JP3144322B2 - メンタルストレス判定装置 - Google Patents

メンタルストレス判定装置

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JP3144322B2
JP3144322B2 JP32079896A JP32079896A JP3144322B2 JP 3144322 B2 JP3144322 B2 JP 3144322B2 JP 32079896 A JP32079896 A JP 32079896A JP 32079896 A JP32079896 A JP 32079896A JP 3144322 B2 JP3144322 B2 JP 3144322B2
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達美 柳井
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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人の定常的ストレ
スとしてのメンタルストレスを判定するメンタルストレ
ス判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、脈拍データの変動状況をマイクロ
コンピュータにより測定することにより、人のストレス
レベルを測定するストレスレベル測定装置がある。これ
は、図24に示すように、被験者の脈波を検出する脈波
検出器501が脈拍計数器502に接続され、その脈拍
計数器502がマイクロコンピュータ503に接続され
ているものである。そして、図25に示すように、脈波
検出器501で検出した脈波データを、脈拍計数器50
2により整形パルスに変換して脈拍データを計数し、そ
の脈拍データの上昇下降をマイクロコンピュータ503
で監視することにより、ストレスのレベルを測定するも
のである。同様のものが、特開平4ー180730号公
報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、人
は、職場あるいは日常生活において、様々なストレスを
受けている。特に、急速なOA(オフィスオートメーシ
ョン)化、FA(ファクトリオートメーション)化によ
り、VDT(ビデオディスプレイ端末装置)作業や監視
作業が増え、これらの作業がもたらすメンタルストレス
は過労やヒューマンエラーの要因となっている。これを
防ぐため、メンタルストレス(テクノストレスとも言
う。)を評価、判定することが重要となっている。
【0004】しかしながら、従来のストレスレベル測定
装置は、心拍数の上昇下降のみの情報を利用する構成で
あるため、ストレスレベル測定の信頼性が低く、また、
測定時における一時的ストレスしか測定できないという
問題点があった。以上のように、現在のところ、メンタ
ルストレスという感覚量を客観的に計測したり、定量的
に評価する技術は確立されていない。
【0005】本発明は、上記の問題点を解決するために
提案されたもので、定常的ストレスとしてのメンタルス
トレスを客観的に判定するメンタルストレス判定装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るメンタルストレス判定装置は、被験
者に一時的ストレスを与えるタスク提示手段と、被験者
の心拍相当データを採取する心拍相当データ採取手段
と、心拍相当データ採取手段により採取した心拍相当デ
ータに基づいて、拍動間隔を検出する拍動間隔検出手段
と、拍動間隔検出手段により検出した拍動間隔データに
基づいて、タスク提示手段によりストレスが与えられた
タスク状態における交感副交感神経活動度とタスク提示
手段によりストレスが与えられていないレスト状態にお
ける交感副交感神経活動度とを算出する交感副交感神経
活動度算出手段と、交感副交感神経活動度算出手段によ
り算出したタスク状態における交感副交感神経活動度と
レスト状態における交感副交感神経活動度の比較に基づ
いて、メンタルストレスを判定するメンタルストレス判
定手段とを具備するものとした。
【0007】上記のメンタルストレス判定手段は、複数
の異なる時間で採取された心拍相当データによる同一被
験者のタスク状態における交感副交感神経活動度とレス
ト状態における交感副交感神経活動度に基づいて、タス
ク遂行に伴なう被験者の反応の変化により、メンタルス
トレスを判定することが好ましい。また、上記のタスク
提示手段は、タイマを使用し、被験者に一定時間のタス
クとレストとを交互に行なうように、時間の提示をする
ことが好ましい。
【0008】さらには、上記のタスク提示手段は、タス
クをコンピュータに対する入力作業とし、付加されるタ
スクの負担量が所定の範囲に収まるようにコンピュータ
により実行速度を制御しながら被験者に入力を行なわせ
るものとするのが好ましい。とくに、ディスプレイ上に
複数のターゲットを所定の提示速度で順次表示するとと
もにそれぞれ所定時間後に消去し、各ターゲットが表示
されている間に該ターゲットにカーソルを重ねてクリッ
クする操作を入力作業として、所定の設定時間ごとの操
作ミス量に応じてターゲットの上記提示速度を変化させ
るのが望ましい。
【0009】また、上記の交感副交感神経活動度算出手
段は、交感副交感神経活動度として、拍動間隔データか
らタスク状態における正規化分散および平均心拍数とレ
スト状態における正規化分散および平均心拍数を算出
し、該正規化分散および平均心拍数をそれぞれ2次元平
面上におけるタスク状態の分布エリアおよびレスト状態
の分布エリアとして求め、メンタルストレス判定手段
は、タスク状態の分布エリアとレスト状態の分布エリア
との面積の重なり率に基づいて、メンタルストレスを判
定することができる。また、上記の交感副交感神経活動
度算出手段は、交感副交感神経活動度として、拍動間隔
データからタスク状態における正規化分散および平均心
拍数とレスト状態における正規化分散および平均心拍数
を算出し、該正規化分散および平均心拍数をそれぞれ2
次元平面上におけるタスク状態の分布エリアおよびレス
ト状態の分布エリアとして求め、メンタルストレス判定
手段は、前回測定および今回測定におけるタスク状態お
よびレスト状態を表わす分布エリア面積の重心間の距離
の経時変化からメンタルストレスの変化を判定すること
もできる。
【0010】
【作用】本発明に係るメンタルストレス判定装置は、タ
スク提示手段により被験者に一時的ストレスを与えつ
つ、心拍相当データ採取手段により被験者の心拍相当デ
ータを採取して拍動間隔検出手段に入力し、拍動間隔検
出手段が拍動間隔を検出してその拍動間隔データを交感
副交感神経活動度算出手段に入力する。そして、交感副
交感神経活動度算出手段では拍動間隔データに基づいて
ストレスが与えられたタスク状態における交感副交感神
経活動度とストレスが与えられていないレスト状態にお
ける交感副交感神経活動度とを算出し、メンタルストレ
ス判定手段で両状態における交感副交感神経活動度の比
較によりメンタルストレスの有無を判定するので、これ
により、感覚的なメンタルストレスが客観的に判定され
る。
【0011】上記のメンタルストレス判定手段が、複数
の異なる時間で測定された同一被験者のタスク状態にお
ける交感副交感神経活動度とレスト状態における交感副
交感神経活動度に基づいて、タスク遂行に伴なう被験者
の反応の変化により判定すると、タスク時とレスト時の
ストレスの時間経過に伴う変化状況が容易に分かる。ま
た、上記のタスク提示手段が、タイマにより、被験者に
一定時間のタスクとレストとを交互に行なうように、時
間の提示を行なうと、被験者に対して簡易なタスクが与
えられ、心拍相当データが容易に採取される。
【0012】また、タスクをコンピュータに対する入力
作業とし、付加されるタスクの負担量が所定の範囲に収
まるようにコンピュータにより実行速度を制御しながら
被験者に入力を行なわせると、被験者の体動が少ないた
め、心拍相当データが簡易な方法で容易に採取されると
ともに、個人差による影響を受けることなくメンタルス
トレス状態を精度よく識別できる。とくに、ディスプレ
イ上に複数のターゲットを所定の提示速度で順次表示、
消去し、ターゲットをクリックする操作のエラー量に応
じてターゲットの提示速度を変化させることにより、被
験者に付加されるタスクの負担量を容易に制御すること
ができる。
【0013】また、上記の交感副交感神経活動度算出手
段が、交感副交感神経活動度としてタスク状態とレスト
状態における正規化分散および平均心拍数の分布エリア
を求めることにより、メンタルストレス判定手段は、
分布エリアの重なりがないときは健常で、分布エリアの
重なりがあるときはメンタルストレスのあることが判定
できる。また、前回測定と今回測定におけるタスク状態
およびレスト状態を表わす分布エリア面積の重心間の距
離の経時変化を求めることにより、メンタルストレスの
変化状況を知ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るメンタルスト
レス判定装置の実施例について、図面を参照して詳細に
説明する。図1は第1の実施例の構成を示すブロック
図、図2はその使用状態を示す図、図3はタスクを与え
るタイミングを示す図、図4は測定の原理を説明する
図、図5はメンタルストレスの判定要領を説明する図で
ある。メンタルストレス判定装置100は、被験者に一
時的ストレスを与えるタスク提示手段としてのタスク/
レスト提示器101と、被験者から心拍相当データを採
取する心拍相当データ採取手段としての心拍相当データ
採取器102とを備え、心拍相当データ採取器102
が、拍動の時間間隔であるRRI(R−R inter
val)データを検出するRRI検出回路103に有線
または無線で接続されている。そのRRI検出回路10
3が交感副交感神経の活動度を算出する交感副交感神経
活動度算出回路104に接続され、交感副交感神経活動
度算出回路104がメンタルストレスを判定するメンタ
ルストレス判定回路105に接続されている。ここで、
RRI検出回路103、交感副交感神経活動度算出回路
104およびメンタルストレス判定回路105は、コン
ピュータで構成されている。
【0015】そして、タスク/レスト提示器101によ
り被験者に一時的ストレスを与えつつ、心拍相当データ
採取器102により図4の(a)に示すように被験者の
拍動信号を測定してRRI検出回路103に入力する。
その拍動信号が入力されたRRI検出回路103はバン
ドパスフィルタを備え、図4の(b)に示すように、心
拍相当データからRRIのデータを検出して交感副交感
神経活動度算出回路104に出力する。そのRRIデー
タが入力された交感副交感神経活動度算出回路104
は、RRIデータのばらつきの程度を算出し、図5に示
すように、2次元平面上におけるタスク状態およびレス
ト状態でのデータを求める。メンタルストレス判定回路
105は、2次元平面上のタスク状態またはレスト状態
の各分布エリアの位置から、定常的ストレスであるメン
タルストレスの有無を判定するようになっている。
【0016】次に、メンタルストレス判定装置100の
動作を、図6、図7に示すフローチャートにより説明す
る。まず、ステップ110において、タスク/レスト提
示器101に内蔵されたタイマにより、一定時間のタス
ク(課題)とレスト(休息)とを繰り返すタイミングが
被験者に提示される。具体的には、図3に示すように、
タスクが約1分程度、レストが約2分程度に設定され、
タスクとレストとが交互に複数回繰り返して提示され
る。タスクは、図8に示すように、罫線107Aで記入
位置107Bを特定した所定の用紙106に、上記の所
定の時間内に、できるだけ多くの丸印108を書き込む
作業が採用されている。
【0017】図6に戻って、ステップ111で、心拍相
当データ採取器102により、被験者の心拍が測定さ
れ、拍動信号が心拍相当データとして採取される。この
拍動信号はRRI検出回路103に100Hz以上でサ
ンプリングして逐次取り込まれる。心電図信号の場合
は、身体に電極の装着を必要とするが、ここでは、被験
者に体動の少ないタスクを想定しているため、心拍の測
定で問題は生じない。また、医療用としての正確な波形
診断が目的ではないため、電極の装着も簡単なもの、例
えば、図2に示すようにハチマキ状のものが適用可能で
ある。さらに、簡易測定が可能な光学測定脈波信号や圧
力測定による脈波信号でも、適切な信号処理により拍動
のタイミングが検出されるものであれば、同様の効果を
得ることができる。
【0018】次いで、ステップ112で、RRI検出回
路103においてバンドパスフィルタにより目的外信号
が除去され、心拍相当信号がファイリング処理される。
ステップ113で、心拍相当信号をしきい値処理などを
施し、ステップ114で、拍動の時間間隔であるRRI
データを検出する。ただし元来、RRIには変動が伴な
うため、このRRIデータは時系列的には不規則なサン
プリングにならざるを得ないが、必要に応じて、補間処
理により時系列的に規則的なサンプリングにすることも
可能である。
【0019】次いで、交感副交感神経活動度算出回路1
04において、ステップ115〜ステップ121の処理
を実行する。交感副交感神経活動度算出回路104は、
拍動の時間間隔としてのRRIデータのばらつきの程度
を算出する回路であり、まず、ステップ115で、逐次
入力されてくるRRIデータより15秒程度(本実施例
では、16サンプル)のデータを解析区間として切り出
す。次いで、ステップ116で、正規化分散RRVと平
均心拍数BEATを算出し、これらを解析区間の中央値
の時刻データとして格納する。ここで、RRIデータの
ばらつきの程度が交感副交感神経活動度と密接な相関を
持つことは、実験的に確認されている。本実施例では、
RRIデータのばらつきを表わす指標として分散を使用
している。
【0020】次に、ステップ117で、解析区間の中央
値の時刻データがタスク状態のデータかレスト状態のデ
ータかを判別する。そして、タスク状態の場合、ステッ
プ118で、タスク状態のデータとして蓄積し、そのタ
スク状態に応じた正規化分散RRVと平均心拍数BEA
Tとの関係を2次元平面上のエリアとして求めるととも
に、重心および標準偏差を算出する。次に、ステップ1
20に進み、タスクおよびレストの提示が完了したか否
かがチェックされる。そして、タスクおよびレストの提
示が完了していない場合、ステップ121に進み、解析
区間を1点幅でシフトした後、ステップ115〜ステッ
プ117の処理を繰り返す。ここで、解析区間を1点幅
でシフトするのは、RRIデータを時系列的に解析する
上で、入力される度に解析することが最も詳細に解析で
きるからである。
【0021】一方、ステップ117で、レスト状態の場
合、ステップ119に進み、レスト状態のデータとして
蓄積し、レスト状態に応じた正規化分散RRVと平均心
拍数BEATとの関係を2次元平面上のエリアとして求
めるとともに、重心および標準偏差を算出する。次い
で、ステップ120に進み、タスクおよびレストの提示
が完了したか否かがチェックされる。そしてタスクおよ
びレストの提示が完了していない場合、再度、ステップ
121に進み、解析区間を1点幅でシフトした後、ステ
ップ115〜ステップ117の処理を繰り返す。上記の
ステップ115〜121の処理は、被験者に対するタス
クおよびレストの提示が行なわれている間、繰り返され
ている。次いで、ステップ120で、タスクおよびレス
トの提示完了がチェックされたとき、ステップ122に
進み、メンタルストレス判定回路105により、正規化
分散RRVー平均心拍数BEAT2次元平面上にて分布
エリアを比較してメンタルストレスを判定する。
【0022】図9は正規化分散RRVと平均心拍数BE
ATとの関係を表示した図であり、横軸に正規化分散R
RVが、縦軸に平均心拍数BEATが表示されている。
そして、正規化分散RRVは左方に向かうに従って、平
均心拍数BEATは上方に向かうに従って負担が大きく
なっていることを示している。基本的に、健常者は一時
的ストレスを与えたときと与えないときでは、反応に明
確な差異が生じるものである。すなわち、非メンタルス
トレス下では、タスク状態とレスト状態の分布エリアは
お互い離れた位置に分布する。そして、タスクを正確に
実行していれば、タスク状態の分布エリアはレスト状態
の分布エリアに対して負担の高い左上方に位置する結果
となる。これは、交感副交感神経の活動から考えて正常
な反応である。一方、背景ストレスであるメンタルスト
レス下の状態では、タスク状態での非集中、レスト状態
での非リラックスの現象が生じ、相互の分布エリアは接
近することになる。
【0023】図10、図11はそれぞれ被験者A、被験
者Bの測定結果を表示したものであり、図10の
(a)、図11の(a)は非メンタルストレス状態の
下、図10の(b)、図11の(b)はメンタルストレ
ス状態の下で測定した結果である。いずれの図において
も、非メンタルストレス状態の下では、タスク状態とレ
スト状態の分布エリアは離れた位置にあり、メンタルス
トレス状態の下では、その各分布エリアは重なった状態
になっている。
【0024】図12は図7のステップ122における判
定アルゴリズムの詳細を示すフローチャート、図13は
判定例を説明する図である。ここでは、タスク状態の分
布エリアの面積を基準にして、その重なり率により上記
現象を捉らえることとしている。上記のステップ11
8、ステップ119で求められた重心および標準偏差を
それぞれGt(Rt、Bt)およびSt(Rt、Bt)
とする。
【0025】まず、ステップ130で、2次元平面上に
おけるタスク状態およびレスト状態の分布エリアの重心
の相対的位置を判定する。すなわち、RRV軸方向で
は、タスク状態における重心位置Rtがレスト状態にお
ける重心位置Rrより図中で左方にあるか否か、および
BEAT軸方向では、タスク状態における重心位置Bt
がレスト状態における重心位置Brより図中で上方にあ
るか否かがチェックされて、重心位置関係が判定され
る。そして、重心位置Rtが重心位置Rrより左方(R
t<Rr)、かつ、重心位置Btが重心位置Brより上
方(Bt>Br)にある場合、ステップ131に進む。
一方、上記のタスク状態およびレスト状態の重心位置の
関係が、Rt<Rr、かつ、Bt>Brを満足しない場
合、ステップ132に進む。この場合、タスク不履行の
可能性が大きいため、再度、測定することが必要とな
る。
【0026】ステップ131では、タスク状態およびレ
スト状態の分布エリアの面積At、Arをそれぞれ算出
する。その後、ステップ133で、タスク状態における
分布エリア面積Atに対する、タスク状態の分布エリア
面積Atがレスト状態の分布エリア面積Arに重なるエ
リア面積(At&Ar)の重なり率により、メンタルス
トレスの有無が判定される。
【0027】そして、図13の(a)に示すように、タ
スク状態の分布エリアとレスト状態の分布エリアが重な
らない場合((At&Ar)=0)、ステップ134
で、「メンタルストレスなし」の判定がなされる。ま
た、図13の(b)に示すように、タスク状態の分布エ
リアに対するレスト状態の分布エリアの重なり率が1/
2以下の場合((At&Ar)≦At/2)、ステップ
135で、「メンタルストレスの可能性あり」の判定が
なされる。さらに、図13の(c)に示すように、上記
の重なり率が1/2以上の場合((At&Ar)>At
/2)、ステップ136で、「メンタルストレスあり」
の判定がなされる。上記のステップ111〜114が発
明の拍動間隔検出手段を、ステップ115〜121が交
感副交感神経活動度算出手段を、ステップ130〜13
6がメンタルストレス判定手段を構成している。
【0028】以上説明したように、第1の実施例によれ
ば、タスク状態における分布エリア面積Atに対する、
タスク状態の分布エリア面積Atがレスト状態の分布エ
リア面積Arに重なるエリア面積(At&Ar)の重な
り率を判定することにより、主観的なメンタルストレス
の有無を客観的に判定することができる。なお、第1の
実施例では、メンタルストレスを判定するにあたり、よ
り精度の高い結果を得るために、平均心拍数であるBE
AT情報を使用し、正規化分散RRVとの2次元平面上
での分布エリアの差異に着目してきたが、拍動の時間間
隔であるRRIデータの分散のみの算出でも、多少精度
は落ちるものの簡易的に同様の効果を得ることができ
る。また、分布エリアをさらにディスプレイ上に表示す
るようにすれば、エリアの重なり状態が視認でき、感覚
的にも判定が分かりやすい。
【0029】次に、第2の実施例について図14により
説明する。第2の実施例は前回測定データと比較してメ
ンタルストレスの変化状況を判定するようにしたもので
ある。まず、図6、図7で示されたステップ110〜1
21により、RRV−BEAT2次元エリアが求めら
れ、その重心が算出される。これが、図14のステップ
138で前回データとして記憶される。前回のタスク重
心をGt1(Rt1、Bt1)、レスト重心をGr1
(Rr1、Br1)とする。次に、同様にしてステップ
139において、今回の2次元分布エリアのデータとし
て、タスク重心Gt2(Rt2、Bt2)およびレスト
重心Gr2(Rr2、Br2)が求められる。
【0030】ステップ140で、2次元平面上における
タスク状態およびレスト状態の分布エリアの重心の相対
的位置を判定する。すなわち、RRV軸方向では、タス
ク状態における重心位置Rt2がレスト状態における重
心位置Rr2より左方にあるか否か、およびBEAT軸
方向では、タスク状態における重心位置Bt2がレスト
状態における重心位置Br2より上方にあるか否かがチ
ェックされて重心位置関係が判定される。そして、重心
位置Rt2が重心位置Rr2より左方(Rt2<Rr
2)、かつ、重心位置Bt2が重心位置Br2より上方
(Bt2>Br2)にある場合、ステップ141に進
む。一方、上記のタスク状態およびレスト状態の重心位
置の関係が、Rt2<Rr2、かつ、Bt2>Br2を
満足しない場合、ステップ142に進む。この場合、タ
スク不履行の可能性が大きいため、再度、測定される。
【0031】次いで、ステップ141で、前回測定した
タスク状態およびレスト状態の分布エリアにおける重心
間距離(Gt1ーGr1)、および今回測定したタスク
状態およびレスト状態の分布エリアにおける重心間距離
(Gt2ーGr2)を算出する。次に、ステップ143
で、前回の重心間距離(Gt1ーGr1)と今回の重心
間距離(Gt2ーGr2)との比較を行なうことによ
り、メンタルストレスの変化の判定が行なわれる。
【0032】そして、今回測定した重心間距離(Gt2
ーGr2)が前回測定した重心間距離(Gt1ーGr
1)と変わらない場合((Gt1ーGr1)=(Gt2
ーGr2))、ステップ144で、「メンタルストレ
ス、前回と変化なし」の判定がなされる。また、今回測
定した重心間距離(Gt2ーGr2)が前回測定した重
心間距離(Gt1ーGr1)より大きくなっている場合
((Gt1ーGr1)<(Gt2ーGr2))、ステッ
プ145で、「メンタルストレス、前回より減少傾向」
の判定がなされる。さらに、今回測定した重心間距離
(Gt2ーGr2)が前回測定した重心間距離(Gt1
ーGr1)より小さくなっている場合((Gt1ーGr
1)>(Gt2ーGr2))、ステップ146で、「メ
ンタルストレス、前回より増加傾向」の判定がなされ
る。上記のステップ140〜146がメンタルストレス
判定手段を構成している。他は第1の実施例と同じであ
る。
【0033】第2の実施例によれば、メンタルストレス
を判定するにあたり、前回の判定データがあってタスク
状態およびレスト状態の各分布エリアの重心間距離の経
時変化を尺度にして判定しているため、第1の実施例の
効果に加え、さらにメンタルストレスの変化状況を知る
ことができる。なお、ここでは第1、第2の実施例を別
個に説明したが、判定を複数回繰り返す場合には、初回
については第1の実施例の判定アルゴリズムを用い、第
2回目以降は上記第2の実施例のアルゴリズムに従うよ
うに、判定動作の処理フローを組むのが望ましい。
【0034】次に、第3の実施例について図15、図1
6により説明する。第3の実施例は交感副交感神経活動
度算出回路におけるRRIデータのばらつきの程度を算
出する手法に周波数解析を用いた例であり、他の構成は
第1の実施例と同じである。図15の(a)はRRIに
対して規則サンプリングした状態を示し、(b)は周波
数解析を説明する図である。
【0035】まず、図4に示す拍動の時間間隔としての
RRIを補間して規則サンプリングして、図15の
(a)に示すように、心拍相当データを採取する。サン
プリングされた各データのパワー曲線が(b)に例示さ
れる。そして、所定の周波数F0、本実施例においては
0.15Hzを境界として高周波成分と低周波成分にパ
ワーの分離を行なう。すなわち、パワー曲線をFFT処
理したパワースペクトルの密度関数をS(f)とし、低
周波成分はS(f)を0からF0まで、高周波成分はF
0から無限大まで積分することによって得ることがで
き、その高周波成分が副交感神経の活動度を反映してい
る。そして、高周波成分におけるパワーの上昇が副交感
神経のリラックス状態、下降が副交感神経の緊張状態を
表わされる。なお、低周波成分におけるパワーの上昇は
副交感神経の変化過程を、下降は副交感神経の定常過程
を表わしている。
【0036】図16は周波数解析の結果を表示した図で
あり、実験遂行時間(SEC)に対する周波数成分のパ
ワーを表示したものである。同図に示すように、タスク
遂行部分201すなわち集中状態を示す部分に対し、健
常者の高周波成分202は変化量が大きく表われ、メン
タルストレス状態の被験者の高周波成分203は変化量
が小さく表われる。したがって、この高周波成分の変化
量の差により、メンタルストレスの判定を行なうことが
できる。
【0037】以上説明したように、第3の実施例によれ
ば、被験者の拍動の時間間隔としてのRRIを補間して
規則サンプリングし、所定の周波数を境にして低周波成
分と高周波成分に分離して周波数解析を行なう。その高
周波成分が副交感神経の活動度を反映しているため、メ
ンタルストレスの状態を客観的に判定することができ
る。
【0038】本発明は以上のように一時的にタスクを付
加することによって定常的なストレスを判定するが、先
の図9に示したように、メンタルストレス下の状態で
は、タスク状態での非集中、あるいはレスト状態での非
リラックスの現象が生じ、相互の分布エリアは接近する
ことになる。このような「タスク時にタスクに集中でき
ないケース」と「レスト時にリラックスできないケー
ス」はともに要注意となるが、これは被験者がタスクを
所定の負担量で遂行していることを前提としている。し
かし、同一タスクに対する一時的なタスク負担量には個
人差があり、被験者がタスクをのんびりと遂行した場合
には「タスクに集中していないケース」として分布エリ
アに現われる。この「集中していないケース」と上記の
「集中できないケース」とは、基本的に自律神経系への
影響が同じであるため、RRV−BEATの2次元平面
上では同様の分布となり、区別が付けにくいおそれがあ
る。
【0039】そこで、上記の各実施例では、タスクとし
て所定の用紙に丸印を書き込む作業を例示したが、図1
7に示すように、第1の実施例と同様の記入欄302に
丸印303を記入するにあたり、コンピュータ300に
対してペン入力可能なボード301、ペン304を使用
し、コンピュータ300で実行速度とエラー率を制御し
ながらタスクを実行することもできる。この場合、タス
クおよびレストの時間、達成度管理が容易になって、タ
スクをより効果的に与えることができる。タスクおよび
レストの時間も、それぞれ約1分および2分としたが、
被験者の年齢等に応じて可変設定できるようにするとよ
い。また、コンピュータで実行速度とエラー率とを制御
しながら、被験者に暗算などの作業を強制的に行なわせ
る方法でも可能である。タスクは、被験者に精神的なス
トレスを与えられる内容であれば適用可能である。この
際、被験者に諦めの生じない範囲で強制的に行なわせ
る。
【0040】つぎに、一時的なタスク負担量を個人差に
合わせて適応的に制御し、付加されるタスクの負担量が
所定の範囲に収まるようにしたさらに他の例を第4の実
施例として説明する。図18は第4の実施例の構成を示
す図である。このメンタルストレス判定装置では、タス
ク提示制御装置401により被験者にタスクを与えつ
つ、心拍相当データ採取器102により得られたデータ
に基づいてRRI検出回路103が拍動の時間間隔を検
出するようになっている。また、上記RRI検出回路1
03と交感副交感神経活動度算出回路104の間には、
欠陥データ除去回路404が設けられている。そして第
1の実施例と同様に、交感副交感神経活動度算出回路1
04がメンタルストレス判定回路105に接続されてい
る。
【0041】タスク提示制御装置401は、提示速度制
御回路402とターゲット提示装置403とからなる。
ターゲット提示装置403は、図19に示すように、被
験者の面前に置かれたデスクトップコンピュータのディ
スプレイ410を含み、このディスプレイ410上に丸
印412をターゲットとして表示する。提示速度制御回
路402は内蔵されたタイマにより、一定時間のタスク
とレストとを繰り返すタイミングを設定するとともに、
上記の丸印412を次々に表示させる一方、所定時間後
には消去させるようターゲット提示装置403を制御す
る。被験者には、その表示された丸印412をそれが消
去されていく前にマウス操作でクリックする作業がタス
クとして課されることになる。
【0042】提示速度制御回路402は上記丸印412
の出現から消去までの時間間隔を複数種メモリに記憶し
ているとともに、心拍相当データ採取器102と接続さ
れ、現在の心拍数を参照しながら丸印412の提示(表
示)時間を選択する。具体的には、図20に示すよう
に、被験者の平常時の心拍数の数%増しを目標心拍数と
し、タスク中の被験者の推移していく現在心拍数と比較
しながら、ターゲット丸印の出現消去の提示速度を選択
していく。原則的には、現在心拍数が目標心拍数より低
ければ提示速度を上げてタスク難易度を増大させ、現在
心拍数が目標心拍数より高ければ提示速度を下げてタス
ク難易度を減少させる。
【0043】一方、RRI検出回路103は心拍相当デ
ータからRRIのデータを検出して交感副交感神経活動
度算出回路104に出力するが、その間、心拍相当デー
タに不整脈などによる欠陥データがある場合には、それ
に基づくRRIのデータは欠陥データ除去回路404に
よりスキップされる。
【0044】図21、図22はタスク提示制御装置40
1におけるタスク提示の処理の流れを示すフローチャー
トである。まずステップ601において、タスク、レス
トの繰り返しが開始される前に基準計測が行なわれる。
ここでは、被験者が椅子に座った安静状態を確保したあ
と2分間測定することにより平常時の心拍数を計測し
て、その平均値を基準心拍数Nk(回/分)とする。
そしてステップ602で、目標心拍数を基準心拍数の5
%増し、すなわちNt=1.05*Nkとして設定す
る。
【0045】次いでステップ603において、内部タイ
マのカウントに基づいてタスク開始のタイミングがチェ
ックされ、ディスプレイ上の文字表示やコンピュータの
ビープ音とともに、タスクの開始が表示されるととも
に、ステップ604で、まず提示速度の初期値が選択さ
れる。提示速度は1個のターゲットが提示されてから次
のターゲットが提示されるまでの時間間隔で表わされ
る。ここでは、1ターゲット(丸印)当たり450、5
00、625、750、875、1000msecの6
種の提示速度がメモリに準備されており、初期値はタス
ク遂行に無理のない750msecとしてある。
【0046】ステップ605では、ディスプレイ上にこ
の時間間隔で丸印(ターゲット)が1個ずつ順次に提示
されるとともに、提示速度に同期して順次消去されてゆ
き、ディスプレイ上には常時一定数(例えば5個程度)
のターゲットが表示されるように制御される。 このタ
スクが10secの間継続される。マウスでクリックで
きずに消去したターゲットはエラーとしてその個数Pe
が逐次記憶される。またこの間、現在心拍数も継続的に
計測される。
【0047】このあと、ステップ606で、タスク、レ
ストの繰り返しタイミングとして設定されたタスク時間
(例えば1分)が終了しているかどうかがチェックされ
る。終了していなければ、次のステップ607におい
て、上記10secの経過後エラー個数Peがチェック
される。ここでエラー個数が3個以上の場合には、被験
者に諦めが生じている可能性が高いため、ステップ60
8に進んで、現在心拍数にかかわらず、提示速度を1段
下げ、例えば875msecに変更してステップ605
に戻る。
【0048】ステップ607のチェックでエラー個数が
3未満のときには、ステップ609に進み、10sec
間の平均の現在心拍数Np(回/分)が求められる。次
のステップ610では、現在心拍数Npが目標心拍数N
tを含む所定幅と比較される。現在心拍数Npが(Nt
−1)より低い場合には、ステップ611で提示速度を
1段上げてタスク難易度を増大させ、現在心拍数Npが
(Nt+1)より高い場合には、ステップ612で提示
速度を1段下げてタスク難易度を減少させる。そして、
現在心拍数Npが(Nt−1)と(Nt+1)の間にあ
るときは、同じ提示速度を維持する。このあと、ステッ
プ605に戻る。こうして、タスク遂行の間10sec
ごとにエラーチェックおよび所定の提示速度更新が行な
われる。
【0049】ステップ606のチェックで、タスク時間
が終了していると判断されたときには、ステップ613
に進み、あらかじめ設定された一連のタスク、レストの
繰り返し提示が終了したかどうかがチェックされる。終
了していなければ、ステップ603に戻り、所定のレス
トのあと次回のタスクが開始され、上述のフローが繰り
返される。 また、一連のタスク、レストの繰り返し提
示が終了していれば、処理終了となる。
【0050】次に、図23は心拍相当データ採取から交
感副交感神経活動度算出にわたる動作の流れを示す。こ
こでは、図6、図7の第1の実施例におけるフローのス
テップ114と115の間にステップ701とステップ
702が追加されている。ステップ114で、RRIデ
ータが検出されたあと、ステップ701では、欠陥デー
タ除去回路404において、拍動の時間間隔が所定の範
囲内にあるかどうかがチェックされる。ここでは、新規
のデータRRI(1)検出に際してその直前のデータR
RI(0)を参照し、(1/2)RRI(0)から(3
/2)RRI(0)の範囲を検出範囲として設定する。
不整脈で拍動が欠けるとRRIは通常の約2倍になるか
らこのチェックで検出できる。すなわち、RRI(1)
が上記範囲内にあるときはそのまま交感副交感神経活動
度算出回路104に送られて次のステップ115に進む
が、上記範囲にないときは誤差を含んだ値として、交感
副交感神経活動度算出回路104には送られず、ステッ
プ702で時間情報のみが更新されたあと、ステップ1
15に進む。
【0051】なお(1/2)から(3/2)の設定は、
精神的タスクでは50%以上の瞬時変化はないことによ
っている。通常の生活を営んでいる被験者における不整
脈はその現象が生じてもその後はまた通常の拍動に戻る
ため、その後の拍動は再び判定に利用できる。
【0052】ステップ115では、交感副交感神経活動
度算出回路104において、RRIデータのばらつきの
程度を算出する。その他は図6、図7のフローと同じで
ある。
【0053】これによれば、RRI検出回路103と交
感副交感神経活動度算出回路104の間に欠陥データ除
去回路404が設けられ、拍動の時間間隔が直前のデー
タに対して所定の範囲内にあるのみをデータとして用い
るようにしているので、不整脈で拍動が欠けたような場
合にも、精度の高い判定が行われる。ここでは、タスク
提示制御装置401が被験者に一時的ストレスを与える
タスク提示手段を構成している。
【0054】本実施例は以上のように構成され、提示速
度制御回路を有するタスク提示制御装置を備え、ターゲ
ットの提示速度によりタスク難易度を変化させて、被験
者に常に一定の負担量のタスクを付加するようにしたの
で、タスク時に「集中していないケース」と「集中でき
ないケース」とが区別困難となることが防止され、判定
の精度が一層向上する。また、欠陥データ除去回路によ
り拍動の時間間隔が直前のデータに対して所定の範囲内
にあるものだけをデータとして用いるようにしているの
で、不整脈で拍動が欠けることがある場合にも、高精度
の判定が維持される。
【0055】なお、実施例ではデスクトップのディスプ
レイ410にターゲットを提示する例を示したが、タス
ク提示制御装置を携帯端末に組み込み、また心拍相当デ
ータとして指先などから検出可能の脈波を用いることに
より、全体装置が小型軽量に構成されるので、心拍相当
データを簡単かつ頻繁に採取でき、詳細な判定、解析が
容易となるメリットがある。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るメン
タルストレス判定装置によれば、被験者に一時的ストレ
スを与えるタスク提示手段を備え、被験者の心拍相当デ
ータを採取して拍動間隔を検出し、拍動間隔データに基
づいて算出するタスク状態における交感副交感神経活動
度とレスト状態における交感副交感神経活動度の比較に
よりメンタルストレスを判定するものとしたから、従来
主観評価でのみしか評価し得なかった定常的なメンタル
ストレスに対し、生理学的な背景に基づいた精度の高い
客観的判定ができる。
【0057】そして、上記のメンタルストレスを、複数
の異なる時間で測定された同一被験者のタスク状態およ
びレスト状態における交感副交感神経活動度に基づい
て、タスク遂行に伴なう被験者の反応の変化により判定
すると、メンタルストレスの変化状況を容易に知ること
ができ、判定精度の向上を図ることができる。また、被
験者にタスクを与えるにあたり、タイマにより、被験者
に一定時間のタスクとレストとを交互に行なうように、
時間の提示を行なうことにより、被験者に対して簡易な
タスクを与えることができ、心拍相当データが簡単に採
取できる。
【0058】また、タスクをコンピュータに対する入力
作業とし、付加されるタスクの負担量が所定の範囲に収
まるようにコンピュータにより実行速度を制御しながら
被験者に入力を行なわせることにより、心拍相当データ
が簡易な方法で容易に採取されるとともに、個人差によ
る影響を受けることなくメンタルストレス状態を精度よ
く識別できる。この際、ディスプレイ上に複数のターゲ
ットを所定の提示速度で順次表示、消去し、ターゲット
をクリックする操作のエラー量に応じてターゲットの提
示速度を変化させることにより、被験者に付加されるタ
スクの負担量を容易に制御することができる。
【0059】また、拍動間隔データから交感副交感神経
活動度としてタスク状態とレスト状態における正規化分
散および平均心拍数を算出し、該正規化分散および平均
心拍数の2次元分布エリアを求めて、両分布エリアの重
なりがあるときはメンタルストレスがあり、面積の重な
りがないときはメンタルストレスがないことが判定でき
るため、客観的な判定ができる。また、前回測定と今回
測定におけるタスク状態およびレスト状態の分布エリア
の各面積の重心間距離の経時変化を求めることにより、
メンタルストレスの変化状況を知ることができ、判定精
度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図2】第1の実施例の使用状態を示す図である。
【図3】第1の実施例におけるタスクの提示タイミング
を示す図である。
【図4】第1の実施例における心拍の測定原理を説明す
る図である。
【図5】第1の実施例におけるメンタルストレスの判定
要領を説明する図である。
【図6】第1の実施例におけるメンタルストレス判定の
動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】第1の実施例におけるメンタルストレス判定の
動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】第1の実施例におけるタスクを説明する図であ
る。
【図9】第1の実施例におけるメンタルストレスの判定
原理を説明する図である。
【図10】第1の実施例における判定例を説明する図で
ある。
【図11】第1の実施例における判定例を説明する図で
ある。
【図12】第1の実施例におけるメンタルストレス判定
回路の動作を説明する図である。
【図13】第1の実施例におけるメンタルストレス判定
回路の判定例を示す図である。
【図14】第2の実施例におけるメンタルストレス判定
回路の動作を説明する図である。
【図15】第3の実施例におけるメンタルストレスの判
定原理を説明する図である。
【図16】第3の実施例におけるメンタルストレスの判
定要領を説明する図である。
【図17】他のタスク例を示す図である。
【図18】第4の実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図19】第4の実施例におけるタスク提示例を示す図
である。
【図20】タスク提示速度の制御要領を示す図である。
【図21】タスク提示の処理の流れを示すフローチャー
トである。
【図22】タスク提示の処理の流れを示すフローチャー
トである。
【図23】第4の実施例におけるメンタルストレス判定
の動作の流れを示すフローチャートである。
【図24】従来のストレスレベル測定装置の構成を示す
ブロック図である。
【図25】従来のストレスレベル測定装置の測定原理を
説明する図である。
【符号の説明】
100 メンタルストレス判定装置 101 タスク/レスト提示器 102 心拍相当データ採取器 103 RRI検出回路 104 交感副交感神経活動度算出回路 105 メンタルストレス判定回路 300 コンピュータ 301 ボード 302 記入欄 303 丸印 304 ペン 401 タスク提示制御装置 402 提示速度制御回路 403 ターゲット提示装置 404 欠陥データ除去回路 410 ディスプレイ 412 丸印
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−313494(JP,A) 特開 平7−231880(JP,A) 特開 平6−70898(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/00 - 5/0488 A61B 5/16 A61B 10/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被験者に一時的ストレスを与えるタスク
    提示手段と、 被験者の心拍相当データを採取する心拍
    相当データ採取手段と、 該心拍相当データ採取手段に
    より採取した心拍相当データに基づいて、拍動間隔を検
    出する拍動間隔検出手段と、 該拍動間隔検出手段により検出した拍動間隔データに基
    づいて、前記タスク提示手段によりストレスが与えられ
    たタスク状態における交感副交感神経活動度とタスク提
    示手段によりストレスが与えられていないレスト状態に
    おける交感副交感神経活動度とを算出する交感副交感神
    経活動度算出手段と、 該交感副交感神経活動度算出手段により算出したタスク
    状態における交感副交感神経活動度とレスト状態におけ
    る交感副交感神経活動度の比較に基づいて、メンタルス
    トレスを判定するメンタルストレス判定手段とを具備し
    たことを特徴とするメンタルストレス判定装置。
  2. 【請求項2】 前記メンタルストレス判定手段は、複数
    の異なる時間で採取された心拍相当データによる同一被
    験者のタスク状態における交感副交感神経活動度とレス
    ト状態における交感副交感神経活動度に基づいて、前記
    タスク遂行に伴なう被験者の反応の変化を観測すること
    により、メンタルストレスを判定することを特徴とする
    請求項1記載のメンタルストレス判定装置。
  3. 【請求項3】 前記タスク提示手段は、タイマを備え、
    被験者に一定時間のタスクとレストとを交互に行なうよ
    うに、タイマにより時間を提示することを特徴とする請
    求項1または2記載のメンタルストレス判定装置。
  4. 【請求項4】 前記タスク提示手段は、コンピュータを
    備え、タスクは該コンピュータに対する入力作業とし、
    付加されるタスクの負担量が所定の範囲に収まるように
    前記コンピュータにより実行速度を制御しながら被験者
    に入力を行なわせるものであることを特徴とする請求項
    1、2または3記載のメンタルストレス判定装置。
  5. 【請求項5】 前記タスク提示手段は、ディスプレイ上
    に複数のターゲットを所定の提示速度で順次表示すると
    ともにそれぞれ所定時間後に消去し、前記入力作業は、
    各ターゲットが表示されている間に該ターゲットにカー
    ソルを重ねてクリックする操作であり、 タスク提示手段は所定の設定時間ごとの操作ミス量に応
    じてターゲットの前記提示速度を変化させるものである
    ことを特徴とする請求項4記載のメンタルストレス判定
    装置。
  6. 【請求項6】 前記交感副交感神経活動度算出手段は、
    交感副交感神経活動度として、前記拍動間隔データから
    タスク状態における正規化分散および平均心拍数とレス
    ト状態における正規化分散および平均心拍数を算出し、
    該正規化分散および平均心拍数をそれぞれ2次元平面上
    におけるタスク状態の分布エリアおよびレスト状態の分
    布エリアとして求め、 前記メンタルストレス判定手段は、前記タスク状態の分
    布エリアとレスト状態の分布エリアとの面積の重なり率
    に基づいて、メンタルストレスを判定することを特徴と
    する請求項1、2、3、4または5記載のメンタルスト
    レス判定装置。
  7. 【請求項7】 前記交感副交感神経活動度算出手段は、
    交感副交感神経活動度として、前記拍動間隔データから
    タスク状態における正規化分散および平均心拍数とレス
    ト状態における正規化分散および平均心拍数を算出し、
    該正規化分散および平均心拍数をそれぞれ2次元平面上
    におけるタスク状態の分布エリアおよびレスト状態の分
    布エリアとして求め、 前記メンタルストレス判定手段は、前回測定および今回
    測定における前記タスク状態を表わす分布エリア面積の
    重心とレスト状態を表わす分布エリア面積の重心との間
    の距離の経時変化からメンタルストレスの変化を判定す
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載
    のメンタルストレス判定装置。
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