JP3143348B2 - 目標検出装置 - Google Patents

目標検出装置

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JP3143348B2
JP3143348B2 JP07012791A JP1279195A JP3143348B2 JP 3143348 B2 JP3143348 B2 JP 3143348B2 JP 07012791 A JP07012791 A JP 07012791A JP 1279195 A JP1279195 A JP 1279195A JP 3143348 B2 JP3143348 B2 JP 3143348B2
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智実 櫻田
隆夫 長南
良彦 井上
孝二郎 新谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば航空機など
に搭載し、自機に向かって来た飛しょう体のプルームよ
うな高温かつ紫外線を発光する目標を検出する目標検出
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15及び図16は、赤外線及び紫外線
領域を検出する素子を用いた従来の目標検出装置を示す
ブロック図である。図において、1は赤外線光学系、2
は赤外線撮像部、3aは紫外線光学系、4aは300n
mより短い波長の紫外線領域に感度を持つ二次元の紫外
線検出器を有する紫外線撮像部、5は目標検出処理部、
8は表示部である。
【0003】図15の赤外線領域を検出する素子を用い
た従来の装置の動作について説明する。赤外線光学系1
により結像された赤外光は、赤外線撮像部2の3〜5μ
m帯の赤外線に感度を持つ二次元赤外線検出器に入射
し、赤外画像として出力される。出力された赤外画像
は、目標検出処理部5において、ある一定輝度以上の部
分を1の値にしそれ以外の部分を0の値にする二値化処
理を行うことにより目標の候補を選択し、選択した候補
に関して、画面上の位置、画素の輝度及び面積などの特
徴量計測を行い、予め入力されている目標の画素輝度や
面積などの特徴量と比較を行うことにより目標を決定
し、目標の画面上の位置などのデータを表示部8に出力
する。なお、従来の二次元赤外線検出器は常温、撮像部
近傍において50℃程度の温度幅のダイナミックレンジ
しか持たず、その温度幅を越える温度を持つ物体につい
ては、飽和した目標として撮像していた。
【0004】次に図16の紫外線領域を検出する素子を
用いた従来の装置の動作について説明する。5及び8に
ついては、上記の赤外線領域を検出する素子を用いた従
来の装置と同等である。紫外線光学系3aにより結像さ
れた紫外光は、紫外線撮像部4aに入射し、紫外画像と
して出力される。図17は、紫外線撮像部4aの構造を
示す図である。紫外線撮像部4aに入射した紫外光は、
イメージインテンシファイア31の光電面32に入射
し、紫外光が電子に変換される。その電子は、マイクロ
チャンネルプレート33で増倍され蛍光面34で可視光
に変換される。その可視光は、ファイバ35を介しCC
D(Charge Coupled Device)撮
像器36のCCD素子37に入射され、CCD撮像器3
6で画像として出力される。なお、従来のイメージイン
テンシファイア31は2000℃以上の温度を持つよう
な目標に感度を持つため、目標が遠距離にあり紫外線の
大気減衰が大きい場合などに充分な感度が得られないこ
とがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】紫外線検出器を用いた
従来の目標検出装置は以上のように構成されているの
で、飛しょう体のような紫外線の発光時間が短い目標に
対しては、途中で目標を見失ってしまうという問題点が
あった。一方、赤外線検出器を用いた従来の目標検出装
置は、上記の紫外線単独探知方式に比べ常温付近に感度
を持つため、背景に数多く存在するダイナミックレンジ
以上の温度を持ちかつ目標と近い画素輝度や面積などの
特徴量を持つ物体を、誤って目標として検出する可能性
(以後、誤警報確率という)が高いという問題があっ
た。
【0006】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、紫外線及び赤外線双方の検出器
を使用することにより、誤警報確率を低減するととも
に、より遠距離の目標を検出し、かつ紫外線の発光がな
くなった後でも目標を継続して観測することができる目
標検出装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明における目標検
