JP3143697B2 - 好酸球化学遊走抑制剤 - Google Patents

好酸球化学遊走抑制剤

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JP3143697B2
JP3143697B2 JP06224828A JP22482894A JP3143697B2 JP 3143697 B2 JP3143697 B2 JP 3143697B2 JP 06224828 A JP06224828 A JP 06224828A JP 22482894 A JP22482894 A JP 22482894A JP 3143697 B2 JP3143697 B2 JP 3143697B2
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昭夫 三宅
康子 芦田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は縮合ピリダジン誘導体ま
たはその塩の好酸球化学遊走抑制作用、およびその抑制
作用に基づくアレルギー性鼻炎予防、治療剤およびアト
ピー性皮膚炎予防、治療剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アレルギー性疾患において、アレルギー
反応局所にロイコトリエンB4,C4,D4、プロスタグ
ランジンE2,F ,I2、トロンボキサンA2、PA
F(血小板活性化因子:platelet activating facto
r)、ヒスタミン、ヘパリン、セロトニン、アリルサル
ファターゼ、NCF(neutrophil chemotactic facto
r)、ECF−A(eosinophil chemotactic factor)な
どの化学伝達物質が肥満細胞から遊離され、これらの物
質の作用によりアレルギー反応が現れる。そして、これ
らの物質の遊離を抑制したり拮抗したりすることによっ
てアレルギー反応を押さえることができる。また、上記
の化学伝達物質の作用によって好酸球、好中球、リンパ
球、単球、マクロファージなどが遊走され、細胞局所に
おいてアレルギー反応を起こす。これらの中で好酸球
は、血中および鼻汁中などにおいて高い値を示し、アト
ピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などのアレルギー性疾
患に好酸球の浸潤が深く関与していることがにより報告
されている〔(J, Allergy Clin. Immunol., 80, 4
12−415(1987)〕。また、寄生虫症や高好酸球
症候群などでも好酸球の増加が見られ、抗アレルギー剤
が必ずしも好酸球の浸潤抑制作用を有しているとは限ら
ない。一方、EP−A−381132、EP−A−44
0119およびEP−A−444549などにはイミダ
ゾピリダジン骨格にヘテロ原子を介して側鎖が結合して
いる化合物、EP−A−548923などにはイミダゾ
ピリダジンおよびトリアゾロピリダジン骨格に炭素原子
を介して側鎖が結合している化合物が、抗PAF作用に
基づく抗炎症作用、抗アレルギー作用を有し抗喘息剤と
して用いられることが記載されているが、抗PAF作用
とは相違する好酸球の浸潤抑制作用については全く記載
されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】好酸球の浸潤抑制作用
すなわち好酸球化学遊走抑制作用を有し、かつ副作用を
示さない新しい好酸球化学遊走抑制剤、特に同作用に基
づくアレルギー性鼻炎予防、治療剤およびアトピー性皮
膚炎予防、治療剤の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決する目的で、好酸球化学遊走抑制作用を有する化
合物の探索研究を進め、鋭意検討した結果、特定の化学
構造:
【化7】 〔式中の記号は後記と同意義を示す〕を基本骨格として
有する縮合ピリダジン誘導体がその特異な基本骨格に基
づいて予想外にも優れた好酸球化学遊走抑制作用を示
し、さらに同作用に基づくアレルギー性鼻炎、アトピー
性皮膚炎などの予防、治療に有用であることを見出し、
これらに基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)一般式
【化8】 〔式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい低
級アルキル基またはハロゲン原子;AおよびBは一方が
窒素原子で、他方がメチン基または両方がメチン基;R
2およびR3はそれぞれ水素原子、置換基を有していても
よい低級アルキル基または隣接する−C=C−と共に5
ないし7員環を形成してもよく;Xはメチレン基、酸素
原子またはS(O)p(pは0ないし2の整数を示す);
Yは(i)式
【化9】 (R4およびR5はそれぞれ水素原子または置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基を示す)で表される基、ま
たは(ii)置換基を有していてもよい3ないし7員同素環
または複素環から誘導される2価の基;R6は第1ない
し第3アミノ基;mおよびnはそれぞれ0ないし4の整
数を示す〕で表される化合物またはその塩を含有するこ
とを特徴とする好酸球化学遊走抑制剤、
【0006】(2)R1が水素原子である前記(1)記載の
抑制剤、(3)R2およびR3がそれぞれ水素原子または
1-4アルキル基である前記(1)記載の抑制剤、(4)X
が酸素原子または硫黄原子である前記(1)記載の抑制
剤、(5)AおよびBがメチン基である前記(1)記載の
抑制剤、(6)Aがメチン基、Bが窒素原子である前記
(1)記載の抑制剤、(7)Yが式
【化10】 〔式中、R4aおよびR5aはそれぞれ水素原子またはC
1-4アルキル基を示す〕で表される基である前記(1)記載
の抑制剤、(8)YがC3-7シクロアルキリデン基であ
る前記(1)記載の抑制剤、
【0007】(9)R6が(i)置換基を有していてもよい
低級アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアル
キル基および置換基を有していてもよいアリール基から
選ばれる1または2個で置換されていてもよいアミノ基
または(ii)置換基を有していてもよい環状アミノ基であ
る前記(1)記載の抑制剤、(10)R6が式
【化11】 〔式中、R7およびR8はそれぞれ(i)水素原子、(ii)C
1-4アルキル基を有していてもよいピロリル、イミダゾ
リル、ピリジルまたはピリミジル基で置換されていても
よいC1-4アルキル基または(iii)C3-6シクロアルキル
基を示す〕または式
【化12】 〔式中、R9は水素原子、C1-6アルキル基、ピロリル
基、イミダゾリル基、ピリジル基またはピリミジル基を
示す〕で表される基である前記(1)記載の抑制剤、(1
1)R6がアミノ基である前記(1)記載の抑制剤、
【0008】(12)R1が水素原子、R2が水素原子、
3がC1-6アルキル基、Aがメチン基、Bが窒素原子、
Xが酸素原子、Yが式
【化13】 (R4bおよびR5bはそれぞれC1-4アルキル基を示す)
で表される基、R6がアミノ基、mが1およびnが1な
いし4の整数である前記(1)記載の抑制剤、(13)6
−(2,2−ジエチル−3−スルファモイル1−プロポ
キシ)−7−メチル〔1,2,4〕トリアゾロ〔1,5
−b〕ピリダジンまたはその塩である前記(1)記載の抑
制剤、(14)アレルギー性鼻炎予防、治療剤である前
記(1)記載の抑制剤、および(15)アトピー性皮膚炎
予防、治療剤である前記(1)記載の抑制剤などに関す
る。
【0009】さらに、化合物〔I〕またはその塩が構造
中に不斉炭素を含有し、光学活性化合物およびラセミ体
混合物である場合も本発明の範囲に含まれる。本願明細
書中で用いられる用語「低級アルキル」とは、例えば直
鎖状もしくは分枝状のC1-6アルキル基などを意味す
る。C1-6アルキル基としては、例えばメチル、エチ
ル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブ
チル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなど
が用いられ、特に、例えばメチル、エチル、n−プロピ
ル、i−プロピルなどのC1-4アルキル基が好ましい。
用語「シクロアルキル基」とは、例えばC3-6シクロア
ルキル基などを意味する。C3-6シクロアルキル基とし
ては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシルなどが用いられる。用語「アリ
ール基」とは、例えばC6-14アリール基などを意味す
る。C6-14アリール基としては、例えばフェニル、ナフ
チルなどが用いられ、特にフェニル基が好ましい。
【0010】該「低級アルキル」および「シクロアルキ
ル基」が有していてもよい置換基としては、例えばヒド
ロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ニトロ基、モ
ノ−またはジ−低級アルキルアミノ基(例えばメチルア
ミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノなどのモノ−またはジ−C1-6アル
