JP3147456U - 捕捉具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 刺股が犯人や暴漢などの身体を二股で押付け捕捉するのに対し、犯人の脚部などを鉤状物で引掛けて転がし犯人を容易に取り押さえることができる捕捉具を提供することを目的とする。
【解決手段】 直状の棒状体からなる柄部1と、この柄部1の一端側に折り返し設けられた鉤状をなす引掛部2とを備えている捕捉具である。
【選択図】図1
【解決手段】 直状の棒状体からなる柄部1と、この柄部1の一端側に折り返し設けられた鉤状をなす引掛部2とを備えている捕捉具である。
【選択図】図1
Description
本考案は、犯罪者や暴漢などを取り押さえるに際し、これらの者からの反撃および逃亡を防ぎ容易に身柄を拘束することのできる捕捉具に関する。
犯罪を起した犯人の逮捕連行に際し犯人が抵抗せずに指示に従えばよいが、中には逃亡をはかるとともに警官や警備員などに刀剣や棍棒などの凶器あるいは腕力などを武器とした暴力をもって抵抗するという事態を生じることがある。
そこで、従来からこの抵抗する犯人や暴漢(以下、本考案では犯人と称する。)を制圧する道具として犯人と間合いをおいて使用できる棒状体からなる柄部の先端部に略半円形状などをなす二股の押圧部を有する刺股が用いられていた。この刺股は押圧部を犯人の胴部、胸部や肩部などを前面や背面から捕らえ壁面や地面に押付け犯人の自由を奪い抵抗を弱めて、身柄を拘束するものである。
しかし、近年は犯罪にはしる者が急増し、かつ、凶暴犯が増加し、これら犯人の逮捕に際し刺股も単に取り押さえるのみではなく、犯人の抵抗力を弱める手段として例えば押圧部に電撃を与えるスタンガン装置(特許文献1や2に開示)、目を眩ませるストロボ発光装置や催涙ガス発生装置などあるいは刺股内に入った身体が容易に抜け出ることのできない構造などの付属品が装備されるなど刺股の機能の向上化がはかられている。
実用新案登録第3115700号公報 特開2007−24480号公報
しかしながら、突発的に起る犯罪の犯人や暴漢などに対する咄嗟の対応が、犯人を前面あるいは背面から突いて押圧する前記刺股の機能では、犯人の身体を刺股で押付ける壁面などがないと有効に捕捉できないなどの不具合があった。
本考案は、前記事情に鑑みなされたもので、刺股が犯人や暴漢などの身体を刺股で押付け捕捉するのに対し、犯人の脚部などを鉤状物で引掛けて転がし犯人を容易に取り押さえることができる捕捉具を提供することを目的とする。
本考案の請求項1に記載の捕捉具は、直状の棒状体からなる柄部と、この柄部の一端側に折り返し設けられた鉤状をなす引掛部とを具備していることを特徴とする。
現場において犯人が凶器をもって抵抗している場合あるいは腕力などに勝る力強い犯人が抵抗している場合など、素手や警棒程度では取り押さえるのが困難とみたとき、公知の刺股とともに本考案の引掛部を有する捕捉具を用いる。
現場において犯人が凶器をもって抵抗している場合あるいは腕力などに勝る力強い犯人が抵抗している場合など、素手や警棒程度では取り押さえるのが困難とみたとき、公知の刺股とともに本考案の引掛部を有する捕捉具を用いる。
これら刺股および捕捉具は犯人と対峙したとき犯人の凶器などの取り落とす道具(武器)として、また、抵抗や逃げようとする犯人を捕らえるのに刺股は身体を押さえ、本考案の捕捉具は鉤状の引掛部で犯人の脚部などを引掛け転倒させることができる。
すなわち、本考案の捕捉具は犯人の脚部などを引掛部内に捕らえたら柄部を手前に引くか、犯人が引く方向と反対方向に逃げようとして脚部を移動すると脚部が引掛部の内周面に当接して片足が引張られるので、犯人は立っているのが困難となり特に片足が地面と離れた片足状態のときは地面に着いている片足に全体重がかかっているので身体のバランスがとれず容易に転倒させることができる道具として使うことができる。