出装置は、上記の赤外線光学系と撮像部及び紫外線光学
系と撮像部をそれぞれもたせることにより、同じ視野範
囲を赤外と紫外領域で撮像し、得られた2つの画像を処
理して、それぞれ目標候補を検出し、2つの画像で共通
した目標候補を目標として定めるものである。
【0008】また、この発明は赤外線検出器を用いた従
来装置に駆動部を持つ狭い視野角の走査型光学系を使用
した紫外線検出部を設け、紫外線検出器の光学系を駆動
することにより従来と同等の紫外線撮像視野を確保し、
同じ視野範囲を赤外と紫外領域で撮像して得られた2つ
の画像を処理して、それぞれ目標候補を検出し、2つの
画像で共通した目標候補を目標として定めるものであ
る。
【0009】この発明は赤外線検出器を用いた従来装置
に駆動部を持つ狭い視野角の紫外線検出部を設け、紫外
線検出器全体を駆動することにより従来と同等の紫外線
撮像視野を確保し、同じ視野範囲を赤外と紫外領域で撮
像して得られた2つの画像を処理して、それぞれ目標候
補を検出し、2つの画像で共通した目標候補を目標とし
て定めるものである。
【0010】また、この発明は赤外線検出器を用いた従
来装置に駆動部を持つ狭い視野角の走査型光学系を使用
した紫外線検出部を設け、赤外線で検出した目標候補に
関し、紫外線検出部の光学系を駆動制御して紫外線の発
光の有無を確認し、紫外線の発光が確認された目標候補
を目標として定めるものである。
【0011】この発明は赤外線検出器を用いた従来装置
に駆動部を持つ狭い視野角の紫外線検出部を設け、赤外
線で検出した目標候補に関し、紫外線検出部全体を駆動
制御して紫外線の発光の有無を確認し、紫外線の発光が
確認された目標候補を目標として定めるものである。
【0012】また、この発明は上記の手段で赤外線によ
り目標候補とされた画面上の位置に関して、その位置の
繰り返し測定を避けるために、搭載している航空機等の
位置、姿勢のデータを取り込み、記憶されている赤外線
画像では検知されるが紫外線では検知されなかった目標
候補の位置データを補正するものである。
【0013】この発明は上記の手段で赤外線と紫外線の
発光が確認された目標に関して目標を検出する回路と、
その検出回路からの検出信号をトリガとして赤外線画像
上で追尾を行う追尾回路を使用するものである。
【0014】
【作用】この発明における目標検出装置は、赤外線領域
と紫外線領域で、目標の有無を確認するため、誤警報確
率を低減することができる。
【0015】また、この発明における目標検出装置は、
狭い視野の走査型紫外線光学系を駆動する方式にするこ
とで、光学系透過率を向上させ、紫外線撮像部の目標探
知距離を伸ばすことができる。
【0016】この発明における目標検出装置は、狭い視
野を持つ紫外線撮像部全体を駆動させることにより、紫
外線光学系に駆動機構を入れる場合よりも光学系を簡略
化でき、より光学系透過率を向上させ、紫外線撮像部の
目標探知距離を伸ばすことができる。
【0017】また、この発明における目標検出装置は、
狭い視野の走査型紫外線光学系を駆動指示部の指示によ
り駆動し、赤外線撮像部による検出結果の確認に使用す
ることにより、目標の存在する確率の高い場所を長い時
間撮像するため、紫外線撮像部の目標探知距離を伸ばす
ことができる。
【0018】この発明における目標検出装置は、狭い視
野を持つ紫外線撮像部全体を駆動指示部の指示により駆
動し、赤外線撮像部による検出結果の確認に使用するこ
とにより、高解像度の紫外線画像を得ることができるた
め、紫外線撮像部の目標探知距離を伸ばすことができ
る。
【0019】また、この発明における目標検出装置は、
赤外線撮像部により検出結果を紫外線撮像部によって確
認する際に、機体のデータを受け、記憶されている、一
度赤外線により測定されたが紫外線では測定できなかっ
た目標候補の位置データを、機体の位置及び姿勢のデー
タを使用し補正することにより、機体搭載時も目標の判
別効果を損なわず目標を探知することができると同時
に、より脅威となる目標を重点的に探知することができ
る。
【0020】この発明における目標検出装置は、赤外線
撮像部の目標検出時のみ紫外線撮像部によって目標を確
認し、その検出信号をトリガとして赤外線画像上で追尾
を行う追尾回路を使用することで紫外線の発光がなくな
った後も、赤外線の画像のみを利用し追尾処理を継続
し、目標を観測することができる。
【0021】
【実施例】
実施例1.図1は、この発明の実施例1を示す目標検出
装置のブロック図である。図1において、1〜5及び8
は従来の装置と同一のものである。6aは目標位置比較
部、7aは出力データ処理部、9は同期信号発生器であ
る。
