JP3145964U - 弁機構及び輸液セット - Google Patents

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Abstract

【課題】液送する液体の種類に関わらず用いることができ、輸液ラインに液体を残留させつつ確実に液体を停止することのできる弁機構及び輸液セットを提供する。
【解決手段】液送ラインに設けられる弁機構1である。上部に液体を流入させる流入部6を有し、下部に流入部6から流入した液体を流出させるテーパ孔部9aを有した流出部11を有してなる弁保持容器2と、弁保持容器2内に上下移動可能に保持される弁体3と、を備えてなる。弁体3は、テーパ孔部9aに当接してこれを開閉可能に閉塞する液止部16と、液止部16の上方に配置されて浮力により上昇する浮力部17とを有する。浮力部17は、液止部16に一体に設けられているとともに、液止部16との間に気密に保持された中空部18を有してなる。
【選択図】図1

Description

本考案は、例えば医療用の輸液ラインに用いられる弁機構、及び輸液セットに関する。
病院で点滴を受けた際、輸液製剤(液体)の終了が近づくと、点滴筒内が空になり、接続チューブ内に残留する輸液製剤も体内へ注入される。この状態をそのままに放置すると、血管に繋がったチューブ内に空気が貯留され、次の輸液製剤の注入の際に体内へその空気が注入されるおそれがある。したがって、このような事態が生じるの回避する必要から、医療従事者の負担が大きくなっている。また、血液(液体)がチューブ内に逆流して凝固してしまった場合、次の輸液を注入する際、体内に刺針された輸液用針(注入針)を再刺入しなければならず、患者の苦痛が大きくなるおそれがある。
そのため、従来では、輸液製剤の注入が完了しても、空気がチューブ内に入り込まないようにした輸液ライン(液送ライン)が提供されている。
例えば、実開平5−7244号公報には、吊り下げた輸液瓶下部に差し込まれる瓶針と、点滴状態を確認する点滴筒と、クランプ及びその先端の静脈針とからなるセットにおいて、点滴筒内に輸液より軽いチェックボールを配置し、点滴筒内の輸液面と一緒に下降するチェックボールがチューブ入口を閉塞して空気のチューブへの流入を阻止するものがある。
しかしながら、このチェックボールは、輸液の比重よりも僅かに小さい比重を有するように形成されるもので、製造が困難となるだけでなく輸液製剤の種類に応じた比重のチェックボールを用意しなければならず、汎用性に欠けてしまう。さらに、チェックボールの比重によっては輸液製剤内での浮き方が弱く、輸液製剤が流れ難いという問題がある。また、チューブ入口を中央に有する点滴筒の底面は、液面に対して平行となっているため、点滴筒が少しでも傾くとチェックボールが左右にズレてしまい、確実にチューブ入口を閉塞することができないおそれも出てくる。さらに、液送すべき液体が輸液製剤ではなく、血液等の場合もあり、比重だけでなく液体の粘性によってもチェックボールの浮き沈みが不十分となり易い。
本考案は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、液送する液体の種類に関わらず用いることができ、輸液ラインに液体を残留させつつ確実に液体を停止することのできる弁機構及び輸液セットを提供することにある。
前記目的を達成するため本考案の弁機構は、液送ラインに設けられる弁機構であって、上部に液体を流入させる流入部を有し、下部に前記流入部から流入した液体を流出させるテーパ孔部を有した流出部を有してなる弁保持容器と、前記弁保持容器内に上下移動可能に保持される弁体と、を備えてなり、前記弁体は、前記テーパ孔部に当接してこれを開閉可能に閉塞する液止部と、該液止部の上方に配置されて浮力により上昇する浮力部とを有し、前記浮力部は、前記液止部に一体に設けられているとともに、該液止部との間に気密に保持された中空部を有してなることを特徴としている。
この弁機構によれば、液止部がテーパ孔部に当接してこれを閉塞することにより、弁保持容器内に液体を貯留させつつ液体の輸送を停止することができる。つまり、液体で満たされた弁保持容器内では浮力部の浮力によって浮いていた弁体が、輸送する液体の終了が近づいてその液面が浮力部より下がると、十分な浮力が得られなくなって弁体が下降する。すると、液止部が弁保持容器のテーパ孔部に当接し、これによって弁保持容器内が確実に閉塞するようになる。
