JP3139785B2 - センサ信号処理回路の自己診断方法 - Google Patents

センサ信号処理回路の自己診断方法

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JP3139785B2 JP03243449A JP24344991A JP3139785B2 JP 3139785 B2 JP3139785 B2 JP 3139785B2 JP 03243449 A JP03243449 A JP 03243449A JP 24344991 A JP24344991 A JP 24344991A JP 3139785 B2 JP3139785 B2 JP 3139785B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセンサ信号処理回路の自
己診断方法に関し、特にエアバッグ制御装置に用いられ
る加速度センサ信号処理回路の自己診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図2はこの種の加速度センサ信号処理回
路の自己診断を行う装置の全体構成を示すもので、1は
加速度センサであって、検出された加速度に応じてブリ
ッジを形成する抵抗(例えばピエゾ素子からなる)R1
1 乃至R14 の抵抗値が変化するよう構成され、加減速
度に対応した出力電圧が差動増幅部2に供給される。次
いで該差動増幅部2からの出力信号はバンドパスフィル
タ部3に入力され、該バンドパスフィルタ部3において
該差動増幅部2からの出力信号のうち、直流成分を含む
所定周波数以下の低周波成分(加減速度が生じていない
ときに加速度センサ1および差動増幅部2から出力され
る直流成分あるいは電源変動などににもとづくゆるやか
な変動成分など)および所定周波数以上の高周波成分
(高周波ノイズ成分)がカットされ、このようにして所
定周波数帯域内の出力信号成分のみが該加速度センサ信
号処理回路6の出力電圧VOUT として出力され、該出力
電圧V OUT がA/D変換器4によりA/D変換され、該
A/D変換器4の出力が所謂G入力として衝突判定用の
CPU5に入力される。このようにして車両の衝突時に
該車両の減速度が所定値以上になると、そのときの該G
入力によって該CPU5が該車両の衝突を判定しエアバ
ッグを作動させるようにされている。
【0003】そして従来より、例えばイグニションスイ
ッチオン時毎に、該加速度センサ信号処理回路の出力チ
ェック(該センサが正常に動作しうるか否かのチェッ
ク)が行われている。すなわち、例えば上記したように
イグニションスイッチオン時毎に、該CPU5より該信
号処理回路6側に図3(A) に示されるようなチェック信
号が出力され、これによりトランジスタQが一瞬オンと
なり(なおR2 乃至R4は抵抗である)、これにより該
ブリッジを形成している加速度センサ1のバランスがく
ずれて該加速度センサ1から該図3(B) に示されるよう
な波形のセンサ出力VOUT が生ずる。なお通常は、該セ
ンサ1に対して加減速度が加わっていない定常状態にお
いて、上記センサ出力VOUT が0V でない(例えば 0.5
V程度となる)ようにされており(そのために通常該フ
ィルタ部3の出力側にオフセット加算部が接続されてい
る)、これにより該信号処理回路6の出力側が断線した
状態と、該センサに加減速度が加わっていない定常状態
とを区別しうるようにされている。このようにして該チ
ェック信号出力時には、常時例えば 0.5Vとされている
該センサ出力電圧VOUT が例えば上記図3(B) に示され
るように、一時的に変動することになる。
【0004】そして従来はこのようにしてチェック信号
出力時(図3の (2)の(A) 参照)に変動したセンサ出力
電圧VOUT を、該図3の (2)の(B) に示されるように1
個所すなわち、時点t0 におけるA点の値だけを該CP
U5においてモニタすることによって、該CPU5にお
いて、該センサ信号処理回路6の感度が正常か否かの判
定を行っていた。
【0005】すなわち該A点におけるセンサ出力値が所
定値より小さければ(すなわち感度が小さすぎれば)、
車の衝突時にエアバッグが作動しないことになり、一方
所定値より大きければ(すなわち感度が大きすぎれ
ば)、不必要時にエアバッグが作動してしまうことにな
るため、該A点におけるセンサ出力値は所定の範囲内に
なければならず、このように該A点におけるセンサ出力
値が所定の範囲内にあるか否かのチェックを行うことに
よって、該センサ1を含む該センサ信号処理回路6の感
度が正常であるか否かの判定がなされていた。
【0006】しかしながら、かかる従来技術において
は、上述したように単にセンサ出力V OUT の感度チェッ
クしかなされていなかったため、例えば該フィルタ部3
に設けられている直流成分カット用のコンデンサが劣化
(例えばリーク故障)したことなどによる該フィルタ部
3の異常によって、上記加速度センサ1および差動増幅
部2から出力される直流成分や上記電源電圧変動成分な
どがカットされることなく、該センサ出力VOUT に重畳
されたような場合(すなわち該VOUT から除去されるべ
き上述したような誤差成分が、該フィルタ部3の異常に
よって該衝突判定信号に重畳されて誤判定の原因となる
ような場合)にも、かかる異常を正確にチェックするこ
とができず、そのために該衝突判定に誤判定を生ずるお
それがあるという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる課題を
解決するためになされたもので、上記センサ出力チェッ
ク時に、上記出力処理用のフィルタ部の異常(特に該フ
ィルタ部に用いられる該直流成分カット用のコンデンサ
の劣化によるフィルタ機能の低下など)の有無をも検知
し、これにより該センサ出力に上述したような誤判定の
原因となる誤差成分が重畳されていないかどうかをもチ
ェックできるようにしたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明によれば、定電圧源に接続されたブリッジ回路
によるセンサ部と、該センサ部の出力側に差動増幅器を
介して接続され所定の周波数帯域内の信号のみを出力さ