【0022】次に動作について説明する。図2は赤外線
撮像部2で得られる二次元画像のイメージ図、図3は図
2と同条件で撮像した場合に紫外線撮像部4aにより得
られる二次元画像のイメージ図である。図2に示すとお
り赤外線の画像では視界の中の物体のうち温度の高いも
の、反射が大きいものなどが高輝度の目標として映し出
される。赤外線撮像部2は各画素の輝度を12BITの
データとしており、画面全体の輝度データのうち最も個
数の多い輝度の値を12BITの中央値にあうよう、画
面全体の輝度レベルを補正することで、高輝度目標に対
してもダイナミックレンジを充分に使用できるようにし
ている。これに対し紫外線の画像は、図3のように紫外
線の発生源のみを高輝度の目標として映し出す。目標検
出処理部5は赤外線撮像部2及び紫外線撮像部4aで得
られた赤外線及び紫外線の二次元画像にそれぞれについ
て、ある一定値以上の輝度を持つ画素を1、それ以外の
画素を0とする二値化処理、1の画素部分がかたまって
存在する範囲それぞれに番号をつけるクラスタリング処
理、番号のついた範囲それぞれの面積、縦及び横方向の
長さ、重心位置、最大輝度、平均輝度、S/Nを検出す
る特徴量抽出処理及びそれぞれの特徴量をあらかじめ設
定してある値と比較し目標候補を決定する目標候補検出
処理を行い目標候補及びその特徴量を目標位置比較部6
aに出力する。目標位置比較部6aは、赤外線画像及び
紫外線画像それぞれの目標候補の特徴量を比較して、そ
れぞれの画像中で一致した位置にある特徴量の近い目標
を選択し、出力データ処理部7aに出力し、表示部8に
出力する出力データを形成する。また、同期信号発生器
9により比較する赤外線画像と紫外線画像の同期を一致
させる。
【0023】上記の赤外線撮像部2の二次元赤外線検出
器は、3〜5μm付近の波長に感度を持つ素子を使用す
る。これは、プルームの赤外線放射を黒体と仮定する
と、“数1”のウィーンの変位則から、500℃程度の
物体が3〜5μmの波長範囲でその最大放射強度を与え
る。これに対し、飛しょう体のプルームは、400℃〜
600℃の領域がその面積の大半を示す場合が多い。
【0024】
【数1】
【0025】また、紫外線撮像部4aの二次元紫外線検
出器は、ソーラブラインド領域に感度のある素子を使用
する。天空からこの波長域の紫外光は、上空のオゾン層
でほとんど吸収されるため、この波長域の撮像装置を地
上付近で使用すると、飛しょう体のプルームのように自
らこの波長域の紫外光を発している物体以外はほとんど
見えないこととなる。上記のように、ミサイル検出に
は、これらの波長域が有効であることがわかる。
【0026】上記実施例1では、目標の検出において赤
外線及び紫外線の2つのセンサを使用し双方のデータを
比較することにより目標を検出している。これは、赤外
線撮像部もしくは紫外線撮像部を単体で使用して目標を
検出する場合に比較して、誤警報確率を減らす効果があ
る。
【0027】実施例2.図4は、この発明の実施例2を
示す目標検出装置のブロック図である。図において、
1,2および5〜9は、実施例1と同一のものである。
3bは走査型の紫外線光学系、4bは紫外線撮像部、1
0aは紫外線光学系駆動部である。
【0028】次に動作について説明する。図5は紫外線
光学系3b、紫外線光学系駆動部10a及び紫外線撮像
部4bの簡単な構成図である。紫外線光学系3bは紫外
線レンズ19、アジマスプリズム20及びエレベーショ
ンミラー21で、また紫外線光学系駆動部10aはアジ
マスプリズムモータ22、エレベーションミラーモータ
23及びモータ駆動制御器24でそれぞれ構成されてい
る。また紫外線撮像部4bは実施例1の紫外線光学系3
aの1画素分の範囲の光の入射口しか持っていない。紫
外線レンズ19が取り込んだ紫外線はアジマスプリズム
20を通りエレベーションミラー21で反射され紫外線
撮像部4bに入射される。モータ駆動制御器24は紫外
線撮像部4b経由で送られてくる同期信号に合わせアジ
マスプリズムモータ22及びエレベーションミラーモー
タ23に駆動信号を出力する。アジマスプリズムモータ
22及びエレベーションミラーモータ23はアジマスプ
リズム20及びエレベーションミラー21をそれぞれの
駆動信号に従い駆動する。アジマスプリズム20は紫外
線を横方向に走査し、またエレベーションミラー21は
紫外線を縦方向に走査し実施例1の紫外線光学系3aと
同様の視野角の範囲の紫外線を同期信号にあわせ紫外線
撮像部4bに入射する。紫外線撮像部4bは入射される
1画素分の範囲の紫外線を光電変換した信号を連続して
出力することで、実施例1の紫外線光学系3aによって
得られる信号と同一の視野範囲の画像信号を出力し、結
果として実施例1と同等の視野範囲の画像が得られる。
