JP3150370U - 電解めっき装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 銅の含有濃度の高い銅めっき層を高効率に形成できる電解めっき装置を提供すること。【解決手段】 被めっき体である陰極11と、陽極7a及び7bとを電解めっき槽6内に有し、硫酸銅からなるめっき液8が電解めっき槽6内に収容される電解めっき装置21Aであって、陰極11の表面近傍においてめっき液8を撹乱するために、還流しためっき液を上方へ吐出して噴流8Bを形成する噴流ノズル12a及び12bが陰極11の下方に設けられている電解めっき装置21A。この噴流8Bによって、陰極11の表面近傍に生じる銅イオン濃度の低い拡散層の厚みを小さくし、電流密度を増大させる。【選択図】 図1
Description
本考案は、電解めっき装置に関するものである。
銅等の金属の電解めっきは様々な用途があり、例えば、グラビア印刷シリンダーの製版工程において銅の電解めっき法が用いられている。
この場合、鉄又はアルミニウム製の印刷シリンダーの表面に電解めっき法で厚さ100μm〜150μm程度の銅めっき層を形成し、次いで、この銅めっき層の表面を砥石等で研磨した後、化学エッチング法又はダイアモンド針を用いた彫刻法によって、幅100μm、深さ30μm程度のインクの入るセルを形成し、次いで、銅めっき層の表面に電解めっき法で厚さ10μm程度のクロム層を形成することができる。
このような電解めっき装置として、例えば図10に示す電解めっき装置71は、陰極61、陽極57a及び陽極57bを有する電解めっき槽56を上部に有し、図示しないめっき液貯留・循環槽を下部に配置した構造である(後述の特許文献1を参照)。
この構造において、銅めっき工程を行っていない時には電解めっき槽56内は空になっていて、めっき液58は、全量が下方のめっき液貯留・循環槽内に入っている。
そして、銅めっき工程を行うには、まず、電解めっき槽56内に例えば印刷シリンダー等の被めっき材となる陰極61を陽極57a及び57bに対向して配置する。次に、めっき液58を送液ポンプによってめっき液貯留・循環槽内から電解めっき槽56内に送り出す。
こうして電解めっき槽56内に導入されためっき液58は、電解めっき槽56を満たした後に、電解めっき槽56の上部に設けられたオーバーフロー開口部から外部に溢れ出、この溢れ出ためっき液58は下側のめっき液貯留・循環槽に戻され、電解めっき槽56へと還流することになる。
このようにしてめっき液貯留・循環槽と電解めっき槽56との間でめっき液58を循環(還流)させながら、印刷シリンダー等の被めっき材に銅の電解めっき工程を行うことができる。
そして、銅めっき工程の終了後に、送液ポンプを止めてドレインバルブを開き、電解めっき槽56内に残っためっき液58をめっき液貯留・循環槽に戻すことができる。このようにして電解めっき槽56を空にしてから、銅めっきされた印刷シリンダーを取り出すことができる。
ここで、めっき液58には、例えば、硫酸銅、硫酸、塩化物イオン及び添加剤を含んだ水溶液を用いることができる。硫酸銅はめっきされる銅を銅イオンCu2+として供給し、陰極61の表面で、銅イオンが下記の式(1)のように電気化学的に還元され、生成した銅が陰極61の表面に付着して銅めっき層が形成される。
陰極表面:Cu2++2e- → Cu ・・・・(1)
陰極表面:Cu2++2e- → Cu ・・・・(1)
ここで、硫酸はめっき液58の電気抵抗を下げるために用いられ、塩化物イオンは添加剤の効果を高める作用がある。
このような銅の電解めっきには、密着性が良好であること、銅めっき層が適度の硬さを有すること、ひび割れ等が生じないこと、銅めっき層に光沢があること及びヤケ等が起こらないこと等が要求される。
上記した電解めっき装置71による電解めっき工程においては、図5(b)の概略断面図に示すように、めっき液58である硫酸銅溶液が電気分解されて生じた陽(銅)イオン54が水分子53を介して陰極61の表面に吸着することによって、電気二重層52として吸着層55を形成し、陽イオン54が還元されて金属銅として陰極61の表面に被着(めっき)される。
しかしながら、吸着層55とめっき液58との間には、吸着層55からめっき液58にかけて銅イオン濃度が低くなる拡散層51が形成され、吸着層55に拡散層51を加えた厚みd2によってめっき時の電流密度が小さくなり、めっき効率が低下してしまう。
