JP3140771B2 - 濃厚物質の搬送装置 - Google Patents

濃厚物質の搬送装置

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、往復作動する濃厚物質ポンプと、この濃厚
物質ポンプの圧力側に接続された搬送管と、搬送管内に
設けられかつ搬送方向に流れる濃厚物質の作用を受けて
自動的に広がるリテーナとを具備し、このリテーナが、
濃厚物質の流動停止時または搬送方向と反対方向に濃厚
物質が流動するときに狭まる通過穴を備え、リテーナが
互いに角度間隔をおいて星状に配置された複数個のフィ
ンガーブレードを備え、このフィンガーブレードの片側
が搬送管の内面の範囲に固定され、自由端が搬送管の内
部に向かって搬送方向に斜めに延びている、濃厚物質の
搬送装置に関するものである。
背景技術 この種の装置は既に知られている。この場合、単一ピ
ストンポンプとして形成された濃厚物質ポンプの出口
に、ピストン運動によって制御される液圧操作される平
すべり弁が設けられている。この平すべり弁はピストン
の圧縮行程のときに出口を開放し、吸込み行程のときに
閉鎖し、搬送物質の逆流を阻止する。このような装置は
比較的にコストのかかる制御装置を必要とする。更に、
平すべり弁は充分な寿命を有していない。なぜなら、搬
送物質が平すべり弁の可動部品に大きな摩耗を応じるか
らである。
技術的課題 これから出発して、本発明の根底をなす課題は、リテ
ーナが制御装置を設けなくとも作動するように、かつ摩
耗をほとんど生じないで作動するように、冒頭に述べた
種類の装置を改良することである。
発明の開示 この課題を解決するために、本発明では、請求の範囲
第１項の特徴部分に記載された特徴が提案される。本発
明の他の有利な実施形や発展構成は請求の範囲の従属項
から明らかである。
本発明は次のような思想に基づいている。すなわち、
スリット開口を画成しているフィンガーブレードの側部
画成面が互いに接触するのを防止しなければならないこ
と、および流動性のある濃厚物質の逆流を最小にとどめ
るには、搬送管の横断面を覆う面積が十分に大きくなけ
ればならないという思想に基づいている。このため本発
明によれば、リテーナは搬送方向に互いに間隔をおいて
設けられた複数のグループのフィンガーブレードを備
え、それぞれのグループのフィンガーブレードが遮断状
態でその互いに向き合う側方の画成面の間にスリット開
口を形成するように互いに離して設けられ、一つのグル
ープのフィンガーブレードが他のグループの隣接するフ
ィンガーブレードの間のスリット開口の少なくとも一部
を覆っていることを特徴としている。
搬送管へのリテーナの組み込みを容易にするため、フ
ィンガーブレードは管継手の範囲において搬送管に挿入
可能な支持リングの内面に固定されている。
その際、支持リングは好ましくは軸方向において、搬
送管の互いに連結可能な二つの管片の対向する端面の間
に挟持固定可能であるのが合目的である。
搬送物質が内方へ突出する支持リングまたはフィンガ
ーブレードの挟持端部のところで堰き止められないよう
にするために、搬送管は搬送方向において支持リングの
手前に円錐状に先細になった内側横断面を有し、支持リ
ングの範囲に段状の拡大部を有していてもよい。
ばね鋼からなるフィンガーブレードは好ましくは剛性
の支持リングにねじ止めされているかあるいはゴム弾性
を持つ材料からなる支持リングに加硫溶着されている。
図面の簡単な説明 図１は濃厚物質搬送装置を部分的に破断して示す概略
斜視図、 図２は図１の濃厚物質搬送装置のリテーナの縦断面図
である。
実施の形態 次に、図に略示した実施の形態に基づいて本発明を詳
しく説明する。
図に示した搬送装置は単一シリンダ−ピストンポンプ
14と、圧力側に接続されかつリテーナ10を含む搬送管12
とを備えている。この搬送管は特に、スラッジ等の濃厚
物質を搬送するためのものである。
単一シリンダ−ピストンポンプ14は実質的に、充填竪
穴16と、端面側でこの充填竪穴16から突出しかつ入口18
を介してこの充填竪穴に接続された搬送シリンダ20と、
固定されたピストンロッド22上を二つの端位置の間で液
圧的に摺動可能な搬送ピストン24とからなっている。
リテーナ10は管継手26の範囲において搬送管12に挿入
された支持リング28と、互いに角度間隔をおいて星形に
配置さればね弾性を持つ多数のフィンガーブレード30,3
0′とを備えている。フィンガーブレード30,30′はシリ
ンダ管として形成された搬送管12の内室に挿入され、通
過穴32を画成している。
搬送管12は、図２に示すように、リテーナ10の範囲
に、端面側に環状凹部42を有する短い管片44を備えてい
る。この管片は引張りアンカー46によって搬送シリンダ
20の出口の範囲に固定された接続フランジ48に連結可能
である。環状凹部42に挿入されたリテーナ10の支持リン
グ28は、継手26の半割り部材50の連結時に管片44と接続
フランジ48を軸方向に相互の方へ押圧するときに、管片
44と接続フランジ48の互いに向き合った端面の間に挟持
される。管継手26のシールは支持リング28の外周に接す
るシールリング54によって行われる。このシールリング
は管片44の端面と接続フランジ48の端面の間の環状隙間
52内に設けられている。接続フランジ48は搬送シリンダ
20の出口と支持リングに接するその端面との間に、円錐
状に先細になっている内部横断面積を有する。従って、
搬送シリンダ20から押し出される搬送物質は、保持ねじ
36の頭のところで堰き止められることがない。
リテーナ10は支持リング28の外周にわたって分配配置
された２列のフィンガーブレード30または30′を備えて
いる。フィンガーブレード30はそれぞれ、ほぼくさび状
に切断された曲げられたばね鋼板からなっている。この
ばね鋼板は単一シリンダ−ピストンポンプ14寄りのその
幅広の端部において支持リング28の内周面34に接触して
保持ねじ36によってこの支持リングにねじ止めされてい
る。通過穴32の内側からフィンガーブレード30に接する
フィンガーブレード30′は、フィンガーブレード30の間
に形成されたスリット開口40の大部分の範囲を閉鎖す
る。従って、比較的粘性の少ない濃厚物質も保持され
る。フィンガーブレードの減張状態では、通過穴32は、
フィンガーブレード30の自由端によって囲まれた中央開
口38と、隣接する二つのフィンガーブレード30の相互の
方へ向いた側方の画成面の間に形成されるスリット開口
40によって形成される（図1,2参照）。中央開口38の横
断面積と、スリット開口40の幅は、一方ではフィンガー
ブレードが狭まって動かなくなることが避けられるよう
に、他方ではピストンポンプの吸込み行程時に粗い材料
を引き止めて通過穴32を塞ぐように選定される。
単一シリンダ−ピストンポンプ14の搬送ピストン24の
圧縮行程のときに、搬送物質は充填竪穴16から搬送シリ
ンダ20内へ、そしてそこから搬送管12へ押し込められ
る。その際、フィンガーブレード30の自由端は搬送方向
に動く搬送物質によって外へ曲がり、通過穴32を弾性的
に拡げるので、初期応力の下で管片44の内面に接触す
る。
搬送ピストン24はその前側の死点に達した後で、吸込
み行程で入口18に対向する充填竪穴16の端面まで後退す
る。この場合、搬送物質は充填竪穴16から搬送ピストン
24の端面の前にある自由空間内に落下して流入する。そ
の際、吸込み行程の開始時に、リテーナ10のフィンガー
ブレード30はその初期応力に基づいて曲がり、そして搬
送ピストン24の後退中に搬送シリンダ20に発生する負圧
およびまたは搬送管12内の静圧によって補助されて、図
1,2に示した静止位置に戻り、それによって搬送物質が
搬送管12から搬送シリンダ20に逆流することを防止す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フル ヘルムート ドイツ連邦共和国 デー・7410 ロイト リンゲン ヴィルヘルム・クーン・シュ トラーセ 98 (56)参考文献 米国特許3199457（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F04B 15/02

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】往復作動する濃厚物質ポンプ（14）と、こ
    の濃厚物質ポンプの圧力側に接続された搬送管（12）
    と、搬送管内に設けられかつ搬送方向に流れる濃厚物質
    の作用を受けて自動的に広がるリテーナ（10）とを具備
    し、このリテーナが、濃厚物質の流動停止時または搬送
    方向と反対方向に濃厚物質が流動するときに狭まる通過
    穴（32）を備え、リテーナが互いに角度間隔をおいて星
    状に配置された複数個のフィンガーブレード（30）を備
    え、このフィンガーブレードの片側が搬送管の内面の範
    囲に固定され、自由端が搬送管の内部に向かって搬送方
    向に斜めに延びている、濃厚物質の搬送装置において、 リテーナ（10）が搬送方向に互いに間隔をおいて設けら
    れた複数のグループのフィンガーブレード（30,30′）
    を備え、それぞれのグループのフィンガーブレード（3
    0,30′）が遮断状態でその互いに向き合う側方の画成面
    の間にスリット開口（40）を形成するように互いに離し
    て設けられ、一つのグループのフィンガーブレード（30
    または30′）が他のグループの隣接するフィンガーブレ
    ード（30または30′）の間のスリット開口（40）の少な
    くとも一部を覆っていることを特徴とする装置。
  2. 【請求項２】フィンガーブレード（30）の端面側の自由
    端が、遮断位置で中央開口（38）を形成するよう互いに
    離して設けられていることを特徴とする請求の範囲第１
    項の装置。
  3. 【請求項３】フィンガーブレード（30）が遮断状態で搬
    送方向において中央開口（38）の方へ凸形に曲がってい
    ることを特徴とする請求の範囲第１項または第２項の装
    置。
  4. 【請求項４】フィンガーブレード（30,30′）が管継手
    （26）の範囲において搬送管（12）に挿入された支持リ
    ング（28）に固定されていることを特徴とする請求の範
    囲第１項から第３項までのいずれか一つの装置。
  5. 【請求項５】支持リング（28）が軸方向において、互い
    に連結可能な搬送管（12）の管片（44,48）の対向する
    端面の間に挟持固定されていることを特徴とする請求の
    範囲第１項の装置。
  6. 【請求項６】搬送管が搬送方向において支持リング（2
    8）の手前に、円錐状に先細になっている内側横断面を
    有し、かつ支持リング（28）の範囲において段状に広が
    っていることを特徴とする請求の範囲第４項または第５
    項の装置。
  7. 【請求項７】ばね鋼からなるフィンガーブレード（30）
    が支持リング（28）にねじ止めされていることを特徴と
    する請求の範囲第４項から第６項までのいずれか一つの
    装置。
  8. 【請求項８】ばね鋼からなるフィンガーブレード（30）
    がゴム弾性を持つ材料から支持リングに加硫溶着されて
    いることを特徴とする請求の範囲第４項から第６項まで
    のいずれか一つの装置。
  9. 【請求項９】減張したフィンガーブレード（30）の端面
    側の端部の少なくとも二つが互いに接触して中央開口を
    閉鎖していることを特徴とする請求の範囲第２項から第
    ８項までのいずれか一つの装置。
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