JP2018518686A - 高圧条件下の岩石熱物性測定システム及び方法 - Google Patents
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Abstract
Description
第1温度センサーを作製された円筒状の岩石サンプルの中心に取り付け、第2温度センサーを作製された円筒状の前記岩石サンプルの外面に取り付け、ゴムカバーにより前記岩石サンプルを水密状態にすると共に、硬質シリコンにより前記岩石サンプルの上端と下端を密封することにより、岩石サンプルモジュールを形成するステップ1と、
前記岩石サンプルモジュールと第3温度センサーを第2耐圧タンクに入れ、伝圧媒質が前記第2耐圧タンクに充填した後前記第2耐圧タンクを密封する同時に、第1排出弁と第1圧力センサーとが取り付けられた第1連通ダクトで高圧ポンプと第1耐圧タンクとを接続し、第2排出弁と第2圧力センサーが取り付けられた第2連通ダクトで前記第1耐圧タンクと前記第2耐圧タンクとを接続し、第3排出弁を前記第2耐圧タンクに取り付け、そして、前記第1温度センサー、前記第2温度センサー、及び前記第3温度センサーを温度観測モジュールに接続し、前記第1圧力センサーと前記第2圧力センサーとを封圧観測モジュールに接続することにより、岩石熱物性測定システムを形成し、前記温度観測モジュールと前記封圧観測モジュールとを作動させて、温度と封圧に対する観測を開始するステップ2と、
前記第1排出弁のみを開いて、前記第2排出弁と前記第3排出弁とを閉じ、前記高圧ポンプを作動させることにより、前記第1耐圧タンクの封圧を予定の圧力まで上昇させるステップ3と、
前記岩石熱物性測定システム全体のバランスを取ったときに、前記第1排出弁を閉じて、前記第3排出弁を閉じたまま、前記第2排出弁を開くことにより、前記第2耐圧タンクに瞬時に与圧するステップ4と、
前記温度観測モジュールによってリアルタイムで観測した前記第1温度センサー、前記第2温度センサー、及び前記第3温度センサーの温度変化と、前記封圧観測モジュールによってリアルタイムで観測した前記第2圧力センサーの封圧変化とに基づいて、有限元数値モデルを使って反転することにより、封圧状態における前記岩石サンプルの熱物性パラメータを得るステップ5と、
を含む。
前記円筒状の岩石サンプルの中心を原点とし、前記円筒状の岩石サンプルの径方向と軸方向で形成されたカラム座標係において、熱伝導性微分方程式に基づいて有限元数値モデルを確立するステップ51と、
前記岩石サンプルの熱伝導率をλ、体積熱容量を(ρc)とし、地殻によくある岩石の熱伝導率の範囲は0.5〜6.0W・m−1・K−1、体積熱容量の範囲は0.5×106〜5.0×106J・m−3・K−1であり、計算領域である
全てのグリッドノード(λi、(ρc)j)を確立した有限元数値モデルに入力し、瞬時に与圧する過程においてリアルタイムで観測した岩石サンプル表面の温度変化T02(t)と伝圧媒質の温度変化T03(t)を境界条件として(λ、(ρc))=(λi、(ρc)j)をアナログ計算するときに、前記岩石サンプルの中心の温度変化をTi、j mоdと示すステップ53と、
最小二乗法を利用し、前記有限元数値モデルを計算することにより得たTi、j mоdとリアルタイムで観測した前記岩石サンプルの中心の温度変化T01(t)を線形フィッティングし、即ち、
当該フィッティング直線傾斜Ki、jと相関係数Ri、jを計算し、ただし、相関係数の計算式は、
目標関数は
目標関数値が最小のグリッドポイントを探し出し、即ち、F(λi 0、(ρc)j 0)=min{F(λi、(ρc)j)}であり、F(λi 0、(ρc)j 0)≦ε(εは計算請求に満足するかどうかを判定するために設定された閾値である)であれば、(λi 0、(ρc)j 0)は計算する必要がある岩石サンプルの熱伝導率と体積熱容量(λ、(ρc))であり、そうではないと、F(λi 0、(ρc)j 0)≦εを満足するまで、(λi 0、(ρc)j 0)を中心とする領域を計算領域とし、グリッドの密度を増加し、ステップ53に戻すことにより、計算して、岩石サンプルの熱伝導率と体積熱容量(λ、(ρc))=(λi 0、(ρc)j 0)を得るステップ56と、
