JP3141194U - オカリナ - Google Patents

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Abstract

【課題】外的要因によってオカリナが発する音の音高が変化しても、音高の調律を可能とすること。
【解決手段】保持部2cに螺合される保持部材7を時計回りに回転させると、調整板6がガイド2bに案内されながら共鳴胴部2の内部に向けて移動する。この際、共鳴胴部2の内部容積が小さくなり、共鳴胴部2の空洞共振の周波数が大きくなり、空洞共振によって発生する音の音高が高くなる。一方、保持部材7を反時計回りに回転させると調整板6がガイド2bに案内されながら共鳴胴部2の外部へ向けて移動する。この際、共鳴胴部2の内部容積が大きくなり、共鳴胴部2の空洞共振の周波数が小さくなり、空洞共振によって発生する音の音高が低くなる。
【選択図】図1

Description

本考案は、気鳴楽器の一種であるオカリナに関する。
オカリナは、空気そのものが振動して発音体となり音を発する気鳴楽器の一種であり、一般的に共鳴胴部と、その共鳴胴部と一体に形成された笛口部とから構成されている(特許文献1参照)。この共鳴胴部は、内部が空洞になっており、周りに複数個の指孔が穿設されている。また、笛口部は、その先端の吹口から共鳴胴部にまで連通する気道を有する。また、共鳴胴部には、笛口部の気道に連通し、共鳴胴部の内部から外部に貫通する歌口が形成されている。このように構成されたオカリナは、演奏者がオカリナの共鳴胴部を両手で支えて笛口部の吹口から息を吹き込むと、その呼気が笛口部の気道を経て共鳴胴部の歌口から外部に出ていく際に振動が発生し、その発生した振動が共鳴胴部内に空洞共振を起こすことによって音を発する。
特開2006−284996号公報(第3,4頁、図1,2)
しかし、上述のような従来のオカリナにおいては、例えば温度、湿度、気圧などの外的な要因により、その発する音の音高が変化することがあった。その理由は、上述したようにオカリナが共鳴胴部の内部に存在する空気そのものを振動させて音を発する気鳴楽器であるため、温度、湿度、気圧などの外的な要因により共鳴胴部の内部の空気の密度が変化すると共鳴胴部内部で発生する空洞共振の周波数が変化し、空洞共振によって発生する音の音高が変化するためと考えられる。
本考案は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、外的要因によってオカリナが発する音の音高が変化しても、音高の調律を可能とすることにある。
上記課題を解決するためになされた請求項1に係るオカリナは、内部に空洞が形成され、内部と外部とを連通させる複数個の指孔および歌口がその周りに形成された共鳴胴部と、筒状であり、前記共鳴胴部と一体に形成され、呼気を吹き込むための吹口と前記吹口から前記共鳴胴部まで連通し、前記吹口から吹き込まれた呼気を前記共鳴胴部の前記歌口へ導く気道とを有する笛口部と、を備え、前記呼気が前記気道を経由して前記歌口から外部に出ていく際に振動が発生し、その発生した振動が前記共鳴胴部内に空洞共振を起こすことによって音を発するオカリナであって、前記共鳴胴部は空洞共振の周波数が可変に構成されていることを特徴とする。
このように構成された本考案のオカリナによれば、上述のように共鳴胴部の空洞共振の周波数が可変に構成されているので、演奏者が共鳴胴部の空洞共振の周波数を変化させると、吹口から吹き込まれた呼気が気道を経て歌口から外部へ導かれる際に、空洞共振の周波数の変化に起因して、発生する音の音高が変化する。例えば、共鳴胴部の空洞共振の周波数が大きくなると、空洞共振によって発生する音の音高が高くなり、一方、共鳴胴部の空洞共振の周波数が小さくなると、空洞共振によって発生する音の音高が低くなるといった具合である。したがって、外的要因によってオカリナが発する音の音高が変化しても、音高の調律を行うことができる。
