JP3140447B2 - 自動二輪車の後輪懸架装置 - Google Patents

自動二輪車の後輪懸架装置

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JP3140447B2
JP3140447B2 JP02030956A JP3095690A JP3140447B2 JP 3140447 B2 JP3140447 B2 JP 3140447B2 JP 02030956 A JP02030956 A JP 02030956A JP 3095690 A JP3095690 A JP 3095690A JP 3140447 B2 JP3140447 B2 JP 3140447B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、上下に揺動する後端部に後輪を支承させ
るようにした自動二輪車の後輪懸架装置に関する。
(従来の技術) 自動二輪車には、従来、次のように構成されたものが
ある。
即ち、自動二輪車が、前後方向に延びてその後端部側
が上下に揺動自在となるよう前端部が車体フレームに枢
支されて断面が箱形とされるリヤアームと、このリヤア
ームの揺動端に支承される後輪と、上記車体フレームに
支持された走行用駆動手段に設けられた駆動鎖車と、上
記後輪に取り付けられる従動鎖車と、上記駆動鎖車と従
動鎖車とに巻き掛けられる伝動チェーンとを備え、上記
リヤアームの長手方向の中途部を上記伝動チェーンの張
り側と緩み側とが上下から挟むこととされている。
そして、上記駆動手段の駆動力が上記駆動鎖車、伝動
チェーン、および従動鎖車を介し後輪に伝達され、もっ
て、上記自動二輪車が走行面上を走行可能とされてい
る。
また、上記走行時に、走行面から後輪に与えられる衝
撃力は、この後輪がリヤアームと共に上下に揺動するこ
とと、これに伴い緩衝器が伸縮動作することとによっ
て、緩和される。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、近時、駆動手段の能力の向上等に伴って上
記リヤアームには高剛性、高強度が求められる一方、軽
量化も求められており、このため、リヤアームはその断
面形状の面積が大きい箱形とされる傾向にある。
しかしながら、リヤアームを上記したように面積が大
きい箱形にすると、次のような問題を生じるおそれがあ
る。
即ち、第1に、自動二輪車がオフロード車の場合、走
行中に後輪により跳ね上げられた泥が上記リヤアームの
上面に溜り易くなり、この溜まる量が多くなると、走行
面から後輪に与えられる衝撃力でリヤアームが上下に揺
動する際の応答性が低下するという不都合を生じる。
そこで、上記リヤアームの上部の角部に面取り部を形
成して、上記リヤアームの上面に泥が溜まることを抑制
させることが考えられる。
しかし、上記面取り部を単に設けると、リヤアーム上
に跳ね上げられた泥が、上記面取り部を滑り落ちたと
き、この泥が後輪によって、再び跳ね上げられることと
なって、円滑な走行が阻害されるおそれを生じる。
第2に、上記したように、リヤアームを面積が大きい
箱形にすると、このリヤアームの長手方向の中途部にお
ける上下方向の寸法が大きくなって、その上、下面が前
記伝動チェーンの張り側と緩み側とに接近しがちとな
り、このため、上記リヤアームの中途部の上、下面に、
駆動力を伝達している伝動チェーンが摺接して、これら
各面が無用に摩耗させられるおそれを生じる。
(発明の目的) この発明は、上記のような事情に注目してなされたも
ので、リヤアームの断面を面積の大きい箱形とした場合
でも、このリヤアームの上面に泥が溜らないようにする
と共に、リヤアームの上面から滑り落ちる泥が後輪に向
わないようにして、自動二輪車に円滑な走行が確保され
るようにすることを目的とする。
また、上記したように、リヤアームの断面を面積の大
きい箱形とした場合でも、上記リヤアームの上、下面が
これに対する伝動チェーンの摺接で無用に摩耗させられ
ないようにすることを目的とする。
(発明の構成) 上記目的を達成するためのこの発明の特徴とするとこ
ろは、前後方向に延びてその後端部側が上下に揺動自在
となるよう前端部が車体フレーム2に枢支されて断面が
箱形とされるリヤアーム12と、このリヤアーム12の揺動
端に支承される後輪18と、上記車体フレーム2に支持さ
れた走行用駆動手段25,27に設けられた駆動鎖車33と、
上記後輪18に取り付けられる従動鎖車34と、上記駆動鎖
車33と従動鎖車34とに巻き掛けられる伝動チェーン35と
