JP3142401B2 - レーザクラッド加工の異常判定方法 - Google Patents

レーザクラッド加工の異常判定方法

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JP3142401B2 JP04304868A JP30486892A JP3142401B2 JP 3142401 B2 JP3142401 B2 JP 3142401B2 JP 04304868 A JP04304868 A JP 04304868A JP 30486892 A JP30486892 A JP 30486892A JP 3142401 B2 JP3142401 B2 JP 3142401B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザクラッド加工の異
常判定方法に関するものであり、特に簡単・正確・迅速
に異常を判定することを可能にする技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】母材表面に置かれたクラッド金属にレー
ザビームを集中的に照射し、その照射点をクラッド金属
に沿って移動させることによって母材表面にクラッド金
属を線状または帯状に溶接肉盛りするレーザクラッド加
工が既に知られている。このレーザクラッド加工におい
ては、クラッド金属はレーザビームにより溶融して液体
となり、一方、母材表面のうちクラッド金属が置かれて
いる部分はそのクラッド金属の熱またはレーザビームの
熱により、極めて薄い層において溶融する。この薄い液
体の層は溶融して液体となったクラッド金属と溶融結合
し、そして凝固後母材とクラッド金属とが金属的結合を
形成し、母材表面がクラッド金属で被覆される。
【0003】そして、このレーザクラッド加工は例え
ば、本出願人の特開昭62−16894号公報および特
願平2−240477号明細書にも記載されているよう
に、車両のエンジンのシリンダヘッドにおけるバルブシ
ートの機械的性質を局所的に向上させるために実施され
る。具体的には、母材としてのアルミニウム製シリンダ
ヘッドのバルブシートの表面に、耐熱性,耐摩耗性に優
れた粉末状のクラッド金属が線状または帯状に供給さ
れ、そのクラッド金属にレーザビームが集中的に照射さ
れ、その照射点がバルブシートに沿って移動させられ、
これによりバルブシートの表面にクラッド層が連続的に
形成される。なお、粉末のクラッド金属の供給方式には
例えば、レーザ照射に先立って肉盛り予定位置全体に供
給する一括供給式や、レーザ照射点のすぐ手前において
レーザ照射点の移動につれて逐次供給する逐次供給式な
どがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】レーザクラッド加工に
おいては一般に、例えば次のような内容の加工品質が要
求される。すなわち、クラッド層内部に割れ,ピンホ
ール等の欠陥が発生しないことや、クラッド層の成
分,硬さ,組織等が適正であり、かつ加工ごとのばらつ
きが少ないことや、母材がクラッド層に溶け込み過ぎ
ないこと、すなわち母材による希釈が少ないことなどが
要求されるのである。
【0005】それら加工品質を左右する要因は非常に多
数あり、また、それら要因は僅かに変動しただけで加工
品質を低下させる。そのため、加工前および加工中に、
それら要因を厳しく管理することにより加工品質の低下
を防止することが行われている。しかし、それら要因全
てが容易に管理できるわけではなく、予測が困難である
などのために管理が困難な要因もある。そのような要因
とは例えば、粉末状のクラッド金属の酸化および水分吸
収(大気の影響による)や、レーザビームに係る光学系
の性能の経時変化などである。このように、レーザクラ
ッド加工においては、加工要因をかなり管理したとして
も加工に異常が発生することは避け得ないのであり、そ
のため、加工における異常の有無および種類を簡単・正
確・迅速に判定し、異常があると判定された場合にはそ
の加工が加えられたワークを不良品として確実に廃棄す
とともに、異常の原因を除去するための処置を行う
要がある。
【0006】しかし、従来の異常判定方法では、異常
有無および種類の判定を簡単・正確・迅速に行うことが
困難であった。以下、このことを前述のバルブシートの
場合を例にとり、具体的に説明する。
【0007】シリンダヘッドについては、レーザクラッ
ド加工工程においてバルブシートの表面にクラッド層が
形成された後、検査工程においてそのバルブシートの品
質、すなわちレーザクラッド加工における異常の有無が
判定され、異常のないシリンダヘッドはその後、表面平
滑化工程に送られ、そこでバルブシートの表面が研削等
により平滑に仕上げられる。一方、異常のあるシリンダ
ヘッドは廃棄され、後工程である表面平滑化工程には送
られない。
【0008】上記検査工程においては、作業者が主にク
ラッド層表面を観察し、勘と経験とをたよりに加工の異