キルアミノなど)、低級アルコキシ基(例えばメトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、ヘキシルオキシなどのC
1-6アルコキシなど)、低級アルキル−カルボニルオキ
シ基(例えばアセトキシ、エチルカルボニルオキシなど
のC1-6アルキル−カルボニルオキシなど)、フェニル
基およびハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素など)などから選ばれる1ないし4個、好ましくは
1または2個が用いられる。また、「低級アルキル基」
は、置換基として複素環基を有していてもよい。このよ
うな「複素環基」としては、例えばピロリル、イミダゾ
リル、ピリジル、ピリミジルなどの炭素原子以外に1ま
たは2個の窒素原子を含有する5ないし7員の含窒素複
素環基などが用いられ、これら含窒素複素環基は、置換
基として、例えばヒドロキシル基、アミノ基、カルボキ
シル基、ニトロ基、モノ−またはジ−低級アルキルアミ
ノ基(例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルア
ミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどのモノ−ま
たはジ−C1-6アルキルアミノなど)、低級アルコキシ
基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ヘキシル
オキシなどのC1-6アルコキシなど)、低級アルキル−
カルボニルオキシ基(例えばアセトキシ、エチルカルボ
ニルオキシなどのC1-6アルキル−カルボニルオキシな
ど)、フェニル基、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩
素、臭素、ヨウ素など)およびC1-6アルキル基(例え
ばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−
ブチル、i−ブチル、tert−ブチルなど)などから選ば
れる1ないし4個で置換されていてもよく、特に、例え
ばC1-4アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プ
ロピル、i−プロピルなど)などが好ましい。
【0011】該「アリール基」が有していてもよい置換
基としては、例えば置換基を有していてもよい低級アル
キル基、置換基を有していてもよいアミノ基、5ないし
7員環状アミノ基(例えばピロリジノ、モルホリノ、ピ
ペリジノ、ピペラジノなど)、アセトアミド基、ヒドロ
キシル基、カルボキシル基、ニトロ基、低級アルコキシ
基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシなどのC
1-6アルコキシなど)、低級アルキル−カルボニルオキ
シ基(例えばアセトキシ、エチルカルボニルオキシなど
のC1-6アルキル−カルボニルオキシなど)およびハロ
ゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)な
どから選ばれる1ないし5個、好ましくは1ないし3個
が用いられる。ここにおいて、「置換基を有していても
よい低級アルキル基」としては、例えば前記と同様の基
などが用いられる。好ましくは、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、i−プロピルなどのC1-4アルキル基な
どが汎用される。「置換基を有していてもよいアミノ
基」の置換基としては、(i)低級アルキル基(例えばメ
チル、エチル、n−プロピル、i−プロピルなどのC
1-4アルキルなど)、(ii)低級アルキル−カルボニル基
(例えばアセチル、プロピオニル、ブチリルなどのC
1-4アルキル−カルボニルなど)、(iii)低級アルコキシ
−カルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル、プロポキシカルボニルなどのC1-4アルコ
キシ−カルボニルなど)、(iv)ハロゲン原子(例えばフ
ッ素、塩素、臭素など)および(v)ハロゲン原子(例
えばフッ素、塩素、臭素など)、C1-4アルキル基(例
えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルな
ど)およびC1-4アルコキシ基(例えばメトキシ、エト
キシ、プロポキシなど)などから選ばれる1ないし5個
で置換されていてもよいフェニル基(例えばフェニル、
4−クロロフェニル、3−クロロフェニル、2−クロロ
フェニル、4−メチルフェニル、3−メチルフェニル、
2−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、3−メト
キシフェニル、2−メトキシフェニルなど)などから選
ばれる1または2個が用いられる。好ましくは、例えば
アミノ基、C1-4アルキルアミノ基(例えばメチルアミ
ノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノな
ど)などが汎用される。用語「ハロゲン原子」として
は、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが用いられ
る。
【0012】該「隣接する−C=C−と共に形成する5
ないし7員環」とは、環構成部分として−C=C−を含
み、かつ例えば炭素原子以外に、例えば窒素原子、酸素
原子、硫黄原子などから選ばれた1ないし4個のヘテロ
原子を含んでいてもよい5ないし7員環などを意味す
る。具体的には、例えばシクロペンテン、シクロヘキセ
ン、シクロヘプテンなどのC5-7シクロアルケン、ベン
ゼンなどの5ないし7員炭化水素環、例えばピロール、
ピリジン、ピペリジンなどの炭素原子と窒素原子からな
る5ないし7員含窒素複素環などが汎用される。用語
「3ないし7員同素環」とは、例えば炭素原子のみから
なる3ないし7員環状炭化水素などを意味する。具体的
には、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペ
ンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどのC3-7
シクロアルカン、 例えばシクロプロペン、シクロブテ
ン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン
などのC3-7シクロアルケン、ベンゼンなどが汎用され
る。該「3ないし7員同素環」から誘導される2価の基
とは、前述した3ないし7員同素環中の同一の炭素原子
から2個の水素原子を、または異なる2個の原子からそ
れぞれ1個の水素原子を取り除いた2価の基を意味す
る。具体的には、例えば
【化14】 などが用いられ、特に
【化15】 などのC3-7シクロアルキリデン基など汎用される。
【0013】用語「3ないし7員複素環」とは、例えば
炭素原子以外に、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子
などから選ばれた1ないし4個のヘテロ原子を含んでい
てもよい3ないし7員の複素環などを意味する。具体的
には、例えばオキセタン、テトラヒドロフラン、テトラ
ヒドロピラン、ピロール、アゼチジン、ピロリジン、ピ
ペリジン、ピペラジン、テトラヒドロチオフェン、ホモ
ピペリジン、モルホリンなどが用いられる。該「3ない
し7員複素環」から誘導される2価の基とは、前述した
3ないし7員複素環中の同一の炭素原子から2個の水素
原子を、または異なる2個の原子からそれぞれ1個の水
素原子を取り除いた2価の基を意味する。具体的には、
例えば
【化16】 などが用いられる。用語「環状アミノ基」とは、例えば
1個の窒素原子以外に、さらに例えば窒素原子、酸素原
子、硫黄原子などから選ばれた1ないし3個のヘテロ原
子を含んでいてもよい3ないし13員含窒素複素環の窒
素原子から水素原子を1個取り除いた基などを意味す
る。具体的には、例えば
【化17】 などが用いられ、特に
【化18】 などの3ないし9員の環状アミノ基などが汎用される。
【0014】該「3ないし7員同素環」、「3ないし7
員複素環」および「環状アミノ基」が有していてもよい
置換基としては、例えば置換基を有していてもよい低級
アルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、ヒド
ロキシル基、カルボキシル基、ニトロ基、低級アルコキ
シ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシなどのC
1-6アルコキシなど)、5ないし7員含窒素複素環基
(例えばピロリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジ
ルなどで、これらはメチル、エチル、プロピルなどのC
1-4アルキルなどで1ないし4個置換されていてもよ
い)およびハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、
ヨウ素など)などから選ばれる1ないし5個、好ましく
