JP3149405B2 - 磁気共鳴撮像条件調整方法および磁気共鳴撮像装置 - Google Patents

磁気共鳴撮像条件調整方法および磁気共鳴撮像装置

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JP3149405B2
JP3149405B2 JP11596099A JP11596099A JP3149405B2 JP 3149405 B2 JP3149405 B2 JP 3149405B2 JP 11596099 A JP11596099 A JP 11596099A JP 11596099 A JP11596099 A JP 11596099A JP 3149405 B2 JP3149405 B2 JP 3149405B2
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吉和 池崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴撮像条件
調整方法および磁気共鳴撮像装置に関し、特に、ディフ
ュージョン(diffusion)画像を撮像するため
の磁気共鳴撮像条件調整方法および磁気共鳴撮像装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴を利用して、ボクセル(vox
el)内の分子の拡散運動(molecular di
ffusion)を表す画像すなわちディフュージョン
ウェイテッド(diffusion weighte
d)画像の撮像が行われる。ディフュージョンウェイテ
ッド画像は例えば脳梗塞の診断等に利用される。ディフ
ュージョンウェイテッド画像の撮像はディフュージョン
ウェイテッド・イメージング(DWI:diffusi
on weighted imaging)と呼ばれ
る。以下、ディフュージョンウェイテッド画像を単にデ
ィフュージョン画像といい、ディフュージョンウェイテ
ッド・イメージングを単にディフュージョン・イメージ
ングという。
【0003】ディフュージョン・イメージングでは、モ
ーションプロービング勾配(MPG:motion p
robing gradient)と呼ばれる強大な勾
配磁場が用いられる。MPGは180°パルス(pul
se)の前および後のタイミング(timing)でそ
れぞれ印加される1対の勾配磁場である。
【0004】MPGの強度を上げるとディフュージョン
・イメージングの感度が向上するが、その反面渦電流の
増大によりS/N(signal to noise
ratio)が低下し、また、アーティファクト(ar
tifact)の発生や画像の変形等の悪影響が増大す
るので、トレードオフ(trade off)が必要に
なる。そこで、撮像のたびにMPGの調整を行い、可能
な限り良い画質のディフュージョン画像を得るようにし
ている。
【0005】MPGの調整は、磁気共鳴撮像装置に設定
するb値(b value)を操作者が適宜に設定する
ことにより行われる。b値は次式で表される。
【0006】
【数1】
【0007】ここで、 γ:磁気回転比 G:MPGの強度 d:MPGの継続時間 Δ:1対のMPGの時間間隔 磁気共鳴撮像装置はb値に基づいて次式によりMPGの
強度Gを求め、それに合致するMPGを印加してディフ
ュージョン・イメージングを行う。
【0008】
【数2】
【0009】ディフュージョン画像には、脳髄液(CS
F:cerebrospinalfluid)を介して
脳に伝えられる心臓の拍動が影響するので、脳の拍動速
度が最も遅くなる時点で撮像が行えるように、撮像のタ
イミングが設定される。撮像のタイミングは、心電波形
のR波等心臓拍動の特定時相を基準とし、撮像開始まで
の遅延時間(トリガーディレイ:trigger de
lay)として設定される。トリガーディレイは、でき
るだけ良い画質のディフュージョン画像が得られるよう
に、撮像のたびに調整される。
【0010】
【発明を解決しようとする課題】上記のようなディフュ
ージョン・イメージングでは、操作者が適当と思うb値
およびトリガディレイを1つ与えては撮像し、得られた
画像からそれら設定値の適否を判定し、適切な画像が得
られるまでこれを繰り返すという試行錯誤が行われる。
すなわち、b値等の設定、画像の取得・表示、設定値の