常の有無および種類を判定する。そのため、従来では、
異常判定に熟練を要するとともに、判定の精度を高める
にも限界があり、場合によっては、本来であれば発見さ
れるべき異常を発見することができず、不良品が後工程
に送られてしまって時間や経費が無駄に消費されてしま
い、また、異常の原因を除去するために必要な処置が迅
速に行われないという問題がある。
【0009】また、このように異常判定は作業者が主に
クラッド層表面を観察して行われるものであるため、レ
ーザクラッド加工中には行うことができず、その終了を
待って行わざるを得ない。そのため、加工中に異常が発
生してもそれを発見することはできないから、その後も
その異常な加工を継続せざるを得ず、この場合にも、時
間や経費が無駄に消費されてしまうという問題がある。
【0010】以上要するに、従来のレーザクラッド加工
の異常判定方法には、上記シリンダヘッドの場合に代表
されるように、異常の有無および種類の判定を簡単・正
確に行うことができないために、時間や経費が無駄に消
費され、あるいは異常の原因を除去するために必要な処
置を迅速に行うことができないという問題があったので
ある。また、異常判定を加工中に行うことができないこ
とによっても時間や経費が無駄に消費されてしまう結果
になるという問題もあった。
【0011】一方、本出願人は、レーザビームの照射点
における像とレーザクラッド加工の異常との間に強い相
関があることを見い出し、レーザビームの照射中にその
照射点における像を撮影すればその解析結果から異常の
有無を判定することができるという事実を見い出した。
【0012】この事実に基づき、本発明は、レーザクラ
ッド加工の異常の有無および種類の判定を簡単・正確・
迅速に行うことを可能にすることを課題としてなされた
ものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、母材表面に置かれたクラッド金属にレーザ
ビームを集中的に照射し、その照射点をクラッド金属に
沿って移動させることによって母材表面にクラッド金属
を溶接肉盛りするレーザクラッド加工における異常判定
を行う方法を、レーザビームの照射中にその照射点にお
ける像を複数回撮影するとともに、撮影した像を高輝
度部分と低輝度部分とに分けた場合における複数の像個
々の高輝度部分の面積と、複数の像の高輝度部分の面積
の平均値とに基づいて、異常の有無および種類を判定す
ものとしたことを要旨とするものである。
【0014】すなわち、本発明は、一回のレーザクラッ
ド加工においてレーザビームの照射点の移動中にその照
射点における像を逐次撮影し、その撮影が終了するごと
に、その撮影した像の高輝度部分の面積に基づいて異常
判定を行う逐次判定と、照射点の移動中にその照射点に
おける像を逐次撮影し、一回のレーザクラッド加工が終
了するごとに、撮影した複数の像の高輝度部分の面積の
平均値に基づいて一回の異常判定を行う最終判定との両
方により、異常の有無と種類とを判定するものなのであ
る。
【0015】
【0016】
【0017】そして、上記逐次判定を行う場合に、各回
の撮影により取得された像単独で各回の異常判定を行う
単独判定方式とすることも、前回の撮影までに取得され
た像をも考慮して各回の異常判定を行う総合判定方式と
することもできる。換言すれば、前記「複数の像個々の
高輝度部分の面積に基づく判定」が、今回の撮影により
取得された像の高輝度部分の面積の他に、前回までの撮
影により取得された一つ以上の像個々の高輝度部分の面
積をも考慮して行われるようにすることもできるのであ
る。また、上記最終判定を行う場合に、各回のレーザク
ラッド加工中に取得された複数の像のみから各回の異常
判定を行う単独判定方式とすることも、前回のレーザク
ラッド加工までに取得された複数の像をも考慮して各回
の異常判定を行う総合判定方式とすることもできる。
言すれば、前記「複数の像の高輝度部分の面積の平均値
に基づく判定」は、今回のレーザクラッド加工における
平均値の他に、前回までのレーザクラッド加工における
平均値の少なくとも一つをも考慮して行われるようにす
ることもできるのである。
【0018】
【作用】本出願人は前述のように、レーザビームの照射
点における像のうち高輝度部分の面積とレーザクラッド
加工の異常との間に強い相関があるという事実を見い出
した。そのため、本発明に係る異常判定方法において
は、レーザビームの照射中にその照射点における像が撮
影され、撮影した像を高輝度部分と低輝度部分とに分け
た場合のその高輝度部分の面積に基づき、レーザクラッ
ド加工における異常の有無および種類が判定される。
かも、レーザビームの照射中にその照射点における像が
複数回撮影されるとともに、撮影された像個々の高輝度
部分の面積と、複数の像の高輝度部分の面積の平均値と
に基づいて、異常の有無および種類が判定される。レー
ザクラッド加工の異常の中には、後に実施形態の項にお
