JP2974017B1 - ストレス度判定装置 - Google Patents

ストレス度判定装置

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JP2974017B1
JP2974017B1 JP10232950A JP23295098A JP2974017B1 JP 2974017 B1 JP2974017 B1 JP 2974017B1 JP 10232950 A JP10232950 A JP 10232950A JP 23295098 A JP23295098 A JP 23295098A JP 2974017 B1 JP2974017 B1 JP 2974017B1
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Abstract

【要約】 【課題】 タスク難易度やタスク実施時における被験者
の体動がストレス度判定に与える影響を低減し、ストレ
ス度の判定精度を向上させる。 【解決手段】 ターゲット提示装置1の画面上を移動す
るターゲットをマウス6の操作で追従するタスクと休憩
するレストを被験者に交互に課し、心拍相当データ採取
装置3で心拍相当データを採取する。判定部5では、タ
スク時とレスト時に採取した心拍相当データを比較して
ストレス度を判定する。提示画面の一部を掃引する掃引
波形と、他の波形を重ねあわせたタスク波形をターゲッ
ト提示装置1へ入力し、ターゲットを移動しているの
で、ターゲットは連続的に移動する。そのため、マウス
操作も連続的な動作になり、体動の発生が抑えられる。
また、提示制御部2ではストレス度測定の前に、被験者
の集中度やエラー率に基づいて、ターゲットを移動させ
るタスク波形の難易度を個々の被験者毎に選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人の心拍相当デー
タからストレス度を判定するストレス度判定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、人は、職場あるいは日常生活にお
いて、様々なストレスを受けている。特に、急速なOA
(オフィスオートメーション)化、FA(ファクトリオ
ートメーション)化により、VDT(ビデオディスプレ
イ端末装置)作業や監視作業が増え、これらの作業がも
たらすテクノストレスは過労やヒューマンエラーの要因
となっている。これを防ぐため、ストレスの有害作用に
より心身に生じたストレス度を評価、判定することが重
要となっている。
【0003】そこで、ストレス度と自律神経系の交感副
交感神経活動度の相関が高いことを利用して、図10の
(a)に示すように、被験者に集中が必要なタスクを所
定時間間隔でレスト時間を挟みながら課し、心電信号を
採取し、心電信号から検出した拍動間隔および心拍数か
ら交感副交感神経活動度を算出し、ストレス度を判定す
る方法の開発が進められ、本出願人により出願された特
願平9−340576に記載されている。これらの従来
のストレス度判定装置でのタスクとしては、図10の
(b)に示すように、モニタ画面上のランダムな位置に
表示されたターゲットをマウス操作でクリックしていく
ものが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
タスク提示方法では、ターゲットがランダムに画面上に
表示されるため、前のターゲットと後のターゲットとの
距離が大きい場合には、ターゲットを追従するために生
じた体動により、拍動間隔が左右されたり、ノイズが混
入する恐れがある。また、継続的な体動の影響で、心拍
数が変化してしまう可能性もある。さらに、タスクの難
易度が個々の被験者に合っていない場合には、被験者
が、タスクが簡単すぎて飽きてしまったり、難し過ぎる
ために諦めてしまうことがある。このような状況では、
被験者のストレス度の判定精度が低下してしまう恐れが
あった。
【0005】本発明は、このような従来のストレス度判
定装置に改良を加え、タスクの難易度や、タスク実施時
における被験者の体動がストレス度判定に与える影響を
低減し、ストレス度を客観的に精度よく判定できるスト
