JP3148741B2 - 高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子 - Google Patents
高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子Info
- Publication number
- JP3148741B2 JP3148741B2 JP15317399A JP15317399A JP3148741B2 JP 3148741 B2 JP3148741 B2 JP 3148741B2 JP 15317399 A JP15317399 A JP 15317399A JP 15317399 A JP15317399 A JP 15317399A JP 3148741 B2 JP3148741 B2 JP 3148741B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic flux
- interference device
- quantum interference
- frequency
- frequency magnetic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Measuring Magnetic Variables (AREA)
- Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超伝導リングをジ
ョセフソン接合に結合した高周波磁束駆動超伝導量子干
渉素子に関するものである。
ョセフソン接合に結合した高周波磁束駆動超伝導量子干
渉素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の超伝導量子干渉
素子としては、超伝導リングを、1つまたは2つのジョ
セフソン接合に接合したものがあり、その応用には、電
磁波検出器、電圧標準装置、高感度磁力計等の測定に用
いられている。
素子としては、超伝導リングを、1つまたは2つのジョ
セフソン接合に接合したものがあり、その応用には、電
磁波検出器、電圧標準装置、高感度磁力計等の測定に用
いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の超伝導量子干渉素子においては、超伝導量子干
渉素子に高周波磁束Brfおよび直流磁束Bdcを印加し、
高周波磁束Brfにより発生する磁束量子の超伝導ループ
内への注入・排出を行う、つまり、高周波磁束駆動方式
は採用されていない。
た従来の超伝導量子干渉素子においては、超伝導量子干
渉素子に高周波磁束Brfおよび直流磁束Bdcを印加し、
高周波磁束Brfにより発生する磁束量子の超伝導ループ
内への注入・排出を行う、つまり、高周波磁束駆動方式
は採用されていない。
【0004】また、現在、実用に供せられているジョセ
フソン電磁波検出器においては、電磁波がアンテナとな
る電極に入射したことによって生じる電流を、そのまま
ジョセフソン素子に注入し、ジョセフソン素子の非線形
特性に起因する電圧ステップ(シャピロステップ)の出
現を利用している。しかし、図4に示すように、ステッ
プの大きさや出現するバイアス電流値は電界の強さに強
く依存し、その利用にあたっては、バイアス電流値が適
切な値となるよう、常に調整する必要があった。
フソン電磁波検出器においては、電磁波がアンテナとな
る電極に入射したことによって生じる電流を、そのまま
ジョセフソン素子に注入し、ジョセフソン素子の非線形
特性に起因する電圧ステップ(シャピロステップ)の出
現を利用している。しかし、図4に示すように、ステッ
プの大きさや出現するバイアス電流値は電界の強さに強
く依存し、その利用にあたっては、バイアス電流値が適
切な値となるよう、常に調整する必要があった。
【0005】更に、従来のジョセフソン電圧標準装置に
おいては、数万個のジョセフソン素子を直列に接続し、
そこに高周波電流を流すことにより、高周波電流とジョ
セフソン素子の量子力学的位相との間に同期をとり、交
流ジョセフソン効果に従った電圧を発生させている。し
かし、この方法では、高周波電流を集積チップ内のジョ
セフソン素子に対して均一に供給する必要があり、印加
する周波数に応じた集積チップの設計を必要としてい
た。
おいては、数万個のジョセフソン素子を直列に接続し、
そこに高周波電流を流すことにより、高周波電流とジョ
セフソン素子の量子力学的位相との間に同期をとり、交
流ジョセフソン効果に従った電圧を発生させている。し
かし、この方法では、高周波電流を集積チップ内のジョ
セフソン素子に対して均一に供給する必要があり、印加
する周波数に応じた集積チップの設計を必要としてい
た。
【0006】また、従来の超伝導量子干渉素子を利用し
た磁束計においては、ある直流バイアス電流を印加した
状態で、素子に加えられた磁束の量を電圧として検出し
ていた。その出力電圧は、直流バイアス電流と印加磁束
とで一意に決められており、素子の感度を変化させるこ
とはできなかった。
た磁束計においては、ある直流バイアス電流を印加した
状態で、素子に加えられた磁束の量を電圧として検出し
ていた。その出力電圧は、直流バイアス電流と印加磁束
とで一意に決められており、素子の感度を変化させるこ
とはできなかった。
【0007】本発明は、上記状況を鑑みて、ステップ電
圧は量子状態から決定され、その精度は印加高周波磁束
の精度に依存し、現在の電磁波周波数の安定度からみ
て、その誤差を極力低減することができる高周波磁束駆
動超伝導量子干渉素子を提供することを目的とする。
圧は量子状態から決定され、その精度は印加高周波磁束
の精度に依存し、現在の電磁波周波数の安定度からみ
て、その誤差を極力低減することができる高周波磁束駆
動超伝導量子干渉素子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 〔1〕高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子において、2
個以上のジョセフソン素子と超伝導インダクタから構成
される超伝導量子干渉素子を備え、この超伝導量子干渉
素子に高周波磁束Brfおよび直流磁束Bdcを印加し、前
記高周波磁束Brfにより発生する磁束量子の超伝導ルー
プ内への注入・排出を行うとともに、前記ジョセフソン
素子の非線形特性に起因する電圧ステップが出現するバ
イアス電流値は量子状態により決定され、常に大きな電
圧ステップが出現し、かつそのときのバイアス電流値が
殆ど一定であることを利用して、高周波電磁波の検出を
行うようにしたものである。
