JP3152141B2 - 誘電体バリア放電ランプ - Google Patents

誘電体バリア放電ランプ

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JP3152141B2
JP3152141B2 JP33472395A JP33472395A JP3152141B2 JP 3152141 B2 JP3152141 B2 JP 3152141B2 JP 33472395 A JP33472395 A JP 33472395A JP 33472395 A JP33472395 A JP 33472395A JP 3152141 B2 JP3152141 B2 JP 3152141B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体バリア放電
を利用してエキシマ光を放出させる誘電体バリア放電ラ
ンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5に示すように、互いに対向する誘電
体よりなる一対の壁材71,72の各々の外面73,7
4に一対の電極75,76を配置し、これらの電極7
5,76の間に交流電圧を印加すると、壁材71,72
の間の放電空間に多数の針状の放電プラズマ(以下、
「マイクロプラズマ」という。)が発生することが知ら
れている。このような放電現象を誘電体バリア放電(別
名「オゾナイザ放電」あるいは「無声放電」。電気学会
発行改定新版「放電ハンドブック」平成1年6月再販7
刷発行第263ページ参照。)といい、この誘電体バリ
ア放電を適宜の放電用ガス中で発生させると、当該放電
用ガスの組成に固有のエキシマ光が放出されるため、こ
のような誘電体バリア放電を利用したランプすなわち誘
電体バリア放電ランプの開発が進められている。
【0003】例えば、特開平2−7353号公報には、
少なくとも一部が誘電体により構成された放電容器内
に、希ガスまたは希ガスとハロゲンガスとの混合ガスな
どよりなる放電用ガスが充填され、誘電体バリア放電に
よってエキシマが生成されてエキシマ光が放出される誘
電体バリア放電ランプが記載されている。
【0004】図6は、従来の誘電体バリア放電ランプの
一例における構成の概略を示す説明用縦断面図である。
この図において、80は放電容器であって、誘電体より
なる円筒状の一方の壁部81と、この一方の壁部81の
内側にその筒軸に沿って配置された、当該一方の壁部8
1の内径より小さい外径を有する誘電体よりなる筒状の
他方の壁部82とを有し、一方の壁部81および他方の
壁部82の各々の両端が封止壁部83,84によって接
合され、一方の壁部81と他方の壁部82との間には、
円筒状の放電空間Sが形成されている。86は導電性材
料よりなる網状の一方の電極であって、放電容器80に
おける一方の壁部81の外面85に密接した状態に設け
られている。88はアルミニウムよりなる膜状の他方の
電極であって、他方の壁部82の外面87を覆うよう設
けられている。89は、一方の電極86と他方の電極8
8とに接続された高周波電源である。
【0005】上記の誘電体バリア放電ランプにおいて
は、電源89により、一方の電極86と他方の電極88
との間に高周波電圧が印加されると、放電容器80にお
ける一方の壁部81と他方の壁部82との間の放電空間
Sにおいて、誘電体バリア放電による直径0.02〜
0.2mm程度の多数のマイクロプラズマが発生し、こ
れにより、放電空間Sにおいてエキシマが生成されてエ
キシマ光が放出される。そして、このエキシマ光は、一
方の壁部81を介して一方の電極86の網目から外部に
放射される。
【0006】以上において、誘電体バリア放電による個
々のマイクロプラズマは、約100ナノ秒で消滅する
が、極めて短い間隔で断続的に発生しており、見かけ上
のマイクロプラズマは連続しているので、実用上問題は
ない。然るに、見かけ上のマイクロプラズマは、放電容
器80の壁面に沿って、1秒あたり1〜100mm程度
の速さで移動しており、そのため、外部に放射される光
はチラツキが多くて相当な揺らぎが発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
外部に放射される光の揺らぎが小さい誘電体バリア放電