【0029】紫外線撮像部4bには、二次元の検出器を
用いず、レスポンスが速く感度の良い光電子増倍管を使
用する。図6に紫外線撮像部4bの構成を示す。図6に
おいて、25は光電子増倍管、26は光電面、27は集
束電極、28は電子増倍部、29は陽極、30は画像変
換回路である。紫外線光学系3bは、入射紫外光を光電
子増倍管25の光電面26上に結像させる。光電面26
は、光電変換により入射した紫外光を電子に変換する。
変換された電子は、集束電極27により電子増倍部28
に引き込まれる。電子増倍部28は、壁面に電子が衝突
すると図中の破線で示したようにその数倍の電子を放出
するため陽極29へたどりつくまでに電子は数十万倍に
も増倍される。陽極29は、電子を電流として画像変換
回路30に出力する。画像変換回路30は、同期信号発
生器9からの同期信号に従い、陽極29からの電流を画
像信号に変換する。実施例1の紫外線撮像部4aを本実
施例で使用すると、光エネルギーの蓄積時間が実施例1
より短くなり、出力される画像信号が弱く不安定になる
ため上記のような構造の紫外線撮像部4bを使用する。
【0030】さらに、紫外線光学系のレンズ材料は、一
般的に屈折率の小さいものしかなく、実施例1の紫外線
光学系3aのように、広い視野角の光を狭い二次元素子
上に集めるよう大きく屈折させるには、レンズの枚数を
多くするしかないので、結果として光学系透過率が悪く
なる。この方式は、光学系を走査型にすることにより、
上記のように紫外線光学系のレンズ構成枚数が少なくな
るため光学系透過率が改善され、目標を認識できる距離
が実施例1より伸びることが期待できるものである。
【0031】実施例3.図7は、この発明の実施例3を
示す目標検出装置のブロック図である。図において、
1,2,4a及び5〜9は、実施例1と同一のものであ
る。3cは実施例1の紫外線光学系3aの視野角に対し
て16分の1の視野角を持つ紫外線光学系、11aは紫
外線光学系3cと紫外線撮像部4aを駆動させるための
紫外線センサ駆動部、12は画像合成処理部である。
【0032】次に動作について説明する。紫外線光学系
3cは実施例1の紫外線光学系3aの16分の1の視野
角の範囲の紫外線を紫外線撮像部4aに集光し、16分
の1の範囲の画像信号を発生し画像合成処理部12に出
力する。画像合成処理部12は16画面分の画像の輝度
情報を記憶できるメモリを持っている。図8にメモリ構
成の概念図を示す。図8では本実施例において紫外線撮
像部4aより出力される1画面分の範囲をアからタの1
6の文字で示される範囲で、画像合成処理部12により
最終的に出力される1画面の範囲を太線で囲んだ範囲で
それぞれ示している。紫外線センサ駆動部11aはアか
らタの画面範囲を紫外線光学3c及び紫外線撮像部4a
が順番に撮像できるようステップ状に視軸を動かす。画
像合成処理部12は16画面分の輝度データを対応する
範囲に記憶し、メモリ中の縦横4画素分、計16画素分
の輝度情報を平均し1画素分のデータとして出力するこ
とで、実施例1の紫外線光学系3aで得られるのと同等
の視野角の画像データを目標検出処理部5に出力する。
【0033】上記実施例2では、紫外線光学系を駆動さ
せていたが、本実施例では紫外線光学系を駆動する代わ
りに、16分の1の視野角の紫外線光学系3cと紫外線
撮像部4aを一体化して、紫外線センサ駆動部11aで
駆動させることにより、実施例1と同等の視野範囲の画
像が得られる。この方法によると、実施例2に比べて駆
動部の負荷が増すため、目標の検出にかかる時間が増す
と考えられるが、16分の1の視野角の光学系の使用及
び画像の合成によりノイズの抑制が期待でき、結果とし
て高いS/Nの信号が得られるものと考えられる。ま
た、紫外線光学系3cに走査鏡や走査プリズムを含まな
いため光学系の構成が実施例2より簡単になり、光学系
透過率が改善され、目標を認識できる距離が実施例2よ
り伸びることが期待できるものである。
【0034】実施例4.図9は、この発明の実施例4を
示す目標検出装置のブロック図である。図において1,
2,3b,5,8は、実施例2と同一のものである。7
bは出力データ処理部、10bは紫外線光学系駆動部、
13は駆動指示部、14はデータ記憶部、15は紫外線
検出器、16は紫外線目標検出部である。
【0035】次に動作について説明する。1,2,3
b,5,8の動作は、実施例2と同じである。駆動指示
部13は、赤外線による目標候補検出結果を受けてデー
タ記憶部14に記憶されたデータとの比較を行い、記憶
されていない位置にあるデータであると判定された場
合、その方向に紫外線光学系3bを向けるために、紫外
線光学系駆動部10bに駆動指示を行う。図10はデー
