JP3144074B2 - 熱線式検知器 - Google Patents

熱線式検知器

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JP3144074B2 JP20134192A JP20134192A JP3144074B2 JP 3144074 B2 JP3144074 B2 JP 3144074B2 JP 20134192 A JP20134192 A JP 20134192A JP 20134192 A JP20134192 A JP 20134192A JP 3144074 B2 JP3144074 B2 JP 3144074B2
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雅吾 高橋
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Matsushita Electric Works Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゾーンロケータ機能を
備える熱線式検知器の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱線式検知器には、検知領域から入射し
て来る熱線をセンサ回路の熱線感知素子に収束させてお
き、該熱線量が変化すると該変化に応じた電圧を熱線感
知素子から出力させて、該出力電圧が所定レベル以上で
あれば発報出力するようにした受動型熱線式検知器があ
る。このような受動型熱線式検知器には、1台の熱線式
検知器で複数の異なった検知領域を備える、複数検知領
域型のものがある。
【0003】このような複数検知領域型の熱線式検知器
の設置時にあっては、検知領域の設定調節を行うもの
の、狙い通りの設定が成されていないと、本来発報しな
ければならないのに発報しないと言う失報を生じたり、
本来発報してはならないのに発報してしまうと言う誤報
を生じたりする。そこで、正確な検知領域の設定調節を
可能にして、上述のような失報や誤報を生じないように
するための、ゾーンロケータ機能を備えた熱線式検知器
が既に考案されている。
【0004】図2はこのようなゾーンロケータ機能を備
える熱線式検知器の一例を説明するための要部断面図で
ある。図2において、1a,b,c,d はそれぞれ収束
レンズ、2a は平面集合反射板、2b は平面反射板、3
は熱線感知素子、4はプリント配線基板、5は光源、6
は光源5を支えると共に光源5に給電するための支持
具、E1,2,3 は検知領域の確認作業者の目の位置、
A,B,…は検知領域を示している。収束レンズ1a
検知領域Aを形成しており、検知領域Aからやって来る
熱線を平面集合反射板2a に反射させた後、更に平面反
射板2b に反射させ、最終的に熱線感知素子3に収束さ
せる。収束レンズ1b は検知領域Bからやって来る熱線
を直接熱線感知素子3に収束させる。収束レンズ1c,
d についても同様である。
【0005】ところで、熱線の収束する焦点近傍の熱線
感知素子3の前方に配設されている光源5を点灯する
と、光源5から放出される可視光は、前述の熱線の収束
経路の逆を辿ってそれぞれの収束レンズ1a,b,c,
d から放出される。従って、それぞれの検知領域A,
B,…の確認のためのゾーンロケータ機能を使用する場
合は、光源5を点灯させておいて、熱線式検知器を見た
とき収束レンズ1a,b, c,d を通して光源5の見え
る箇所が検知領域であると判断でき、このゾーンロケー
タ機能を用いて正確にそれぞれの検知領域A,B,…が
把握でき、正確に検知領域を設定できる。
【0006】図3はゾーンロケータ機能を備える熱線式
検知器の他の例を説明するための要部断面図であり、図
3(a)は検知状態を示し、図3(b)は検知領域の確
認状態を示している。図3において、2a は平面集合反
射板、2b は放物面反射板、3は熱線感知素子、4はプ
リント配線基板、5は光源、E1,2,3 は検知領域の
確認作業者の目の位置、A,B,…は検知領域を示して
いる。
【0007】この図3に示す熱線式検知器にあっては、
熱線感知素子3は放物面反射板2bの焦点近傍に配設さ
れており、放物面反射板2b と平面集合反射板2a とで
それぞれの検知領域A,B,…を形成している。この図
3に示す熱線式検知器のゾーンロケータ機能を使用する
には、まず、図3(a)に示す状態から図3(b)に示
す状態にする。つまり、プリント配線基板4を移動させ
