中に示すように、中央に1個の圧力調整弁5、その周囲適所に2個の安全弁6,6を夫々分解、洗浄可能に設けた蓋体4の外周縁に沿って、図5中に示すように、当該鍋本体2開口縁22周り外周壁21面との間で、各逃圧用凹欠24,24,……に連通状となる放出間隙8を形成するよう下向きに延伸させた外装周壁40を有し、該外装周壁40内がわには、蓋体4平面形求心方向に開口するパッキン装着溝42を刻設したものとする。
図1ないし図3および図5中に示すように、ロック機構7は、鍋本体2開口縁22の各逃圧用凹欠24,24,……から外れた、同開口縁22外周壁21周回りに一定間隔置きとなる8箇所夫々から、容器平面遠心方向に向けて一体的に突設した係止爪70,70,……と、耐圧蓋4外装周壁40内面に、該鍋本体2開口縁22に施蓋状態に組み合わせて容器平面時計回り方向に操作したときに、各係止爪70,70,……夫々に強固に嵌合し、且つ、反時計回り方向に操作した場合に、各係止爪70,70,……の間に位置して解放状態となり、上下方向に移動(装着、離脱)可能となるよう配した合計8個の係合爪71,71,……とから成り立っている。
図1、図2および図5に示すように、当該耐圧蓋4パッキン装着溝42には、全周に内装可能な環状であり、その求心方向に開口する断面コ字形の耐熱弾性素材であるシリコンゴム製のパッキン9をその弾性によって着脱および交換自在に装着し、装着状態では、該パッキン9の上片90が耐圧蓋4パッキン装着溝42内上面に密着状に当接するものとし、さらに、該耐圧蓋4を鍋本体2開口縁22に施蓋状に組み合わせたときには、その下片91が同鍋本体2密閉用フラット面23に密着状に当接可能となる形状としてあり、同下片91の鍋本体2各逃圧用凹欠24,24,……に対応する各所夫々には、それら各逃圧用凹欠24,24,……内に遊嵌状となる形状、寸法の凸部92,92,……を一体的に突設したものとするよう成型されたものとしてある。
図1ないし図3、図5、図7および図8に示すように、破壊圧力調整部3は、施蓋状態で当該鍋本体2各逃圧用凹欠24,24,……内に遊嵌状に配するパッキン9各凸部92,92,……下端より下方位となる、各逃圧用凹欠24,24,……壁面に容器平面求心方向に向けて穿設した2個のネジ孔30,30と、それらに螺着された頭部32を円柱形状とした2個の特殊ネジ31,31とからなり、当該パッキン9各凸部92,92,……下端から各ネジ孔30,30に螺着した特殊ネジ31,31の各頭部32,32上側周壁までの距離A(図8)が、図17および図18に示すように、パッキン9に対して(図17中の二点鎖線矢印で示すよう)容器内圧が加わったときに、凸部92が破壊圧力調整部3(特殊ネジ31頭部32)に規制されずに、下片91が密閉用フラット面23から脱落してしまう距離B(図18)より短く設定されたものとしなければならない。
図1ないし図3、図5および図7に示すように、当該鍋本体2は、密閉用フラット面23の内周縁に沿って、耐圧蓋4施蓋状態で密着状に当接するパッキン9下片91の厚みより僅かに高くなるよう上向き突出した土堤部26を設けてたものとしてあり、また、図1、図2、図5に示すように、耐圧蓋4外装周壁40の下端周縁41内壁面を同パッキン装着溝42よりも容器平面遠心がわに配置すると共に、該外装周壁40の下端周縁41内壁面に対峙する鍋本体2の外周壁21に、容器平面遠心がわに膨出して放出間隙8を遠心がわに90度折曲し、同放出間隙8の放出口80を鍋本体2胴部20外周壁21より遠心がわで、鉛直下向き方向に開口するよう形成可能とする誘導鍔部27を一体的に設けてなるものとしてある。
図11および図12に示すように、当該破壊圧力調整部3は、鍋本体2の各逃圧用凹欠24,24,……の各底壁面25,25,……を、遊嵌状に配したパッキン9各凸部92,92,……から距離A(図12)下方位に配置、形成したものに置き換えることが可能になる外、また、図13および図14中に示すように、各逃圧用凹欠24内に突設するよう一体成型された段差部33,33,……、あるいは各逃圧用凹欠欠24,24,……の底壁面25,25中央から上向きに突出したブロック部34,34に置き換えることができる。
(実施例1の作用)
以上のとおりの構成からなるこの考案の逃圧構造1を設けた圧力鍋10は、適量の調理対象物を収容した鍋本体2の開口縁22に、図1ないし図4中に示すような、ロック機構7の各係止爪70,70,……に各係合爪71,71,……を係合させるよう耐圧蓋4を組み合わせて容器平面時計回り方向に回転操作して強固に固定したものにすると、耐圧蓋4パッキン装着溝42に装着してあるパッキン9の上片90がわが、同耐圧蓋4パッキン装着溝42内上面に、また、その下片91がわが当該鍋本体2密閉用フラット面23にと、夫々全周に渡り密着状に当接する。
図2、図5、図7および図8に示すように、パッキン9の各凸部92,92,……は、鍋本体2の各逃圧用凹欠24,24,……に遊嵌状に配されるよう施蓋する必要があり、図6中に示すように、同パッキン9の各凸部92,92,……が各逃圧用凹欠24,24,……に対応せず、密閉用フラット面23上に乗り上げた状態に組み合わせ装着してしまうと、該密閉用フラット面23とパッキン9の下片91との間に隙間が発生してしまい、同図6中の実線矢印に示すように、圧力鍋10容器内の蒸気が外に漏れ出して内部圧力が上がらないという状態になってしまう。
図2、図4、図5、図7および図8に示すように、耐圧蓋4を鍋本体2に正常に組み合わせ、装着してから、加熱調理器に設定して加熱を始めると、次第に圧力鍋10内の調理対象物の温度が上昇して蒸気を発生し始め、同圧力鍋10容器内の気圧が、所望圧力まで上昇すると圧力調整弁5が自動的に作動し、同容器内気圧を一定に保持するものとなって加熱調理を進行させるものとなり、何らかの原因で該圧力調整弁5の正常な作動に支障を来した場合には、安全弁6,6が作動して容器内気圧を減圧するものとなる。
そして図4および図9中に示すように、圧力調整弁5および安全弁6,6の何れもが正常に作動せず、圧力鍋10容器内の気圧が、各安全弁6,6の作動気圧を超えたときには、パッキン9下片91の各逃圧用凹欠24,24,……上に対応する中途部が、各逃圧用凹欠24,24,……に落ち込むように膨らみ、同パッキン9の各凸部92,92,……下端が、夫々対応する各破壊圧力調整部3,3,……の特殊ネジ31,31頭部32,32に当接し、その降下量を規制された上、同パッキン9下片91中途部の各逃圧用凹欠24,24,……に対応する各凸部92,92,……の周辺部分に圧力が集中し、図10中に実線矢印で示すように、該パッキン9下片91中途部の、少なくとも何れか一個の凸部92周辺部分が破裂して、圧力鍋10容器内の蒸気が、逃圧用凹欠24から放出間隙8を通過して放出口80より、鉛直下向き方向に放出されることとなる。
図11ないし図16に示すように、各破壊圧力調整部3,3,……を各逃圧用凹欠24,24,……の底壁面25,25,……や、段差部33,33,……またはブロック部34,34,……の何れかに置き換えた場合にも、前記ネジ孔30,30,……に特殊ネジ31,31,……を螺着したものと同等の作用を得るものとなる。
図10中に示すように、逃圧用凹欠24から放出間隙8を通過して流下する蒸気は、誘導鍔部27上壁面に衝突し、その流路を容器平面遠心がわに90度折曲、緩衝するようにした後、放出口80から鉛直下向きに放出し、噴出圧力を大幅に減圧すると共に、容器平面遠心方向に噴出するのを阻止可能なものとなり、しかも蒸気と共に吹き出す熱湯などが、鍋本体2底面下のコンロなどに直接吹き掛かるのを防止するものとなり、圧力鍋10が充分冷却して沈静化した後、鍋本体2から外した耐圧蓋の破損したパッキン9は廃棄して新しいものに交換する。
図7および図8中に示すように、パッキン9の各凸部92,92,……下端から各破壊圧力調整部3特殊ネジ31,31頭部32,32上がわ外周面までの距離A(図8)が適切に設定されているから、図17および図18中に示すように、不適切な距離B(図18)に設定された場合のような、パッキン9の下片91が鍋本体2密閉用フラット面23上端面から脱落してしまうことがないものとなる。
図7中に示すように、鍋本体2密閉用フラット面23より上向きに突出形成するようにした土堤部26は、耐圧蓋4やそれ以外の他物との接触から、密閉用フラット面23を保護するものとなり、さらに、同図7中の二点鎖線矢印に示すように、パッキン9に向けて吹き付ける高温、高圧の蒸気が、一般的には最も摩耗や劣化の激しいとされる下片91に直接吹き付けるのを阻止することができるものとなる。
(実施例1の効果)
以上のような構成からなる実施例1の圧力鍋10の逃圧構造1は、前記この考案の効果の項で記載の特徴を有している上、図3および図4中に示すように、寸胴型の圧力鍋10に対して当該逃圧構造1を採用しており、一般家庭向けのものよりも各段に高い耐久性が求められる業務用圧力鍋10にも、基本的構造そのままの逃圧構造1を装着することが可能であり、より一層秀れた耐久性と安全性とをもった業務用圧力鍋10を提供可能とすることができるという秀れた効果を発揮するものとなる。
(結 び)
叙述の如く、この考案の圧力鍋の逃圧構造は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの圧力鍋技術に比較して大幅に安全性を高め、経済的に生産することができる上、耐久性を各段に高めることができるから、圧力調整弁や安全弁が正確に作動するか心配で、加熱調理中に圧力鍋から目を離せなかった一般家庭の人々はもとより、経済的で耐久寿命の長い圧力鍋の提供を希望する外食・中食業界や厨房器具業界および調理器具業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この考案の圧力鍋の逃圧構造の技術的思想を具現化した代表的な実施例を示すものである。
解放状態にある圧力鍋要部を示す断面図である。 閉鎖状態にある圧力鍋要部を示す断面図である。 鍋本体開口縁を示す平面図である。 圧力鍋の外観を示す斜視図である。 逃圧構造を拡大して示す断面図である。 装着不良状態のパッキンを示す断面図である。 破壊圧力調整部を示す断面図である。 破壊圧力調整部を示す正面図である。 異常高圧下の逃圧構造を示す断面図である。 逃圧動作状態の逃圧構造を示す断面図である。 底壁面を破壊圧力調整部とした逃圧用凹欠を示す断面図である。 底壁面を破壊圧力調整部とした逃圧用凹欠を示す正面図である。 段差部が破壊圧力調整部となる逃圧用凹欠を示す断面図である。 段差部が破壊圧力調整部となる逃圧用凹欠を示す正面図である。 ブロック部が破壊圧力調整部となる逃圧用凹欠を示す断面図である。 ブロック部が破壊圧力調整部となる逃圧用凹欠を示す正面図である。 不適切な配置の破壊圧力調整部を示す断面図である。 不適切な配置の破壊圧力調整部を示す正面図である。
1 逃圧構造
10 同 圧力鍋
2 鍋本体
20 同 胴部
21 同 外周壁
22 同 開口縁
23 同 密閉用フラット面
24 同 逃圧用凹欠
25 同 底壁面
26 同 土堤部
27 同 誘導鍔部
3 破壊圧力調整部
30 同 ネジ孔
31 同 特殊ネジ
32 同 特殊ネジの頭部
33 同 段差部
4 耐圧蓋
40 同 外装周壁
41 同 下端周縁
42 同 パッキン装着溝
5 圧力調整弁
6 安全弁
7 ロック機構
70 同 係止爪
71 同 係合爪
8 放出間隙
80 同 放出口
9 パッキン
90 同 上片
91 同 下片
92 同 凸部
A 適正な距離
B 不適正な距離

Claims (10)

  1. 円筒状容器の開口縁上端面を密閉用フラット面に形成し、該密閉用フラット面に連なる外周壁面の適宜間隔置きとなる複数箇所の夫々に、容器平面遠心方向に開放状で、密閉用フラット面から所定下方位までとなる逃圧用凹欠を形成した鍋本体の開口縁外周壁と、圧力調整弁および/または安全弁の設けられた耐圧蓋の外装周壁内面との間の適所に、所望の耐圧性をもって施蓋固定および解放可能とするロック機構を設けると共に、当該耐圧蓋パッキン装着溝には、全周に内装可能な環状であり、その求心方向に開口する断面コ字形の耐熱弾性素材製で、その上片がわは耐圧蓋パッキン装着溝内上面に、またその下片がわは当該鍋本体密閉用フラット面に夫々密着状に当接可能であって、同下片の当該鍋本体逃圧用凹欠に対応する各所には、それら各逃圧用凹欠内に遊嵌状となる凸部が突設されたパッキンを交換自在に装着し、さらに当該鍋本体の各逃圧用凹欠内に遊嵌状としたパッキン各凸部の下方位には、夫々破壊圧力調整部を配してなるものとしたことを特徴とする圧力鍋の逃圧構造。
  2. 円筒状容器の開口縁上端面を密閉用フラット面に形成し、該密閉用フラット面に連なる外周壁面の適宜間隔置きとなる複数箇所の夫々に、容器平面遠心方向に開放状で、密閉用フラット面から所定下方位までとなる逃圧用凹欠を形成した鍋本体と、該鍋本体開口に外装嵌合可能で、適所に圧力調整弁および/または安全弁の中、少なくとも1個を設けてなる蓋体であって、その外周縁に沿って、当該鍋本体開口縁周り外周壁面との間で、各逃圧用凹欠に連通状となる放出間隙を形成するよう下向きに延伸させた外装周壁を有し、該外装周壁内がわには、蓋体平面形求心方向に開口するパッキン装着溝を刻設した耐圧蓋とを有し、これら鍋本体開口縁外周壁と耐圧蓋外装周壁内面との間の適所に、所望の耐圧性をもって施蓋固定および解放可能とするロック機構を設けると共に、当該耐圧蓋パッキン装着溝には、全周に内装可能な環状であり、その求心方向に開口する断面コ字形の耐熱弾性素材製で、その上片は耐圧蓋パッキン装着溝内上面に、またその下片は当該鍋本体密閉用フラット面に夫々密着状に当接可能であって、同下片の当該鍋本体逃圧用凹欠に対応する各所には、それら各逃圧用凹欠内に遊嵌状となる凸部が突設されたパッキンを交換自在に装着し、さらに当該鍋本体の各逃圧用凹欠内に遊嵌状としたパッキン各凸部の下方位には、夫々破壊圧力調整部を配してなるものとしたことを特徴とする圧力鍋の逃圧構造。
  3. 円筒状容器の開口縁上端面を密閉用フラット面に形成し、該密閉用フラット面に連なる外周壁面の適宜間隔置きとなる複数箇所の夫々に、容器平面遠心方向に開放状で、密閉用フラット面から所定下方位までとなる逃圧用凹欠を形成した鍋本体の開口縁外周壁と、圧力調整弁および/または安全弁の設けられた耐圧蓋の外装周壁内面との間の適所に、所望の耐圧性をもって施蓋固定および解放可能とするロック機構を設けると共に、当該耐圧蓋パッキン装着溝には、全周に内装可能な環状であり、その求心方向に開口する断面コ字形の耐熱弾性素材製で、その上片がわは耐圧蓋パッキン装着溝内上面に、またその下片がわは当該鍋本体密閉用フラット面に夫々密着状に当接可能であって、同下片の当該鍋本体逃圧用凹欠に対応する各所には、それら各逃圧用凹欠内に遊嵌状となる凸部が突設されたパッキンを交換自在に装着し、さらに当該鍋本体の各逃圧用凹欠内に遊嵌状としたパッキン各凸部の下方位には、夫々破壊圧力調整部を配してなり、加熱調理中に圧力調整弁および/または安全弁の何れもが作動不良を生じた場合に、内圧を受けて膨張するパッキンの各凸部の下降量が、夫々破壊圧力調整部で規制されるものとし、該パッキンの各凸部周囲であって、当該鍋本体各逃圧用凹欠および放出間隙に対峙する下片がわ中途箇所に集中的に加圧して、同パッキンを強制的に緊急破裂させて減圧可能とし、緊急破裂の後には、新品のパッキンに交換可能なものとしたことを特徴とする圧力鍋の逃圧構造。
  4. 破壊圧力調整部が、鍋本体の各逃圧用凹欠内に、容器平面求心方向に向けて穿設した1個または複数個のネジ孔と、それらに螺着された頭部を円柱形状とした1個または複数個の特殊ネジとからなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の圧力鍋の逃圧構造。
  5. 破壊圧力調整部が、鍋本体の各逃圧用凹欠の底壁面からなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の圧力鍋の逃圧構造。
  6. 破壊圧力調整部が、鍋本体の各逃圧用凹欠内に突設するよう一体成型された段差部からなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の圧力鍋の逃圧構造。
  7. 破壊圧力調整部が、鍋本体の各逃圧用凹欠の底壁面中央から、上向きに突出したブロック部からなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の圧力鍋の逃圧構造。
  8. 鍋本体が、密閉用フラット面の内周縁に沿って、耐圧蓋施蓋状態で密着状に当接するパッキン下片の厚みより僅かに高くなるよう上向き突出し、密閉用フラット面保護およびパッキン下片保護用となる環状土堤部を設けてなるものとした、請求項1ないし7何れか一項記載の圧力鍋の逃圧構造。
  9. 鍋本体の外周壁と、同鍋本体に施蓋状態に組み合わせた耐圧蓋の外装周壁との間に形成される放出間隙が、その放出口を鍋本体胴部外周壁よりも遠心がわに下向き開口するよう形成してなるものとした、請求項1ないし8何れか一項記載の圧力鍋。
  10. 耐圧蓋外装周壁の下端周縁内壁面をパッキン装着溝よりも容器平面遠心がわに配置すると共に、該外装周壁の下端周縁内壁面に対峙する鍋本体の外周壁に、容器平面遠心がわに膨出して放出間隙を遠心がわに折曲し、同放出間隙の放出口を鍋本体胴部外周壁より遠心がわで、鉛直下向き方向に開口するよう形成可能とする誘導鍔部を設けてなるものとした、請求項1ないし8何れか一項記載の圧力鍋。
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