タ記憶部14のデータ記憶方式及び駆動指示部13の判
定の方法を示す概念図である。データ記憶部14は画面
全体の画素数に対応する1BITのメモリを持ち、直前
に出力データ処理部7bの出力したデータを記憶する。
これが図中チで示す部分である。チで示す部分のうち黒
くぬられた部分は一度測定したが目標がいなかったと指
定された部分であり1の値を、他の部分には0の値を記
憶している。図中もう一方のツで示す部分は目標検出処
理部5の出力する最新の2値化画像である。こちら側の
黒くぬられた部分は目標候補検出結果で目標らしきもの
があると判定された部分に1の値をいれ、他の部分に0
の値をいれてある。駆動指示部13はこの2つの1BI
Tの画面データの排他的論理和を取り、結果が1である
部分を測定する必要のある位置として認識し駆動指示を
行う。なお、本図においては簡略化のため1画面を縦8
画素、横8画素としているが、実際の装置において1画
面をおさめるために必要なメモリは縦512画素、横5
12画素分である。紫外線検出器15は、紫外線光学系
3bからの紫外光を電気信号に変換する。紫外目標検出
部16は、紫外線検出器15からの電気信号が目標の有
無を判定するあるレベルを越えたかどうかを判定する。
出力データ処理部7bは、紫外目標があると紫外目標検
出部16で判定された場合表示部8にその目標の位置な
どのデータを出力し、紫外目標がないと判定された場合
その時の目標位置のデータをデータ記憶部14の持つデ
ータに重ね合わせ出力する。このようにして、データ記
憶部14は赤外画像では目標有りと判断されたが紫外で
は目標無しと判断された画像位置を記憶し、駆動指示部
13が何度も同じ方向を駆動指示しないようにする。
【0036】上記実施例1〜3では、広い視野範囲を2
つの波長帯で常時監視する装置であったが、本実施例で
は、赤外線のみで広い視野範囲を常時監視し、紫外線は
狭い視野で赤外線による検出結果を確認するものであ
る。この方法により、紫外線検出器は目標が存在する可
能性の高い箇所をより長時間測定することが可能になる
ため、紫外線を光電変換する際に発生する電荷を蓄積す
る時間をより長く取ることができ、紫外線による目標探
知距離を伸ばす効果が期待できる。
【0037】実施例5.図11は、この発明の実施例5
を示す目標検出装置のブロック図である。1,2,5,
7b,8及び13〜16は、実施例4と同一のものであ
る。3cは、実施例3と同一のものである。11bは一
体化した紫外線光学系3cと紫外線検出器15を駆動す
る紫外線センサ駆動部である。
【0038】上記実施例4では、光学系のみを駆動させ
ているが、本実施例では、紫外線光学系3bと紫外線検
出器15を一体化して、紫外線センサ駆動部11bで駆
動させる。この方法によると、実施例4より駆動部の負
荷が増すため、目標検出にかかる時間が増すと考えられ
るが、16分の1の視野角の紫外線光学系3cの使用に
より目標の解像度が向上する。また、紫外線光学系3c
に走査鏡や走査プリズムを含まないため光学系の構成が
実施例4より簡単になり、光学系透過率が改善され、目
標を認識できる距離が実施例4より伸びることが期待で
きるものである。
【0039】実施例6.上記実施例4及び5では、一度
目標ではないと認識した目標候補は、画像上の位置が記
憶されて、再び目標候補とされないが、航空機などの移
動する物体(以後、機体という)に搭載した場合、画像
上の位置が機体の動きに従って変化するため、その機能
の効果がなくなる。図12に本実施例を実施例4に適用
したブロック図を示す。図において、17は機体の位置
及び姿勢のデータを処理して画像の移動量を算出する機
体データ処理部である。図13に画像の移動量算出の考
え方の概念図を示す。図中hは機体の飛行高度、vは機
体の飛行速度、θは移動前に観測された目標の方向、ψ
は移動後の機体の姿勢角の変化量である。一般的にミサ
イル等の飛行目標で最も脅威となるのは、目標を観測し
ている機体に向かって飛んでくるものである。この場合
目標となる飛行物体の動きは、機体の動きに対して角度
の変化が少なくなる方向に働くものと考えられる。それ
に対して機体からみた地上の建造物などの脅威になりに
くい目標の画像上の移動量は“数2”で求められる。な
お、図13は簡略化のため側面図で機体が水平飛行して
おり画面上で縦方向の変化のみが起こる場合を考えてい
るが、実際の飛行においては機体の姿勢角の変化は3軸
について起こり、また機体の移動は3方向についておこ
りうるため、画面上の移動量を計算するには行列を使用
した若干複雑な計算を行う必要があるが、基本的な考え
方はかわらない。
【0040】
【数2】
【0041】機体データ処理部17は機体からのデータ
を受けてデータ記憶部14のデータを“数2”に基づき
補正する。駆動指示部13は目標検出処理部5の出力す
る2値化画像とデータ記憶部の補正されたデータを実施
例4と同様の方法を用いて比較し駆動指令を発生する。
これにより地上の物体よりも画面上での移動量が少ない
機体に向かって飛んでくるような物体のみ紫外線で確認
されることになる。この方式を採用することで、本実施
例では機体に搭載した場合も目標判別の効果を損なわず
に、より脅威となる目標に対してのみ繰り返し測定を行
うことが期待できる。
【0042】実施例7.上記実施例1〜6は、赤外線及
び紫外線の発光が継続する場合の検出方法について示し
たものである。しかし、多くの場合紫外線の発光は数秒
間であるので、目標の検出には有効であるが検出した後
の継続した追尾のような処理には向かない。従って検出
した目標を継続して観測するためには、紫外線の発光が
なくなった後は赤外線のみでその目標を追尾する必要が
ある。図14に本実施例を実施例1に適用したブロック
図を示す。図において、1〜8,9は実施例1と同じで
あり、6bは目標位置比較部、7aは出力データ処理
部、18は追尾処理部である。目標位置比較部6bは、
赤外線及び紫外線双方の発光が確認された目標に対し
て、その重心位置、面積、縦及び横方向の長さ等の特徴
量のデータを追尾処理部18に出力する。追尾処理部1
8は目標位置比較部6bの出力を受けると同時にトリガ
として使用し、以降目標検出処理部5から直接特徴量の
データを取得する。追尾処理部18はこれらの特徴量デ
ータを時系列的に扱い連続する画面中において特徴量の
近い目標候補を同一目標と判定し、かつ2つ、もしくは
それ以上の画面間の特徴量の変化量を考慮に入れ、次の
画面で得られると考えられる目標の特徴量を予測し、出
力データ処理部7aに画面上の位置データとして出力す
る。出力データ処理部7aは追尾処理部18より入力さ
れた位置データをもとに表示部8へ出力する追尾シンボ
ルを生成し、表示部8に表示させる。
【0043】以上のように上記実施例7により、紫外線
及び赤外線双方の発光が観測された目標に関して、紫外
線発光がなくなった後も赤外線画像のみを利用し追尾を
実施することで、脅威となる目標について継続的に観測
を続けることが可能となる。
【0044】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、同じ
広い視野範囲を赤外線と紫外線領域を検出する目標検出
装置で検出し、2つの波長帯で検知された目標候補を比
較して同じ位置にある目標候補を目標とする処理を行う
ことにより、誤警報確率を低減することができる。
【0045】また、この発明によれば、紫外線の目標検
出器の光学系を走査型にすることにより、紫外線光学系
の透過率を改善し、紫外線検出器の目標を認識できる距
離を伸ばすことができる。
【0046】この発明によれば、狭い視野の光学系を紫
外線の目標検出器に使用することにより、画面合成に伴
うノイズの抑制による高S/N化及び紫外線光学系の更
なる簡略化による光学系透過率の改善が実施でき、紫外
線検出器により目標を認識できる距離を更に伸ばすこと
ができる。
【0047】また、この発明によれば、赤外線のみで広
い視野範囲を常時監視し、紫外線は狭い視野で赤外線に
よる検出結果を確認する方式をとることにより、紫外線
検出器では目標が存在する可能性の高い箇所をより長時
間測定することが可能になるため、紫外線を光電変換す
る際に発生する電荷を蓄積する時間をより長く取ること
ができ、紫外線による目標探知距離を伸ばすことができ
る。
【0048】この発明によれば、狭い視野角の紫外線光
学系の使用により、紫外線検出器は目標をより高解像度
でとらえることが可能となるとともに、紫外線光学系の
簡略化により紫外線光学系透過率を改善でき、結果とし
て紫外線検出器の目標を探知できる距離を伸ばすことが
できる。
【0049】また、この発明によれば、機体からのデー
タを受け、取得画像上の目標位置データを補正すること
により、地上の物体よりも画面上での移動量が少ない、
機体に向かって飛んでくるような物体のみ紫外線で確認
できるよう制御できるため、機体に搭載した場合も目標
判別の効果を損なわずに、より脅威となる目標に対して
のみ紫外線で繰り返し測定を行うことができる。
【0050】この発明によれば、一旦赤外線と紫外線の
発光が確認された目標に関しては、赤外線画像による追
尾処理を行うことにより、紫外線の発光がなくなった後
でも目標を認識、継続して観測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1による目標検出装置を示
すブロック図である。
【図2】 赤外線撮像部で得られる二次元画像のイメー
ジ図である。
【図3】 紫外線撮像部で得られる二次元画像のイメー
ジ図である。
【図4】 この発明の実施例2による目標検出装置を示
すブロック図である。
【図5】 紫外線光学系、紫外線光学系駆動部及び紫外
線撮像部の構成図である。
【図6】 紫外線撮像部の内部構成図である。
【図7】 この発明の実施例3による目標検出装置を示
すブロック図である。
【図8】 画像合成処理部のメモリ構造の概念図であ
る。
【図9】 この発明の実施例4による目標検出装置を示
すブロック図である。
【図10】 データ記憶部の記憶方式及び駆動指示部の
判定方法を示す概念図である。
【図11】 この発明の実施例5による目標検出装置を
示すブロック図である。
【図12】 この発明の実施例6による目標検出装置を
示すブロック図である。
【図13】 画像の移動量算出の考え方を示す概念図で
ある。
【図14】 この発明の実施例7による目標検出装置を
示すブロック図である。
【図15】 従来の目標検出装置を示すブロック図であ
る。
【図16】 従来の目標検出装置を示すブロック図であ
る。
【図17】 従来の目標検出装置の紫外線撮像部を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
1 赤外線光学系、2 赤外線撮像部、3a 紫外線光
学系、3b 紫外線光学系、3c 紫外線光学系、4a
紫外線撮像部、4b 紫外線撮像部、5 目標検出処
理部、6a 目標位置比較部、6b 目標位置比較部、
7a 出力データ処理部、7b 出力データ処理部、8
表示部、9 同期信号発生器、10a紫外線光学系駆
動部、10b 紫外線光学系駆動部、11a 紫外線セ
ンサ駆動部、11b 紫外線センサ駆動部、12 画像
合成処理部、13 駆動指示部、14 データ記憶部、
15 紫外線検出器、16 紫外目標検出部、17 機
体データ処理部、18 追尾処理部、19 紫外線レン
ズ、20 アジマスプリズム、21 エレベーションミ
ラー、22 アジマスプリズムモータ、23 エレベー
ションミラーモータ、24 モータ駆動制御器、25
光電子増倍管、26 光電面、27 集束電極、28
電子増倍部、29 陽極、30 画像変換回路、31
イメージインテンシファイア、32 光電面、33 マ
イクロチャンネルプレート、34 蛍光面、35 ファ
イバ、36 CCD撮像器、37CCD素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新谷 孝二郎 鎌倉市上町屋325番地 三菱電機株式会 社 鎌倉製作所内 (72)発明者 天野 敏行 鎌倉市上町屋325番地 三菱電機株式会 社 鎌倉製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−247680(JP,A) 特開 平6−273506(JP,A) 特開 平6−242204(JP,A) 特開 昭63−298081(JP,A) 特開 昭63−247681(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 3/78 - 3/789 H04N 7/18

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 広い視野角を持つ赤外線光学系と、赤外
    線領域に感度を持つ二次元赤外線検出器を有する赤外線
    撮像部と、広い視野角を持つ紫外線光学系と、紫外線領
    のうちソーラブラインド領域に感度を持つ二次元の紫
    外線検出器を有する紫外線撮像部と、上記赤外線撮像部
    及び紫外線撮像部の二次元画像の処理を行い目標候補を
    抽出する目標検出処理部と、上記目標検出部で得られた
    紫外線画像と赤外線画像を比較して一致した位置にある
    特徴量の近い目標候補から目標の情報を出力する目標位
    置比較部と、上記目標位置比較部の出力を入力し、表示
    のための出力を形成する出力データ処理部と、上記出力
    データ処理部からのデータを表示する表示部と、上記赤
    外線撮像部と紫外線撮像部の出力画像の同期を一致させ
    るための同期信号発生器とを具備したことを特徴とする
    目標検出装置。
  2. 【請求項2】 広い視野角を持つ赤外線光学系と、赤外
    線領域に感度を持つ二次元赤外線検出器を有する赤外線
    撮像部と、狭い視野範囲を反射鏡で走査することにより
    広い視野を得る走査型の紫外線光学系と、上記光学系を
    駆動させる紫外線光学系駆動部と、紫外線領域に感度を
    持つ光電子増倍管を有する紫外線撮像部と、上記赤外線