なお、上述のように共鳴胴部の空洞共振の周波数を可変とするために、(イ)共鳴胴部の内部容積に対する開口面積の和の比率を可変に構成すること(請求項2)や、(ロ)共鳴胴部の内部容積を可変に構成すること(請求項3)、(ハ)共鳴胴部の開口面積の和を可変に構成すること(請求項7)、が考えられる。
まず、(イ)共鳴胴部の内部容積に対する開口面積の和の比率を可変とするために、または(ロ)共鳴胴部の内部容積を可変とするためには、共鳴胴部の内壁面の少なくとも一部を可変に構成することが考えられる(請求項4)。例えば、共鳴胴部の内壁面の少なくとも一部を当該共鳴胴部の内部または外部へ向けて移動可能に構成するといった具合である(請求項5)。ここで、具体的な機構例を説明する。すなわち、請求項6のように、共鳴胴部の内壁面の一部を支持してその位置を保持する保持部材を備え、共鳴胴部には、内部と外部とを連通する連通孔の内部に雌螺子が形成された雌螺子部が形成されている。そして、保持部材は、軸状に形成され、その周囲の一部に共鳴胴部の雌螺子部と螺合可能な雄螺子部が形成され、その先端部が共鳴胴部の内部に位置するとともにその後端部が共鳴胴部の外部に位置し、且つ雄螺子部が共鳴胴部の雌螺子部と螺合するように共鳴胴部に取り付けられ、軸周り方向の回転に伴って軸方向に沿って移動可能である。さらに、保持部材の先端部に共鳴胴部の内壁面の一部が取り付けられている。そして、保持部材の軸周り方向の回転に伴って、その内壁面の一部が共鳴胴部の内部または外部へ向けて移動可能に構成されている。
また、上述のように、(イ)共鳴胴部の内部容積に対する開口面積の和の比率を可変とするために、または(ハ)共鳴胴部の開口面積の和を可変とするためには、共鳴胴部に、開口具合を調整可能な調整孔を形成することが考えられる。具体的には、請求項8のように、共鳴胴部には、内部と外部とを連通させ、開口面積を調整するための調整孔が形成され、さらに、調整孔を閉鎖する閉鎖状態と調整孔を開放する開放状態との間を、調整孔の開口具合を変化させながらその姿勢を変更可能な調整部材を備えることにより、開口面積の和が可変となっていることが考えられる。
この場合、調整部材には、閉鎖位置にあるときには調整孔と連通せず、一方、開放位置にあるときには調整孔と連通する貫通孔が形成され、調整孔と貫通孔との相対位置を変化させることで調整孔の開口具合を変化させることが可能となっていることが考えられる(請求項9)。さらに、調整部材が、共鳴胴部に回転可能に支持され、回転に伴って共鳴胴部の調整孔と貫通孔との相対位置が変化可能に構成されていることが考えられる(請求項10)。
この場合、請求項11のように、調整孔が、一方の端部が円弧状であり、その円弧状の部分から他方の端部に近づくに従ってその幅寸法が小さくなる長孔形状に形成されており、貫通孔が、一方の端部が円弧状に形成され、その円弧状の部分から他方の端部に近づくに従ってその幅寸法が小さくなる長孔形状に形成され、その円弧状の部分と調整孔の円弧状の部分とが重なり合う際に、その最も細い部分と調整孔の最も細い部分とが重ならないように配置されていることが考えられる。このことにより、例えば調整部材を時計回りに回転させると、貫通孔と調整孔とが連通しない状態から、貫通孔の円弧状の部分と調整孔の円弧状の部分とが最初に重なり始め、貫通孔の円弧状の部分と調整孔の円弧状の部分とが完全に重なり合う(図2(c)参照)。さらに調整部材を回転させると、貫通孔と調整孔とが重なり合う面積が徐々に減少して(図2(d)および図2(e)参照)、貫通孔の最も細い部分と調整孔の最も細い部分とのみが重なり合う状態となり(図2(f)参照)、再び貫通孔と調整孔と連通しない状態となる。したがって、調整部材の回転に応じて、調整孔の開口具合を微調整することができる。
