JP3140324B2 - 有機物・水系混合溶液の濃縮分離装置 - Google Patents

有機物・水系混合溶液の濃縮分離装置

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JP3140324B2 JP07088262A JP8826295A JP3140324B2 JP 3140324 B2 JP3140324 B2 JP 3140324B2 JP 07088262 A JP07088262 A JP 07088262A JP 8826295 A JP8826295 A JP 8826295A JP 3140324 B2 JP3140324 B2 JP 3140324B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機物・水系混合溶液
の濃縮分離装置に関し、特に不凍液を加えたエンジン冷
却水より不凍液の主成分であるエチレングリコールを濃
縮分離する装置として好適である。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護の観点より、使用済みの
エンジン冷却水から不凍液の主成分であるエチレングリ
コールを抽出して燃料として再利用しようという要望が
ある。そこで、本願出願人(但し、日本電装株式会社)
は、有機物・水系混合溶液の濃縮分離装置を出願申請
(特願平6−196796号)した。この装置は、有機
物と水から成る混合溶液を加熱して気化した蒸気を精留
する精留手段を備え、この精留手段で精留された水成分
濃度の高い蒸気から水蒸気を分離することで、高濃度に
濃縮された混合溶液、即ち有機物を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の装置は、精留手
段で精留された蒸気の一部が、装置の天板で凝縮液化し
て還流水として滴下することにより、精留手段として用
いるステンレスウールに付着する液滴(混合溶液)の濃
度分布を一定に保つことができる。ところが、先願に記
載された装置は、天板が平面であるため、装置を傾斜地
に設置した場合等には、還流水が均一に滴下されないこ
とから、ステンレスウールに付着する液滴の濃度分布が
不均一となる。
【0004】また、先願では、加熱により沸騰した混合
溶液の飛沫が精留手段の充填物(ステンレスウール)に
付着する可能性が高いため、精留手段の液滴濃度が高く
なって精留手段での水質浄化性能(精留性能)が低下す
る。以上の結果、精留手段で精留される蒸気の水成分濃
度が低下して分離水の水質を悪くすると言う問題を生じ
る。本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、そ
の目的は、分離水の水質を悪化させることなく常に安定
的に得ることのできる有機物・水系混合溶液の濃縮分離
装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、以下の構成を採用した。請求項1では、
有機物と水とから成る混合溶液を加熱する加熱手段と、
この加熱手段により加熱されて気化した蒸気が凝縮と再
蒸発とを繰り返すことで、蒸気の水成分濃度を高める精
留手段と、この精留手段で精留された蒸気の一部を天板
の下面に凝縮させる凝縮手段と、前記天板の下面に凝縮
した液滴を前記精留手段に対して略均一に滴下させる凝
縮液滴下手段とを備え、 前記凝縮液滴下手段は、前記天
板の下面に突出して設けられた突起部であることを特徴
とする。
【0006】
【0007】請求項2では、請求項1に記載した有機物
・水系混合溶液の濃縮分離装置において、前記突起部
は、前記天板に窪みを形成して設けられていることを特
徴とする。
【0008】請求項3では、請求項1に記載した有機物
・水系混合溶液の濃縮分離装置において、前記突起部
は、前記天板と別体の突起部材を前記天板の下面に取り
付けて設けられていることを特徴とする有機物・水系混
合溶液の濃縮分離装置。
【0009】請求項4では、請求項1に記載した有機物
・水系混合溶液の濃縮分離装置において、前記加熱手段
の上方に設けられて、前記加熱手段での加熱によって沸