を備え、上記リヤアーム12の長手方向の中途部を上記伝
動チェーン35の張り側と緩み側とが上下から挟むように
した自動二輪車において、 1)上記リヤアーム12の上部の車体幅方向における両角
部のうち上記後輪18から遠い側の角部にのみ面取り部53
を形成し、 2)上記リヤアーム12の中途部における上記両角部のう
ち上記後輪18に近い側の角部の上面と、上記リヤアーム
12の中途部の下面とをそれぞれ車体幅方向にほぼ水平に
延びる面として、これら上、下面に面接合するようにそ
れぞれ板状のガードカバー58,58′を締結具59により着
脱自在に取り付け、 3)上記両ガードカバー58,58′をその自由状態で互い
にほぼ同形同大にすると共に、互いに交換可能とし、 4)上記伝動チェーン35に対し上記各締結具59を車体幅
方向で偏位させた点にある。
(作 用) 上記構成による作用は次の如くである。
1)リヤアーム12の上部の車体幅方向における両角部の
うち後輪18から遠い側の角部にのみ面取り部53を形成し
てある。
このため、リヤアーム12を面積が大きい箱形にしたと
しても、このリヤアーム12の上面に溜まろうとする泥
は、上記面取り部53を通り滑り落ちて上記リヤアーム12
の上面に多く泥が溜まるということが防止される。
しかも、上記したように、上記伝動チェーン35は後輪
18から遠い側にのみ形成されているため、上記面取り部
53を通り滑り落ちる泥は後輪18から離れる方向に向わさ
れる。
よって、リヤアーム12の上面に泥が多く溜まるという
ことが防止されて、走行面から後輪18に与えられる衝撃
力でリヤアーム12が上下に揺動する際の応答性は良好に
保たれると共に、上記リヤアーム12の上面から面取り部
53を通り滑り落ちる泥が上記後輪18によって再び跳ね上
げられるということが防止される。
2)上記リヤアーム12の中途部における上記両角部のう
ち上記後輪18に近い側の角部の上面と、上記リヤアーム
12の中途部の下面とをそれぞれ車体幅方向にほぼ水平に
延びる面として、これら上、下面に面接合するようにそ
れぞれ板状のガードカバー58,58′を締結具59により着
脱自在に取り付けてある。
このため、駆動力を伝達している伝動チェーン35が上
記ガードカバー58,58′に摺接するとしても、上記伝動
チェーン35が上記リヤアーム12の中途部の上、下面に摺
接するということは防止される。
よって、上記したように、リヤアーム12を面積が大き
い箱形にし、これにより、このリヤアーム12の長手方向
の中途部における上下方向の寸法が大きくなって、その
上、下面が伝動チェーン35の張り側と緩み側とに接近し
がちになったとしても、上記ガードカバー58,58′によ
って上記リヤアーム12の中途部の上、下面が摩耗させら
れるということは防止される。
しかも、上記したように各ガードカバー58,58′は、
それぞれ板状とされて、車体幅方向にほぼ水平に延びる
面とされた上記リヤアーム12の中途部における角部の上
面と、下面とに面接合するように取り付けてあり、この
ため、上記各ガードカバー58,58′の上下方向の寸法は
小さく抑えられる。
よって、上記各ガードカバー58,58′を設けても、こ
れらに上記伝動チェーン35が強く摺接するということは
抑制され、上記ガードカバー58,58′が無用に摩耗させ
られるということも防止される。
3)上記両ガードカバー58,58′をその自由状態で互い
にほぼ同形同大にすると共に、互いに交換可能としてあ
る。
このため、上記両ガードカバー58,58′は、上記伝動
チェーン35が片当りすることにより、いずれか一方の摩
耗量がより多くなるおそれがあるが、上記した交換によ
って、各摩耗量を互いに同じにさせることができる。
4)上記伝動チェーン35に対し上記各締結具59を車体幅
方向で偏位させてある。
このため、上記伝動チェーン35が上記各締結具59を摺
接することが防止されて、伝動チェーン35の円滑な作動
が確保される。
また、上記したように、伝動チェーン35に対し各締結
具59が偏位しているため、これら締結具59への操作が上
記伝動チェーン35に邪魔されることなく容易にできる。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面により説明する。
第1図から第3図において、1はトライアル車たる自
動二輪車で、2はその車体フレームである。なお、第1
図中矢印Frは自動二輪車1の前方を示している。
上記車体フレーム2はその前部にヘッドパイプ3を有
し、このヘッドパイプ3から後下方に向って断面縦長の