成するために、 〔1〕高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子において、2
個以上のジョセフソン素子と超伝導インダクタから構成
される超伝導量子干渉素子を備え、この超伝導量子干渉
素子に高周波磁束Brfおよび直流磁束Bdcを印加し、前
記高周波磁束Brfにより発生する磁束量子の超伝導ルー
プ内への注入・排出を行うとともに、前記ジョセフソン
素子の非線形特性に起因する電圧ステップが出現するバ
イアス電流値は量子状態により決定され、常に大きな電
圧ステップが出現し、かつそのときのバイアス電流値が
殆ど一定であることを利用して、高周波電磁波の検出を
行うようにしたものである。
【0009】〔2〕上記〔1〕記載の高周波磁束駆動超
伝導量子干渉素子において、前記ジョセフソン素子の非
線形特性に起因する電圧ステップが超伝導臨界電流以下
で出現することから、2Φ0 fの電圧と0電圧を電磁波
の入射、非入射時に対応させ、出力電圧振幅を大きくと
ることにより、高感度高周波電磁波検出を行うようにし
たものである。
伝導量子干渉素子において、前記ジョセフソン素子の非
線形特性に起因する電圧ステップが超伝導臨界電流以下
で出現することから、2Φ0 fの電圧と0電圧を電磁波
の入射、非入射時に対応させ、出力電圧振幅を大きくと
ることにより、高感度高周波電磁波検出を行うようにし
たものである。
【0010】〔3〕上記〔2〕記載の高周波磁束駆動超
伝導量子干渉素子において、前記超伝導量子干渉素子を
集積してチップ化し、このチップ化された素子に一括し
て高周波磁束を印加するようにしたものである。
伝導量子干渉素子において、前記超伝導量子干渉素子を
集積してチップ化し、このチップ化された素子に一括し
て高周波磁束を印加するようにしたものである。
【0011】〔4〕上記〔3〕記載の高周波磁束駆動超
伝導量子干渉素子において、前記チップ化された素子を
導波管内に配置することにより、前記素子に一括して高
周波磁束を印加するようにしたものである。
伝導量子干渉素子において、前記チップ化された素子を
導波管内に配置することにより、前記素子に一括して高
周波磁束を印加するようにしたものである。
【0012】〔5〕上記〔3〕記載の高周波磁束駆動超
伝導量子干渉素子において、レーザー光を集光レンズを
介して前記集積されたチップに照射することにより、印
加磁束の周波数を遠赤外線領域以上に拡大するようにし
たものである。
伝導量子干渉素子において、レーザー光を集光レンズを
介して前記集積されたチップに照射することにより、印
加磁束の周波数を遠赤外線領域以上に拡大するようにし
たものである。
【0013】〔6〕高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子
において、2個以上のジョセフソン素子と超伝導インダ
クタから構成される超伝導量子干渉素子を備え、この超
伝導量子干渉素子に高周波磁束B rf および直流磁束B dc
を印加し、前記高周波磁束B rf により発生する磁束量子
の超伝導ループ内への注入・排出を行うとともに、前記
直流磁束Bdcを変化させることにより、出現するジョセ
フソン素子の非線形特 性に起因する電圧ステップの次数
を制御することにより、電圧増幅を行わせるようにした
ものである。
において、2個以上のジョセフソン素子と超伝導インダ
クタから構成される超伝導量子干渉素子を備え、この超
伝導量子干渉素子に高周波磁束B rf および直流磁束B dc
を印加し、前記高周波磁束B rf により発生する磁束量子
の超伝導ループ内への注入・排出を行うとともに、前記
直流磁束Bdcを変化させることにより、出現するジョセ
フソン素子の非線形特 性に起因する電圧ステップの次数
を制御することにより、電圧増幅を行わせるようにした
ものである。
【0014】〔7〕上記〔6〕記載の高周波磁束駆動超
伝導量子干渉素子において、前記直流磁束Bdcを被検出
磁束とすることにより、前記電圧ステップの次数を制御
することにより、電圧増幅を行わせ、磁束の計測を行う
ようにしたものである。
伝導量子干渉素子において、前記直流磁束Bdcを被検出
磁束とすることにより、前記電圧ステップの次数を制御
することにより、電圧増幅を行わせ、磁束の計測を行う
ようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、2個以上のジョセフソ
ン素子と超伝導インダクタから構成される超伝導量子干
渉素子に対して高周波磁束Brfおよび直流磁束Bdcを印
加し、超伝導ループにおける量子干渉効果、磁束量子
(Φ0 )の注入・排出、および交流ジョセフソン効果を
利用したジョセフソン電子素子に関するものである。
ン素子と超伝導インダクタから構成される超伝導量子干
渉素子に対して高周波磁束Brfおよび直流磁束Bdcを印
加し、超伝導ループにおける量子干渉効果、磁束量子
(Φ0 )の注入・排出、および交流ジョセフソン効果を
利用したジョセフソン電子素子に関するものである。
【0016】以下、本発明の実施の形態について図を参
照しながら説明する。
照しながら説明する。
【0017】図1は本発明の実施例を示す2個のジョセ
フソン素子および超伝導インダクタから構成される超伝
導量子干渉素子の回路図である。
フソン素子および超伝導インダクタから構成される超伝
導量子干渉素子の回路図である。
【0018】図1に示すように、この超伝導量子干渉素
子10は、2個のジョセフソン素子J1,J2および超
伝導インダクタL1,L2,L3,L4から構成され
る。この超伝導量子干渉素子10に電流端子11,1
2、および電圧端子13,14を設け、外部から印加磁
束Bexを印加すると、ジョセフソン素子J1,J2をゲ
ートとして、超伝導ループ内に磁束量子が整数個だけ注
入される。
子10は、2個のジョセフソン素子J1,J2および超
伝導インダクタL1,L2,L3,L4から構成され
る。この超伝導量子干渉素子10に電流端子11,1
2、および電圧端子13,14を設け、外部から印加磁
束Bexを印加すると、ジョセフソン素子J1,J2をゲ
ートとして、超伝導ループ内に磁束量子が整数個だけ注
入される。
【0019】図2には、外部からの印加磁束Bexを横軸
に、バイアス電流Idcを縦軸にとった場合の量子状態が
示されている。図2中のnはその絶対値は超伝導ルー
プ中の磁束量子数を表し、その符号は磁束量子の向き
を表す。
に、バイアス電流Idcを縦軸にとった場合の量子状態が
示されている。図2中のnはその絶対値は超伝導ルー
プ中の磁束量子数を表し、その符号は磁束量子の向き
を表す。