騰した混合溶液の飛沫を略遮断する飛沫遮断部材を有す
ことを特徴とする。
【0010】請求項5では、請求項4に記載した有機物
・水系混合溶液の濃縮分離装置において、前記飛沫遮断
部材は、網目状に設けられていることを特徴とする。
【0011】請求項6では、請求項4に記載した有機物
・水系混合溶液の濃縮分離装置において、前記飛沫遮断
部材は、多数の小孔が開けられたパンチングメタルであ
ることを特徴とする。
【0012】請求項7では、請求項4に記載した有機物
・水系混合溶液の濃縮分離装置において、前記飛沫遮断
部材は、平板状に設けられて、装置内壁面に対して外周
に隙間が形成されていることを特徴とする。
【0013】請求項8では、請求項4に記載した有機物
・水系混合溶液の濃縮分離装置において、前記飛沫遮断
部材は、平板状に設けられて、前記加熱手段側と前記精
留手段側とを連通する連通孔が形成されていることを特
徴とする。
【0014】請求項9では、請求項1〜8に記載した何
れかの有機物・水系混合溶液の濃縮分離装置において、
前記精留手段より下方の側壁に混合溶液を流入する流入
口が設けられた本体容器と、一端に混合溶液を投入する
投入口が設けられて、他端が前記流入口と接続され、前
記投入口と前記流入口との間に一定量の混合溶液を溜め
ることのできるトラップが設けられた投入用配管とを備
えたことを特徴とする。
【0015】請求項10では、請求項9に記載した有機
物・水系混合溶液の濃縮分離装置において、前記投入口
は、上下方向で前記精留手段の下端より低く、且つ前記
流入口の下端より高い位置に開口面を有することを特徴
とする。
【0016】請求項11では、請求項9または10に記
載した有機物・水系混合溶液の濃縮分離装置において、
前記流入口より下方位置で前記投入用配管と前記本体容
器とを連通する連通管が設けられて、前記投入用配管に
は、前記連通管を通じて変位する混合溶液の液面を外部
から確認できる液面計が設けられていることを特徴とす
る。
【0017】請求項12では、請求項9〜11に記載し
た何れかの有機物・水系混合溶液の濃縮分離装置におい
て、前記投入用配管は、前記投入口と前記流入口との間
に、熱伝導率の低い材料から成る中間接続部材が介在さ
れていることを特徴とする。
【0018】請求項13では、請求項12に記載した有
機物・水系混合溶液の濃縮分離装置において、前記投入
用配管は、前記中間接続部材より前記投入口側を前記液
面計として透明な部材で構成していることを特徴とす
る。
【0019】
【作用および発明の効果】上記構成より成る本発明の有
機物・水系混合溶液の濃縮分離装置は、各請求項毎に以
下の作用および効果を奏する。 (請求項1) 精留手段で精留された蒸気の一部は、天板の下面で凝縮
して液化した後、自重により落下して還流水となる。こ
こで、天板の下面で凝縮液化した液滴は、天板の下面に
設けられた凝縮液滴下手段により、精留手段に対して略
均一に滴下する。この結果、精留手段で付着する液滴の
濃度分布を略一定に保つことができるため、分離水の水
質を悪化させることなく、常に安定して得ることができ
る。また、凝縮液滴下手段は、天板の下面で下方へ突出
する突起部であるので、天下の下面で凝縮した液滴は、
突起部を伝って落下する。そこで、突起部を天板の下面
で適宜な位置に設けることにより、突起部を伝って落下
する液滴を精留手段に対して略均一に滴下させることが
できる。
【0020】
【0021】(請求項2) 突起部は、天板に窪みを形成して設けることができる。
即ち、天板の成形(例えばプレス成形)と同時に突起部
を設けることができる。(請求項3) また、突起部は、天板と別体の突起部材を天板の下面に
取り付けて設けることもできる。
【0022】(請求項4) 加熱手段により混合溶液が加熱されて沸騰することで飛
沫が飛び散る。この飛沫は、加熱手段の上方に設けられ
た飛沫遮断部材で遮断される。従って、沸騰により飛び
散る飛沫が精留手段に付着するのを防止できるため、精
留手段に滴下する還流水の水成分濃度を常に高く保つこ
とが可能となる。その結果、精留手段の水質浄化性能を
高い水準に維持できるため、分離水の水質を悪化させる