また、請求項12のように、共鳴胴部には、調整部材を回転可能に取り付けるための取付孔が形成され、調整部材が、円盤状の調整部材本体のほぼ中央から軸状の軸部が延出した形状を有し、その軸部の外径寸法については共鳴胴部の取付孔の内径寸法より小さく設定され、その軸部の先端部については、その外径寸法が取付孔の内径寸法よりも大きく設定され、その軸部の先端部が弾性のある材料で形成され、軸部を共鳴胴部の外側から取付孔に挿入する際にその外径寸法が小さくなって取付孔を通過し、通過後はその外径寸法が元の寸法に戻るように構成されていることが考えられる。
以下に本考案の実施形態を図面とともに説明する。
[第一実施形態]
図1(a)はオカリナ1の部分破断側面図であり、図1(b)は図1(a)のC部拡大図である。
図1(a)に示すように、オカリナ1は、内部に空洞な共鳴空間が形成された共鳴胴部2と、共鳴胴部2に一体に形成され、その先端部に奏者の口があてがわれる吹口3aを有する笛口部3とを備えている。なお、本実施形態においては、オカリナ1は粘土の焼き物であるが、オカリナ1としての基本形態を備えていれば、合成樹脂や金属などその材質や形状は任意である。また、本実施形態においては、共鳴胴部2が後述する調整機構5を備えるために、共鳴胴部2および笛口部3を上半体と下半体とに分けて分割成型可能に構成されている。また、オカリナ1の大きさは音域によって異なり、最も一般的な大きさであるMC(ミドルC調管)や、G調管、F調管などが挙げられる。
笛口部3には、吹口3aと共鳴胴部2の内部空間とを連通する気道3bがその内部に設けられている。また、共鳴胴部2には、笛口部3の気道3bに連通し、共鳴胴部2の内部から外部に貫通する歌口2aが形成されている。
また、共鳴胴部2には、内部の共鳴空間に連通する合計10カ所の指孔4a〜4jが穿設されている。各指孔4a〜4jの内、指孔4aは「第1指孔」と呼ばれ、右手の小指によって操作される。また、指孔4bは「第2指孔」と呼ばれ、右手の薬指によって操作される。また、指孔4cは「第3指孔」と呼ばれ右手の中指によって操作される。また、指孔4dは「第4指孔」と呼ばれ右手の人指し指によって操作される。また、指孔4eは「第5指孔」と呼ばれ、左手の薬指によって操作される。また、指孔4fは「第6指孔」と呼ばれ、左手の中指によって操作される。また、指孔4gは「第7指孔」と呼ばれ、左手の人指し指によって操作される。また、指孔4hは「第8指孔」と呼ばれ、左手の親指によって操作される。また、指孔4iは「第9指孔」と呼ばれ、右手の親指によって操作される。また、指孔4jは「第10指孔」と呼ばれ、左手の小指によって操作される。
なお、本実施形態では、歌口2aおよび指孔4a〜4jの開口面積の和が、共鳴胴部2の開口面積と定義される。
このように構成されたオカリナ1は、奏者がオカリナの共鳴胴部2を両手で支えて笛口部3の吹口3aから息を吹き込むと、その呼気が笛口部3の気道3bを経て共鳴胴部2の歌口2aから外部に出ていく際に振動が発生し、その発生した振動が共鳴胴部2内に空洞共振を起こすことによって音を発する。その際、奏者が10カ所の指孔4a〜4jを指で塞ぐ組み合わせにより、共鳴胴部2の空洞共振の周波数が変化し、その空洞共振の周波数に応じて共鳴胴部2が発する音の音高が変化する。
また、図1(b)に示すように、オカリナ1は、共鳴胴部2の空洞共振の周波数を調整するために共鳴胴部2の内部容積を調整可能な調整機構5を備えている。なお、本実施形態では、この調整機構5が共鳴胴部2の左端部に構成されているが、調整機構5を共鳴胴部2の他の部分に構成するようにしてもよい。
この調整機構5は、円盤状に形成され、共鳴胴部2の内壁面の一部を形成する調整板6と、調整板6を回転可能に支持してその位置を保持するための軸状の保持部材7と、共鳴胴部2の内部に形成され、調整板6の移動を案内するガイド2bと、共鳴胴部2の内部に形成され、保持部材7を内挿可能な保持部2cと、から構成される。