また、浮力部は、液止部に一体に設けられているとともに、該液止部との間に中空部を有してなるので、液体の種類に関わらず十分な浮力を生じさせることができ、これによって種々の液体に対応可能となる。さらに、中空部が気密に保持されているので、液体が中空部に入り込み、浮力部による浮力が適正に得られなくなってしまうおそれも回避される。
また、前記弁機構においては、前記弁体に、前記液止部の底部から突出して前記流出部内に挿入される軸部が設けられているのが好ましい。
このようにすれば、軸部が流出部内に挿入されることにより、弁体の液止部が流出部のテーパ孔部に案内されるようになり、これによって液止部がテーパ孔部に確実に当接し、閉塞するようになる。
なお、前記軸部は、前記浮力部の前記中空部側に設けられて前記液止部を貫通し、該液止部の底部から突出しているのが好ましい。
このように軸部が液止部を貫通していることにより、液止部と浮力部との間の結合がより強固になり、中空部の気密がより良好に保持されるようになる。
また、前記弁機構においては、前記弁保持容器に、前記弁体が前記弁保持容器内から抜け出るのを規制する規制部が設けられているのが好ましい。
このようにすれば、弁機構に不測の外力が作用することなどにより、弁体が弁保持容器内から抜け出てしまうことが防止される。
なお、前記規制部は、前記弁保持容器の前記流入部側に形成されたくびれ部からなり、該くびれ部は、前記弁体の外径より少なくとも一部が小径に形成された内径を有しているのが好ましい。
このように、弁保持容器の前記流入部側にくびれ部を形成するので、例えば樹脂で弁保持容器を成形する際、くびれ部を一体に成形することにより、生産性を良好にすることができる。
また、前記弁機構においては、前記弁保持容器に、前記弁体の水平方向への移動を規制して上下方向に移動するように、該弁体を上下方向に案内するガイド部が設けられているのが好ましい。
このようにすれば、弁機構に不測の外力などが作用しても、弁体は水平方向に移動することなく上下方向にのみ移動するようになり、したがって弁体の液止部が流出部のテーパ孔部に確実に案内され、テーパ孔部に当接してこれを閉塞するようになる。
また、前記弁機構においては、前記液送ラインが医療用の輸液ラインであるのが好ましい。
このようにすれば、弁機構の作用によって液体が残留している状態でこの液体の輸液が自動的に停止するため、輸液ラインから体内に空気が注入されるおそれがなくなり、また、血液(液体)が輸液ライン内に逆流して凝固してしまうおそれもなくなる。
また、本考案の輸液セットは、一端側に輸液パックが連結可能であり、他端側に人体内へ刺入される注入針を有して輸液ラインを構成する輸液セットであって、輸液ラインの途中に前記の弁機構が配置されてなることを特徴としている。
この輸液セットによれば、輸液ラインの途中に前記の弁機構が配置されてなるので、弁機構の作用によって液体が残留している状態でこの液体の輸液が自動的に停止することにより、輸液ラインから体内に空気が注入されるおそれがなくなり、また、血液(液体)が輸液ライン内に逆流して凝固してしまうおそれもなくなる。
本考案の弁機構にあっては、弁保持容器内に液体が残留している状態で、弁体によって弁保持容器内が確実に閉塞されるように構成されているので、空気等の目的とする液体以外のものが流出部より流れ出るのを確実に防止することができる。また、浮力部が、液体の種類に関わらず十分な浮力を生じさせ、これによって種々の液体に対応可能となっているので、汎用性の高いものとなる。さらに、中空部が気密に保持され、これによって浮力部による浮力が常に適正に得られるようになっているので、使用にあたっての信頼性が極めて大きいものとなる。
また、本考案の輸液セットにあっては、前記の弁機構を輸液ラインの途中に配置しているので、輸液ラインから体内に空気が注入されるおそれがなく、したがって医療従事者の負担を軽減することができる。また、血液(液体)が輸液ライン内に逆流して凝固してしまうおそれもないため、患者の苦痛が大きくなるおそれも回避することができる。