そして、この捕捉具で転倒した犯人を刺股で胴部や肩部などを押付け、犯人の抵抗を弱めたところで取り押さえることができる。
この捕捉具の引掛部を形成する鉤状部の形状は、円形や多角形あるいはこれらの複合形からなるリング状をなし、その一部が切欠され脚部などが通過可能な開口を備え中に入った脚部が抜けにくい例えば略?形や略U字形などをしている。
なお、本考案および以下の考案において捕捉具の柄部、鉤状の引掛部や把持部などは、凶器などと対峙するため無空または管状の金属、硬質合成樹脂や硬木などの応力や衝撃に強い変形や破損しにくい材料を用い一体または別体で同種または異種の材料で一体成形や別体で形成され、別体の場合は機械的に強固に結合や取付けられ一体化されたものが用いられる。
また、柄部は全長に亘り把持部として働き、捕捉具の使用に際して柄部のどの部分を握持してもよく、特記した把持部位置に限定されるものではない。また、柄部の握られることが多い部分は、柄部の表面を凹凸状や波状などの粗面としたり柄部の横断面を多角形状にするなど滑りにくくしておくことができるが必須のものではない。
本考案の請求項2に記載の捕捉具は、柄部の他端側には棒状体を折り曲げまたは柄部と交差方向に延在して形成した把持部が設けられていることを特徴とする。
直状の柄部とこの柄部先端側を折り曲げ略平行に離間した部分とを把持したり、直状の柄部とこの直状部から交差する方向に延在した部分とをそれぞれ把持できるようにしたもので、直状の柄部の同軸上を両手で握るものに対し、脚部を捕らえた捕捉具を傾け(捻り)脚部を圧迫して犯人の動きを抑えたり捕捉具を引くときに握り易く、弱い力で強力な作用を奏させることができる。
また、柄部の他端部側に設けられる把持部は、略U字形や略コ字形などの多角形状、あるいは柄部に対し略直角や斜めなどの交差方向に向って延在した形状とすることができる。
本考案の請求項3に記載の捕捉具は、直状の棒状体からなる柄部と、この柄部の一端側に折り返し設けられた鉤状をなす引掛部と、前記柄部の他端側に設けられ先端部が二手に分かれた押当部とを具備していることを特徴とする。
この捕捉具は棒状柄部の一端部には引掛部が、他端部には刺股を備えた長尺の捕捉具で、犯人と対峙したときの状況に応じて脚部などを引掛ける捕捉具としてあるいは刺股として前述したように使い犯人を取り押さえることができる。
本考案の請求項4に記載の捕捉具は、引掛部および押当部が設けられた前記棒状体からなる柄部が別体のものからなり、一体的に連結して構成されていることを特徴とする。
この捕捉具は柄部が略中央部において二分され、別体をなす一方の棒状柄部には鉤状をなす引掛部が設けられた捕捉具として、また、他方の棒状柄部には刺股をなす押当部が設けられた捕捉具として、別体の柄部の端部相互が連結部(具)を介し固定して一体化される構造となっている。
この両柄部は完全に分割できても、仮接続された分解状態などであってもよくその連結部(具)の固定構造は、柄部の端部に刻設したねじ部の螺合による固定、一方の柄部が他方の柄部内に挿入されるスライド可能な棒状体でパッキンの締め付けによる固定あるいは折りたたみ可能な自在継手による固定など両柄部を直接あるいは冶具を介して達成できるが、この連結部は迅速に組立てられるとともに犯人を取り押さえる際に応力や衝撃などにより変形や破損したり容易に外れない構造としておくことを要する。
そして、この捕捉具は両柄部が連結部(具)を介し連結し長尺の捕捉具として使用されるが、現場などの状況に応じそれぞれを単独の短尺の捕捉具として使用することは差し支えない。
また、この捕捉具は非使用時には2つに分割や分解して格納や携行することができるので、長尺の一体化したときに比べその長さを約1/2の短尺としたコンパクト化できる。
本考案の請求項5に記載の捕捉具は、引掛部および押当部が設けられた前記棒状体からなる柄部が別体のものからなり、別体の両者の柄部が組として固定具を介し並置構成されていることを特徴とする。