【0020】本発明の超伝導量子干渉素子では、印加磁
束Bexとして高周波磁束Brfと直流磁束Bdcを加える。
すなわち、Bex=Brf+Bdcとする。
束Bexとして高周波磁束Brfと直流磁束Bdcを加える。
すなわち、Bex=Brf+Bdcとする。
【0021】まず、初期状態を原点とする。この状態は
n=0の状態であり、超伝導ループ内に磁束量子は入っ
ていない。
n=0の状態であり、超伝導ループ内に磁束量子は入っ
ていない。
【0022】次に、直流バイアス電流を印加し、動作点
をaにセットする。この時もn=0の量子状態は保たれ
ている。
をaにセットする。この時もn=0の量子状態は保たれ
ている。
【0023】外部から周波数の高周波磁束を印加する
と、その動作点は、aを中心として図2中の「動作点の
軌跡」上を左右に移動する。高周波磁束が小さくその動
作点がbやdを越えない場合は、量子状態n=0が保た
れる。この場合、このジョセフソン電子素子の電流−電
圧特性は、図3における(a)に示すような、通常のジ
ョセフソン素子のそれとなる。
と、その動作点は、aを中心として図2中の「動作点の
軌跡」上を左右に移動する。高周波磁束が小さくその動
作点がbやdを越えない場合は、量子状態n=0が保た
れる。この場合、このジョセフソン電子素子の電流−電
圧特性は、図3における(a)に示すような、通常のジ
ョセフソン素子のそれとなる。
【0024】高周波磁束が大きくなりその動作点がbや
dを越えるようになると、量子状態の遷移が発生する。
外部からの磁束が増加し動作点がbを横切ると磁束量子
が1個だけ超伝導ループ内に注入され、量子状態がn=
1になる。
dを越えるようになると、量子状態の遷移が発生する。
外部からの磁束が増加し動作点がbを横切ると磁束量子
が1個だけ超伝導ループ内に注入され、量子状態がn=
1になる。
【0025】次に、外部からの磁束が減少し動作点がc
を横切ると、超伝導ループ内の磁束量子が外部に排出さ
れ、量子状態がn=0に戻る。
を横切ると、超伝導ループ内の磁束量子が外部に排出さ
れ、量子状態がn=0に戻る。
【0026】逆向きの磁束が増加して動作点がd及びe
を横切るときは、量子状態n=0からn=−1への遷移
及びn=−1からn=0への遷移が発生する。すなわ
ち、高周波磁束の1周期に対して、磁束量子の注入・排
出が2回発生する。このとき、ジョセフソン素子の両端
に発生する電圧Vdcは、交流ジョセフソン効果により、 Vdc=mΦ0 f …(1) となる。ここでm=整数であり、この場合は高周波磁束
の1周期に対して、磁束量子の注入・排出が2回発生す
ることからm=2となる。この時、電流−電圧特性上に
は、図3における(b)に示すようにVdc=2Φ0 fの
定電圧ステップが出現する。
を横切るときは、量子状態n=0からn=−1への遷移
及びn=−1からn=0への遷移が発生する。すなわ
ち、高周波磁束の1周期に対して、磁束量子の注入・排
出が2回発生する。このとき、ジョセフソン素子の両端
に発生する電圧Vdcは、交流ジョセフソン効果により、 Vdc=mΦ0 f …(1) となる。ここでm=整数であり、この場合は高周波磁束
の1周期に対して、磁束量子の注入・排出が2回発生す
ることからm=2となる。この時、電流−電圧特性上に
は、図3における(b)に示すようにVdc=2Φ0 fの
定電圧ステップが出現する。
【0027】また、高周波磁束の振幅を大きくしていく
と、その動作点がfやhを横切るようになり、高周波磁
束の1周期に対して、磁束量子の注入・排出が4回発生
する。この場合はm=4となり、VLdc =4Φ0 fの定
電圧ステップが出現する。このように、偶数次の定電圧
ステップを生じさせることができる。
と、その動作点がfやhを横切るようになり、高周波磁
束の1周期に対して、磁束量子の注入・排出が4回発生
する。この場合はm=4となり、VLdc =4Φ0 fの定
電圧ステップが出現する。このように、偶数次の定電圧
ステップを生じさせることができる。
【0028】更に、直流磁束をオフセットとして印加す
ると別の動作モードが実現できる。
ると別の動作モードが実現できる。
【0029】まず、直流バイアス電流と直流外部磁束を
同時に印加し、動作点をbとcの間にセットする。この
時は、n=0もしくはn=1の量子状態が保たれてお
り、外部からの高周波磁束が小さく、その動作点がbや
cを横切らない限り、その電流−電圧特性は、図3にお
ける(a)に示すような、通常のジョセフソン素子のそ
れとなる。
同時に印加し、動作点をbとcの間にセットする。この
時は、n=0もしくはn=1の量子状態が保たれてお
り、外部からの高周波磁束が小さく、その動作点がbや
cを横切らない限り、その電流−電圧特性は、図3にお
ける(a)に示すような、通常のジョセフソン素子のそ
れとなる。
【0030】高周波磁束が大きくなりその動作点がbや
cを横切るようになると、量子状態の遷移が発生する。
外部からの磁束が増加し動作点がbを越えると磁束量子
が1個だけ超伝導ループ内に注入され、量子状態がn=
1となる。
cを横切るようになると、量子状態の遷移が発生する。
外部からの磁束が増加し動作点がbを越えると磁束量子
が1個だけ超伝導ループ内に注入され、量子状態がn=
1となる。
【0031】次に、外部からの磁束が減少し動作点がc
を越えると、超伝導ループ内の磁束量子が外部に排出さ
れ、量子状態がn=0に戻る。すなわち、高周波磁束の
1周期に対して、磁束量子の注入・排出が1回発生す
る。この場合は、(1)式においてm=1の定電圧が発
生することになる。この時の電流−電圧特性上には、図
3における(c)に示すように、Vdc=Φ0 fの定電圧
ステップが出現する。高周波磁束の振幅を大きくしてい
くと、n=2やn=−1への量子状態への遷移が発生す
るが、磁束量子の注入・排出は高周波磁束の1周期に対
して奇数回に限られる。すなわち、奇数次の定電圧ステ
ップのみを発生させることができる。
を越えると、超伝導ループ内の磁束量子が外部に排出さ
れ、量子状態がn=0に戻る。すなわち、高周波磁束の
1周期に対して、磁束量子の注入・排出が1回発生す
る。この場合は、(1)式においてm=1の定電圧が発
生することになる。この時の電流−電圧特性上には、図
3における(c)に示すように、Vdc=Φ0 fの定電圧
ステップが出現する。高周波磁束の振幅を大きくしてい
くと、n=2やn=−1への量子状態への遷移が発生す
るが、磁束量子の注入・排出は高周波磁束の1周期に対
して奇数回に限られる。すなわち、奇数次の定電圧ステ
ップのみを発生させることができる。
【0032】これまでの超伝導量子干渉素子において
は、このような高周波磁束駆動方式は採用されていな