次に、本考案を詳しく説明する。
図1(a)、(b)は、本考案の弁機構の一実施形態の概略構成を示す側断面図であり、これらの図において符号1は弁機構である。この弁機構1は、医療用の輸液ライン(液送ライン)の途中に設けられたもので、輸液製剤(液体)を通過させる有底円筒状の弁保持容器2と、該弁保持容器2内に上下動可能に保持された弁体3とから構成されたものである。
弁保持容器2は、円筒部4とこの円筒部4の下部開口を覆う円板状の底部5とからなる樹脂製のもので、円筒部4の上部開口を流入部6とし、底部5に接続管7を形成したものである。流入部6は、本実施形態では外部輸液手段(以下、チューブとする)8に円筒部4が内挿することで該チューブ8に接続され、このチューブ8を介して図示しない輸液パックから輸液製剤を輸液(流入)するよう、構成されたものである。
底部5は、円筒部4に比べて厚く形成されたもので、その中心部に貫通孔9を形成したものである。貫通孔9は、底部5の内面側に、この内面に向かうに従って漸次拡径するテーパ状のテーパ孔部9aを有し、底部5の外面側に、テーパ孔部9aに連通し、かつ、該テーパ孔部9aの最小径と同じ内径の小径部9bを有したものである。また、この底部5の外面には、円筒状の前記接続管7が一体に形成されており、該接続管7の内部孔7aと前記貫通孔9とは連通した状態に形成されている。接続管7は、外部輸液手段(チューブ)10に内挿することで該チューブ10に接続され、このチューブ10を介して図示しない注入針に輸液製剤を輸液(流入)するものである。
このような構成のもとに、前記貫通孔9とこれに連通する内部孔7aを有する接続管7とは、前記流入部6から円筒部4内(弁保持容器2内)に流入した液体を流出させる、流出部11となっている。
また、前記円筒部4には、弁機構1の分解斜視図である図2に示すように、その内部孔4a内に前記弁体3を保持するようになっている。
円筒部4の内部孔4aには、図2、図3に示すように、その中央部に後述する弁体3の浮力部より僅かに大径となる保持部12が形成されている。そして、この保持部12の周囲には、周方向に等間隔で、略半円形の断面形状を有する流入溝13が4つ形成されている。保持部12の四方に配置された流入溝13は、全て同じ形状・大きさに形成されたもので、その周方向における内側が、保持部12に連通した状態に形成されたものである。
また、これら流入溝13のうちの隣り合う流入溝13、13間に位置する内面、すなわち保持部12の一部を構成する内面は、後述する弁体3を上下方向に案内するガイド部14となっている。
また、円筒部4には、その流入部6側の外面の、前記の各ガイド部14より僅かに外周側の部位に、該円筒部4と一体に成形されてなる4つの規制片15が形成されている。これら規制片15は、後述するように前記弁体3が弁保持容器2内から抜け出るのを規制するためのものである。なお、これら規制片15は、弁保持容器2の製造時(成形時)には図2に示したように円筒部4の軸方向に沿って立った状態に形成され、その後弁機構1の組み立て時において、前記保持部12内に弁体3を保持させた後、図1(a)、(b)中実線で示すように、折り曲げられて使用されるようになっている。
弁体3は、図1、図2、図4に示すように、前記弁保持容器2の保持部12内に保持されるもので、弁保持容器2の底部5側、すなわち弁保持容器2の下部に配置される液止部16と、弁保持容器2の流入部6側、すなわち弁保持容器2の上部に配置される浮力部17と、を有してなる樹脂製のものである。
液止部16は、塩化ビニルやポリプロピレンなどの軟質の樹脂からなるもので、図1(a)、(b)、図4に示すように半球状の閉塞部16aと、この閉塞部16aの平面側に一体に設けられた円板部16bとからなるものである。閉塞部16aは、後述する輸液時においては、図1(a)に示すように弁保持容器2の底部5のテーパ孔部9aを開放し、液が残り僅かになったときには、図1(b)に示すようにテーパ孔部9aを閉塞するよう、該テーパ孔部9aに対して係脱可能に形成されたものである。また、この液止部16には、その中心軸に沿って貫通孔16cが形成されている。