ことなく、常に安定して得ることができる。
【0023】(請求項5) 飛沫遮断部材は、網目状(メッシュ状)に設けられてい
る。このため、加熱手段で加熱されて気化した蒸気は、
飛沫遮断部材の網目を通過して精留手段へ達するが、沸
騰により飛び散る飛沫は、殆ど網目を通過することがで
きずに遮断される。勿論、網目の大きさは、飛沫を遮断
できる程度に細かく(小さく)する必要がある。なお、
平面的でなく、立体的な網目構造(つまり高さ方向にも
網目状である)とすることで、確実に飛沫を遮断するこ
とができる。また、飛沫遮断部材を網目状とすることで
精留効果を得ることもできるため、分離水の水質向上を
図ることができる。
【0024】(請求項6) 飛沫遮断部材は、多数の小孔を開けたパンチングメタル
を使用することもできる。この場合、加熱手段で加熱さ
れて気化した蒸気は各小孔を通って精留手段へ達する
が、沸騰により飛び散る飛沫は、殆ど小孔を通過するこ
とができずに遮断される。また、パンチングメタルは、
薄板状でも良いが、板厚を厚く(高さ方向に厚く)した
方が、各小孔が通路状に形成されるため、飛沫を遮断す
る効果が大きくなる。
【0025】(請求項7) 飛沫遮断部材は、網目や小孔等を設けることなく、平板
状としても良い。但し、気化した蒸気が通過できるよう
に、装置内壁面に対して外周に隙間を形成しておく。こ
れにより、沸騰による飛沫は殆ど平板状の飛沫遮断部材
によって遮断される。
【0026】(請求項8) また、飛沫遮断部材を平板状とした場合、装置内壁面と
の間に隙間を形成する構造でなくても、飛沫を遮断する
ことができ、且つ気化した蒸気が通過できれば良い。即
ち、平板状を成す飛沫遮断部材の適宜な位置に、加熱手
段側と精留手段側とを連通する連通孔が形成されていて
も良い。この場合、請求項6に記載したパンチングメタ
ルと同様に、板厚を厚くした方が飛沫を遮断する効果が
大きくなると言える。
【0027】(請求項9) 投入口から投入された混合溶液は、投入用配管を通って
本体容器に開口する流入口から本体容器内へ流入する。
混合溶液が投入された後、トラップを構成する投入用配
管には一定量の混合溶液が溜められる。これにより、投
入口と流入口との間がトラップに溜まった混合溶液によ
って遮断されるため、本体容器内を気密に保つことがで
きる。この結果、投入口を開閉する開閉弁を廃止できる
ことから、開閉弁の開閉作業を行なう必要がなく、作業
性が向上する。また、開閉弁の閉め忘れにより蒸気(加
熱手段で加熱された混合容器の蒸気)が噴出する様な事
態を防止できるため、安全性の向上を図ることができ
る。
【0028】(請求項10) 投入口の開口面を精留手段の下端より低く設定したこと
により、混合溶液の投入過多によって本体容器内に流入
した混合溶液が精留手段まで達するのを防止できる。即
ち、混合容器を投入し過ぎると、本体容器内で精留手段
に達する以前に、投入口から溢れ出て、それ以上投入で
きなくなる。これにより、混合溶液に含まれる不純物が
精留手段に付着して、精留手段の分離性能が低下するの
を防ぐことができる。
【0029】(請求項11) 流入口より下方位置で投入用配管と本体容器とを連通管
によって連通したことにより、トラップに溜まった混合
溶液は、連通管を通じて本体容器内の混合溶液と液面が
同一となる。これにより、投入用配管に液面計を設ける
ことで、本体容器内の液面レベルを外部から確認するこ
とが可能となる。
【0030】(請求項12) 投入用配管の投入口と流入口との間に熱伝導率の低い材
料から成る中間接続部材を介在したことにより、混合溶
液の加熱中に本体容器から投入用配管を通って伝達され
る熱の移動を中間接続部材で抑えることができる。これ
により、投入口付近の温度上昇を抑えることができるた
め、混合溶液の投入作業を継続するような場合に作業者
が投入口に触れても安全である。また、中間接続部材よ
り投入口側の配管として、耐熱温度の低い安価な材料を
使用することができる。
【0031】(請求項13) 投入用配管に中間接続部材を介在させることにより、中
間接続部材より投入口側の配管を透明な材料で構成する
ことが可能となる。これにより、外部から液面レベルを