ランプを提供することにある。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明の誘電体バリア放
電ランプは、それぞれ誘電体により構成された互いに対
向する一方の壁部および他方の壁部を有し、当該一方の
壁部と当該他方の壁部との間に放電空間を形成する放電
容器と、この放電容器における一方の壁部および他方の
壁部の各々の外面に設けられた一方の電極および他方の
電極と、前記放電容器内に充填された放電用ガスとを有
し、前記放電容器における放電空間において誘電体バリ
ア放電によりエキシマが生成されてエキシマ光が放出さ
れる誘電体バリア放電ランプであって、前記一方の壁部
および他方の壁部のいずれかの内面に、当該壁部を構成
する誘電体の仕事関数より小さい仕事関数の物質よりな
る多数の易放電膜が設けられていることを特徴とする誘
電体バリア放電ランプ。
【0009】上記の誘電体バリア放電ランプにおいて
は、前記一方の壁部および前記他方の壁部の各々の内面
に易放電膜が設けられていることが好ましい。
【0010】また、本発明の誘電体バリア放電ランプ
は、放電空間を取り囲み、誘電体により構成された壁部
を有する放電容器と、この放電容器における前記壁部の
外面に設けられた一方の電極と、前記放電容器内に、前
記壁部に対向するよう設けられた他方の電極と、前記放
電容器内に充填された放電用ガスとを有し、前記放電容
器における放電空間において誘電体バリア放電によりエ
キシマが生成されてエキシマ光が放出される誘電体バリ
ア放電ランプであって、前記放電容器における前記壁部
の内面に、当該壁部を構成する誘電体の仕事関数より小
さい仕事関数の物質よりなる多数の易放電膜が設けられ
ている特徴とする。
【0011】本発明の誘電体バリア放電ランプにおいて
は、個々の易放電膜は、その形状が点状であって互いに
離間して配置されていることが好ましい。また、個々の
易放電膜は、その形状が線状であって互いに離間して配
置されていてもよい。
【0012】また、易放電膜は、酸化マグネシウム(M
gO)、酸化ランタン(La2 3)、酸化セリウム
(CeO2 )、酸化イットリウム(Y2 3 )、酸化ジ
ルコニウム(ZrO2 )およびホウ化ランタン(LaB
6 )よりなる群から選ばれた少なくとも一種の金属化合
物により構成されていることが好ましい。また、放電容
器における誘電体により構成された壁部が円筒状である
ことが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の誘電体バリア放電
ランプについて詳細に説明する。図1は、本発明の誘電
体バリア放電ランプの一例における構成を示す説明図で
あって、(イ)は縦断正面図、(ロ)は縦断側面図であ
る。この誘電体バリア放電ランプにおいては、誘電体よ
りなる円筒状の一方の壁部11と、この一方の壁部11
内にその筒軸に沿って設けられた、当該一方の壁部11
の内径より小さい外径を有する誘電体よりなる円筒状の
他方の壁部12とを有する密閉型の放電容器10が設け
られている。この放電容器10においては、一方の壁部
11および他方の壁部12の各々の両端部分が封止壁部
13,14によって接合され、一方の壁部11と他方の
壁部12との間に円筒状の放電空間Sが形成されてお
り、当該放電容器10には、放電用ガスとして例えばキ
セノンガスが充填されている。
【0014】また、図示の例では、放電容器10におけ
る一方の壁部11の一端側には、周方向に沿って内方に
突出する変形部15が形成されており、これにより、こ
の変形部15と封止壁部13との間に、放電空間Sに連
通するゲッタ収容室Kが形成され、このゲッタ収容室K
内にバリウム合金よりなるゲッタGが収納されている。
このゲッタGは例えば外部より作用される高周波により
加熱され、これにより、ゲッタ収容室K内の壁面にバリ
ウムよりなる薄膜が形成される。
【0015】一方の壁部11および他方の壁部12を構
成する誘電体としては、放電空間Sにおいて放出される
エキシマ光に対して透過性を有するもの、例えば合成石
英ガラス、サファイア、フッ化マグネシウムなどを用い
ることができる。
【0016】放電容器10における一方の壁部11に
は、その外周面16に密接して、例えば金網などの導電