箱形で板金製の左右主フレーム4,4が側、平面視ほぼ直
線的に延設されている。
また、上記各主フレーム4の後端から、それぞれ下方
に向って縦向きにリヤアームブラケット7が延出し、こ
の各リヤアームブラケット7は前後幅広とされている。
また、これら左右リヤアームブラケット7,7の上部同士
と、下部同士とはそれぞれ上、下クロスチューブで互い
に強固に連結されている。
上記左右リヤアームブラケット7,7には枢支軸11が架
設され、この枢支軸11の後方に前後方向に延びるリヤア
ーム12が配設され、このリヤアーム12の後端部側が上下
に揺動自在となるよう前端部が上記枢支軸11により上記
左右リヤアームブラケット7,7に枢支されている。
また、上記主フレーム4,4の下方で、これら各主フレ
ーム4の前端から、後下方に向ってそれぞれダウンチュ
ーブ13が延設されている。
前記ヘッドパイプ3にはフロントフォーク15が操向自
在に枢支されている。そして、このフロントフォーク15
の下端には前輪16が支承され、同上フロントフォーク15
の上端にはハンドル17が取り付けられている。
一方、前記リヤアーム12の揺動端には後輪18が支承さ
れている。19は緩衝器で、この緩衝器19は上記後輪18か
らリヤアーム12を介して車体フレーム2側に伝わろうと
する衝撃力を緩和する。
上記車体フレーム2に走行用駆動手段が支持されてお
り、この駆動手段は、上記左右主フレーム4,4の下方に
配設されるエンジン25と、このエンジン25のクランクケ
ース26の後部に連設される動力伝達装置27とを備えてい
る。上記エンジン25は2サイクル単気筒エンジンとさ
れ、そのクランクケース26の上面から前上方に向ってシ
リンダ28が突設されている。
また、上記走行用駆動手段には、その動力伝達装置27
に取り付けられた駆動鎖車33が設けられる一方、前記後
輪18には従動鎖車34が取り付けられ、これら両鎖車33,3
4に伝動チェーン35が巻き掛けられている。
前記左右主フレーム4,4の後端から後上方に向ってシ
ートレール37が突設され、このシートレール37は左右一
対のバックステー38によりリヤアームブラケット7に強
固に支持されている。
一方、前記シリンダ28の後面に形成される吸気ポート
には気化器40が連設され、上記気化器40に燃料を供給す
る燃料タンク42が設けられる。上記燃料タンク42とシー
トレール37とを覆うカバー体43が設けられ、上記シート
レール37で支持されているカバー体43の部分の上面がシ
ート44となっている。45は排気管である。
第1図、第3図、および第4図において、前記リヤア
ーム12は枢支軸11に支承される左右一対のピボットパイ
プ48,48を備えている。これら各ピボットパイプ48から
後方に向ってそれぞれアーム部49,49′が延び、これら
各アーム部49,49′はアルミ材による板金製とされてい
る。また、これら各アーム部49,49′は側面視で、後方
に向うに従い細くなるよう形成されている。更に、これ
ら左右アーム部49,49′の前部同士は連結部50により互
いに強固に連結されている。そして、上記左右アーム部
49,49′の後端間に前記後輪18が配設されて、この後輪1
8はこれらアーム部49,49′に対し車軸51により支承され
ている。
上記各アーム部49,49′は高剛性、高強度を得る一
方、軽量化を図るために、その断面形状は面積の大きい
縦長の箱形とされている。そのため、上記各アーム部4
9,49′上面には泥が溜るおそれがある。
そこで、上記リヤアーム12の各アーム部49,49′の上
部の車体幅方向における両角部のうち、上記後輪18から
遠い側の角部(外側の角部)にのみ平坦に傾いた面取り
部53が形成されており、このように面取り部53を設けた
分、リヤアーム12の上面の平坦な面が少なくなって、こ
のリヤアーム12上面に泥の溜ることが防止されている。
しかも、上記面取り部53は、各アーム部49,49′の上
部の車体幅方向における両角部のうち、後輪18から遠い
側のみに形成されている。このため、リヤアーム12の上
面に跳ね上げられた泥が面取り部53を滑り落ちたとき、
この泥は後輪18から離れる方向に向わされて、再び跳ね
上げられるということが防止される。
なお、上記アーム部49,49′は、押し出し、もしくは
引き抜き成形されるパイプ材によって構成してもよい。
また、同上アーム部49,49′は、第4図中仮想線52で示
す位置で左右に分割される一対の半割部材を、同上仮想
線52の位置で互いに溶接することによって成形してもよ