確認できるため、透明な配管そのものを液面計として利
用することができる。
【0032】
【実施例】次に、本発明の有機物・水系混合溶液の濃縮
分離装置の実施例を図面に基づいて説明する。 (第1実施例)図1は有機物・水系混合溶液の濃縮分離
装置の全体模式図である。本実施例の有機物・水系混合
溶液の濃縮分離装置1(以下、本装置と言う)は、不凍
液を加えたエンジン冷却水(以下、冷却水と略す)を濃
縮して、不凍液の主成分であるエチレングリコールを分
離抽出するものである。
【0033】本装置1は、円筒状の本体容器2、この本
体容器2に入れられた冷却水を加熱する加熱手段3、加
熱されて気化した蒸気の水成分濃度を高める精留手段
4、精留された蒸気の一部を凝縮して還流水を生成する
凝縮手段5、および分離水を排水する排水手段6より構
成されている。本体容器2には、冷却水を内部に投入す
るための投入口7およびこの投入口7を開閉する開閉弁
8が設けられている。
【0034】加熱手段3は、例えば電気ヒータであり、
通電を受けて発熱することにより、本体容器2内に入れ
られた冷却水を加熱して沸騰させる。精留手段4は、本
体容器2の中程に充填されたステンレスウール30(図
3参照)により構成されるもので、このステンレスウー
ル30の無段精留作用によって、加熱手段3で加熱され
て気化した蒸気より不凍液を分離する。
【0035】凝縮手段5は、本体容器2の上方に設置さ
れた冷却ファンであり、本体容器2の天板20に向けて
送風することにより、精留手段4で精留された蒸気の一
部を天板20の下面に凝縮させる。但し、天板20の下
面には、天板20の外側から内側へ向かって同心円上に
窪み21を(図2参照)形成することで、天板20の内
側に突出する突起部22が設けられている。排水手段6
は、本体容器2の上部(精留手段4より上部)側面に接
続されて、本体容器2内に開口する排水管60、および
この排水管60を流れる蒸気を凝縮液化する凝縮器61
から成る。
【0036】次に、本実施例の作動を説明する。開閉弁
8を開いて投入口7から本体容器2に入れられた冷却水
(例えば、不凍液濃度30%程度)は、加熱手段3によ
り加熱されて気化し、蒸気となって上昇する。精留手段
4に達した蒸気は、精留手段4で凝縮と再蒸発とを繰り
返すことにより、エチレングリコールが分離されて、水
成分濃度が高くなる。
【0037】具体的には、図3に示すように、蒸気の一
部が本体容器2内に充填されたステンレスウール30の
表面に付着して液滴化した後、雰囲気温度によって再蒸
発する。この時の水分蒸発量は、図4に示すように、液
相のH2 Oモル分率の上昇に伴って気相のH2 Oモル分
率が上昇する蒸発曲線によって支配される。この凝縮と
再蒸発とを繰り返す際に、ステンレスウール30に保持
された液滴(低濃度エチレングリコール水溶液)にエチ
レングリコール蒸気が吸収されることにより、蒸気中の
水成分割合が増加する。
【0038】なお、精留手段4へ流入する蒸気中のエチ
レングリコール分圧が高くなると、ステンレスウール3
0に付着した液滴へのエチレングリコール蒸気の吸収率
が高くなることから、冷却水の不凍液濃度(エチレング
リコール濃度)に係わらず、精留手段4の出口では略一
定のエチレングリコール濃度となる。
【0039】精留手段4を通過してエチレングリコール
濃度の低下した蒸気は、本体容器2から排水管60を通
って流出するが、一部の蒸気は、凝縮手段5(冷却ファ
ン)の送風を受けて冷却されている天板20の下面に凝
縮する。排水管60を通って流出した蒸気は、凝縮器6
1を流れる冷却水により冷却されて液化し、分離水とし
て処理される。一方、天板20の下面に凝縮した蒸気
は、凝縮が或る程度進行して液化することにより、液滴
となって自重により落下し、還流水としてステンレスウ
ール30に保持される。
【0040】ここで、天板20には内側へ突出する突起
部22が設けられていることから、天板20の下面に凝
縮した液滴の多くが突起部22を伝って滴下する。従っ
て、仮に本装置1が傾斜した所に設置されて、本体容器
2の天板20が傾斜した状態であっても、凝縮した液滴
が突起部22を伝って滴下することで、略均一にステン
レスウール30に還流する。一方、突起部22の無い平
坦な天板20が傾斜した場合では、天板20の下面に凝
縮した液滴が天板20の下面を伝って天板20の低い方
へ流れながら滴下する。即ち、ステンレスウール30に
対して均一に滴下されない。
【0041】その結果、突起部22の無い平坦な天板2
0では、ステンレスウール30に付着した液滴の濃度分
布を一定に保つことができずに分離水の水質が低下する
のに対して、本装置1では、ステンレスウール30に付
着した液滴の濃度分布を常に一定に保つことができるた
め、図5に示すように、突起部22が無い場合と比較し
て、分離水の水質を悪化させることなく、常に安定して
得ることができる。
【0042】なお、本実施例では、天板20に窪み21
を形成することで突起部22を設けたが、図6に示すよ
うに、天板20と別体で形成された突起部材23を天板
20の下面に接合しても良い。また、本実施例では、同
心円上に突起部22を設けたが、天板20の下面上に複
数の突起部22が点在するように設けても良い。
【0043】(第2実施例)図7は第2実施例に係わる
本装置1の全体模式図である。本実施例では、第1実施
例で説明した構成に対して、さらに精留手段4の下側に
メッシュ状(網目状)の飛沫遮断部材9を設けている。
この飛沫遮断部材9は、所定の厚みを有して立体的なメ
ッシュ構造を成す。
【0044】本実施例によれば、冷却水が加熱手段3に
より加熱されて沸騰する際に飛び散る飛沫を飛沫遮断部
材9で遮断することができる。即ち、沸騰により飛び散
る飛沫が直接ステンレスウール30に付着するのを防止
することができる。一方、加熱手段3により加熱されて
気化した蒸気は、飛沫遮断部材9がメッシュ構造である
ことから、そのまま飛沫遮断部材9を通過して精留手段
4へ達することができる。
【0045】これにより、ステンレスウール30に滴下
する還流水の水成分濃度を常に高く保つことが可能とな
ることから、精留手段4の水質浄化性能の悪化を防止で
き、その結果、分離水の水質(排水基準を満足する)を
安定させることができる。また、飛沫遮断部材9がメッ
シュ構造であることから、精留効果を得ることができる
ため、分離水の水質を向上させることも可能となる。な
お、本実施例の場合、メッシュ構造を細かくした方がよ
り確実に飛沫を遮断できるとともに、精留効果も大きく
なると言える。
【0046】飛沫遮断部材9としては、上記のメッシュ
構造以外にも、図8に示すように、多数の小孔が開けら
れたパンチングメタル90でも良い。この場合、気化し
た蒸気は、パンチングメタル90の各小孔91を通過し
て精留手段4へ達するが、沸騰による飛沫は、殆ど小孔
91を通過することができずにパンチングメタル90で
遮断される。飛沫遮断部材9は、図9に示すように、メ
ッシュや小孔等を設けることなく、平板状としても良
い。但し、気化した蒸気が通過できるように、本体容器
2の内壁面に対して外周に隙間92を形成しておく必要
がある。
【0047】また、飛沫遮断部材9を平板状とした場
合、本体容器2の内壁面との間に隙間を形成する構造で
なくても、飛沫を遮断することができ、且つ気化した蒸
気が通過できれば良い。即ち、図10に示すように、平
板状を成す飛沫遮断部材9の適宜な位置で、板厚方向に
貫通する連通孔93(形状は任意である)が形成されて
いても良い。この場合、板厚を厚くした方が飛沫を遮断
する効果が大きくなると言える。
【0048】なお、第2実施例では、第1実施例で説明
した構成(天板20に突起部22を設けた構成)に加え
て飛沫遮断部材9を設けたが、天板20に突起部22の
無い平坦な構成であっても、飛沫遮断部材9による効果
が得られることは言うまでもない。
【0049】(第3実施例)図11は第3実施例に係わ
る本装置1の全体模式図である。本実施例では、本体容
器2に設けられた流入口2aにU字形状のトラップ10
を構成する投入用配管11が接続されて、この投入用配
管11の先端に漏斗状の投入口7が設けられている。流
入口2aは、冷却水を加熱する加熱室2bと精留手段4
との間で本体容器2の側壁に開口している。
【0050】投入用配管11は、投入口7と一体に(別
