JP3151882U - ペイル容器内の溶接用ワイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】落とし込み始端を確実に係止すると共に、係止力よりも強い力がかかった場合には、塑性変形することなく容易に係止状態を開放してキズついたり、変形したりすることがないペイル容器内の溶接用ワイヤを提供する。【解決手段】ペイル容器1内に溶接用ワイヤ3をループ状に落とし込むことによりペイル容器1内にコイル状に積層されて収納された溶接用ワイヤ3において、ワイヤの落とし込み始端4がペイル容器1の内面上部に引き上げられて、この内面上部に、フック側部材とループ側部材とを有する面ファスナー5で係止されている。【選択図】図1
Description
本考案は、ペイル容器内にループ状に落とし込むことによって積層され、収容された溶接用ワイヤであって、落とし込み始端をペイル容器の内面上部に係止したペイル容器内の溶接用ワイヤに関する。
溶接ワイヤをループ状に落とし込んで収容する円筒状の容器をペイル容器という。ペイル容器は、溶接ワイヤを大量に収容し、使用先に送給する場合に使用される。ペイル容器には通常200乃至500kgの大容量の溶接ワイヤが収容される。
ペイル容器に溶接ワイヤを落とし込む際には一般にワイヤに捻りを加えながら行う方法が採用される。従って、収容したワイヤの端部を固定しなければ、捻り力が開放されようとする力が加わり、ワイヤ使用開始時にワイヤの跳ね上がりやもつれの原因となる。
ところで、溶接操作が長時間停止されることなく連続して行われる自動車製造工程等においては、複数のペイル容器に収納された溶接ワイヤを連続して使用する必要がある。この場合、一のペイル容器内の溶接ワイヤの落とし込み始端であって使用時の最終端(以下、単に落とし込み始端という)と、次に使用するペイル容器の落とし込み最終端であって、使用時最先端(以下、単に落とし込み終端という)を溶接、接合し、連続的に溶接装置に供給している。
このように連続して使用される溶接ワイヤにおいて、落とし込み始端と、次に使用するペイル容器内のワイヤにおける落とし込み終端との接合を容易にすると共に、上述したような跳ね上がりやもつれを防止するため、前記落とし込み始端をペイル容器の内面上部に引き上げて固定することが行われている。しかし、固定方法によってはワイヤが塑性変形したりキズがつくことがあるために、その固定技術が種々検討されている。
例えば、溶接ワイヤの落とし込み始端をペイル容器内面に固定する固定治具の構造に関する技術、又はこれらの固定治具における溶接ワイヤの引張破断荷重WTに対する溶接ワイヤ端末固定治具から溶用ワイヤが離脱する際の荷重Fを所定範囲に規定し、これによって、ワイヤが固定治具から離脱する際の塑性変形等を防止する技術が提案されている(特許文献1、図1、特許文献2、表1、図3)。
図11は、このような従来技術を示す図、図12は、図11のクランプ材を示す図である。図11において、溶接ワイヤ23はループ状又はコイル状にペイル容器21内に収容されている。ループ状のワイヤ積層体の上部に溶接ワイヤ23を押さえるため外径がペイル容器21の内径よりも僅かに小さく、内径が内筒22の外径よりも僅かに大きい押さえ板20を載置し、この押さえ板20上にペイル容器21の内径よりも僅かに小さい直径を有する輪状で、横断面が円形のリング24を載置し、ペイル容器21の内面に沿って垂直方向に延びる紐27を周方向に3箇所(1箇所図示省略)均等配置している。そして押さえ板20、リング24及び紐27によって押さえ板20の外周側からのワイヤのはね上がりを防止している。即ち、リング24は紐27とペイル容器21の内面との間に配置され、紐27を介して押さえ板20上に保持されている。従って、リング24は押さえ板20に追従して移動し、これによって押さえ板20の外周側からのワイヤのはね上がりを防止している。溶接ワイヤ23の落とし込み始端25は、クランプ材26によってペイル容器21の内面の上部に係止されている。
図12において、クランプ材26は、平板状の基板28と、この基板28に水平方向に突出するように設けられた断面四角形状の上部材29及び断面略三角形状の下部材30を有し、上下部材の間にワイヤ径1本の太さ(1.0乃至1.6mm)よりも若干狭い隙間が設けられている。そしてその隙間にワイヤの落とし込み始端25が係止されている。このようなクランプ材26は、例えば射出成形によって形成される。