前記請求項4に記載の捕捉具において、引掛部が設けられた棒状の柄部と押当部が設けられた棒状の柄部とを並行させ、この両柄部をバンドなどの固定具(部)を用い束縛や係止して一体化し組として屋内や警備車両などにおいて格納や携行ができるようにしてある。
また、前記請求項1,2に記載の捕捉具において、柄部に既存の刺股などの捕捉具の柄部が固定できる固定具を設けておくことによっても、別体の両者の柄部が組として並置構成させることができる。
本考案の請求項6に記載の捕捉具は、前記引掛部または押当部の少なくとも一方の内面側には内方に指向した複数個の突起が設けられていることを特徴とする。
捕捉具の引掛部や押当部の内面側には内方に向け先端が尖った複数個の突起が設けられていて、複数個の突起は犯人を取り押さえる際、力強い犯人側が手などで捕捉具を掴み取ろうとしたり払いのけようとしても手に突起が刺さり、犯人側に捕捉具が奪われるのを防ぐことができる。また、引掛部で犯人の脚部などを引掛けたときは、突起が脚部に刺さることにより犯人の抵抗を弱体化して容易に取り押さえることができる。
なお、前記突起は、捕捉具の引掛部側に限らず、押当部側に設けてあってもよく、また、前記突起は引掛部や押当部の内面側に限らず、内外全周面や犯人の手が届き易い棒状体部分などに設けてあってもよく、この場合も犯人側に捕捉具を奪い取られるのを防止することができる。
本考案の請求項7に記載の捕捉具は、前記引掛部または押当部の少なくとも一方にはスタンガンの電極部が設けられていることを特徴とする。
捕捉具にはスタンガン装置が設けられていて前記引掛部、押当部や柄部にはスタンガンの放電用の電極部が配設され、犯人を捕らえるのに際し引掛部などで犯人の身体を捕捉しても抵抗が激しい場合などに電極間に放電を生起させ身体に電撃を与えて犯人に苦痛を生じさせ抵抗意欲を弱らせることができる。また、犯人と対峙したとき犯人の身体と離れた位置で放電させて威嚇したり奪われるのを防ぐこともできる。
請求項1記載の考案によれば、犯人と対峙して武器(道具)としても用いることができるとともに逃げる犯人の脚部を引掛け容易に転倒させることが可能で、凶器を持った犯人などを取り押さえるのに有効な、構造簡単で安価に造れる捕捉具を提供することができる。
請求項2記載の考案によれば、柄部の直状部以外の部分にも把持部が設けてあるので、使用時、捕捉具を傾け捻ったり引くときに握り易く、また、弱い力で作用させて強力な効果を奏させる捕捉具を提供することができる。
請求項3記載の考案によれば、柄部の端部に引掛部および押当部からなる刺股を備えた、刺股と脚部などを引掛ける道具として現場に於いて犯人の動作に応し臨機応変に使い分けすることが可能な、一基で2役の働きをする構造簡単で安価に造れるとともに格納スペースを大きく(高く)とらない捕捉器を提供することができる。
請求項4記載の考案によれば、上記請求項3記載の効果を奏するとともに、分割や分解できる場合は非使用時の長尺の一体化したときに比べその長さを約1/2の短尺としたコンパクト化できるので屋内や警備車両などにおいて広い(高い)格納スペースを必要としない。また、分割して複数の人で分けて持つこともできるので軽量となり現場に急行するのに携行し易いという利点を有する。
請求項5記載の考案によれば、柄部を分割や分解できる捕捉具において上記請求項4記載の効果を奏するとともに、既知の刺股などの柄部を固定具を介し組として固定一体化できるので、格納や携行のときばらばらになり難く持ち易いとともに並置時両者が不規則に傾くことなどがなく整然と並置させることができる利点を有する。
請求項6および7記載の考案によれば、犯人を威嚇し捕捉具が奪い取られるのを防ぐとともに抵抗が激しい犯人の抵抗意欲を弱めて取り押さえが容易に行える捕捉具を提供することができる。
以下、本考案を図面を参照して説明する。図1は捕捉具の第1の実施の形態を示し(a)図は正面図、(b)図は側面図である。
