JP3139131B2 - 固体レーザ装置 - Google Patents
固体レーザ装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スラブ状のレーザ媒
質を有する固体レーザ装置、より詳しくは、それぞれ外
部から励起光の照射を受けかつレーザ光を全反射する1
対の光励起面と、熱絶縁される1対の側面と、レーザ光
が出入りする1対の斜端面とを持つスラブ状体に形成さ
れたレーザ媒質と、該レーザ媒質の前記1対の光励起面
の両側に配され、レーザ媒質の長手方向にかつ光励起面
と平行に走る1対の直管状の励起光源と、該直管状励起
光源の光をレーザ媒質の光励起面へ向けて反射する反射
面を有するトンネル状の集光鏡とを備えてなる固体レー
ザ装置に関し、特に高品質のレーザ光、すなわち射出ビ
ームの断面が方形でかつビームの広がり角が小さいレー
ザ光を高効率で発生させることのできる固体レーザ装置
の構成に関する。
質を有する固体レーザ装置、より詳しくは、それぞれ外
部から励起光の照射を受けかつレーザ光を全反射する1
対の光励起面と、熱絶縁される1対の側面と、レーザ光
が出入りする1対の斜端面とを持つスラブ状体に形成さ
れたレーザ媒質と、該レーザ媒質の前記1対の光励起面
の両側に配され、レーザ媒質の長手方向にかつ光励起面
と平行に走る1対の直管状の励起光源と、該直管状励起
光源の光をレーザ媒質の光励起面へ向けて反射する反射
面を有するトンネル状の集光鏡とを備えてなる固体レー
ザ装置に関し、特に高品質のレーザ光、すなわち射出ビ
ームの断面が方形でかつビームの広がり角が小さいレー
ザ光を高効率で発生させることのできる固体レーザ装置
の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】熱加工などに用いられるレーザ光には、
高出力でかつ、ビームの広がり角が小さく小径のスポッ
トが得られやすい高品質のビームであることが求められ
る。しかし、固体をレーザ媒質とする固体レーザでは、
上記2つの特性は相反するものである。なぜならば、レ
ーザ媒質を照射した励起光のうち、大部分はレーザ媒質
に吸収されて熱となり、レーザ媒質内に温度分布, 従っ
て熱応力分布を生じさせる結果、屈折率分布を生じてし
まうからである。これがいわゆる熱レンズ効果といわれ
るもので、高出力を得るために励起光を強めると熱レン
ズ効果が大きくなり、ビームの品質が悪くなる。
高出力でかつ、ビームの広がり角が小さく小径のスポッ
トが得られやすい高品質のビームであることが求められ
る。しかし、固体をレーザ媒質とする固体レーザでは、
上記2つの特性は相反するものである。なぜならば、レ
ーザ媒質を照射した励起光のうち、大部分はレーザ媒質
に吸収されて熱となり、レーザ媒質内に温度分布, 従っ
て熱応力分布を生じさせる結果、屈折率分布を生じてし
まうからである。これがいわゆる熱レンズ効果といわれ
るもので、高出力を得るために励起光を強めると熱レン
ズ効果が大きくなり、ビームの品質が悪くなる。
【0003】図5に、固体レーザ媒質として、形状がロ
ッド型, スラブ型それぞれのレーザ媒質中の温度分布と
光路とを示す。熱レンズ効果により、ロッド型 (同図
(a))ではビームが平行に射出されず、光路が収束するの
に対し、ビームが対向2平面の間で全反射されながらジ
グザグに進行するスラブ型 (同図(b))では、媒質内に温
度分布に基づく屈折率分布があっても、全反射する方向
の屈折率が平均化され、射出されたレーザ光の光路が平
行となり、より高品質のビームを得ることができる。
ッド型, スラブ型それぞれのレーザ媒質中の温度分布と
光路とを示す。熱レンズ効果により、ロッド型 (同図
(a))ではビームが平行に射出されず、光路が収束するの
に対し、ビームが対向2平面の間で全反射されながらジ
グザグに進行するスラブ型 (同図(b))では、媒質内に温
度分布に基づく屈折率分布があっても、全反射する方向