いて詳細に説明するように、像個々の高輝度部分の面積
に基づいて良好に判定される種類の異常と、複数の像の
高輝度部分の面積の平均値に基づいて良好に判定される
種類の異常とがあり、複数の像個々の高輝度部分の面積
と複数の像の高輝度部分の面積の平均値との両方に基づ
けば、レーザクラッド加工の異常の有無のみならず、異
常の種類も判定することができる。
【0019】
【発明の効果】このように、本発明によれば、レーザク
ラッド加工において発生する複数の異常の有無のみなら
ず、発生した異常の種類も簡単・正確に判定することが
できる。そのため、不良品が確実に発見され、時間や
が無駄に消費されずに済むという効果が得られるとと
もに、発生した異常の原因を除去するために必要な処置
が迅速に行われ得るという効果が得られる。
【0020】さらに、本発明によれば、異常判定に必要
な情報、すなわちレーザビームの照射点における像は加
工中に取得されるため、その加工の終了を待って異常判
定を行うことが不可欠ではなくなる。そのため、異常判
定を迅速に行うことが可能となり、例えば、加工中に異
常が発生したならばそれを早期に発見することが可能と
なり、このことによっても、時間や経費が無駄に消費さ
れずに済むという効果が得られる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例である異常判定方法
を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】この異常判定方法は図1に示す異常判定シ
ステムにより実施され、また、この異常判定システムは
同図および図2に示すレーザクラッド加工システムと共
に使用される。
【0023】レーザクラッド加工システムは、エンジン
のアルミニウム製シリンダヘッド(これが本発明におけ
る「母材」の一態様である)のバルブシートの表面をク
ラッド加工するためのシステムである。エンジンは複数
の気筒を持っているため、シリンダヘッドには各々半球
状を成す複数の燃焼室が形成されている。そして、各燃
焼室には、図1に示すように、複数のバルブ孔が形成さ
れていて、それぞれのバルブ孔の周辺に円周状に配置さ
れたバルブシートの表面がクラッド加工対象とされてい
るのである。
【0024】そのため、このレーザクラッド加工システ
ムは、図示しないワーク保持装置とレーザ発生装置12
(図2参照)と光学系14(同図参照)とを備えてい
る。ワーク保持装置は、ワークとしてのシリンダヘッド
を保持するとともに、各燃焼室の軸線回りに図1におい
て矢印で示す送り方向にシリンダヘッドを一定の送り速
度で回転させるものである。レーザ発生装置12は図2
に示すように、レーザビームを一定のパワーで放射する
ものである。光学系14は同図に示すように、凸レンズ
である加工レンズ20,ベンドミラー22,オシレート
ミラー24,このオシレートミラー24をオシレートす
るガルバノモータ26等から構成されている。加工レン
ズ20はレーザ発生装置12から放射されたレーザビー
ムを集光するものであり、ベンドミラー22は、加工レ
ンズ20から放射されたレーザビームをオシレートミラ
ー24に向かって反射するものである。オシレートミラ
ー24は、レーザビームをワークの送り方向(図におい
て矢印で示す方向)に直角な方向(図において紙面に直
角な方向)に素早くオシレート(往復運動)するもので
ある。
【0025】レーザクラッド加工システムはまた、粉末
供給機をも備えている。粉末供給機は、図1に示すよう
に、粉末状のクラッド金属(耐熱性,耐摩耗性に優れて
いる金属)をルズル32から放出して、バルブシートの
表面に予め形成された円周状の溝内に収容させる。
【0026】一方、異常判定システムは、同図に示すよ
うに、フィルタ38,テレビカメラ40,画像処理装置
42および異常判定装置44を備えている。フィルタ3
8はテレビカメラ40をレーザクラッド加工の影響から
保護するとともに、テレビカメラ40に撮影される像の
状態を調節するためのものである。この調節の目的およ
び内容については後に詳述する。テレビカメラ40は、
レーザクラッド加工中にレーザビームのバルブシートへ
の照射点における像を撮影するものである。
【0027】図3には、レーザビームの照射点(以下、
単に「レーザ照射点」という)における像の一例が描か
れている。これは、バルブシートの表面に予め形成され
た溝内に粉末が収容され、その粉末にレーザビーム(図
示しない)が集中的に照射され、その照射点においては
粉末が溶融して溶融池が形成され、その溶融池からプラ
ズマが立ち登り、そのプラズマの外側において溶融池か
らフュームが筒状に立ち登り、その照射点の後方(図に
おいて右下方)には溶融池が凝固したビードが形成され
ている像である。そして、この像は、テレビカメラ40
がフィルタ38なしの状態でレーザ照射点を撮影した場
合に取得されるものである。
【0028】ところで、本出願人は、この異常判定シス