せるフィルタ部と、前記ブリッジ回路の抵抗値を変更す
ることができるスイッチング回路とを備えたセンサ信号
処理回路を自己診断するにあたり、前記スイッチング回
路を駆動して得た前記処理回路の出力値を2つの異なる
時点でモニタし、該各時点でモニタされた該出力値の差
が所定の範囲内にあるか否かの検知を行うことを特徴と
する、センサ信号処理回路の自己診断方法が提供され
る。
【0009】
【作用】上記構成によれば、該各時点でモニタされた該
出力値の差の値により、該センサ出力VOUT の傾斜(す
なわち該フィルタ回路の時定数)が正常であるか否かを
検出することができ、このように該フィルタ回路の特性
(時定数)を検出することにより、該フィルタ回路の機
能が低下していないか否かを検知して上記衝突判定信号
に上記誤差成分(上述したような直流成分、電源変動成
分、高周波ノイズなど)が重畳されるのを防止し、誤判
定の原因を除去することができる。
【0010】
【実施例】図1は本発明方法の1実施例としての動作手
順をフローチャートで示すもので、例えばイグニション
スイッチ・オン時毎にステップ1でスタートし、ステッ
プ2で該CPU5より図3の (1)の(A) に示されるよう
なチェック信号を出力してトランジスタQを一瞬オンと
し、該ブリッジブを形成するセンサ1のバランスをくず
して図3の (1)の(B) に示されるようなセンサ出力V
OUT を出力させる。次いでステップ3で、時点t0 にお
ける該センサ出力(すなわちA点における該センサ出
力)VOUT の値(すなわち該CPUへのG入力)をモニ
タする。次いでステップ4で時間tだけ待機した後、ス
テップ5で時点t1 における該センサ出力(すなわち図
3の (1)の(B) に示されるように、B点における該セン
サ出力)V OUT の値(すなわち該CPUへのG入力)を
モニタする。
【0011】そしてステップ6で該ステップ3でモニタ
された該A点のG入力にもとづいて該センサ出力VOUT
の感度を判定する。すなわち上述したように、該A点に
おけるG入力が所定の範囲内にあるか否かをチェック
し、イエス(すなわち所定範囲内にある)の場合には直
ちにステップ8に進み、ノウであればステップ7で感度
不良フラグをオンとしてからステップ8に進む。
【0012】次いでステップ8では、該ステップ3でモ
ニタされた該A点のG入力と、該ステップ5でモニタさ
れた該B点のG入力とにもとづいて、その差、すなわち
A−B=ΔV(図3の (1)の(B) 参照)の値が所定の範
囲内にあるか否かをチェックする。そしてイエス(すな
わち所定範囲内にある)の場合には、該時点でのセンサ
出力のチェックは終了するが、ノウであることが検出さ
れた場合には、ステップ9でフィルタ不良(すなわち上
記コンデンサの劣化等による)フラグをオンとして、該
フィルタ回路3が正常でないことを検知する。すなわち
上記ΔVの値を検知することによって、チェック信号出
力時のセンサ出力VOUT (図3の (1)の(B) に示され
る)の傾斜をモニタすることができ、該傾斜は該フィル
タ回路3の時定数により決まるため、結局上記A点とB
点の電位差ΔVの値によって、該センサ出力VOUT の傾
斜(すなわち該フィルタ回路の時定数)が正常であるか
否かを判定し、これにより該フィルタ回路3の機能が低
下していないかどうかを検知することができる。
【0013】そして該ステップ8で検知された該ΔVの
値が所定範囲内にない場合は、該フィルタ回路3から出
力される該センサ出力VOUT の信号成分が適当な周波数
帯域から外れている(換言すれば、該フィルタ回路でカ
ットされるべき直流成分や電源電圧変動分などの低周波
成分、あるいは高周波ノイズ成分などの誤判定の原因と
なる成分が該センサ出力VOUT に含まれている)ことに
なるので、このような場合には上述したようにステップ
9でフィルタ不良フラグをオンとして、該フィルタ回路
3の異常を確実に検知するようにしたものである。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、センサ出力のチェック
時に該センサ出力の感度だけでなく、該センサ出力処理
用のフィルタ回路の時定数が正常であるか否かをもチェ
ックすることによって、該センサ出力VOUT が所定の周
波数帯域の信号成分のみを出力しているかどうかをチェ
ックすることができ、該フィルタ回路の機能低下(コン
デンサの劣化などによる)により誤判定の原因となる誤
差信号成分が、該センサ出力に含まれていないかどうか
を確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の1実施例としての動作手順をフロ
ーチャートで示す図である。
【図2】本発明方法により加速度センサの出力チェック
を行う装置の全体構成を例示する図である。
【図3】本発明方法による場合と従来技術による場合と
のセンサの出力チェック方法の差異を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1…加速度センサ 2…差動増幅部 3…バンドパスフィルタ部(フィルタ回路) 4…A/D変換器 5…CPU 6…加速度センサ信号処理回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 15/08 - 15/12 G01P 21/00 G01R 31/00 - 31/36

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定電圧源に接続されたブリッジ回路によ
    センサ部と、該センサ部の出力側に差動増幅器を介し
    接続され所定の周波数帯域内の信号のみを出力させる
    フィルタ部と、前記ブリッジ回路の抵抗値を変更するこ
    とができるスイッチング回路とを備えたセンサ信号処理
    回路を自己診断するにあたり、前記スイッチング回路を
    駆動して得た前記処理回路の出力値を2つの異なる時点
    モニタし、該各時点でモニタされた該出力値の差が所
    定の範囲内にあるか否かの検知を行うことを特徴とす
    る、センサ信号処理回路の自己診断方法。
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