本考案は、このような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、銅等のめっきを効率良く行える電解めっき装置を提供することにある。
即ち、本考案は、被めっき体である陰極と、陽極とを電解槽内に有し、めっき液が前記電解槽内に収容される電解めっき装置であって、前記陰極の表面近傍において前記めっき液を乱すための手段が設けられている電解めっき装置に係るものである。
本考案の電解めっき装置によれば、前記陰極の表面近傍において前記めっき液を乱すように構成するので、めっき時に生じる陽イオン濃度の低い拡散層の厚みを小さくすることができ、これによってめっき時の電流密度を大きくし、比較的短時間で高性能のめっき層を形成することができる。
本考案においては、前記めっき液を効果的に乱すために、前記めっき液を乱すための手段として、前記陰極の下方から上方に向けて前記めっき液を吐出して前記陰極の表面に沿う噴流を形成するノズルが設けられているのが好ましい。
この場合、前記電解槽から取り出しためっき液が還流されて前記ノズルから吐出されるのが好ましい。
このめっき液の還流においては、前記電解槽の上部からオーバーフローしためっき液が、必要あれば熱変換器で所定のめっき液温度に調整後、フィルタを介して前記ノズルに導入されるのがよい。
或いは、前記電解槽の傾斜底部から取り出しためっき液が、必要あれば熱変換器で所定のめっき液温度に調整後、フィルタを介して前記ノズルに導入されるのがよい。
また、前記めっき液を前記陰極の表面近傍において効果的に乱すために、前記ノズルが前記陰極に沿って配設され、その長さ方向にめっき液吐出孔を有しているのが好ましい。
この場合、前記めっき液吐出孔は、前記ノズルの長さ方向に複数の独立した吐出孔(ノズル孔)又はスリット状吐出孔(ノズル孔)として設けることができる。
そして、前記めっき液の吐出量をノズル長さ方向で変化させてその乱れの状態を変化させるのもよく、このためには、前記吐出孔の径又は前記スリット状吐出孔の幅を前記長さ方向において変化させてよい。
また、前記被めっき体(陰極)の形状等に対応して、前記ノズルが位置可変に、例えばその長さ方向の中心軸を中心に回転して位置調整可能に配置されているのが、より効果的にめっき液を吐出する上で好ましい。
また、前記めっき液として硫酸銅溶液が用いられ、前記陰極に銅めっきが施されるのが好ましいが、クロムめっき等の他のめっき液組成に適用することもできる。
次に、本考案の好ましい実施の形態を図面参照下に具体的かつ詳細に説明する。
図1及び図2に、本実施の形態よる電解めっき装置21Aの概略構成図を示す。
図1に示すように、電解めっき装置21Aは、不溶性陽極7a及び陽極7bと陰極(被めっき体)11とが所定位置に対向して配置され、吐出孔13を有する2本の噴流ノズル(めっき液を乱すための手段)12a及び12bが陰極11の下方の両側に配置され、硫酸銅からなるめっき液8をオーバーフロー用の開口部18の下端付近にまで充填、収容した電解めっき槽6を具備している。配管16aからはオーバーフローしためっき液8Aを導出し、循環ポンプ17及び配管16bによって流量調節バルブ19に通し、所定の流量で噴流ノズル12a、12bに導びき、多数の吐出孔(ノズル孔)13から陰極11に沿って上方へ吐出させ、噴流8Bを形成するように構成されている。
この電解めっき装置21Aを駆動するための直流電源装置(ここでは図示せず)の整流器として、例えば株式会社三社電機製作所製の型式SMART MiNi−ReX500を用いることができ、また、循環ポンプ17に、例えばエレポン化工機株式会社製の型式SL−75NW(シールレスポンプ、200V、0.75kW、標準水量:250l/分)を用いることができる。
また、不溶性陽極7a及び7bには、チタン及び酸化イリジウム等からなる不溶性材料を用い、例えば石福金属興業株式会社製の型式MODE−211HH(めっき液中の有効面:幅300mm×高さ390mm、厚さ:2mm)を用いることができる。陰極11には、銅又はステンレス等を用い、例えばタフピッチ銅 C1100(めっき液中の有効面:幅250mm×高さ400mm、厚さ:2mm)を用いることができる。
そして、2枚の陽極7a及び7bを電解めっき槽6の中央位置の陰極11からそれぞれ140mm離した位置にそれぞれ配置し、各下端部から390mmの高さ位置までめっき液8に浸し、また、陰極11を下端部から400mmの高さ位置までめっき液8に浸してよい。
電解めっき槽(電解槽)6としては、内寸で槽内長450mm、槽内奥行き330mm、壁厚10mmのサイズとしてよく、その材質はPVC(ポリ塩化ビニル)としてよい。配管16a、16bもPVCで形成してよい。
また、2本の噴流ノズル12aと12bはPVC製とし、これらの間隔は160mmとし、それぞれの上面に設けた吐出孔13は7〜10mmφの複数(例えば7個)の丸孔としてよい。
めっき液8としての硫酸銅溶液は硫酸銅250g/lと硫酸60g/lとの混合液を用い、補給手段によって定期的に補充して電解めっき槽6内の硫酸銅溶液の濃度を維持することができる。
めっき液8の組成は、硫酸銅が250g/l、硫酸が60g/lを基本とし、その他に、添加剤(光沢剤)として、コスモG−MU(商品名;大和特殊(株)製)を8ml/l、コスモG−1(商品名;大和特殊(株)製)を2ml/lの割合で加えることができる。硫酸銅はめっきされる銅を銅イオン(Cu2+)として供給し、硫酸はめっき液8の電気抵抗を下げるために用いられる。また、塩化物イオンの添加によって上記添加剤の効果を高めることができる。
この電解めっき装置21Aにおいて、注目すべきことは、電解めっき槽6からオーバーフローしためっき液8Aを循環ポンプ17によって電解めっき槽6内の噴流ノズル12に流入させ、電解めっき槽6内へ吐出孔13から還流させていることである。
即ち、噴流ノズル12の吐出孔13から吐出されるめっき液は、陰極11の下方から上方に向かう噴流8Bとなり、陰極11の表面近傍のめっき液8の状態を乱すことができる。
この結果、後で詳しく述べるように、陰極11の表面近傍における銅イオン濃度の低い液部分(拡散層)を撹乱してその厚みを小さくすることができるので、電流密度を高めて比較的短時間で高性能の銅めっき層を陰極11の表面に被着することが可能となる。
図3には各種の噴流ノズルが示されている。図3(a)には、円形の吐出孔13をノズル長さ方向に(陰極11の幅全体に亘って)等間隔で独立して複数配置した噴流ノズル12a、12bが示されているが、各吐出孔13により、種々の形状及び大きさの陰極11であっても均一にめっき液を吐出して噴流を生じさせることができる。
この場合、各吐出孔13の径をすべて同一にすると、それぞれの吐出孔から均等に(同一流量又は同一吐出量で)噴出するが、図3(a’)に示すように、例えば、噴流ノズル12a及び12bの長さを400mm、吐出孔13を7個形成してそのピッチを40mmとし、それらの吐出孔のうち、ノズルへの還流めっき液の流入側からみて、孔径が10mmφの吐出孔13aを2箇所、孔径が8mmφの吐出孔13bを2箇所、孔径が7mmφの吐出孔13cを3箇所に設けてもよい。
このように、吐出孔13の径をノズル長さ方向において変化させると、ノズル長さ方向でめっき液の吐出量を不均一にする(即ち、変化させる)ことができるが、これは、図3(b)に示すように、吐出孔13をスリット状とし、ノズル長さ方向においてスリット幅を変化させることによっても可能である。
図3(a)に示した噴流ノズル12a及び12bの1本当たりの流速を算出する場合に、めっき液8の流量を140l/分とすると、噴流ノズル12a及び12bの1本当たりの流量が70l/分となり、7つの吐出孔13の平均径を約8mmφとすると、1本の噴流ノズル12a又は12bの各吐出孔の流量は、(70ml/7×60秒)≒166cm3/秒となり、従って各吐出孔での流速は、(166cm3/秒)/π×(0.4cm)2≒332cm/秒となる。
次に、図4について、陰極11の表面近傍におけるめっき液8の撹乱方法を詳しく説明する(但し、図1と比べて、噴流ノズル以外の部分を図示省略し、まためっき液の導出及び還流側は左右逆になっている)。
陰極11の下方に配置された噴流ノズル12a及び12bの吐出孔13から上方に吐出しためっき液は、矢印で示すように、吐出孔近傍において上方への吐出流となった後に陰極11の表面に沿って噴流8Bとなって上昇し、これによって陰極11の表面近傍のめっき液8を撹乱する。
なお、図4(a)に示すように噴流ノズル12a及び12bはユニオン継手16に接続され、図4(b)に矢印で示すようにノズル軸心の周りで所定角度回転させ、この回転位置に固定することによって、吐出孔13の吐出方向を自在に変更することができる。これにより、めっき液の噴流8Bを陰極11の全面に亘って十分かつ適切に生ぜしめ、また陰極11の形状やサイズに適応することができる。
このように、陰極11の表面近傍に存在するめっき液8を乱すことにより、図5(a)に示すように、銅めっき時に吸着層5(電気二重層2)とめっき液8との間に生じ得る拡散層1の厚みをd1(但し、電気二重層2との合計厚)として示すように、図5(b)に示した従来の拡散層51よりも格段に減少させ、例えば1/50にすることができる。この現象は、銅めっきの効率を大きく向上させることになる。
これについて詳細に説明すると、噴流による撹乱あり、噴流なしのそれぞれの場合における電流密度(AH)と過電圧(V)との間には、図6に示す関係が成り立つ(「鍍金の世界」、2004年7月、24〜25頁参照)。
この場合、限界電流密度iLは、
限界電流密度iL=(定数/拡散層の厚さ)×イオン濃度
で表されることが知られている。ここで、定数は浴組成や温度で決まるので、限界電流密度iLはめっき浴の金属イオン濃度に比例し、拡散層の厚さに反比例する。
限界電流密度iL=(定数/拡散層の厚さ)×イオン濃度
で表されることが知られている。ここで、定数は浴組成や温度で決まるので、限界電流密度iLはめっき浴の金属イオン濃度に比例し、拡散層の厚さに反比例する。
従って、限界電流密度を高めて高速度めっきを行うためには、イオンの濃度を上げるか、又は拡散層の厚さを小さくすることが必要である。しかしながら、標準的なめっき浴組成の銅濃度は溶解度に近いために、溶解度以上に濃度を上げることは難しい。従って、限界電流密度を高めるためには、陰極近傍でめっき液に乱れを生じさせて拡散層の厚さを小さくすることが効果的である。
このことから、本考案に基づく電解めっき装置21Aのように、還流させためっき液をノズル12a、12bの吐出孔13から吐出させて陰極11の表面近傍にめっき液の乱流を生じさせることによって、銅イオン濃度の低い拡散層1が格段に薄くなり、限界電流密度i'Lを図6に示すように著しく増大させることができる。この結果、陰極11の表面に高い濃度の高性能の銅めっき層を短時間で効率良く形成することが可能となる。
図7には、本実施の形態よる別の電解めっき装置21Bの概略構成図を示す。
この電解めっき装置21Bにおいては、陽極7a、陽極7b、陰極(被めっき体)11、吐出孔13を有する噴流ノズル(めっき液を乱すための手段)12a及び12bが配置され、めっき液8が充填された電解めっき槽(電解槽)6に循環ポンプ17が付設されていることは、上述の電解めっき装置21Aと同様であるが、更に、めっき液8を所定の液温度に調節するための熱交換器10、フィルタ9がめっき液の還流用の配管に設けられ、還流させるめっき液は電解めっき槽6の傾斜した底部最深位置において取り出される。なお、この電解めっき装置21Bを駆動させるための操作部14及び直流電源装置15も概略的に図示されている。
この装置21Bでは、循環ポンプ17を直流電源装置15によって駆動させることにより、電解めっき槽6内のめっき液8を電解めっき槽6の傾斜底部から外部に取り出し、この取り出しためっき液8Aを、循環ポンプ17、熱交換器10、フィルタ9及び噴流ノズル12a、12bを順次介して電解めっき槽6内に再び流入させて還流させ、噴流8Bを形成することができる。めっき液8である硫酸銅溶液を定期的に補充して硫酸銅溶液の濃度を維持することができる。なお、ドレン20を開放すれば、使用済みのめっき液8を電解めっき槽6内から排出することができる。
この装置21Bにおいても、噴流ノズル12a、12bから吐出される還流めっき液は噴流8Bとなって陰極11の表面近傍のめっき液8を撹乱し、上述と同様の効果的な現象とこれによる優れた効果を生じさせることができる。
次に、図1及び図2に示した実施の形態に基づく実施例を説明する。
本実施例では、噴流ノズルとして図3(a’)に示したノズルを2本使用し、その他は上述した通りに電解めっき槽21Aとめっき液還流系を構成し、めっき液の噴流8Bがある場合とない場合とにおける、30分ごとの電解量(AH)と硫酸銅濃度(g/l)とを測定した。
この測定値を図8の表1及び図9のグラフに示す。めっき液の噴流なしの場合には、電解量の増加に伴って硫酸銅濃度は緩やかに減少し、電解量が1300AHの時でも硫酸銅濃度が25.4g/lとなっている。これに対し、本考案に基づいてめっき液を噴流した場合には、電解量の増加に伴って硫酸銅濃度は噴流なしの場合よりも速く減少し、電解量が750AHの時に、硫酸銅濃度は0となる。