レス度判定装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、被
験者が追従可能なターゲットを提示画面上に表示するタ
スクと、休憩であるレストとを交互に提示するタスク提
示装置と、被験者がターゲットを追従するための手動操
作部と、被験者の心拍相当データを採取する心拍相当デ
ータ採取装置と、提示画面に連続波形を入力することに
よりターゲットを連続的に移動させる提示制御手段と、
タスクを遂行しているタスク時に採取した心拍相当デー
タと、休憩しているレスト時に採取した心拍相当データ
の比較結果に基づいて、被験者のストレス度を判定する
ものとした。
【0007】また、被験者が追従可能なターゲットを提
示画面上に表示するタスクと、休憩であるレストとを交
互に提示するタスク提示装置と、被験者がターゲットを
追従するための手動操作部と、被験者の心拍相当データ
を採取する心拍相当データ採取装置と、提示画面のX軸
およびY軸に、連続波形を入力することによりターゲッ
トを連続的に移動させる提示制御手段と、タスクを遂行
しているタスク時に採取した心拍相当データと、休憩し
ているレスト時に採取した心拍相当データの比較結果に
基づいて、被験者のストレス度を判定するものでもよ
い。
【0008】上記提示制御手段は、タスク提示装置の提
示画面に、連続波形として、提示画面の一端から他端の
間を掃引する掃引波形を入力することができる。また、
上記提示制御手段は、タスク提示装置の提示画面に、連
続波形として、提示画面の一部を掃引する第1の波形
と、振幅が第1の波形の振幅より小さい第2の波形を重
ねあわせた波形を入力することもできる。上記第1の波
形および第2の波形は、正弦波状の滑らかな波形である
ことが好ましい。
【0009】上記提示制御手段は、タスク時に採取した
心拍相当データから算出した正規化分散値とレスト時に
採取した心拍相当データから算出した正規化分散値の差
異が所定量以上になるように、第1の波形の周波数を選
択する第1周波数選択手段と、前記手動操作部の操作に
よりターゲットに追従できないエラー状態の発生率が所
定範囲に入るように、第2の波形の周波数を選択する第
2周波数選択手段を有することもできる。
【0010】
【作用】本発明のストレス度判定装置では、タスク提示
装置により被験者に集中を必要とするタスクとレストを
交互に課し、被験者の心拍相当データを採取して、タス
クを遂行しているタスク時と休憩しているレスト時に採
取した心拍相当データを比較してストレス度を判定す
る。
【0011】タスク時には、提示制御手段から、掃引波
形等の連続波形がタスク提示装置に入力されることによ
り、ターゲットは連続的に移動する。被験者は手動操作
部を操作して、ターゲットを追従するが、手動操作部で
の追従動作も連続的な動作になるため、体動の発生が抑
えられる。また、X軸およびY軸方向の2つの連続波形
がタスク提示装置に入力されることにより、ターゲット
はタスク提示装置の提示画面内を縦横自在に連続的に移
動するので、被験者の体動を抑えつつ、広範囲を移動す
る飽きの少ないタスクを提示することができる。
【0012】さらに、タスク提示装置に入力する波形と
して、提示画面の一部を掃引する第1の波形と、第1の
波形より振幅の小さい第2の波形を重ねあわせた波形を
用いれば、ターゲットは複雑な軌跡を描きながら連続的
に移動するので、被験者の体動を抑えつつ、難易度の高
いタスクを提示することができる。また、上記掃引波形
として正弦波状の滑らかな波形を用いれば、ターゲット
の移動も滑らかな動作となり、一層体動を抑えることが
できる。
【0013】さらに、タスク時に採取した心拍相当デー
タから算出した正規化分散値とレスト時に採取した心拍
相当データから算出した正規化分散値の差異が所定量以
上になるように、上記第1の波形の周波数を選択し、ま
た、エラー状態の発生率が所定範囲に入るように、上記
第2の波形の周波数を選択することにより、個々の被験
者毎に適切な難易度でターゲットを移動させることがで
き、被験者がタスクの遂行に飽きてしまったり、諦めて
しまうことを防止できる
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例によ