このうち保持部2cは、共鳴胴部2の内部と外部とを連通する連通孔の内部に雌螺子2eが形成された構成を有している。なお、保持部2cは特許請求の範囲における雌螺子部に相当する。
また、保持部材7は、軸状に形成され、その周囲の一部に保持部2cの雌螺子2eと螺合可能な雄螺子部7bが形成されている。また、保持部材7の先端部7aには、調整板6が回転可能に取り付けられている。そして、保持部材7は、その先端部7aが共鳴胴部2の内部に位置するとともにその後端部7cが共鳴胴部2の外部に位置し、且つ雄螺子部7bが共鳴胴部2の雌螺子2eと螺合するように共鳴胴部2の保持部2cに取り付けられ、軸周り方向の回転に伴って軸方向に沿って移動可能である。この際、保持部材7の軸方向への移動に伴って、調整板6も保持部材7の軸方向に沿って移動する。
また、ガイド2bは、筒状に構成され、その内径寸法については、調整板6の外径寸法とほぼ等しく形成されており、移動する調整板6との間に常に気密性を保つようになっている。
このような調整機構5を備えることにより、オカリナ1は、保持部材7が軸周り方向の回転に伴って軸方向に沿って移動すると、調整板6も保持部材7の軸方向に沿って移動して、共鳴胴部2の内部容積が変化する。具体的には、保持部2cに螺合される保持部材7を時計回り(図1(b)中のA方向)に回転させると保持部材7が共鳴胴部2の内部に向けて移動し(図1(b)中のB方向)、この保持部材7の移動に伴って調整板6がガイド2bに案内されながら共鳴胴部2の内部に向けて移動する。この際、共鳴胴部2の内部容積が小さくなる。このように共鳴胴部2の内部容積が小さくなると、共鳴胴部2の空洞共振の周波数が大きくなり、空洞共振によって発生する音の音高が高くなる。一方、保持部材7を反時計回りに回転させると保持部材7が反対方向である共鳴胴部2の外部へ向けて移動し、この保持部材7の移動に伴って調整板6がガイド2bに案内されながら反対方向である共鳴胴部2の外部へ向けて移動する。この際、共鳴胴部2の内部容積が大きくなる。このように共鳴胴部2の内部容積が大きくなると、共鳴胴部2の空洞共振の周波数が小さくなり、空洞共振によって発生する音の音高が低くなる。
[第一実施形態の効果]
このように第一実施形態のオカリナ1によれば、保持部材7が軸周り方向の回転に伴って軸方向に沿って移動すると、調整板6も保持部材7の軸方向に沿って移動して、共鳴胴部2の内部容積が変化する。具体的には、保持部2cに螺合される保持部材7を時計回りに回転させると調整板6がガイド2bに案内されながら共鳴胴部2の内部に向けて移動する。この際、共鳴胴部2の内部容積が小さくなり、共鳴胴部2の空洞共振の周波数が大きくなり、空洞共振によって発生する音の音高が高くなる。一方、保持部材7を反時計回りに回転させると調整板6がガイド2bに案内されながら共鳴胴部2の外部へ向けて移動する。この際、共鳴胴部2の内部容積が大きくなり、共鳴胴部2の空洞共振の周波数が小さくなり、空洞共振によって発生する音の音高が低くなる。
つまり、共鳴胴部2の内壁面の一部である調整板6が共鳴胴部2の内部または外部へ向けて移動可能であり、このことにより、共鳴胴部2の内壁面の一部が可変となっている。そして、共鳴胴部2の内壁面の一部が可変であるために、共鳴胴部2の内部容積が可変となっている。そして、共鳴胴部2の内部容積が可変であるために、共鳴胴部2の空洞共振の周波数が可変となっている。なお、共鳴胴部2の内部容積が可変であるために、共鳴胴部2の内部容積に対する開口面積の和の比率が可変となっており、このことからも共鳴胴部2の空洞共振の周波数が可変となっている。
したがって、外的要因によってオカリナ1が発する音の音高が変化しても、音高の調律を行うことができる。
[第二実施形態]
上記第一実施形態では、上述のように、共鳴胴部2の空洞共振の周波数を調整するために共鳴胴部2の内部容積を調整可能な調整機構5を備えている。これに対して第二実施形態では、共鳴胴部2の空洞共振の周波数を調整するために共鳴胴部2の開口面積を調整可能な調整機構15を備えることを特徴とする。
図2(a)はオカリナ11の部分破断側面図であり、図2(b)は調整機構15を示す斜視図である。また、図2(c)〜(f)は図2(a)におけるD矢視面図である。
図2(a)に示すように、オカリナ11は、内部に空洞な共鳴空間が形成された共鳴胴部2と、共鳴胴部2に一体に形成され、その先端部に奏者の口があてがわれる吹口3aを有する笛口部3とを備えている。なお、共鳴胴部2および笛口部3については、上述したのでここでは詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態においては、オカリナ11は粘土の焼き物であるが、オカリナ11としての基本形態を備えていれば、合成樹脂や金属などその材質や形状は任意である。また、本実施形態においては、共鳴胴部2が後述する調整機構15を備えるために、共鳴胴部2および笛口部3を上半体と下半体とに分けて分割成型可能に構成されている。また、オカリナ11の大きさは音域によって異なり、最も一般的な大きさであるMC(ミドルC調管)や、G調管、F調管などが挙げられる。
また、図2(b)に示すように、オカリナ11は、共鳴胴部2の空洞共振の周波数を調整するために共鳴胴部2の開口面積を調整可能な調整機構15を備えている。なお、本実施形態では、この調整機構15が共鳴胴部2の左端部に構成されているが、調整機構15を共鳴胴部2の他の部分に構成するようにしてもよい。
この調整機構15は、共鳴胴部2の左端部に平らに形成され、後述する調整部材8を載置可能な載置部2fと、載置部2fのほぼ中央に形成され、共鳴胴部2の内部と外部とを連通し、調整部材8を回転可能に取り付けるための取付孔2gと、同じく載置部2fに形成され、共鳴胴部2の内部と外部とを連通し、共鳴胴部2の開口面積を調整するための調整孔2hと、調整部材8と、コイルバネ9と、ナット10と、から構成されている。
調整孔2hは、一方の端部が円弧状であり、その円弧状の部分から他方の端部に近づくに従ってその幅寸法が小さくなる長孔形状に形成されている。
調整部材8は、円盤状の調整部材本体8aのほぼ中央から軸状の軸部8bが延出した形状を有している。なお、軸部8bの外径寸法については、共鳴胴部2の取付孔2gの内径寸法よりも若干小さく設定されている。また、軸部8bの先端部には雄螺子8cが形成されており、調整部材8の軸部8bを共鳴胴部2の外側から取付孔2gに挿入し、その軸部8bにコイルバネ9を外挿した状態で、コイルバネ9を圧縮させながら、軸部8bの雄螺子8cにナット10が取り付けられている。この際、コイルバネ9の押圧力により、調整部材本体8aと載置部2fとが密着する。このことにより、調整部材8の調整部材本体8aが、軸部8bを中心にして、載置部2fに密着しながら回転可能となっている。
また、調整部材本体8aには、調整部材本体8aの表側と裏側とを連通する貫通孔8dが形成されている。この貫通孔8dは、調整部材本体8aの回転に伴って、貫通孔8dが調整孔2hの上を通過するように配置されている。また、貫通孔8dは、上述の調整孔2hと同様に、一方の端部が円弧状に形成され、その円弧状の部分から他方の端部に近づくに従ってその幅寸法が小さくなる長孔形状に形成されている。なお、貫通孔8dは、その円弧状の部分と調整孔2hの円弧状の部分とが重なり合う際に、その最も細い部分と調整孔2hの最も細い部分とが重ならないように配置されている。
調整部材本体8aを時計回りに回転させると、貫通孔8dと調整孔2hとが連通しない状態から、貫通孔8dの円弧状の部分と調整孔2hの円弧状の部分とが最初に重なり始め、貫通孔8dの円弧状の部分と調整孔2hの円弧状の部分とが完全に重なり合う(図2(c)参照)。さらに調整部材本体8aを時計回りに回転させると、貫通孔8dと調整孔2hとが重なり合う面積が徐々に減少して(図2(d)および図2(e)参照)、貫通孔8dの最も細い部分と調整孔2hの最も細い部分とのみが重なり合う状態となり(図2(f)参照)、再び貫通孔8dと調整孔2hと連通しない状態となる。したがって、調整部材8の回転に応じて、調整孔2hの開口具合を微調整することができるようになっている。
なお、本実施形態では、歌口2a、指孔4a〜4j、および調整部材8によって開口具合が調整された調整孔2hの開口面積の和が、共鳴胴部2の開口面積と定義される。
このことにより、調整機構15は、調整部材本体8aの回転に伴って、調整孔2hと貫通孔8dとの相対位置が変化し、貫通孔8dが調整孔2hを閉鎖する閉鎖状態と貫通孔8dが調整孔2hを開放する開放状態との間で、調整孔2hの開口具合を変化させることが可能となっている。
[第二実施形態の効果]
このように第二実施形態のオカリナ11によれば、共鳴胴部2の載置部2fに形成された調整孔2hが、一方の端部が円弧状に形成され、その円弧状の部分から他方の端部に近づくに従ってその幅寸法が小さくなる長孔形状に形成されており、共鳴胴部2の載置部2fに回転可能に支持された調整部材8の貫通孔8dが、調整孔2hと同様に、一方の端部が円弧状に形成され、その円弧状の部分から他方の端部に近づくに従ってその幅寸法が小さくなる長孔形状に形成されており、調整部材本体8aの回転に伴って、共鳴胴部2の載置部2fの調整孔2hの上を通過するように配置されている。そして、調整部材本体8aが時計回りに回転すると、貫通孔8dが、調整孔2hとは連通しない状態から、その円弧状の部分が調整孔2hの円弧状の部分と最初に重なり合い、その円弧状の部分が調整孔2hの円弧状の部分と完全に重なり合う(図2(c)参照)。この際、共鳴胴部2の開口面積の和が大きくなり、共鳴胴部2の空洞共振の周波数が大きくなり、空洞共振によって発生する音の音高が高くなる。さらに、調整部材本体8aが時計回りに回転すると、貫通孔8dが、その円弧状の部分が調整孔2hの円弧状の部分と完全に重なり合う状態から、調整孔2hと重なり合う面積が徐々に減少して(図2(d)および図2(e)参照)、その最も細い部分が調整孔2hの最も細い部分とのみ重なり合う状態となり(図2(f)参照)、再び調整孔2hと連通しない状態となる。この際、共鳴胴部2の開口面積の和が小さくなり、共鳴胴部2の空洞共振の周波数が小さくなり、空洞共振によって発生する音の音高が低くなる。
つまり、共鳴胴部2の載置部2fの調整孔2hの開口具合を調整可能であり、このことにより、共鳴胴部2の開口面積の和が可変となっている。そして、共鳴胴部2の開口面積の和が可変であるために、共鳴胴部2の空洞共振の周波数が可変となっている。なお、共鳴胴部2の開口面積の和が可変であるために、共鳴胴部2の内部容積に対する開口面積の和の比率が可変となっており、このことからも共鳴胴部2の空洞共振の周波数が可変となっている。
したがって、外的要因によってオカリナ11が発する音の音高が変化しても、音高の調律を行うことができる。
[他の実施形態]
以上、本考案の一実施形態について説明したが、本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。