性材料よりなる網状の一方の電極21が設けられ、放電
容器10における他方の壁部12には、その外面17を
覆うようアルミニウムよりなる膜状の電極22が設けら
れており、一方の電極21および他方の電極22は、高
周波電源20に接続されている。
【0017】放電容器10における他方の壁部12の放
電空間Sに面する内面17には、各々他方の壁部12の
周方向に沿って伸びる多数の線状の易放電膜30が、互
いに他方の壁部12の軸方向に等間隔で離間するよう設
けられている。
【0018】この易放電膜30は、他方の壁部12を構
成する誘電体の仕事関数より小さい仕事関数の物質によ
り構成されればよく、特に、他方の壁部12を石英ガラ
スにより構成するときには、石英ガラスの仕事関数は約
5eVであるので、酸化マグネシウム(MgO)、酸化
ランタン(La2 3 )、酸化セリウム(CeO2 )、
酸化イットリウム(Y2 3 )、酸化ジルコニウム(Z
rO2 )およびホウ化ランタン(LaB6 )よりなる群
から選ばれた少なくとも一種の金属化合物により構成さ
れていることが好ましい。上記の金属化合物の仕事関数
を示すと、文献によってその値は異なるが、酸化マグネ
シウム(MgO)は3.1〜4.4eV、酸化ランタン
(La2 3 )は2.8〜4.2eV、酸化セリウム
(CeO2 )は3.2eV、酸化イットリウム(Y2
3 )は2.0〜3.9eV、酸化ジルコニウム(ZrO
2 )は3.1〜4.1eV、ホウ化ランタン(La
6 )は2.7eVである。
【0019】上記のような線状の易放電膜30において
は、その幅が0.05〜1.0mm、厚みが0.1〜1
000μm、互いに隣接する易放電膜30の間のピッチ
が2〜8mmであることが好ましい。
【0020】易放電膜30は、例えば以下の方法によ
り、他方の壁部12の内面17に形成することができ
る。易放電膜の構成材料例えば粉末状の酸化マグネシウ
ムと、バインダとしての微量の低融点ガラスと、ニトロ
セルロースと、溶剤とを混合することにより、例えばス
ラリー状の易放電膜形成材料を調製する。この易放電膜
形成材料を、スクリーン印刷などにより適宜のシリコー
ンゴム板の表面上に線状に塗布し、このシリコーンゴム
板の表面上に塗布された易放電膜形成材料が乾燥する前
に、当該シリコーンゴム板上において、他の壁部12の
構成材料である筒材を転動させることにより、当該筒材
に易放電膜形成材料を転写し、これを約400℃で焼成
することにより、易放電膜30が形成される。
【0021】上記の誘電体バリア放電ランプにおいて
は、一方の電極21と他方の電極22との間に高周波電
圧が印加されると、放電容器10における一方の壁部1
1と他方の壁部12との間に、誘電体バリア放電による
多数のマイクロプラズマが発生し、これにより、放電空
間Sにおいてキセノンによるエキシマが生成されてその
エキシマ光である真空紫外線が放出される。そして、こ
の真空紫外線は、直接または他方の電極12に反射され
て一方の壁部11を介して他方の電極21の網目から外
部に放射される。
【0022】上記の誘電体バリア放電ランプによれば、
放電容器10における他方の壁部12の内面に設けられ
た多数の易放電膜30により、誘電体バリア放電による
マイクロプラズマの始点または終点の位置が、易放電膜
30の各々の表面における領域すなわち他方の壁部12
の周方向に伸びる線状の領域に拘束されるので、見かけ
上のマイクロプラズマの各々は、事実上、他方の壁部1
2の軸方向に移動することなく、その結果、外部に放射
される光の揺らぎが小さいものとなる。
【0023】また、易放電膜を構成する材料として特定
の金属化合物を用いることにより、当該金属化合物は、
石英ガラスの仕事関数より小さい仕事関数を有してお
り、また、誘電体バリア放電によるスパッタリングによ
って損耗することが少なく、しかも、空気中において安
定なものであるため、長い使用寿命が得られる。
【0024】また、易放電膜30が放電容器10におけ
る他方の壁部12の内面に設けられており、当該他方の
壁部12の内面の面積は、一方の壁部11の内面の面積
より小さいため、易放電膜30によるエキシマ光の吸収
が少なく、その結果、エキシマ光を高い効率で外部に放
射することができる。
【0025】また、一方の壁部11および他方の壁部1