り説明する。第1の実施例の構成を図1に示す。本実施
例では、まず被験者に合わせてタスクの難易度を選択
し、その後でストレス度の測定および判定を行ってい
る。ストレス度判定装置は、被験者に集中を要するタス
クを課すためにターゲットを提示するターゲット提示装
置1と、ターゲット提示装置1に接続され、提示条件の
選択および制御を行う提示制御部2と、被験者の心拍相
当データを採取する心拍相当データ採取装置3と、心拍
相当データから交感副交感神経活動度を求める交感副交
感神経活動度算出部4と、上記交感副交感神経活動度算
出部4および提示制御部2に接続された判定部5、提示
制御部2に接続されたマウス6とから構成されている。
【0015】提示制御部2および交感副交感神経活動度
算出部4は、心拍相当データ採取装置3に有線または無
線で接続されている。提示制御部2、交感副交感神経活
動度算出部4および判定部5はコンピュータ上に設けら
れている。なお、ターゲット提示装置1は、発明のタス
ク提示装置を構成し、提示制御部は提示制御手段を、交
感副交感神経活動度算出装置4および判定部5はストレ
ス度判定手段を構成する。
【0016】まず、装置全体の動作の流れを簡単に説明
する。実際に被験者のストレス度を検出する前に、提示
制御部2において、個々の被験者の能力に合わせたタス
ク波形が選択される。最初に、レスト時での心電信号か
ら、図2に示すように、拍動信号R−waveを検出
し、拍動間隔RRI(RーR interval)を算
出し、拍動間隔RRIから次式に示す正規化分散RRV
を算出する。
【数1】 精神的な集中度とRRIデータのばらつきの程度が密接
な相関を持つことは実験的に確かめられている。ここで
は、このばらつきを表す指標として正規化分散RRVを
用いている。
【0017】次に、タスク状態での正規化分散RRVを
算出する。まず、提示制御部2では、ターゲット提示装
置1のX軸(横軸)およびY軸(縦軸)方向に、第1周
波数候補faの正弦波を入力し、ターゲットを移動す
る。被験者はマウス6の操作により、ターゲットをカー
ソルで追従する。心拍相当データ採取装置3により被験
者の拍動信号R−waveを測定して提示制御部2へ入
力する。
【0018】提示制御部2では、タスク時の拍動間隔R
RIの正規化分散RRVおよびマウス6の操作がターゲ
ットを追従できなかったエラー状態の発生率であるエラ
ー率を検出する。第1周波数候補faを順次上昇してい
き、タスク時の正規化分散RRVがレスト時の正規化分
散RRVより5%以上低下した場合すなわちタスクを遂
行するために被験者がある程度集中する必要がある場合
または、エラー率が5%以上になった場合に、直前の第
1周波数候補を第1周波数f1に決定する。
【0019】次に、上記第1周波数f1の倍の周波数を
第2周波数候補fbとし、第1周波数f1の正弦波に第
2周波数候補fbの正弦波を重ねた波形をターゲット提
示装置1へ入力し、エラー率を検出する。第2周波数候
補fbを上昇または低下させ、エラー率が9%以上で1
1%以下になった第2周波数候補を第2周波数f2に決
定する。従って、図3に示すように、第1の波形である
第1周波数f1の正弦波と、第2の波形である第2周波数
f2の正弦波を重ねた波形をタスク波形とする。上記の
ように第1周波数および第2周波数を選択することによ
り、被験者にとって、簡単過ぎることも、難し過ぎるこ
ともない、適切な難易度のタスク波形が選択できる。
【0020】タスク波形が選択されると、次に実際に被
験者のストレス度を判定する。提示制御部2により、1
分間のレストと、2分間のタスクが3回繰り返して提示
される。タスク時には、ターゲット提示装置1には、タ
スク波形が入力され、ターゲットが移動する。被験者は
マウス6の操作により、ターゲットをカーソルで追従す
る。
【0021】心拍相当データ採取装置3で検出された拍
動信号R−waveは交感副交感神経活動度算出部4に
入力する。交感副交感神経活動度算出部4では、まず、
拍動信号R−waveから、拍動間隔RRIの正規化分
散RRVと平均心拍数BEATを算出する。算出した正
規化分散RRVと平均心拍数BEATをタスク時とレス
ト時でのRRV−BEAT2次元データの分布エリアと
して判定部5へ出力する。