の屈折率が平均化され、射出されたレーザ光の光路が平
行となり、より高品質のビームを得ることができる。
【0004】かかるスラブ型固体レーザ媒質を用いた密
閉型固体レーザ装置例の断面図を図6および図7に示
す。ここで、図6は装置の平面断面図、図7は正面断面
図である。スラブ状に形成されたレーザ媒質1は、励起
光の照射を受けかつレーザ光を全反射する1対の光励起
面1a, 1aと、熱絶縁物11 (図7) により熱絶縁さ
れる1対の側面1b, 1bと、レーザ光が出入りする1
対の斜端面1c, 1c (図6とを備え、長手方向両端部
が密閉容器7内に固定された保持具9により支持され
る。密閉容器7内にはレーザ媒質1を冷却するための流
路3 (図6、図7)が形成れ、レーザ媒質1はこの流路
中に支持される。流路3を挟んでトンネル状の集光鏡5
(図7) がレーザ媒質1の両側に対称に配され、また、
直管状の励起光源2が、レーザ媒質1の光励起面1aの
幅を2等分する,該光励起面に垂直な平面内に配されて
いる。また、励起光源2とレーザ媒質1との間には、レ
ーザ媒質1に有害な紫外線を遮断するフィルタガラス4
が挿入されている。直管状励起光源2への給電は、集光
鏡5が固定される固定部材6に挿入された電極端子8を
介して行われる。
閉型固体レーザ装置例の断面図を図6および図7に示
す。ここで、図6は装置の平面断面図、図7は正面断面
図である。スラブ状に形成されたレーザ媒質1は、励起
光の照射を受けかつレーザ光を全反射する1対の光励起
面1a, 1aと、熱絶縁物11 (図7) により熱絶縁さ
れる1対の側面1b, 1bと、レーザ光が出入りする1
対の斜端面1c, 1c (図6とを備え、長手方向両端部
が密閉容器7内に固定された保持具9により支持され
る。密閉容器7内にはレーザ媒質1を冷却するための流
路3 (図6、図7)が形成れ、レーザ媒質1はこの流路
中に支持される。流路3を挟んでトンネル状の集光鏡5
(図7) がレーザ媒質1の両側に対称に配され、また、
直管状の励起光源2が、レーザ媒質1の光励起面1aの
幅を2等分する,該光励起面に垂直な平面内に配されて
いる。また、励起光源2とレーザ媒質1との間には、レ
ーザ媒質1に有害な紫外線を遮断するフィルタガラス4
が挿入されている。直管状励起光源2への給電は、集光
鏡5が固定される固定部材6に挿入された電極端子8を
介して行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、直管状励起
光源の光をレーザ媒質の光励起面へ向けて反射するトン
ネル状集光鏡の反射面は、従来、その横断面形状を、以
下に述べるような2重楕円形状としていた。すなわち、
図8に示すように、合同な2つの楕円形を一方の焦点6
aを一致させて重ね、2個の長軸をこの焦点まわりに開
いて得られる最内側形状の該焦点近傍の形状とし、かつ
励起効率を高めるために他方の2個の焦点6b, 6bを
レーザ媒質1内に位置させるようにしていた。反射面を
このように形成した場合、レーザ媒質1内に入った励起
光の光量分布すなわち励起分布は、レーザ媒質1が冷却
水中にあり、冷却水の屈折率が1.33, レーザ媒質の材質
をYAGとしたときのレーザ媒質の屈折率が1.82である
ことから、集光焦点は、図の6b, 6bの位置であるレ
ーザ媒質1の厚みの中心よりやや後方へ移動して同図
(b) のようになり、レーザ媒質1内の温度分布は、反射
面を1個の楕円面で形成する場合と比べるとかなり改善
されるものの、十分高品質のビームとするには不十分で
あった。
光源の光をレーザ媒質の光励起面へ向けて反射するトン
ネル状集光鏡の反射面は、従来、その横断面形状を、以
下に述べるような2重楕円形状としていた。すなわち、
図8に示すように、合同な2つの楕円形を一方の焦点6
aを一致させて重ね、2個の長軸をこの焦点まわりに開
いて得られる最内側形状の該焦点近傍の形状とし、かつ