捕捉具A1は金属、硬質合成樹脂や堅木などの材料、ここではアルミニウムなどの金属製の直状の棒状体からなる柄部1と、この柄部1の一端側を略?形に折り返し設けた鉤状の引掛部2とからなる。また、31、32は棒状の柄部1の他端部側の同軸上の表面に設けられた凹凸状をなす把持部である。なお、この把持部31、32は棒状の柄部1の表面が特に滑りにくい形状などの場合は特別に設けることなく、延在する柄部1部分が兼ねるものであってもよい。
なお、本考案において前記引掛部2や後述する押当部4などの形状表現は図示状態におけるものを表し、使用状況により天地逆転した場合などでは逆方向となる。
例えばこの捕捉具A1の大きさは、柄部1の外径dが30〜35mm、長さaが約1.800mm、略?形をした引掛部2の最大幅wが約250mm、開口部21の幅kが約200mm、折返し長さbが約250mmで形成されている。
そして、この捕捉具A1は従来からある刺股(図示しない。)とともに事件現場の犯人などの逮捕に向う複数人の警察官や警備員などが携行して、抵抗する犯人を取り押さえる場合に用いられる。
すなわち、現場において犯人がナイフや棍棒などの凶器をもって抵抗している場合あるいは腕力などに勝る力強い犯人が抵抗している場合など、素手や警棒程度では取り押さえるのが困難とみたとき、例えば一人は刺股でもって犯人の肩部や胴部など上体部分を狙い押さえ込むとともに、他の一人はこの捕捉具A1を持ち犯人の脚部を狙い膝下の部分などに鉤状をなす引掛部2を引掛ける。
このとき捕捉具A1および刺股は犯人と間合いをおいて対峙した際、自己の安全確保および犯人の凶器などの取り落としなどの道具(武器)として用いられ、犯人側も必死になって抵抗するためたやすく押さえ込むことができない場合も多いが、この捕捉具A1は犯人の脚部に棒状の柄部1を当て引くことにより柄部(棒状体)が脚部に沿って案内され、脚部を略逆U字形の開口部21から引掛部2内に入れることができる。
そして、犯人の上体部分を刺股で壁面などに押付けるとともに捕捉具A1をさらに手前に引くか、犯人が引く方向と反対方向に逃げようとして脚部を移動すると足首などが引掛部2の内周面に当接して片足が引張られるので、犯人は立っているのが困難となり、特に片足が地面と離れた片足状態のときは地面に着いている片足に全体重がかかっているので身体のバランスがとれず容易に転倒させることができ、さらに刺股で胴部や肩部などを押付け犯人の抵抗を弱めたところで、犯人に手錠などをかけ捕らえることができる。
もちろん、捕捉具A1単独でも逃げようとする犯人の脚部を引掛部2で引掛けて、上述のように転ばせて捕らえることができる。
したがって、この捕捉器具A1は犯人と対峙して武器(道具)としても用いることができるとともに逃げる犯人の脚部を引掛け容易に転倒させることが可能で、凶器を持った犯人などを取り押さえるのに有効な、構造簡単で安価に造れる捕捉具を提供することができる。
本考案の前記捕捉具A1においては柄部1の一部に特に凹凸を形成した把持部31、32を設けることにより、棒状体1を握ったとき滑りにくく強固に把持して犯人に立ち向かえるようにしたが、図2に示すような構造としてもよい。
図2は、本考案の捕捉具の第2の実施の形態を示し、(a)図は正面図、(b)図は側面図で、前記捕捉具A1において棒状の柄部1の他端部側を略U字形に折返した構造をなし、直状の棒状柄部1部分とU字形に折返した先端側の直状の部分を把持部31、32とした捕捉具A2である。
この捕捉具A2は、略平行する把持部31、32を両手でそれぞれ持ち犯人と対峙し、犯人の脚部などを捕らえたとき把持部31、32を時計針の回転方向または反回転方向に回動すると略?形をした引掛部2が脚部軸に対し傾斜して脚部を締め付けるので犯人の動きが鈍くなるとともに苦痛を与えるので犯人はひるみ捕らえ易くすることができる。
このように把持部31、32を並行して離間した個所に設けるようにすれば、前記第1の実施の形態の捕捉具A1の直状の棒状柄部1の同軸上を把持する場合に比べ弱い把握力で、また、器具A1の引張り時には引掛部2の頂部を把持して引張るようにすれば引張り易くなるとともに力強く作用させることができる。
