JP3147377U - 湿度検知カード - Google Patents

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敏博 大江
眞民 濱田
静香 小林
陽二 十川
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大江化学工業株式会社
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Abstract

【課題】環境負荷の少ない酸塩基指示薬を感湿検知剤として用い、退色を十分に遅らせ、シリカゲルの脱落や包装物への混入、接触を回避し、アルカリ性や酸性環鏡下での長期間の保存に耐えられる湿度検知カードを提供する。
【解決手段】基材3の少なくとも表示面3a側にシリカゲルを担持したポリオレフィン不織布層31を有し、ポリオレフィン不織布層31に表示面3a側から酸塩基指示薬を含む酸性溶液が含浸して、所定の湿度を検知し、検知した湿度に対応した湿度表示色に変色するようにした感湿呈色域を表示面3aに形成し、基材1の表示面3aに、透明または半透明のプラスチックフイルムを感湿呈色域への通気状態を保って積層したことにより目的を達成する。
【選択図】図2

Description

本考案は、例えば、電子部品や機械などを保存する際に乾燥剤を使用する保存方法において、包装容器内など保存環境の湿度を表示する為に使用される湿度検知カードに関するものである。
従来の包装容器内の湿度を表示する湿度指示材としては、塩化コバルトをシリカゲルや紙に含浸したものが使用されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、塩化コバルトは発癌性の可能性がある物質としてIARC 2Bにリストされる物質であり、特に、食品や医薬、化粧料など生体に係る包装物への使用が懸念される。
一方、これに対応するのに、塩化コバルトに代えて、酸塩基指示薬などの有機系の湿度指示薬を用いることも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開 昭52−100379号公報 特開2002−350419号公報
しかし、有機系の湿度指示薬を用いると、退色しやすく湿度に対応した呈色性も低下する。また、シリカゲルは基材への抄き込み、塗布、印刷の別なく、外力を受けるなどして脱落することがあり、湿度検知性能低下の原因になる。また、シリカゲルは脱落の有無なく接触すると保存物などに悪影響を及ぼしかねない。一方、シリカゲルはアルカリ性や酸性環境下で効果を発揮するため、紙に含浸した場合は長期間の保存期間の間に劣化すると言う問題もある。
本考案の目的は、環境負荷の少ない酸塩基指示薬を感湿検知剤として用い、退色を十分に遅らせられて、しかも、シリカゲルの脱落や包装物への混入、接触を回避し、アルカリ性や酸性環鏡下での長期間の保存にも耐えられる湿度検知カードを提供することにある。
上記課題を達成するために、本考案の湿度検知シートは、基材の少なくとも表示面側にシリカゲルを担持したポリオレフィン不織布層を有し、このポリオレフィン不織布層に表示面側から酸塩基指示薬を含む酸性溶液が含浸して、所定の湿度を検知し、検知した湿度に対応した湿度表示色に変色するようにした感湿呈色域を表示面に形成し、基材の表示面に、透明または半透明のプラスチックフイルムを感湿呈色域への通気状態を保って積層したことを特徴としている。
このような構成では、シリカゲルを担持したポリオレフィン不織布層にそれがなす表示面側から発癌性のない酸塩基指示薬を含む酸性溶液を含浸させて感湿呈色域を形成したから、感湿呈色域は表示面が置かれる保存容器内などの検湿環境下で、雰囲気中の湿度に反応して所定の湿度を検知し、検知した湿度に対応した湿度表示色に変色する作用を営み、これが透明、半透明のプラスチックフィルムを透し視認される。特に、基材の表示面に透明または半透明のプラスチックフィルムを感湿呈色域への通気状態を保って積層しているので、感湿呈色域の検湿環境下での雰囲気中の湿気に対する反応を損なわずに、酸塩基試薬を含む酸性溶液が含浸しているシリカゲルの脱粒、包装物への混入、包装物との接触を回避し、また光の透過を制限する分感湿呈色域の退色を抑制することができる。また、酸塩基指示薬はアルカリ性や酸性環境下で湿度検知作用を発揮するが、ポリオレフィン不織布層に含浸していることによりそのような環境下でも含浸層が劣化しにくい。