励起効率を高めるために他方の2個の焦点6b, 6bを
レーザ媒質1内に位置させるようにしていた。反射面を
このように形成した場合、レーザ媒質1内に入った励起
光の光量分布すなわち励起分布は、レーザ媒質1が冷却
水中にあり、冷却水の屈折率が1.33, レーザ媒質の材質
をYAGとしたときのレーザ媒質の屈折率が1.82である
ことから、集光焦点は、図の6b, 6bの位置であるレ
ーザ媒質1の厚みの中心よりやや後方へ移動して同図
(b) のようになり、レーザ媒質1内の温度分布は、反射
面を1個の楕円面で形成する場合と比べるとかなり改善
されるものの、十分高品質のビームとするには不十分で
あった。
【0006】本発明の目的は、励起効率を落とすことな
くレーザ媒質内の熱分布を実用上十分に均一化すること
のできる固体レーザ装置を提供することである。
くレーザ媒質内の熱分布を実用上十分に均一化すること
のできる固体レーザ装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、本発明が対象とする,スラブ状
レーザ媒質を有する固体レーザ装置、すなわち、それぞ
れ外部から励起光の照射を受けかつレーザ光を全反射す
る1対の光励起面と、熱絶縁される1対の側面と、レー
ザ光が出入りする1対の斜端面とを持つスラブ状体に形
成されたレーザ媒質と、該レーザ媒質の前記1対の光励
起面の両側に配され、レーザ媒質の長手方向にかつ光励
起面と平行に走る1対の直管状の励起光源と、該直管状
励起光源の光をレーザ媒質の光励起面へ向けて反射する
反射面を有するトンネル状の集光鏡とを備えてなる固体
レーザ装置を、前記1対の直管状励起光源をそれぞれ、
レーザ媒質の光励起面の幅を2等分する,光励起面に垂
直な平面内に配するとともに、前記1対のトンネル状集
光鏡をそれぞれ、反射面が、2個の合同な楕円形を一方
の焦点を一致させて重ね、2個の長軸を該焦点まわりに
開いて得られる最内側形状の該焦点近傍の形状を横断面
形状として有し、かつ前記一方の焦点が一方の励起光源
近傍に位置するとともに反射面の横断面形状を構成する
2個の楕円形のそれぞれ他方の焦点が他方の励起光源近
傍以遠に位置する2重楕円集光鏡として形成した固体レ
ーザ装置とする。
に、本発明においては、本発明が対象とする,スラブ状
レーザ媒質を有する固体レーザ装置、すなわち、それぞ
れ外部から励起光の照射を受けかつレーザ光を全反射す
る1対の光励起面と、熱絶縁される1対の側面と、レー
ザ光が出入りする1対の斜端面とを持つスラブ状体に形
成されたレーザ媒質と、該レーザ媒質の前記1対の光励
起面の両側に配され、レーザ媒質の長手方向にかつ光励
起面と平行に走る1対の直管状の励起光源と、該直管状
励起光源の光をレーザ媒質の光励起面へ向けて反射する
反射面を有するトンネル状の集光鏡とを備えてなる固体
レーザ装置を、前記1対の直管状励起光源をそれぞれ、
レーザ媒質の光励起面の幅を2等分する,光励起面に垂
直な平面内に配するとともに、前記1対のトンネル状集
光鏡をそれぞれ、反射面が、2個の合同な楕円形を一方
の焦点を一致させて重ね、2個の長軸を該焦点まわりに
開いて得られる最内側形状の該焦点近傍の形状を横断面
形状として有し、かつ前記一方の焦点が一方の励起光源
近傍に位置するとともに反射面の横断面形状を構成する
2個の楕円形のそれぞれ他方の焦点が他方の励起光源近
傍以遠に位置する2重楕円集光鏡として形成した固体レ
ーザ装置とする。
【0008】ここで、直管状励起光源近傍に位置する2
重楕円集光鏡反射面の焦点を、励起光源中心からレーザ
媒質と反対の方向へずらせた位置に位置させた固体レー
ザ装置とすれば好適である。さらに、上記のように形成
される集光鏡のレーザ媒質側開放端面の内のり幅をレー
ザ媒質の光励起面の幅より広くとるようにすればさらに
好適である。
重楕円集光鏡反射面の焦点を、励起光源中心からレーザ
媒質と反対の方向へずらせた位置に位置させた固体レー