い。この方式においては、ステップ電圧は量子状態から
決定され、その精度は印加高周波磁束の精度に依存し、
現在の電磁波周波数の安定度からみて、その誤差は10
-10 オーダーでしかない。また高周波磁束は、高周波電
流や高周波電圧とは異なった印加方法が可能となる。こ
れらの特徴を利用することで、次の3種類の応用が可能
となる。
は、このような高周波磁束駆動方式は採用されていな
い。この方式においては、ステップ電圧は量子状態から
決定され、その精度は印加高周波磁束の精度に依存し、
現在の電磁波周波数の安定度からみて、その誤差は10
-10 オーダーでしかない。また高周波磁束は、高周波電
流や高周波電圧とは異なった印加方法が可能となる。こ
れらの特徴を利用することで、次の3種類の応用が可能
となる。
【0033】(1)高感度高周波電磁波検出器 現在、実用に供せられているジョセフソン電磁波検出器
においては、電磁波がアンテナとなる電極に入射したこ
とによって生じる電流をそのままジョセフソン素子に注
入し、ジョセフソン素子の非線形特性に起因する電圧ス
テップ(シャピロステップ)の出現を利用している。し
かし、図4に示したように、ステップの大きさや出現す
るバイアス電流値は電界の強さに強く依存し、その利用
にあたっては、バイアス電流値が適切な値となるよう、
常に調整する必要があった。
においては、電磁波がアンテナとなる電極に入射したこ
とによって生じる電流をそのままジョセフソン素子に注
入し、ジョセフソン素子の非線形特性に起因する電圧ス
テップ(シャピロステップ)の出現を利用している。し
かし、図4に示したように、ステップの大きさや出現す
るバイアス電流値は電界の強さに強く依存し、その利用
にあたっては、バイアス電流値が適切な値となるよう、
常に調整する必要があった。
【0034】これに対して、本発明におけるジョセフソ
ン素子においては、その電圧ステップが出現するバイア
ス電流値は量子状態図により決定され、図5に示すよう
に、常に大きな電圧ステップが出現し、かつ、そのとき
のバイアス電流値はほとんど一定であることから、従来
の方式のようなバイアス電流の調整が不要となる。
ン素子においては、その電圧ステップが出現するバイア
ス電流値は量子状態図により決定され、図5に示すよう
に、常に大きな電圧ステップが出現し、かつ、そのとき
のバイアス電流値はほとんど一定であることから、従来
の方式のようなバイアス電流の調整が不要となる。
【0035】また、電磁波の検出においては、その出力
電圧が大きい程、高感度な検出器として動作する。
電圧が大きい程、高感度な検出器として動作する。
【0036】図6にジョセフソンビデオ検波の原理図を
示す。ジョセフソンビデオ検波においては、電磁波が入
射したときと入射しないときの電流−電圧特性の差を用
いているため、シャピロステップ(電圧ステップ)の高
さが大きい程、その出力電圧は大きくなる。
示す。ジョセフソンビデオ検波においては、電磁波が入
射したときと入射しないときの電流−電圧特性の差を用
いているため、シャピロステップ(電圧ステップ)の高
さが大きい程、その出力電圧は大きくなる。
【0037】本発明におけるジョセフソン素子において
は、図3に示したように、シャピロステップが超伝導臨
界電流以下で出現することから、2Φ0 fの電圧と0電
圧を電磁波の入射、非入射時に対応させることが可能
で、出力電圧振幅を大きくとることが可能となり、すな
わち高感度高周波電磁波検出器として機能する。
は、図3に示したように、シャピロステップが超伝導臨
界電流以下で出現することから、2Φ0 fの電圧と0電
圧を電磁波の入射、非入射時に対応させることが可能
で、出力電圧振幅を大きくとることが可能となり、すな
わち高感度高周波電磁波検出器として機能する。
【0038】また、電磁波の供給方法としては、以下の
ような導波管内への集積チップの固定や、レーザー光を
用いた方法が使用できる。
ような導波管内への集積チップの固定や、レーザー光を
用いた方法が使用できる。
【0039】すなわち、図7には、導波管内に集積チッ
プを配置することにより、全ての素子に一括して高周波
磁束を印加する方法が示されている。
プを配置することにより、全ての素子に一括して高周波
磁束を印加する方法が示されている。
【0040】この方法では、導波管31内に集積チップ
32を配置するため、高周波電流を集積チップ32内に
供給する必要がない。すなわち、周波数に依存したチッ
プの設計が不要になる。
32を配置するため、高周波電流を集積チップ32内に
供給する必要がない。すなわち、周波数に依存したチッ
プの設計が不要になる。
【0041】図8には、レーザー光を用いた高周波磁束
の印加方法が示されている。
の印加方法が示されている。
【0042】この方法は、レーザー光41を集光レンズ
42を介して集積チップ43に照射するようにしてお
り、上記した導波管31を用いた方法と同様に、周波数
に依存したチップの設計が不要となると共に、印加磁束
の周波数を遠赤外線領域以上に拡大することができる。
42を介して集積チップ43に照射するようにしてお
り、上記した導波管31を用いた方法と同様に、周波数
に依存したチップの設計が不要となると共に、印加磁束
の周波数を遠赤外線領域以上に拡大することができる。
【0043】(2)利得の大きな増幅器 上述のように、本発明の高周波磁束駆動超伝導量子干渉
素子においては、直流オフセット磁束を変化させること
で、出現するステップの次数を制御することができる。
このことから、本発明の高周波磁束駆動超伝導量子干渉
素子を電圧増幅器として用いることができる。
素子においては、直流オフセット磁束を変化させること
で、出現するステップの次数を制御することができる。
このことから、本発明の高周波磁束駆動超伝導量子干渉
素子を電圧増幅器として用いることができる。
【0044】図9は本発明の実施例を示す利得の大きな
増幅機能を有する高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子の
構成図、図10はその動作点を示す図である。
増幅機能を有する高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子の
構成図、図10はその動作点を示す図である。
【0045】図9において、J1,J2はジョセフソン
素子、L1〜L4は超伝導インダクタ、51,52は電
流端子、53は負荷抵抗RL 、54,55,56,57
はアース端子、58は高周波磁束用の電源(外部電
源)、59は直流電源(Vin)、RB ,Rinは抵抗であ
る。
素子、L1〜L4は超伝導インダクタ、51,52は電