て光源5を放物面反射板2b の焦点に位置させるのであ
る。その後、光源5を点灯させて熱線式検知器を見たと
き、平面集合反射板2a を介して光源5の見える箇所が
検知領域であると判断できる。そして、検知領域A,
B,…の設定調節が完了すると再びプリント配線基板4
を図3(a)の状態に戻して熱線検知のための運用に入
るのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の熱線式検知器にあっては、例えば、図2
に示すような熱線式検知器では、熱線検知時であっても
熱線感知素子3の前方に光源5が有るので、小さな光源
5ではあるものの、せっかく熱線感知素子3に収束する
熱線が光源5によって遮られるので、その分、熱線式検
知器の感度が低下する。また、例えば、図3に示すよう
な熱線式検知器では、収束される熱線が光源5によって
遮られることは無いものの、光源5を移動するための機
械的な機構が介在するために構造が複雑に成る上に、ガ
タツキが生じ熱線感知素子3を焦点近傍に正確に固定す
ることが難しく熱線式検知器の感度が低下すると言う問
題点があった。
【0009】本発明は、上記の問題点を改善するために
成されたもので、その目的とするところは、ゾーンロケ
ータ機能を備えながら、検知感度の低下の無い熱線式検
知器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点を
解決するため、請求項1記載の発明にあっては、検知領
域からの熱線の収束する焦点近傍に熱線感知素子が配設
され熱線量の変化を検知して発報すると共に前記検知領
域の確認のためのゾーンロケータ機能を備える熱線式検
知器において、熱線は透過するものの可視光は拡散する
可視光拡散部を前記熱線感知素子の近傍前部に配設する
と共に、前記可視光拡散部を後方から可視光で照射する
光源を配設したことを特徴とする。
【0011】また、請求項2記載の発明にあっては、前
記可視光拡散部をポリエチレンフィルムとしたことを特
徴とする。
【0012】
【作用】上記のように構成したことにより、請求項1記
載の発明にあっては、ゾーンロケータ機能を使用する場
合は、光源のための電源を供給して光源を点灯すると、
光源からの可視光は、熱線感知素子の近傍前部に配設さ
れた可視光拡散部で拡散されて、可視光拡散部が全体に
略均一に可視光を拡散放散する。すると、可視光拡散部
の放散する可視光の見ることのできる位置が検知領域で
あると判断できる。しかも、前記可視光拡散部は、熱線
は透過するものの可視光は拡散するものであり且つ前記
光源は後方に配設されている。従って、ゾーンロケータ
機能の使用状態から熱線検知の状態に切り換えるには光
源を電気的に消灯するのみで良く、熱線検知の状態であ
ってもせっかく熱線感知素子に収束される熱線が光源に
よって遮られることも無く、光源を焦点に移動させるよ
うな機械的な構造も不要にできる。
【0013】請求項2記載の発明にあっては、前記可視
光拡散部を簡単且つ安価に構成できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る熱線式検知器の一実施例
を図1に基づいて詳細に説明する。図1は熱線式検知器
を説明するための要部断面図である。
【0015】図1において、1は可視光拡散部、2a
平面集合反射板、2b は放物面反射板、3は熱線感知素
子に相当する焦電素子、4はプリント配線基板、5は光
源に相当する赤色光を発光する発光ダイオード、E1,
2,3 は検知領域の確認作業者の目の位置、A,B,…
は検知領域をそれぞれ示している。
【0016】可視光拡散部1は、熱線は透過するものの
可視光は拡散するポリエチレンフィルムを略円形に成形
したものである。なお、熱線は透過するものの可視光は
拡散するものとしてシリコンの単結晶板が有るが、シリ
コンの単結晶板は加工し難く高価なものであるので使用
することは困難である。
【0017】平面集合反射板2a は平面状の鏡面反射板
を複数接合して富士山形に成したもので、頂部には可視
光拡散部1を取着すると共に熱線を焦電素子3に導入す
るための開口部が形成されている。放物面反射板2b
鏡面の回転放物面を備えたものである。プリント配線基
板4は平面集合反射板2a の内側に適宜方法で固定され
ており、プリント配線基板4に取着された焦電素子3が
放物面反射板2b の焦点位置に位置するように配設され
ている。発光ダイオード5は、適宜方法で平面集合反射
板2a の内側に固定され、焦電素子3の斜め後方から可
