JP3149959B2 - 半導体レーザ素子及びその駆動方法 - Google Patents

半導体レーザ素子及びその駆動方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、波長多重光通信、波長
多重光記録、光演算等の光源として期待される半導体レ
ーザ素子及びその駆動方法に関し、特に、素子に流す電
流の大きさを調整することにより、異なる複数の波長の
レーザ光を同時に多波長、又は1波長発すること等がで
きる半導体レーザ素子及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信や光学的情報処理の分野に
おける半導体レーザ素子の需要は急激に増大してきてお
り、それに伴って素子の機能に対する要求も多様化しつ
つある。発振波長が可変な半導体レーザ素子もそのうち
の1つである。例えば、光カードや光ディスク等の媒体
にレーザ光を照射して情報の記録及び再生を行なう場
合、通常、再生光の出力を記録光よりも低くすることに
よって、再生光による書き込みを防止している。ここ
で、波長可変の半導体レーザ素子を用い、再生光の波長
を媒体感度の低い領域に設定すれば、再生光の出力をそ
れほど低下させることなく上記書き込みを防止でき、S
/N比の高い情報の再生が可能となる。
【0003】こうした要求等を満たす波長可変の半導体
レーザの第1の従来例として、共振器を構成する反射器
としてグレーティングを利用した所謂分布反射型(DB
R)半導体レーザで、グレーティング部にも電極を設け
てキャリアを注入出来るようにし、そこへの電流注入量
を増減することにより、グレーティング部の屈折率を変
化させて発振波長を変化させる素子が提案されている。
この場合、発光層等の構造は、通常の半導体レーザと同
じである。
【0004】第2の従来例としては、特開昭63−21
1786や特開昭63−211787号公報において、
2つの異なる量子井戸(厚さ、エネルギギャップなどの
うち少なくとも1つが異なる)を発光層とし、夫々の量
子井戸からの発光で異なる波長のレーザ発振を得る素子
が開示されている。この半導体レーザの特長は、波長可
変幅を大きくすることができる点である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術は次の様な問題点を有している。まず、第1の従
来例では、可変である波長域が狭く、例えばAlx Ga
1-x Asを用いたレーザでは、可変波長域は数nm程度
しかない。これは、通常の半導体レーザでは、注入電流
量制御によるブラッグ波長の変化が可変波長幅を支配し
ており、その変化がその程度の広さしかないからであ
る。
【0006】また、第2の従来例では、発振波長は、複
数の量子井戸の利得スペクトルを光閉じ込め係数を考慮
して足し合わせた利得スペクトルにおいて利得が最大に
なる波長によって決まる為、非常に不安定である。
【0007】従って、本発明の目的は、上記従来例の問
題点を解決し、波長可変範囲が広く、高速変調時にも安
定な波長で発振の可能な(動的に安定な)波長可変半導
体レーザ素子及びその駆動方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決する為の手段】上記目的を達成する本発明
では、互いに基底準位のバンドギャップが異なる複数の
発光層と該発光層の間に設けられたこれらの発光層より
も大きいバンドギャップを持つ障壁層とを含む光導波路
構造、及び該構造を挟んで積層されたクラッド層から成
る半導体素子において、前記複数の発光層の各々のバン
ドギャップに相当する波長光を選択的に反射させる周期
の異なる複数の回折格子が同一の光導波路内に設けられ
ていること、及び前記回折格子として、同一の光導波路
内で成膜方向に、周期の異なる複数の回折格子が設けら
れ、夫々の回折格子に相当した波長光を選択的に反射さ
せ、多波長光を同時に又はいずれか1波長のみを発振さ
せることを特徴とし、これにより波長可変幅の大きい動
的に安定な多波長の同時発振、選択的発振を達成してい
る。
【0009】より具体的には、前記障壁層のバンドギャ
ップと厚さが、前記発光層にキャリアを注入した時に、
障壁層が無い場合に比べて、基底準位のバンドギャップ
の大きい方の発光層のキャリア濃度をより高くし、基底
準位のバンドギャップの小さい方の発光層のキャリア濃
度をより低くする様に設定されていたり、前記クラッド
層と発光層との間に、バンドギャップがクラッド層より
小さく発光層より大きな中間層が設けられていたり、前
記障壁層、発光層、中間層の発光層に近接する部分及び
クラッド層の発光層に近接する部分のうち少なくとも1
つが、少なくとも部分的に不純物のドーピングによって
p型又はn型を有していたり、前記障壁層のバンドギャ
ップの大きさが、前記発光層との境界付近における前記
中間層のバンドギャップの大きさよりも大きかったり、
前記障壁層のバンドギャップの大きさが、前記クラッド
層のバンドギャップの大きさよりも大きかったり前記
回折格子においてλ/4シフトが設けられていたり、当
該素子に発振しきい値の電流を注入した時に、基底準位
のバンドギャップの小さい方の発光層における利得が、
より基底準位のバンドギャップの大きい方の発光層の発
振波長(短波長)において正になっていたりする(これ
は、短波長で発振する時に、基底準位のバンドギャップ
の小さい方の発光層におけるこの短波長での利得が食わ
れて、長波長の光が発振を停止する様にして、発振波長
のスイッチングが完全にでき様にする為である)。そ
の他の具体的構成については、実施例の説明から明らか
となる。
【0010】本発明におけるバンドギャップとは、量子
井戸の場合には、量子化エネルギーを含めた、価電子帯
の或る準位から伝導帯の或る準位への遷移エネルギーを
指す。
【0011】また、1つのバンドギャップに相当する波
長とは、注入キャリアの量子井戸内におけるエネルギー
広がりに対応して波長広がりを生じることから、一般に
或る波長域のことを意味する。よって、1つのバンドギ
ャップに相当する波長光を選択的に反射する回折格子は
唯一とは限らず、異なる周期の複数の回折格子であって
もよい。つまり、発光層のバンドギャップの数と回折格
子の数は等しい必要はなく、各々のバンドギャップへの
電流注入により形成される利得スペクトルが十分正で大
きい波長ないし波長領域をカバーするだけの回折格子の
数が設定されてもよい。
【0012】上記構成の本発明によれば、上記従来例の
問題点は、全て解決される。まず、第1の従来例の問題
点については、本発明では、異なる複数のエネルギーギ
ャップの発光層を活性層とする為に、ずっと広い波長域
で発振可能となる。例えば、Alx Ga1-x Asを発光
層に用いた場合、数十nmから百数十nm程度は発振波
長を変化させることができる。
【0013】第2の従来例の問題点については、本発明
においては、回折格子を反射器に用いることによって高
速変調時にも安定な縦モードで発振することになり、且
つ発振波長の精密な制御が可能となった。
【0014】ここで、発光層である量子井戸の構造の特
徴について説明する。先ず、第1の特徴は、隣り合う、
波長の異なる発光層の中間に、それらの発光層よりも大
きいバンドギャップを持つ障壁層を設け、その障壁層の
バンドギャップと厚さを、該発光層にキャリアを注入し
た時に、障壁層がない時と比べて、バンドギャップの大
きい方の発光層のキャリア濃度がそれより高く、バンド
ギャップの小さい方の発光層のキャリア濃度がそれより
低くならしめるに足る、十分な大きさを持つ様にするこ
とで、バンドギャップの大きい方の井戸の利得を増加す
ることができ、通常のレーザ並の電流注入量で利得スペ
クトルが短波長側にも十分大きくなる。
【0015】併せて、本発明のレーザをより一層高効率
にする為には、障壁層を(或はそれに加えて発光層も)
pまたはn型にドープすると良いことも分かった
【0016】以上の量子井戸構造の工夫により、広い波
長域に亙って十分大きい利得を達成できる。本発明によ
れば、量子井戸構造の工夫による広い利得スペクトルの
実現に加え、異なる周期の回折格子を複数用いることに
より広い波長領域において精密な発振波長の制御が可能
となった。
【0017】
【実施例】以下、2つの参考例と本発明の実施例を詳し
く説明ナる。なお、説明を分かり易くする為、発光層は
量子井戸2層とする。3層以上の場合も本質的には同様
だから、以下の説明から容易に類推できよう。
【0018】図1は、第1の参考例を表わす分布帰還型
(DFB)半導体レーザ素子の共振方向断面図である。
この素子は、分子線エピタキシャル法や有機金属気相法
等の原子層オーダーで制御できるエビタキシャル成膜に
より作製することができるが、その過程は通常の半導体
レーザの作製と同様であるので詳しぃ説明は省略する。
【0019】図中、1はn+ −GaAs基板、2はn+
−GaAsバッファ層、3はn−AlxcGa1-xcAsク
ラッド層、4は量子井戸層、障壁層、光・電子閉じ込め
層からなる活性層、5はp−AlxcGa1-xcAsクラッ
ド層、6はp+ −GaAsキャップ層、7はAu/Cr
電極、8はAu−Ge/Au電極、10はp−AlxgG
a1-xgAs光導波路層である。活性層4の構造について
図2を用いて説明する。図2において、10a、10b
はそれぞれp型、n型のAlxcGa1-xcAs光・電子の
閉じ込め層(separate−confinemen
t、略してSC層と呼ぶ)、15aはAlxaGa1-xaA