は1ないし3個が用いられる。ここで、「置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基」および「置換基を有して
いてもよいアミノ基」としては、例えば前記「アリール
基」が有していてもよい置換基でのべたものと同様の基
などが用いられる。
【0015】前記式において、R1は水素原子、置換基
を有していてもよい低級アルキル基またはハロゲン原子
を示す。R1としては、例えば水素原子またはC1-4アル
キル(例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロ
ピルなど)などが好ましく、特に水素原子が汎用され
る。R2およびR3はそれぞれ水素原子または置換基を有
していてもよい低級アルキル基、またはR2とR3は隣接
する−C=C−と共に5ないし7員環を形成してもよ
い。R2およびR3としては、それぞれ例えば水素原子ま
たはC1-4アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プ
ロピル、i−プロピルなど)などが好ましい。特にR2
が水素原子かつR3がC1-4アルキル基(例えばメチル、
エチル、n−プロピル、i−プロピルなど)を示す場合
などが汎用される。また、R2とR3が隣接する−C=C
−と共に5ないし7員同素環を形成する場合も好まし
い。特に、シクロヘキセン、ベンゼンなどを形成する場
合が好ましい。Xはメチレン基、酸素原子またはS
(O)p(pは0ないし2の整数を示し、特に1のとき
が好ましい)を示す。Xとしては、例えば酸素原子また
は硫黄原子などが好ましく、特に酸素原子が汎用され
る。AおよびBは、一方が窒素原子で他方はメチン基、
または両方がメチン基を示す。好ましくは、Aがメチン
基およびBが窒素原子、または、AおよびB両方がメチ
ン基を示す場合である。
【0016】Yは式
【化19】 (式中の記号は前記と同意義を示す)で表わされる基ま
たは置換基を有していてもよい3ないし7員同素環また
は複素環から誘導される2価の基を示す。Yとしては、
例えば式
【化20】 (式中の記号は前記と同意義を示す)で表わされる基な
どが好ましい。前記R4aおよびR5aで表わされる「C
1-4アルキル基」としては例えばメチル、エチル、n−
プロピル、i−プロピルなどが用いられる。また、Yと
しては、例えば
【化21】 などのC3-7シクロアルキリデン基などの場合も好まし
い。
【0017】R6は第1ないし第3アミノ基を示す。第
1ないし第3アミノ基としては、例えば(i)置換基を有
していてもよい低級アルキル基、置換基を有していても
よいシクロアルキル基および置換基を有していてもよい
アリール基から選ばれる1または2個で置換されていて
もよいアミノ基または(ii)環状アミノ基などが用いられ
る。特に式
【化22】 〔式中の記号は前記と同意義を示す〕で表される基が好
ましい。式中、R7およびR8はそれぞれ(i)水素原子、
(ii)1個のC1-4アルキル基(例えばメチル、エチル、
n−プロピル、i−プロピルなど)で置換されていても
よいピロリル、イミダゾリル、ピリジルまたはピリミジ
ル基の1個で置換されていてもよいC1-4アルキル基
(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピ
ルなど)、具体的には、2−(1−メチルピロール−2
−イル)エチル、(1−メチルイミダゾリル)エチルな
ど、または(iii)C3-6シクロアルキル基(例えばシクロ
プロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキ
シルなど)などを示す。また、式
【化23】 〔式中の記号は前記と同意義を示す〕で表される基もR
6の好ましい例である。式中、R9は水素原子、置換基を
有していてもよい低級アルキル基または置換基を有して
いてもよい複素環基を示す。ここにおける「置換基を有
していてもよい低級アルキル基」の「低級アルキル基」
およびその置換基は、例えば前記と同様のものが用いら
れる。ここにおける「置換基を有していてもよい複素環
基」とは、例えばピロリル、イミダゾリル、ピリジル、
ピリミジルなどの炭素原子以外に1または2個の窒素原
子を含有する5ないし7員の含窒素複素環基などが用い
られ、これら含窒素複素環基は、置換基として、例えば
ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ニトロ
基、モノ−またはジ−低級アルキルアミノ基(例えばメ
チルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチル
アミノ、ジエチルアミノなどのモノ−またはジ−C1-6
アルキルアミノなど)、低級アルコキシ基(例えばメト
キシ、エトキシ、プロポキシ、ヘキシルオキシなどのC
1-6アルコキシなど)、低級アルキル−カルボニルオキ
シ基(例えばアセトキシ、エチルカルボニルオキシなど
のC1-6アルキル−カルボニルオキシなど)、フェニル
基、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素
など)およびC1-6アルキル基(例えばメチル、エチ
ル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブ
チル、tert−ブチルなど)などから選ばれる1ないし4
個で置換されていてもよい。R9としては、例えば水素
原子、C1-4アルキル基(例えば、メチル、エチル、n
−プロピル、i−プロピルなど)、ピリミジル基などが
好ましい。R6の最も好ましい例はアミノ基などであ
る。
【0018】mは0ないし4の整数を示す。mとして
は、1ないし4の整数が好ましく、特に1などが汎用さ
れる。nは0ないし4の整数を示し、nとしては、1な
いし4の整数が好ましい。mが1で、nが1ないし4の
場合が最も好ましい。化合物〔I〕またはその塩は、自
体公知の方法またはそれに準じた方法によって製造し得
る。例えば、EP−A−185346,EP−A440
119,EP−A−444549,EP−A−5489
23などに記載の方法またはそれに準じた方法によって
製造できる。例えば、 (A):具体的には、化合物〔I〕またはその塩は、一
般式
【化24】 〔式中、Z1は反応性基を、その他の記号は前記と同意
義を示す。〕で表される化合物またはその塩と一般式
【化25】 〔式中、Z2はZ1と反応して離脱する基を、その他の記
号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物またはそ
の塩とを反応させることにより得ることができる。
【0019】Z1で表わされる反応性基としては、例え
ばハロゲン原子(例えば塩素、臭素、ヨウ素など)、C
6-10アリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスル
ホニルオキシ、p−トリルスルホニルオキシなど)、C
1-4アルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホ
ニルオキシなど)などが用いられる。Z2で表わされる
1と反応して離脱する基としては、Xが酸素原子また
は硫黄原子である場合は、例えば水素原子または例えば
ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属などが用いら
れ、Xが−SO−または−SO2−である場合は、例え
ばナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属などが用い
られる。本反応において、化合物〔II〕またはその塩1
モルに対して化合物〔III〕またはその塩を、通常1な
いし5モル、好ましくは1ないし2モルを用いる。本反
応は、通常塩基の存在下で縮合させるのがよく、該塩基
としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウムな
どの水素化アルカリ金属、ナトリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ
金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩など
が用いられる。さらに、本反応はメタノール、エタノー
ルのなどのアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素類、アセトニトリルなどのニトリ
ル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドな
どのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシ
ド類などの不活性溶媒中で行なうこともできる。反応温
度は、通常10ないし200℃、好ましくは50ないし
100℃である。反応時間は、通常30分ないし24時
間、好ましくは1ないし6時間である。
【0020】(B):また、化合物〔I〕またはその塩
は、一般式
【化26】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合
物またはその塩と一般式
【化27】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合
物またはその塩とを反応させることにより得ることがで
きる。本反応において、化合物〔IV〕またはその塩1モ
ルに対して化合物〔V〕またはその塩を、通常1ないし
5モル、好ましくは1ないし2モルを用いる。本反応
は、通常塩基の存在下で縮合させるのがよく、該塩基と
しては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウムなど
の水素化アルカリ金属、ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金
属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩などが
用いられる。さらに、本反応はメタノール、エタノール
のなどのアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素類、アセトニトリルなどのニトリル
類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど
のアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド
類などの不活性溶媒中で行なうこともできる。反応温度
は、通常10ないし200℃、好ましくは50ないし1
50℃である。反応時間は、通常30分ないし24時
間、好ましくは1ないし10時間である。
【0021】(C):さらに、化合物〔I〕またはその
塩は、一般式
【化28】 〔式中、Wは脱離基を、その他の記号は前記と同意義を
示す。〕で表される化合物またはその塩と一般式 R6−H 〔VII〕 〔式中、R6は前記と同意義を示す。〕で表される化合
物またはその塩とを反応させることにより得ることがで
きる。Wで表される脱離基としては、例えばハロゲン原
子(例えば塩素、臭素、ヨウ素など)、C6-10アリール
スルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニルオキ
シ、p−トリルスルホニルオキシなど)、C1-4アルキ
ルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ
など)などが用いられ、なかでもハロゲン原子などが好
ましい。
【0022】本反応において、化合物〔VI〕またはその
塩1モルに対して化合物〔VII〕またはその塩を、通常
1ないし5モル、好ましくは1ないし2モルを用いる。
本反応は、通常メタノール、エタノールのなどのアルコ
ール類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素類、アセトニトリルなどのニトリル類、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジ
メチルスルホキシドなどのスルホキシド類などの不活性
溶媒中で行なうことができる。反応温度は、通常−20
ないし100℃、好ましくは−10ないし50℃であ
る。反応は、通常30分ないし5時間、好ましくは1な
いし3時間である。前記(A)、(B)、(C)で得ら
れるは、遊離体の場合常法に従って塩にすることがで
き、また塩を形成している場合常法に従って遊離体また
はその他の塩にすることができる。かくして得られる化
合物〔I〕またはその塩は、公知の手段、溶媒抽出、液
性変換、転溶、塩析、晶出、再結晶、クロマトグラフィ
ーなどによって単離精製することができる。化合物
〔I〕またはその塩が光学活性体である場合は、通常の
光学分割手段などにより、d体、l体に分離することが
できる。
【0023】次に、化合物〔I〕またはその塩の製造に
用いられる原料化合物〔II〕、〔III〕、〔IV〕、
〔V〕、〔VI〕および〔VII〕またはそれらの塩の製造法
を述べる。これらの化合物の塩としては、例えば無機酸
(例えば塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との
塩、あるいは有機酸(例えば酢酸、ギ酸、プロピオン
酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。さら
に、これらの化合物が−COOHなどの酸性基を有して
いる場合、無機塩基(例えばナトリウム、カリウム、カ
ルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属またはアル
カリ土類金属などやアンモニアなど)または有機塩基
(例えばトリエチルアミンなどのトリ−C1-3アルキル
アミンなど)との塩を形成していてもよい。原料化合物
〔II〕またはその塩は、例えばジャーナル オブ オル
ガニックケミストリー(J. Org. Chem.)39巻,21
43頁(1987年)に記載の方法またはそれに準じた
方法などにより合成できる。原料化合物〔III〕または
その塩および化合物〔V〕またはその塩は、例えばケミ
ッシュ ベリヒテ(Chem. Ber.)91巻,2130頁
(1958年)、ジャーナル オブ オルガニック ケ
ミストリー(J. Org. Chem.)52巻,2162頁(1
987年)、特開平3−223287などに記載の方法
またはそれに準じた方法などにより合成できる。
【0024】原料化合物〔IV〕またはその塩は、例えば
特開平3−223287などに記載の方法またはそれに
準じた方法などによって製造することができる。原料化
合物〔VI〕またはその塩は、例えば方法(1):化合物
〔II〕またはその塩と式
【化29】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化
合物とを反応させるか、または方法(2):化合物〔I
V〕またはその塩と式
【化30】 〔式の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化合
物とを反応させるなどにより合成することができる。上
記方法(1)の反応において、化合物〔II〕またはその
塩1モルに対して化合物〔VIII〕またはその塩を、通常
1ないし5モル、好ましくは1ないし2モルを用いる。
本反応は、前述した化合物〔II〕またはその塩と化合物
〔III〕またはその塩との反応と同様にして行なうこと
ができる。上記方法(2)の反応において、化合物〔I
V〕またはその塩1モルに対して化合物〔IX〕またはそ
の塩を、通常1ないし5モル、好ましくは1ないし2モ
ルを用いる。本反応は、前述した化合物〔IV〕またはそ
の塩と化合物〔V〕またはその塩との反応と同様にして
行なうことができる。原料化合物〔VII〕またはその
塩、原料化合物〔VIII〕またはその塩および原料化合物
〔IX〕またはその塩は、それ自体公知またはそれに準じ
た方法によって製造することができる。
【0025】かくして得られたこれらの原料化合物また
はその塩は、公知の手段、例えば溶媒抽出、液性変換、
転溶、塩析、晶出、再結晶、クロマトグラフィーなどに
よって単離精製することができるが、単離することなく
そのまま反応混合物のまま次の工程の原料として供され
てもよい。 (D):次に、Xがメチレンの化合物〔I〕またはその
塩は、
【化31】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合
物またはその塩と一般式
【化32】 〔式中、QはZと反応して脱離し得る基を、R6aは保護
されていてもよいアミノ基を、その他の記号は前記と同
意義を示す。〕で表される化合物またはその塩とを反応
させることで製造することもできる。
【0026】QはZと互に反応して脱離しうる基を示
す。具体的には、Zで表される基としては、例えばハロ
ゲン原子(例えば塩素、臭素、ヨウ素など)、C6-10
リールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニル
オキシ、p-トリルスルホニルオキシなど)、C1-4アル
キルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキ
シ、トリフルオロメタンスルホニルオキシなど)などが
用いられる。そして、Qで示される基としては、例えば
ハロゲノメタルなどが用いられ、そのハロゲンとして
は、例えば塩素、臭素、ヨウ素などが用いられ、好まし
くはヨウ素が汎用される。さらにそのメタルとしては、
例えば亜鉛、マグネシウムなどが用いられ、好ましくは
亜鉛などが汎用される。
【0027】本反応はパラジウム触媒の存在下で縮合さ
せるのがよく、パラジウム触媒とは、パラジウム触媒−
クロスカップリング反応に利用され得る触媒〔アカウン
ツ・オブ・ケミカル・リサーチ(Accounts of Chemical
Reswarch),12,146−151(1979);
同,15,340−348(1982);アンゲバンデ
・ヒーミェ・インターナショナル・エディション・イン
グリッシュ(Angew. Chem. Int. Ed. Engl.)25,5
08−524(1986)等に記載のもの〕を意味し、
例えばパラジウム−第三ホスフィン錯体またはパラジウ
ム塩もしくはパラジウム錯体と第三ホスフィンの組み合
せなどが例示される。パラジウム−第三ホスフィン錯体
とは、0価または2価のパラジウムとトリアルキルホス