最後に、熱伝導率λ、体積熱容量(ρc)及び熱拡散率κの関係式κ=λ/(ρc)=λi 0/(ρc)j 0から、計算して、岩石サンプルの熱拡散率を得るステップ57と、
を含む。
と示され、
その初期条件は
ただし、γは各媒質の断熱応力変化の温度応答係数であり、Aは封圧変化による温度変化∂p/∂tに対応する熱源であり、r0は岩石サンプルの半径であり、z01は円筒状の岩石サンプルの頂面又は底面から岩石サンプルの中心円筒面までの垂直距離であり、z02は密封後の円筒状の岩石サンプルモジュールの頂面又は底面から岩石サンプルの中心円筒面までの垂直距離である。
であり、
ただし、T1(t)T、T2(t)T、T3(t)Tはそれぞれに瞬時に与圧した後時刻tにおける第1温度センサー、第2温度センサーと第3温度センサーがリアルタイムで観測した温度であり、且つステップ5により得られ、T1(0)、T2(0)、T3(0)はそれぞれに瞬時に与圧した第1温度センサー、第2温度センサーと第3温度センサーがリアルタイムで観測した温度であり、且つステップ2により得られる。
図1に示すように、本発明にかかる高圧条件下の岩石熱物性測定システムは、伝圧媒質(例えばシリコンオイル、植物油や脱イオン水など)が充填された第1キャビティ11が形成された第1耐圧タンク1と、伝圧媒質が充填された第2キャビティ21が形成された第2耐圧タンク2と、第1耐圧タンク1に伝圧媒質を供給し、第1排出弁51と第1圧力センサー52が取り付けられた第1連通ダクト5により第1キャビティ1に接続された高圧ポンプ3と、温度観測モジュール8と、封圧観測モジュール9と、を含む。前記第2キャビティ21内には、円筒状の岩石サンプルモジュールが取り付けられている。円筒状の岩石サンプルモジュールは、円筒状の岩石サンプル4を含み、その中心には第1温度センサー61が取り付けられ、その表面には第2温度センサー62が取り付けられている。そして、円筒状の上硬質シリコン41と下硬質シリコン42とをそれぞれ円筒状の岩石サンプル4の上側と下側とに押し付ける。、上硬質シリコン41、円筒状の岩石サンプル4、及び下硬質シリコン42は、ゴムカバー43により覆われ、水密状態にされた後、第2耐圧タンク2の第2キャビティ21内に配置される。第2キャビティ内には第3温度センサー63が取り付けられている。また、前記第1キャビティ11と第2キャビティ21とは、第2排出弁71と第2圧力センサー72とが取り付けられた第2連通ダクト7により連通されている。前記第2キャビティ21には、第3排出弁22が接続されている。第1温度センサー61、第2温度センサー62、及び第3温度センサー63の出力端は、温度観測モジュール8の入力端に接続されており、温度観測モジュール8により三つの温度センサーの温度変化をリアルタイムで観測することができる。また、第1圧力センサー52の出力端と第2圧力センサー72の出力端とは、封圧観測モジュール9の入力端に接続されている。これにより、封圧観測モジュール9により、第2耐圧タンク2内の封圧変化をリアルタイムで観測することができる。温度観測モジュール8の出力端と封圧観測モジュール9の出力端とは、処理モジュール10に接続されている。よって、処理モジュール10により岩石サンプルの断熱応力変化の温度応答係数を計算することができる。なお、処理モジュール10は高圧ポンプ3の動作を制御できる。これにより封圧観測モジュール9が第1圧力センサー52により第1耐圧タンク1の封圧が予定の圧力に達したことを検測したときに、処理モジュール10は高圧ポンプ3の動作を停止する。
当該測定システムの岩石サンプルを円筒状とし、簡単に計算するために、ここでは、第1温度センサー61を岩石サンプルの中心に配置し、且つ岩石サンプルにおいて第2温度センサー62と第1温度センサー61は径方向に同一の円にある。従って、対応するカラム座標係(2drz)における熱伝導性微分方程式は、