また、前記棒状柄部1および把持部31、32を形成する部分の形状や位置は前記略U字形に折り曲げたものに限らず、略コ字形などの多角形状、あるいは図3(a)にその要部を示すように棒状柄部1の他端部側を略直角や斜め交差方向に曲げて把持部32を形成したり、図3(b)に示すように棒状柄部1の中間部から略直角や斜め交差方向に向って延在する把持部32を形成するようにしても上記捕捉具A2と同様な作用効果を奏させることができる。
すなわち、棒状柄部1の他端側に、柄部1を折り曲げまたは柄部1と交差方向に延在して把持部32を設けるようにしたことにより、柄部1を握ったとき滑りにくく強固に把持して犯人に立ち向かうことができる。なお、前記において引掛部2と棒状柄部1の把持部32を同一側に形成したが、両者の関係は、棒状柄部1軸を中心として180度(反対側)ずれていたり45度など任意角度ずらして形成されていてもよい。
また、図4は本考案の捕捉具の第3の実施の形態を示し、図中、図1と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図4において(a)図は正面図、同(b)図は側面図である。
図4に示す捕捉具A3は直状の棒状柄部1の一端側には略逆U字形に折り返し設けた鉤状をなす引掛部2が、柄部1の他端部側には二股の略半円状をした押当部4が設けられている。すなわち、この捕捉具A2は棒状柄部1の一端部には引掛部2が、他端部には刺股を備えた長尺の捕捉具A3である。
例えばこの捕捉具A3は棒状の柄部1の外径dが30〜35mm、長さaが約2.060mm、引掛部2の幅wが約260mm、開口部21の幅kが約200mm、折返し長さbが約200mm、押当部4の開口部41の最大幅vが約530mm、深さhが約260mmで形成されている。
そして、警察官や警備員などがこの捕捉具A3を使い犯人を取り押さえる場合、例えば一人は捕捉具A3の鉤状をなす引掛部2側の棒状の柄部1部を両手で握り刺股をなす押当部4側を犯人に向け、他の一人は押当部4側の柄部1を両手で握り引掛部2側を犯人に向け対峙し犯人の凶器などを払い除け、前記第1の実施の形態と同様な手段で犯人を取り押さえることができる。
この捕捉具A3は棒状の柄部1に引掛部2および押当部4からなる刺股を備え、前記のように犯人の胴部などを抑える刺股と脚部などを引掛ける道具として、または全てを刺股としてあるいは引掛部2として現場に於いて犯人の動作に応じ臨機応変に使い分けすることが可能である。
すなわち、一基で2役の働きをする捕捉具A3であって、構造簡単で安価に造れるとともに例えばそれぞれを各1本常備するのに比べ格納スペースを大きくとらない捕捉器を提供することができる。
図5は本考案の捕捉具の第4の実施の形態を示し、(a)図は正面図、(b)図は要部(連結部)を拡大した一部切欠断面正面図、図6は図5に示す捕捉具を分割固定した状態を示し(a)図は正面図、(b)図は側面図、(c)図は(b)図中の矢視c−c線に沿って切断した拡大横断面図である。
前記第3の実施の形態に示す捕捉具A3では直状の柄部1が1本の一体のものからなるが、この第4の実施の形態を示す捕捉具A4は棒状の柄部1が中間部から二分(1a,1b)され着脱可能に構成されたものである。
この捕捉具A4は例えば略中央部において二分され、別体をなす一方の棒状柄部1aには鉤状をなす引掛部2が設けられた捕捉具A4aとして、また、他方の棒状柄部1bには刺股をなす押当部4が設けられた捕捉具A4bとして、分割した柄部1a端部と柄部1b端部とが連結部5を介し固定して一体化される構造となっている。
この両柄部1aと1bとの連結部5の連結固定構造は、例えば一方の柄部1a端部の内面には雌ねじ51を、他方の柄部1b端部の外面には雄ねじ52を刻設しておき、両端部のねじ部51、52を螺合することにより組立て一体化し、長尺の捕捉具A4とすることができる。