フィンまたはトリアリールホスフィンなどの第三ホスフ
ィンとの錯体を意味し、例えばテトラキス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム、臭化ビス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム、塩化ビス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム、アセトキシビス(トリフェニルホス
フィン)パラジウム、ベンジルクロロビス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリブチルホ
スフィン)パラジウム、塩化ビス(トリメチルホスフィ
ン)パラジウム、塩化ビス(トリエチルホスフィン)パ
ラジウム、塩化ビス(トリプロピルホスフィン)パラジ
ウム、塩化ビス(トリブチルホスフィン)パラジウムな
どを用いることができ、好適には例えば、テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム、臭化ビス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム、塩化ビス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム、アセトキシビス(トリ
フェニルホスフィン)パラジウムなどを用いることがで
きる。
【0028】パラジウム塩とは、2価のパラジウムイオ
ンと酸残基より形成される塩を意味し、例えば塩化パラ
ジウム、臭化パラジウム、酢酸パラジウム、硝酸パラジ
ウム、硫酸パラジウムなどを用いることができ、好適に
は塩化パラジウム、臭化パラジウム、酢酸パラジウムを
用いることができる。パラジウム錯体とは、前記のパラ
ジウム−第三ホスフィン錯体を意味するほか、その他の
0価または2価のパラジウム錯体を意味し、そのような
錯体としては、塩化ビス(フェニルエチルアミン)パラ
ジウム、塩化ビス(ベンゾニトリル)パラジウム、臭化
ビス(ベンゾニトリル)パラジウム、塩化ビス(アセト
ニトリル)パラジウムなどが例示され、好適には、例え
ば塩化ビス(ベンゾニトリル)パラジウム、塩化ビス
(アセトニトリル)パラジウムなどを用いることができ
る。第三ホスフィンとしてはたとえばトリフェニルホス
フィン、トリブチルホスフィン、トリプロピルホスフィ
ン、トリエチルホスフィン、トリメチルホスフィンなど
を用いることができ、好適にはたとえばトリフェニルホ
スフィンなどを用いることができる。
【0029】本反応は溶媒中で行うのが好ましく、この
様な溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、アセトニ
トリルなどのニトリル類などが用いられる。反応温度は
0ないし200℃、好ましくは10ないし100℃で、
反応時間は、30分ないし24時間、好ましくは1ない
し3時間であり、反応は窒素、アルゴン気流下で行なう
のが有利である。反応生成物は、公知の手段、たとえば
溶媒抽出、液性変換、転溶、塩析、晶出、再結晶、クロ
マトグラフィーなどによって単離精製することができ
る。
【0030】本反応では一般式〔X〕において、R6a
アミノ基の場合には、アミノ基を保護することが好まし
く、保護基としてはペプチド化学などの分野で一般に用
いられる保護基を用いることができ、例えばホルミル、
アセチル、ベンゾイルなどアミドを形成するタイプの保
護基;例えばtert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキ
シカルボニルなどのカルバメートを形成する例えばの保
護基;ジメチルアミノメチレン、ベンジリデン、p−メ
トキシベンジリデン、ジフェニルメチレンなどのイミノ
タイプの保護基が用いられる。好ましい保護基としては
例えばホルミル、アセチルあるいはジメチルアミノメチ
レンなどが用られる。なお、前記反応において得られた
生成物が保護基を有する場合には、常法に基づいて保護
基を除去することができ、例えば酸あるいは塩基による
加水分解あるいは接触還元などの脱保護操作により保護
基を除去することができる。また、原料化合物〔X〕ま
たはその塩は、それ自体公知またはそれに準じた方法に
よって製造することができる。さらに、前記化合物
〔I〕またはその塩の各合成反応およびその原料化合物
合成の各反応において、原料化合物が置換基としてアミ
ノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基を有する場合、
これらの基にペプチド化学などで一般的に用いられるよ
うな保護基が導入されたものであってもよく、反応後に
必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を
得ることができる。
【0031】アミノ基の保護基としては、例えばホルミ
ル基、置換基を有していてもよいC1-6アルキルカルボ
ニル基(例えばアセチル、エチルカルボニルなど)、フ
ェニルカルボニル基、C1-6アルキル−オキシカルボニ
ル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル
など)、フェニルオキシカルボニル基(例えばベンゾイ
ルなど)、C7-10アラルキル−カルボニル基(例えばベ
ンジルカルボニルなど)、トリチル基、フタロイル基な
どが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原
子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-6
アルキル−カルボニル基(例えばメチルカルボニル、エ
チルカルボニル、ブチルカルボニルなど)、ニトロ基な
どが用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
カルボキシル基の保護基としては、例えば置換基を有し
ていてもよいC1-6アルキル基(例えばメチル、エチ
ル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、tert−
ブチルなど)、フェニル基、トリチル基、シリル基など
が用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子
(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ホルミル
基、C1-6アルキルカルボニル基(例えばアセチル、エ
チルカルボニル、ブチルカルボニルなど)、ニトロ基な
どが用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
【0032】ヒドロキシル基の保護基としては、例えば
置換基を有していてもよいC1-6アルキル基(例えばメ
チル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチ
ル、tert−ブチルなど)、フェニル基、C7-10アラルキ
ル基(例えばベンジルなど)、C1-6アルキルカルボニ
ル基(例えばホルミル、アセチル、エチルカルボニルな
ど)、フェニルオキシカルボニル基(例えばベンゾイ
ルなど)、C7-10アラルキル−カルボニル基(例えばベ
ンジルカルボニルなど)、ピラニル基、フラニル基、シ
リル基などが用いられる。これらの置換基としては、ハ
ロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)、C1-6アルキル基、フェニル基、C7-1 0アラルキ
ル基(例えばベンジルなど)、ニトロ基などが用いら
れ、置換基の数は1ないし4個程度である。また、保護
基の除去方法としては、それ自体公知またはそれに準じ
た方法が用いられるが、例えば酸、塩基、還元、紫外
光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチ
オカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウム
フルオリド、酢酸パラジウムなどで処理する方法が用い
られる。
【0033】この発明の化合物〔I〕の塩としては、と
りわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この
様な塩としては、例えば無機酸(例えば塩酸、リン酸、
臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例え
ば酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、
コハク酸、酒石酒、クエン酒、リンゴ酒、蓚酒、安息香
酒、メタンスルホン酒、ベンゼンスルホン酒など)との
塩などが用いられる。さらにこの発明の化合物〔I〕が
−COOHなどの酸性基を有している場合、化合物
〔I〕は、無機塩基(例えばナトリウム、カリウム、カ
ルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属またはアル
カリ土類金属などやアンモニアなど)または有機塩基
(例えばトリエチルアミンなどのトリ−C1-3アルキル
アミンなど)と塩を形成してもよい。式〔I〕の化合物
またはその塩は、優れた好酸球化学遊走抑制作用を有し
ており、哺乳動物(例えば人、マウス、イヌ、ラット、
ウシなど)に対して安全に使用でき、特にアレルギー性
鼻炎、アトピー性鼻炎などの治療薬として有用である。
化合物〔I〕またはその塩は、原末のままでもよいが、
通常製剤用担体、例えば賦形剤(例えば炭酸カルシウ
ム、カオリン、炭酸水素ナトリウム、乳糖、澱粉類、結
晶セルロース、タルク、グラニュー糖、多孔性物質な
ど)、結合剤(例えばデキストリン、ゴム類、アルファ
ー化澱粉、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プルランな
ど)、崩壊剤(例えばカルボキシメチルセルロースカル
シウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビド
ン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部分アル
ファー化澱粉など)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、澱粉、安
息香酸ナトリウムなど)、着色剤(例えばタール色素、
カラメル、三二酸化鉄、酸化チタン、リボフラビン類な
ど)、矯味剤(例えば甘味類、香料など)、安定剤(例
えば亜硫酸ナトリウムなど)および保存剤(例えばパラ
ベン類、ソルビン酸など)などの中から適宜、適量用い
て、常法に従って調製された形で投与される。前記製剤
を含む本発明の治療剤は、化合物〔I〕またはその塩を
治療および予防をするのに有効な量を適宜含有する。化
合物〔I〕またはその塩の本発明製剤中の含有量は、通
常製剤全体の0.1ないし100重量%である。また本
発明で用いられる製剤は、活性成分として化合物〔I〕
またはその塩以外の他の医薬成分(例えば抗喘息剤、抗
アレルギー剤、抗炎症剤など)を含有していてもよく、
これらの成分は本発明の目的が達成される限り特に限定
されず、適宜適当な配合割合で含有させることが可能で
ある。剤形の具体例としては、例えば錠剤(糖衣錠、フ
ィルムコーティング錠を含む)、丸剤、カプセル剤(マ
イクロカプセルを含む)、顆粒剤、細粒剤、散剤、シロ
ップ剤、乳剤、懸濁剤、注射剤、吸入剤、軟膏剤などが
用いられる。これらの製剤は常法(例えば日本薬局方記
載の方法など)に従って調製される。具体的には、錠剤
の製造法は、医薬品をそのまま、賦形剤、結合剤、崩壊
剤もしくはそのほかの適当な添加剤を加えて均等に混和
したものを、適当な方法で顆粒とした後、滑沢剤などを
加え、圧縮成型するかまたは、医薬品をそのまま、また
は賦形剤、結合剤、崩壊剤もしくはそのほかの適当な添
加剤を加えて均等に混和したものを、直接圧縮成型して
製するか、またはあらかじめ製した顆粒にそのまま、も
しくは適当な添加剤を加えて均等に混合した後、圧縮成
型しても製造することもできる。また、本剤は、必要に
応じて着色剤、矯味剤などを加えることができる。さら
に、本剤は、適当なコーティング剤で剤皮を施すことも
できる。注射剤の製造法は、医薬品の一定量を、水性溶
剤の場合は注射用水、生理食塩水、リンゲル液など、非
水性溶剤の場合は通常植物油などに溶解、懸濁もしくは
乳化して一定量とするか、または医薬品の一定量をとり
注射用の容器に密封して製することができる。経口用製
剤担体としては、例えばデンプン、マンニット、結晶セ
ルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなど
の製剤分野において常用されている物質が用いられる。
注射用担体としては、例えば蒸留水、生理食塩水、グル
コース溶液、輪液剤などが用いられる。その他、製剤一
般に用いられる添加剤を適宜添加することもできる。本
発明の製剤は、低毒性(急性毒性:LD50>2g/k
g)で安全な化合物であり、好酸球化学遊走を抑制し、
アレルギー反応および炎症反応の局所における好酸球の
浸潤を抑制する。それ故、本発明の製剤は、好酸球浸潤
の関与する疾患の治療剤として有用である。すなわち、
前記哺乳動物における好酸球増加を示す疾患、例えばじ
んま疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、過敏性
肺臓炎剤のアレルギー性疾患、湿疹、疱疹性皮膚炎、乾
癬などの皮膚疾患、好酸球性肺炎(PIE症候群)など
の呼吸器疾患の治療または予防に用いることができる。
投与経路は経口、非経口のいずれでもよい。本発明の製
剤の投与量は、年令、体重、症状、投与経路、投与回数
などにより異なるが、例えば体重60kgのアレルギー性
鼻炎の成人患者に対して、化合物〔I〕またはその塩と
して1日当たり通常0.1ないし100mg/kg、好まし
くは1ないし50mg/kg、より好ましくは1ないし10
mg/kgを1日1ないし3回に分割して経口投与するのが
よい。
【0034】
【実施例】以下、試験例及び実施例により本発明をより
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。 試験例1 1)モルモット好酸球浮遊液の調製 ハートレイ系雄性モルモット(体重約300g)に馬血
清(Whittaker Biochemical)2mlを週1回で8週間連
続に腹腔内投与した。最終投与48時間後に、生理食塩
液75mlを腹腔内に注入したのち、その回収液を400
×g(1500rpm)で5分間遠心した。その沈渣を Pe
rcoll 液(比重d=1.07)5mlに懸濁し、Percoll
液(比重d=1.112:5ml,d=1.095:10
ml,d=1.090:10ml,d=1.085:7ml)
で重層し、1000×g(2200rpm)で30分間
(18℃)遠心した。比重d=1.112とd=1.0
95の境界面にできた細胞層を分取した。分取した細胞
沈渣に混入した赤血球は低張処理(水に30秒間懸濁)
し除去した。10mM Hepes(同仁化学)を含む Hanks
液(Hanks−Hepes)で3回洗浄し、2%ヒト血清アルブ
ミン(和光純薬)を含む Hanks−Hepes 液(Hanks−Hep
es−HSA)に懸濁し、2×106 cells/mlに調製し
た。好酸球の純度は92−96%であり、その viabili
ty は98%以上であった。
【0035】2)化学遊走反応抑制測定法 Blind Well Chamber の下室に Hanks−Hepes−HSAに
懸濁したLTB4(Cascade Bioproducts Ltd.)を10
0μlを入れ、ニトレートセルロースフィルター(ザル
トリウス,Pore size 8μm)を装着し、上室に好酸球
浮遊液100μl(2×105 cells)を入れた。炭酸ガ
スインキュベーターで37℃にて2時間反応後、上室液
を除去し、フィルターを取り出し、スライドガラス上に
て風乾後、エタノールで固定した。クロモトロープ2R
およびヘマトキシレン液にて染色後、キレンにて透徹
し、バルサムで包埋した。光学顕微鏡(400倍)でフ
ィルター下面10μm まで遊走した細胞を5視野(high
power Field)算定した。薬物はDIMSO(ジメチル
スルホキシド)に溶解し、Chamber の上室と下室の両方
に添加した。
【化33】 被検体は1×10−5M濃度に調製し、化学遊走反応抑
制率を求めた。結果を〔表1〕および〔表2〕に示す。
【表1】
【表2】 〔表1〕および〔表2〕より、化合物〔I〕またはその
塩は優れた好酸球化学遊走抑制作用を有することがわか
る。なお、〔表1〕、〔表2〕中の化合物番号は、次の
実施例においても用いている。
【0036】実施例1 (1)化合物番号II−1の化合物 10.0mg (2)乳糖 60.0mg (3)コーンスターチ 35.0mg (4)ゼラチン 3.0mg (5)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg 化合物番号II−1の化合物10.0mgと乳糖60.0mg
およびコーンスターチ35.0mgの混合物を10%ゼラ
チン水溶液0.03ml(ゼラチンとして3.0mg)を用
い、1mmメッシュの篩を通して顆粒化した後、40℃で
乾燥し再び篩過した。かくして得られた顆粒をステアリ
ン酸マグネシウム2.0mgと混合し、圧縮した。得られ
た中心錠を、蔗糖、二酸化チタン、タルクおよびアラビ
アゴムの水懸液による糖衣でコーティングした。コーテ
ィングが施された錠剤をミツロウで艶出してコート錠を
得た。
【0037】実施例2 (1)化合物番号II−1の化合物 10.0mg (2)乳糖 70.0mg (3)コーンスターチ 50.0mg (4)可溶性デンプン 7.0mg (5)ステアリン酸マグネシウム 3.0mg 化合物番号II−1の化合物10.0mgとステアリン酸マ
グネシウム3.0mgを可溶性デンプンの水溶液0.07
ml(可溶性デンプンとして7.0mg)で顆粒化した後、
乾燥し、乳糖70.0mgおよびコーンスターチ50.0
mgと混合した。混合物を圧縮して錠剤を得た。
【0038】実施例3 (1)化合物番号II−1の化合物 5.0mg (2)食塩 20.0mg (3)蒸留水 全量2mlとする 化合物番号II−1の化合物5.0mgおよび食塩20.0
mgを蒸留水に溶解させ、さらに蒸留水を加えて全量2.
0mlとした。溶液をろ過し、無菌条件下に2mlのアンプ
ルに充填した。アンプルを滅菌した後、密封し注射用溶
液を得た。
【0039】
【発明の効果】化合物〔I〕またはその塩を含む本発明
の製剤は、優れた好酸球化学遊走抑制作用を有し、アレ
ルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾
患に有用である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/5025 C07D 487/04 144 C07D 487/04 145 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 〔式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい低
    級アルキル基またはハロゲン原子; AおよびBは一方が窒素原子で他方がメチン基または両
    方がメチン基; R2およびR3はそれぞれ水素原子、置換基を有していて
    もよい低級アルキル基または隣接する−C=C−と共に
    5ないし7員環を形成してもよく; Xはメチレン基、酸素原子またはS(O)p(pは0ない
    し2の整数を示す); Yは、(i)式 【化2】 (R4およびR5はそれぞれ水素原子または置換基を有し
    ていてもよい低級アルキル基を示す)で表される基また
    は(ii)置換基を有していてもよい3ないし7員同素環ま
    たは複素環から誘導される2価の基; R6は(i)置換基を有していてもよい低級アルキル基、置
    換基を有していてもよいシクロアルキル基および置換基
    を有していてもよいアリール基から選ばれる1または2
    個で置換されていてもよいアミノ基または(ii)置換基を
    有していてもよい環状アミノ基; mおよびnはそれぞれ0ないし4の整数を示す〕で表さ
    れる化合物またはその塩を含有することを特徴とする好
    酸球化学遊走抑制剤。
  2. 【請求項2】R1が(i)水素原子、(ii)低級アルキル基
    (この低級アルキル基はヒドロキシル基、アミノ基、カ
    ルボキシル基、ニトロ基、モノ−またはジ−C1-6アル
    キルアミノ基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキル−カ
    ルボニルオキシ基、フェニル基、ハロゲン原子および5
    ないし7員の含窒素複素環基[この含窒素複素環基はヒ
    ドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ニトロ基、
    モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ基、C1-6アルコ
    キシ基、C1-6アルキル−カルボニルオキシ基、フェニ
    ル基、ハロゲン原子およびC1-6アルキル基から選ばれ
    る1ないし4個で置換されていてもよい]から選ばれる
    1ないし4個の置換基を有していてもよい)または(ii
    i)ハロゲン原子; R2およびR3がそれぞれ(i)水素原子、(ii)低級アルキ
    ル基(この低級アルキル基はヒドロキシル基、アミノ
    基、カルボキシル基、ニトロ基、モノ−またはジ−C
    1-6アルキルアミノ基、C1-6アルコキシ基、C1-6アル
    キル−カルボニルオキシ基、フェニル基、ハロゲン原子
    および5ないし7員の含窒素複素環基[この含窒素複素
    環基はヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ニ
    トロ基、モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ基、C
    1-6アルコキシ基、C1-6アルキル−カルボニルオキシ
    基、フェニル基、ハロゲン原子およびC1-6アルキル基
    から選ばれる1ないし4個で置換されていてもよい]か
    ら選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよい)
    または(iii)隣接する−C=C−と共に5ないし7員環
    を形成してもよく; Xがメチレン基、酸素原子またはS(O)p(pは0ない
    し2の整数を示す); Yが、(i)式 【化3】 (R4およびR5がそれぞれ水素原子または低級アル
    キル基(この低級アルキル基はヒドロキシル基、アミノ
    基、カルボキシル基、ニトロ基、モノ−またはジ−C
    1-6アルキルアミノ基、C1-6アルコキシ基、C1-6アル
    キル−カルボニルオキシ基、フェニル基、ハロゲン原子
    および5ないし7員の含窒素複素環基[この含窒素複素
    環基はヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ニ
    トロ基、モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ基、C
    1-6アルコキシ基、C1-6アルキル−カルボニルオキシ
    基、フェニル基、ハロゲン原子およびC1-6アルキル基
    から選ばれる1ないし4個で置換されていてもよい]か
    ら選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよい)
    を示す)で表される基または(ii)3ないし7員同素環ま
    たは複素環から誘導される2価の基(この2価の基は
    1-6アルキル基(このC1-6アルキル基はヒドロキシル
    基、アミノ基、カルボキシル基、ニトロ基、モノ−また
    はジ−C1-6アルキルアミノ基、C1-6アルコキシ基、C
    1-6アルキル−カルボニルオキシ基、フェニル基、ハロ
    ゲン原子および5ないし7員の含窒素複素環基[この含
    窒素複素環基はヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシ
    ル基、ニトロ基、モノ−またはジ−C1-6アルキルアミ
    ノ基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキル−カルボニル
    オキシ基、フェニル基、ハロゲン原子およびC1-6アル
    キル基から選ばれる1ないし4個で置換されていてもよ
    い]から選ばれる1ないし4個の置換基を有していても
    よい)、アミノ基(このアミノ基は(a)C1-4アルキル
    基、(b)C1-4アルキル−カルボニル基、(c)C1-4アルコ
    キシ−カルボニル基、(d)ハロゲン原子および(e)フェ
    ニル基[このフェニル基はハロゲン原子、C1-4アルキ
    ル基およびC1-4アルコキシ基から選ばれる1ないし5
    個で置換されていてもよい)から選ばれる1または2個
    の置換基を有していてもよい]、ヒドロキシル基、
    カルボキシル基、ニトロ基、C1-6アルコキシ基、
    5ないし7員含窒素複素環基[この含窒素複素環基は
    1ないし4個のC1-4アルキル基で置換されていてもよ
    い]およびハロゲン原子から選ばれる1ないし5個の
    置換基を有していてもよい); R6が(i)低級アルキル基(この低級アルキル基はヒド
    ロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ニトロ基、モ
    ノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ基、C1-6アルコキ
    シ基、C1-6アルキル−カルボニルオキシ基、フェニル
    基、ハロゲン原子および5ないし7員の含窒素複素環基
    [この含窒素複素環基はヒドロキシル基、アミノ基、カ
    ルボキシル基、ニトロ基、モノ−またはジ−C1-6アル
    キルアミノ基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキル−カ
    ルボニルオキシ基、フェニル基、ハロゲン原子およびC
    1-6アルキル基から選ばれる1ないし4個で置換されて
