JP3151231U - リークテスト装置及び温度測定器 - Google Patents
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Description
また、検査対象の内部空間を密閉し、該内部空間内に加圧気体を導入して内部空間の内圧を測定し、この内部空間の圧変化のうち温度変化に起因する分を差し引く補正をし、補正後のデータに基づいて漏れ判定を行なうリークテスト装置における、前記温度の測定に用いられる温度測定器であって、前記内部空間の温度と相関する物理量(圧力を除く)を測定する測定器本体を有することを特徴とする。
温度に応じて電気抵抗値が変わることで温度測定回路の電流又は電圧が変化する。この電流又は電圧を温度と相関する物理量として読み取ることで、圧力データの温度補正を行うことができる。
前記測定器本体は、抵抗式温度計の他、熱電対でもよく、液柱温度計でもよく、バイメタル式温度計でもよく、赤外放射温度計でもよい。
温度と相関する物理量としては、抵抗式温度計における電気抵抗、電流、電圧の他、熱電対における起電力、液柱温度計における水銀液の高さ、バイメタル式温度計におけるバイメタルの変位、赤外放射温度計における測定対象から放射される赤外線強度などが挙げられる。
前記フィンは、前記測定器本体を囲む円形状であることが好ましい。これによって、測定器本体の周りの全周から熱を捕捉できる。
図1は、リークテスト装置1の回路構成を概略図示したものである。リークテスト装置1のワーク10(検査対象)は、例えば自動車エンジンのシリンダブロック等である。ワーク10の内部には、空間11が形成されている。この実施形態の内部空間11は、ワーク10の1の面に開口されている。
圧縮エア源2からエア圧回路3の共通路31が延びている。共通路31には、レギュレータ32及び開閉弁V31が順次設けられている。レギュレータ32によって共通路31の二次圧が調節されるようになっている。共通路31の下流端から基準圧路33と検査圧路34が分岐されている。
検査圧路34には開閉弁V34が設けられている。検査圧路34の下流端が、ワーク10の内部空間11に接続されている。
〔相関関係取得工程〕
相関関係取得工程は、ワーク10の内部空間11の圧変化と温度変化の相関関係を求めるものである。この工程で用いるワーク10は、「相関関係採取対象」を構成する。この相関関係採取対象としてのワーク10は、後の本検査工程において検査すべきワーク10と同一構成のものを用いる。漏れが無いことが判明しているワーク10を用いてもよく、漏れの有無が不明なワーク10を用いてもよい。ワーク10と実質的に同構成の擬似ワークを作り、これを用いることにしてもよい。
この相関関係取得工程で用いるワーク10には、適宜、符号に「X」を添え、本検査でのワーク10と区別することにする。
内部空間11の差圧変化には、周辺との温度差等による温度変化に起因する成分、断熱圧縮後の放熱による温度変化に起因する成分、内部空間11からのエア漏れに起因する成分等が含まれている。
例えば、時刻t0からある一定の時間t1だけ経過した時点における内部空間11の差圧と温度をそれぞれピックアップする。時間t1は、2つの経時曲線が互いに似た挙動を示している範囲内で設定するとよい。この時間t1は、任意に設定変更できる。そして、図2に例示するように、内部空間11の時間t1における温度を横軸xとし、内部空間11の時間t1における差圧を縦軸yとしたグラフ上に上記採取条件ごとのピックアップデータをプロットし、最小二乗法等による直線補間を行なう。これによって、内部空間11の温度xと差圧yの相関関係を表す一次式(1)を得ることができる。
y=a・x+b …(1)
式(1)において、a、bは、それぞれ定数である。
なお、時間t1における温度及び差圧に代えて、t0での温度とt1での温度を結ぶ線の傾き及びt0での差圧とt1での差圧を結ぶ線の傾きをピックアップデータにしてもよく、この場合、上記式(1)と等価の相関関係式が得られる。また、時間t0における温度及び差圧の微分値をピックアップデータにして相関関係式を求めることにしてもよい。或いは、特開2004−61201に記載されているように、指数関数を用いた近似式を立てて非線形フィッティングを行ない、上記近似式の係数を確定することにしてもよい。
y=a・x …(2)
相関関係取得工程の後、ワーク10Xをリークテスト装置1から外す。
その後、本検査を行なう。
検査に先立ち、実際に検査すべきワーク10を、例えば40℃程度の温洗浄水で洗浄する。これにより、ワーク10が例えば約40℃程度に加温される。このワーク10を台座4にセットし、内部空間11を密閉する。内部空間11には温度測定器80を収容する。
ワーク10は放熱により温度が漸次低下する。
すなわち、圧縮エアをワーク10の内部空間11とエアタンク45にそれぞれ導入する。
次に、開閉弁V31を閉じる。続いて、開閉弁V33,V34を閉じる。これによって、ワーク10の内部空間11及びそれに連なる差圧センサ44の第1室44aと、エアタンク45及びそれに連なる差圧センサ44の第2室44bとを、互いに独立した閉鎖系になる。
DLEAK=D11−a・T80 …(3)
これによって、内部空間11の漏れだけに起因する差圧変化量DLEAKを得ることができる。
フィン84によって内部空間11の熱を確実に捕捉して測定器本体81に伝達でき、内部空間11の温度を確実に測定できる。フィン84は測定器本体81の周りを全周にわたって囲んでおり、しかも、複数のフィン84が内部空間11内に分布して配置されているため、内部空間11のほぼ全域から熱を偏りなく捕捉できる。したがって、内部空間11全体の温度を平均的に測定できる。よって、内部空間11内に温度分布があっても信頼性を確保できる。
温度測定器80は、温度と相関する物理量として、電流又は電圧(間接的には電気抵抗)を検出する。温度と相関する物理量として圧力を除くことで、温度測定器内に圧力室を設ける必要がなく、温度測定器をコンパクトにでき、圧力室への圧力導入系、及び圧力室の圧力検出系等も省略できる。したがって、ワーク10の内部空間11が狭隘であっても容易に対応できる。抵抗式温度計からなる温度測定器80は、検出された電流又は電圧の値から温度をほぼ一義的に把握できる。測定器本体81は、電流又は電圧の検出値すなわち検出物理量と温度との相関関係が既知の市販の温度計を用いることができる。したがって、検出物理量と温度との相関関係を採取する工程を省くことができる。
例えば、 差圧センサ44に代えて(差圧ではなく)、内部空間11の圧力そのものを測定する圧力センサを設けてもよい。
温度測定器80は、圧力式以外であれば抵抗式温度計に限られず、バイメタル式温度計でもよく、液柱温度計でもよく、熱電対式温度計でもよく、放射温度計でもよく、その他の温度計を用いてもよい。
温度測定器80が、抵抗器等の温度感知部を複数有し、これら温度感知部が互いに離れていてもよい。
集熱部82は一体物に限られず、フィン84ごとに分離可能になっていてもよい。温度測定器80からフィン84ひいては集熱部82を省略してもよく、温度測定器80が測定器本体81のみで構成されていてもよい。
温度測定器80は、内部空間11に収容するのに限られず、内部空間11の外部に配置してもよく、ワーク10の外面に設けてもよい。
2 エア圧源
3 エア圧回路
4 台座
10 ワーク(検査対象)
11 内部空間
31 共通路
32 レギュレータ
33 基準圧路
33a センサ接続路
34 検査圧路
34a センサ接続路
44 差圧センサ(圧力測定器)
44a 第1室
44b 第2室
45 エアタンク
80 温度測定器
81 測定器本体
81a 筐体
82 集熱部
83 軸部
84 フィン
V31,v33,v34 開閉弁
Claims (5)
- 検査対象の内部空間を密閉し、該内部空間内に加圧気体を導入して内部空間の内圧を測定し、この内部空間の圧変化のうち温度変化に起因する分を差し引く補正をし、補正後のデータに基づいて漏れ判定を行なうリークテスト装置において、
前記内部空間の温度と相関する物理量(圧力を除く)を測定して前記補正に供する測定器本体と、前記測定器本体の外周に設けられたフィンとを有する温度測定器を備えたことを特徴とするリークテスト装置。 - 検査対象の内部空間を密閉し、該内部空間内に加圧気体を導入して内部空間の内圧を測定し、この内部空間の圧変化のうち温度変化に起因する分を差し引く補正をし、補正後のデータに基づいて漏れ判定を行なうリークテスト装置における、前記温度の測定に用いられる温度測定器であって、
前記内部空間の温度と相関する物理量(圧力を除く)を測定する測定器本体と、前記測定器本体の外周に設けられたフィンとを有することを特徴とするリークテスト用温度測定器。 - 前記測定器本体が、温度に応じて電気抵抗値が変化する抵抗を含む温度測定回路を含むことを特徴とする請求項2に記載のリークテスト用温度測定器。
- 前記フィンが、前記測定器本体を囲む円形状であることを特徴とする請求項3に記載のリークテスト用温度測定器。
- 前記フィンが、前記測定器本体の長手方向に離れて複数設けられていることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載のリークテスト用温度測定器。
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