と示される。
その初期条件は、
境界条件は岩石熱物性測定システムが観測した岩石サンプル表面の温度変化T02(t)と伝圧媒質の温度変化T03(t)により制約される。即ち、
ただし、二つのパラメータλと(ρc)をm等分し、初期の(m+1)×(m+1)個のグリッドノード(λi、(ρc)j)を獲得する(ただし、i、j=1、2、3、・・・、m)。
(付記1)
伝圧媒質が充填された第1キャビティが形成された第1耐圧タンクと、
伝圧媒質が充填された第2キャビティが形成された第2耐圧タンクと、
前記第1耐圧タンクに前記伝圧媒質を供給し、第1排出弁と第1圧力センサーが取り付けられた第1連通ダクトにより前記第1キャビティに接続された高圧ポンプと、
その入力端に、第1温度センサー、第2温度センサー、及び第3温度センサーの出力端が接続された温度観測モジュールと、
その入力端に、前記第1圧力センサー及び前記第2圧力センサーの出力端が接続された封圧観測モジュールと、
を含み、
前記第2キャビティ内に岩石サンプルが取り付けられ、前記岩石サンプルの中心に前記第1温度センサーが取り付けられ、前記岩石サンプルの外面に前記第2温度センサーが取り付けられ、前記伝圧媒質が充填された前記第2キャビティ内に前記第3温度センサーが取り付けられ、前記第1キャビティと前記第2キャビティとは第2排出弁と第2圧力センサーとが取り付けられた第2連通ダクトにより連通され、前記第2キャビティには第3排出弁が接続されていることを特徴とする高圧条件下の岩石熱物性測定システム。
前記岩石サンプルの外面には、前記岩石サンプルを水密状態にするためのゴムカバーが設けられ、前記岩石サンプルの上端と下端とは硬質シリコンで密封されていることを特徴とする付記1に記載の高圧条件下の岩石熱物性測定システム。
前記岩石サンプルは円筒状であることを特徴とする付記1に記載の高圧条件下の岩石熱物性測定システム。
前記伝圧媒質はシリコンオイルであることを特徴とする付記1に記載の高圧条件下の岩石熱物性測定システム。
第1温度センサーを作製された円筒状の岩石サンプルの中心に取り付け、第2温度センサーを作製された円筒状の前記岩石サンプルの外面に取り付け、ゴムカバーにより前記岩石サンプルを水密状態にすると共に、硬質シリコンにより前記岩石サンプルの上端と下端を密封することにより、岩石サンプルモジュールを形成するステップ1と、
前記岩石サンプルモジュールと第3温度センサーを第2耐圧タンクに入れ、伝圧媒質が前記第2耐圧タンクに充填した後前記第2耐圧タンクを密封する同時に、第1排出弁と第1圧力センサーとが取り付けられた第1連通ダクトで高圧ポンプと第1耐圧タンクとを接続し、第2排出弁と第2圧力センサーが取り付けられた第2連通ダクトで前記第1耐圧タンクと前記第2耐圧タンクとを接続し、第3排出弁を前記第2耐圧タンクに取り付け、そして、前記第1温度センサー、前記第2温度センサー、及び前記第3温度センサーを温度観測モジュールに接続し、前記第1圧力センサーと前記第2圧力センサーとを封圧観測モジュールに接続することにより、岩石熱物性測定システムを形成し、前記温度観測モジュールと前記封圧観測モジュールとを作動させて、温度と封圧に対する観測を開始するステップ2と、
前記第1排出弁のみを開いて、前記第2排出弁と前記第3排出弁とを閉じ、前記高圧ポンプを作動させることにより、前記第1耐圧タンクの封圧を予定の圧力まで上昇させるステップ3と、
前記岩石熱物性測定システム全体のバランスを取ったときに、前記第1排出弁を閉じて、前記第3排出弁を閉じたまま、前記第2排出弁を開くことにより、前記第2耐圧タンクに瞬時に与圧するステップ4と、
前記温度観測モジュールによってリアルタイムで観測した前記第1温度センサー、前記第2温度センサー、及び前記第3温度センサーの温度変化と、前記封圧観測モジュールによってリアルタイムで観測した前記第2圧力センサーの封圧変化とに基づいて、有限元数値モデルを使って反転することにより、封圧状態における前記岩石サンプルの熱物性パラメータを得るステップ5と、