ザ装置とすれば好適である。さらに、上記のように形成
される集光鏡のレーザ媒質側開放端面の内のり幅をレー
ザ媒質の光励起面の幅より広くとるようにすればさらに
好適である。
【0009】そして、このように、集光鏡のレーザ媒質
側開放端面の内のり幅をレーザ媒質の光励起面の幅より
広くした場合、さらに、レーザ媒質の熱絶縁される1対
の側面に、レーザ媒質と同等の励起光吸収を行いかつ同
等の熱伝導率を有する物質を密着状態に添設するように
すればさらに好適である。
側開放端面の内のり幅をレーザ媒質の光励起面の幅より
広くした場合、さらに、レーザ媒質の熱絶縁される1対
の側面に、レーザ媒質と同等の励起光吸収を行いかつ同
等の熱伝導率を有する物質を密着状態に添設するように
すればさらに好適である。
【0010】
【作用】このように、集光鏡の反射面を2重楕円面とし
て形成し、その一方の焦点を一方の励起光源近傍に位置
させ、他方の焦点を他方の励起光源近傍以遠に位置させ
ることにより、該他方の焦点をレーザ媒質中に位置させ
る場合と比べ、レーザ媒質の光励起面を照射する光の幅
と光量とが増し、励起効率が向上するとともに励起分布
が緩和され、ビームの品質を向上させることができる。
て形成し、その一方の焦点を一方の励起光源近傍に位置
させ、他方の焦点を他方の励起光源近傍以遠に位置させ
ることにより、該他方の焦点をレーザ媒質中に位置させ
る場合と比べ、レーザ媒質の光励起面を照射する光の幅
と光量とが増し、励起効率が向上するとともに励起分布
が緩和され、ビームの品質を向上させることができる。
【0011】そして、2重楕円の共通な一方の焦点を一
方の直管状励起光源の中心より外方に位置させると、直
管状励起光源の直径を増すことができ、同一励起入力に
対して励起光源のプラズマ電流密度が小さくなり、これ
により、集光鏡の反射面で反射されて励起光源を横切る
励起光のプラズマによる吸収が小さくなり、より多くの
励起光がレーザ媒質の光励起面に到達する。また、励起
光源の直径が大きくなるので照射均一性が増し、励起分
布がさらに均一化される。
方の直管状励起光源の中心より外方に位置させると、直
管状励起光源の直径を増すことができ、同一励起入力に
対して励起光源のプラズマ電流密度が小さくなり、これ
により、集光鏡の反射面で反射されて励起光源を横切る
励起光のプラズマによる吸収が小さくなり、より多くの
励起光がレーザ媒質の光励起面に到達する。また、励起
光源の直径が大きくなるので照射均一性が増し、励起分
布がさらに均一化される。
【0012】また、前述のように形成される集光鏡のレ
ーザ媒質側開放端面の内のり幅をレーザ媒質の光励起面
の幅より広くとることにより、励起効率を落とすことな
くレーザ媒質の光励起面での励起光の集中が緩和され、
励起分布が改善される。また、集光鏡のレーザ媒質側開
放端面の内のり幅をレーザ媒質の光励起面の幅より広く
した場合、さらに、レーザ媒質の熱絶縁される1対の側
面に、レーザ媒質と同等の励起光吸収を行いかつ同等の
熱伝導率を有する物質を密着状態に添設し、熱絶縁はこ
の物質のさらに外側で行うようにすると、側面での温度
勾配が小さくなり、側面から逃げる熱量が減り、レーザ
媒質の幅方向の温度分布がより均一化される。
ーザ媒質側開放端面の内のり幅をレーザ媒質の光励起面
の幅より広くとることにより、励起効率を落とすことな
くレーザ媒質の光励起面での励起光の集中が緩和され、
励起分布が改善される。また、集光鏡のレーザ媒質側開
放端面の内のり幅をレーザ媒質の光励起面の幅より広く
した場合、さらに、レーザ媒質の熱絶縁される1対の側
面に、レーザ媒質と同等の励起光吸収を行いかつ同等の
熱伝導率を有する物質を密着状態に添設し、熱絶縁はこ
の物質のさらに外側で行うようにすると、側面での温度
勾配が小さくなり、側面から逃げる熱量が減り、レーザ
媒質の幅方向の温度分布がより均一化される。
【0013】