上記において、さらに、積層するプラスチックフイルムは、穿孔が施され、またはおよび、基材への積層時に基材とプラスチックフィルムとが感湿呈色域への通気路を残して接着されていることを特徴とすることができる。
このような構成では、上記に加え、さらに、基材の表示面に積層されるプラスチックフイルムは、自身に施された穿孔、またはおよび、基材とプラスチックフィルムとの接着部に残された感湿呈色域への通気路による通気にて、感湿呈色域の保存環境の雰囲気中の湿気に対する反応を邪魔せずに、感湿呈色域を保護し、包装物と隔離することの影響なく湿度を検知する通気性が得られる。
上記において、さらに、基材は、表示面に感湿呈色域が設けられたポリオレフィン不織布層と、このポリオレフィン不織布層の表示面とは反対の面に張り合せた張り合わせ材とからなることを特徴とすることができる。
このような構成では、上記に加え、さらに、ポリオレフィン不織布層はその薄さで、シリカゲルや感湿呈色域の抄き込みや含浸、塗布の量を必要最小限に抑えながら、表示面とは反対の面に張り合わせた張り合せ材により、所望の厚みにカード化できるし、表示面とは反対の面の側でのシリカゲルの脱落や保存物などとの接触を防止し、併せて、雰囲気中の湿気の影響や退色を軽減できる。
この場合において、さらに、基材は、そのポリオレフィン不織布層と張り合わせ材との間に接着層ないしは挟み込み層がなす不透湿層を有していることを特徴とすることができる。
このような構成では、上記に加え、さらに、基材のポリオレフィン不織布層と張り合わせ材との間に設けた接着層ないしは挟み込み層がなす不透湿層によって、表示面とは反対の面の側から感湿呈色域に湿気が及ぶのを確実に防止できるし、透視性は不要で遮光も確実に図れる。
上記において、さらに、基材の表示面とは反対の面に不透湿層を有していることを特徴とすることができる。
このような構成では、上記に加え、さらに、基材の表示面とは反対の面に有した不透湿層によって、表示面とは反対の面の側でのシリカゲルの脱落や保存物などとの接触を防止し、併せて、表示面とは反対の面の側から感湿呈色域に湿気が及ぶのを確実に防止できるし、透視性が不要で遮光による退色防止も図れる。
上記において、さらに、感湿呈色域は、基材のシリカゲルを混抄したポリオレフィン不織布層に、酸塩基指示薬を含む酸性溶液を含浸させて、乾燥されたものであることを特徴とすることができる。
このような構成では、上記に加え、さらに、シリカゲルがポリオレフィン不織布層への混抄により基材に担持されて、その全域を表示面とし、酸塩基指示薬を含む酸性溶液を含浸させるだけで1か所以上の特定の箇所に感湿呈色域を設けることができ、しかも、酸性濃度の違いによって検知湿度と検知湿度に対応する湿度表示色を異ならせることができる。
上記において、さらに、プラスチックフィルムは、退色処理が施されたものであることを特徴とすることができる。
このような構成では、上記に加え、さらに、特別な退色処理を施していない透明性のプラスチックフィルムでも感湿呈色域の退色を軽減することができるが、赤外線、紫外線など保存環境に対応した特定の波長を遮光する退色処理を施したものであることにより、感湿呈色域の退色を保存環境に応じ抑制ないしは防止できる。