体でも良い)設けられた上流側配管12、流入口2aに
接続される下流側配管13、および上流側配管12と下
流側配管13とをU字状に繋いでトラップ10を形成す
る中間配管14(本発明の中間接続部材)から成る。こ
の投入用配管11は、上下方向(天地方向)において、
投入口7が精留手段4の下端面より低く、且つ流入口2
aの下端より高い位置に開口している。つまり、図11
に示すように、精留手段4の下端面の位置をA、投入口
7の開口面の位置をB、流入口2aの下端位置をCとす
ると、下記の位置関係が成り立つように構成されてい
る。但し、A、B、Cは、それぞれ基準面(例えば、本
装置1を設置する設置面)からの高さを表す。
【数1】A>B>C
【0051】この投入用配管11を有する本装置1で
は、投入用配管11(トラップ10)に一定量の冷却水
が溜められる。つまり、投入口7から投入された冷却水
は、U字状のトラップ10を重力差により流れて、本体
容器2に開口する流入口2aから本体容器2内の加熱室
2bへ流入するが、冷却水の投入を終了しても、投入口
7より下方に位置するU字状のトラップ10には一定量
の冷却水が溜められることになる。これにより、トラッ
プ10に溜まった冷却水によって投入口7と流入口2a
との間が遮断されて、本体容器2内を気密に保つことが
できるため、第1実施例で説明した開閉弁8を廃止する
ことができる。
【0052】この結果、開閉弁8の開閉作業が不要とな
ることから作業性が向上するとともに、開閉弁8を使用
する場合には、開閉弁8の閉め忘れにより蒸気が投入口
7から噴出することもあるが、本実施例では、加熱室2
b内の冷却水が沸騰状態となって蒸気が激しく発生して
いる状態でも、投入口7から蒸気が噴出することはな
く、安全性が高いと言える。また、運転の有無に係わら
ず、何時でも冷却水の投入作業を行なうことができるた
め、開閉弁8を使用する装置と比較して使い勝手が向上
する。
【0053】さらに、トラップ10を設けることで流入
口2aから投入口7までの伝熱距離を長くできる上に、
中間配管14を熱伝導率の低い材料(例えばゴム)で設
けることにより、本体容器2から投入用配管11を通っ
て伝達される熱(運転中では加熱室2b内が150℃程
度まで上昇する)の移動を抑えることができる。これに
より、投入口7付近の温度上昇が殆どなく、冷却水の投
入を継続する様な場合に作業者が投入口7に触れても安
全である。また、投入口7付近の温度上昇が抑えられる
ことから、中間配管14より投入口7側の上流側配管1
2には、耐熱温度の低い安価な材料を使用することも可
能である。
【0054】なお、投入口7は、その開口面が精留手段
4より下方に位置することから、加熱室2bに流入した
冷却水の液面が精留手段4まで上昇することはない。つ
まり、冷却水を投入し過ぎても、冷却水が精留手段4の
下端面に達する以前に投入口7から溢れ出てしまう。こ
のため、投入された冷却水に含まれる不純物等が精留手
段4に付着して、精留手段4の分離能力が低下するよう
な事態が生じることはない。
【0055】(第4実施例)図12は第4実施例に係わ
る本装置1の全体模式図である。本実施例は、第3実施
例で説明したトラップ10を有する投入用配管11に液
面計(図示しない)を設けて、加熱室2bの液面レベル
を外部から確認できるように構成したものである。具体
的には、図12に示すように、投入用配管11の下流側
配管13と本体容器2内の加熱室2bとを連通する連通
管15を設けるとともに、上流側配管12を透明な材料
(例えば樹脂)で構成している。但し、連通管15は、
熱伝導を少なくするために、できるだけ小径として、断
面積を小さくした方が良い。
【0056】下流側配管13と加熱室2bとを連通管1
5で連通することにより、トラップ10に溜まった冷却
水は、連通管15の接続位置より上方であれば、連通管
15を通じて加熱室2bの冷却水と液面レベルが同一と
なる。従って、透明な上流側配管12に目盛り等を付し
て液面計として利用し、外部から上流側配管12内の液
面レベルを確認することで加熱室2bの液面レベルを判
定することができる。
【0057】〔変形例〕第3実施例および第4実施例に