テムの製作に先立ち、レーザクラッド加工において比較
的頻繁に発生する複数種類の異常について研究し、その
結果、それら各異常とレーザ照射点における像のうちプ
ラズマおよび溶融池の像の面積との間に一定の関係が成
立することを見い出した。以下、その関係を具体的に説
明する。
【0029】まず、レーザクラッド加工において比較的
頻繁に発生する異常の症状を列挙すると次のようにな
る。 (1) クラッド層の割れ,ピンホール等の欠陥 (2) クラッド層の厚さ不足 (3) クラッド層と母材との溶着不良
【0030】次に、それら各異常の原因について説明す
る。 (1) 「クラッド層欠陥」という異常症状の原因 母材表面に油が付着したり、母材内に予定より多量
の水素ガスが存在することである。 〔理由〕 工場の機械加工ラインでは、設備機器に付着
したオイルミストがワーク表面に落下するなどの事態が
発生し得る。母材表面に油が付着していると、その油に
レーザビームが予定以上に吸収されてしまい、母材もク
ラッド金属も溶融し過ぎ、両者により予定外の合金が形
成され、それが原因となってクラッド層に割れ(すなわ
ち、凝固割れ)が発生する。また、母材が溶融し過ぎる
と、母材がクラッド金属に溶け込み過ぎてしまい、溶融
母材から放出される水素ガスがクラッド層内に取り残さ
れて気泡となり、ピンホール,ブローホール等が発生す
る。
【0031】 粉末に含有されている酸素の量が増加
することである。 〔理由〕 粉末状のクラッド金属は、アトマイズ製法に
よって製造されている。ここで「アトマイズ製法」と
は、溶融している金属を水圧,ガス圧等によって吹き飛
ばして0.005〜0.3mm程度の粒子を製造する方
法をいう。このとき、粉末は空気中の酸素や水分に若干
触れることを避け得ないため、粉末表面が酸化し、粉末
の酸素含有量が増加する。さらに、粉末状のクラッド金
属の酸素含有量は10〜50ppm程度までに抑えられ
ているが、工場の機械加工ラインなどでは、粉末を収容
した袋が開封される際に粉末が水分や大気に触れ、粉末
に含まれる酸素量が増加する場合もあり得る。そして、
粉末の酸素量が増加すると、レーザビームが粉末に予定
以上に吸収されてしまい、母材が溶融し過ぎて、割れ,
ピンホール等の欠陥が発生する。
【0032】(2) 「クラッド層の厚さ不足」という異常
症状の原因 粉末を母材表面に供給する粉末供給機の粉末通路が何ら
かの原因で詰まることである。 〔理由〕 粉末供給機で粉末が詰まってしまうと、粉末
が母材表面に正常に供給されなくなり、母材表面上の粉
末量が不足し、その結果、クラッド層の厚さが不足す
る。
【0033】(3) 「クラッド層と母材との溶着不良」と
いう異常症状の原因 ベンドミラー22およびオシレートミラー24の反
射率が低下することである。 〔理由〕 レーザ発生装置12から放射されるレーザビ
ームのパワー(kW)は、レーザ発生装置12自身のフ
ィードバック制御により許容範囲(例えば、±1%以
内)に維持されている。しかし、レーザ光路内にほこり
やオイルミストが侵入し、この状態が長い時間継続する
と、ほこり等がベンドミラー22,オシレートミラー2
4の表面に付着する場合がある。この場合には、レーザ
発生装置12から出力されるレーザビームのパワーは正
常であっても、ベンドミラー22等の反射率が低下して
しまうため、クラッド金属に照射されるレーザビームの
パワーが減少する。このようにパワーが減少すると、母
材表面が適正に溶融せず、その結果、クラッド層が母材
に適正に溶着しない。
【0034】 加工レンズ20が熱により変形するこ
とである。 〔理由〕 レーザ熱加工の一種であるレーザクラッド加
工においては、レーザビームが加工レンズ20によりビ
ーム径を小さくされてクラッド加工面(以下、単に加工
面という)に照射される。このとき、図2の光学系14
を簡略化して示す図4のように、ジャストフォーカス位
置ではなく、それより遠方のディフォーカス位置が加工
面に一致するように設計されている。すなわち、ジャス
トフォーカス位置で得られる最小のビーム径より大きい
ビーム径で加工面に照射されるように設計されているの
である。
【0035】加工レンズ20はできる限り熱吸収をしな
いように設計されているが、加工レンズ20にレーザビ
ームを長時間通過させると、熱変形して屈折率が変化し
てしまう。そのため、同図に示すように、ディフォーカ
ス量が増加してしまい、加工面上におけるビーム径が予
定より大きくなる。レーザ発生装置12によりそれから
出力されるレーザビームのパワーは精度よく管理されて
いるから、ビーム径が予定より大きくなると、加工面に
おけるパワー密度(W/mm2 )が低下してしまい、母
材表面が適正に溶融せず、その結果、クラッド層が母材
に適正に溶着しない。
【0036】なお、以上、レーザクラッド加工の異常原
因として、「油付着,素材欠陥,粉末過酸化」,「粉末
切れ」および「光学部品の性能低下」を挙げたが、その
他にも、粉末の酸素量が変動することや、レーザ発生装
