JP3153396B2 - 固有振動数測定装置およびこれを用いた張力測定装置 - Google Patents

固有振動数測定装置およびこれを用いた張力測定装置

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JP3153396B2
JP3153396B2 JP26403793A JP26403793A JP3153396B2 JP 3153396 B2 JP3153396 B2 JP 3153396B2 JP 26403793 A JP26403793 A JP 26403793A JP 26403793 A JP26403793 A JP 26403793A JP 3153396 B2 JP3153396 B2 JP 3153396B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固有振動数測定装置およ
びこれを用いた張力測定装置に関し、特に、物体の状態
を検出するための固有振動数測定装置、およびこの固有
振動数測定装置で得られた振動数に基づいて、2点間に
架けられたベルト等の、線状もしくは帯状部材の張力を
検出する張力測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】回転力を伝達したり物品を搬送したりす
るのにベルト装置が広く使われている。このベルト装置
において、プーリに巻き掛けられたベルトの張力が予定
された値どおりに設定されていないと、一方のプーリか
ら他方のプーリへ効率的に回転力を伝達できなかった
り、安定した状態で物品を搬送したりできないことが生
じる。また、ベルトの特性に見合った張力がベルトに与
えられていないと、ベルト自体の寿命が短くなり、交換
頻度が増すという問題点もある。
【0003】この問題点を解消するために、ベルトの張
力を測定する適当な方法が必要になる。ベルトの張力測
定方法として、プーリに巻き掛けられたベルトに振動を
与え、この振動を分析してベルトの固有振動数を検出
し、検出された固有振動数を利用して所定の計算式に従
ってベルトの張力を算出する方法が知られている。前記
固有振動数の測定は、変位測定器と周波数分析器とを使
用し、周波数の分布を調査することによって行うのが一
般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術は、次
のような問題点を有していた。すなわち、従来の固有振
動数測定方法では、変位測定器や周波数分析器を使用す
ることから、固有振動数測定装置や、固有振動数に基づ
いて物体の張力を検出する張力測定装置の構成が大掛か
りになるという問題点がある。
【0005】本発明は、前述の問題点を解決するために
なされたものであり、その目的は、簡易な構成によって
固有振動数を測定することができる装置、および測定さ
れた固有振動数を利用してベルトの張力を検出できる張
力測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決する
ための本発明は、被測定物の振動を検出する非接触測定
手段と、前記非接触測定手段で検出された振動波形のサ
イクル毎の時系列周期を測定する周期測定手段と、測定
された前記時系列周期から連続する予定個数の周期デー
タを含む周期群を母集団として複数抽出する手段と、前
記母集団内の各周期データのばらつきを演算する手段
と、抽出された複数の母集団から前記ばらつきが最小の
ものを選出する手段と、選出された母集団を代表する周
期および該周期に対応する周波数のいずれか一方を該被
測定物の固有振動データとして出力する手段とを具備し
た点に第1の特徴がある。
【0007】また、本発明は、前記被測定物が2点間に
架けられた物体であって、かつ前記固有振動データに基
づいて所定の算出式を使用して前記物体の張力を算出す
る張力演算手段をさらに具備した点に第2の特徴があ
る。
【0008】
【作用】2点間に張られたベルト等、緊張した物体に衝
撃を加えると、これらの物体は、高調波成分や衝撃成分
を含んだ不規則な波形と、その物体に固有の規則的な波
形つまり固有振動数で振動する。そして、前記固有振動
数での振動は、他の振動つまり高調波や衝撃成分とは異
なり、振動周期のばらつきがきわめて小さい振動であ
る。
【0009】本発明は、このような固有振動の特徴に鑑
みてなされたもので、上記の特徴的構成によって、周期
群内の各周期データのばらつきが演算され、この演算結
果によるばらつきが最小の群が選出される。そして、こ
のばらつき最小の周期群を代表する周期または振動数
が、当該振動物体の固有振動に対応する周期または振動
数(固有振動数)として出力される。さらにこの周期ま
たは固有振動数に基づき所定の算出式を使用して張力が
算出される。
【0010】
【実施例】以下に、図面を参照して、本発明を詳細に説
明する。図2は本発明の一実施例を示す固有振動数測定
装置およびこれを用いた張力測定装置のハード構成を示
すブロック図である。図2において、軸間距離Lで配置
されたプーリ1a,1bに架けられているベルト2に対
向してマイクロフォン3が配置されている。マイクロフ
ォン3で検出された波動はフィルタ4に入力される。フ
ィルタ4では、入力された波形信号から高周波のノイズ
成分を除去する。ノイズが除去された波形信号はコンパ
レータ5に供給される。コンパレータ5は、予定のしき
い値に従って入力波形を整形し、矩形波信号を出力す
る。
【0011】前記矩形波信号は微分回路6に入力され、
この微分回路6は、波形の立上がりおよび立下がりのエ
ッジ検出信号を出力する。このエッジ検出信号のうち、
例えば立上がりのエッジ検出信号が、遅延回路7、ラッ
チ8、およびフリップフロップ(F/F)9に入力され
る。カウンタ10は、図示しないパルス発生装置から供
給されるクロックパルス(CK)を計数する。
【0012】前記エッジ検出信号が供給されると、これ
に応答して、まず、ラッチ8はカウンタ10の値を取込
む。また、遅延回路7は前記エッジ検出信号を所定時間
遅らせてカウンタ10に供給する。遅延された信号はカ
ウンタ10のリセット端子に接続され、遅延された信号
によってカウンタ10の値がリセットされる。
【0013】さらに、フリップフロップ9は、前記エッ
ジ検出信号によってセットされる。フリップフロップ9
の出力状態は、マイクロコンピュータ(マイコン)11
で識別される。マイコン11はフリップフロップ9のセ
ットを検出し、これによってカウンタ10の値がラッチ
8に保持されたことを認識する。マイコン11は、この
認識結果に基づいてラッチ8からカウンタ値を取込み、
マイコン11内のメモリに格納する。マイコン11はカ
ウンタ値をラッチ8から取込んだ後はクリア信号を出力
してフリップフロップ9をリセットする。
【0014】こうして、マイコン11内のメモリには、
マイクロフォン3で検出された振動波形に基づいて得ら
れた矩形波の1サイクル毎の周期が、カウンタ10によ
るカウンタ値として記憶される。
【0015】なお、本実施例では、カウンタ値をラッチ
8に取込む毎にカウンタ10をクリアするようにした
が、カウンタ10をいちいちクリアしないで、前記エッ
ジ検出時のカウンタ値を順次読込むようにしてもよい。
この場合は、マイコン11内部の処理で各カウンタ値の
差を算出して各サイクルの周期を検出することができ
る。
【0016】以上の構成によって、図示しない打撃手段
でベルト2に衝撃を加えると、この衝撃によるベルト2
の振動はマイクロフォン3で検出され、検出された振動
の各サイクルの周期がマイコン11に記憶される。ベル
ト2の振動は、衝撃や高調波成分を含んだ不規則な波形
であるが、この不規則な波形の中にも周期がほぼ一定
の、規則的な波形が連続するようになり、この連続波形
が、プーリ1a,1bに架けられた当該ベルト2の固有
振動に対応すると考えられる。
【0017】そこで、本実施例では、次のようにして固
有振動と考えられる振動の振動数を検出するようにし
た。すなわち、前記マイコン11に記憶された時系列の
周期データつまりカウンタ値のうち、連続する予定個数
の周期からなる周期群を1つの母集団とし、該周期群
を、相互に隣接する周期群が部分的に重複するように抽
出し、それぞれの周期群の平均周期(各母集団の母平
均)を算出する。すなわち移動平均演算を行う。前記母
平均が移動平均演算によって求められることから、本明
細書では、該母平均を、以下移動平均値という。
【0018】前記移動平均値に対する各周期のばらつき
が最も小さい周期群を選択し、該周期群を代表する周期
が、固有振動数に対応する周期であるとみなすようにし
た。特に、前記移動平均値を、その周期群を代表とする
周期とするのがよい。
【0019】図3を参照して前記周期群を抽出する手法
を説明する。図3において、前記マイコン11に記憶し
た時系列の周期のデータがx個ある場合を想定する。そ
こで、まず、先頭データつまりデータd1からデータd
nまでn個のデータを対象とした第1の周期群G1を抽
出する。次にデータd2からデータdn+1までを第2の
周期群G2として抽出する。以下、同様に、抽出する周
期群の先頭データを1つずつ後へずらしていき、最後の
周期群つまりデータdx−n+1からデータdxを含む
周期群Gmまで、記憶されているすべてのデータを網羅
する個数m(m=x−n+1)だけの周期群を抽出す
る。
【0020】ここで、データを後へずらす場合、1つず
つずらすのではなく、任意の整数ずつずらしていっても
よい。つまり、隣接する各周期群の重複の程度は任意に
設定することができる。なお、データを複数個ずつずら
していくと、最後にデータの端数が生じるが、その場合
は、それらの端数のデータは処理の対象としないように
しても実用上は問題ない。
【0021】次に、図4のフローチャートを参照して本
実施例の動作を説明する。図4において、ステップS1
では、前記周期群を識別するための変数mに「1」をセ
ットする。ステップS2では、同様に、マイコン11に
記憶された時系列の周期データを識別するための変数i
に「1」をセットする。なお、ここで、前記周期のデー
タを、先頭からではなく途中から処理していく場合は、
変数iに「1」以上の値をセットすればよい。これは、
最初に取り込んだデータに信頼性がない場合を考慮し
て、最初の部分のデータを除き、途中のデータから処理
していく場合の処置である。あるいは、周期データの最
後から周期群を抽出していき、半端となった最先データ
を無視するようにしてもよい。
【0022】ステップS3では、i番目から(i+n−
1)番目まで、つまりn個のデータつまり周期を読み込
む。ステップS4では、読み込んだ周期の平均値Mn
(m)を算出して記憶する。ステップS5では、前記平
均値Mn(m)に対する各周期の偏差の絶対値の和Σδ
n(m)を算出して記憶する。ステップS6では、前記
絶対値の和Σδn(m)を平均値Mn(m)で除した値
を、ばらつきを示す指数Dn(m)として算出して記憶
する。本明細書では、該指数Dn(m)をばらつき指数
と呼ぶ。
【0023】ステップS7では、変数iに値aを加算し
て変数iを更新する。ここで値aは移動平均をとる周期
群の移動間隔もしくは移動速度を決定するための値であ
り、任意の固定された正の整数である。換言すれば、こ
の値aによって、互いに隣接する各周期群の重複の程度
が調整される。
【0024】ステップS8では、マイコン11に格納さ
れた周期のデータのすべてについて前記ばらつき指数を
算出するための処理が終了したか否かを判断する。この
判断は、(i+n−1)番目のデータの有無によって判
断できる。つまり、ステップS7で変数iを更新した結
果、値(i+n−1)が記憶されている周期データの数
を超過していれば上記処理は終了したと判断する。
【0025】ステップS8の判断が否定ならば、ステッ
プS9で変数mをインクリメント(+1)してステップ
S3に戻る。また、ステップS8の判断が肯定ならば、
ステップS10に進む。ステップS10では、前記ばら
つき指数Dn(m)が最小である周期群を選出する。ス
テップS11では、ばらつき指数Dn(m)が最小であ
る周期群を代表する周期を検出する。これは、すでに演
算されている当該周期群の平均周期Mn(m)とするの
がよい。ステップS12では、前記周期群を代表する周
期に基づいて固有振動数を算出する。つまり前記周期の
逆数を求める。
【0026】以上の手順によって検出された周期または
この周期に基づいて得られる振動数つまり固有振動数を
利用し、既知の算出式に従ってベルトの張力を算出でき
る。ベルトの張力を算出する式は、次のとおりである。
次式(1)において、符号fは固有振動数(Hz)、符
号Aはベルトの線密度(kg/m)、符号Lはプーリの
軸間距離である。張力T=(4×L2 ×A×f2 )÷
9.8……(1) また、周期(符号tで示す)を使った場合は張力の算出
式は次のようになる。 張力T=(4×L2 ×A×(1/t)2 )÷9.8……(2) 次に、図1の機能ブロック図を参照して本実施例のマイ
コン部の要部機能を説明する。同図において、周期記憶
部12には、前記ラッチ8から取込んだ時系列のカウン
タ値つまり周期を示すデータが記憶される。前記周期記
憶部12に格納された前記データのうち、アドレス指示
部13から供給されるiからi+n−1までのn個の連
続したアドレスで指定されるn個のデータがバッファ1
4に読み出される。平均値算出部15では前記n個のデ
ータの平均値Mn(m)が算出される。算出された平均
値は平均値記憶部16に記憶される。偏差算出部17で
は前記平均値に対するバッファ14に読み出された各デ
ータの偏差δn(m)が算出される。そして、算出され
た偏差は偏差和算出部18に供給されて偏差の和Σδn
(m)が算出され、偏差和記憶部19に記憶される。こ
こで、偏差の和の算出は偏差の絶対値の和として算出す
る。ばらつき指数算出部20では、前記偏差和と平均値
とに基づいてばらつき指数Dn(m)が算出され、ばら
つき指数記憶部21に記憶される。
【0027】アドレス指示部13から出力されるアドレ
スは、ばらつき指数が所定の記憶部21に格納されると
新たに変数iに任意の正の整数aが加算されて更新され
る。同時に各記憶部16,19,21のアドレスを指定
する変数mがインクリメントされる。
【0028】最小値検出部22は、ばらつき指数記憶部
21に記憶された指数Dn(m)のうち最小のものを選
択し、その指数Dn(m)の変数mを平均値記憶部16
に出力する。平均値記憶部16は、供給された変数mに
対応する平均値を、周波数算出部23に出力し、周波数
算出部23はこの平均値から周波数を算出する。さら
に、周波数は張力算出部24に入力され、前記式(1)
によってベルトの張力が算出される。なお、上述のよう
に、周波数と周期とは互いに逆数の関係にあるので、張
力の計算に周期を使用するようにしてもよい。この場
合、周波数算出部23は省略することができる。算出さ
れた張力は、液晶パネルやCRT等の、適当な表示部2
5もしくは印字部26に出力して可視化できる。
【0029】また、必要に応じて、算出された周期や周
波数を直接表示部25や印字部26に出力できるように
してもよい。この場合には、表示部25や印字部26で
出力された結果を、別途準備する周波数(もしくは周
期)−張力換算表に照らして、人の判断によって張力を
認識することができる。もちろん、周波数もしくは周期
を他の値に換算することなく、表示または印字された周
波数もしくは周期そのものをベルトの張力判定の材料と
することもできる。
【0030】以上の説明のように、本実施例では、ベル
トの振動周期を系時的に計測し、その中から、ほぼ周期
が一定している周期群、換言すればばらつきの少ない周
期群を選出し、この周期群に基づいて、プーリ間に架け
られたベルトの張力を算出するようにした。
【0031】本実施例では、周期のデータすなわちカウ
ンタ値に基づいて固有振動を含む周期群を検出し、該周
期群を代表する周期をもとに周波数を算出したが、前記
カウンタ値をラッチ8からマイコン11に取込んだ後
に、まず、このカウンタ値に基づいて各周期毎に周波数
を算出し、その後の処理は、この周波数を対象にして行
うようにしてもよい。
【0032】また、前記ばらつき指数Dn(m)のうち
最小値を、すべてのばらつき指数を算出した後に検出す
るのに限らず、1の周期群についてばらつき指数Dn
(m)を算出する毎に、それまでに算出された最小のば
らつき指数Dn(m)との大小を比較し、小さい方だけ
を記憶データとして保持していくようにしてもよい。
【0033】さらに、前記カウンタ値を一旦マイコン1
1に記憶した後に、上述の演算処理をするのではなく、
系時的に得られる周期データをマイコン11に取込みつ
つ同時に演算を行っていくこともできる。
【0034】なお、前記平均値との偏差の和Σδn
(m)の算出において、偏差の絶対値の和に代えて偏差
の二乗の和Σδn2 (m)を使用してもよく、偏差の二
乗の和の平方根(Σδn2 1/2 (m)を使用してもよ
い。要は、各周期群内における周期データのばらつきを
代表する数値パラメータを演算し、これを使用すればよ
い。
【0035】次に、ベルト装置に架けられたベルトにハ
ンマで打撃を与えたときの実際の振動によって得られた
データの例を示す。ここでは、マイコン11に記憶され
たカウンタ値から得られる周期を周波数に変換し、その
後の演算処理を行った場合の例を示す。図5は、前記周
期群すなわち母集団を構成するデータ個数nが5の場合
の各周期群の平均周波数つまり5項移動平均手法で得ら
れた周波数値である。データ番号はマイコン11に取り
込んだ順である。また、図6には、前記5項移動平均手
法で得られた各周期群の平均周波数に基づいて算出され
た前記ばらつき指数Dn(m)を示す。
【0036】図5および図6におけるデータ番号は互い
に対応する。図6において、最小のばらつき指数Dn
(m)を示しているのはデータ番号24であり、その最
小値は0.002である。そして、このデータ番号24
と対応する周波数262.19Hz(図5)を、当該ベ
ルト装置に架けられたベルトの固有振動数とする。
【0037】なお、図5および図6に示したデータの元
になるデータに関し、前記データ個数nが10の場合つ
まり10項移動平均手法で得られた周波数のデータにつ
いて演算を行った結果、ばらつき指数Dn(m)の最小
値が0.006、固有振動数263.44Hzが得られ
た。
【0038】以上のように、本実施例では、プーリ間に
架けられたベルトの固有振動数を検出し、この固有振動
数に基づいて該ベルトの張力を算出するようにしたもの
であるが、本発明の測定対象となるものは前記ベルトに
限定されない。
【0039】例えば、ビデオテープや感熱プリンタのイ
ンクリボンは、所定の支持手段間に緊張状態で張架され
た膜状基体に、磁性粉体もしくはインクを塗布して製造
される。ところで、ビデオテープやインクリボンでは、
磁性粉体もしくはインクの塗布状態が品質に大きく影響
するため、これらを塗布するときの前記基体の状態を正
確に管理することが肝要である。そこで、前記磁性粉体
もしくはインクの塗布工程では、前記基体の緊張状態を
正確に検出し、これを一定状態に管理することが要請さ
れる。
【0040】このような製造工程に本発明を適用し、支
持手段間に張架された膜状基体に適宜の打撃手段で振動
を与えることにより、その振動に基づいて前記基体の固
有振動数を測定できる。そして、この測定値が、該基体
の予定の緊張度に対応する固有振動数となるように支持
手段を調節して前記基体の緊張状態を正確に調節するこ
とができる。
【0041】その他、上記帯状の被測定物に限らず糸
状、線状、板状の物体等について、それぞれの固有振動
数を測定し、その測定値に基づいて該物体自体の物性や
特質、装置への装着状態の適否等を判定することができ
る。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、変位測定器や周波数分析器などの大掛かりな
装置を使用しないで、簡便な装置で物体の固有振動数測
定を行え、プーリに架けられたベルトの張力等、物体の
状態を測定できる。
【0043】したがって、ベルト装置やベルトの材質を
研究する研究室や実験室におけるベルト張力の測定に適
用できることはもちろん、ベルト装置が使用されている
広く一般の産業において、現場で張力測定を容易に行う
ことができるようになる。
【0044】また、ベルト以外の糸状、線状、板状の物
体について、その固有振動数を簡易に測定して、その物
性や特質、装置への装着状態の適否などを容易に判定す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す測定装置の要部機能
ブロック図である。
【図2】 本発明の一実施例を示す測定装置のハード構
成ブロック図である。
【図3】 周期群設定手法の説明図である。
【図4】 周波数算出の動作を示すフローチャートであ
る。
【図5】 移動平均演算による平均周波数の例を示す図
である。
【図6】 ばらつき指数の算出結果の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1a,1b…プーリ、 2…ベルト、 3…マイクロフ
ォン、 12…周期記憶部、 15…平均値算出部、
17…偏差算出部、 18…偏差和算出部、 20…ば
らつき指数算出部、 22…最小値検出部、 23…周
波数算出部、 24…張力算出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01H 13/00 G01L 1/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物の振動を検出する非接触測定手
    段と、 前記非接触測定手段で検出された振動波形のサイクル毎
    の時系列周期を測定する周期測定手段と、 測定された前記時系列周期から連続する予定個数の周期
    データを含む周期群を母集団として複数抽出する手段
    と、 前記母集団内の各周期データのばらつきを演算する手段
    と、 抽出された複数の母集団から前記ばらつきが最小のもの
    を選出する手段と、 選出された母集団を代表する周期および該周期に対応す
    る周波数のいずれか一方を該被測定物の固有振動データ
    として出力する手段とを具備したことを特徴とする固有
    振動数測定装置。
  2. 【請求項2】 被測定物の振動を検出するマイクロフォ
    ンと、 前記マイクロフォンで検出された振動波形のサイクル毎
    の時系列周期を測定する周期測定手段と、 測定された前記時系列周期から移動平均演算によって各
    周期群の平均周期を算出する平均周期演算手段と、 前記各平均周期算出の対象となる周期群に関し、前記平
    均周期と各周期との偏差を算出する手段と、 前記偏差に基づき、前記周期群における各周期のばらつ
    きを示す指数を算出するばらつき算出手段と、 前記指数が最も小さい周期群を代表する周期および該周
    期に対応する周波数のいずれか一方を固有振動データと
    して出力する手段とを具備したことを特徴とする固有振
    動数測定装置。
  3. 【請求項3】 前記指数が最も小さい周期群を代表する
    周期が、該周期群の平均周期であることを特徴とする請
    求項2記載の固有振動数測定装置。
  4. 【請求項4】 測定された前記周期を格納する周期記憶
    手段を具備し、 前記平均周期測定手段が、該周期記憶手段に格納された
    データに関して移動平均演算によって平均周期を算出す
    るように構成されていることを特徴とする請求項2また
    は3記載の固有振動数測定装置。
  5. 【請求項5】 前記ばらつき算出手段が、前記偏差の二
    乗の和をばらつきを示す指数として算出する手段である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固有
    振動数測定装置。
  6. 【請求項6】 前記ばらつき算出手段が、前記偏差の二
    乗の和の平方根をばらつきを示す指数として算出する手
    段であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の固有振動数測定装置。
  7. 【請求項7】 2点間に架けられた物体の張力測定装置
    において、 請求項1〜6のいずれかに記載された固有振動数測定装
    置から出力される固有振動データに基づいて所定の算出
    式を使用して張力を算出する張力演算手段を具備したこ
    とを特徴とする張力測定装置。
  8. 【請求項8】 前記物体が、プーリ間に架けられたベル
    トであることを特徴とする請求項7記載の張力測定装
    置。
JP26403793A 1993-09-29 1993-09-29 固有振動数測定装置およびこれを用いた張力測定装置 Expired - Lifetime JP3153396B2 (ja)

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