JP3143760B2 - 乾式連続粉砕方法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、乾式連続粉砕方法及び
その装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】金属類等の酸化しやすい処理物を粉砕す
るには、従来は回分式のメディア撹拌型粉砕機を使用
し、空気を不活性ガスで置換して一定時間連転した後に
製品を容器に回収するやり方によっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のやり方によると
きは、製品を回収するときの操作が大変やっかいで、時
間も掛かり非能率であった。本発明が解決しようとする
課題は、微粉になると空気中で酸化して製品の質を落と
したり又は発火して危険を及ぼしたする処理物を、乾式
で連続的に粉砕する点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明に係る乾式連続粉
砕方法は、そのような課題を解決したものであって、次
のようなものである。すなわち、水平に配置した円筒形
の粉砕タンク１の一方側に原料の供給口１５を設けて他
方側に製品の排出口６を設けたメディア撹拌型粉砕機に
おいて、密閉した製品タンク７を製品排出側に設けて製
品タンク７と排出口６とを連通させ、空気より重い不活
性ガスを製品タンク７内へ流入させ、製品の排出口６か
ら粉砕タンク１内に入れた後に原料の供給口１５側へと
排気させることを特徴とする乾式連続粉砕方法である。

【０００５】本発明に係る乾式連続粉砕装置も、同じく
そのような課題を解決したものであって、次のようなも
のである。すなわち、水平に配置した円筒形の粉砕タン
ク１の一方側に原料の供給口１５を設けて他方側に製品
の排出口６を設けたメディア撹拌型粉砕機において、密
閉した製品タンク７を製品排出側に設けて製品タンク７
と排出口６とを連通させ、そして空気より重い不活性ガ
スをボンベ１２から製品タンク７内へ流入させ、製品の
排出口６から粉砕タンク１内に入れた後に原料の供給口
１５側へと排気させるようにした乾式連続粉砕装置であ
る。

【０００６】

【作用】本発明に係る乾式連続粉砕方法によるときは、
空気より重い不活性ガスを製品タンク７内へ流入させ、
製品の排出口６から粉砕タンク１内に入れた後に原料の
供給口１５側へと排気させる。このため、粉砕タンク１
内の空気が押し出され、粉砕タンク１内が不活性ガス雰
囲気に保たれる。この状態で粉砕する。同じく、本発明
に係る乾式連続粉砕装置によるときも、空気より重い不
活性ガスをボンベ１２から製品タンク７内へ流入させ、
製品の排出口６から粉砕タンク１内に入れた後に原料の
供給口１５側へと排気させるので、粉砕タンク１内が不
活性ガス雰囲気に保たれる。

【０００７】

【実施例】本発明の１実施例を図１に基づいて説明す
る。図１において、１は円筒形として水平に配置した粉
砕タンクを示している。粉砕タンク１の外周にジャケッ
ト２を形成し、ジャケット２の右寄り下方に冷却水の流
入口を設け、左寄り上方に排水口を設けている。粉砕タ
ンク１の左方中央に開口部を設け、その開口部を通して
粉砕タンク１の中央に左方からアジテータシャフト３を
挿入している。そして、開口部において粉砕タンク１と
アジテータシャフト３との間をオイルシール１４で密閉
している。アジテータシャフト３の外周には多数のアジ
テータアーム４を等間隔で取り付けている。粉砕タンク
１の右端の開口部にはセパレータ５を取り付けている。
セパレータ５の右方に下方へ向けて製品の排出口６を設
け、排出口６の下方にバルブ１９を介して密閉した製品
タンク７を配置している。製品タンク７の下方側は、バ
ルブ８及び流量計９を介してボンベ１２と連通させてい
る。ボンベ１２内には、空気より重いアルゴン等の不活
性ガスを入れている。また、粉砕タンク１内の左端部と
ボンベ１２とをバルブ１０及び流量計１１を介して連通
させている。粉砕タンク１の左端付近上方に原料の供給
口１５を取り付け、供給口１５の上方にノズル１６を臨
ませている。ノズル１６の上方にはスクリューフィーダ
１７の右方寄りを臨ませ、ノズル１６の上方位置におい
てスクリューフィーダ１７上に通気フィルタ１８を取り
付けている。

【０００８】空気より重い不活性ガスをボンベ１２から
製品タンク７・排出口６を介して粉砕タンク１の右端側
から供給し、また左端部からも供給していく。製品タン
ク７・排出口６・粉砕タンク１・供給口１５・ノズル１
６内の空気が次第に追われ、通気フィルタ１８から大気
中へ出て行ってしまう。後は、内部が不活性ガス雰囲気
に保たれる。不活性ガスの量は、流量計９、１１を監視
してコントロールする。そして、原料Ａはスクリューフ
ィーダ１７で定量的に切り出され、ノズル１６を介して
供給口１５から粉砕タンク１内へ供給される。粉砕タン
ク１内ではアジテータアーム４によりメディア１３と共
に撹拌させられ、メディア１３間で衝撃や磨砕作用を受
け粉砕されながらセパレータ５の方へ移動する。このと
き、必要があればジャケット２に冷却水を流し、粉砕タ
ンク１内を適温に保つ。そして、セパレータ５によりメ
ディア１３と分離した微粉の製品Ｂは、排出口６から製
品タンク７内に落下し貯蔵される。製品タンク７内に貯
蔵された製品は、バルブ８及びバルブ１９を閉めて製品
タンク７を切り離した上で回収する。

【０００９】

【発明の効果】本発明に係る乾式連続粉砕方法及びその
装置によるときは、製品の質を落としたり発火させたり
することなく、酸化しやすい処理物を乾式で連続的に粉
砕し、高品質の粉砕製品を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例を示す概念図である。

【符号の説明】

１ 粉砕タンク ３ アジテータシャフト ４ アジテータアーム ６ 排出口 ７ 製品タンク １２ ボンベ １３ メディア １５ 供給口 １７ スクリューフィーダ

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平に配置した円筒形の粉砕タンク
   （１）の一方側に原料の供給口（１５）を設けて他方側
   に製品の排出口（６）を設けたメディア撹拌型粉砕機に
   おいて、密閉した製品タンク（７）を製品排出側に設け
   て製品タンク（７）と排出口（６）とを連通させ、空気
   より重い不活性ガスを製品タンク（７）内へ流入させ、
   製品の排出口（６）から粉砕タンク（１）内に入れた後
   に原料の供給口（１５）側へと排気させることを特徴と
   する乾式連続粉砕方法。
2. 【請求項２】 水平に配置した円筒形の粉砕タンク
   （１）の一方側に原料の供給口（１５）を設けて他方側
   に製品の排出口（６）を設けたメディア撹拌型粉砕機に
   おいて、密閉した製品タンク（７）を製品排出側に設け
   て製品タンク（７）と排出口（６）とを連通させ、そし
   て空気より重い不活性ガスを収容したボンベ（１２）と
   製品タンク（７）とを連通させて、不活性ガスをボンベ
   （１２）から製品タンク（７）内へ流入させ、製品の排
   出口（６）から粉砕タンク（１）内に入れた後に原料の
   供給口（１５）側へと排気させるようにした乾式連続粉
   砕装置。