置12に供給される電力が変動することも異常原因とな
る。
【0037】次に、それら各異常の原因とプラズマおよ
び溶融池の面積との関係について説明する。なお、それ
らプラズマおよび溶融池は、温度が最も高く、レーザ照
射点における像のうちの高輝度部分に一致するため、そ
の関係はそのまま異常の原因と高輝度部分の面積(すな
わち、高輝度面積)との関係に置き換えられる。
【0038】(1) 「油付着,素材欠陥,粉末過酸化」と
いう異常原因の場合 レーザビームが予定以上に粉末および母材表面に吸収さ
れ、プラズマおよび溶融池の面積が正常値より大きくな
るため、高輝度面積も正常値より大きくなる。
【0039】(2) 「粉末切れ」という異常原因の場合 粉末の溶融量が減少してプラズマおよび溶融池の面積が
正常値より小さくなるため、高輝度面積も正常値より小
さくなる。
【0040】(3) 「光学部品の性能低下」という異常原
因の場合 この場合には、加工面に照射されるレーザビームのパワ
ー密度が減少するため、上記の、「粉末切れ」の場合と
同様に、プラズマおよび溶融池の面積が減少して高輝度
面積も減少する。しかし、「粉末切れ」の場合には、プ
ラズマおよび溶融池の面積が突然減少する傾向が強いの
に対し、「光学部品の性能低下」の場合には、プラズマ
および溶融池の面積がしだいに減少する傾向が強く、そ
の結果、高輝度面積は時間の経過と共に減少する。加工
レンズ20の熱変形に起因するディフォーカス量(m
m)と高輝度画像の画素数との関係の一例を図5にグラ
フで表す。
【0041】(4) 「粉末酸素量変動,電力変動」という
異常原因の場合 粉末の酸素含有量は加工環境等によって変動する傾向が
強いため、プラズマおよび溶融池の面積も変動し、その
結果、高輝度面積も変動する傾向が強い。粉末に含有さ
れる酸素量(ppm)と高輝度画像の画素数との関係の
一例を図6にグラフで表す。
【0042】レーザ発生装置12の電源の電力は常に一
定であるとは限らない。例えば、電源にレーザ発生装置
12が多数の機器と共に接続されている場合には、その
多数の機器に一斉に電力が供給される場合にはレーザ発
生装置12に供給される電力が減少し、また、その多数
の機器に全く電力が供給されない場合にはレーザ発生装
置12に供給される電力が増加する。そして、電力が変
動する場合には、レーザ発生装置12から放射されるレ
ーザビームのパワーが変動するため、上記の場合と同様
に、高輝度面積も変動する傾向が強い。レーザパワー
(kW)と高輝度画像の画素数との関係の一例を図7に
グラフで表す。
【0043】以上の説明から明らかなように、異常と高
輝度面積との間には一定の関係があり、本出願人はこの
関係を利用することにより、レーザビームの照射中にそ
れの照射点における像を逐次撮影し(すなわち、本実施
例においては、前記逐次撮影方式が採用されているので
ある)、高輝度面積をクラッド加工中に逐次取得してそ
の加工中に異常の有無を判定するとともに、異常がある
場合にはその種類をも判定するようにした。
【0044】ここにおける「高輝度面積の取得」は次の
ようにして行われる。まず、異常判定システムに本来の
作動をさせるに先立ち、作業者はテレビカメラ40でレ
ーザ照射点を撮影しつつ、プラズマおよび溶融池の像の
みがテレビカメラ40により撮影されるようにフィルタ
38の特性を選定する。すなわち、図3の像の場合には
図8の像が取得されるようにフィルタ38の特性を選定
するのである。そして、異常判定システムの本来の作動
中には、テレビカメラ40により逐次撮影された像が画
像処理装置42に入力され、そこで2値化処理により2
値画像とされ、それの2値画像データが異常判定装置4
4に入力される。2値画像のうち白い部分が高輝度画像
であり、黒い部分が低輝度画像であるから、異常判定装
置44においては、入力された2値画像のうちの白い部
分の画素数(以下、単に2値画像の画素数という)が高
輝度面積として取得される。
【0045】次に異常判定装置44の作動を説明する
が、まず、概略的に説明する。この異常判定装置44
は、レーザ照射点の移動中にレーザ照射点における像が
逐次撮影されるごとにその直後に、前回の撮影までに取
得された像をも考慮しつつ異常判定を行う。すなわち、
前記逐次判定方式と総合判定方式とが採用されているの
である。さらに、この異常判定装置44は、一回のクラ
ッド加工が終了するごとに(すなわち、一個のバルブシ
ートに対するクラッド加工が終了するごとに)、そのク
ラッド加工における複数回の撮影により取得された複数
の2値画像すべての画像数の平均値を取得し、それ単独
で異常判定を行うとともに、前回のクラッド加工までに
取得された像をも考慮して異常判定を行う。すなわち、
さらに、前記最終判定方式と単独判定方式と総合判定方
式とが採用されているのである。
【0046】そして、この異常判定装置44は7種類の
異常の判定が可能なように設計されている。それら異常