流端子、53は負荷抵抗RL 、54,55,56,57
はアース端子、58は高周波磁束用の電源(外部電
源)、59は直流電源(Vin)、RB ,Rinは抵抗であ
る。
【0046】図9においては、図1に示した基本構成に
外部電源、入力線、出力線を加え、かつインダクタL
3,L4の大きさを0としている。またジョセフソン素
子の臨界電流値とノーマル抵抗値をそれぞれIc 、Rn
とする。なお、入力線と素子との結合には相互インダク
タンス(結合係数k)を用いている。外部の電圧源VB
51から直流バイアス電流Idcを供給し、また、高周波
電流Irfによって発生する高周波磁束を相互インダクタ
ンス(結合係数k)を介して素子に印加する。入力電圧
Vin(入力電流Iin)を増幅し、出力電圧VL (出力電
流IL )を得るものである。
外部電源、入力線、出力線を加え、かつインダクタL
3,L4の大きさを0としている。またジョセフソン素
子の臨界電流値とノーマル抵抗値をそれぞれIc 、Rn
とする。なお、入力線と素子との結合には相互インダク
タンス(結合係数k)を用いている。外部の電圧源VB
51から直流バイアス電流Idcを供給し、また、高周波
電流Irfによって発生する高周波磁束を相互インダクタ
ンス(結合係数k)を介して素子に印加する。入力電圧
Vin(入力電流Iin)を増幅し、出力電圧VL (出力電
流IL )を得るものである。
【0047】図10に示すように、動作原理は次の通り
である。
である。
【0048】入力信号Iinが小さい場合には、その動作
点は電流−電圧特性上のA点(零電圧)となるが、入力
信号Iinが素子にΦ0 /2を与えられるだけ増加する
と、その動作点が、B点(電圧=fΦ0 )に移動し、素
子の電圧が増加、かつ負荷抵抗RL 53に流れる電流値
が増加する。
点は電流−電圧特性上のA点(零電圧)となるが、入力
信号Iinが素子にΦ0 /2を与えられるだけ増加する
と、その動作点が、B点(電圧=fΦ0 )に移動し、素
子の電圧が増加、かつ負荷抵抗RL 53に流れる電流値
が増加する。
【0049】ここで、電圧増幅度と高周波磁束の周波数
の関係を示す。図9の構成においては、電圧増幅度Kv
は、 Kv =出力電圧/入力電圧=fΦ0 /IinRin …(2) で表される。
の関係を示す。図9の構成においては、電圧増幅度Kv
は、 Kv =出力電圧/入力電圧=fΦ0 /IinRin …(2) で表される。
【0050】ここで、Lの値をLIc =Φ0 /2を満た
す値に選ぶと、素子にΦ0 /2だけの磁束を与えるのに
必要な入力電流Iinは、 Iin=Ic …(3) となる。また、入力抵抗と負荷抵抗の大きさを RL =Rin=Rn /2 …(4) と選ぶと、(3)式と(4)式に代入することで、 Kv =2fΦ0 /Ic Rn …(5) となる。分母のIc Rn 積はジョセフソン素子の品質を
表すパラメータの一つであり、これは基本的には使用す
るジョセフソン素子の材料と動作温度で決定される。す
なわち、素子の構成と動作環境が決定されると、増幅度
は周波数fにのみ依存し、増幅度と周波数との間には比
例関係が成り立つことが分かる。ここで典型的な値であ
るIc Rn =0.5mVを仮定する、Kv >1となるた
めの周波数の条件は、f>120GHzとなる。
す値に選ぶと、素子にΦ0 /2だけの磁束を与えるのに
必要な入力電流Iinは、 Iin=Ic …(3) となる。また、入力抵抗と負荷抵抗の大きさを RL =Rin=Rn /2 …(4) と選ぶと、(3)式と(4)式に代入することで、 Kv =2fΦ0 /Ic Rn …(5) となる。分母のIc Rn 積はジョセフソン素子の品質を
表すパラメータの一つであり、これは基本的には使用す
るジョセフソン素子の材料と動作温度で決定される。す
なわち、素子の構成と動作環境が決定されると、増幅度
は周波数fにのみ依存し、増幅度と周波数との間には比
例関係が成り立つことが分かる。ここで典型的な値であ
るIc Rn =0.5mVを仮定する、Kv >1となるた
めの周波数の条件は、f>120GHzとなる。
【0051】素子本体の消費電力は、おおよそ(2
Ic )2 Rn /2=2Ic 2 Rn で与えられる。上述の
Ic Rn =0.5mVに加えて、Ic の典型的な値であ
るIc =100μAを仮定した場合、その消費電力はお
およそ0.1μWとなる。これは既存のジョセフソン素
子の消費電力と同じオーダーである。
Ic )2 Rn /2=2Ic 2 Rn で与えられる。上述の
Ic Rn =0.5mVに加えて、Ic の典型的な値であ
るIc =100μAを仮定した場合、その消費電力はお
およそ0.1μWとなる。これは既存のジョセフソン素
子の消費電力と同じオーダーである。
【0052】素子の動作速度の限界は、印加する高周波
磁界の周波数fに依存する。すなわちナイキストの標本
化定理より、入力信号の最大周波数fsignalは fsignal<f/2 …(6) を満たす必要がある。
磁界の周波数fに依存する。すなわちナイキストの標本
化定理より、入力信号の最大周波数fsignalは fsignal<f/2 …(6) を満たす必要がある。
【0053】上述のKv >1が満たされる条件において
は、fsignal<60GHzとなり、高速動作が可能であ
る。
は、fsignal<60GHzとなり、高速動作が可能であ
る。
【0054】また、高周波磁束用の電源58を、図11
に示すような構成とすることにより、外部からの供給電
流を直流に統一することができる。
に示すような構成とすることにより、外部からの供給電
流を直流に統一することができる。
【0055】この方法では、まず、外部から電源用のジ
ョセフソン素子58Bに臨界電流以上の直流電流を印加
し、ジョセフソン素子を電圧状態に遷移させる。このと
きジョセフソン接合の両端には直流成分を含んだ高周波
電圧が発生するが、その周波数は接合両端電圧の直流成
分と交流ジョセフソン効果の式から知ることができる。
この高周波電圧を利用して超伝導量子干渉素子に高周波
電流Irfを印加するため、出力端を容量結合とし、図9
に示されるL1 ,L2 と電源用の容量58Cを用いたL
RC共振フィルタの原理を用いて、電源用のジョセフソ
ン素子58Bからの出力電流の高周波成分のみを取り出
す。
ョセフソン素子58Bに臨界電流以上の直流電流を印加
し、ジョセフソン素子を電圧状態に遷移させる。このと
きジョセフソン接合の両端には直流成分を含んだ高周波
電圧が発生するが、その周波数は接合両端電圧の直流成
分と交流ジョセフソン効果の式から知ることができる。
この高周波電圧を利用して超伝導量子干渉素子に高周波
電流Irfを印加するため、出力端を容量結合とし、図9