おいて、投入用配管11は、図13に示すように、1本
の連続したパイプにより構成することもできる。ここ
で、パイプ材料としてなるべく熱伝導性が低い材料を使
い、パイプ肉厚を薄くして長さを長くすれば、投入口7
の温度が下がり安全性が高まる。即ち、投入用配管11
は、必ずしも中間配管14を使用する必要はない。な
お、この場合、第4実施例においては、投入用配管11
のパイプ材料として耐熱温度の低い樹脂を使用すること
ができないため、図14に示すように、投入用配管11
の管壁に透明な覗き窓11aを形成することで液面計と
して利用することができる。
【0058】投入用配管11に設けたトラップ10は、
U字状に限定する必要はなく、例えば図15(a)、
(b)、(c)に示すような形状でも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本装置の全体模式図である。
【図2】天板の平面図である。
【図3】精留手段の作用を説明する模式図である。
【図4】精留手段での水分蒸発量を示すグラフである。
【図5】天板に突起部がある場合と無い場合とで分離水
の水質を比較したグラフである。
【図6】突起部の変形例を示す天板の断面図である。
【図7】第2実施例に係わる本装置の全体模式図であ
る。
【図8】飛沫遮断部材の平面図である(変形例)。
【図9】飛沫遮断部材の平面図である(変形例)。
【図10】飛沫遮断部材の平面図である(変形例)。
【図11】第3実施例に係わる本装置の全体模式図であ
る。
【図12】第4実施例に係わる本装置の全体模式図であ
る。
【図13】トラップを形成する投入用配管の変形例を示
す断面図である。
【図14】液面計を示す投入用配管の側面図である。
【図15】(a)、(b)、(c)はトラップ形状の変
形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 本装置(有機物・水系混合溶液の濃縮分離装置) 2 本体容器 2a 流入口 3 加熱手段 4 精留手段 5 凝縮手段 7 投入口 9 飛沫遮断部材 10 トラップ 11 投入用配管 14 中間配管(中間接続部材) 15 連通管 20 天板 21 窪み 22 突起部(凝縮液滴下手段) 23 突起部材 90 パンチングメタル(飛沫遮断部材) 93 連通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 手島 利治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 榊原 孝典 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 光原 好人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−246101(JP,A) 特開 昭63−93301(JP,A) 特公 昭35−6532(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 3/32,3/16

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機物と水とから成る混合溶液を加熱する
    加熱手段と、 この加熱手段により加熱されて気化した蒸気が凝縮と再
    蒸発とを繰り返すことで、蒸気の水成分濃度を高める精
    留手段と、 この精留手段で精留された蒸気の一部を天板の下面に凝
    縮させる凝縮手段と、 前記天板の下面に凝縮した液滴を前記精留手段に対して
    略均一に滴下させる凝縮液滴下手段とを備え、 前記凝縮液滴下手段は、前記天板の下面に突出して設け
    られた突起部である ことを特徴とする有機物・水系混合
    溶液の濃縮分離装置。
  2. 【請求項2】 請求項1 に記載した有機物・水系混合溶液
    の濃縮分離装置において、 前記突起部は、前記天板に窪みを形成して設けられてい
    ることを特徴とする有機物・水系混合溶液の濃縮分離装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1 に記載した有機物・水系混合溶液