が図9に表で表されている。それら異常の種類を判別す
るために上記2値画像の画素数に係る5個の基準値A1
〜A5 が用いられる。それら基準値相互の関係を図10
に示す。なお、図において右側の数字は各基準値が取り
得る数値の例を示している。また、本実施例において
は、クラッド加工が正常である場合には画素数がA5 以
上A3 以下である範囲内にあると考えられている。
【0047】それら7種類の異常は2つに分類される。
一つは、一回のクラッド加工における複数の2値画像の
各々の画素数(すなわち、2値画像個々の高輝度面積)
に着目して判定する異常であって、第1,2,5〜7種
の異常である。もう一つは、各回のクラッド加工におけ
る複数の2値画像の、画素数の平均値(すなわち、複数
の2値画像の高輝度面積の平均値)に着目して判定する
異常であって、第3および4種の異常である。以下、そ
れら異常について個々に説明する。
【0048】第1種異常は、「油付着,素材欠陥,粉末
過酸化」を原因とする異常であり、画素数がA1 より大
きな2値画像がN1 回以上連続した場合に判定される。
第2種異常は、「粉末切れ」を原因とする異常であり、
画素数がA2 より大きい2値画像がN2 回以上連続した
場合に判定される。第3種異常は、「光学部品の性能低
下」を原因とする異常であり、画素数の平均値が時間と
共に低下した場合に判定される異常である。第4種異常
は、「粉末酸素量変動,電力変動」を原因とする異常で
あり、平均値が時間の経過につれて変動する場合に判定
される異常である。
【0049】第5および6種異常はいずれも、第1種異
常に類似し、かつそのより程度の軽いものである。具体
的に、第5種異常は、第1種異常ほどには画素数が大き
くなく、その傾向が十分に強い場合に判定される異常で
あって、画素数の平均値が前記A1 以下であるがA3 よ
り大きい場合に判定される異常である。一方、第6種異
常は、第5種異常ほどには画素数が大きくなく、その傾
向がやや強い場合に判定される異常であって、画素数の
平均値が前記A3 以下であるがA4 より大きい場合に判
定される異常である。第7種異常は、第2種異常とほぼ
同じ原因であるが、第2種異常ほどには画素数が少なく
なく、その傾向が十分に強い場合に判定される異常であ
る。したがって、画素数の平均値が前記A2 以上である
がA5 より小さい場合に判定される異常である。
【0050】なお、異常判定装置44には、異常判定の
結果を作業者に知らせるために複数のランプ(図示しな
い)が設けられている。具体的には、クラッド加工が正
常であることを知らせるOKランプと、クラッド加工が
異常であることを知らせるとともにその異常の種類を知
らせるNG1〜NG7ランプとが設けられている。
【0051】次に異常判定装置44の作動を詳細に説明
する。なお、この異常判定装置44はそれのROMにお
いて異常判定プログラム(図11にフローチャートで表
されている)を記憶させられていて、それをCPUが実
行することにより異常判定を実行する。そのため、同図
に基づいて異常判定装置44の作動を詳細に説明するこ
とにする。
【0052】この異常判定プログラムは一回のクラッド
加工(すなわち、一個のバルブシートについてのクラッ
ド加工)が実行されるごとに一回ずつ実行される。この
プログラムの各回の実行時には、まず、ステップS1
(以下、単にS1という。他のステップについても同じ
とする)において、画像処理装置42から2値画像デー
タが入力され、異常判定装置44のコンピュータのRA
Mに格納される。続いて、S2において、1枚分の2値
画像データの入力が終了したか否かが判定される。終了
しなければ判定がNOとなってS1に戻るが、終了した
ならば判定がYESとなってS3以下に移行する。
【0053】S3においては、今回の2値画像の画素数
(すなわち、2値画像のうち高輝度部分の画素数)が取
得されるとともに、その今回の画素数と今回までに取得
された画素数とに基づいて、画素数がA1 より大きい2
値画像がN1 回以上連続したか否かが判定される。今回
はそうであると仮定すれば、判定がYESとなり、S4
において、NG1ランプが点灯され、以上で本ルーチン
の一回の実行が終了する。
【0054】これに対して、今回は、画素数がA1 より
大きい2値画像がN1 回以上連続しなかったと仮定すれ
ば、S3の判定がNOとなり、S5において、画素数が
A2より小さい2値画像がN2 回以上連続したか否かが
判定される。今回はそうであると仮定すれば、判定がY
ESとなり、S6において、NG2ランプが点灯され、
以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0055】これに対して、今回は、画素数がA2 より
小さい2値画像がN2 回以上連続しなかったと仮定すれ
ば、S5の判定がNOとなり、S7において、一回のク
ラッド加工が終了したか否かが判定される。一回のクラ
ッド加工における複数の2値画像全部についてS3およ