に示されるL1 ,L2 と電源用の容量58Cを用いたL
RC共振フィルタの原理を用いて、電源用のジョセフソ
ン素子58Bからの出力電流の高周波成分のみを取り出
す。
【0056】この方法を用いることにより、外部電源を
直流に統一することができ、外部高周波電源によって生
じる可能性のある雑音や電位の揺らぎの問題、および高
周波電流分配回路の設計の問題が回避される。
直流に統一することができ、外部高周波電源によって生
じる可能性のある雑音や電位の揺らぎの問題、および高
周波電流分配回路の設計の問題が回避される。
【0057】集積化においては、各超伝導量子干渉素子
に対して電源用のジョセフソン素子58Bと容量58C
を用意することにより、1つの電源部58Aの電力を抑
えることができる。
に対して電源用のジョセフソン素子58Bと容量58C
を用意することにより、1つの電源部58Aの電力を抑
えることができる。
【0058】(3)高感度高帯域磁束計 従来の超伝導量子干渉素子を利用した磁束計において
は、ある直流バイアス電流を印加した状態で、素子に加
えられた磁束の量を電圧として検出していた。その出力
電圧は、直流バイアス電流と印加磁束とで一意に決めら
れており、超伝導量子干渉素子の感度を変化させること
はできなかった。
は、ある直流バイアス電流を印加した状態で、素子に加
えられた磁束の量を電圧として検出していた。その出力
電圧は、直流バイアス電流と印加磁束とで一意に決めら
れており、超伝導量子干渉素子の感度を変化させること
はできなかった。
【0059】これに対して本発明の超伝導量子干渉素子
を磁束計として用いた場合、直流磁束Bdcを被検出磁束
とすることで、上述の増幅動作を利用した磁束の計測を
行うことができる。
を磁束計として用いた場合、直流磁束Bdcを被検出磁束
とすることで、上述の増幅動作を利用した磁束の計測を
行うことができる。
【0060】図12にその超伝導量子干渉素子の出力電
圧の外部磁束依存性を示す。
圧の外部磁束依存性を示す。
【0061】図10の場合と同様に印加磁束が0の場合
は零電圧状態、印加磁束がΦ0 /2近傍ではfΦ0 の直
流電圧が発生する。その出力電圧は高周波磁束の周波数
fに比例することから、素子の感度は可変となり、微弱
な磁束に対しては周波数を高く、大きな磁束に対しては
周波数を低く設定することで、広いダイナミックレンジ
の磁束を検出することが可能となる。すなわち、高感度
広帯域磁束計として機能する。
は零電圧状態、印加磁束がΦ0 /2近傍ではfΦ0 の直
流電圧が発生する。その出力電圧は高周波磁束の周波数
fに比例することから、素子の感度は可変となり、微弱
な磁束に対しては周波数を高く、大きな磁束に対しては
周波数を低く設定することで、広いダイナミックレンジ
の磁束を検出することが可能となる。すなわち、高感度
広帯域磁束計として機能する。
【0062】本発明の超伝導量子干渉素子の磁束感度S
は、図12から分かるように被検出磁束に対して非線形
に変化するが、その平均感度は次式で与えられる。
は、図12から分かるように被検出磁束に対して非線形
に変化するが、その平均感度は次式で与えられる。
【0063】 S=δVdc/δB=fΦ0 /(Φ0 /2)=2f …(7) すなわち、高周波磁束の周波数fに比例することにな
る。
る。
【0064】従来の超伝導量子干渉素子を用いた磁束計
の典型的な感度は、1μV/Φ0 =5×109 (Hz)
であることから、本発明の超伝導量子干渉素子におい
て、例えばfを100GHzとすることで、従来の磁束
計にくらべて20倍の感度を得ることができる。
の典型的な感度は、1μV/Φ0 =5×109 (Hz)
であることから、本発明の超伝導量子干渉素子におい
て、例えばfを100GHzとすることで、従来の磁束
計にくらべて20倍の感度を得ることができる。
【0065】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、それらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、それらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0066】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下の効果を奏する。
よれば、以下の効果を奏する。
【0067】(A)ステップ電圧は量子状態から決定さ
れ、その精度は印加高周波磁束の精度に依存し、現在の
電磁波周波数の安定度からみて、その誤差を極力低減す
ることができる(因みに、その誤差は、10-10 オーダ
ーである)。
れ、その精度は印加高周波磁束の精度に依存し、現在の
電磁波周波数の安定度からみて、その誤差を極力低減す
ることができる(因みに、その誤差は、10-10 オーダ
ーである)。
【0068】また、高周波磁束は、高周波電流や高周波
電圧とは異なった印加方法が可能となる。
電圧とは異なった印加方法が可能となる。
【0069】(B)ジョセフソン電磁波検出に当たり、
電圧ステップが出現するバイアス電流値は量子状態図に
より決定され、常に大きな電圧ステップが出現し、かつ
そのときのバイアス電流値はほとんど一定であることか
ら、従来の方式のようなバイアス電流の調整が不要とな
る。
電圧ステップが出現するバイアス電流値は量子状態図に
より決定され、常に大きな電圧ステップが出現し、かつ
そのときのバイアス電流値はほとんど一定であることか
ら、従来の方式のようなバイアス電流の調整が不要とな
る。
【0070】(C)直流オフセット磁束を変化させるこ
とで、出現する電圧ステップの次数を制御することがで
きる。このことから、本超伝導量子干渉素子を電圧増幅
器として用いることができる。
とで、出現する電圧ステップの次数を制御することがで
きる。このことから、本超伝導量子干渉素子を電圧増幅
器として用いることができる。
【0071】(D)超伝導量子干渉素子を磁束計として
用いた場合、直流磁束Bdcを被検出磁束とすることによ
り、上述の増幅動作を利用した磁束の計測を行うことが
できる。
用いた場合、直流磁束Bdcを被検出磁束とすることによ
り、上述の増幅動作を利用した磁束の計測を行うことが
できる。
【図1】本発明の実施例を示す2個のジョセフソン素子
および超伝導インダクタから構成される超伝導量子干渉
素子の回路図である。
および超伝導インダクタから構成される超伝導量子干渉
素子の回路図である。
【図2】本発明の実施例を示す超伝導量子干渉素子の外
部からの印加磁束Bexを横軸に、バイアス電流Idcを縦
軸にとった場合の量子状態図である。
部からの印加磁束Bexを横軸に、バイアス電流Idcを縦
軸にとった場合の量子状態図である。
【図3】本発明の実施例を示すジョセフソン電子素子の
電流−電圧特性図である。
電流−電圧特性図である。
【図4】従来の高周波電磁波検出器の問題点の説明図で
ある。
ある。
【図5】本発明に係る高周波電磁波検出器の利点の説明
図である。
図である。
【図6】本発明に係るジョセフソンビデオ検波の原理図
を示す図である。
を示す図である。
【図7】本発明に係る導波管内に集積チップを配置する
ことで、全ての素子に一括して高周波磁束を印加する方
法を示す図である。
ことで、全ての素子に一括して高周波磁束を印加する方
法を示す図である。
【図8】本発明に係るレーザー光を用いた高周波磁束の
印加方法を示す図である。
印加方法を示す図である。
【図9】本発明の実施例を示す利得の大きな増幅機能を
有する高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子の構成図であ
る。
有する高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子の構成図であ
る。
【図10】本発明の実施例を示す利得の大きな増幅機能
を有する高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子の動作点を
示す図である。
を有する高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子の動作点を
示す図である。
【図11】図9に示す高周波磁束用の電源の構成を示す
図である。
図である。
【図12】本発明の実施例を示す超伝導量子干渉素子の
出力電圧の外部磁束依存性を示す図である。
出力電圧の外部磁束依存性を示す図である。
J1〜Jn ジョセフソン素子 L1〜L6 超伝導インダクタ Lm 相互インダクタンス 10 超伝導量子干渉素子 11,12,51,52 電流端子 13,14 電圧端子 Bex 外部からの印加磁束 Idc 直流バイアス電流 Bdc 直流磁束 Brf 高周波磁束 31 導波管 32,43 集積チップ 41 レーザー光 42 集光レンズ 53 負荷抵抗RL 54,55,56,57 アース端子 58 高周波磁束用の電源(外部電源) 58A 電源部 58B 電源用のジョセフソン素子 58C 電源用の容量 59 直流電源(Vin) RB ,Rin 抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−125357(JP,A) 特開 平2−26086(JP,A) 特開 平4−74484(JP,A) 特開 平5−206530(JP,A) 実開 平1−75876(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 33/00 - 33/18 H01L 39/22 ZAA
Claims (7)
- 【請求項1】(a)2個以上のジョセフソン素子と超伝
導インダクタから構成される超伝導量子干渉素子を備
え、 (b)該超伝導量子干渉素子に高周波磁束Brfおよび直
流磁束Bdcを印加し、前記高周波磁束Brfにより発生す
る磁束量子の超伝導ループ内への注入・排出を行うとと
もに、前記ジョセフソン素子の非線形特性に起因する電
圧ステップが出現するバイアス電流値は量子状態により
決定され、常に大きな電圧ステップが出現し、かつその
ときのバイアス電流値が殆ど一定であることを利用し
て、高周波電磁波の検出を行うことを特徴とする高周波
磁束駆動超伝導量子干渉素子。 - 【請求項2】 請求項1記載の高周波磁束駆動超伝導量
子干渉素子において、前記ジョセフソン素子の非線形特
性に起因する電圧ステップが超伝導臨界電流以下で出現
することから、2Φ0 fの電圧と0電圧を電磁波の入
射、非入射時に対応させ、出力電圧振幅を大きくとるこ
とにより、高感度高周波電磁波検出を行うことを特徴と
する高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子。 - 【請求項3】 請求項2記載の高周波磁束駆動超伝導量
子干渉素子において、前記超伝導量子干渉素子を集積し
てチップ化し、該チップ化された素子に一括して高周波
磁束を印加することを特徴とする高周波磁束駆動超伝導
量子干渉素子。 - 【請求項4】 請求項3記載の高周波磁束駆動超伝導量
子干渉素子において、前記チップ化された素子を導波管
内に配置することにより、前記素子に一括して高周波磁
束を印加することを特徴とする高周波磁束駆動超伝導量
子干渉素子。 - 【請求項5】 請求項3記載の高周波磁束駆動超伝導量
子干渉素子において、レーザー光を集光レンズを介して
前記集積されたチップに照射することにより、印加磁束
の周波数を遠赤外線領域以上に拡大することを特徴とす
る高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子。 - 【請求項6】(a)2個以上のジョセフソン素子と超伝
導インダクタから構成される超伝導量子干渉素子を備
え、 (b)該超伝導量子干渉素子に高周波磁束B rf および直
流磁束B dc を印加し、前記高周波磁束B rf により発生す
る磁束量子の超伝導ループ内への注入・排出を行うとと
もに、 前記直流磁束Bdcを変化させることにより、出現
するジョセフソン素子の非線形特性に起因する電圧ステ
ップの次数を制御することにより、電圧増幅を行わせる
ことを特徴とする高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子。 - 【請求項7】 請求項6記載の高周波磁束駆動超伝導量
子干渉素子において、前記直流磁束Bdcを被検出磁束と
することにより、前記電圧ステップの次数を制御するこ
とにより、電圧増幅を行わせ、磁束の計測を行うことを
特徴とする高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15317399A JP3148741B2 (ja) | 1999-06-01 | 1999-06-01 | 高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15317399A JP3148741B2 (ja) | 1999-06-01 | 1999-06-01 | 高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000338209A JP2000338209A (ja) | 2000-12-08 |