を含むことを特徴とする高圧条件下の岩石熱物性測定方法。
前記ステップ5は、
前記円筒状の岩石サンプルの中心を原点とし、前記円筒状の岩石サンプルの径方向と軸方向で形成されたカラム座標係において、熱伝導性微分方程式に基づいて、有限元数値モデルを確立するステップ51と、
前記岩石サンプルの熱伝導率をλ、体積熱容量を(ρc)とし、地殻によくある岩石の熱伝導率の範囲は0.5〜6.0W・m−1・K−1、体積熱容量の範囲は0.5×106〜5.0×106J・m−3・K−1であり、計算領域である
全てのグリッドノード(λi、(ρc)j)を確立した有限元数値モデルに入力し、瞬時に与圧する過程においてリアルタイムで観測した岩石サンプル表面の温度変化T02(t)と伝圧媒質の温度変化T03(t)を境界条件として、(λ、(ρc))=(λi、(ρc)j)をアナログ計算するときに、前記岩石サンプルの中心の温度変化をTi、j mоdと示すステップ53と、
最小二乗法を利用し、前記有限元数値モデルを計算することにより得たTi、j mоdとリアルタイムで観測した前記岩石サンプルの中心の温度変化T01(t)を線形フィッティングし、即ち、
当該フィッティング直線傾斜Ki、jと相関係数Ri、jを計算し、ただし、相関係数の計算式は、
目標関数は
目標関数値が最小のグリッドポイントを探し出し、即ち、F(λi 0、(ρc)j 0)=min{F(λi、(ρc)j)}であり、F(λi 0、(ρc)j 0)≦ε、ここでεは計算請求に満足するかどうかを判定するために設定された閾値であるのであれば、(λi 0、(ρc)j 0)は計算する必要がある岩石サンプルの熱伝導率と体積熱容量(λ、(ρc))であり、そうではないと、F(λi 0、(ρc)j 0)≦εを満足するまで、(λi 0、(ρc)j 0)を中心とする領域を計算領域とし、グリッドの密度を増加し、ステップ53に戻すことにより計算して、岩石サンプルの熱伝導率と体積熱容量(λ、(ρc))=(λi 0、(ρc)j 0)を得るステップ56と、
最後に、熱伝導率λ、体積熱容量(ρc)及び熱拡散率κの関係式κ=λ/(ρc)=λi 0/(ρc)j 0から計算して、岩石サンプルの熱拡散率を得るステップ57と、
を含むことを特徴とする付記5に記載の高圧条件下の岩石熱物性測定方法。
前記ステップ51において、カラム座標係における熱伝導性微分方程式は
と示され、
その初期条件は
境界条件は岩石熱物性測定システムが観測した岩石サンプル表面の温度変化T02(t)と伝圧媒質の温度変化T03(t)により制約され、即ち、
ただし、γは各媒質の断熱応力変化の温度応答係数であり、Aは封圧変化∂p/∂tによる温度変化に対応する熱源であり、r0は岩石サンプルの半径であり、z01は円筒状の岩石サンプルの頂面又は底面から岩石サンプルの中心円筒面までの垂直距離であり、z02は密封後の円筒状の岩石サンプルモジュールの頂面又は底面から岩石サンプルの中心円筒面までの垂直距離であることを特徴とする付記6に記載の高圧条件下の岩石熱物性測定方法。
リアルタイムで観測した前記岩石サンプルの中心の温度変化T01(t)、岩石サンプル表面の温度変化T02(t)と伝圧媒質の温度変化T03(t)は、各時刻におけるリアルタイムで観測した温度と瞬時に与圧したときの温度との差であり、即ち、
であり、
ただし、T1(t)T、T2(t)T、T3(t)Tはそれぞれに瞬時に与圧した後時刻tにおける第1温度センサー、第2温度センサーと第3温度センサーがリアルタイムで観測した温度であり、且つステップ5により得られ、T1(0)、T2(0)、T3(0)はそれぞれに瞬時に与圧した第1温度センサー、第2温度センサーと第3温度センサーがリアルタイムで観測した温度であり、且つステップ2により得られることを特徴とする付記7に記載の高圧条件下の岩石熱物性測定方法。