本考案の湿度検知シートによれば、検湿環境下で、雰囲気中の湿度に反応して所定の湿度を検知し、検知した湿度に対応した湿度表示色に変色する感湿呈色域が、シリカゲルを担持したポリオレフィン不織布層に発癌性のない酸塩基指示薬を含む酸性溶液を含浸させたもので、生体の健康に好適である上、感湿呈色域が露出する基材の表示面への通気状態を保って積層した透明または半透明のプラスチックフィルムにより、前記変色の視認による湿度変化の評価を可能にしながら、光の透過を制限する度合いに応じた感湿呈色域の退色を抑制する上、検湿環境下での雰囲気中の湿気に対する反応を損なわず、酸塩基試薬を含む酸性溶液が含浸しているシリカゲルの脱粒、包装物への混入、包装物との接触を回避し、感湿呈色域および包装物の双方を保護しまた、酸塩基指示薬はアルカリ性や酸性環境下で湿度検知作用を発揮するが、ポリオレフィン不織布層に含浸していることによりそのような環境下でも含浸層が劣化しにくいので、耐久性が高まる。
上記に加え、さらに、プラスチックフイルムは、自身に施された穿孔、またはおよび、基材とプラスチックフィルムとの接着部に残された感湿呈色域への通気路での簡単な通気構造にて、感湿呈色域の保存環境の雰囲気中の湿気に対する反応を確保して、感湿呈色域を保護し、保護物と隔離することの影響なく湿度を検知できる。
上記に加え、さらに、ポリオレフィン不織布層の薄さで、シリカゲルや感湿呈色域の抄き込みや含浸、塗布の量を必要最小限に抑えながら、表示面とは反対の面に張り合わせた張り合せ材により、所望の厚みにカード化して取り扱いやすくして、しかも、表示面とは反対の面の側でのシリカゲルの脱落や保存物などとの接触を防止するのに併せて、雰囲気中の湿気の影響を軽減でき、感湿呈色域の耐久性が高まる。
これに加え、さらに、基材の表示シートと張り合わせ材との間に設けた接着層ないしは挟み込み層がなす不透湿層によって、表示面とは反対の面の側から感湿呈色域に湿気が及ぶのを確実に防止できるし、透視性が不要で確実な遮光が図れるので、感湿呈色域の耐久性が高まる。
上記に加え、さらに、基材の表示面とは反対の面に有した不透湿層によって、表示面とは反対の面の側でのシリカゲルの脱落や保存物などとの接触を防止し、併せて、表示面とは反対の面の側から感湿呈色域に湿気が及び、また退色するのを確実に防止できる。
上記に加え、さらに、シリカゲルがポリオレフィン不織布層への混抄により基材に簡易に担持されて、その全域を安価に表示面とすることができ、酸塩基指示薬を含む酸性溶液を滴化、塗布、印刷するなどして含浸させるだけで1か所以上の特定の箇所に感湿呈色域を設けられ、異なった箇所での感湿呈色域それぞれの酸性濃度の違いにより検知湿度と検知湿度に対応する湿度表示色を異ならせて、検知する湿度とそれに対応する変色を経時的かつ段階的に表示し、経時的な湿度変化の評価に供するのに便利になる。
上記に加え、さらに、特別な退色処理を施していない透明性のプラスチックフィルムでも感湿呈色域の退色を軽減することができるが、赤外線、紫外線など保存環境に対応した特定の波長を遮光する退色処理を施したものであることにより、感湿呈色域の退色を効果的に、つまり必要最低限の遮光により透視性をできるだけ損なわないで抑制ないしは防止できる。
本考案のそれ以上の目的および特徴は、以下の具体的な説明および図面によって明らかになる。
本考案の実施の形態に係る湿度検知カードにつき、図を参照しながら以下に説明し、本考案の理解に供する。しかし、以下の記載は本考案の具体例であって、実用新案登録請求の範囲の記載を限定するものではない。
図1〜図3に示す例、図4に示す例の湿度検知カード1は、基材3のシリカゲルを担持し少なくとも表示面3aをなすポリオレフィン不織布層31に、表示面3aの側から酸塩基指示薬を含む酸性溶液を含浸させて、所定の湿度を検知し、検知した湿度に対応した湿度表示色に変色するようにした感湿呈色域2を表示面3aに露出して形成してあり、この基材3の表示面3aに、透明または半透明のプラスチックフイルム4を感湿呈色域2への通気状態を保って積層したものとしている。このように、シリカゲルを担持したポリオレフィン不織布層31に発癌性のない酸塩基指示薬を含む酸性溶液を含浸させて感湿呈色域2とし、これを基材3の表示面3aに露出して設けたことにより、感湿呈色域2は表示面3aが置かれる保存容器内などの検湿環境下で、雰囲気中の湿度に反応して所定の湿度を検知し、検知した湿度に対応した湿度表示色に変色する作用を営み、これが透明または半透明のプラスチックフィルム4を透し視認される。特に、基材3の表示面3aに透明または半透明のプラスチックフィルム4を感湿呈色域2への通気状態を保って積層しているので、感湿呈色域2の検湿環境下での雰囲気中の湿気に対する反応を前記通気性によって損わずに、シリカゲル、特に、酸塩基試薬を含む酸性溶液が含浸しているシリカゲルの脱粒、包装物への混入、包装物との接触を回避し、また光の透過を制限する分感湿呈色域2の退色を抑制することができる。また、酸塩基指示薬はアルカリ性や酸性環境下で湿度検知作用を発揮するが、ポリオレフィン不織布層31に含浸していることによりそのような環境下でも含浸層が劣化しにくい。
この結果、検湿環境下で、雰囲気中の湿度に反応して所定の湿度を検知し、検知した湿度に対応した湿度表示色に変色する感湿呈色域2が、シリカゲルを担持したポリオレフィン不織布31に発癌性のない酸塩基指示薬を含む酸性溶液を含浸させたもので、生体の健康に好適である上、感湿呈色域2が露出する基材3の表示面3aへの通気状態を保って積層した透明または半透明のプラスチックフィルム4により、前記変色の視認による湿度変化の評価を可能にしながらも、光の透過を制限する度合いに応じた感湿呈色域2の退色を抑制する上、検湿環境下での雰囲気中の湿気に対する反応を損なわず、シリカゲル、特に酸塩基試薬を含む酸性溶液が含浸しているシリカゲルの脱粒、包装物への混入、包装物との接触を回避し、感湿呈色域2および包装物の双方を保護でき、かつ、酸塩基指示薬はアルカリ性や酸性環境下で湿度検知作用を発揮するが、ポリオレフィン不織布層31に含浸していることによりそのような環境下でも含浸層が劣化しにくいので、耐久性が高まる。
ここで、基材3に積層するプラスチックフイルム4は、穿孔が施され、またはおよび、基材3への積層時に基材3とプラスチックフィルム4とが感湿呈色域2への図2、図3に示すような通気路5を残して接着されていることにより、感湿呈色域2への通気性が容易かつ安価に満足でき、プラスチックフイルム4は、自身に施された穿孔、またはおよび、基材3とプラスチックフィルムとの接着部に残された感湿呈色域への通気路5による通気にて、感湿呈色域の2保存環境の雰囲気中の湿気に対する反応を邪魔せずに、表示面全体、特に、感湿呈色域2を覆って保護し、包装物と隔離することの影響なく湿度を検知する通気性が得られる。
なお、穿孔や接着は、プラスチックフィルム4の連続した搬送過程で容易かつ迅速に実行することができるし、通気路5を残した接着は、図2、図3に示すように基材3の表示面3aとプラスチックフィルム4との間に通気路5のスペースを確保できるスぺーサとなる接着剤6によるのが好適である。しかし、これに限られることはなく、溶着などによっても通気路5を未溶着による非密着部として形成することもできる。通気路5を残す接着態様は、図2、図3に示すようなドット状に散在した接着部、ライン状に散在した接着部、通気路5の連続性を阻害しないように各所で分断した格子状などの各種形態を適用できる。
また、基材3は、図3の例で示すように、表示面3aに感湿呈色域2が設けられたシリカゲルを担持したポリオレフィン不織布層31と、このポリオレフィン不織布層31の表示面3aとは反対の面31aに張り合せた張り合わせ材32とからなるものとすることができる。これにより、表示シート31はその薄さで、シリカゲルや感湿呈色域2の抄き込みや含浸、塗布の量を必要最小限に抑えながら、表示面3aとは反対の面31aに張り合わせた張り合せ材32により、所望の厚みにカード化できるし、表示面3aとは反対の面31aの側でのシリカゲルの脱落や保存物などとの接触の防止、雰囲気中の湿気の影響や退色を軽減でき、感湿呈色域2の耐久性が高まる。
さらに、基材3は、図2に示すようにそのポリオレフィン不織布層31と張り合わせ材31との間に接着層ないしは挟み込み層がなす不透湿層33を有したものとすることができる。これにより、基材3のポリオレフィン不織布層31と張り合わせ材32との間に設けた接着層ないしは挟み込み層がなす不透湿層33によって、表示面3aとは反対の面3bの側から感湿呈色域2に湿気が及ぶのを確実に防止できるし、透視性は不要で遮光による退色防止も確実に図れるので、感湿呈色域2の耐久性が高まる。
これに代えて、基材3の表示面3aとは反対の面3bに図2に仮想線で示すように不透湿層34を有したものとすることもできる。このように、基材3の表示面3aとは反対の面3bに有した不透湿層34によって、表示面3aとは反対の面3bの側でのシリカゲルの脱落や保存物などとの接触を防止し、併せて、表示面3aとは反対の面の側から感湿呈色域2に湿気が及ぶのを確実に防止できるし、透視性が不要で遮光による退色防止も図れるので、感湿呈色域2の耐久性が高まる。このような不透湿層33、34はプラスチック層でもよいがアルミニウム系などの金属箔とすることもできる。
また、感湿呈色域2は、基材3のシリカゲルを混抄したポリオレフィン不織布層31に、酸塩基指示薬を含む酸性溶液を含浸させて、乾燥されたものとすることができる。これにより、シリカゲルが基材3のポリオレフィン不織布層31への混抄にて基材3に担持されて、その全域を表示面3aとし、酸塩基指示薬を含む酸性溶液を含浸させるだけで1か所以上の特定の箇所に感湿呈色域2を形成することができ、しかも、酸性濃度の違いによって検知湿度と検知湿度に対応する湿度表示色を異ならせることができる。従って、シリカゲルがポリオレフィン不織布層31への混抄により基材3に簡易に担持されて、その全域を安価に表示面3aとすることができ、酸塩基指示薬を含む酸性溶液を滴化、塗布、印刷するなどして含浸させるだけで1か所以上の特定の箇所に感湿呈色域2を設けられ、図1に示すように異なった箇所での感湿呈色域2それぞれの酸性濃度の違いにより検知湿度と検知湿度に対応する湿度表示色を異ならせて、検知する湿度とそれに対応する変色を経時的かつ段階的に色・湿度指標7と共に表示し、経時的な湿度変化の評価に供するのに便利になる。最も、図3に示すように1か所の感湿呈色域2であっても、吸湿度合に応じて順次異なった色に変色するのを対応する色で表示した色指標8を設けて湿度変化の評価に供することもできる。
ここに、湿度検知カード1は、図1に示されるように、シリカゲル混抄ポリオレフィン不織布31に印刷がなされ、感湿呈色対象域に酸塩基指示薬溶液を滴下することで感湿呈色域2が所定の形状および大きさに形成できる。シリカゲルは相対湿度が上昇すれば水蒸気を吸着し、含水率が高くなる。従って、酸性溶液中に酸塩基指示薬としてニュートラルレッドを使用した場合、湿度の低い状態では酸性度が高く、相対湿度の上昇とともに酸性度が低くなるため、青色から赤色に変化する。酸性溶液の濃度を制御することにより、5から60%RHの湿度で赤色に変色する湿度検知カード1を得ることができる。酸塩基指示薬はアルカリ性や酸性環境下で湿度検知作用を発揮するが、不織布がポリオレフィン不織布であることによりそのような環境下でも劣化しにくく、耐久性が向上する。
また、プラスチックフィルム4は、退色処理が施されたものとすることができ、特別な退色処理を施していない透明性のプラスチックフィルム4でも感湿呈色域の退色を軽減することができるが、赤外線、紫外線など保存環境に対応した特定の波長を遮光する退色処理を施したものであることにより、感湿呈色域の退色を感湿呈色域の退色を効果的に、つまり必要最低限の遮光により透視性をできるだけ損なわないで抑制ないしは防止できる。それには、プラスチックフィルム4は、赤外線、紫外線など保存環境下で想定される特定波長による退色に応じた対策を講じる遮光性のコート剤で被覆したもの、あるいは遮光材を含有したものなどとすることができる。透明もしくは半透明のプラスチックフイルム4が積層されていない場合は、24時間以内に退色する酸塩基指示薬もあるので、以上のような退色対策は重要である。
また、ポリオレフィン不織布へのシリカゲル粉末の担持は、紙の製造と同様に湿式法で得ることがもっとも効率的な方法である。しかし、シリカゲル粉末は、ポリオレフィン繊維の間隙に担持されるため、接着剤で付着させても脱落する可能性が高いので、シリカゲルの脱落は保存物に対して悪影響を及ぼすので、既述のように表示面3aおよびその反対の面3b側の両方に脱落防止層を設けるのが好適である。
さらに詳述すると、シリカゲル混抄のポリオレフィン不織布31は、経済性を考慮に入れ坪量30g〜150g/mを使用する場合、硬さが不足しカード状にならない為、既述の張り合わせ材32として合成紙「ユポ」(ユポ・コーポレーション製)あるいは、合成紙「ピーチコート」(日清紡績(株)製)などのプラスチック合成紙を積層するのが好適である。パルプ厚紙も適用は可能であるが、パルプ厚紙とシリカゲル混抄ポリオレフィン不織布の間にポリエチレン20〜80μなどのポリオレフィンフイルムを接着層として使用する方が、光に対する劣化防止には有効である。また、当然ながら光遮断性を有するアルミ箔やこれを含む複合フイルムをホットメルト樹脂や種々の接着剤でシリカゲル混抄ポリオレフィン不織布に接着し積層することも有効である。ポリオレフィン不織布に混抄するシリカゲルは、JIS Z−0701に規定されるA形、B形、あるいは、これより細孔径、細孔容積の大きなC形など、種々のシリカゲルが使用でき、これらのシリカゲルの吸湿特性を基に、相対湿度5%から90%までの湿度検知カードを作成することが可能である。ポリオレフィン不織布として使用される繊維は、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、ポリプロピレンが主であり、製造助剤的に、ポリエステル繊維やナイロン繊維などを少量添加する。耐酸性や耐塩基のある不織布にシリカゲルを混抄することが重要である。
また、酸塩基指示薬として、食用青色1号(ブリリアントブルーFCF及びそのアルミニウムレーキ)または食用緑色3号(ファストグリーンFCF及びそのアルミニウムレーキ)を用いれば、食品添加物として認められた呈色成分であるので安全で環境の負荷の少ないものである上、1つの指示薬でphの変化により、例えば緑色3号であれば橙色から黄、緑、青緑と段階的に呈色変化するので、その変更色が明瞭であり判別が容易かつ正確となる。
また、多孔質材であり一定の吸湿性能を有するシリカゲルにおいては、その孔への酸性物質の含浸量によってpHは決定されるので、酸性物質の含浸濃度を変化させることによって、所定の湿度に対応した前記酸塩基指示薬の呈色変化を変位させ、湿度検知材における湿度表示色の色相を調整することができる。そして酸性物質の含浸濃度に応じて、明瞭な呈色変化が得られるような適切な酸塩基指示薬を選択すると良い。同一の酸性物質、酸塩基指示薬、シリカゲルを使用する場合については、水素イオン濃度を高めれば湿度表示色が高湿度側に変位し、水素イオン濃度を低めれば、低湿度側に変位する。
また、酸性物質としては硫酸のほか、燐酸等の無機酸、蓚酸、クエン酸、スルホン酸等の有機酸等が挙げられる。酸塩基指示薬およびそれに対応するpHと呈色変化の一覧を下記の表1に示す。
Figure 0003147377
以下に実施例を示す。
実施例1.
平均細孔径11μmのシリカゲルB形を50%混抄したポリエチレン湿式不織布を0.02規定濃度のベンゼンスルホン酸水溶液250mlとメチルバイオレット10mg加えた溶液に、1時間浸し着色不織布を得た。これを80℃以下で乾燥した後、ポリエチレンフイルム30μmと積層して、ピーチコート合成紙上にポリエチレンフイルム30μm側と接着した。さらに、ポリエステル12μmとポリエチレン15μmとが積層されたフイルムに0.2mmφの孔を約7000個/m開け、ポリエチレン側をポリオレフィン不織布に積層し、湿度検知シートを得た。このシートは、湿度20%以下で黄色、30%RHで薄緑色、40%RHで緑、60%RHで青、80%RHで紫を呈した。湿度の変化と共に色が連続的に変化することが確認された。このシートをカード状に切断し、シリコン蒸着防湿フイルム袋に、精密機械部品を乾燥剤シリカゲルとともに封入した。25℃60%RH室内に放置したところ、24時間後には、検知剤は黄色となり、180日後は薄緑色であることが包装外より確認できた。
実施例2.
平均粒子径8.2μmのシリカゲルA形を50%混抄したポリエチレン不織布にプラスチックフイルムを積層した後、プラスチックフイルムを積層していない面に、図1の印刷をなし、さらに、図1の50%RH感湿部に0.05規定濃度の硫酸水溶液250mlとニュートラルレッド10mg加えた溶液を10μlを滴下し5%RH湿度検知指示部とし、また、0.1規定濃度の硫酸水溶液250mlとニュートラルレッド10mg加えた溶液10μlを同様に10%RHの湿度検知指示部に滴下した。更に0.15規定とした硫酸水溶液とニュートラルレッドの混合溶液を15%RHの湿度検知指示部に滴下した。乾燥後、表面にポリプロピレンフイルム40μmとポリエチレンフイルム30μmが積層されたプラスチックフイルムをUV硬化型粘着剤を湿度検知部以外の表面に点状に印刷して、積層し、相対湿度5%、10%、15%のそれぞれのスポットで表示湿度に応じて青色から赤色に変化する湿度検知カードを作成した。このカードを塩化ビニリデンをコートしたポリプロピレンフイルム20μmとポリエチレンフイルム40μmが積層されたプラスチック防湿袋に、カメラ部品を乾燥剤シリカゲルとともに封入した。乾燥している間は、各湿度指示部は青色であったが、保存期間90日後には10%RH指示部までが赤色に変化し15%RH部は青色のままであった。物品保存袋内の湿度を食品と共に明瞭に確認することができた。
本考案は、保存物の保存環境下の湿度を、シリカゲルを担持したポリオレフィン不織布に酸塩基指示薬を含む酸性溶液を含浸させて検知するのに、シリカゲルの脱落、保存物への混入や接触、酸生成分の保存物への接触を回避し、かつ、感湿呈色域の耐食もアルカリ性、酸性環鏡下での劣化を抑制できる。
本考案の湿度検知カードの1つの例を示す平面図。 同湿度検知カードの断面図。 同湿度検知カードのポリオレフィン不織布層が形成する表示面を示す平面図。 本考案の湿度検知カードの別の例を示す平面図。
符号の説明
1 湿度検知カード
2 感湿呈色域
3 基材
3a 表示面
3b 表示面と反対の面
4 プラスチックフィルム
5 通気路
6 接着剤
7 色・湿度指標
8 色指標
31 ポリオレフィン不織布層
31a 表示面と反対の面
32 張り合わせ材
33 不透湿度層

Claims (7)

  1. 基材の少なくとも表示面側にシリカゲルを担持したポリオレフィン不織布層を有し、このポリオレフィン不織布層に表示面側から酸塩基指示薬を含む酸性溶液が含浸して、所定の湿度を検知し、検知した湿度に対応した湿度表示色に変色するようにした感湿呈色域を表示面に形成し、
    基材の表示面に、透明または半透明のプラスチックフイルムを感湿呈色域への通気状態を保って積層した
    ことを特徴とする湿度検知カード。
  2. 積層するプラスチックフイルムは、穿孔が施され、またはおよび、基材への積層時に基材とプラスチックフィルムとが感湿呈色域への通気路を残して接着されていることを特徴とする請求項1に記載の湿度検知カード。
  3. 基材は、表示面に感湿呈色域が形成さられたポリオレフィン不織布層と、このポリオレフィン不織布層の前記表示面とは反対の面に張り合せた張り合わせ材とからなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の湿度検知カード。
  4. 基材は、そのポリオレフィン不織布層と張り合わせ材との間に接着層ないしは挟み込み層がなす不透湿層を有していることを特徴とする請求項3に記載の湿度検知カード。
  5. 基材の表示面とは反対の面に不透湿層を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の湿度検知カード。
  6. 感湿呈色域は、基材のシリカゲルを混抄した不織布層に、酸塩基指示薬を含む酸性溶液を含浸させて、乾燥されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の湿度検知カード。
  7. プラスチックフィルムは、退色処理が施されたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の湿度検知カード。
JP2008007209U 2008-10-14 湿度検知カード Expired - Lifetime JP3147377U (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016013513A (ja) * 2014-07-01 2016-01-28 ピアテック有限会社 調湿プレート
JP2016098363A (ja) * 2014-11-26 2016-05-30 国立大学法人室蘭工業大学 湿度感受性を有する混合物

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