    撮像部と紫外線撮像部の画像の処理を行い目標候補を抽
    出する目標検出処理部と、上記目標検出処理部で得られ
    た紫外線画像と赤外線画像を比較して一致した位置にあ
    る目標の情報を出力する目標位置比較部と、上記目標位
    置比較部の出力を入力し表示のための出力を形成する出
    力データ処理部と、上記出力データ処理部からのデータ
    を表示する表示部と、上記赤外線撮像部と紫外線撮像部
    の出力画像の同期を一致させるための同期信号発生器と
    を具備したことを特徴とする目標検出装置。
  3. 【請求項3】 広い視野角を持つ赤外線光学系と、赤外
    線領域に感度を持つ二次元赤外線検出器を有する赤外線
    撮像部と、狭い視野範囲の紫外線光学系と、紫外線領域
    に感度を持つ二次元の紫外線検出器を有する紫外線撮像
    部と、上記紫外線光学系及び紫外線撮像部を一体化して
    駆動させる紫外線センサ駆動部と、上記紫外線撮像部の
    出力する幾つかの狭い視野の画像を合成し広い視野の画
    像を生成する画像合成処理部と、上記赤外線撮像部及び
    画像合成処理部の二次元画像の処理を行い目標候補を抽
    出する目標検出処理部と、上記目標検出処理部で得られ
    た紫外線画像と赤外線画像を比較して一致した位置にあ
    る目標の情報を出力する目標位置比較部と、上記目標位
    置比較部の出力を入力し表示のための出力を形成する出
    力データ処理部と、上記出力データ処理部からのデータ
    を表示する表示部と、上記赤外線撮像部と画像合成処理
    部の出力画像の同期を一致させるための同期信号発生器
    とを具備したことを特徴とする目標検出装置。
  4. 【請求項4】 広い視野角を持つ赤外線光学系と、赤外
    線領域に感度を持つ二次元赤外線検出器を有する赤外線
    撮像部と、二次元画像を二値化などの画像処理を行い目
    標候補を抽出する目標検出処理部と、狭い視野角を持ち
    指示した方向にその視野範囲を移動することのできる走
    査型の紫外線光学系と、紫外線領域に感度を持つ光電子
    増倍管を有する紫外線検出部と、上記光学系を駆動する
    紫外線光学系駆動部と、上記紫外線光学系の視野範囲を
    どこへ移動させるかを紫外線光学系駆動部に指示する駆
    動指示部と、赤外線画像では検知されるが紫外線では検
    知されなかった目標候補の位置データを蓄えるデータ記
    憶部と、赤外線及び紫外線ともに発光が確認された目標
    候補(以後、目標という)については表示のための出力
    を形成し偽目標については上記データ記憶部にデータを
    出力する出力データ処理部と、上記出力データ処理部か
    らのデータを表示する表示部とを具備したことを特徴と
    する目標検出装置。
  5. 【請求項5】 広い視野角を持つ赤外線光学系と、赤外
    線領域に感度を持つ二次元赤外線検出器を有する赤外線
    撮像部と、二次元画像を二値化などの画像処理を行い目
    標候補を抽出する目標検出処理部と、狭い視野角を持つ
    凝視型の紫外線光学系と、紫外線領域に感度を持つ二次
    元素子を有する紫外線検出器と、上記紫外線光学系及び
    紫外線検出器を一体化して駆動する紫外線センサ駆動部
    と、上記紫外線光学系の視野範囲をどこへ移動させるか
    を紫外線光学系駆動部に指示する駆動指示部と、赤外線
    画像では検知されるが紫外線では検知されなかった目標
    候補の位置データを蓄えるデータ記憶部と、赤外線及び
    紫外線ともに発光が確認された目標については表示のた
    めの出力を形成し偽目標については上記データ記憶部に
    データを出力する出力データ処理部と、上記出力データ
    処理部からのデータを表示する表示部とを具備したこと
    を特徴とする目標検出装置。
  6. 【請求項6】 航空機などに搭載し機体の位置及び姿勢
    のデータを得ることにより、データ記憶部に記憶されて
    いる赤外線画像では検知されるが紫外線では検知されな
    かった目標候補の位置データを補正する機体データ処理
    部が付加されることを特徴とする請求項4又は5記載の
    目標検出装置。
  7. 【請求項7】 目標であることが確認された場合紫外線
    の発光がなくなった後も目標を追尾する処理を行う追尾
    処理部が付加されることを特徴とする請求項1〜6いず
    れか記載の目標検出装置。
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