第1温度センサー、第2温度センサーと第3温度センサーが観測した温度はいずれも安定したときに、岩石熱物性測定システム全体の温度バランスを取ることを特徴とする付記5に記載の高圧条件下の岩石熱物性測定方法。
Claims (9)
- 伝圧媒質が充填された第1キャビティが形成された第1耐圧タンクと、
伝圧媒質が充填された第2キャビティが形成された第2耐圧タンクと、
前記第1耐圧タンクに前記伝圧媒質を供給し、第1排出弁と第1圧力センサーが取り付けられた第1連通ダクトにより前記第1キャビティに接続された高圧ポンプと、
その入力端に、第1温度センサー、第2温度センサー、及び第3温度センサーの出力端が接続された温度観測モジュールと、
その入力端に、前記第1圧力センサー及び前記第2圧力センサーの出力端が接続された封圧観測モジュールと、
を含み、
前記第2キャビティ内に岩石サンプルが取り付けられ、前記岩石サンプルの中心に前記第1温度センサーが取り付けられ、前記岩石サンプルの外面に前記第2温度センサーが取り付けられ、前記伝圧媒質が充填された前記第2キャビティ内に前記第3温度センサーが取り付けられ、前記第1キャビティと前記第2キャビティとは第2排出弁と第2圧力センサーとが取り付けられた第2連通ダクトにより連通され、前記第2キャビティには第3排出弁が接続されていることを特徴とする高圧条件下の岩石熱物性測定システム。 - 前記岩石サンプルの外面には、前記岩石サンプルを水密状態にするためのゴムカバーが設けられ、前記岩石サンプルの上端と下端とは硬質シリコンで密封されていることを特徴とする請求項1に記載の高圧条件下の岩石熱物性測定システム。
- 前記岩石サンプルは円筒状であることを特徴とする請求項1に記載の高圧条件下の岩石熱物性測定システム。
- 前記伝圧媒質はシリコンオイルであることを特徴とする請求項1に記載の高圧条件下の岩石熱物性測定システム。
- 第1温度センサーを作製された円筒状の岩石サンプルの中心に取り付け、第2温度センサーを作製された円筒状の前記岩石サンプルの外面に取り付け、ゴムカバーにより前記岩石サンプルを水密状態にすると共に、硬質シリコンにより前記岩石サンプルの上端と下端を密封することにより、岩石サンプルモジュールを形成するステップ1と、
前記岩石サンプルモジュールと第3温度センサーを第2耐圧タンクに入れ、伝圧媒質が前記第2耐圧タンクに充填した後前記第2耐圧タンクを密封する同時に、第1排出弁と第1圧力センサーとが取り付けられた第1連通ダクトで高圧ポンプと第1耐圧タンクとを接続し、第2排出弁と第2圧力センサーが取り付けられた第2連通ダクトで前記第1耐圧タンクと前記第2耐圧タンクとを接続し、第3排出弁を前記第2耐圧タンクに取り付け、そして、前記第1温度センサー、前記第2温度センサー、及び前記第3温度センサーを温度観測モジュールに接続し、前記第1圧力センサーと前記第2圧力センサーとを封圧観測モジュールに接続することにより、岩石熱物性測定システムを形成し、前記温度観測モジュールと前記封圧観測モジュールとを作動させて、温度と封圧に対する観測を開始するステップ2と、
前記第1排出弁のみを開いて、前記第2排出弁と前記第3排出弁とを閉じ、前記高圧ポンプを作動させることにより、前記第1耐圧タンクの封圧を予定の圧力まで上昇させるステップ3と、
前記岩石熱物性測定システム全体のバランスを取ったときに、前記第1排出弁を閉じて、前記第3排出弁を閉じたまま、前記第2排出弁を開くことにより、前記第2耐圧タンクに瞬時に与圧するステップ4と、
前記温度観測モジュールによってリアルタイムで観測した前記第1温度センサー、前記第2温度センサー、及び前記第3温度センサーの温度変化と、前記封圧観測モジュールによってリアルタイムで観測した前記第2圧力センサーの封圧変化とに基づいて、有限元数値モデルを使って反転することにより、封圧状態における前記岩石サンプルの熱物性パラメータを得るステップ5と、
を含むことを特徴とする高圧条件下の岩石熱物性測定方法。 - 前記ステップ5は、