【実施例】図1に本発明の第1の実施例を示す。図は集
光鏡反射面の形状と、この反射面と,この反射面によっ
て励起光が反射される一方の励起光源およびレーザ媒質
との相対位置とを示すものである。励起光源2は、レー
ザ媒質1の幅を2等分する,光励起面1aに垂直な平面
内でレーザ媒質1の両側対称な位置に配されている。集
光鏡の反射面5aの横断面形状は、2個の合同な楕円形
を一方の焦点6aを一致させて重ね、2個の長軸をこの
焦点6aを中心として両側へ開いて得られる最内側形状
の焦点近傍形状 (実線部分) を有し、この実施例では、
この焦点6aを直管状励起光源2の中心と一致させてい
る。また、2個の楕円のそれぞれ他方の焦点6b, 6b
は、他方の励起光源近傍以遠に位置するように楕円の長
軸の長さが設定されている。集光鏡の反射面5aをこの
ように形成すると、図の左半分の反射面から右下の焦点
6Gへ向かって集光される励起光は、広い幅でレーザ媒
質1の光励起面1aを照射し、焦点6bがレーザ媒質1
内にある場合と比べ励起効率が向上し、かつ励起分布が
平坦化される。なお、図中の符号4は、レーザ媒質1に
有害な,励起光中の紫外線を遮断するフィルタガラスで
ある。
光鏡反射面の形状と、この反射面と,この反射面によっ
て励起光が反射される一方の励起光源およびレーザ媒質
との相対位置とを示すものである。励起光源2は、レー
ザ媒質1の幅を2等分する,光励起面1aに垂直な平面
内でレーザ媒質1の両側対称な位置に配されている。集
光鏡の反射面5aの横断面形状は、2個の合同な楕円形
を一方の焦点6aを一致させて重ね、2個の長軸をこの
焦点6aを中心として両側へ開いて得られる最内側形状
の焦点近傍形状 (実線部分) を有し、この実施例では、
この焦点6aを直管状励起光源2の中心と一致させてい
る。また、2個の楕円のそれぞれ他方の焦点6b, 6b
は、他方の励起光源近傍以遠に位置するように楕円の長
軸の長さが設定されている。集光鏡の反射面5aをこの
ように形成すると、図の左半分の反射面から右下の焦点
6Gへ向かって集光される励起光は、広い幅でレーザ媒
質1の光励起面1aを照射し、焦点6bがレーザ媒質1
内にある場合と比べ励起効率が向上し、かつ励起分布が
平坦化される。なお、図中の符号4は、レーザ媒質1に
有害な,励起光中の紫外線を遮断するフィルタガラスで
ある。
【0014】図2に本発明の第2の実施例を示す。この
実施例では、楕円形の一方の焦点6aを直管状励起光源
2の中心より外方に位置させ、これにより、励起光源と
して大直径のものの使用を可能にしている。励起入力を
同一とすれば、励起光源の管内プラズマ中の電流密度は
第1の実施例 (図1) の場合よりも小さくなり、集光鏡
の反射面5aで反射されて再び励起光源内を通過する励
起光のプラズマによる吸収のされ方が小さくなり、より
多くの励起光が光励起面1aを照射し、励起効率が向上
する。また、励起光源2の直径が大きくなるので照射均
一性が増し、励起分布がさらに均一化される。
実施例では、楕円形の一方の焦点6aを直管状励起光源
2の中心より外方に位置させ、これにより、励起光源と
して大直径のものの使用を可能にしている。励起入力を
同一とすれば、励起光源の管内プラズマ中の電流密度は
第1の実施例 (図1) の場合よりも小さくなり、集光鏡
の反射面5aで反射されて再び励起光源内を通過する励
起光のプラズマによる吸収のされ方が小さくなり、より
多くの励起光が光励起面1aを照射し、励起効率が向上
する。また、励起光源2の直径が大きくなるので照射均
一性が増し、励起分布がさらに均一化される。
【0015】図3に本発明の第3の実施例を示す。この
実施例は、2重楕円集光鏡として形成された集光鏡のレ
ーザ媒質1側開放端面の内のり幅を、レーザ媒質1の光
励起面1aの幅より広くとり、励起分布の平坦部の幅を
広げるようにしている。図4に本発明の第4の実施例を
示す。この実施例では、集光鏡5のレーザ媒質1側の開