(1)上記第二実施形態では、調整機構15の調整部材8の軸部8bを共鳴胴部2の外側から取付孔2gに挿入し、その軸部8bにコイルバネ9を外挿した状態で、コイルバネ9を圧縮させながら、軸部8bの雄螺子8cにナット10が取り付けられ、調整部材8の調整部材本体8aが軸部8bを中心にして載置部2fに密着しながら回転可能となっているが、これに限られず、図2(g)に例示するように、オカリナ21が、共鳴胴部2の空洞共振の周波数を調整するために共鳴胴部2の開口面積を調整可能な調整機構25を備え、この調整機構25が調整部材8の代わりに調整部材18を備えるようにしてもよい。この調整機構25では、調整部材18の先端部18cが弾力を有する材料で形成され、軸部18bの外径寸法が共鳴胴部2の取付孔2gの内径寸法よりも若干小さく設定され、先端部18cの外径寸法が共鳴胴部2の取付孔2gの内径寸法bよりも大きく設定されている。このように構成すれば、調整部材18の先端部18cおよび軸部18bを共鳴胴部2の外側から取付孔2gに挿入する際にその弾性で外径寸法が小さくなって先端部18cが取付孔2gを通過し、通過後は先端部18cの外径寸法が元の寸法に戻るために調整部材18の軸部18bが共鳴胴部2の取付孔2gから抜けにくくなる。また、先端部18cの弾性により、調整部材本体18aが載置部2fに押し付けられて密着する。このことにより、調整部材18の調整部材本体18aが、軸部18bを中心にして、載置部2fに密着しながら回転可能となる。
このように構成しても上記第二実施形態と同様の作用効果を奏する。また、コイルバネ9やナット10を必要としない分部品点数を低減することができる。また、共鳴胴部2および笛口部3が上半体と下半体とに分割されていない場合でも、調整部材18を共鳴胴部2に取り付けることができる。
(a)はオカリナ1の部分破断側面図であり、(b)は(a)のC部拡大図である。 (a)はオカリナ11の部分破断側面図であり、(b)は調整機構15を示す斜視図であり、(c)は(a)におけるD矢視面図(1)であり、(d)は(a)におけるD矢視面図(2)であり、(e)は(a)におけるD矢視面図(3)であり、(f)は(a)におけるD矢視面図(4)であり、(g)は調整機構25を示す断面図である。
符号の説明
1,11,21…オカリナ、2…共鳴胴部、2a…歌口、2b…ガイド、2c…保持部、2e…雌螺子、2f…載置部、2g…取付孔、2h…調整孔、3…笛口部、3a…吹口、3b…気道、4a,4b,4c,4d,4e,4f,4g,4h,4i,4j…指孔、5,15,25…調整機構、6…調整板、7…保持部材、7a…先端部、7b…雄螺子部、7c…後端部、8,18…調整部材、8a,18a…調整部材本体、8b,18b…軸部、8c…雄螺子、8d,18d…貫通孔、9…コイルバネ、10…ナット、18c…先端部

Claims (12)

  1. 内部に空洞が形成され、内部と外部とを連通させる複数個の指孔および歌口がその周りに形成された共鳴胴部と、
    筒状であり、前記共鳴胴部と一体に形成され、呼気を吹き込むための吹口と前記吹口から前記共鳴胴部まで連通し、前記吹口から吹き込まれた呼気を前記共鳴胴部の前記歌口へ導く気道とを有する笛口部と、
    を備え、前記呼気が前記気道を経由して前記歌口から外部に出ていく際に振動が発生し、その発生した振動が前記共鳴胴部内に空洞共振を起こすことによって音を発するオカリナであって、
    前記共鳴胴部は空洞共振の周波数が可変に構成されていることを特徴とするオカリナ。
  2. 請求項1に記載のオカリナにおいて、
    前記共鳴胴部は、その内部容積に対する開口面積の和の比率が可変に構成されることにより、前記空洞共振の周波数が可変となっていることを特徴とするオカリナ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のオカリナにおいて、
    前記共鳴胴部は、その内部容積が可変に構成されることにより、前記空洞共振の周波数が可変となっていることを特徴とするオカリナ。
  4. 請求項3に記載のオカリナにおいて、
    前記共鳴胴部は、その内壁面の少なくとも一部が可変に構成されることで、その内部容積が可変となっていることを特徴とするオカリナ。
  5. 請求項4に記載のオカリナにおいて、
    前記共鳴胴部は、その内壁面の少なくとも一部が当該共鳴胴部の内部または外部へ向けて移動可能に構成されることにより、前記内壁面の少なくとも一部が可変となっていることを特徴とするオカリナ。
  6. 請求項3〜請求項5の何れかに記載のオカリナにおいて、
    前記共鳴胴部の内壁面の一部を支持してその位置を保持する保持部材を備え、
    前記共鳴胴部には、内部と外部とを連通する連通孔の内部に雌螺子が形成された雌螺子部が形成されており、
    前記保持部材は、軸状に形成され、その周囲の一部に前記共鳴胴部の前記雌螺子部と螺合可能な雄螺子部が形成され、その先端部が前記共鳴胴部の内部に位置するとともにその後端部が前記共鳴胴部の外部に位置し、且つ前記雄螺子部が前記共鳴胴部の前記雌螺子部と螺合するように前記共鳴胴部に取り付けられ、軸周り方向の回転に伴って軸方向に沿って移動可能であり、さらに、前記先端部に前記共鳴胴部の内壁面の一部が取り付けられ、
    前記保持部材の軸周り方向の回転に伴って、前記内壁面の一部が前記共鳴胴部の内部または外部へ向けて移動可能に構成されていることを特徴とするオカリナ。
  7. 請求項1〜請求項6の何れかに記載のオカリナにおいて、
    前記共鳴胴部は前記開口面積の和が可変に構成されることにより、前記空洞共振の周波数が可変となっていることを特徴とするオカリナ。
  8. 請求項7に記載のオカリナにおいて、
    前記共鳴胴部には、内部と外部とを連通させ、前記開口面積を調整するための調整孔が形成され、さらに、前記調整孔を閉鎖する閉鎖状態と前記調整孔を開放する開放状態との間を、前記調整孔の開口具合を変化させながらその姿勢を変更可能な調整部材を備えることにより、前記開口面積の和が可変となっていることを特徴とするオカリナ。
  9. 請求項8に記載のオカリナにおいて、
    前記調整部材には、前記閉鎖位置にあるときには前記調整孔と連通せず、一方、前記開放位置にあるときには前記調整孔と連通する貫通孔が形成され、前記調整孔と前記貫通孔との相対位置を変化させることで前記調整孔の開口具合を変化させることが可能となっていることを特徴とするオカリナ。
  10. 請求項9に記載のオカリナにおいて、
    前記調整部材は、前記共鳴胴部に回転可能に支持され、回転に伴って前記共鳴胴部の前記調整孔と前記貫通孔との相対位置が変化可能に構成されていることを特徴とするオカリナ。
  11. 請求項10に記載のオカリナにおいて、
    前記調整孔は、一方の端部が円弧状であり、その円弧状の部分から他方の端部に近づくに従ってその幅寸法が小さくなる長孔形状に形成されており、
    前記貫通孔は、一方の端部が円弧状に形成され、その円弧状の部分から他方の端部に近づくに従ってその幅寸法が小さくなる長孔形状に形成され、その円弧状の部分と前記調整孔の円弧状の部分とが重なり合う際に、その最も細い部分と前記調整孔の最も細い部分とが重ならないように配置されていること
    を特徴とするオカリナ。
  12. 請求項10または請求項11に記載のオカリナにおいて、
    前記共鳴胴部には、前記調整部材を回転可能に取り付けるための取付孔が形成され、
    前記調整部材は、円盤状の調整部材本体のほぼ中央から軸状の軸部が延出した形状を有し、前記軸部の外径寸法については前記取付孔の内径寸法より小さく設定され、前記軸部の先端部については、その外径寸法が前記取付孔の内径寸法よりも大きく設定され、前記軸部の先端部が弾性のある材料で形成され、前記軸部を前記共鳴胴部の外側から前記取付孔に挿入する際にその外径寸法が小さくなって前記共鳴胴部の前記取付孔を通過し、通過後はその外径寸法が元の寸法に戻るように構成されていること
    を特徴とするオカリナ。
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