【0022】タスクの提示が終了後、分布エリアに基づ
いて、ストレス度を判定する。一般に、図4に示すよう
に、集中してタスクを遂行しているタスク時での分布エ
リアは左上に位置し、リラックスしているレスト時での
分布エリアは右下に位置する。しかし、ストレス度が大
きいと、タスク状態でも集中できないケースやレスト状
態でもリラックスできないケースが生じる。従って、健
常者では図5の(a)に示すように、タスク時の分布エ
リアとレスト時の分布エリアが離れている。ストレス度
が大きくなるにしたがい(b)のように、両エリアが近
づき、ストレス度の大きい要注意者では(c)のように
両エリアが重なる。
【0023】判定部5では、今回測定したタスク時のR
RV−BEAT2次元データの重心位置とレスト状態で
のRRV−BEAT2次元データの重心位置との重心間
距離と、前回測定したタスク状態でのRRV−BEAT
2次元データの重心位置とレスト状態でのRRV−BE
AT2次元データの重心位置との重心間距離とを比較す
ることにより、ストレス度の変化を判定している。
【0024】つぎに、本実施例における動作の流れをフ
ローチャートを用いてより詳細に説明する。まず、ター
ゲット提示装置1に入力するタスク波形を決定する動作
に関して図6および図7に示すフローチャートを用いて
説明する。ステップ101において、レスト状態での拍
動間隔RRIの正規化分散RRVを算出するために、レ
スト状態であることを被験者に提示する。ステップ10
2で、心拍相当データ採取装置3により、被験者の心拍
が測定され、拍動信号が心拍相当データとして採取され
る。
【0025】ステップ103で、この拍動信号は提示制
御部2に100Hz以上でサンプリングして逐次取り込
まれる。心電図信号の場合は、身体に電極の装着を必要
とするが、ここでは、被験者に体動の少ないタスクを想
定しているため、心拍の測定で問題は生じない。また、
医療用としての正確な波形診断が目的ではないため、電
極の装着も簡単なものでよい。さらに、簡易測定が可能
な光学測定脈波信号や圧力測定による脈波信号でも、適
切な信号処理により拍動のタイミングが検出されるもの
であれば、同様の効果を得ることができる。
【0026】次いで、ステップ104で、バンドパスフ
ィルタによりノイズ等の目的外信号が除去され、心拍相
当信号がファイリング処理される。ステップ105で、
心拍相当信号に閾値処理などを施し、ステップ106
で、拍動間隔RRIを検出する。ステップ107では、
拍動間隔RRIが所定の範囲内にあるかどうかがチェッ
クされる。ここでは、新規のデータRRI(1)検出に
際してその直前のデータRRI(0)を参照し、(1/
2)RRI(0)から(3/2)RRI(0)の範囲を
検出範囲として設定する。不整脈や検出エラーで拍動が
欠けたり、電気的ノイズが混入した場合には、このチェ
ックで検出できる。すなわち、RRI(1)が上記範囲
内にあるときはそのまま次のステップ109に進むが、
上記範囲にないときは誤差を含んだ値として、ステップ
108で、RRI(1)は不使用とされ、時間情報のみ
が更新され、ステップ109へ進む。即ち、不整脈が生
じたり、検出エラーやノイズが混入したデータを排除す
れば、その後のデータは活用可能である。
【0027】ステップ109では、元来、RRIには変
動が伴なうため、このRRIデータは時系列的には不規
則なサンプリングにならざるを得ないので、補間処理に
より時系列的に規則的なサンプリングにする。ステップ
110では、逐次入力されてくるRRIデータより、1
分間分のデータを解析区間として切り出す。次いで、ス
テップ111で、レスト状態での正規化分散RRVを算
出する。
【0028】ステップ112では、提示制御部2は、タ
スクの提示を開始する。まず、ターゲット提示装置1の
X軸方向には、周波数が第1周波数候補faで振幅がX
軸方向の幅の2/3である正弦波が入力され、Y軸方向
には、周波数が第1周波数候補faで振幅がY軸方向の
幅の2/3である正弦波が入力される。ターゲット提示
装置1上に提示された長方形のターゲットはその中心の
X座標は、X軸方向に入力された波形のX座標を追従
し、Y座標はY軸方向に入力された波形のY座標を追従
する。通常第1周波数候補faの初期値としては、0.