なお、この捕捉具A4は、捕捉具A4aとA4bとが連結できる構造であるが、犯人と対峙する際、柄部1aおよび1bが短尺の状態で使用可能であれば連結せず単独で用いてもよい。また、この連結部5は犯人を取り押さえる際に応力や衝撃などにより破損したり容易に外れない構造としておくことが必要である。
また、図中6aは分割された両捕捉具A4aとA4bとを固定する金属板や合成樹脂などで略瓢箪形に形成されたバンド状の固定具で、この固定具6aは例えば一方の円状部61が捕捉具A4aの柄部1aの中間部に嵌入固定され、他方の円状部62は一部が切欠され弾性を付与された開口63を有し、この開口63を通じ他方の捕捉具A4bの柄部1bが着脱できる構造である。
そして、この捕捉具A4は非使用時には捕捉具A4aとA4bとの2つに分割して格納することができるが、この格納設置に際し両者を図6に示すように棒状の柄部1aと1bとを並行させるとともにバンド(固定具)6aの開口63側から捕捉具A4bの柄部1bを押入れ通して他方の円状部62内に嵌入することにより脚部などの引掛け用と刺股用との用具を一対組みとして一体化して並置させることができる。
また、外す場合は柄部1a,1bの少なくとも一方を両者が離れる方向に引張ることにより、柄部1bがバンド(固定具)6aの弾性が付与された開口63から出され分離させることができる。なお、この固定具6aを常時固定しておく側は棒状体1aか1bのいずれ側でもよく、また、両柄部1aと1bとも着脱できるものであってもよい。
したがって、犯人など相手側の凶器などと対向するため距離をおいて対峙したとき長尺の捕捉具が必要な場合もあるが、この実施の形態に示すように長尺の捕捉具A4を分離できるようにしておけば、犯人の追跡時に短尺(長尺の場合の約1/2の長さ)となるとともに複数の人で分けて持つこともできるので軽量となり現場に急行するのに携行し易いという利点がある。また、屋内や警備車両などにおいて格納や携行のとき、短尺としたコンパクト化できるので広い(高い)格納スペースを必要としない。
また、捕捉具A4aの引掛部2が設けられた柄部1aと、捕捉具A4bの押当部4が設けられた柄部1bとを固定具(バンド)6aを介し組として固定しているので、格納や携行のとき分解せず持ち易いとともに並置時両者が不規則に傾くことなどがなく整然と並置させることができる。また、前記棒状柄部1aと1bとの固定個所は1ヶ所に限らず、柄部1a、1bの長さにより複数個所でもよいが、使用は緊急で迅速性を求められているので1〜2個所位が好ましい。
また、図7は固定具部分の他の実施の形態を示す拡大図で、(a)図は固定前の一部切欠断面正面図、(b)図は固定後の横断面図である。この固定具6bは例えば一方の柄部1aの外面に先端に膨出部66を有する弾性を有する合成樹脂などの材料からなるピン65が設けられ、また、このピン65と対向する他方の管状をなす柄部1bには前記膨出部66外径に比べ小径の嵌着孔67が設けられている。
そして、格納時は両柄部1aと1bとを略並行に揃わせ、ピン65先端の膨出部66を嵌着孔67に合せ柄部1aと1bとを力を込め押圧して膨出部66を変形させ嵌着孔67を通し、柄部1b内において復元させることにより分離することなく、両捕捉具A4a、A4bは一体化され前記固定具6aと同様な作用効果を奏させることができる。また、両柄部1aと1bの分離は、両柄部1aと1bを引離すよう引っ張ることにより膨出部66を嵌着孔67から抜くことにより行うことができる。なお、この固定具6bによる棒状柄部1aと1bとの固定個所は1〜2個所位設けるのが好ましい。
また、前記捕捉具A3およびA4は、引掛部2の反対側には二股の略半円状をした押当部4が設けられているので、引掛用の捕捉具A4aとして押当部4側を把持して使用する場合、前記第2の実施の形態に示す捕捉具A2と同様に強力な把持をすることができる。