放端面の内のり幅をレーザ媒質1の光励起面1aの幅よ
り広くとるとともに、熱絶縁されるレーザ媒質1の側面
1b, 1bに、レーザ媒質1と同等の励起光吸収を行
い、かつ同等の熱伝導率を有する, 例えば結晶性セラミ
ックスからなる吸収材を密着状態に添設し、熱絶縁はさ
らに外側に熱絶縁材11を添設することにより行うよう
にしている。このようにすることにより、吸収材13も
励起光を吸収して温度が上昇し、側面1b, 1bから逃
げる熱が少なくなり、かつ吸収材13の熱伝導率がレー
ザ媒質1と同等であることから、レーザ媒質1内の幅方
向温度分布が平坦化される。
実施例は、2重楕円集光鏡として形成された集光鏡のレ
ーザ媒質1側開放端面の内のり幅を、レーザ媒質1の光
励起面1aの幅より広くとり、励起分布の平坦部の幅を
広げるようにしている。図4に本発明の第4の実施例を
示す。この実施例では、集光鏡5のレーザ媒質1側の開
放端面の内のり幅をレーザ媒質1の光励起面1aの幅よ
り広くとるとともに、熱絶縁されるレーザ媒質1の側面
1b, 1bに、レーザ媒質1と同等の励起光吸収を行
い、かつ同等の熱伝導率を有する, 例えば結晶性セラミ
ックスからなる吸収材を密着状態に添設し、熱絶縁はさ
らに外側に熱絶縁材11を添設することにより行うよう
にしている。このようにすることにより、吸収材13も
励起光を吸収して温度が上昇し、側面1b, 1bから逃
げる熱が少なくなり、かつ吸収材13の熱伝導率がレー
ザ媒質1と同等であることから、レーザ媒質1内の幅方
向温度分布が平坦化される。
【0016】なお、本発明においては、集光鏡の反射面
を2個の楕円面を用いて構成するものとしたが、楕円面
の代わりに例えば抛物面等、別の曲面であっても、集光
焦点がレーザ媒質背面側の励起光源近傍以遠に位置する
曲面であれば、このような曲面による反射面を持つ集光
鏡を用いた固体レーザ装置も、本発明の適用範囲内の装
置とすることができることは明らかである。
を2個の楕円面を用いて構成するものとしたが、楕円面
の代わりに例えば抛物面等、別の曲面であっても、集光
焦点がレーザ媒質背面側の励起光源近傍以遠に位置する
曲面であれば、このような曲面による反射面を持つ集光
鏡を用いた固体レーザ装置も、本発明の適用範囲内の装
置とすることができることは明らかである。
【0017】
【発明の効果】本発明においては、固体レーザ装置を上
述のように構成したので、以下に記載する効果が得られ
る。請求項1の装置では、集光焦点をレーザ媒質内に位
置させるものと比べ、レーザ媒質の光励起面を照射する
光の幅と光量とが増し、励起効率が向上するとともに励
起分布が平坦化され、レーザ媒質の幅方向にも、また光
励起面間方向にもビーム品質のよいレーザ光を得ること
ができる。
述のように構成したので、以下に記載する効果が得られ
る。請求項1の装置では、集光焦点をレーザ媒質内に位
置させるものと比べ、レーザ媒質の光励起面を照射する
光の幅と光量とが増し、励起効率が向上するとともに励
起分布が平坦化され、レーザ媒質の幅方向にも、また光
励起面間方向にもビーム品質のよいレーザ光を得ること
ができる。
【0018】請求項2の装置では、直管状励起光源の直
径を増すことができ、同一励起入力では光源のプラズマ
密度が低くなり、光源を通過する励起光のプラズマによ
る吸収が小さくなり、より多くの励起光がレーザ媒質の
光励起面に到達し、励起効率が向上するとともに光源の
大直径化により光励起面の照射均一性が増し、ビームの
品質がさらに向上する。
径を増すことができ、同一励起入力では光源のプラズマ
密度が低くなり、光源を通過する励起光のプラズマによ
る吸収が小さくなり、より多くの励起光がレーザ媒質の
光励起面に到達し、励起効率が向上するとともに光源の
大直径化により光励起面の照射均一性が増し、ビームの
品質がさらに向上する。
【0019】請求項3の装置では、励起効率を落とすこ
となくレーザ媒質の光励起面での励起光の集中が緩和さ