5Hzが用いられるが、被験者の年齢や、前回のストレ
ス度判定時に使用した周波数等を考慮して、適切な周波
数を用いることもできる。被験者はマウス6を操作し
て、常時ターゲット内にカーソルが重なるように、カー
ソルを移動させる。
【0029】ステップ113では、15秒間にカーソル
がターゲットから外れたエラー状態の発生率であるエラ
ー率を算出する。ステップ114では、エラー率が5%
以上であるか否かを判定する。エラー率が5%以上であ
れば、ステップ118へ進む。エラー率が5%より小さ
ければ、ステップ115へ進む。ステップ115では、
ステップ102からステップ111までと同様の動作を
行い、タスク状態での正規化分散RRVを算出する。但
し、ステップ110では、1分間分の解析区間を切り出
したが、本ステップでは、約15秒間に相当する60ポ
イントの解析区間を切り出す。
【0030】ステップ116では、ステップ115で算
出したタスク状態でのRRVがレスト状態でのRRVよ
り5%以上低下したか否かを判定する。5%以上低下し
ていれば、ステップ118へ進み、低下していなけれ
ば、ステップ117へ進む。ステップ117で、第1波
周波数候補faを0.1Hz上昇させ、タスク難易度を
高くして、再度ステップ112へ戻る。ステップ118
では、このステップに進む場合は、エラー率が高い場合
や、タスク時の正規化分散RRVの低下率が大きい場合
なので、タスク難易度が高すぎたとみなし、その直前の
周波数すなわち、ステップ117へ進んだときの第1波
周波数候補faから0.1Hzを引いた周波数を第1周
波数f1に決定する。
【0031】ステップ119で、まず、ターゲット提示
装置1のX軸方向には、周波数が第1周波数f1で振幅
がX軸方向の幅の2/3である正弦波に周波数が第2周
波数候補fbで振幅がX軸方向の幅の1/3である正弦
波を重ねた波形が入力される。Y軸方向には、周波数が
第1周波数f1で振幅がY軸方向の幅の2/3である正
弦波に周波数が第2周波数候補fbで振幅がY軸方向の
幅の1/3である正弦波を重ねた波形が入力される。第
2周波数候補fbの初期値としては第1周波数f1の倍
の周波数が用いられる。ターゲット提示装置1上に提示
されたターゲットは上記の入力波形に従って移動し、被
験者は、カーソルを追従させる。
【0032】ステップ120では、15秒間のエラー率
を算出する。ステップ121では、エラー率が9%以上
であるか否かを判定する。エラー率が9%以上であれ
ば、ステップ123へ進む。エラー率が9%より小さけ
れば、ステップ122へ進む。ステップ122では、タ
スクの難易度を高めるために、第2周波数候補fbの周
波数を0.1Hz上昇させ、ステップ119へ戻り、再
度ターゲットを提示する。
【0033】ステップ123では、エラー率が11%以
下であるか否かを判定する。エラー率が11%以下であ
れば、ステップ125へ進む。エラー率が11%より大
きければ、ステップ124へ進む。ステップ124で
は、タスクの難易度を低下するために、第2周波数候補
fbの周波数を0.1Hz下げ、ステップ119へ戻
り、再度ターゲットを提示する。ステップ125では、
このステップに進む場合は、エラー率が9%以上で11
%以下であり、タスクの難易度が適切であると考えられ
るので、第2周波数候補fbを第2周波数f2に決定す
る。ステップ126で、第1周波数f1の正弦波と第2
周波数f2の正弦波を重ねた波形をタスク波形とする。
なお、フローチャートのステップ112およびステップ
115〜ステップ118は発明の第1周波数選択手段を
構成し、ステップ119〜ステップ125は発明の第2
周波数選択手段を構成する。
【0034】次に、実際に被験者のストレス度を検出す
る場合の動作を図8に示すフローチャートを用いて説明
する。ステップ201では、まずタスク状態またはレス
ト状態を被験者へ提示する。タスク状態では、上述した
フローチャートで決定されたタスク波形がターゲット提
示装置1へ入力されることによりターゲットは連続的に
移動する。提示タイミングとしては、タスクが約1分程
度、レストが約2分程度に設定され、タスクとレストの
提示を1ラウンドとし、3回のラウンドが繰り返して提
示される。レストおよびタスクの間隔は被験者の年齢等
を考慮し適切な間隔が設定可能である。
【0035】まず、心拍相当データ採取装置3により、
被験者の心拍が測定され、拍動信号が心拍相当データと
して採取され、交感副交感神経活動度算出部4に、10
0Hz以上でサンプリングして逐次取り込まれる。その
後、交感副交感神経活動度算出部4において、図6に示
したステップ104からステップ109までと同様のス
テップが実施され、RRIが検出される。次いで、ステ
ップ202では、交感副交感神経活動度算出部4におい
て、60ポイント分のRRIデータを解析区間としてき
り出す。次いで、ステップ203で、正規化分散RRV
と平均心拍数BEATを算出し、これらを解析区間の中
央値の時刻データとともに格納する。
【0036】ステップ204で、解析区間の中央値の時
刻データがタスク時のデータかレスト時のデータかを判
別する。そして、タスク時の場合、ステップ205で、
タスク時のデータとして蓄積し、正規化分散RRVと平
均心拍数BEATとの関係をRRV−BEAT2次元デ
ータの分布エリアとして求め、ステップ207へ進む。
一方、ステップ204でレスト時であると判別された場
合には、ステップ206で、レスト時のデータとして蓄
積し、正規化分散RRVと平均心拍数BEATとの関係
をRRV−BEAT2次元データの分布エリアとして求
め、ステップ207へ進む。
【0037】次に、ステップ207で、タスクおよびレ
ストの提示が完了したか否かがチェックされる。タスク
およびレストの提示が完了していない場合、ステップ2
08に進み、解析区間を60ポイント幅でシフトした
後、ステップ202〜ステップ207の処理を繰り返
す。上記のステップ201〜207の処理は、被験者に
対するタスクおよびレストの提示が行なわれている間、
繰り返されている。ステップ207で、タスクおよびレ
ストの提示完了がチェックされたときには、ステップ2
09に進み、判定部5へ、RRV−BEAT2次元デー
タの分布エリアを出力する。
【0038】ステップ210では、総ラウンド回数が終
了しているか否かを判定する。総ラウンド回数が終了し
ていればステップ211へ進む。総ラウンド回数が終了
していなければ、ステップ201へ戻り、次のラウンド
の測定を行う。ステップ211では、判定部5におい
て、前回測定したときの、総ラウンドでのタスク時およ
びレスト時の分布集中エリアにおける平均重心間間距離
Gtr、および今回測定した総ラウンドでの、タスク時
およびレスト時の分布集中エリアにおける平均重心間距
離Gtr’を算出する。次に、ステップ212で、前回
の重心間距離Gtrと今回の重心間距離Gtr’との比
較を行なうことにより、ストレス度の変化の判定が行な
われる。
【0039】そして、今回測定した重心間距離Gtr’
が前回測定した重心間距離Gtrより大きくなっている
場合には、ステップ213で、「ストレス度、前回より
減少傾向」の判定がなされる。また、今回測定した重心
間距離Gtr’が前回測定した重心間距Gtrと変わら
ない場合には、ステップ214で、「ストレス度、前回
と変化なし」の判定がなされる。また、今回測定した重
心間距離Gtr’が前回測定した重心間距離Gtrより
小さくなっている場合、ステップ215で、「ストレス
度、前回より増加傾向」の判定がなされる。
【0040】本実施例では、第1周波数f1で提示画面
の一部を掃引する正弦波と、第2周波数f2の正弦波を
重ねあわせたタスク波形をターゲット提示装置1へ入力
し、ターゲットを移動している。第1周波数として、タ
スク時に採取した心拍相当データから算出した正規化分
散値とレスト時に採取した心拍相当データから算出した
正規化分散値の差異が5%以上になるか、またはエラー
率が5%以上になる第1周波数f1を選択し、第2周波数
として、エラー状態の発生率が所定範囲に入るような第
2周波数f2を選択することにより、個々の被験者毎に
適切な難易度でターゲットを移動させることができ、被
験者がタスクの遂行に飽きてしまったり、諦めてしまう
ことを防止でき、ストレス度判定の信頼性を向上するこ
とができる。
【0041】また、連続波形であるタスク波形をターゲ
ット提示装置1へ入力し、ターゲットを移動しているの
で、ターゲットは連続的に移動する。そのため、ターゲ
ットを追従するためのマウス操作も連続的な動作にな
り、体動の発生が抑えられる。従って、タスク実施時に
おける被験者の体動がストレス度判定に与える影響を低
減し、ストレス度を客観的に精度よく判定できる。
【0042】次に、図9に、本発明の第2の実施例を示
す。この実施例では、提示制御部10は、ターゲット提
示装置11のX軸のみにタスク波形を入力することによ
り、ターゲットである道路の映像を左右に移動させてい
る。被験者は手動操作部としてのハンドル12を操作し
て自動車の映像を移動させ、道路上を走行させる。その
他の構成および動作は図1に示す第1の実施例と同様で
ある。上記のように、被験者になじみやすいドライビン
グシュミレータ風の装置にすることで、リラックスした
状態でストレス度の測定が可能になり、判定精度が一層
向上する。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のストレス
度判定装置では、タスク時には、提示制御手段から、掃
引波形や掃引波形に他の波形を重ねた波形等の連続波形
が入力されることにより、ターゲットは連続的に移動す
るので、被験者の追従操作も連続的な動作になるため、
体動の発生が抑えられ、ストレス度判定の信頼性が向上
する。また、上記掃引波形として正弦波状の滑らかな波
形を用いれば、ターゲットも滑らかに移動し、一層体動
を抑えることができる。
【0044】さらに、タスク時に採取した心拍相当デー
タから算出した正規化分散値とレスト時に採取した心拍
相当データから算出した正規化分散値の差異が所定量以
上になるように、掃引波形の周波数を選択したり、エラ
ー状態の発生率が所定範囲に入るように、掃引波形に重
ねる波形の周波数を選択することにより、個々の被験者
毎に適切な難易度でターゲットを移動させることがで
き、被験者がタスクの遂行に飽きてしまったり、諦めて
しまうことを防止できるしたがって、タスクの難易度
や、タスク実施時における被験者の体動がストレス度判
定に与える影響を低減し、ストレス度を客観的に精度よ
く判定できるストレス度判定装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図2】拍動間隔の説明図である。
【図3】第1の実施例におけるタスクを説明する図であ
る。
【図4】第1の実施例におけるストレス度の判定原理を
説明する図である。
【図5】ストレス度の変化による拍動間隔の正規化分散
RRVと平均心拍数BEATの2次元データの分布の変
化を説明する図である。
【図6】第1の実施例におけるタスク波形の選択動作の
流れを示すフローチャートである。
【図7】第1の実施例におけるタスク波形の選択動作の
流れを示すフローチャートである。
【図8】第1の実施例におけるストレス度の判定動差の
流れを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施例の構成の一部を示す図である。
【図10】従来のストレス度判定装置を示す図である。
【符号の説明】
1、11 ターゲット提示装置 2、10 提示制御部 3 心拍相当データ採取装置 4 交感副交感神経活動度算出部 5 判定部 6 マウス 12 ハンドル

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被験者が追従可能なターゲットを提示画
    面上に表示するタスクと、休憩であるレストとを交互に
    提示するタスク提示装置と、被験者がターゲットを追従
    するための手動操作部と、被験者の心拍相当データを採
    取する心拍相当データ採取装置と、前記提示画面に連続
    波形を入力することによりターゲットを連続的に移動さ
    せる提示制御手段と、タスクを遂行しているタスク時に
    採取した前記心拍相当データと、休憩しているレスト時
    に採取した前記心拍相当データの比較結果に基づいて、
    被験者のストレス度を判定するストレス度判定手段とを
    備えることを特徴とするストレス度判定装置。
  2. 【請求項2】 被験者が追従可能なターゲットを提示画
    面上に表示するタスクと、休憩であるレストとを交互に
    提示するタスク提示装置と、被験者がターゲットを追従
    するための手動操作部と、被験者の心拍相当データを採
    取する心拍相当データ採取装置と、前記提示画面のX軸
    およびY軸に、連続波形を入力することによりターゲッ
    トを連続的に移動させる提示制御手段と、タスクを遂行
    しているタスク時に採取した前記心拍相当データと、休
    憩しているレスト時に採取した前記心拍相当データの比
    較結果に基づいて、被験者のストレス度を判定するスト
    レス度判定手段とを備えることを特徴とするストレス度
    判定装置。
  3. 【請求項3】 前記提示制御手段は、前記タスク提示装
    置の提示画面に、前記連続波形として、提示画面の一端
    から他端の間を掃引する掃引波形を入力することを特徴
    とする請求項1または2記載のストレス度判定装置。
  4. 【請求項4】 前記提示制御手段は、前記タスク提示装
    置の提示画面に、前記連続波形として、提示画面の一部
    を掃引する第1の波形と、振幅が第1の波形の振幅より
    小さい第2の波形を重ねあわせたタスク波形を入力する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のストレス度判
    定装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の波形および第2の波形は、正
    弦波状の滑らかな波形であることを特徴とする請求項4
    記載のストレス度判定装置。
  6. 【請求項6】 前記提示制御手段は、タスク時に採取し
    た心拍相当データから算出した正規化分散値とレスト時
    に採取した心拍相当データから算出した正規化分散値の
    差異が所定量以上になるように、前記第1の波形の周波
    数を選択する第1周波数選択手段と、前記手動操作部の
    操作によりターゲットに追従できないエラー状態の発生
    率が所定範囲に入るように、前記第2の波形の周波数を
    選択する第2周波数選択手段を有することを特徴とする
    請求項4または5記載のストレス度判定装置。
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