また、前記第4の実施の形態を示す捕捉具A4は、捕捉具A4aとA4bとが分離した別体が連結できる構造であるが、連結はしているが分離できない構造としてもよい。また、この連結部(具)は両柄部1aと1bとが前記のようにねじなどで直接連結されても、他の治具などを用いて連結されるものであってもよい。
図示しないが、例えば管状の柄部1aと1bとの外(内)径を異ならせ、一方の棒状柄部1aが他方の棒状柄部1b内に挿通してスライドできる多重管状で、柄部1a、1bを回転して内部に設けたパッキンを圧縮して両柄部1a、1bを締付け固定ができる、その挿入深さにより捕捉具の全長の調節がはかれる構造としてもよい。なお、この構造の場合は捕捉具の全長を最大長さの1/2近くにまで短縮して格納でき、また、柄部を三重管など多重管構造とすることによりさらに格納時全長を短縮することができる。
他の構造としては、管状の柄部1aと1bとを自在継手で連結して、長尺にする場合は両柄部1a、1bを直線状にして端部内に自在継手を収納しピンなどで固定し、衝撃により直線状が折れないよう維持させる。また、格納する場合はピンなどの固定具を抜いた後、両柄部を相反する方向に引張り柄部内から自在継手を引き出し、自在継手を中心として両柄部を同方向に直角に折り曲げ並行させることにより捕捉具の全長を最大長さの約1/2にまで短縮できる。
前記のような柄部1aと1bとが分離できないあるいは分割可能であっても分離しない構造の捕捉具であっても、単独使用を除いては前記第4の実施の形態を示す捕捉具A4と同様の作用効果を奏することができる。
なお、前記実施の形態では引掛具2および押当部4を設けたそれぞれの短尺の柄部1a,1bを並行して固定したが、本考案はこれに限らず長尺の柄部1を備えた前記第1の実施の形態に示す捕捉具A1と既知の刺股とを前記の固定具6aや6bなどを介し一体的に固定した一対を組として格納や携行を行うようにしても、スペースや重量の軽減はないが、整然とした配置と取り扱いを容易にすることができる。
また、図8および図9は本考案の捕捉具A5およびA6の実施の形態を示し、図8は要部の正面図、図9は全体の正面図である。
図8の第5の実施の形態に示す捕捉具A5は、引掛部2の少なくとも内面側に先端が尖った複数本の突起7、…が形成されている。この内方に向いた複数本の突起7、…は、犯人を取り押さえる際、力強い犯人側が手などで捕捉具A5を掴み取ろうとしたり払いのけようとしても手に突起7、…が刺さり、犯人側に捕捉具A5が奪われるのを防ぐことができ、また、引掛部2で犯人の脚部などを引掛けたときは、突起7、…が脚部に刺さることにより犯人の抵抗を弱体化して容易に取り押さえることができる。
図9の第6の実施の形態に示す捕捉具A6は、スタンガンが設けられた捕捉具A6である。図において81は引掛部2の最奥部に取り付けられたスタンガンの高電圧発生装置、82、82は引掛部2の内面側に設けられた電極部、83は柄部1に設けられたスィッチでこれらはリード線(図示しない。)を介し接続されている。
この捕捉具A6は、犯人を捕らえるのに際し引掛部2に脚部が入ったとき抵抗が激しい場合にスィッチ83をオンして電極82、82間に放電を生起させ脚部に電撃を与え犯人に苦痛を生じさせ抵抗意識を弱らせることができる。また、犯人と対峙したとき犯人の身体と離れた位置で放電させて威嚇することもできる。
なお、前記突起7、…およびこのスタンガンは、個々または両者を前記捕捉具A1〜A6に設けることができるもので引掛部2側に限らず、押当部4側に設けてあってもよく、また、前記突起7、…は引掛部2や押当部4の内面側に限らず、内外全周面や犯人の手が届き易い棒状体1部分などに設けてあってもよく、この場合も犯人側に捕捉器具A6を奪い取られるのを防止することができる。