    いてもよい]から選ばれる1ないし4個の置換基を有し
    ていてもよい)、シクロアルキル基(このシクロアル
    キル基はヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、
    ニトロ基、モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ基、
    1-6アルコキシ基、C1-6アルキル−カルボニルオキシ
    基、フェニル基およびハロゲン原子から選ばれる1ない
    し4個の置換基を有していてもよい)およびアリール
    基(このアリール基は(a)C1-6アルキル基[この低級ア
    ルキル基はヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル
    基、ニトロ基、モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ
    基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキル−カルボニルオ
    キシ基、フェニル基、ハロゲン原子および5ないし7員
    の含窒素複素環基(この含窒素複素環基はヒドロキシル
    基、アミノ基、カルボキシル基、ニトロ基、モノ−また
    はジ−C1-6アルキルアミノ基、C1-6アルコキシ基、C
    1-6アルキル−カルボニルオキシ基、フェニル基、ハロ
    ゲン原子およびC1-6アルキル基から選ばれる1ないし
    4個で置換されていてもよい)から選ばれる1ないし4
    個の置換基を有していてもよい]、(b)アミノ基[この
    アミノ基は(aa)C1-4アルキル基、(bb)C1-4アルキル−
    カルボニル基、(cc)C1-4アルコキシ−カルボニル基、
    (dd)ハロゲン原子および(ee)フェニル基(このフェニ
    ル基はハロゲン原子、C1-4アルキル基およびC1-4アル
    コキシ基から選ばれる1ないし5個で置換されていても
    よい)から選ばれる1または2個の置換基を有していて
    もよい]、(c)5ないし7員環状アミノ基、(d)アセトア
    ミド基、(e)ヒドロキシル基、(f)カルボキシル基、(g)
    ニトロ基、(h)C1-6アルコキシ基、(i)C1-6アルキル−
    カルボニルオキシ基および(j)ハロゲン原子から選ばれ
    る1ないし5個の置換基を有していてもよい)から選ば
    れる1または2個で置換されていてもよいアミノ基また
    は(ii)環状アミノ基(この環状アミノ基はC1-6アル
    キル基[このC1-6アルキル基はヒドロキシル基、アミ
    ノ基、カルボキシル基、ニトロ基、モノ−またはジ−C
    1-6アルキルアミノ基、C1-6アルコキシ基、C1-6アル
    キル−カルボニルオキシ基、フェニル基、ハロゲン原子
    および5ないし7員の含窒素複素環基(この含窒素複素
    環基はヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ニ
    トロ基、モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ基、C
    1-6アルコキシ基、C1-6アルキル−カルボニルオキシ
    基、フェニル基、ハロゲン原子およびC1-6アルキル基
    から選ばれる1ないし4個で置換されていてもよい)か
    ら選ばれる1ないし4個の置換基を有していてもよ
    い]、アミノ基[このアミノ基は(a)C1-4アルキル
    基、(b)C1 -4アルキル−カルボニル基、(c)C1-4アルコ
    キシ−カルボニル基、(e)ハロゲン原子および(f)フェ
    ニル基(このフェニル基はハロゲン原子、C1-4アルキ
    ル基およびC1-4アルコキシ基から選ばれる1ないし5
    個で置換されていてもよい)から選ばれる1または2個
    の置換基を有していてもよい]、ヒドロキシル基、
    カルボキシル基、ニトロ基、C1-6アルコキシ基、
    5ないし7員含窒素複素環基[この含窒素複素環基は
    1ないし4個のC1-4アルキル基で置換されていてもよ
    い]およびハロゲン原子から選ばれる1ないし5個の
    置換基を有していてもよい); mおよびnはそれぞれ0ないし4の整数である請求項1
    記載の抑制剤。
  3. 【請求項3】R1が水素原子、R2およびR3がそれぞれ
    水素原子またはC1-4アルキル基、Xがメチレン基、酸
    素原子またはS(O)p(pは0ないし2の整数を示
    す); Yが式 【化4】 〔式中、R4aおよびR5aはそれぞれ水素原子またはC
    1-4アルキル基を示す〕で表される基またはC3-7シクロ
    アルキリデン基、R6が(1)式 【化5】 (R7およびR8はそれぞれ(i)水素原子、(ii)C1-4アル
    キル基を有していてもよいピロリル、イミダゾリル、ピ
    リジルまたはピリミジル基で置換されていてもよいC
    1-4アルキル基または(iii)C3-6シクロアルキル基を示
    す)または(2)式 【化6】 (R9は水素原子、C1-6アルキル基、ピロリル基、イミ
    ダゾリル基、ピリジル基またはピリミジル基を示す)で
    表される基; mおよびnはそれぞれ0ないし4の整数である請求項1
    記載の抑制剤。
  4. 【請求項4】R1が水素原子である請求項1または2記
    載の抑制剤。
  5. 【請求項5】R2およびR3がそれぞれ水素原子またはC
    1-4アルキル基である請求項1または2記載の抑制剤。
  6. 【請求項6】Xが酸素原子または硫黄原子である請求項
    1ないし3のいずれかに記載の抑制剤。
  7. 【請求項7】AおよびBがメチン基である請求項1ない
    し3のいずれかに記載の抑制剤。
  8. 【請求項8】Aがメチン基、Bが窒素原子である請求項
    1ないし3のいずれかに記載の抑制剤。
  9. 【請求項9】Yが式 【化7】 〔式中、R4aおよびR5aはそれぞれ水素原子またはC
    1-4アルキル基を示す〕で表される基である請求項1な
    いし3のいずれかに記載の抑制剤。
  10. 【請求項10】YがC3-7シクロアルキリデン基である
    請求項1ないし3のいずれかに記載の抑制剤。
  11. 【請求項11】R6が(1)式 【化8】 (R7およびR8はそれぞれ(i)水素原子、(ii)C1-4アル
    キル基を有していてもよいピロリル、イミダゾリル、ピ
    リジルまたはピリミジル基で置換されていてもよいC
    1-4アルキル基または(iii)C3-6シクロアルキル基を示
    す)または(2)式 【化9】 (R9は水素原子、C1-6アルキル基、ピロリル基、イミ
    ダゾリル基、ピリジル基またはピリミジル基を示す)で
    表される基である請求項1または2記載の抑制剤。
  12. 【請求項12】R6がアミノ基である請求項1ないし3
    のいずれかに記載の抑制剤。
  13. 【請求項13】R1が水素原子、R2が水素原子、R3
    1-6アルキル基、Aがメチン基、Bが窒素原子、Xが
    酸素原子、Yが式 【化10】 (R4bおよびR5bはそれぞれC1-4アルキル基を示す)
    で表される基、R6がアミノ基、mが1およびnが1な
    いし4の整数である請求項1ないし3のいずれかに記載
    の抑制剤。
  14. 【請求項14】6−(2,2−ジエチル−3−スルファ
    モイル−1−プロポキシ)−7−メチル〔1,2,4〕
    トリアゾロ〔1,5−b〕ピリダジンまたはその塩であ
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の抑制剤。
  15. 【請求項15】アレルギー性鼻炎予防、治療剤である請
    求項1ないし3のいずれかに記載の抑制剤。
  16. 【請求項16】アトピー性皮膚炎予防、治療剤である請
    求項1ないし3のいずれかに記載の抑制剤。
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