浮力部17は、例えば液止部16に比べて硬質な樹脂からなる有蓋円筒状のもので、その開口部側が液止部16の円板部16bの外周部に嵌合し、その状態で液止部16に熱溶着あるいは接着等によって気密に封止され固定されたものである。このような構成のもとに浮力部17は、液止部16に一体に固定されるとともに、該液止部16との間に気密に保持された中空部18を有している。
また、浮力部17には、液止部16と反対の側の蓋部の内面に軸部19が形成されている。この軸部19は、蓋部の内面から中空部18内を通過し、液止部16の貫通孔16cを貫通して液止部16の底部から突出したものである。ここで、軸部19は貫通孔16cに対して気密に挿通しており、これによって前記中空部18は気密な状態に保持されている。また、軸部19は、図1(a)に示したように弁体3が浮力により浮いている状態にあっても、その一部が常に貫通孔9内の小径部9b内に位置しているよう、液止部16から突出する長さが決められている。
また、前記中空部18は、浮力部17と液止部16とが大気中で一体に嵌合させられ、軸部19が貫通孔16cに挿通させられたことにより、空気が充填された状態になっている。したがって、浮力部17はこの中空部18が十分に軽くなっていることにより、比重の異なる種々の液体に対して所望の浮力を生じるようになっている。
このような構成からなる弁体3は、図2、図3に示すように、軸部19を下にして流入部6側から円筒部4の保持部12に収容される。すると、軸部19は貫通孔9内に案内され、ここに挿通される。また、弁体3は保持部12に形成されたガイド部14によって水平方向の移動が規制され、ほぼ上下方向のみに移動可能となるように保持される。
このようにして保持部12に弁体3を保持させたら、図1(a)、(b)中に二点鎖線で示した立った状態の規制片15を、実線で示すように内側に折り曲げる。すると、この規制片15は保持部12の開口の上方に位置するようになり、弁体3が保持部12から抜け出るのを規制するストッパーとして機能するようになる。
このように、規制片15によって弁体3が保持部12から抜け出ないように固定することにより、本考案の一実施形態としての弁機構1が得られる。
この弁機構1は、前述したように医療用の輸液ライン(液送ライン)に用いられるもので、具体的には、図5に示す輸液セット50における輸液ラインの途中に配設されて用いられる。輸液セット50は、本考案の輸液セットの一実施形態となるもので、一端側に輸液パック52を連結可能とし、他端側に人体内へ刺入される静脈針53(注入針)を有して輸液ラインを構成したものである。
詳しくは、所定高さに吊り下げられる輸液製剤51の入った輸液パック52に一端が連結され、他端側に人体内へ刺入される静脈針53を有するチューブ54と、チューブ54の途中に設けられて輸液製剤51の滴下状態を確認する点滴筒55と、輸液速度を調節するクランプ56とを備え、輸液パック52内の輸液製剤51をチューブ54等を介して人体内に投与するものである。
弁機構1は、このようなチューブ54における点滴筒55の下流側に設けられるもので、弁保持容器2の流入部6を上流側にして、例えば、静脈針53の近傍に配置される。図5においては、クランプ56の下方に弁機構1が設けられているが、クランプ56と弁機構1との位置関係はこれに限ったものではない。さらに、弁機構1は、輸液ラインの途中に設けられていればよく、前述したようにチューブ54の途中に設けてもよいし、点滴筒55の底部に組み込んで点滴筒55と一体的に形成配置してもよい。
輸液セット50に弁機構1を配設するには、点滴筒55を備える上方チューブ54aと、静脈針53を備える下方チューブ54bとにチューブ54を分け、これら上方チューブ54aと下方チューブ54bとをそれぞれ弁保持容器2に取り付ける。すなわち、上方チューブ54a(チューブ8)を円筒部4に外挿し、下方チューブ54b(チューブ10)を接続管7に外挿することで、これら上方チューブ54aと下方チューブ54bとの間に弁機構1を取り付ける。こうして、直立状態となるように保持された弁機構1は、図1(b)に示したように、弁体3の液止部16がテーパ孔部9aに当接した状態となる。
次に、輸液を開始した状態、さらには停止状態とする弁体3の動きについて、図1(a)、(b)を参照して説明する。