なお、本考案は上記実施の形態1〜6に示す捕捉器具A1〜A6に限るものではない。例えば脚部を捉える引掛部2の形状は、略?形や略逆U字形に限らず円形や多角形状あるいはこれらの複合形のリング状で一部が切欠された開口を有するものであればよく、また、捕捉器具引掛部2の開口部21の先端部には図1中に点線で示すような脚部を捕らえ案内し易いよう外方に向け湾曲した案内部22が形成してあってもよい。また、図10に示すようにその開口部21内に入った脚部などが抜け難いよう、例えば内方には自由に回動するが外方には所定位置以上に回動しない軸支されたストッパーとなる遮断部材23を設けるようにしてもよい。
また、刺股をなす押当部の形状も半円形に限らず、多角形状や開口端部が外方に拡がった略半円形であってもよく、また、その開口部に上記引掛部に設けられたと同様な内部に入った胴部などが抜けにくいよう、内方には自由に回動するが外方には所定位置以上に回動しないストッパーとなる遮断部材が設けられていてもよい。
また、引掛部や押当部を有する棒状の柄部は、外(内)径が異なる複数本の柄部材を直線的に挿入しスライド自在とした多重管とし、その挿入深さによって全長が調節できる構造のものであってもよい。
さらに、捕捉器具に設けられる突起の形状や構成、スタンガン装置の種類や各部の配置は捕捉器具A5、A6に示すものに限るものではない。
A1〜A6:捕捉具、 1,1a、1b:柄部、
2:引掛部、 21、41:開口、
31、32:把持部、 4:押当部、
5:連結部(具)、 6a、6b:固定具、
7:突起、 82:スタンガン電極部、
2:引掛部、 21、41:開口、
31、32:把持部、 4:押当部、
5:連結部(具)、 6a、6b:固定具、
7:突起、 82:スタンガン電極部、
Claims (7)
- 直状の棒状体からなる柄部と、
この柄部の一端側に折り返し設けられた鉤状をなす引掛部と、
を具備していることを特徴とする捕捉具。 - 柄部の他端側には棒状体を折り曲げまたは柄部と交差方向に延在して形成した把持部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の捕捉具。
- 直状の棒状体からなる柄部と、
この柄部の一端側に折り返し設けられた鉤状をなす引掛部と、
前記柄部の他端側に設けられ先端部が二手に分かれた押当部と、
を具備していることを特徴とする捕捉具。 - 引掛部および押当部が設けられた前記棒状体からなる柄部が別体のものからなり、一体的に連結して構成されていることを特徴とする捕捉具。
- 引掛部および押当部が設けられた前記棒状体からなる柄部が別体のものからなり、別体の両者の柄部が組として固定具を介し並置構成されていることを特徴とする請求項4に記載の捕捉具。
- 前記引掛部または押当部の少なくとも一方の内面側には内方に指向した複数個の突起が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5の少なくとも一に記載の捕捉具。
- 前記引掛部または押当部の少なくとも一方にはスタンガンの電極部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5の少なくとも一に記載の捕捉具。
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3147456U true JP3147456U (ja) | 2009-01-08 |
Family
ID=
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7183460B1 (ja) * | 2022-03-07 | 2022-12-05 | 英雄 小池 | 回転捕獲部を有するさすまた |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7183460B1 (ja) * | 2022-03-07 | 2022-12-05 | 英雄 小池 | 回転捕獲部を有するさすまた |
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