前記円筒状の岩石サンプルの中心を原点とし、前記円筒状の岩石サンプルの径方向と軸方向で形成されたカラム座標係において、熱伝導性微分方程式に基づいて、有限元数値モデルを確立するステップ51と、
前記岩石サンプルの熱伝導率をλ、体積熱容量を(ρc)とし、地殻によくある岩石の熱伝導率の範囲は0.5〜6.0W・m−1・K−1、体積熱容量の範囲は0.5×106〜5.0×106J・m−3・K−1であり、計算領域である
全てのグリッドノード(λi、(ρc)j)を確立した有限元数値モデルに入力し、瞬時に与圧する過程においてリアルタイムで観測した岩石サンプル表面の温度変化T02(t)と伝圧媒質の温度変化T03(t)を境界条件として、(λ、(ρc))=(λi、(ρc)j)をアナログ計算するときに、前記岩石サンプルの中心の温度変化をTi、j mоdと示すステップ53と、
最小二乗法を利用し、前記有限元数値モデルを計算することにより得たTi、j mоdとリアルタイムで観測した前記岩石サンプルの中心の温度変化T01(t)を線形フィッティングし、即ち、
当該フィッティング直線傾斜Ki、jと相関係数Ri、jを計算し、ただし、相関係数の計算式は、
目標関数は
目標関数値が最小のグリッドポイントを探し出し、即ち、F(λi 0、(ρc)j 0)=min{F(λi、(ρc)j)}であり、F(λi 0、(ρc)j 0)≦ε、ここでεは計算請求に満足するかどうかを判定するために設定された閾値であるのであれば、(λi 0、(ρc)j 0)は計算する必要がある岩石サンプルの熱伝導率と体積熱容量(λ、(ρc))であり、そうではないと、F(λi 0、(ρc)j 0)≦εを満足するまで、(λi 0、(ρc)j 0)を中心とする領域を計算領域とし、グリッドの密度を増加し、ステップ53に戻すことにより計算して、岩石サンプルの熱伝導率と体積熱容量(λ、(ρc))=(λi 0、(ρc)j 0)を得るステップ56と、
最後に、熱伝導率λ、体積熱容量(ρc)及び熱拡散率κの関係式κ=λ/(ρc)=λi 0/(ρc)j 0から計算して、岩石サンプルの熱拡散率を得るステップ57と、
を含むことを特徴とする請求項5に記載の高圧条件下の岩石熱物性測定方法。 - 前記ステップ51において、カラム座標係における熱伝導性微分方程式は
と示され、
その初期条件は
境界条件は岩石熱物性測定システムが観測した岩石サンプル表面の温度変化T02(t)と伝圧媒質の温度変化T03(t)により制約され、即ち、
ただし、γは各媒質の断熱応力変化の温度応答係数であり、Aは封圧変化∂p/∂tによる温度変化に対応する熱源であり、r0は岩石サンプルの半径であり、z01は円筒状の岩石サンプルの頂面又は底面から岩石サンプルの中心円筒面までの垂直距離であり、z02は密封後の円筒状の岩石サンプルモジュールの頂面又は底面から岩石サンプルの中心円筒面までの垂直距離であることを特徴とする請求項6に記載の高圧条件下の岩石熱物性測定方法。 - リアルタイムで観測した前記岩石サンプルの中心の温度変化T01(t)、岩石サンプル表面の温度変化T02(t)と伝圧媒質の温度変化T03(t)は、各時刻におけるリアルタイムで観測した温度と瞬時に与圧したときの温度との差であり、即ち、
であり、
ただし、T1(t)T、T2(t)T、T3(t)Tはそれぞれに瞬時に与圧した後時刻tにおける第1温度センサー、第2温度センサーと第3温度センサーがリアルタイムで観測した温度であり、且つステップ5により得られ、T1(0)、T2(0)、T3(0)はそれぞれに瞬時に与圧した第1温度センサー、第2温度センサーと第3温度センサーがリアルタイムで観測した温度であり、且つステップ2により得られることを特徴とする請求項7に記載の高圧条件下の岩石熱物性測定方法。 - 第1温度センサー、第2温度センサーと第3温度センサーが観測した温度はいずれも安定したときに、岩石熱物性測定システム全体の温度バランスを取ることを特徴とする請求項5に記載の高圧条件下の岩石熱物性測定方法。
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