適否の判定、b値等の設定、画像の取得・表示、設定値
の適否の判定、…という具合に、b値等が設定されたと
きに限って画像を取得・表示しており、画像はリアルタ
イムで表示されておらず、b値等の設定はインタラクテ
ィブな操作になっていなかった。このため、最適な撮像
条件に到達するまでに長い時間がかかるという問題があ
った。
【0011】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、ディフュージョン・イメー
ジングのための最適な撮像条件に速やかに到達する磁気
共鳴撮像条件調整方法および磁気共鳴撮像装置を実現す
ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】(1)上記の課題を解決
する第1の観点での発明は、磁気共鳴撮像によりディフ
ュージョン画像をリアルタイムで撮像し、前記撮像した
ディフュージョン画像をリアルタイムで表示し、前記表
示したディフュージョン画像に基づくインタラクティブ
な操作により前記ディフュージョン画像の撮像条件を調
整することを特徴とする磁気共鳴撮像条件調整方法であ
る。
【0013】(2)上記の課題を解決する第2の観点で
の発明は、磁気共鳴撮像によりディフュージョン画像を
リアルタイムで撮像する撮像手段と、前記撮像したディ
フュージョン画像をリアルタイムで表示する表示手段
と、前記表示したディフュージョン画像に基づくインタ
ラクティブな操作により前記ディフュージョン画像の撮
像条件を調整するための撮像条件調整手段とを具備する
ことを特徴とする磁気共鳴撮像装置である。
【0014】(3)上記の課題を解決する第3の観点で
の発明は、前記撮像条件は少なくともモーションプロー
ビング勾配磁場およびスキャンタイミングのうちの1つ
を含むことを特徴とする(2)に記載の磁気共鳴撮像装
置である。
【0015】(4)上記の課題を解決する第4の観点で
の発明は、前記モーションプロービング勾配磁場がスピ
ンの移動速度を用いて設定されることを特徴とする
(2)または(3)に記載の磁気共鳴撮像装置である。
【0016】(5)上記の課題を解決する第5の観点で
の発明は、前記表示手段は前記ディフュージョン画像を
絶対値画像または位相画像としてインタラクティブに切
り換え表示することを特徴とする(2)ないし(4)の
うちのいずれか1つに記載の磁気共鳴撮像装置である。
【0017】(6)上記の課題を解決する他の観点での
発明は、前記撮像手段はエコープラナー・イメージング
を応用して撮像を行うことを特徴とする(2)ないし
(5)のうちのいずれか1つに記載の磁気共鳴撮像装置
である。
【0018】(7)上記の課題を解決する他の観点での
発明は、前記撮像手段はファースト・スピンエコー法を
応用して撮像を行うことを特徴とする(2)ないし
(5)のうちのいずれか1つに記載の磁気共鳴撮像装置
である。
【0019】(8)上記の課題を解決する他の観点での
発明は、磁気共鳴撮像によりディフュージョン画像をリ
アルタイムで撮像し、前記撮像したディフュージョン画
像をリアルタイムで表示し、前記表示したディフュージ
ョン画像に基づくインタラクティブな操作により前記デ
ィフュージョン画像の撮像条件を調整し、前記調整した
撮像条件で撮像を行うことを特徴とする磁気共鳴撮像方
法である。
【0020】(9)上記の課題を解決する他の観点での
発明は、前記撮像条件は少なくともモーションプロービ
ング勾配磁場およびスキャンタイミングのうちの1つを
含むことを特徴とする(1)に記載の磁気共鳴撮像条件
調整方法である。
【0021】(10)上記の課題を解決する他の観点で
の発明は、前記モーションプロービング勾配磁場をスピ
ンの移動速度を用いて設定することを特徴とする(9)
に記載の磁気共鳴撮像条件調整方法である。
【0022】(11)上記の課題を解決する他の観点で
の発明は、前記表示手段は前記ディフュージョン画像を
位相画像として表示することを可能とする(9)または
(10)に記載の磁気共鳴撮像条件調整方法である。
【0023】(作用)本発明では、ディフュージョン・
イメージングをリアルタイムに行って撮像条件の変更を
リアルタイムにディフュージョン画像に反映させ、最適
撮像条件への到達時間を短縮する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態
に限定されるものではない。図1に磁気共鳴撮像装置の
ブロック(block)図を示す。本装置は本発明の実
施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明
の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の
動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例
が示される。
【0025】図1に示すように、本装置は概ね円筒状の
静磁場発生部2を有する。静磁場発生部2は例えば超電
導電磁石等により構成される。静磁場発生部2はその内
部に静磁場空間を形成する。
【0026】静磁場発生部2の内部空間に概ね円筒状の
勾配コイル(coil)部4が設けられ、その内側にボ
デイコイル(body coil)部62およびヘッド
コイル(head coil)部64が設けられる。ボ
デイコイル部62およびヘッドコイル部64の内部空間
に被検体8が収容される。
【0027】勾配コイル部4には勾配駆動部16が接続
されている。勾配駆動部16は勾配コイル部4に駆動信
号を与えて勾配磁場を発生させる。発生する勾配磁場
は、スライス(slice)勾配磁場、リードアウト
(read out)勾配磁場およびフェーズエンコー
ド(phase encode)勾配磁場の3種であ
る。以下、スライス勾配磁場、リードアウト勾配磁場お
よびフェーズエンコード勾配磁場を、それぞれ、単にス
ライス勾配、リードアウト勾配およびフェーズエンコー
ド勾配という。
【0028】ボデイコイル部62およびヘッドコイル部
64には送信部18が接続されている。送信部18はボ
デイコイル部62またはヘッドコイル部64に駆動信号
を与えてRF磁場を発生させ、それによって、被検体8
の体内のスピン(spin)を励起する。ボデイコイル
部62またはヘッドコイル部64は、被検体8から発生
する磁気共鳴信号を検出して受信部20に入力する。す
なわち、ボデイコイル部62およびヘッドコイル部64
はRF信号の送受信に使用される。
【0029】ボデイコイル部62またはヘッドコイル部
64は受信部20の入力側に接続され、受信信号を受信
部20に入力する。受信部20の出力側はアナログ・デ
ィジタル(analog to digital)変換
部22の入力側に接続されている。アナログ・ディジタ
ル変換部22は受信部20の出力信号をディジタル信号
に変換する。アナログ・ディジタル変換部22の出力側
はコンピュータ(computer)24に接続されて
いる。
【0030】コンピュータ24はアナログ・ディジタル
変換部22からディジタル信号を入力し、図示しないメ
モリ(memory)に記憶する。メモリ内にはデータ
(data)空間が形成される。データ空間はフーリエ
(Fourier)空間を構成する。コンピュータ24
は、フーリエ空間のデータを逆フーリエ変換して画像を
再構成する。
【0031】コンピュータ24は制御部30に接続され
ている。制御部30にはコンピュータ24から各種の指
令が与えられる。制御部30には、また、拍動検出部1
4から被検体8の心臓の拍動を示す信号が入力される。
拍動検出部14は、例えば被検体8の指先に取り付けた
センサ(sensor)を通じて動脈の拍動を検出する
ペリフェラル(peripheral)検出器等を用い
て構成される。それに限らず、心電計等を用いても良い
のはもちろんである。
【0032】制御部30は勾配駆動部16、送信部1
8、受信部20およびアナログ・ディジタル変換部22
に接続されている。制御部30は、コンピュータ24か
ら与えられる指令および拍動検出部14から入力される
拍動検出信号に基づいて勾配駆動部16、送信部18、
受信部20およびアナログ・ディジタル変換部22をそ
れぞれ制御し、磁気共鳴撮像を実行する。以上の、静磁
場発生部2から制御部30までの部分は、本発明におけ
る撮像手段の実施の形態の一例である。
【0033】コンピュータ24には表示部32および操
作部34が接続されている。表示部32は、例えばグラ
フィック・ディスプレー(graphic displ
ay)等を用いて構成され、コンピュータ24から出力
される再構成画像および各種の情報を表示する。表示部