JP3148741B2 true JP3148741B2 (ja) | 2001-03-26 |
Family
ID=15556659
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15317399A Expired - Fee Related JP3148741B2 (ja) | 1999-06-01 | 1999-06-01 | 高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3148741B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102174976B1 (ko) | 2015-12-16 | 2020-11-05 | 구글 엘엘씨 | 동평면 도파관 플럭스 큐비트를 이용한 프로그램 가능한 범용 양자 어닐링 |
-
1999
- 1999-06-01 JP JP15317399A patent/JP3148741B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000338209A (ja) | 2000-12-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4585999A (en) | Radiofrequency amplifier based on a dc superconducting quantum interference device | |
JP4180275B2 (ja) | 磁界の高精度測定用装置 | |
Drung et al. | Highly sensitive and easy-to-use SQUID sensors | |
Basset et al. | Emission and absorption quantum noise measurement with an on-chip resonant circuit | |
US6362617B1 (en) | Wideband, high dynamic range antenna | |
EP4022767B1 (en) | A superconducting qubit and resonator system based on the josephson ring modulator | |
Drung et al. | Novel SQUID current sensors with high linearity at high frequencies | |
AU598700B2 (en) | Superconducting magnetometer | |
JP3148741B2 (ja) | 高周波磁束駆動超伝導量子干渉素子 | |
Podt et al. | Two-stage amplifier based on a double relaxation oscillation superconducting quantum interference device | |
Ryhänen et al. | Practical low‐noise integrated dc superconducting quantum interference device magnetometer with additional positive feedback | |
Ishikawa et al. | Effect of RF interference on characteristics of DC SQUID system | |
US5453690A (en) | Squid magnetometer in which feedback current for a squid flux-locked-loop is conductively coupled into the input circuit of the squid | |
US6066948A (en) | Squid magnetometer having resistor-capacitor damping circuits | |
Foglietti et al. | Performance of a flux locked series SQUID array | |
Vinante et al. | Stabilization and optimization of a two-stage dc SQUID coupled to a high Q resonator | |
EP0829016B1 (en) | Squid magnetometer | |
Adelerhof et al. | High sensitivity double relaxation oscillation superconducting quantum interference devices | |
JP2587002B2 (ja) | Squid磁束計 | |
Pierce et al. | A broadband thin-film SQUID magnetometer pumped at 10 GHz | |
Krivoy et al. | Radio frequency pumped superconducting quantum interference devices with two quantization loops | |
Mück et al. | Flux-bias stabilization scheme for a radio-frequency amplifier based on a superconducting quantum interference device | |
JP2579283B2 (ja) | Squid磁束計 | |
JP2552250B2 (ja) | Squid磁束計 | |
Thomasson et al. | High slew rate large bandwidth integrated dc SQUID magnetometer for NMR applications |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20001226 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090112 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100112 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |