JP3153849U - 圧力鍋の逃圧構造 - Google Patents
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Abstract
Description
加熱調理中に容器内が高圧となる圧力鍋は、一般に圧力調整弁および安全弁を有しており、該圧力調整弁で加熱中の圧力鍋内の気圧を一定に維持可能とし、異常な過熱や圧力調整弁の故障などで同圧力調整弁の設定圧力を超えて内圧が上昇してしまったときには、安全弁が作動して内圧を自動的に減圧させるものとなっているが、それら圧力調整弁および安全弁の双方に目詰まりや故障などによる作動不良を生じてしまうと、圧力鍋の内圧が同圧力鍋の耐圧強度を超えてしまう虞があり、このような危険を回避するものとして、鍋蓋の周縁内に装着された耐熱弾性素材製のパッキンの外周がわに対峙する鍋蓋周壁適所に適切な形状寸法のスリットを貫通状に開口しておき、圧力調整弁および安全弁の双方が作動しなかった場合に、該パッキンの一部がスリットから膨出するよう変形して当該圧力鍋内の蒸気を逃圧可能にしたものが広く市販されている。
こうした状況を憂慮し、例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、圧力調整弁の構造を簡単なものとして、組み立ておよび取り外しが容易で、洗浄し易くして誰でも簡単に圧力調整弁の作動を正常に保つことができるようにしたものや、同特許文献1(2)に見られるような、圧力鍋の内圧異常が生じた場合に、これを温度異常として検知し、当該事実をユーザに報知可能とするよう、自動制御可能とした電気圧力鍋などが散見される。
上述したとおり、従前までに提案のある各種圧力調整弁や電気圧力鍋で、電子的自動制御装置などの組み込みも無い一般的な圧力鍋の場合、その圧力調整弁および安全弁の双方が作動不良を生じてしまったとき、万が一そのまま放置され、利用者の適切な監視がないままに過熱調理が継続されてしまうと、圧力鍋自体が破壊するまで内部圧力の上昇を来たしてしまい、不測の事態を阻止できないという欠点があるにも拘らず、従来型では、その内圧が異常上昇したとき、鍋蓋周壁のスリットからパッキンの一部が膨出して自動的に逃圧するもの以外に有効な解決策がなく、このような利用者の不注意にあっても、緊急異常過熱時にパッキンが確実に破損、逃圧機能するものとなし、その際の摩耗や損傷を生じてしまった後には、そのままの継続使用はできないものとし、必ずパッキンを新しいものに交換しなければ正常に利用し続けることができないようにする技術は、未だ存在しないというのが現状である。
そこで、この考案は、圧力調整弁および安全弁の双方が作動不良を生じて異常過熱してしまった場合、自動的にパッキンの適所を破損させて逃圧するようにし、その沈静化後には、それら変形、損傷したものは廃棄して新しいパッキンに交換しなければ圧力鍋として機能せず、パッキンを交換しさえすれば、以降も安全且つ正常な利用が保証されることになるという新たな発想に基づいた圧力鍋技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の圧力鍋の逃圧構造を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
図面に示すこの考案を代表する実施例からも明確に理解されるように、この考案の圧力鍋の逃圧構造は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、円筒状容器の開口縁上端面を密閉用フラット面に形成し、該密閉用フラット面に連なる外周壁面の適宜間隔置きとなる複数箇所の夫々に、容器平面遠心方向に開放状で、密閉用フラット面から所定下方位までとなる逃圧用凹欠を形成した鍋本体の開口縁外周壁と、圧力調整弁および/または安全弁の設けられた耐圧蓋の外装周壁内面との間の適所に、所望の耐圧性をもって施蓋固定および解放可能とするロック機構を設けると共に、当該耐圧蓋パッキン装着溝には、全周に内装可能な環状であり、その求心方向に開口する断面コ字形の耐熱弾性素材製で、その上片がわは耐圧蓋パッキン装着溝内上面に、またその下片がわは当該鍋本体密閉用フラット面に夫々密着状に当接可能であって、同下片の当該鍋本体逃圧用凹欠に対応する各所には、それら各逃圧用凹欠内に遊嵌状となる凸部が突設されたパッキンを交換自在に装着し、さらに当該鍋本体の各逃圧用凹欠内に遊嵌状としたパッキン各凸部の下方位には、夫々破壊圧力調整部を配してなるものとした構成を要旨とする圧力鍋の逃圧構造である。
鍋本体は、所定量の調理対象物を収容し、底面からの加熱を受けて内容物を加熱可能とするものであり、上向きに開口する開口縁に耐圧蓋を開閉自在に密閉装着可能であり、充分な耐熱性および耐圧性を有するものとし、円筒状容器の開口縁上端面を密閉用フラット面に形成し、該密閉用フラット面に連なる外周壁面の適宜間隔置きとなる複数箇所の夫々に、容器平面遠心方向に開放状で密閉用フラット面から所定下方位までとなる逃圧用凹欠を形成した上、同開口縁外周壁と耐圧蓋の外装周壁内面との間の適所に、所望の耐圧性をもって施蓋固定および解放可能とするロック機構を有するものとしなければならず、例えば片手鍋型や両手鍋型、寸胴鍋型、土鍋型のもの、または二重容器構造を有する炊飯釜型や蒸し鍋型のものなど様々な形状のものとすることができ、後述する実施例に示すように、密閉用フラット面の内周縁に沿って耐圧蓋施蓋状態で密着状に当接するパッキン下片の厚みより僅かに高くなるよう上向き突出し、密閉用フラット面保護およびパッキン下片保護用となる環状土堤部を設けてなるものとするのが望ましい。
以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
以上のとおりの構成からなるこの考案の逃圧構造1を設けた圧力鍋10は、適量の調理対象物を収容した鍋本体2の開口縁22に、図1ないし図4中に示すような、ロック機構7の各係止爪70,70,……に各係合爪71,71,……を係合させるよう耐圧蓋4を組み合わせて容器平面時計回り方向に回転操作して強固に固定したものにすると、耐圧蓋4パッキン装着溝42に装着してあるパッキン9の上片90がわが、同耐圧蓋4パッキン装着溝42内上面に、また、その下片91がわが当該鍋本体2密閉用フラット面23にと、夫々全周に渡り密着状に当接する。
以上のような構成からなる実施例1の圧力鍋10の逃圧構造1は、前記この考案の効果の項で記載の特徴を有している上、図3および図4中に示すように、寸胴型の圧力鍋10に対して当該逃圧構造1を採用しており、一般家庭向けのものよりも各段に高い耐久性が求められる業務用圧力鍋10にも、基本的構造そのままの逃圧構造1を装着することが可能であり、より一層秀れた耐久性と安全性とをもった業務用圧力鍋10を提供可能とすることができるという秀れた効果を発揮するものとなる。
叙述の如く、この考案の圧力鍋の逃圧構造は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの圧力鍋技術に比較して大幅に安全性を高め、経済的に生産することができる上、耐久性を各段に高めることができるから、圧力調整弁や安全弁が正確に作動するか心配で、加熱調理中に圧力鍋から目を離せなかった一般家庭の人々はもとより、経済的で耐久寿命の長い圧力鍋の提供を希望する外食・中食業界や厨房器具業界および調理器具業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
10 同 圧力鍋
2 鍋本体
20 同 胴部
21 同 外周壁
22 同 開口縁
23 同 密閉用フラット面
24 同 逃圧用凹欠
25 同 底壁面
26 同 土堤部
27 同 誘導鍔部
3 破壊圧力調整部
30 同 ネジ孔
31 同 特殊ネジ
32 同 特殊ネジの頭部
33 同 段差部
4 耐圧蓋
40 同 外装周壁
41 同 下端周縁
42 同 パッキン装着溝
5 圧力調整弁
6 安全弁
7 ロック機構
70 同 係止爪
71 同 係合爪
8 放出間隙
80 同 放出口
9 パッキン
90 同 上片
91 同 下片
92 同 凸部
A 適正な距離
B 不適正な距離
Claims (10)
- 円筒状容器の開口縁上端面を密閉用フラット面に形成し、該密閉用フラット面に連なる外周壁面の適宜間隔置きとなる複数箇所の夫々に、容器平面遠心方向に開放状で、密閉用フラット面から所定下方位までとなる逃圧用凹欠を形成した鍋本体の開口縁外周壁と、圧力調整弁および/または安全弁の設けられた耐圧蓋の外装周壁内面との間の適所に、所望の耐圧性をもって施蓋固定および解放可能とするロック機構を設けると共に、当該耐圧蓋パッキン装着溝には、全周に内装可能な環状であり、その求心方向に開口する断面コ字形の耐熱弾性素材製で、その上片がわは耐圧蓋パッキン装着溝内上面に、またその下片がわは当該鍋本体密閉用フラット面に夫々密着状に当接可能であって、同下片の当該鍋本体逃圧用凹欠に対応する各所には、それら各逃圧用凹欠内に遊嵌状となる凸部が突設されたパッキンを交換自在に装着し、さらに当該鍋本体の各逃圧用凹欠内に遊嵌状としたパッキン各凸部の下方位には、夫々破壊圧力調整部を配してなるものとしたことを特徴とする圧力鍋の逃圧構造。
- 円筒状容器の開口縁上端面を密閉用フラット面に形成し、該密閉用フラット面に連なる外周壁面の適宜間隔置きとなる複数箇所の夫々に、容器平面遠心方向に開放状で、密閉用フラット面から所定下方位までとなる逃圧用凹欠を形成した鍋本体と、該鍋本体開口に外装嵌合可能で、適所に圧力調整弁および/または安全弁の中、少なくとも1個を設けてなる蓋体であって、その外周縁に沿って、当該鍋本体開口縁周り外周壁面との間で、各逃圧用凹欠に連通状となる放出間隙を形成するよう下向きに延伸させた外装周壁を有し、該外装周壁内がわには、蓋体平面形求心方向に開口するパッキン装着溝を刻設した耐圧蓋とを有し、これら鍋本体開口縁外周壁と耐圧蓋外装周壁内面との間の適所に、所望の耐圧性をもって施蓋固定および解放可能とするロック機構を設けると共に、当該耐圧蓋パッキン装着溝には、全周に内装可能な環状であり、その求心方向に開口する断面コ字形の耐熱弾性素材製で、その上片は耐圧蓋パッキン装着溝内上面に、またその下片は当該鍋本体密閉用フラット面に夫々密着状に当接可能であって、同下片の当該鍋本体逃圧用凹欠に対応する各所には、それら各逃圧用凹欠内に遊嵌状となる凸部が突設されたパッキンを交換自在に装着し、さらに当該鍋本体の各逃圧用凹欠内に遊嵌状としたパッキン各凸部の下方位には、夫々破壊圧力調整部を配してなるものとしたことを特徴とする圧力鍋の逃圧構造。
- 円筒状容器の開口縁上端面を密閉用フラット面に形成し、該密閉用フラット面に連なる外周壁面の適宜間隔置きとなる複数箇所の夫々に、容器平面遠心方向に開放状で、密閉用フラット面から所定下方位までとなる逃圧用凹欠を形成した鍋本体の開口縁外周壁と、圧力調整弁および/または安全弁の設けられた耐圧蓋の外装周壁内面との間の適所に、所望の耐圧性をもって施蓋固定および解放可能とするロック機構を設けると共に、当該耐圧蓋パッキン装着溝には、全周に内装可能な環状であり、その求心方向に開口する断面コ字形の耐熱弾性素材製で、その上片がわは耐圧蓋パッキン装着溝内上面に、またその下片がわは当該鍋本体密閉用フラット面に夫々密着状に当接可能であって、同下片の当該鍋本体逃圧用凹欠に対応する各所には、それら各逃圧用凹欠内に遊嵌状となる凸部が突設されたパッキンを交換自在に装着し、さらに当該鍋本体の各逃圧用凹欠内に遊嵌状としたパッキン各凸部の下方位には、夫々破壊圧力調整部を配してなり、加熱調理中に圧力調整弁および/または安全弁の何れもが作動不良を生じた場合に、内圧を受けて膨張するパッキンの各凸部の下降量が、夫々破壊圧力調整部で規制されるものとし、該パッキンの各凸部周囲であって、当該鍋本体各逃圧用凹欠および放出間隙に対峙する下片がわ中途箇所に集中的に加圧して、同パッキンを強制的に緊急破裂させて減圧可能とし、緊急破裂の後には、新品のパッキンに交換可能なものとしたことを特徴とする圧力鍋の逃圧構造。
- 破壊圧力調整部が、鍋本体の各逃圧用凹欠内に、容器平面求心方向に向けて穿設した1個または複数個のネジ孔と、それらに螺着された頭部を円柱形状とした1個または複数個の特殊ネジとからなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の圧力鍋の逃圧構造。
- 破壊圧力調整部が、鍋本体の各逃圧用凹欠の底壁面からなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の圧力鍋の逃圧構造。
- 破壊圧力調整部が、鍋本体の各逃圧用凹欠内に突設するよう一体成型された段差部からなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の圧力鍋の逃圧構造。
- 破壊圧力調整部が、鍋本体の各逃圧用凹欠の底壁面中央から、上向きに突出したブロック部からなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の圧力鍋の逃圧構造。
- 鍋本体が、密閉用フラット面の内周縁に沿って、耐圧蓋施蓋状態で密着状に当接するパッキン下片の厚みより僅かに高くなるよう上向き突出し、密閉用フラット面保護およびパッキン下片保護用となる環状土堤部を設けてなるものとした、請求項1ないし7何れか一項記載の圧力鍋の逃圧構造。
- 鍋本体の外周壁と、同鍋本体に施蓋状態に組み合わせた耐圧蓋の外装周壁との間に形成される放出間隙が、その放出口を鍋本体胴部外周壁よりも遠心がわに下向き開口するよう形成してなるものとした、請求項1ないし8何れか一項記載の圧力鍋。
- 耐圧蓋外装周壁の下端周縁内壁面をパッキン装着溝よりも容器平面遠心がわに配置すると共に、該外装周壁の下端周縁内壁面に対峙する鍋本体の外周壁に、容器平面遠心がわに膨出して放出間隙を遠心がわに折曲し、同放出間隙の放出口を鍋本体胴部外周壁より遠心がわで、鉛直下向き方向に開口するよう形成可能とする誘導鍔部を設けてなるものとした、請求項1ないし8何れか一項記載の圧力鍋。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009003438U JP3153849U (ja) | 2009-05-25 | 2009-05-25 | 圧力鍋の逃圧構造 |
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JP2009003438U JP3153849U (ja) | 2009-05-25 | 2009-05-25 | 圧力鍋の逃圧構造 |
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JP3153849U true JP3153849U (ja) | 2009-09-24 |
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JP2009003438U Expired - Lifetime JP3153849U (ja) | 2009-05-25 | 2009-05-25 | 圧力鍋の逃圧構造 |
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JP (1) | JP3153849U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013515531A (ja) * | 2009-12-23 | 2013-05-09 | セブ ソシエテ アノニム | ノッチを設けた可撓性スカートを有する圧力調理器のガスケット |
JP2021137207A (ja) * | 2020-03-04 | 2021-09-16 | 株式会社 鋳物屋 | 鍋、鍋の容器 |
-
2009
- 2009-05-25 JP JP2009003438U patent/JP3153849U/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2013515531A (ja) * | 2009-12-23 | 2013-05-09 | セブ ソシエテ アノニム | ノッチを設けた可撓性スカートを有する圧力調理器のガスケット |
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