い。これについては、以下の各種変形例についても同じ
である。
第5図から第7図は、面取り部53についての各種変形
例を示している。なお、左右アーム部49,49′は左右対
称で同形同大であるため、左側のアーム部49についての
み説明する。
第5図によれば、アーム部49の外側下縁にも面取り部
54が設けられている。
第6図は、第5図のものとほぼ同じであるが、各面取
り部53,54はそれぞれ円弧面である。
第7図は、第5図のものとほぼ同じであるが、上、下
面取り部53,54間に前後方向に延びる凹溝状の補強部56
が形成されている。
第1図、第3図、第8図において、上記リヤアーム12
の左側のアーム部49の長手方向の中途部は、前後方向で
上記駆動鎖車33と従動鎖車34の間に位置して上記伝動チ
ェーン35の上、下部を構成する張り側と緩み側とにより
上下から挟まれている。このため、伝動チェーン35が撓
んだときに、この伝動チェーン35がアーム部49の中途部
の上、下面に摺接して、ここを摩耗させるおそれを生じ
る。
そこで、上記摩耗を防止するため、上記アーム部49の
中途部の上、下面にそれぞれ板状のガードカバー58,5
8′が、それぞれ前後一対のボルトである締結具59,59に
より着脱自在にねじ止めにより取り付けられている。
より具体的には、上記アーム部49の中途部の上部にお
ける前記両角部のうち、上記後輪18に近い側の角部(内
側の角部)の上面と、上記アーム部49の中途部の下面と
はそれぞれ車体幅方向にほぼ水平に延びる面とされてお
り、これら上、下面に面接合するようにそれぞれ板状の
ガードカバー58,58′が上記締結具59により着脱自在に
取り付けられている。
上記上、下ガードカバー58,58′はいずれも樹脂成形
品で、その自由状態で互いにほぼ同形同大をなしてお
り、このため、このガードカバー58,58′は一種類の形
状のもので足りるようになっている。また、上、下ガー
ドカバー58,58′は、これらを上下交換可能とされてお
り、これにより、上記両ガードカバー58,58′の摩耗に
偏りが生じた場合にはこれに対処できるようになってい
る。
更に、上記各ガードカバー58,58′はそれぞれ前後逆
転させても、伝動チェーン35に対し同じ姿勢をとること
ができる形状とされており、よって、各ガードカバー5
8,58′の前後で摩耗に偏りが生じた場合には、アーム部
49への取り付けを前後逆転させることができる。
更に、上記伝動チェーン35に対し、上記各締結具59は
車体幅方向で偏位させられている。
なお、上記各ガードカバー58,58′は自由状態では平
坦な形状をなしており、アーム部49に取り付けられると
きには締結具59の締結力によって、アーム部49の上、下
面に沿うよう折り曲げられる。その他、60はテンショナ
ーである。
(発明の効果) この発明によれば、前後方向に延びてその後端部側が
上下に揺動自在となるよう前端部が車体フレームに枢支
されて断面が箱形とされるリヤアームと、このリヤアー
ムの揺動端に支承される後輪と、上記車体フレームに支
持された走行用駆動手段に設けられた駆動鎖車と、上記
後輪に取り付けられる従動鎖車と、上記駆動鎖車と従動
鎖車とに巻き掛けられる伝動チェーンとを備え、上記リ
ヤアームの長手方向の中途部を上記伝動チェーンの張り
側と緩み側とが上下から挟むようにした自動二輪車にお
いて、 1)上記リヤアームの上部の車体幅方向における両角部
のうち上記後輪から遠い側の角部にのみ面取り部を形成
してある。
このため、リヤアームを面積が大きい箱形にしたとし
ても、このリヤアームの上面に溜まろうとする泥は、上
記面取り部を通り滑り落ちて上記リヤアームの上面に多
く泥が溜まるということが防止される。
しかも、上記したように、上記伝動チェーンは後輪か
ら遠い側にのみ形成されているため、上記面取り部を通
り滑り落ちる泥は後輪から離れる方向に向わされる。
よって、リヤアームの上面に泥が多く溜まるというこ
とが防止されて、走行面から後輪に与えられる衝撃力で
リヤアームが上下に揺動する際の応答性は良好に保たれ
ると共に、上記リヤアームの上面から面取り部を通り滑
り落ちる泥が上記後輪によって再び跳ね上げられるとい
うことが防止され、このため、自動二輪車に円滑な走行
が確保される。
2)上記リヤアームの中途部における上記両角部のうち
上記後輪に近い側の角部の上面と、上記リヤアームの中
途部の下面とをそれぞれ車体幅方向にほぼ水平に延びる
面として、これら上、下面に面接合するようにそれぞれ
板状のガードカバーを締結具により着脱自在に取り付け
てある。
このため、駆動力を伝達している伝動チェーンが上記
ガードカバーに摺接するとしても、上記伝動チェーンが
上記リヤアームの中途部の上、下面に摺接するというこ
とは防止される。
よって、上記したように、リヤアームを面積が大きい
箱形にし、これにより、このリヤアームの長手方向の中
途部における上下方向の寸法が大きくなって、その上、
下面が伝動チェーンの張り側と緩み側とに接近しがちに
なったとしても、上記ガードカバーによって上記リヤア
ームの中途部の上、下面が摩耗させられるということは
防止され、リヤアームに所定の強度が確保される。
しかも、上記したように各ガードカバーは、それぞれ
板状とされて、車体幅方向にほぼ水平に延びる面とされ
た上記リヤアームの中途部における角部の上面と、下面
とに面接合するように取り付けてあり、このため、上記
各ガードカバーの上下方向の寸法は小さく抑えられる。
よって、上記各ガードカバーを設けても、これらに上
記伝動チェーンが強く摺接するということは抑制され、
上記ガードカバーが無用に摩耗させられるということも
防止されて、その寿命上有益である。
3)上記両ガードカバーをその自由状態で互いにほぼ同
形同大にすると共に、互いに交換可能としてある。
このため、上記両ガードカバーは、上記伝動チェーン
が片当りすることにより、いずれか一方の摩耗量がより
多くなるおそれがあるが、上記した交換によって、各摩
耗量を互いに同じにさせることができる。
よって、両ガードカバーの全体的な寿命を向上させる
ことができる。
4)上記伝動チェーンに対し上記各締結具を車体幅方向
で偏位させてある。
このため、上記伝動チェーンが上記各締結具を摺接す
ることが防止されて、伝動チェーンの円滑な作動が確保
され、もって、自動二輪車の円滑な走行が確保される。
また、上記したように、伝動チェーンに対し各締結具
が偏位しているため、これら締結具への操作が上記伝動
チェーンに邪魔されることなく容易にできる。
よって、前記した両ガードカバーの交換作業が容易に
できることとなる。
【図面の簡単な説明】
図はこの発明の実施例を示し、第1図は第2図の部分拡
大図、第2図は自動二輪車の左側面を示す全体図、第3
図はリヤアームの平面図、第4図は第1図のIV−IV線矢
視断面図、第5図から第7図は第4図に相当する図でア
ーム部の各種変形例を示す断面図、第8図は第3図の部
分拡大図である。 1……自動二輪車、2……車体フレーム、11……枢支
軸、12……リヤアーム、18……後輪、25,27……駆動手
段、33……駆動鎖車、34……従動鎖車、35……伝動チェ
ーン、58,58′……ガードカバー、59……締結具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−150773(JP,A) 特開 昭62−43386(JP,A) 実開 昭58−81193(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62K 25/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前後方向に延びてその後端部側が上下に揺
    動自在となるよう前端部が車体フレームに枢支されて断
    面が箱形とされるリヤアームと、このリヤアームの揺動
    端に支承される後輪と、上記車体フレームに支持された
    走行用駆動手段に設けられた駆動鎖車と、上記後輪に取
    り付けられる従動鎖車と、上記駆動鎖車と従動鎖車とに
    巻き掛けられる伝動チェーンとを備え、上記リヤアーム
    の長手方向の中途部を上記伝動チェーンの張り側と緩み
    側とが上下から挟むようにした自動二輪車において、 1)上記リヤアームの上部の車体幅方向における両角部
    のうち上記後輪から遠い側の角部にのみ面取り部を形成
    し、 2)上記リヤアームの中途部における上記両角部のうち
    上記後輪に近い側の角部の上面と、上記リヤアームの中
    途部の下面とをそれぞれ車体幅方向にほぼ水平に延びる
    面として、これら上、下面に面接合するようにそれぞれ
    板状のガードカバーを締結具により着脱自在に取り付
    け、 3)上記両ガードカバーをその自由状態で互いにほぼ同
    形同大にすると共に、互いに交換可能とし、 4)上記伝動チェーンに対し上記各締結具を車体幅方向
    で偏位させた自動二輪車の後輪懸架装置。
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