輸液を開始するには、チューブ54内を輸液製剤51で満たして空気を完全に排出させる必要がある。すなわち、輸液を開始すると、輸液パック52内の輸液製剤51は、点滴筒55及びクランプ56を通って一定の量で流出し、上方チューブ54aから弁機構1の流入部6に流入し、さらに流入溝13を通って保持部12内に到り、その底部側から除々に貯留されていく。
そして、保持部12内に貯留された輸液製剤51の液面が弁体3の液止部16の底部側(閉塞部16a側)より上昇すると、弁体3は輸液製剤51の浮力を受けるようになる。ただし、液面が十分に上昇しない段階では、弁体3が受ける浮力は小さく、したがって弁体3は上昇することなく当初の位置に保持され、したがって液止部16がテーパ孔部9aを閉塞した状態を維持する。
輸液製剤51がさらに流入し、その液面が弁体3の浮力部17に対応する位置まで上昇すると、弁体3は大きな浮力を受けることで上昇する。これにより、液止部16の閉塞部16aは図1(a)に示したようにテーパ孔部9aから離間し、テーパ孔部9aを開放する。すると、輸液製剤51はテーパ孔部9a内に流入し、貫通孔9aを通って流出部11から流出する。
こうして、輸液製剤51が自然に流れていくようになり、輸液が実質的に開始される。すなわち、輸液製剤51は、貫通孔9のテーパ孔部9a、小径部9b及び接続管7の内部孔7a内を通り、下方チューブ54bへと流れていく。
輸液製剤51の終了が近づき、液面が下がってくると、それにしたがって弁体3も再度下降する。つまり、液面が弁体3の浮力部17より下になり、設定値以上の浮力を受けなくなった弁体3は、図1(b)に示すように自重によって下降する。すると、液止部16が弁保持容器2のテーパ孔部9aに再度当接し、これを閉塞する。このようにしてテーパ孔部9aが弁体3によって再度閉塞させられると、弁保持容器2内に残った輸液製剤51はそれ以上輸液されず(流出せず)、そのまま弁保持容器2内に残留する。したがって、空気が下方チューブ54b内に流入することがなく、これにより弁機構1は、自身が閉塞することでチューブ54を確実に閉塞するようになる。
このように本実施形態の弁機構1は、弁保持容器2内に輸液製剤51が残留している状態で、弁体3によって弁保持容器2内を確実に閉塞するので、空気が流出部11より流れ出るのを確実に防止することができる。また、浮力部17が、液体の種類に関わらず十分な浮力を生じさせ、これによって種々の液体に対応可能となっているので、汎用性の高いものとなり、輸液する液体の比重や粘性に関わらず用いることができる。さらに、中空部18が気密に保持され、これによって浮力部17による浮力が常に適正に得られるようになっているので、使用にあたっての信頼性が極めて大きいものとなる。
また、特に弁体3の軸部19が貫通孔9内に挿入されることにより、弁体3の液止部16がテーパ孔部9aに案内されるようになり、これによって液止部16がテーパ孔部9aに確実に当接し、閉塞するようになる。
また、本実施形態の輸液セット50にあっては、弁機構1を輸液ラインの途中に配置しているので、輸液ラインから体内に空気が注入されるおそれがなく、したがって医療従事者の負担を軽減することができる。また、血液(液体)が輸液ライン内に逆流して凝固してしまうおそれもないため、患者の苦痛が大きくなるおそれも回避することができる。
図6(a)は、本考案の弁機構の他の実施形態を示す図であり、図6(a)中符号30は弁機構である。この弁機構30が図1(a)、(b)に示した弁機構1と主に異なるところは、弁保持容器の構成にある。
すなわち、この弁機構30において弁保持容器31は、略円筒状の容器本体32と、この容器本体32の上部に一体に形成された流入部33と、容器本体32の下部に一体に形成された流出部34とから構成されている。
容器本体32は、その軸方向における中間部に該容器本体32を縮径するくびれ部35を形成し、このくびれ部35の下側に弁体36を収容保持する保持室37を形成したものである。
くびれ部35は、略円筒状に形成された容器本体32の外径及び内径をともに縮径し、これによって弁体36がくびれ部35を通ってその上側に抜け出ないよう、規制したものである。ただし、このくびれ部35の内径は、弁体36の外径より僅かに小径であればよく、本実施形態でもくびれ部35の内径は弁体36の外径より僅かに小径となるように形成されている。
保持室37は、図6(b)に示すようにその内径が弁体36の外径より大きく形成されたもので、これによって弁体36を上下方向に移動可能に収容保持している。ここで、保持室37を形成する容器本体32の内壁面と、弁体36の外周面との間の隙間は、後述するように輸液製剤(液体)が流れる流路となる。なお、本実施形態においても、前記弁機構1における弁保持容器2と同様に、保持室37の内部に保持部12や流入溝13、ガイド部14を形成してもよい。
本実施形態では、保持室37の下部(容器本体32の下部)は下方に向かうに従って漸次縮径するテーパ状になっており、すなわち、本考案におけるテーパ孔部38となっている。そして、このテーパ孔部38の下端部にはこれに連通して貫通孔39が形成されている。また、容器本体32の下面部には、貫通孔39を囲んで円筒部40が形成されており、この円筒部40内には、チューブ41が内挿され、必要に応じて熱溶着等により固定されるようになっている。このような構成のもとに、テーパ孔部38と貫通孔39と円筒部40とにより、前記の流出部34が構成されている。
一方、容器本体32におけるくびれ部35の上側は、図6(a)に示すように単に液体を流通させるだけのもので、その上側には前述した円筒状の流入部33が、連通した状態で一体に設けられている。この流入部33には、チューブ42が内挿され、あるいは熱溶着等によって一体に連結されるようになっており、これによって弁機構30は、チューブ42とチューブ41との間に配設されるようになっている。
弁体36は、前記弁機構1における弁体3とほぼ同じ構成からなるものである。すなわち、この弁体36も、図6(b)に示すように液止部43と浮力部44とから構成されており、浮力部44には中空部45が設けられ、また、軸部46が液止部43を貫通してその底部から突出させられている。さらに、浮力部44は液止部43に一体に設けられており、浮力部44内の中空部45は、液止部43との間に気密に保持されている。ただし、液止部43の形状については、前記テーパ孔部38に当接してこれを閉塞する閉塞部47は略半球状であるものの、これの平面側に設けられる部分48は、例えば略円錐台形状に形成されている。
このような弁体36は全体が樹脂からなり、一方、弁保持容器31も樹脂からなっているため、共に弾性変形可能なものとなっている。したがって、弁保持容器31内に弁体36を組み込むには、その流入部33側から軸部46を先にして弁体36を容器本体31内に押し込む。すると、弁体36、弁保持容器31は共に弾性変形可能になっていることから、弁体36は容易に容器本体31内に入り込む。そして、さらに弁体36を押し込むと、弁体36はくびれ部35の内径より僅かに大径になっているだけであるため、弁体36は弾性変形によってくびれ部35を容易に通過し、保持室37内に入り込む。
このようにして弁体36を保持室37内に入れると、液止部43側が流出部34に向けられることで軸部46がテーパ孔部38に案内され、貫通孔39内に挿通させられる。これにより、弁体36はくびれ部35によってこれより上側に抜け出るのが規制され、保持室37内に収容保持された状態になり、本考案の他の実施形態としての弁機構30が得られる。
この弁機構30も、図5に示した輸液セット50における輸液ラインの途中に配置されて用いられる。すなわち、例えば輸液セット50における上方チューブ54a(チューブ42)と下方チューブ54b(チューブ41)との間に弁機構30が取り付けられ、使用される。
この弁機構30にあっても、弁保持容器31内に輸液製剤51が残留している状態で、弁体36によって弁保持容器31内を確実に閉塞するので、空気が流出部34より流れ出るのを確実に防止することができる。また、浮力部44が、液体の種類に関わらず十分な浮力を生じさせ、これによって種々の液体に対応可能となっているので、汎用性の高いものとなり、輸液する液体の比重や粘性に関わらず用いることができる。さらに、中空部45が気密に保持され、これによって浮力部44による浮力が常に適正に得られるようになっているので、使用にあたっての信頼性が極めて大きいものとなる。