s発光層、15bがAlxbGa1-xbAs発光層、16が
p+ −AlxBGa1-xBAs障壁層である。本発明の本質
はSC構造と無関係であるが、キャリアの注入効率を上
げるのにはSC構造は有効である。本実施例では、SC
構造は、エネルギーギャップ即ち屈折率が階段状に変化
するステップインデックスタイプ(step inde
x)を用いているが、GRIN(graded ind
ex)組成でも、直線的に変化する組成などでもよい。
【0020】この例では、n型クラッド層3側に短波長
(λ2 )の発光層15bを設けp型クラッド層5側に長
波長(λ1 )の発光層15aを設けてあるので、クラッ
ド層5側から注入された正孔hが短波長(λ2 )の発光
層15bに達するのが、(逆向きに移動する場合に比べ
て)困難である。そこで、障壁層16を高濃度のp型に
ドープして、予め正孔を補給してある。
【0021】この様に正孔を予め十分補給してあると、
電流を流さない時は、適当に両発光層15a、15bに
正孔が分布する。このような場合には、レーザ発振を論
ずるのに、主として電子の分布のみを考えればよい。以
下の動作説明はこの場合について行なうが、他の場合
(本実施例のpとnとを入れ換えた場合等)も容易に類
推できよう。このpとnを入れ換えた例については、次
のことが言える。室温でのGaAsの正孔の移動度は4
00cm2 /V・sであり、電子の移動度8800cm
2 /V・sに比べて小さいことを考慮すると、正孔の方
の不均一注入がし易いと言えるので、pとnを入れ換え
た例が好適である。
【0022】障壁層16の厚さとポテンシャルの高さ
(深さ)は十分な大きさに設定して、レーザ発振のしき
い値に近い電流を流した時に、各々の発光層ないし井戸
層15a、15bのキャリア分布が図2に示す様になっ
ている(すなわち、斜線で示す様に、バンドギャップの
大きい方の発光層15bのキャリア濃度が大きくなって
いる)。障壁層16が薄すぎるか低過ぎる場合には、障
壁層16がない時と同様の均一なキァリア分布になる
が、図1の例では、その場合よりも、短波長(λ2 )の
井戸層15bの方に電子eが大きい割合で分配される様
に障壁層16が設定されている。ただし、障壁層16を
厚く及び/又は高くし過ぎると長波長(λ1 )の井戸層
15aの方に電子が来なくなってしまうので、障壁層1
6の設定には最適化が必要である。
【0023】更に、本参考例は、光導波路層10上に、
異なる周期の2つの回折格子11、12を持つ。領域
[1]、[2]は各々周期Λl、Λ2の回折格子11、
12を持つ領域であり、周期Λl、Λ2は各々波長λ
l、λ2に対応する。ここで、回折格子11、12の周
期Λiと波長λiの関係は、Λi=m・λi/2nef
f,i(i=1,2)と表わすことができ、ここで、m
は回折次数、neff,iは光導波路を導波する光の等
価屈折率である。
【0024】1例として、量子井戸層15a、15bと
して、夫々、GaAs(x=0、厚さ85Å)の井戸と
Al0.1 Ga0.9 As(x=0.1、厚さ60Å)の井
戸を用いれば、発振波長としてλ1 =830nm、λ2
=780nm付近が得られる。この場合、2次の回折格
子(m=2)を用いると、Λ1 〜2440Å、Λ2 〜2
290Åとなる。
【0025】本素子の作成方法は、基板1上に各層2、
3、4、10を成膜後、2回の干渉露光法及びエッチン
グにより2種類の回折格子11、12を形成する。この
際、各々の回折格子の周期構造にλ/4シフトを作製し
ておけば、より安定な縦モード発振になる(このλ/4
シフトについては、例えば、特開昭62−262004
参照)。その後、再度、層5、6を成膜した後、半導体
レーザに加工及び電極7形成を行なう。各領域[1]、
[2]へ独立に電流注入を行なえる様にすれば、同一レ
ーザから数50nm程度波長の異なる複数の波長のレー
ザ光を単一の出射端(図1の左端面)から出力できる。
【0026】ここで、レーザの横断面構造は電流と光が
閉じ込められる様な構造であればよく、リッジ導波路
型、埋め込み導波路型等、あらゆる構造が適用できる。
【0027】図3は、分布反射型(DBR型)構造を用
いた第2の参考例を示す。素子は活性領域[3]、位相
調整領域[4]、波長λ2に対応するDBR領域
[5]、波長λlに対応するDBR領域[6]から成
る。
【0028】作成方法は、先ず、基板1上に各層を、順
次、層2、3、4、5、6まで積層し、その後領域
[4]、[5]、[6]に相当する部分をエッチング
し、平坦な面上に2光束干渉露光法によりλ1 とλ2 に
対応した異なる周期Λ1 、Λ2 の2つの回折格子21、
22を作製する。その後、λ1 とλ2 の光に透明な光導
波路20、クラッド層5、キャップ層6を積層する。半
導体レーザの横断面構造即ち横方向閉じ込め構造は通常
の方法により作製する。
【0029】本参考例の活性領域[3]の活性層4は2
つの異なる量子井戸層からなり、波長間隔の離れた2つ
の利得のピークを形成することができる。よって、活性
領域[3]への注入電流量の制御によって、λlとλ2
の波長が選択的に反射され動的に安定な縦モードで発振
する(λlとλ2の間でスイッチングされる様にする構
造については、前述した)。領域[4]、[5]、
[6]への電流注入は、所望の波長を安定に発振させる
為の微調整の役目を果たす。本素子は、領域[4]、
[5]、[6]への電流を設定しておき、活性領域
[3]への電流値を制御することにより(電流値の制御
は、単一の電極で行なってもよいし、共振方向に異なる
電流密度で電流注入することができる様に複数の電極を
設けてそれで行なってもよい)、λlとλ2の波長の光
を発振させることができる。その他の点は第1の参考例
と本質的に同じである。
【0030】以上の参考例の構成を踏まえて図4を用い
て本発明の実施例を説明する。この実施例では、膜厚方
向に周期Λl、Λ2の異なる2つの回折格子31、32
が形成されている。作成方法はエピタキシャル成膜と2
光束干渉露光及びエッチングを繰り返す。活性層4は2
つの波長λlとλ2において利得のピークを持つ為、各
々ΛlとΛ2の周期の回折格子31、32による選択的
反射により動的に安定な縦モードの2波長を同時に、又
は選択的にどちらか一方だけを発振することができる。
その他の点は上記参考例と同じである。
【0031】以上の実施例では、説明の都合上、半導体
として、Alx Ga1-x Asを用いた場合について説明
したが、ヘテロ構造を作れる半導体材料なら、何でもよ
いことは明らかであろう。また、発光量子井戸層の数や
種類は上記の様に2つに限る訳でもなく、3つ以上でも
良いことは明らかであろう。これについては前記した特
開昭63−211786号公報を参照されたい。同様に
回折格子の数は2つ以上であればいくらでも可能であ
る。
【0032】また、本発明のレーザ素子は、広い波長範
囲で動作する高効率の光増幅器として使うことも出来
る。即ち、本発明の半導体レーザ素子に、レーザ発振す
るしきい電流値よりも、僅かに少ない電流を注入し、外
部の光源から、該素子の一方の端面を通してレーザ発振
する光の波長の付近の波長を持つ光を入射し、該入射光
と同一の波長を持つ光をもう一方の端面から取り出すの
である。
【0033】本発明によるレーザ素子は、従来の素子よ
りも広い波長範囲で利得を持つので、広い波長範囲で動
作すると共に短波長光の発振し易い高効率の光増幅器と
して使うこともできる。
【0034】また、本発明のレーザ素子を、広い波長範
囲で動作する高効率の光波長変換器として使うことも出
来る。即ち、本発明の半導体レーザ素子に、レーザ発振
するしきい電流値よりも僅かに少ない電流を注入し、外
部の光源から該素子に、発光層のバンドギャップより大
きい光子エネルギーを持つ光を入射する。すると、キャ
リアが生成されるので、該素子の発光層から入射光とは
異なる波長を持つ光が発光し、端面から出射する。この
出射光は、予めバイアスしてある電流が波長λ1 の光の
しきい電流値に近ければλ1 (に近い)設定波長にな
り、λ2 の光のしきい電流値に近ければλ2 (に近い)
設定波長になる。本素子を用いると、従来の素子よりも
広い波長範囲で動作すると共に短波長光の発振し易い高
効率の光波長変換器として使うことが出来る。
【0035】
【発明の効果】以上で説明した様に、本発明のレーザ素
子では、異なる波長の発光層を同一の光導波路内に設け
且つ成膜方向に設けられた各々の波長に対する複数の回
折格子を反射器とすることにより、動的に安定な各々の
波長において同一の出射位置から同時に多波長発振を起
こしたり、任意に所望の波長を発振できたり、独立駆動
の可能な多波長を発振できる。
【0036】更に、本発明のレーザ素子を光増幅器や光
波長変換器として用いる場合、従来の素子よりも広い波
長範囲で動作する高効率の光増幅器や光波長変換器とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体レーザ素子の第1の参考例の共振方向断
面図である。
【図2】参考例及び本発明の実施例の活性層付近のバン
ド図である。
【図3】半導体レーザ素子の第2の参考例(DBR型半
導体レーザ素子)の共振方向断面図である。
【図4】本発明の半導体レーザ素子の実施例(DFB型
半導体レーザ素子)の共振方向断面図である。
【符号の説明】
1 n+−GaAs基板、 2 n+−GaAsバッファ層、 3 n−AlxcGa1−xcA
sクラッド層、 4 光導波路構造部、 5 p−AlxcGa1−xcA
sクラッド層、 6 p+−GaAsキャップ層、 7 Au/Cr電極、 8 Au−Ge/Au電極、 10,20,30,40 光導波層 10a,10b 光・電子閉じ込め層 11,12,21,22,31,32 回折格
子 15a,15b 量子井戸層 16 障壁層
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに基底準位のバンドギャップが異なる
    複数の発光層と該発光層の間に設けられたこれらの発光
    層よりも大きいバンドギャップを持つ障壁層とを含む光
    導波路構造、及び該構造を挟んで積層されたクラッド層
    から成る半導体素子において、前記複数の発光層の各々
    のバンドギャップに相当する波長光を選択的に反射させ
    る周期の異なる複数の回折格子が同一の光導波路内に設
    けられていること、及び前記回折格子として、同一の光
    導波路内で成膜方向に、周期の異なる複数の回折格子が
    設けられ、夫々の回折格子に相当した波長光を選択的に
    反射させ、多波長光を同時に又はいずれか1波長のみを
    発振させることを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】前記障壁層のバンドギャップと厚さが、前
    記発光層にキャリアを注入した時に、障壁層が無い場合
    に比べて、基底準位のバンドギャップの大きい方の発光
    層のキャリア濃度をより高くし、基底準位のバンドギャ
    ップの小さい方の発光層のキャリア濃度をより低くする
    様に設定されている請求項1記載の半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】前記クラッド層と発光層との間に、バンド
    ギャップがクラッド層より小さく発光層より大きな中間
    層が設けられている請求項1記載の半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】前記障壁層、発光層、中間層の発光層に近
    接する部分及びクラッド層の発光層に近接する部分のう
    ち少なくとも1つが、少なくとも部分的に不純物のドー
    ピングによってp型又はn型を有している請求項1、2
    又は3記載の半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】前記障壁層のバンドギャップの大きさが、
    前記発光層との境界付近における前記中間層のバンドギ
    ャッブの大きさよりも大きい請求項3記載の半導体レー
    ザ素子。
  6. 【請求項6】前記障壁層のバンドギャップの大きさが、
    前記クラッド層のバンドギャップの大きさよりも大きい
    請求項1、2又は3記載の半導体レーザ素子。
  7. 【請求項7】前記回折格子においてλ/4シフトが設け
    られている請求項記載の半導体レーザ素子。
  8. 【請求項8】当該素子に発振しきい値の電流を注入した
    時に、基底準位のバンドギャップの小さい方の発光層に
    おける利得が、より基底準位のバンドギャップの大きい
    方の発光層の発振波長において正になっている請求項
    1、2又は3記載の半導体レーザ素子。
  9. 【請求項9】請求項1記載の半導体レーザ素子に順方向
    に電流注入を行ない、その電流量を制御することにより
    前記発光層におけるいずれかのバンドギャップに対応す
    る波長の光をレーザ発振させることを特徴とする請求項
    1記載の半導体レーザ素子の駆動方法。
  10. 【請求項10】請求項1記載の半導体レーザ素子に、レ
    ーザ発振するしきい電流値よりも僅かに少ない電流を注
    入し、外部の光源から該素子の一方の端面を通してレー
    ザ発振する光の波長の付近の波長を持つ光を入射し、該
    入射光と同一の波長を持つ光をもう一方の端面から取り
    出すことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ素子
    の駆動方法。
  11. 【請求項11】請求項1記載の半導体レーザ素子に、レ
    ーザ発振するしきい電流値よりも僅かに少ない電流を注
    入し、外部の光源から該素子の一方の端面を通してレー
    ザ発振する光の波長の付近の波長を持つ光を入射し、該
    素子の端面から入射光とは異なる波長を持つ光を出射さ
    せることを特徴とする請求項l記載の半導体レーザ素子
    の駆動方法。
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