クランプ材26は、例えば基板28の裏面に両面テープ31を有しており、この両面テープ31によって又は両面テープ31と基板28との間にスポンジを介在させた状態でペイル容器21の内面上部に貼着されている。
しかしながら、このような従来技術には、両面テープの接着力が弱いこと、及び上記クランプ材における基板の接着面が平面であるために湾曲面であるペイル容器の内面にうまく接着できないことから、輸送中又は使用中にクランプ材が脱落するという問題点があった。クランプ材が溶接ワイヤに固定された状態で脱落すると、溶接ワイヤの送給障害が生じ、溶接作業を停止せざるを得ない。なお、容器内面の状態、例えば油分の付着による接着力の低下も懸念されていた。
一方、ペイル容器内面の上部にクリップ状の係止部材を取り付け、この係止部材によって溶接用ワイヤの落とし込み始端を固定する技術が開示されている(特許文献3、図1)。
しかしながら、このような溶接ワイヤの係止手段は、ワイヤ保持部の形状がワイヤをきつく保持する構造であるために、例えばペイル容器内面に強固に固定した場合、ワイヤの離脱力に対する保持力が強すぎるために、係止部材からワイヤが離脱する際に塑性変形し、送給阻害を生じるだけでなく、ワイヤを最後まで使用することができないという問題点があった。
本考案はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、ペイル容器内に装填した溶接ワイヤの落とし込み始端を確実に係止すると共に、ワイヤ使用時にはキズ又は塑性変形を生じることなく容易に係止状態が解除されるペイル容器内の溶接用ワイヤを提供することを目的とする。
本願考案に係るペイル容器内の溶接用ワイヤは、ペイル容器内に溶接用ワイヤをループ状に落とし込むことによりペイル容器内にコイル状に積層されて収納された溶接用ワイヤにおいて、ワイヤの落とし込み始端が前記ペイル容器の内面上部に引き上げられて、この内面上部に面ファスナーで係止されていることを特徴とする。
本願考案において、面ファスナーは、ループ側部材とフック側部材とを有し、前記フック側部材が前記ペイル容器内面に固定され、前記ワイヤの落とし込み始端を挟んだ状態で前記ループ側部材が前記フック側部材に係止されているように構成することができる。なお、ループ側部材とフック側部材を入れ替えて使用しても良い。
また、例えば、面ファスナーのフック側部材は、幅20乃至50mmで、ペイル容器の内面上部の全周にわたって、又は長さ50乃至200mmで周方向に沿って少なくとも3ヶ所に固定されており、前記ループ側部材は、幅20乃至50mm、長さ20乃至200mmで、少なくとも3ヶ所で対応する前記フック側部材に係止されている。なお、ループ側部材とフック側部材を入れ替えて使用する場合も同様である。
本考案に係る他のペイル容器内の溶接用ワイヤは、ペイル容器内に溶接用ワイヤをループ状に落とし込むことによりペイル容器内にコイル状に積層されて収納された溶接用ワイヤにおいて、ワイヤの落とし込み始端が前記ペイル容器の内面上部に引き上げられて、この内面上部に面ファスナーで係止されており、前記面ファスナーは、ループ側部材及びフック側部材を有し、前記ペイル容器の内面にループ側部材及びフック側部材の一方の部材が固定され、前記ワイヤの落とし込み始端を挟んだ状態でループ側部材及びフック側部材の他方の部材が前記一方の部材に係止されており、前記一方の部材の面積は、前記他方の部材の面積より大きいことを特徴とする。
本願考案に係るペイル容器内の溶接用ワイヤによれば、溶接用ワイヤの落とし込み始端をペイル容器内面上部に面ファスナーで係止したことにより、前記面ファスナーにおける係止力と剥離力との関係で、溶接用ワイヤにおける捻り力が解除されようとする力に対抗してその落とし込み始端を確実に係止できるとともに、溶接用ワイヤが係止力よりも大きな力で引っ張られた時は、面ファスナーの係合が容易に解除されるので、ワイヤにキズ又は曲がり等の弾性変形を生じることがない。従って、ペイル容器内の溶接用ワイヤを最後まで使い切ることができる。
本願考案において、面ファスナーが、ループ側部材とフック側部材とを有し、フック側部材がペイル容器内面に固定され、ワイヤの落とし込み始端を挟んだ状態でループ側部材が前記フック側部材に係止されていることにより、面ファスナーの接着および剥離がよりスムーズに確実に行われる。なお、ループ側部材とフック側部材を入れ替えて使用しても良い。
本願考案において、面ファスナーのフック側部材が、幅20乃至50mmで、ペイル容器の内面上部の全周にわたって、又は長さ50乃至200mmで周方向に沿って少なくとも3ヶ所に固定されており、ループ側部材が、幅20乃至50mm、長さ20乃至200mmで、少なくとも3ヶ所で対応する前記フック側部材に係止されていることにより、両部材でワイヤの落とし込み始端を挟んで確実に係止することができ、運搬中又は使用中にワイヤが脱落することはない。なお、ループ側部材とフック側部材を入れ替えて使用する場合も同様である。
以下、本願考案の実施の形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。図1は、本考案の実施形態に係るペイル容器内の溶接ワイヤを示す図、図2は図1における面ファスナー部分の断面を示す図である。図1において、溶接ワイヤ3は、ペイル容器1とその内筒2との間の空間部にループ状に落とされて積層され、収容されている。
ループ状に積層された溶接ワイヤ3の上部には外径がペイル容器1の内径よりも僅かに小さく、内径が内筒2の外径よりも僅かに大きい円盤状の押さえ板7がワイヤ3を押さえるために載置されている。押さえ板7上にはペイル容器1の内径よりも僅かに小さい直径を有する輪状で、横断面が円形のリング6が載置されている。更に、ペイル容器21の内面には、垂直方向に延びる紐8がペイル容器1の周方向の3箇所(1箇所図示省略)に均等配置されている。図3に示すように、この紐8はその上端と下端とでペイル容器1の内面に取り外し可能に固定されており、紐8は溶接ワイヤ3のコイルとペイル容器1の内面との間を上方に延び、押さえ板7とペイル容器1内面との間の隙間を抜け、リング6の内面側をくぐって上端まで延びている。これにより、リング6は押さえ板7と共に下降することができ、この下降の過程で、紐8はリング6により拘束されてワイヤ3の外周と押さえ板7の上面とを包絡し、ワイヤ3が押さえ板7の外周とペイル容器1の内面との間の隙間から上方にはね上がってしまうことを防止する。
ワイヤ3の落とし込み始端4はペイル容器1の上方に引き上げられ、ペイル容器内面の上部に面ファスナー5によって係止される。即ち、溶接ワイヤ3をペイル容器1内にループ状に落とし込む際、落とし込み始端4はペイル容器1の上方に引き上げられ、その内側に溶接ワイヤコイルが収容される。そして、落とし込終了後、落とし込み始端4を内筒2側に向けて曲げ、その上に押さえ板7を置き、押さえ板7の内縁を経由してペイル容器内面の上部に面ファスナー5によって係止する。従って、ペイルパック装置においては、落とし込み始端4はペイル容器1の内面に沿って引き上げられ、溶接ワイヤ3の積層体の上面と押さえ板7の下面との間を通り、押さえ板7と内筒2との隙間を通って上方に引き上げられ、その先端部がペイル容器1の内面に面ファスナー5によって係止されている。溶接ワイヤ3は落とし込み始端4のペイル容器1内面に沿う部分と内筒2との間にループ状に積層されて収容される。このため、ペイル容器1内の溶接ワイヤ3は落とし込み終端側から、即ち、ペイル容器1内の上部側から順次引き出されてトーチまで送給されるが、この過程で、引き出される溶接ワイヤ3が落とし込み始端4により邪魔されて送給が阻害されたり、溶接用ワイヤ9と落とし込み始端4とが絡まったりすることはない。面ファスナー5はその長手方向を水平にしてペイル容器1の内面の3箇所に配置され、3箇所で落とし込み始端4を係止している。
面ファスナー5は、図2に示すように、ペイル容器1の内面16の表面にそのフック側部材12が、例えばゴム系粘着剤17により接着されており、フック側部材12とこれに係合されたループ側部材11とでワイヤ3の落とし込み始端4を夾んでこの落とし込み始端4を係止している。なお、ループ側部材とフック側部材を入れ替えて使用しても差し支えない。
面ファスナー5のフック側部材12は、例えばその幅が20乃至50mmであり、長さは50mm乃至200mmで、容器1の内面周方向に沿って少なくとも3ヶ所に接着されている。ループ側部材11は、例えばその幅は20乃至50mm、長さは20乃至200mmであり、前記フック側部材12に対応するようにこれに係止されている。なお、フック側部材12を、容器1の内周方向に沿って全周に設けることもできる。
面ファスナー5は図4に示したようにフック側部材12とループ側部材11とを有する。ループ側部材11には、図5に示したようにループ状の突起13が設けられ、フック側部材12には前記ループ側部材11のループ状突起13が係合するフック状の突起14が設けられている。このようなループ状の突起13を有するループ側部材11をフック状の突起14を有するフック側部材12に張り合わせることにより、ループ側部材11のループ状の突起13とフック側部材12のフック状の突起14が絡み合い、両面間にワイヤの巻き始め端4が固定される。17はフック側部材12をペイル容器内面に貼着するゴム系接着剤である。
面ファスナー5は、柔軟性を有する素材により構成されているので、ペイル容器内面に沿って貼着することができる。従って、両面テープを用いて接着しても面ファスナーが脱落することはない。面ファスナー5のフック側部材12及びループ側部材11の突起物は、例えばナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル等のプラスチックの単独材料、又は複合素材で構成される。
次に、上述の如く構成されたペイル容器内の溶接ワイヤの動作について説明する。ペイル容器1内の溶接ワイヤ3は、その落とし込み終端から順次引き出されて連続的に溶接装置に送給され、溶接に供される。先ず、未使用のペイル容器1を溶接装置の近傍に2個配置し、落とし込み始端4がペイル容器1の内面上部に面ファスナー5によって固定されているので、例えば1番目に使用されるペイル容器1の使用開始前又は使用中にその落とし込み始端4を、次に使用する2番目のペイル容器内の溶接ワイヤの落とし込み終端と溶接して接合する。この始端と終端との接合に際し、一旦面ファスナー5の係止状態を解除するが、解除せずに接合することもできる。また、接合後は、面ファスナー5によって落とし込み始端4を再び係止してもよく、又は係止しなくてもよい。
ペイル容器1内の溶接ワイヤ3は落とし込み終端側から引き出されて溶接トーチに送給される。1番目のペイル容器1内の溶接ワイヤ3が残り少なくなり、2番目のペイル容器1に移る際、1番目のペイル容器1の落とし込み始端4を面ファスナー5でペイル容器内面に係止していた場合は、トーチに向けて送給されるワイヤの引張力が面ファスナー5による落とし込み始端4の係止力より大きくなった時点で面ファスナー5による落とし込み始端4の係止状態が開放され、落とし込み始端4が面ファスナー5から外れる。この際、落とし込み始端4に接合された次に使用する2番目のペイル容器のワイヤの落とし込み終端が続けて引き出され、この2番目のペイル容器内の溶接ワイヤ3が溶接トーチに向けて送給される。ワイヤ3の落とし込み始端4が面ファスナー5から外れた後も、面ファスナー5のループ側部材11は、その一部でフック側部材12に係合しており脱落することはない。
一方、1番目のペイル容器1の落とし込み始端4と2番目のペイル容器1の落とし込み終端とを接合した後、落とし込み始端4を面ファスナー5で係止しない場合は、1番目のペイル容器の落とし込み始端4が引き出された後、2番目のペイル容器の落とし込み終端が順次引き出されて送給される。その後、2番目のペイル容器内のワイヤ3が引き出されていく。
次に、1番目の空のペイル容器1と3番目の未使用のペイル容器1とを交換し、2番目のペイル容器内の溶接ワイヤが引き出されているとき、又は引き出しが中断しているときに、3番目のペイル容器内の溶接ワイヤの落とし込み終端と2番目のペイル容器1の溶接用ワイヤの落とし込み始端とを前述と同様にして接合する。このようにして、順次従前のペイル容器の落とし込み始端と次順のペイル容器の落とし込み終端とを接続して、複数のペイル容器内の溶接ワイヤが連続的に溶接トーチに送給されて溶接が行われる。
本実施形態によれば、溶接ワイヤ3の落とし込み始端4を面ファスナー5でペイル容器1の内面上部に係止したことにより、この落とし込み始端4を次に使用するペイル容器1内の落とし込み終端に接合しておくことによって、ワイヤにキズ、変形等を生じることなく、複数のペイル容器内の溶接ワイヤ3を連続して安定に溶接装置に送給することができる。落とし込み始端4の係止具として面ファスナー5を使用することにより、クランプ材等の従来の係止治具に比べて容器内面における出っ張りが小さくなるので、ワイヤを落とし込む際に邪魔になることもなくスムーズに積層させることができる。また、面ファスナー5は繰返し使用可能であり、従来から使用されている一体成型の係止部材及びクランプ部材よりも安価で、ランニングコストも低い。
なお、必要に応じて、押さえ板7の内周の一部に切欠き部を設け、この切欠き部に落とし込み始端4を嵌めて待避させておくこともできる。しかし、このような切欠き部を設けなくても、送給される溶接ワイヤ9と落とし込み始端4との絡みを回避することができる。
また、面ファスナー5のフック側部材12又はループ側部材11をペイル容器1の内面に固定する際は、例えばゴム系粘着剤又は樹脂系接着剤が好適に使用されるが、これに限定されるものではなく、同様の接着力を有するものであれば、他の接着手段を使用することもできる。
更に、内筒2を省略し、溶接ワイヤ3を容器1の断面よりも小さい径のループを形成しつつ落とし込み端を容器内で例えば自転させながら公転するように積層することもできる。
次に、本願考案の他の実施形態について図6を参照して説明する。この実施形態は面ファスナー5の配置方法を代えたものであり、フック側部材12をペイル容器1内面の全周にわたって接着し、このフック側部材12上のペイル容器1の内周に沿って均等に3箇所に垂直配置状態のループ側部材11を貼り付け、フック側部材12とループ側部材11とで溶接用ワイヤ3の落とし込み始端4を係止したものである。
本実施形態においても、面ファスナー5における落とし込み始端4の係止力とフック側部材12とループ側部材11との剥離力との関係で、落とし込み始端4を確実に係止できるとともに、溶接ワイヤが係止力よりも大きな力で引っ張られた時は、面ファスナーの接合が容易に解除されるのでワイヤにキズ又は曲がり等の弾性変形を生じることがない。なお、ループ側部材とフック側部材を入れ替えて使用しても差し支えない。
図7は、本願考案における面ファスナー5をペイル容器1の内面に接着させる際の配置の変形例を示した図である。図7において、水平配置状態の面ファスナー5を4箇所水平に配置したもの(a)、水平配置状態の面ファスナー5をワイヤの傾斜状態に沿って4箇所に配置したもの(b)、水平配置状態の面ファスナー5を3箇所水平に配置し、他の1箇所に垂直配置状態の面ファスナーを配置したもの(c)、垂直配置状態の面ファスナー5を4箇所水平に配置したもの(d)、垂直配置状態の面ファスナー5をワイヤの傾斜状態に沿って4箇所に配置したもの(e)、垂直配置状態の面ファスナー5を3箇所水平に配置し、他の1箇所に水平配置状態の面ファスナーを配置したもの(f)、フック側部材12をペイル容器1内面の全周に接着し、垂直配置状態のループ側部材11を前記フック側部材12上の3箇所に貼着し、前記フック側部材12上以外の他の1箇所に垂直配置状態の面ファスナー5を配置したもの(g)、幅広のフック側部材12をペイル容器1内面の全周に接着し、垂直配置状態のループ側部材11を前記フック側部材12上の3箇所にワイヤの傾斜状態に沿って貼着したもの(h)、フック側部材12をペイル容器1内面の全周に接着し、水平配置状態のループ側部材11を前記フック側部材12上の3箇所に水平に貼着し、前記フック側部材12上以外の他の1箇所に垂直配置状態の面ファスナー5を配置したもの(i)、幅広のフック側部材12をペイル容器1内面の全周に接着し、水平配置状態のループ側部材11を前記フック部材12上の3箇所にワイヤ3の傾斜状態に沿って貼着させたもの(h)が夫々記載されている。
本考案において、面ファスナーの配置は、上記の何れであってもよく、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、ループ側部材とフック側部材を入れ替えて使用する場合も同様の扱いである。
本願考案において、面ファスナー5におけるループ側部材11の突起及びフック側部材12の突起を共にループ状の突起13とフック状の突起14を交互に並べたものとすることができる。図8は、面ファスナー5のループ側部材11及びフック側部材12に、共にループ状の突起13とフック状の突起14をそれぞれ交互に配置したものである。このような配置とすることにより、ループ側部材11の突起物とフック側部材12の突起物とが絡み易くなり係合強度が向上する。この場合、両面のループ状の突起13とフック状の突起14が夫々対向するように配置することが好ましい。
本願考案において、面ファスナー5におけるループ側部材11の突起及びフック側部材12の突起を共にフック状の突起にすることもできる。図9は、ループ側部材11の突起及びフック側部材12の突起を共に先端部が径方向に広がったマッシュルーム型のフック状突起15としたものである。このような面ファスナーによってもワイヤの落とし込み始端を確実に係止することができ、ワイヤにキズを付けたり、ワイヤを変形させることがない。
更に、本願考案において、図5に示した面ファスナー5のフック側部材12の、先端部に釣り針状の湾曲部を有するフック状の突起14に代えて図10に示したようにマッシュルーム型のフック状突起15を採用することもできる。このような面ファスナーによってもワイヤの巻き始め端4をフック側部材12とループ側部材11とで挟持して確実に係止することができる。
ペイル容器内の溶接ワイヤの落とし込み始端をペイル容器の内面上部に面ファスナーで係止し、係止力よりも大きな力でワイヤが引っ張れた時は、容易にその係止状態を開放し、ワイヤにキズ、変形等を与えることがない本考案のペイル容器内の溶接用ワイヤは、自動溶接の分野、特に自動車製造分野等で有用なものである。
1:ペイル容器
2:内筒
3:溶接ワイヤ
4:落とし込み始端
5:面ファスナー
6:リング
7:押さえ板
8:紐
9:送給される溶接ワイヤ
11:ループ側部材
12:フック側部材
13:ループ状突起
14:フック状突起
15:マッシュルーム型フック状突起
16:容器内面
17:ゴム系接着剤
20:押さえ板
21:ペイル容器
22:内筒
23:溶接ワイヤ
24:リング
25:落とし込み始端
26:クランプ材
27:紐
28:基板
29:上部材
30:下部材
31:両面テープ
2:内筒
3:溶接ワイヤ
4:落とし込み始端
5:面ファスナー
6:リング
7:押さえ板
8:紐
9:送給される溶接ワイヤ
11:ループ側部材
12:フック側部材
13:ループ状突起
14:フック状突起
15:マッシュルーム型フック状突起
16:容器内面
17:ゴム系接着剤
20:押さえ板
21:ペイル容器
22:内筒
23:溶接ワイヤ
24:リング
25:落とし込み始端
26:クランプ材
27:紐
28:基板
29:上部材
30:下部材
31:両面テープ
Claims (4)
- ペイル容器内に溶接用ワイヤをループ状に落とし込むことによりペイル容器内にコイル状に積層されて収納された溶接用ワイヤにおいて、ワイヤの落とし込み始端が前記ペイル容器の内面上部に引き上げられて、この内面上部に面ファスナーで係止されていることを特徴とするペイル容器内の溶接用ワイヤ。
- 前記面ファスナーは、ループ側部材とフック側部材とを有し、前記フック側部材が前記ペイル容器内面に固定され、前記ワイヤの落とし込み始端を挟んだ状態で前記ループ側部材が前記フック側部材に係止されていることを特徴とする請求項1に記載のペイル容器内の溶接用ワイヤ。
- 前記フック側部材は、幅20乃至50mmで、ペイル容器の内面上部の全周にわたって、又は長さ50乃至200mmで周方向に沿って少なくとも3ヶ所に固定されており、前記ループ側部材は、幅20乃至50mm、長さ20乃至200mmで、少なくとも3ヶ所で対応する前記フック側部材に係止されていることを特徴とする請求項2に記載のペイル容器内の溶接用ワイヤ。
- ペイル容器内に溶接用ワイヤをループ状に落とし込むことによりペイル容器内にコイル状に積層されて収納された溶接用ワイヤにおいて、ワイヤの落とし込み始端が前記ペイル容器の内面上部に引き上げられて、この内面上部に面ファスナーで係止されており、前記面ファスナーは、ループ側部材及びフック側部材を有し、前記ペイル容器の内面にループ側部材及びフック側部材の一方の部材が固定され、前記ワイヤの落とし込み始端を挟んだ状態でループ側部材及びフック側部材の他方の部材が前記一方の部材に係止されており、前記一方の部材の面積は、前記他方の部材の面積より大きいことを特徴とするペイル容器内の溶接用ワイヤ。
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