び5の判定が終了したか否かが判定されるのである。今
回は未だ一回のクラッド加工が終了しないと仮定すれ
ば、判定がNOとなり、S1に戻るが、一回のクラッド
加工が終了したと仮定すれば、S7の判定がYESとな
り、S8以下に移行する。
【0056】S8においては、一回のクラッド加工にお
ける複数の2値画像全部についての画素数の平均値が取
得され、RAMに格納される。その後、S9において、
今回取得された平均値と今回までに取得された平均値と
に基づき、平均値が時間と共に低下したか否かが判定さ
れる。今回は平均値が時間と共に低下したと仮定すれ
ば、S10においてNG3ランプが点灯されるが、そう
でなければS11において平均値が大きく変動したか否
かが判定される。今回は平均値が大きく変動したと仮定
すれば、S12において、NG4ランプが点灯される
が、そうでなければ、S13において、今回の平均値が
A3 より大きいか否かが判定される。今回はそうである
と仮定すれば、S14においてNG5ランプが点灯され
るが、そうではないと仮定すれば、S15において、今
回の平均値がA4 より大きいか否かが判定される。今回
はそうであると仮定すれば、S16においてNG6ラン
プが点灯されるが、今回はそうではないと仮定すれば、
S17において今回の平均値がA5 より小さいか否かが
判定される。今回はそうであると仮定すれば、S18に
おいてNG7ランプが点灯されるが、今回はそうではな
いと仮定すれば、S19においてOKランプが点灯さ
れ、以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0057】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、レーザ照射点における2値画像の高輝度面
積とクラッド加工の異常との間に強い相関があるという
事実を利用して異常判定が行われるから、異常判定の精
度が向上し、異常なクラッド加工による不良品が確実に
発見されるという効果が得られる。
【0058】さらに、本実施例においては、異常判定に
必要な情報、すなわち2値画像の高輝度面積はクラッド
加工中に取得されるため、その加工の終了を待って異常
判定を行わなくても済むこととなって、異常判定を迅速
に、すなわち、加工中に異常が発生したならばそれを直
ちに発見することが可能となるという効果も得られる。
【0059】さらにまた、本実施例においては、クラッ
ド加工に異常が発生したならば、それを発見して作業者
に知らせることができるのみならず、発生した異常の種
類まで予測して作業者に知らせることができるため、作
業者は異常の発生のみならずその種類まで正確かつ早期
に知ることができるという効果も得られる。
【0060】ところで、NG1〜NG7ランプのいずれ
かが点灯されたときには、クラッド加工が自動的に中止
され、そのクラッド加工が行われていたワークが後工程
に流されてしまわないようにそのワークが加工ラインか
ら自動的に排除され、一方、作業者は、点灯されている
NG1〜NG7ランプの種類から異常の種類を識別し、
それと同じ異常が再び発生しないように加工条件を修正
した後、新たなワークについてクラッド加工を再開する
指令を出す。一方、異常判定装置44は、前述のよう
に、「油付着,素材欠陥,粉末過酸化」等の異常原因の
発生を確実に検出し、その異常原因によりもたらされる
べき「クラッド層欠陥」等の異常症状が表されている不
良品を確実に発見する。したがって、本実施例において
は、「クラッド層欠陥」等の異常症状が表されている不
良品が早期にかつ確実に発見され、そのような不良品が
後工程に流されることが確実に防止され、その結果、時
間やコストが無駄に消費されてしまうという事態から回
避されるという効果も得られる。
【0061】また、本実施例においては、テレビカメラ
40により撮影された像に基づき、画像処理装置40お
よび異常判定装置42を用いて自動的に異常判定が行わ
れるようになっていて、作業者の介入が不要とされてい
るため、作業者にかかる負担が軽減されるという効果も
得られる。
【0062】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、この他の態様で本発明を実施するこ
とができる。
【0063】例えば、上記実施例においては、レーザ照
射に伴って発生する現象のうちプラズマと溶融池との双
方が本発明における「高輝度部分」の一例とされていた
が、例えば、プラズマのみを「高輝度部分」とすること
ができる。
【0064】また、前記実施例においては、レーザ照射
点における実際の画像のうち高輝度部分を抽出するため
にフィルタ38が使用され、かつ、それの特性が作業者
によって調節されるようになっていたが、これを自動化
して本発明を実施することができる。例えば、テレビカ
メラ40により各画素に関連付けて取得された輝度情報
(多数の階調表現)に基づき、適当なしきい値を用いて
2値化することにより、高輝度部分の抽出を自動化して
本発明を実施することができるのである。
【0065】また、前記実施例においては、テレビカメ
ラ40により撮影された像に基づき、画像処理装置40
および異常判定装置42を用いて自動的に異常判定が行
われるようになっていたが、そのようにして本発明を実
施することは不可欠ではない。すなわち、例えば、テレ
ビカメラ40により撮影された2値画像に基づき、作業
者自身が高輝度面積を評価し、さらに、それに基づいて
異常判定を行うようにして本発明を実施することもでき
るのである。このように作業者の介入を必要とした場合
には、高輝度面積の評価および異常判定を自動化する場
合に比べて作業者の負担が増加することは避けられない
が、本発明は異常と高輝度面積との間に強い相関が存在
するという事実を利用して異常判定を行うものであるた
め、作業者に熟練を要せず、不慣れな作業者でも異常判
定を簡単かつ正確に行うことができるという効果は得ら
れる。
【0066】これらの他にも特許請求の範囲を逸脱する
ことなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を
施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である異常判定方法を実施す
るのに好適な異常判定システムをレーザクラッド加工シ
ステムと共に示す図である。
【図2】図1におけるレーザクラッド加工システムを示
す側面図である。
【図3】図1において、フィルタ38なしの状態でテレ
ビカメラ40により撮影される像の一例を示す図であ
る。
【図4】図2における光学系14を簡略化して示す図で
ある。
【図5】加工レンズのディフォーカス量と2値画像のう
ちの高輝度部分の画素数との関係の一例を示すグラフで
ある。
【図6】粉末状のクラッド金属に含有される酸素の量と
2値画像のうちの高輝度部分の画素数との関係の一例を
示すグラフである。
【図7】レーザ発生装置から放射されるレーザビームの
パワーと2値画像のうちの高輝度部分の画素数との関係
の一例を示すグラフである。
【図8】図1において、フィルタ38ありの状態でテレ
ビカメラ40により撮影される像の一例を示す図であ
る。
【図9】図1の異常判定装置により判定可能な異常の種
類を示す表である。
【図10】複数種類の異常相互の関係を説明するための
図である。
【図11】図1の異常判定装置が用いる異常判定プログ
ラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
38 フィルタ 40 テレビカメラ 42 画像処理装置 44 異常判定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小鉄 泰生 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所内 (56)参考文献 特開 昭62−134191(JP,A) 特開 昭63−68268(JP,A) 特開 平4−127983(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/00 G01N 21/88

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材表面に置かれたクラッド金属にレー
    ザビームを集中的に照射し、その照射点をクラッド金属
    に沿って移動させることによって母材表面にクラッド金
    属を溶接肉盛りするレーザクラッド加工における異常判
    定を行う方法であって、一回のレーザクラッド加工における レーザビームの照射
    中にその照射点における像を複数回撮影するとともに、
    撮影した像を高輝度部分と低輝度部分とに分けた場合
    における複数の像個々の高輝度部分の面積と、複数の像
    の高輝度部分の面積の平均値とに基づいて、前記レーザ
    クラッド加工における異常の有無および種類を判定する
    ことを特徴とするレーザクラッド加工の異常判定方法
  2. 【請求項2】 前記複数の像個々の高輝度部分の面積に
    基づく判定が、今回の撮影により取得された像の高輝度
    部分の面積の他に、前回までの撮影により取得された一
    つ以上の像個々の高輝度部分の面積をも考慮して行われ
    ることを特徴とする請求項1に記載のレーザクラッド加
    工の異常判定方法。
  3. 【請求項3】 前記複数の像の高輝度部分の面積の平均
    値に基づく判定が、今回のレーザクラッド加工における
    平均値の他に、前回までのレーザクラッド加工における
    平均値の少なくとも一つをも考慮して行われることを特
    徴とする請求項1または2に記載のレーザクラッド加工
    の異常判定方法。
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