32は、本発明における表示手段の実施の形態の一例で
ある。操作部34は、例えばキーボード(keyboa
rd)およびポインティングデバイス(pointin
g device)等を用いて構成され、操作者が各種
の指令や情報等をコンピュータ24に入力するのに使用
される。表示部32、操作部34およびコンピュータ2
4からなる部分は、本発明における撮像条件調整手段の
実施の形態の一例である。
【0034】ディフュージョン・イメージングを行うと
きの本装置の動作を説明する。以下に述べる動作は制御
部30による制御の下で進行する。ディフュージョン・
イメージングには、例えば図2に模式的に示すようなパ
ルスシーケンス(pulsesequence)が用い
られる。このパルスシーケンスは、エコープラナー・イ
メージング(EPI:Echo Planar Ima
ging)のパルスシーケンスを応用したものであり、
同図の(1)に示すトリガー(trigger)信号T
Gおよび(6)のMPG(motion probin
g pulse)以外はEPIのパルスシーケンスであ
る。
【0035】すなわち、(2)はEPIにおけるRF励
起用の90°パルスおよび180°パルスのシーケンス
であり、(3)、(4)、(5)および(7)は、同じ
くそれぞれ、スライス勾配Gs、リードアウト勾配G
r、フェーズエンコード勾配GpおよびスピンエコーM
Rのシーケンスである。なお、90°パルス、180°
パルスおよびスピンエコーMRはそれぞれ中心信号で代
表する。パルスシーケンスは時間軸tに沿って左から右
に進行する。
【0036】同図に示すように、トリガー信号TGの発
生からトリガーディレイ(trigger dela
y)Td後に90°パルスが発生しスピンの90°励起
が行われる。このときスライス勾配Gsが印加され所定
のスライスについての選択励起が行われる。なお、トリ
ガー信号TGは拍動検出部14の検出信号に基づいて生
成される。トリガー信号TGは血流の脈拍に対応してお
り、したがって心臓の拍動の特定の位相を示す。なお、
トリガーディレイTdは、本発明におけるスキャンタイ
ミングの実施の形態の一例である。
【0037】90°励起後、180°パルスによるスピ
ン反転の前と後のタイミングでMPGがそれぞれ印加さ
れる。MPGはスライス勾配の方向、リードアウト勾配
の方向またはフェーズエンコード勾配の方向のいずれか
に印加される。1対のMPGは磁場強度がG、継続時間
がd、時間間隔がΔである。
【0038】1対のMPGの印加が終了した後に、リー
ドアウト勾配Grおよびフェーズエンコード勾配Gpが
印加される。リードアウト勾配Grは極性が交互に切り
換わる勾配である。フェーズエンコード勾配Gpはリー
ドアウト勾配Grの極性切換に合わせて印加される。こ
れによって複数のスピンエコーMRが順次に発生する。
ここでは図示の便宜上スピンエコーの数を8としている
が、実際の数は例えば128ないし256程度である。
【0039】180°パルスの前に印加したMPGがス
ピンをディフェーズさせる方向に働き、180°パルス
の後に印加したMPGがスピンをリフェーズさせる方向
に働くが、ディフュージョンがあるスピンについてはリ
フェーズが不完全となり、その影響でスピンエコーMR
の信号強度が低下する。
【0040】ディフュージョン・イメージング用のパル
スシーケンスの他の例を図3に示す。このパルスシーケ
ンスは、ファースト・スピンエコー(FSE:Fast
Spin Echo)法のパルスシーケンスを応用し
たものであり、同図の(1)に示すトリガー信号TGお
よび(6)のMPG以外はFSEのパルスシーケンスで
ある。
【0041】すなわち、(2)はFSEにおけるRF励
起用の90°パルスおよび180°パルスのシーケンス
であり、(3)、(4)、(5)および(7)は、同じ
くそれぞれ、スライス勾配Gs、リードアウト勾配G
r、フェーズエンコード勾配GpおよびスピンエコーM
Rのシーケンスである。なお、90°パルス、180°
パルスおよびスピンエコーMRはそれぞれ中心信号で代
表する。パルスシーケンスは時間軸tに沿って左から右
に進行する。
【0042】同図に示すように、トリガー信号TGの発
生からトリガーディレイTd後に90°パルスが発生し
スピンの90°励起が行われる。このときスライス勾配
Gsが印加され所定のスライスについての選択励起が行
われる。なお、トリガー信号TGは拍動検出部14の検
出信号に基づいて生成される。トリガー信号TGは血流
の脈拍に対応しており、したがって心臓の拍動の特定の
位相を示す。
【0043】90°励起後、最初の180°パルスによ
るスピン反転の前と後のタイミングでMPGがそれぞれ
印加される。MPGはスライス勾配の方向、リードアウ
ト勾配の方向またはフェーズエンコード勾配の方向のい
ずれかに印加される。1対のMPGは磁場強度がG、継
続時間がd、時間間隔がΔである。
【0044】1対のMPGの印加が終了した後に、18
0°パルス、スライス勾配Gs、リードアウト勾配Gr
およびフェーズエンコード勾配Gpがそれぞれのタイミ
ングで印加される。リードアウト勾配Grは180°パ
ルスでスピンを反転するたびに印加されてスピンエコー
のリードアウトを行う。フェーズエンコード勾配Gpは
各リードアウト勾配Grの前後で印加される。前に印加
されるフェーズエンコード勾配でスピンをフェーズエン
コードし、後に印加されるフェーズエンコード勾配でス
ピンのフェーズエンコードを0に戻す。これによって複
数のスピンエコーMRが順次に発生する。図示の便宜上
スピンエコーの数を6としているが、実際の数は例えば
128ないし256程度である。180°パルスの前に
印加したMPGがスピンをディフェーズさせる方向に働
き、180°パルスの後に印加したMPGがスピンをリ
フェーズさせる方向に働くが、ディフュージョンがある
スピンについてはリフェーズが不完全となり、その影響
でスピンエコーMRの信号強度が低下する。
【0045】図2または図3のパルスシーケンスによっ
て得られたスピンエコーMRが、エコーデータとしてコ
ンピュータ24のメモリに収集される。パルスシーケン
スがEPIまたはFSEを応用したものであることによ
り、1スキャン(scan)が1sec未満で完了する
極めて高速な撮像を行うことができる。
【0046】コンピュータ24はエコーデータについて
の2次元逆フーリエ変換により画像再構成を行う。再構
成画像はディフュージョン画像となる。ディフュージョ
ン画像においては、例えば脳梗塞等により死滅あるいは
活動が低下した組織と正常組織との区別が明確になる。
したがって、ディフュージョン画像を脳梗塞等の診断に
利用することができる。
【0047】このようなディフュージョン・イメージン
グを行うに当たり、トリガーディレイTdおよびMPG
の強度Gの最適化を次のようにして行う。図4に、その
手順をフロー(flow)図によって示す。
【0048】同図に示すように、ステップ(step)
402で操作者により操作部34を通じてトリガーディ
レイTdの設定値を入力する。トリガーディレイTdの
値は、心臓の拍動周期内で脳の拍動速度が最も遅くなる
と思われる時期に合わせて設定する。
【0049】次に、ステップ404で速度値vcを入力
する。速度値vcは、心臓の拍動に伴うCSF(cer
ebrospinal fluid)の流速の最大値で
あり、一般的に、15cm/sec程度である。これは
またCSFに影響された脳の拍動速度の最大値に相当す
る。従って、速度値vcとして、例えば15cm/se
cを入力する。
【0050】次に、ステップ406で、コンピュータ2
4によりMPGの強度Gπが計算される。Gπの計算に
は次式が用いられる。
【0051】
【数3】
【0052】(3)式で計算されるGπは、速度vcで
移動するスピンの位相回転量が、前述のパルスシーケン
スで撮像した画像においてπとなる磁場強度である。M
PGの磁場強度をこのようにすることにより、以下で撮
像する位相画像を脳の拍動速度を示す画像とすることが
できる。
【0053】次に、ステップ408でスキャンを行う。
パルスシーケンスは図2または図3に示したものが用い
られる。それらのシーケンスにおいて、トリガーディレ
イTdはステップ402で設定した値が採用され、MP
Gの強度GとしてはGπが採用される。
【0054】スキャンはトリガー信号TGが発生するた
びに繰り返し行われる。これによって、スキャンは実質
的にリアルタイム(real time)で行われる。
スキャンによって得られたエコーデータから位相画像が
リアルタイムで再構成される。
【0055】リアルタイムの位相画像はステップ410
で表示部32に表示される。位相画像は位相範囲−π〜
+πを表示階調0〜100%に対応させて表示する。画
面には表示階調のグレイスケール(gray scal
e)を同時に表示し、操作者が位相量を読み取るための
尺度を与える。位相画像は脳の拍動の速度を表す画像と
なる。
【0056】次に、ステップ412で、操作者は位相画
像を観察し、最小位相画像すなわち脳の拍動速度が最も
遅い画像が得られているかどうかを判定する。最小位相
画像が得られていない場合はステップ414でトリガー
ディレイTdの値を変更する。これによって、ステップ
408で新たなトリガーディレイTdによるスキャンが
行われ、得られた位相画像がステップ410で表示され
る。操作者は、ステップ412で、新たな表示画像が最
小位相画像になっているかどうかを判定する。
【0057】このようにして、最小位相画像が得られる
まで、インタラクティブ(interactive)に
トリガーディレイTdの変更を繰り返す。このとき、ト
リガーディレイTdの適否の判定に脳の拍動速度を表す
位相画像を利用するので、確実な判定を行うことができ
る。また、スキャンがリアルタイムで行われ画像表示が
リアルタイムに行われるので、操作者はトリガーディレ
イTdの変更結果をリアルタイムに知ることができる。
したがって、トリガーディレイTdの最適値を速やかに
得ることができる。なお、このような操作の途中で、適
宜に絶対値画像表示に切り換え、絶対値画像を利用した
トリガーディレイTdの最適値判定を行うようにしても
良い。
【0058】トリガーディレイTdの最適値を確定した
ら、次に、ステップ502で、操作者はb値を入力す
る。b値は操作者が適当と思う値を先ず入力する。この
b値に基づき、ステップ504でコンピュータ24がM
PGの強度Gを計算する。Gの計算には前述の(2)式
が用いられる。
【0059】次に、ステップ506でスキャンを行う。
このときのスキャンには、上記で確定したトリガーディ
レイTdおよびステップ504で計算した強度を持つM
PGが用いられる。スキャンによって得られたエコーデ
ータに基づいて絶対値画像が再構成され、ステップ50
8で表示される。表示された絶対値画像はデフュージョ
ン画像となる。このスキャンおよびデフュージョン画像
表示もリアルタイムで行われる。
【0060】操作者は、ステップ510でデフュージョ
ン画像を観察し、最適画像が得られているかどうかを判
定する。得られた画像が最適でない場合はステップ51
2でb値を変更する。これによって、ステップ504で
Gが再計算され、それに対応した新たなMPGを用いた
スキャンがステップ506で行われ、新たなデフュージ
ョン画像がステップ508で表示される。なお、トリガ
ーディレイTdは変更しない。このようにして、表示画
像を利用したインタラクティブな操作により、最適なデ
フュージョン画像が得られるまでb値すなわちMPGの
強度Gを変更する。
【0061】スキャンおよびデフュージョン画像表示が
リアルタイムで行われるので、操作者はb値の変更結果
をリアルタイムに知ることができ、これによってMPG
の強度Gを速やかに最適値に調整することができる。な
お、このような操作の途中で適宜に位相画像表示に切り
換え、位相画像を利用したMPGの最適値判定を行うよ
うにしても良い。その後、ステップ602で最適なトリ
ガーディレイTdおよびMPG強度Gによるスキャンが
行われ、最適なデフュージョン画像がステップ604で
表示される。
【0062】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明で
は、ディフュージョン・イメージングのための最適な撮
像条件に速やかに到達する磁気共鳴撮像条件調整方法お
よび磁気共鳴撮像装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図
である。
【図2】図1に示した装置が実行するパルスシーケンス
の模式図である。
【図3】図1に示した装置が実行するパルスシーケンス
の模式図である。
【図4】図1に示した装置における撮像条件調整のフロ
ー図である。
【符号の説明】
2 静磁場発生部 4 勾配コイル部 8 被検体 14 拍動検出部 16 勾配駆動部 18 送信部 20 受信部 22 アナログ・ディジタル変換部 24 コンピュータ 30 制御部 32 表示部 34 操作部 62 ボデイコイル部 64 ヘッドコイル部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−57539(JP,A) 特開 平6−169(JP,A) 特開 平6−54831(JP,A) 特開 平6−133943(JP,A) 特開 平7−184875(JP,A) 特開 平7−255701(JP,A) 特開 平9−56695(JP,A) 特開 平11−56808(JP,A) 特開 平11−128202(JP,A) 特開2000−279390(JP,A) 恵飛須俊彦他、拡散強調画像の基礎的 研究及び臨床応用、日本磁気共鳴医学会 雑誌、1991年、Vol.11、No.1、 pp20−28 HW Korin,et al,Re al−Time Interactiv e Color Flow MRI,P roceedings Annual Scientific Meeting of Computers in C ardiology,1992,Vol. 1991,pp1−4 Ronnie Wirestam,e t al,Theoretical a nd Experimental Ev aluation of Phase− Dispersion Effects Caused by Brain M otion in Diffusion and Perfusion MR Imaging,Journal fo Magnetic Resonanc e Imaging,1996,Vol. 6,No.2,pp348−355 菅原丈志他、中枢神経系における最新 のMRI、Pharma Medic a、1996年、Vol.14、No.6、p p19−26 Hideyuki Mitsuok a,et al,Diffusion− weighted Imaging U sing Multi−shot EP I,Toshiba Medical Review,1998,No.64,pp11 −17 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055 G01N 24/00 - 24/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリガーディレイTdの設定値及びb値
    を入力する操作部と、 前記トリガーディレイTdの設定値及びb値に基づい
    て、磁気共鳴撮像によりディフュージョン画像をリアル
    タイムで撮像する撮像手段と、 前記撮像した、位相画像及び絶対値画像であるディフュ
    ージョン画像をリアルタイムで表示する表示手段と、 前記操作部を含んでおり、前記表示したディフュージョ
    ン画像に基づくインタラクティブな操作により前記ディ
    フュージョン画像の撮像条件を調整するための撮像条件
    調整手段とを具備しており、 前記インタラクティブな操作は、前記位相画像が最小位
    相画像になるまで前記トリガーディレイTdの設定値の
    変更を繰り返すことを含んでいることを特徴とする磁気
    共鳴撮像装置。
  2. 【請求項2】 前記操作部で初めに設定するトリガーデ
    ィレイTdの設定値は、心臓の拍動周期内で脳の拍動速
    度が最も遅くなる時期に合わせられることを特徴とする
    請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置。
  3. 【請求項3】 前記b値は、下記式で表されることを特
    徴とする請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置。 b=γ2・G2・d2(Δ−d/3) ここで、γは磁気回転比、Gはモーションプロービング
    勾配の強度、dはモーションプロービング勾配の継続時
    間及びΔは1対のモーションプロービング勾配の時間間
    隔である。
  4. 【請求項4】 前記インタラクティブな操作は、前記絶
    対値画像が最適画像になるまで前記b値を変更すること
    を更に含んでいるを特徴とする請求項1から請求項3の
    いずれか一項に記載の磁気共鳴撮像装置。
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