したがって、この弁機構30を輸液ラインの途中に配置した輸液セットにあっては、前記の輸液セット50と同様に、輸液ラインから体内に空気が注入されるおそれがなく、したがって医療従事者の負担を軽減することができ、また、血液(液体)が輸液ライン内に逆流して凝固してしまうおそれもないため、患者の苦痛が大きくなるおそれも回避することができる。
なお、本考案の弁機構及び輸液セットは、前記実施形態に限定されることなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、図6(a)、(b)に示した実施形態では、本考案における規制部となるくびれ部について、容器本体32に対してその周方向の全体でくびれさせ、縮径したが、例えば弁体36が抜け出ないように、容器本体32における周方向の一部のみに、該容器本体32の内径が弁体36の外径より小となるくびれ部を形成してもよい。
また、前記実施形態では、本考案の弁機構を医療用の輸液ラインに用いるものとしたが、本考案の弁機構はこれに限定されることなく、産業用等の各種機器における液送ラインに適用することもできる。
(a)、(b)は本考案の弁機構の一実施形態の概略構成を示す側断面図である。 図1に示した弁機構の分解斜視図である。 弁保持容器の流入部側の平面図である。 図1に示した弁機構の一部断面視した側面図である。 本考案の輸液セットの概略構成を示す図である。 (a)は本考案の弁機構の他の実施形態の概略構成を示す側断面図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。
符号の説明
1、30…弁機構、2、31…弁保持容器 3、36…弁体、6、33…流入部、9a、38…テーパ孔部、11、34…流出部、15…規制片(規制部)、16、43…液止部、17、44…浮力部、18、45…中空部、19、46…軸部、35…くびれ部(規制部)、50…輸液セット、51…輸液製剤(液体)、52…輸液パック、53…静脈針(注射針)

Claims (8)

  1. 液送ラインに設けられる弁機構であって、
    上部に液体を流入させる流入部を有し、下部に前記流入部から流入した液体を流出させるテーパ孔部を有した流出部を有してなる弁保持容器と、
    前記弁保持容器内に上下移動可能に保持される弁体と、を備えてなり、
    前記弁体は、前記テーパ孔部に当接してこれを開閉可能に閉塞する液止部と、該液止部の上方に配置されて浮力により上昇する浮力部とを有し、
    前記浮力部は、前記液止部に一体に設けられているとともに、該液止部との間に気密に保持された中空部を有してなることを特徴とする弁機構。
  2. 前記弁体には、前記液止部の底部から突出して前記流出部内に挿入される軸部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の弁機構。
  3. 前記軸部は、前記浮力部の前記中空部側に設けられて前記液止部を貫通し、該液止部の底部から突出していることを特徴とする請求項2記載の弁機構。
  4. 前記弁保持容器には、前記弁体が前記弁保持容器内から抜け出るのを規制する規制部が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の弁機構。
  5. 前記規制部は、前記弁保持容器の前記流入部側に形成されたくびれ部からなり、該くびれ部は、前記弁体の外径より少なくとも一部が小径に形成された内径を有してなることを特徴とする請求項4記載の弁機構。
  6. 前記弁保持容器には、前記弁体の水平方向への移動を規制して上下方向に移動するように、該弁体を上下方向に案内するガイド部が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の弁機構。
  7. 前記液送ラインが医療用の輸液ラインであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の弁機構。
  8. 一端側に輸液パックが連結可能であり、他端側に人体内へ刺入される注入針を有して輸液ラインを構成する輸液セットであって、
    輸液ラインの途中に請求項7記載の弁機構が配置されてなることを特徴とする輸液セット。
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