JP3138841U

JP3138841U - 静電気中和手袋

Info

Publication number: JP3138841U
Application number: JP2007007889U
Authority: JP
Inventors: 武志藤田; 正晴小石原
Original assignee: 洛東化成工業株式会社
Priority date: 2007-10-15
Filing date: 2007-10-15
Publication date: 2008-01-24
Anticipated expiration: 2017-10-15

Abstract

【課題】軽量で作業性の良い静電気を中和できる手袋として提供する。また、人間が手に嵌めていることで無意識のうちに静電気を中和して危険を回避できる手袋を提供する。
【解決手段】チョップされた炭素繊維が混入されたゴムラテックスを通常手袋にコーティング、硬化する。
【選択図】図１

Description

本考案はガソリンスタンドなどの油、溶剤取扱者および爆薬や粉末の取扱者や半導体デバイス、電子機器の取扱者など、静電気による災害の危険性のある作業をする人に対して、手袋を装着しておくことで自動的に静電気を中和して放電、発火を防ぐようにしたものである。

具体的には、チョップされた炭素繊維を混入したゴムラテックスを直接手のマネキンに浸漬してから硬化し、ゴム手袋にする。

また、ニット手袋の表面の一部または全面にチョップされた炭素繊維を混入したゴムラテックスをコーティングして、その後硬化することで滑り防止と静電気中和の効果をもたせた手袋である。

近年、粉塵爆発などの災害や電子機器の絶縁破壊、可燃性物体への着火、爆発などの静電気によるトラブルが発生しており、未然に防ぐ方法を求めている。

身体に帯電している静電気を除去する為には、静電気除去用のタッチパネルや静電気除去シートなどが利用されているが、接触しなければ静電気を無くすことができない。忙しい場合は時々接触を忘れることが多々あり、事故に結びついてしまう。

制電手袋としては、導電性繊維フィラメントを編みこんで表面電気抵抗値を下げて静電気を除去する方法などがあるが、どうしても繊維が破断して手に刺さり、ちくちくすることがあった。
特許公開2006-63456

静電気は目に見えないが、高電圧ともなると放電、発火するおそれがあり非常に危険な事故を引き起こす。注意をしていても軽率な行動で大災害に結びつく危険性をはらんでいる。この危険な現象を作業時に手袋を装着することで、無意識のうちに静電気を中和、低電圧にしてしまうのが最適な方法と考えられる。
また、従来の導電性繊維を編みこんだ手袋では作業中に破断して、手に刺さることがある問題が発生した。さらに工程上複雑な問題があった。

また、人体には動作をしているうちに静電気が蓄積され、気がつかない場合が多い。この帯電している静電気は電撃ショックを起こし易く、心臓に負担がかかる等の悪影響を及ぼす。

ゴムラテックスの中にチョップされた炭素繊維を混合、分散してから手の形のマネキンに塗布または浸漬した後熱硬化することによって薄いゴム手袋を得る。

通常の綿やナイロン、ゴムラテックス手袋など素材に関しては特に指定しなくとも良く、手袋を手の形のマネキンに嵌め、その後ゴムラテックスにチョップされた炭素繊維を混合分散したもので手袋の一部または全面に塗布または浸漬してさらに熱硬化すると得られる。

ゴムラテックスは特に指定しないが、通常の手袋用ゴムラテックスは使用可能である。
一般的には、天然ゴムラテックス、ＮＢＲラテックスなどの合成ゴムラテックスである。
また、熱で硬化するラテックスも使用できるが、加硫して硬化するのも効果的である。その場合の処方としては、硫黄、亜鉛華、加硫促進剤を配合したラテックスが好ましい。

炭素繊維は分散可能なものであれば良い。集束剤が付着していないものの方が分散しやすい傾向にある。また繊維長は０．２〜６．０ｍｍ程度が好ましい。繊維直径は通常１０〜８０μｍ程度を使用する。

ゴムラテックスへの炭素繊維の混合、分散は単純に配合するだけの場合もあるが、一般的には分散剤を使用する。非イオン系活性剤が効果的であるが、シリコーン系活性剤が特に好ましい。
炭素繊維の配合割合は、ゴムラテックスに対して０．５〜１０．０％、特に好ましくは、１〜６％である。

炭素繊維がゴムラテックスに混合され、硬化された後はゴムに覆われているため炭素繊維の皮膚に対するちくちくがなくなるので、手袋に使用しても問題がない。

手袋を装着しているだけで、無意識のうちに静電気が中和され、放電、発火による災害を未然に防ぐことが可能となる。

手袋を装着しながら電子機器を扱う場合、無意識のうちに絶縁破壊から逃れられる。

本考案に使用される炭素繊維は０．２〜６ｍｍの長さのヤーンを切断したものが良く、適当な短さで分散しやすく、繊維状の形態が保たれているので先端部からコロナ放電して静電気を中和できる。

このチョップされた炭素繊維は表面に出た場合は皮膚に刺激するため、ゴムや合成樹脂で覆うのが好ましい。

手袋の滑り防止にはゴムラテックスが多く用いられ、チョップされた炭素繊維を組み込むことにより同時に静電気中和効果が付与され、事故を防止することができる。

実施例

ＮＢＲラテックスに硫黄、亜鉛華、加硫促進剤および集束剤の付着していないチョップされた炭素繊維を混合した。１３Ｇのナイロン手袋を手のマネキンに嵌め、前記混合されたラテックスに浸漬して、さらに酸で硬化、乾燥して完成させた。

同様に、１２GのT/C混手袋に該ラテックスを手のひら側だけに浸漬、硬化、乾燥して手袋を得た。

人体帯電圧測定器（日本スタテック社製）にて７ＫＶに帯電しているところに前記ラテックス処理したナイロン手袋を接触した時１．２ＫＶに急激に帯電圧が降下した。

静電気測定器（シムコ社製）にて、ポリエステル織布を摩擦で静電気を起こし、１．５ｃｍ離した地点で測定したら７ＫＶ電した。ここに前記T/C混手袋を１ｃｍの距離に近づけると帯電圧が１ＫＶに低下した。
さらに該手袋をその場所から取り除くと６ＫＶに戻った。

溶剤や爆薬、粉末の取扱者、および電子機器関連の取扱者は従来から目に見えない静電気からのトラブルに悩まされてきたが、この考案により業務中、常に装着することで無意識のうちに
危険から回避できる。各業界で充分に利用され得るものである。

チョップされた炭素繊維が混入したゴムコーティングの手袋を手のひら側と手の甲側から見たものの一例である。黒く塗った部分がゴムコーティングされたところを示す。指先の部分は作業性を落とさないようにコーティングしないほうが良い。

Claims

チョップした炭素繊維をゴムラテックスに混入した後、手のマネキンに浸漬し、硬化させて得る手袋。
チョップした炭素繊維をゴムラテックスに混入し、手袋の一部または全面にコーティングした後、硬化することにより静電気を中和できる手袋。