視光拡散部1を照射できるように配設されている。
【0018】上述のように構成された熱線式検知器は次
のようにして熱線検知の動作を行う。すなわち、熱線式
検知器は、検知領域A,B,…からやって来る熱線を、
平面集合反射板2a で反射させて放物面反射板2b に導
き、更に放物面反射板2b で反射させて最終的に焦電素
子3の位置で収束させる。このとき、収束する熱線は可
視光拡散部1を透過して焦電素子3に達する。従って、
例えば、検知領域A,B,…内に侵入者が有ると、焦電
素子3の受ける熱線量が侵入者によって変化するので、
焦電素子3は変化に応じた電圧を出力する。すると、熱
線式検知器のセンサ回路(図示せず)が、この焦電素子
3の出力電圧レベルを判定して所定レベル以上であれば
侵入者が有ると判定する。すると、熱線式検知器は発報
するのである。
【0019】上述の熱線式検知器にあっては、検知領域
A,B,…の確認のためのゾーンロケータ機能を次のよ
うにして発揮させることができる。すなわち、発光ダイ
オード5に電源を供給して光源5を点灯すれば良いので
ある。発光ダイオード5が点灯すると、発光ダイオード
5からの赤色光は可視光拡散部1を照射する。すると、
この赤色光は、可視光拡散部1の表面から全体に略均一
に拡散放散される。しかも、可視光拡散部1は、焦電素
子3の前方に位置していると共に、放物面反射板2b
焦点の近傍に位置している。従って、発光ダイオード5
を点灯しておいて熱線式検知器を見たとき、赤色に光る
可視光拡散部1の見える位置は、この熱線式検知器の検
知領域A,B,…であると判断できる。
【0020】従来の熱線式検知器であると、光源として
消費電力が少なく光効率の良い小さな発光部の発光ダイ
オードを用いると共に、せっかく収束する熱線を光源が
遮らないようにできるだけ光源を小さなものにしてあ
り、焦点位置から光源の発光部が外れると検知領域であ
っても光源からの光が小さな点にしか見えず、検知領域
の確認が難しかった。しかし、上述の熱線式検知器であ
ると、光源は小さなものであっても、可視光拡散部は光
源からの可視光を全体に拡散放散して光るので発光面積
を広くすることが可能で、ゾーンロケータ機能を使用時
に検知領域から大きく光る可視光拡散部を見ることがで
き、検知領域の確認が行い易く成る。
【0021】なお、本発明は実施例に限定されるもので
はなく、収束レンズを用いた熱線式検知器であっても良
く、光源は1個であっても良いことは言うまでもない。
【0022】
【発明の効果】本発明の熱線式検知器は上記のように構
成されたものであるから、請求項1記載の発明にあって
は、ゾーンロケータ機能を備えていながら、熱線感知素
子に収束される熱線を光源で減衰させることが無いと共
に、光源を焦点に移動するための機械的な機構が不要で
構造が簡単な上にガタツキが無く、熱線感知素子を焦点
位置に確実に固定できて検知感度の低下が生じなく検知
感度が安定する、請求項2記載の発明にあっては、前記
効果に加えて、可視光拡散部を安価に構成可能な熱線式
検知器が提供できると言う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱線式検知器の一実施例を説明す
るための要部断面図である。
【図2】従来の熱線式検知器の一例を説明するための要
部断面図である。
【図3】従来の熱線式検知器の他の例を説明するための
要部断面図である。
【符号の説明】
1 可視光拡散部 3 熱線感知素子 5 光源 A 検知領域 B 検知領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 13/00 - 15/02 G01V 8/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検知領域からの熱線の収束する焦点近傍
    に熱線感知素子が配設され熱線量の変化を検知して発報
    すると共に前記検知領域の確認のためのゾーンロケータ
    機能を備える熱線式検知器において、熱線は透過するも
    のの可視光は拡散する可視光拡散部を前記熱線感知素子
    の近傍前部に配設すると共に、前記可視光拡散部を後方
    から可視光で照射する光源を配設したことを特徴とする
    熱線式検知器。
  2. 【請求項2】 前記可視光拡散部をポリエチレンフィル
    ムとしたことを特徴とする請求項1記載の熱線式検知
    器。
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