従って、本考案に基づく電解めっき装置21Aによれば、陰極11の表面近傍においてめっき液8を乱すようにしているので、めっき液8の電解により生じる銅イオンの濃度の低い液部分(拡散層)が薄くなり、電流密度を増大させることができ、短時間で陰極11の表面に高い濃度で銅めっき層を形成することができる。
以上、本考案を実施の形態及び実施例に基づいて説明したが、本考案はこれらの例に何ら限定されるものではなく、考案の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
例えば、噴流ノズル12a及び12bの位置、形状、長さ、幅、直径、配置数、配置間隔等、並びに、吐出孔13の孔の位置、形状、幅、直径、配置数、配置間隔等を、被めっき体である陰極11の形状等に応じて変化させることができる。
また、噴流ノズル12a及び12bは、ユニオン継手16によって長さ方向の軸を中心として回転させてその位置で固定することができるが、このように回転させるだけではなく、前後左右に傾斜させたり、位置移動させることにより、吐出孔13の吐出方向を変更させ、陰極11の表面近傍におけるめっき液8の乱れを制御することもできる。
また、めっき液8を乱す方法として、めっき液8に噴流を生じさせて撹乱するには、還流しためっき液を用いるのがよいが、他の流体を用いて撹乱することもできる。また、このような撹乱ではなく、めっき液8を撹拌して乱したり、めっき液8に振動を加えて乱しても、同様の効果が得られ、或いはこれらの手段を併用してもよい。
本考案による電解めっき装置は、銅めっき等の金属めっきを高効率で形成するのに好適である。
1、51…拡散層、2、52…電気二重層、3、53…水分子、4、54…陽イオン、
5、55…吸着層、6、56…電解めっき槽、7a、7b、57a、57b…陽極、
8、58…めっき液、8A…オーバーフローしためっき液、8B…めっき液の噴流、
9…フィルタ、10…熱交換器、11、61…陰極、12a、12b…噴流ノズル、
13…吐出孔、16a、16b…配管、17…循環ポンプ、18…開口部、
19…流量調節バルブ、20…ドレン、21A、21B、71…電解めっき装置
5、55…吸着層、6、56…電解めっき槽、7a、7b、57a、57b…陽極、
8、58…めっき液、8A…オーバーフローしためっき液、8B…めっき液の噴流、
9…フィルタ、10…熱交換器、11、61…陰極、12a、12b…噴流ノズル、
13…吐出孔、16a、16b…配管、17…循環ポンプ、18…開口部、
19…流量調節バルブ、20…ドレン、21A、21B、71…電解めっき装置
Claims (10)
- 被めっき体である陰極と、陽極とを電解槽内に有し、めっき液が前記電解槽内に収容される電解めっき装置であって、前記陰極の表面近傍において前記めっき液を乱すための手段が設けられている電解めっき装置。
- 前記めっき液を乱すための手段として、前記陰極の下方から上方に向けて前記めっき液を吐出して前記陰極の表面に沿う噴流を形成するノズルが設けられている、請求項1に記載した電解めっき装置。
- 前記電解槽から取り出しためっき液が還流されて前記ノズルから吐出される、請求項2に記載した電解めっき装置。
- 前記電解槽の上部からオーバーフローしためっき液が、必要あれば熱変換器で所定のめっき液温度に調整後、フィルタを介して前記ノズルに導入される、請求項3に記載した電解めっき装置。
- 前記電解槽の傾斜底部から取り出しためっき液が、必要あれば熱変換器で所定のめっき液温度に調整後、フィルタを介して前記ノズルに導入される、請求項3に記載した電解めっき装置。
- 前記ノズルが前記陰極に沿って配設され、長さ方向にめっき液吐出孔を有している、請求項2に記載した電解めっき装置。
- 前記めっき液吐出孔が、前記ノズルの長さ方向に複数の独立した吐出孔、又はスリット状吐出孔として設けられている、請求項6に記載した電解めっき装置。
- 前記吐出孔の径又は前記スリット状吐出孔の幅が、前記長さ方向において変化している、請求項7に記載した電解めっき装置。
- 前記ノズルが位置可変に配置されている、請求項2に記載した電解めっき装置。
- 前記めっき液として硫酸銅溶液が用いられ、前記陰極に銅めっきが施される、請求項1に記載した電解めっき装置。
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