2の各々が円筒状であるため、これらを構成するための
材料として市販の筒材を用いることができ、これによ
り、製造コストの小さい誘電体バリア放電ランプを得る
ことができる。
【0026】また、易放電膜30が他方の壁部12の内
面に設けられているので、誘電体バリア放電ランプを製
造するに際しては、易放電膜30を他方の壁部12の材
料である筒材の外面に形成すればよいため、易放電膜3
0を容易に形成することができる。
【0027】図2は、本発明の誘電体バリア放電ランプ
の他の例における構成を示す説明図であって、(イ)は
縦断正面図、(ロ)は縦断側面図である。この誘電体バ
リア放電ランプにおいては、多数の円形の点状の易放電
膜30が、例えば互いに他方の壁部12の軸方向および
周方向の各々に等間隔で離間した状態で設けられてい
る。その他の構成は、図1に示す誘電体バリア放電ラン
プと同様である。
【0028】上記のような点状の易放電膜30において
は、その直径が0.1〜1mm(表面面積が0.008
〜0.8mm2 )、厚みが平均で0.1〜1000μ
m、互いに隣接する易放電膜30の間のピッチが1.5
〜10mmであることが好ましい。
【0029】上記の誘電体バリア放電ランプによれば、
他方の壁部12の内面に設けられた多数の易放電膜30
により、誘電体バリア放電によるマイクロプラズマの始
点または終点の位置が、易放電膜30の表面における点
状の領域に拘束され、これにより、見かけ上のマイクロ
プラズマは事実上移動することがなく、その結果、外部
に放射される光の揺らぎが極めて小さいものとなる。
【0030】また、易放電膜30の形状が点状であって
その面積が小さいため、当該易放電膜30によるエキシ
マ光の吸収が少なく、その結果、エキシマ光を高い効率
で外部に放射することができる。
【0031】図3は、本発明の誘電体バリア放電ランプ
の更に他の例における構成を示す説明図であって、
(イ)は縦断正面図、(ロ)は横断側面図である。この
誘電体バリア放電ランプにおいては、円筒状の壁部41
の両端にそれぞれ封止壁部42,43が形成された、ソ
ーダ石灰ガラスよりなる放電容器40が設けられ、この
放電容器40内には、放電用ガスとして例えばキセノン
ガスが充填されている。
【0032】放電容器40における壁部41には、例え
ば酸化インジウム、酸化鉛などの透明導電膜よりなる一
方の電極51が、当該壁部41の外面44を覆うよう設
けられ、放電容器40における一方の封止壁部42に
は、放電容器40の筒軸に沿って一方の封止壁部42を
貫通して放電空間Sに伸びるよう、鉄・ニッケル合金よ
りなる棒状の他方の電極52が設けられている。
【0033】放電容器40における壁部41の内面45
には、各々壁部41の軸方向に沿って伸びる多数の線状
の易放電膜30が、互いに壁部41の周方向に等間隔で
離間するよう設けられており、この易放電膜30の表面
および放電空間Sに露出した壁部41の内面45の全体
を覆うよう蛍光体55が設けられている。46は排気管
残部である。
【0034】上記の誘電体バリア放電ランプにおいて
は、一方の電極51と他方の電極52との間に高周波電
圧が印加されると、壁部41と他方の電極52との間
に、誘電体バリア放電による多数のマイクロプラズマが
発生し、これにより、放電空間Sにおいてキセノンによ
るエキシマが生成されてそのエキシマ光である真空紫外
線が放出される。そして、この真空紫外線が蛍光体55
に照射されることにより、当該蛍光体55から可視光線
が放出され、この可視光線は、放電容器40における壁
部41および一方の電極51を介して外部に放射され
る。
【0035】上記の誘電体バリア放電ランプによれば、
放電容器40における壁部41の内面に設けられた多数
の易放電膜30により、誘電体バリア放電によるマイク
ロプラズマの始点または終点の位置が、易放電膜30の
表面における領域すなわち壁部41の軸方向の線状の領
域に拘束され、これにより、見かけ上のマイクロプラズ
マは、事実上、壁部41の周方向に移動することがな
く、その結果、外部に放射される光の揺らぎが小さいも
のとなる。
【0036】以上、本発明の誘電体バリア放電ランプの
実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定される
ものではなく、種々の変更が可能である。
【0037】例えば、放電容器の形状は、それぞれ誘電
体により構成された壁部を有するものであれば、箱状、
平板状、その他の形状であってもよい。また、放電用ガ
スとしては、キセノンガス以外の希ガス、例えばクリプ
トン、アルゴンなどを用いることができる。特に、図1
および図2に示す誘電体バリア放電ランプにおいては、
電極が放電容器内に存在しないため、希ガスとハロゲン
ガスとの混合ガスを用いることができる。
【0038】易放電膜は、放電容器における誘電体バリ
ア放電を発生させるための壁部の内面の一部のみに設け
られていてもよく、この場合には、当該壁部の両端部分
の内面に設けられていることが好ましい。これは、誘電
体バリア放電を発生させるための壁部の外面の両端部に
は、電極の両端部が配置されるため、電界強度が空間的
に変化しており、マイクロプラズマが移動しやすいから
である。このような誘電体バリア放電ランプによれば、
易放電膜によるエキシマ光の吸収が少ないため、高い光
の利用率が得られる。
【0039】図1および図2に示す誘電体バリア放電ラ
ンプにおいては、一方の電極としてアルミニウムよりな
る金属膜を用いると共に、封止壁部13の代わりに、透
光性材料よりなる光取り出し窓部材を設けることによ
り、放電容器の端面から光を取り出す構成としてもよ
い。
【0040】易放電電極30は、一方の壁部11の内面
に設けてもよく、一方の壁部11の内面および他方の壁
部12の内面の両方に設けてもよい。易放電電極30を
一方の壁部11の内面および他方の壁部12の内面の両
方に設ける構成によれば、誘電体バリア放電におけるマ
イクロプラズマの始点および終点の両方の位置が規制さ
れるので、外部に放射される光の揺らぎが極めて小さい
誘電体バリア放電ランプを得ることができる。
【0041】点状の易放電膜を設ける場合には、その表
面の形状は円形に限られず自由に変更することができ、
また、易放電膜のパターン、例えば個々の易放電膜の大
きさ、ピッチなども自由に変更することができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】〈実施例1〉下記の条件に従って、図1に
示す構成の誘電体バリア放電ランプを作製した。 放電容器(10):全長約350mm, 一方の壁部(11):材質;合成石英ガラス,内径;約
28.5mm,内径;約26.5mm(肉厚1mm), 他方の壁部(12):材質;合成石英ガラス(仕事関数
5.0eV),外径;16mm,内径;14mm(肉厚
1mm), 一方の電極(21): 他方の電極(22): 易放電膜(30):材質;酸化マグネシウム(仕事関数
3.5eV),形状;他方の電極(22)の周方向に沿
って伸びる線状,幅;0.3mm,厚み;20μm,軸
方向におけるピッチ;5mm, 放電用ガス:キセノンガス(封入圧力40kPa)
【0044】上記の誘電体バリア放電ランプを、周波数
が約20kHzの高周波電源(20)により、当該誘電
体バリア放電ランプの表面積1平方センチメートルあた
りの入力電力が0.25Wの条件で点灯させたところ、
波長172nmに最大値を有する真空紫外線が放射され
た。この誘電体バリア放電ランプにおいては、見かけ上
のマイクロプラズマは、他方の壁部(12)の軸方向に
移動することがなく、外部に放射される光の揺らぎが小
さいものであった。
【0045】〈実施例2〉易放電膜(30)を下記の条
件に従って設けたこと以外は、実施例1と同様の条件に
より、図2に示す構成の誘電体バリア放電ランプを作製
した。 易放電膜(30):材質;酸化マグネシウム,形状;円
形の点状,直径;約0.5mm,厚み;100μm,周
方向におけるピッチ;5mm,軸方向におけるピッチ;
5mm
【0046】上記の誘電体バリア放電ランプを、周波数
が約20kHzの高周波電源(20)により、当該誘電
体バリア放電ランプの表面積1平方センチメートルあた
りの入力電力が0.25Wの条件で点灯させたところ、
波長172nmに最大値を有する真空紫外線が放射され
た。この誘電体バリア放電ランプにおいては、見かけ上
のマイクロプラズマは移動することがなく、外部に放射
される光の揺らぎが極めて少ないものであった。
【0047】〈実施例3〉易放電膜(30)を、他方の
壁部(12)の両端部分(両端から中央に向かって20
mmの範囲)の内面に設けると共に、当該他方の壁部
(12)の両端部分に対向する一方の壁部(11)の両
端部分に設けたこと以外は、実施例2と同様の条件によ
り、誘電体バリア放電ランプを作製した。
【0048】上記の誘電体バリア放電ランプを、周波数
が約20kHzの高周波電源(20)により、当該誘電
体バリア放電ランプの表面積1平方センチメートルあた
りの入力電力が0.25Wの条件で点灯させたところ、
波長172nmに最大値を有する真空紫外線が放射され
た。この誘電体バリア放電ランプにおいては、放電容器
(10)の両端側において、見かけ上のマイクロプラズ
マは移動することがなく、外部に放射される光の揺らぎ
が極めて少ないものであった。
【0049】〈実施例4〉易放電膜(30)を下記の条
件に従って設けたこと以外は、実施例1と同様の条件に
より、図4に示す構成の誘電体バリア放電ランプを作製
した。 易放電膜(30):材質;酸化マグネシウム,形状;他
方の電極(22)の軸方向に沿って伸びる線状,幅;
0.3mm,厚み;300μmmm,周方向におけるピ
ッチ;5mm
【0050】上記の誘電体バリア放電ランプを、周波数
が約20kHzの高周波電源(20)により、当該誘電
体バリア放電ランプの表面積1平方センチメートルあた
りの入力電力が0.25Wの条件で点灯させたところ、
波長172nmに最大値を有する真空紫外線が放射され
た。この誘電体バリア放電ランプにおいては、見かけ上
のマイクロプラズマは、他方の壁部(12)の周方向に
移動することがなく、外部に放射される光の揺らぎが小
さいものであった。
【0051】〈実施例5〉下記の条件に従って、図3に
示す構成の誘電体バリア放電ランプを作製した。 壁部(41):材質;石英ガラス(仕事関数5.0e
V),外径;約11mm,内径;約9mm(肉厚1m
m), 一方の電極(51):透明導電膜,材質;ITO 他方の電極(52):材質;鉄・ニッケル合金,外径2
mm, 易放電膜(30):材質;LaB6 (仕事関数2.7e
V),形状;他方の電極(12)の周方向に沿って伸び
る線状,幅;0.3mm,厚み;200μm,軸方向に
おけるピッチ;5mm, 蛍光体(55):材質;Zn2 SiO4 :Mn, 放電用ガス:キセノンガス(封入圧力40kPa)
【0052】上記の誘電体バリア放電ランプを、周波数
が約30kHzの高周波電源(20)により、当該誘電
体バリア放電ランプの表面積1平方センチメートルあた
りの入力電力が0.2Wの条件で点灯させたところ、緑
色の可視光線が放射された。この誘電体バリア放電ラン
プにおいては、見かけ上のマイクロプラズマは、壁部
(41)の周方向に移動することがなく、外部に放射さ
れる光の揺らぎが小さいものであった。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、放電容器における壁部
の内面に設けられた多数の易放電膜により、誘電体バリ
ア放電によるマイクロプラズマの始点または終点の位置
が、易放電膜の各々の表面における領域に拘束されるの
で、見かけ上のマイクロプラズマは、事実上、個々の易
放電膜の表面の領域を超えて移動することがなく、その
結果、外部に放射される光の揺らぎが小さい誘電体バリ
ア放電ランプが得られる。
【0054】また、易放電膜を構成する材料として、特
定の金属化合物を用いることにより、当該易放電膜は、
誘電体バリア放電によるスパッタリングによって損耗す
ることが少なく、しかも、空気中において安定なもので
あるため、長い使用寿命が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体バリア放電ランプの一例におけ
る構成の概略を示す説明図であって、(イ)は縦断正面
図、(ロ)横断側面図である。
【図2】本発明の誘電体バリア放電ランプの他の例にお
ける構成の概略を示す説明図であって、(イ)は縦断正
面図、(ロ)横断側面図である。
【図3】本発明の誘電体バリア放電ランプの更に他の例
における構成の概略を示す説明図であって、(イ)は縦
断正面図、(ロ)横断側面図である。
【図4】実施例に係る誘電体バリア放電ランプの構成の
概略を示す説明図であって、(イ)は縦断正面図、
(ロ)横断側面図である。
【図5】誘電体バリア放電を発生させるための原理を示
す説明図である。
【図6】従来の誘電体バリア放電ランプにおける一例の
構成を示す説明用縦断面ずである。
【符号の説明】
10 放電容器 11 一方の壁部 12 他方の壁部 13,14 封止壁部 15 変形部 16 一方の壁部の外面 17 他方の壁部の外面 18 他方の壁部の内面 20 高周波電源 21 一方の電極 22 他方の電極 30 易放電膜 40 放電容器 41 壁部 42,43 封止壁部 44 壁部の外面 45 壁部の内面 46 排気管残部 51 一方の電極 52 他方の電極 55 蛍光体 71,72 壁材 73,74 外面 75,76 電極 80 放電容器 81 一方の壁部 82 他方の壁部 83,84 封止壁部 85 一方の壁部の外面 86 一方の電極 87 他方の壁部の外面 88 他方の電極 89 高周波電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−275242(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 65/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ誘電体により構成された互いに
    対向する一方の壁部および他方の壁部を有し、当該一方
    の壁部と当該他方の壁部との間に放電空間を形成する放
    電容器と、 この放電容器における一方の壁部および他方の壁部の各
    々の外面に設けられた一方の電極および他方の電極と、 前記放電容器内に充填された放電用ガスとを有し、 前記放電容器における放電空間において誘電体バリア放
    電によりエキシマが生成されてエキシマ光が放出される
    誘電体バリア放電ランプであって、 少なくとも前記一方の壁部および他方の壁部のいずれか
    の内面に、当該壁部を構成する誘電体の仕事関数より小
    さい仕事関数の物質よりなる多数の易放電膜が設けられ
    ていることを特徴とする誘電体バリア放電ランプ。
  2. 【請求項2】 一方の壁部および他方の壁部の各々の内
    面に易放電膜が設けられていることを特徴とする請求項
    1に記載の誘電体バリア放電ランプ。
  3. 【請求項3】 放電空間を取り囲み、誘電体により構成
    された壁部を有する放電容器と、 この放電容器における前記壁部の外面に設けられた一方
    の電極と、 前記放電容器内に、前記壁部に対向するよう設けられた
    他方の電極と、 前記放電容器内に充填された放電用ガスとを有し、 前記放電容器における放電空間において誘電体バリア放
    電によりエキシマが生成されてエキシマ光が放出される
    誘電体バリア放電ランプであって、 前記放電容器における前記壁部の内面に、当該壁部を構
    成する誘電体の仕事関数より小さい仕事関数の物質より
    なる多数の易放電膜が設けられている特徴とする誘電体
    バリア放電ランプ。
  4. 【請求項4】 個々の易放電膜は、その形状が点状であ
    って互いに離間して配置されていることを特徴とする請
    求項1乃至請求項3のいずれかに記載の誘電体バリア放
    電ランプ。
  5. 【請求項5】 個々の易放電膜は、その形状が線状であ
    って互いに離間して配置されていることを特徴とする請
    求項1乃至請求項3のいずれかに記載の誘電体バリア放
    電ランプ。
  6. 【請求項6】 易放電膜が、酸化マグネシウム(Mg
    O)、酸化ランタン(La2 3 )、酸化セリウム(C
    eO2 )、酸化イットリウム(Y2 3 )、酸化ジルコ
    ニウム(ZrO2 )およびホウ化ランタン(LaB6
    よりなる群から選ばれた少なくとも一種の金属化合物に
    より構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求
    項5のいずれかに記載の誘電体バリア放電ランプ。
  7. 【請求項7】 放電容器における誘電体により構成され
    た壁部が円筒状であることを特徴とする請求項1乃至請
    求項6のいずれかに記載の誘電体バリア放電ランプ。
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