    の濃縮分離装置において、 前記突起部は、前記天板と別体の突起部材を前記天板の
    下面に取り付けて設けられていることを特徴とする有機
    物・水系混合溶液の濃縮分離装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載した有機物・水系混合溶液
    の濃縮分離装置において、 前記 加熱手段の上方に設けられて、前記加熱手段での加
    熱によって沸騰した混合溶液の飛沫を略遮断する飛沫遮
    断部材を有することを特徴とする有機物・水系混合溶液
    の濃縮分離装置。
  5. 【請求項5】 請求項4 に記載した有機物・水系混合溶液
    の濃縮分離装置において、 前記飛沫遮断部材は、網目状に設けられていることを特
    徴とする有機物・水系混合溶液の濃縮分離装置。
  6. 【請求項6】 請求項4 に記載した有機物・水系混合溶液
    の濃縮分離装置において、 前記飛沫遮断部材は、多数の小孔が開けられたパンチン
    グメタルであることを特徴とする有機物・水系混合溶液
    の濃縮分離装置。
  7. 【請求項7】 請求項4 に記載した有機物・水系混合溶液
    の濃縮分離装置において、 前記飛沫遮断部材は、平板状に設けられて、装置内壁面
    に対して外周に隙間が形成されていることを特徴とする
    有機物・水系混合溶液の濃縮分離装置。
  8. 【請求項8】 請求項4 に記載した有機物・水系混合溶液
    の濃縮分離装置において、 前記飛沫遮断部材は、平板状に設けられて、前記加熱手
    段側と前記精留手段側とを連通する連通孔が形成されて
    いることを特徴とする有機物・水系混合溶液の濃縮分離
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8 に記載した何れかの有機物・
    水系混合溶液の濃縮分離装置において、 前記精留手段より下方の側壁に混合溶液を流入する流入
    口が設けられた本体容器と、 一端に混合溶液を投入する投入口が設けられて、他端が
    前記流入口と接続され、前記投入口と前記流入口との間
    に一定量の混合溶液を溜めることのできるトラップが設
    けられた投入用配管とを備えたことを特徴とする有機物
    ・水系混合溶液の濃縮分離装置。
  10. 【請求項10】 請求項9 に記載した有機物・水系混合溶
    液の濃縮分離装置において、 前記投入口は、上下方向で前記精留手段の下端より低
    く、且つ前記流入口の下端より高い位置に開口面を有す
    ることを特徴とする有機物・水系混合溶液の濃縮分離装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項9または10 に記載した有機物・
    水系混合溶液の濃縮分離装置において、 前記流入口より下方位置で前記投入用配管と前記本体容
    器とを連通する連通管が設けられて、 前記投入用配管には、前記連通管を通じて変位する混合
    溶液の液面を外部から確認できる液面計が設けられてい
    ることを特徴とする有機物・水系混合溶液の濃縮分離装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項9〜11 に記載した何れかの有機
    物・水系混合溶液の濃縮分離装置において、 前記投入用配管は、前記投入口と前記流入口との間に、
    熱伝導率の低い材料から成る中間接続部材が介在されて
    いることを特徴とする有機物・水系混合溶液の濃縮分離
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項12 に記載した有機物・水系混合
    溶液の濃縮分離装置において、 前記投入用配管は、前記中間接続部材より前記投入口側
    を前記液面計として透明な部材で構成していることを特
    徴とする有機物・水系混合溶液の濃縮分離装置。
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