れ、励起分布が改善される。請求項4の装置では、レー
ザ媒質側面での温度勾配が、側面を直接熱絶縁する場合
と比べてさらに小さくなり、レーザ媒質の幅方向の温度
分布がより均一化され、より高品質のビームを得ること
ができる。
となくレーザ媒質の光励起面での励起光の集中が緩和さ
れ、励起分布が改善される。請求項4の装置では、レー
ザ媒質側面での温度勾配が、側面を直接熱絶縁する場合
と比べてさらに小さくなり、レーザ媒質の幅方向の温度
分布がより均一化され、より高品質のビームを得ること
ができる。
【図1】本発明における集光鏡反射面の形成方法と、反
射面と励起光源との相対位置の第1の実施例とを示す説
明図
射面と励起光源との相対位置の第1の実施例とを示す説
明図
【図2】本発明による集光鏡反射面と励起光源との相対
位置の第2の実施例を示す説明図
位置の第2の実施例を示す説明図
【図3】本発明による集光鏡のレーザ媒質開放端面の内
のり幅をレーザ媒質の幅より広げたときのレーザ媒質内
幅方向の励起分布を示す図であって、同図(a) は集光鏡
のレーザ媒質側開放端面の内のり幅とレーザ媒質の幅と
の違いを示す説明図、同図(b) はレーザ媒質内幅方向の
励起分布を示す線図
のり幅をレーザ媒質の幅より広げたときのレーザ媒質内
幅方向の励起分布を示す図であって、同図(a) は集光鏡
のレーザ媒質側開放端面の内のり幅とレーザ媒質の幅と
の違いを示す説明図、同図(b) はレーザ媒質内幅方向の
励起分布を示す線図
【図4】図3に示したレーザ媒質の側面にレーザ媒質と
同等の励起光吸収と同等の熱伝導とを行う物質を添設し
たときのレーザ媒質まわりの断面形状を示す説明図
同等の励起光吸収と同等の熱伝導とを行う物質を添設し
たときのレーザ媒質まわりの断面形状を示す説明図
【図5】固体レーザ媒質として断面円形のロッド型を用
いる場合と、対向2面をレーザ光の全反射面とする,断
面方形のスラブ型を用いる場合との,入射ビーム, 射出
ビームの光路変化の違いを示す図であって、同図(a) は
断面円形のロッド型における光路変化の様子を示す図、
同図(b) はロッド型レーザ媒質内温度分布を示す図、同
図(c) は断面方形のスラブ型における光路を示す図、同
図(d)はスラブ型レーザ媒質内温度分布を示す図
いる場合と、対向2面をレーザ光の全反射面とする,断
面方形のスラブ型を用いる場合との,入射ビーム, 射出
ビームの光路変化の違いを示す図であって、同図(a) は
断面円形のロッド型における光路変化の様子を示す図、
同図(b) はロッド型レーザ媒質内温度分布を示す図、同
図(c) は断面方形のスラブ型における光路を示す図、同
図(d)はスラブ型レーザ媒質内温度分布を示す図
【図6】スラブ状の固体レーザ媒質を用いる固体レーザ
装置構成の一例を示す, 装置の平面断面図
装置構成の一例を示す, 装置の平面断面図
【図7】図6に平面断面図を示す固体レーザ装置の正面
断面図
断面図
【図8】従来の集光鏡反射面の形成方法と、この反射面
によるレーザ媒質内幅方向の励起分布とを示す図であっ
て、同図(a) は反射面の形成方法を示す説明図、同図
(b) はレーザ媒質内幅方向の励起分布を示す線図
によるレーザ媒質内幅方向の励起分布とを示す図であっ
て、同図(a) は反射面の形成方法を示す説明図、同図
(b) はレーザ媒質内幅方向の励起分布を示す線図
1 レーザ媒質 1a 光励起面 1b 側面 1c 斜端面 2 励起光源 5 集光鏡 5a 反射面 6a 焦点 6b 焦点 12a 焦点 13 吸収材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/00 - 3/097
Claims (4)
- 【請求項1】それぞれ外部から励起光の照射を受けかつ
レーザ光を全反射する1対の光励起面と、熱絶縁される
1対の側面と、レーザ光が出入りする1対の斜端面とを
持つスラブ状体に形成されたレーザ媒質と、該レーザ媒
質の前記1対の光励起面の両側に配され、レーザ媒質の
長手方向にかつ光励起面と平行に走る1対の直管状の励
起光源と、該直管状励起光源の光をレーザ媒質の光励起
面へ向けて反射する反射面を有するトンネル状の集光鏡
とを備えてなる固体レーザ装置において、前記1対の直
管状励起光源をそれぞれ、レーザ媒質の光励起面の幅を
2等分する,光励起面に垂直な平面内に配するととも
に、前記1対のトンネル状集光鏡をそれぞれ、反射面
が、2個の合同な楕円形を一方の焦点を一致させて重
ね、2個の長軸を該焦点まわりに開いて得られる最内側
形状の該焦点近傍の形状を横断面形状として有し、かつ
前記一方の焦点が一方の励起光源近傍に位置するととも
に反射面の横断面形状を構成する2個の楕円形のそれぞ
れ他方の焦点が他方の励起光源近傍以遠に位置する2重
楕円集光鏡として形成することを特徴とする固体レーザ
装置。 - 【請求項2】請求項第1項に記載の固体レーザ装置にお
いて、直管状励起光源近傍に位置する2重楕円集光鏡反
射面の焦点を、励起光源中心からレーザ媒質と反対の方
向へずらせた位置に位置させることを特徴とする固体レ
ーザ装置。 - 【請求項3】請求項第1項に記載の固体レーザ装置にお
いて、集光鏡のレーザ媒質側開放端面の内のり幅をレー
ザ媒質の光励起面の幅より広くとることを特徴とする固
体レーザ装置。 - 【請求項4】請求項第3項に記載の固体レーザ装置にお
いて、レーザ媒質の熱絶縁される1対の側面に、レーザ
媒質と同等の励起光吸収を行いかつ同等の熱伝導率を有
する物質を密着状態に添設することを特徴とする固体レ
ーザ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13291792A JP3139131B2 (ja) | 1992-05-26 | 1992-05-26 | 固体レーザ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13291792A JP3139131B2 (ja) | 1992-05-26 | 1992-05-26 | 固体レーザ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05327080A JPH05327080A (ja) | 1993-12-10 |
JP3139131B2 true JP3139131B2 (ja) | 2001-02-26 |
Family
ID=15092539
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13291792A Expired - Fee Related JP3139131B2 (ja) | 1992-05-26 | 1992-05-26 | 固体レーザ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3139131B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6059385B1 (ja) * | 2016-05-16 | 2017-01-11 | 株式会社ソノ | 袋状シートを備えた透明ファイル |
-
1992
- 1992-05-26 JP JP13291792A patent/JP3139131B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6059385B1 (ja) * | 2016-05-16 | 2017-01-11 | 株式会社ソノ | 袋状シートを備えた透明ファイル |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05327080A (ja) | 1993-12-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |