JP3138579B2 - 発泡シートの製造方法及びその装置 - Google Patents

発泡シートの製造方法及びその装置

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JP3138579B2
JP3138579B2 JP05240195A JP24019593A JP3138579B2 JP 3138579 B2 JP3138579 B2 JP 3138579B2 JP 05240195 A JP05240195 A JP 05240195A JP 24019593 A JP24019593 A JP 24019593A JP 3138579 B2 JP3138579 B2 JP 3138579B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発泡シートの製造方法及
びその装置に関し、更に詳細には例えば食品容器等の容
器類、ファイル等の文具、各種パッケージ用ケース、自
動車の内装部品、各種緩衝材や断熱材等に好適に利用す
ることができる発泡シートの製造方法及びその装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂の発泡シートは各種
の産業分野に利用されており、その製造方法としては以
下に紹介する方法が知られている。
【0003】その第1の方法としては、特定温度で分解
してガスを発生させる発泡剤を熱可塑性樹脂に添加し、
それを発泡剤が分解する温度以上の温度に加熱した押出
機で溶融、混練して発泡シートの状態で押し出し、これ
を対をなす金属ロール間に導いて冷却し、発泡シートを
製造する方法である。
【0004】また、第2の方法としては、熱可塑性樹脂
を押出機で溶融して押し出す過程で、押出機のシリンダ
ー部にガスや揮発性の高い液体を注入して溶融樹脂に混
合、分散させ、これを発泡シートの状態で押し出し、こ
の溶融発泡シートを空気中か対をなす金属ロール間に導
いて冷却して発泡シートを製造する方法である。
【0005】更に、第3の方法としては、熱可塑性樹脂
に特定温度で分解してガスを発生させる発泡剤と架橋助
剤を添加し、これを発泡剤の分解温度以下の温度で溶
融、混練してシート化し、次にこのシートに電子線等を
照射して架橋させたシートを発泡剤の分解温度以上に加
熱された金属ロールやオーブン、又は液体に接触させて
発泡シートを製造する方法である。
【0006】更に、第4の方法としては、特開昭56−
137937号公報に開示されている方法であり、2個
の主軸で支持し緊張する2帯のエンドレスベルトをシー
トを狭締するベルト間隔を保持して上下に相対して設置
し同方向に同速運行し、間隔保持の主軸間に加熱ロー
ル、冷却ロールと加熱装置、冷却装置及び横両端には樹
脂止め装置を設置し、未発泡シートをベルト間に狭締し
て送り加熱して発泡分解等続いて冷却して表面や側面の
温度調整、厚み方向膨張と順次処理し、ベルト間から開
放後も横方向の膨張を押さえて冷却して厚み方向に膨張
させて発泡シートを製造する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の発泡シート製造方法には次のような問題があっ
た。すなわち、第1番目の従来方法では、発泡倍率の高
い発泡シートを得ることはできず、しかも得れた製品は
発泡気泡(以下セルと称す)も不均一で、外観性も悪
く、軽量性、断熱性、緩衝性等に十分な効果を発揮しな
いと言う欠点があった。
【0008】また、第2番目の従来方法では、使用する
ガスや液体の計量と溶融樹脂の粘度を十分に制御しない
とセルが均一で発泡倍率の安定した製品が得られなく、
更に使用するガスや液体がフレオン11等のフロン化合
物やヘキサン等の炭化水素であるので、環境汚染や環境
破壊の原因になり、環境保全の点で大きな問題があっ
た。
【0009】更に、第3番目の従来方法では、製造工程
が煩雑で、エネルギーの大きい電子線等を使用して架橋
反応をさせるため、発泡シートの耐熱性や弾性の安定度
が悪く、更に発泡工程が自由発泡であるため表面性が悪
く表面をスライス等で仕上げる必要があるばかりか製品
が非常に高価であると言う欠点があった。
【0010】また、第4番目の従来方法では、シートの
送り速度と進行速度がすべて同じであり、またシートの
幅方向は機械的に抑えられているので発泡によって増加
した体積は主に厚み方向にのみ膨張するため発泡品は厚
み方向に細長いセルを有するものしか得られなく、結果
として緩衝性や断熱性の優れた発泡シートが得られな
い、と言う問題があった。
【0011】これらの従来の問題点を総括すると、要す
るに熱可塑性樹脂の発泡シートは産業上極めて有用であ
るが、従来の製造技術により得られる製品は、(1)表
面性のよい発泡シートを製造することができない、
(2)品質の安定した製品を得ることができない、
(3)環境汚染や環境破壊の原因になる物質を使用して
いる、(4)製品が高価である、(5)緩衝性や断熱性
に優れた製品が得られない、等の問題があった。
【0012】本発明の目的は、かかる従来の問題点を解
決するためになされたもので、性能が優れ、品質の安定
度が高い発泡シートを容易に製造することのできる発泡
シートの製造方法及びその装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は発泡シートの製
造方法であり、前述の技術的課題を解決するために以下
のように構成されている。すなわち、本発明は、樹脂シ
ート成形手段Aから送り出された樹脂シート11を挟圧
して移送すべく同方向に同速度で進行する一対の金属製
エンドレスベルトを直列に2組以上設置して発泡シート
15を製造する方法であって、前記第2組13のエンド
レスベルト13a、13bを前記第1組12のそれより
も高速で進行させること、少なくとも前記第1組12と
前記第2組13との各エンドレスベルト12a、12
b、13a、13bで挟圧されて移送される樹脂シート
11の両側部を使用樹脂の融点以下の温度に制御するこ
とを特徴とする。
【0014】更に、本発明における発泡シートの製造方
法は、前述の方法に加えて第2組13の前記エンドレス
ベルト13a、13bを第1組12のそれより5〜10
00%増の速度で進行させ、第3組14以降の前記エン
ドレスベルト14a、14bを直前の組のエンドレスベ
ルトとほぼ同速度で進行させ、前記第1組12のエンド
レスベルトにおける入口側12cのシート挟圧ベルト部
分の温度を100〜250℃、出口側12dのシート挟
圧ベルト部分の温度を90〜170℃、前記第2組13
のエンドレスベルトにおける入口側13cの発泡シート
挟圧ベルト部分の温度を80〜180℃、出口側13d
のシート挟圧ベルト部分の温度を120℃以下に、第3
組以降を60℃以下に制御する。
【0015】その際、前記第1組12と第2組13のエ
ンドレスベルト12a、12b、13a、13bにおけ
るシート挟圧側の面を、相対向するベルトの間隔が幅方
向中央部に比較して両側部を狭くするように凹状に形成
し、前記樹脂シート成形手段から送り出された樹脂シー
ト11をこの第1組12のエンドレスベルト12a、1
2b間の狭い両側部より内側に供給するようにすること
も好ましい。
【0016】また、本発明は発泡シートの製造装置であ
り、前述の技術的課題を解決するため以下のように構成
されている。すなわち、本発明は、樹脂シート成形手段
Aから送り出された樹脂シート11を挟圧して移送すべ
く同方向に同速度で進行する一対の金属製エンドレスベ
ルトを直列に2組以上設置してなる発泡シート15の製
造装置10であって、前記第1組12及び第2組13の
エンドレベルト12a、12b、13a、13bによる
発泡シート挟圧範囲長さが少なくとも1m有り、前記第
1組12及び第2組13のそれぞれ一対のエンドレスベ
ルトの挟圧面側が断面でみて凹状に形成され、前記各組
におけるそれぞれ一対のエンドレスベルトのベルト間隔
が前記第1組12ではその移動方向においてほぼ一定に
保たれ、前記第2組13では出口側13dが入口側13
cの5〜1000%広くされ、前記第3組14以降では
ほぼ一定に保たれ、且つ前記各組における入口側のベル
ト間隔は直前の組の出口側のベルト間隔にほぼ等しく設
定されて構成されていることを特徴とする。
【0017】更に、本発明における発泡シートの製造装
置10は、前述の特徴に加えて前記第1組12と第2組
13とにおけるそれぞれ一対のエンドレスベルト12
a、12b、13a、13bの挟圧面側凹形状を、前記
ベルトの間隔が幅方向中央部に対して両側部を10〜5
0%狭くなるように形成することが好ましい。
【0018】
【作用】本発明の発泡シートの製造方法及びその装置に
よると、樹脂シート成形手段から送り出された樹脂シー
トを、少なくとも2組以上を直列に配置し、夫々の組が
同方向に同速度で進行する一対の金属製エンドレスベル
トをからなる第1組目のエンドレスベルト間に進入さ
せ、次いで第2組へと順次進入させて行く。その時、第
2組目のエンドレスベルトは第1組目のそれより速い速
度で進行しているため樹脂シート中に発生したガスが厚
み方向と同時に進行方向にも膨張する。
【0019】そして、第1組と第2組とにおけるそれぞ
れ一対のエンドレスベルトの間隔が幅方向中央部より両
側部を狭くすると同時に第1組のエンドレスベルト間へ
の樹脂シートを狭い両側部より内側に、幅方向への膨張
が可能となるようにスペース的に余裕をもって供給する
ようにされているため、樹脂シートは幅方向への膨張が
可能となる。その後、発泡した樹脂シートは第3組以降
のエンドレスベルトによって冷却され均一な発泡シート
となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の発泡シートの製造方法及びそ
の装置を図に示される実施例について更に詳細に説明す
る。図1には本発明における発泡シートの製造装置の一
例が概略的に示されている。この発泡シートの製造装置
10は、樹脂シート成形手段Aから送り出された樹脂シ
ート11を挟圧して移送すべく同方向に同速度で進行す
る一対の金属製エンドレスベルトを直列に2組(第1組
を符号12、第2組を符号13、第3組を符号14で示
す)以上設置して構成されている。これら各組における
それぞれ対のエンドレスベルトを符号12a、12b、
13a、13b、14a、14bで示す。
【0021】この発泡シートの製造装置10において第
1組と第2組とのそれぞれ一対のエンドレベルトによる
発泡シート挟圧範囲長さLは少なくとも1m以上とされ
ている。また、第1組及び第2組のそれぞれ一対のエン
ドレスベルトの挟圧面側は図2に示されるように断面で
みて凹状に形成されている。しかし、本発明ではこの
状に限定するものではなく、図3に示されるように少な
くとも一方のベルトにおける挟圧面側が凹状に形成され
ていてもよい。
【0022】このような構成の発泡シートの製造装置1
0で発泡シート15を製造する時、発泡シート15はセ
ルの大きさが微細、均一で形状が球形に近い程その性能
は発揮される。これを達成させる手段としては、微細な
気泡核を沢山形成させること、及びこの気泡核を均一に
成長させることが重要である。微細な気泡核は発泡剤を
樹脂中に微粒子の状態で均一に分散させることによって
達成することができる。
【0023】発泡剤の分解によって形成された発泡核は
外圧等で制御しないで自由発泡させるとセルの大きさが
不均一でシート表面も凹凸が激しく性能が半減する。セ
ルを3次元的に均一に成長させるには厚み、幅、進行方
向の各方向より気泡の膨張を規制する必要がある。
【0024】本発明はこの規制を、厚み方向への気泡
(ガス)の膨張はベルトの間隔制御による外力で、また
幅方向への膨張はシート両側部の冷却及びベルト側部で
ベルト間隔を狭くすることによる膨張の抑制で、更に進
行方向への膨張はドラフト(引き落し)による気泡の成
長助長によって達成させることができる。
【0025】発泡剤が練り込まれた未発泡シート(以下
発泡原反と称す)11は第1組12における一対のエン
ドレスベルト12a、12b間に供給された後、各組1
3、14のエンドレスベルトで順次処理されて発泡シー
ト15になる。その時、本発明では、第2組13のエン
ドレスベルトを第1組12のエンドレスベルトより高速
で進行させているため、ガスが厚み方向と同時に進行方
向にも膨張し、更に第1組12と第2組13のエンドレ
スベルトで搬送されるシート11の両側部を使用樹脂の
融点以下の温度に冷却すると共に両側部のベルト間隔を
中央部より狭くすると同時に第1組12に供給する発泡
原反11をベルト間隔が狭くなる両側部より内側に、幅
方向への膨張が可能となるようにスペース的に余裕をも
って供給することによって、幅方向への膨張を可能とし
ている。
【0026】もし、第1組12と第2組13のエンドレ
スベルトを同速度とした場合は、発泡剤の分解によって
発生したガスは第2組12のエンドレスベルトの間隔が
開く方向、即ち厚み方向にのみ主に膨張し、セルは厚み
方向に細長い形状となってしまい、発泡体としての特性
が半減してしまう。
【0027】本発明では、第1組12のエンドレスベル
トに対する第2組13のエンドレスベルトの増速比を5
〜1000%としている。これは、この増速比が5%未
満であるとセルが進行方向に十分膨張できず、反対に1
000%を越えると第1組12のエンドレスベルトから
第2組13のエンドレスベルトに移行する時にシート1
1の切断やネッキングによる部分的な薄肉化が発生し、
安定した発泡シートが得られなくなるからである。
【0028】更に、第1組12の入口側12cでのベル
ト温度は、100〜250℃とされる。100℃未満で
は発泡剤を分解するには温度が不足し、250℃を越え
ると樹脂の流動性が高すぎてシートを安定して搬送でき
なくなる。出口側12dの温度は90〜170℃とされ
る。90℃未満では樹脂の粘度が高すぎるため発生した
気泡の膨張に支障を来し、170℃を越えると樹脂の粘
度が低すぎるため第1組12のエンドレスベルトから第
2組13のエンドレスベルトに移行する過程で自由発泡
を越し、均一な発泡品が得られなくなる。
【0029】また、第2組13において、入口側13c
のベルト温度は80〜180℃とされる。80℃未満で
あると樹脂の粘度が高すぎ発生したガスが膨張できな
く、180℃を越えると樹脂の粘度が低すぎるためセル
の形状が安定しなくなったり、発泡シートの表面に著し
い凹凸が発生する。他方、出口側13dのベルト温度は
120℃以下とされる。120℃を越えると生成したセ
ルが次行程以降で破壊されやすくなる。
【0030】第3組14以降におけるエンドレスベルト
の温度は60℃以下とされる。第3組14以降は発泡し
たシート15を冷却させることが目的であり、60℃を
越えると作業性などが悪化するからである。
【0031】ところで、ベルトの温度制御は、温度制御
された空気などのガスの吹き付け、赤外線などによる輻
射熱、電気ヒータや油等の熱媒体で温度制御されたロー
ル及びこれらの組み合せによって行うことができる。ロ
ールによる温度制御は、シートがベルトに接する反対面
よりベルトに接触させて行うことによって、発泡剤の分
解によって発生したガスが自由膨張するのを抑える効果
もあり、本発明では最も有効な方法である。
【0032】第1組12と第2組13における一対のエ
ンドレスベルトでのシート挟圧部分の距離Lは前述した
ように1m以上とされる。これが1m未満であるとシー
ト11の温度を精密に制御することができなくなる。シ
ート11を挟圧する一対のエンドレスベルトの間隔につ
いては、第1組12においては入口側12cから出口側
12dまで図1に示されるようにほぼ一定である。
【0033】一定でないと樹脂シート11の加熱が不均
一になり部分的に発泡状態が異なる。また、部分的に間
隔が広くなると発生したガスがこの部分で膨張してしま
い均一な発泡シートが得られなくなる。第2組13にお
ける入口側13cは第1組12から出た樹脂シート11
を受けるため第1組12の出口部12dにおけるベルト
間隔とほぼ同一とされている。
【0034】しかし、第2組13の出口側13dにおけ
るベルト間隔はその入口側13cのベルト間隔より5〜
1000%広くされている。5%未満では厚み方向への
ガスの膨張が不十分である。また、1000%を越える
とセルの形状が不均一になると同時に発泡シートの表面
に著しい凹凸が発生し、商品性が失われる。
【0035】ベルト間隔の開きは、同一勾配率である必
要はなく、最初は勾配を大きくして後半を小さくしたり
して、またはその逆でも良く、更に中間に異なった勾配
の部分を設けても良い。第3組14以降は第2組13で
発泡させたシート15の寸法を規制しながら冷却させる
ことが目的である。従って、そのエンドレスベルト14
a、14bの間隔はほぼ一定であってもよいが、第2組
13のエンドレスベルト間で膨張したガスや樹脂が冷却
されて収縮するためその収縮相当分だけ間隔を狭くする
ことが好ましい。
【0036】また、本発明において少なくとも第1組1
2及び第2組13のエンドレスベルトに挟圧されている
シートの両端部は使用樹脂の融点未満の温度に制御され
る。融点以上の温度だと流動性があるため発泡剤が分解
して発生したガスの膨張力によってシート11が幅方向
に押し出され、場合によってはベルトの外まで押し出さ
れ、製造継続ができなくなる。シート11の側部を融点
以下の温度に制御する手段としては側部に冷風や水ミス
トを吹き付けたりシート側部のベルト温度を融点未満に
制御する方法がある。効果及び制御性の点から水ミスト
の吹き付け法が好ましい。
【0037】ベルトに挟圧されている樹脂シート11の
両側部が幅方向に押し出されるのを防止する方法として
は、前述したように第1組12と第2組13における両
側部でのベルト間隔を中央部より10〜50%狭くする
ことである。10%未満では幅方向に押し出される樹脂
を止める抵抗力が不足し、50%を越えると薄い発泡原
反が使用できなくなる。この方法は端部をミスト等で使
用樹脂の融点未満に冷却させた方法と併用すると一層効
果を発揮する。
【0038】本発明に好適な樹脂としては、ポリエチレ
ン及びエチレンとそれ以外の物質との共重合体、ポリプ
ロピレン及びプロピレンとそれ以外の物質との共重合
体、環状ポリオレフィン、ポリ塩化ビニール、ポリスチ
レン、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリアミド樹脂等を例示する
ことができる。これらの熱可塑性樹脂は2種以上を混合
して使用してもよく、また架橋物であってもよい。
【0039】本発明に好適な発泡剤として、アゾジカル
ボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシク
ロヘキシル・ニトリル、バリウムアゾジカルボキシレ
ート等のアゾ系化合物、ジニトロソ・ペンタメチレン・
テトラミン、N,N′−ジニトロソ−N,N′−ジメチ
ルテレフタルアミド等のニトロソ系化合物、パラ・トル
エン・スルホニルアジド、ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、P,P′−オキシービス(ベンゼンスルホニルヒド
ラジド)、トリヒドラジノトリアジン等のスルホニルヒ
ドラジド系化合物、及び炭酸塩等を例示することができ
る。これらの発泡剤は、2種以上を混合して使用しても
よい。
【0040】本発明に好適な発泡剤を未発泡状態で練り
込んだシートは、カレンダー法、Tダイによる押出成形
法などの公知の方法を例示することができる。Tダイに
よる押出成形法には、エアーナイフ法、タッチロール
法、ポリシングロール法、スチールベルト法、多段ニッ
プルロール法、水冷法及びこれらを組み合わせた方法が
あり、これらのシート製造部を本発明の発泡シート製造
装置に組込み未発泡シートと発泡シートの製造を一貫化
することもできる。
【0041】本発明における発泡剤を未発泡状態で練り
込んだシートには付加成分として、酸化防止剤、滑剤、
帯電防止剤、耐候剤、顔料、着色剤、分散剤、ゴム、架
橋剤、架橋助剤、カップリング剤、無機及び有機系充填
材などを適宜添加してもよい。
【0042】本発明における発泡シートの発泡倍率は、
未発泡シート11に練り込まれた発泡剤の種類と量、対
をなす金属ベルト第1組12及び第2組13でのシート
加熱温度と第2組以降の金属ベルトの間隔及び第1組1
2に対する第2組13の増速率などによって制御するこ
とができる。
【0043】発泡剤を未分解のまま熱可塑性樹脂に練り
込むには、使用する発泡剤の熱分解温度よりも融点が低
い樹脂を使用する必要がある。この場合、発泡剤の分解
温度よりも融点が15℃以上低い樹脂を使用することが
好ましい。なお、ポリ塩化ビニールのように融点を持た
ない樹脂を使用する場合は、融点の代わりに流動開始温
度等を目安にすればよい。
【0044】本発明における発泡シートの製造装置は第
1組12を除いた他の組、図1に示される例では第2組
13の入口側13cから、予め用意された例えばフィル
ム、シート、レザー、織物、金属箔(これらを符号16
a、16bで示す)等を供給し、樹脂シート11と積層
させ、発泡積層シートを製造することもできる。
【0045】次に、本発明の具体的な実施例について説
明する。以下に説明する各具体的実施例において使用し
たエンドレスベルトは表面をサンドブラストで80メッ
シュにマット加工したSUS製であり、その他の仕様は
以下の表1に示す通りである。
【0046】
【表1】 実施例1 発泡原反11として、メルトフローレートが1.8g/
分(JIS−K6758法で測定)、融点が143℃
(DSC法で測定)のポリプロピレン(東ソー(株)製
のE6021A)に発泡剤として、分解温度が195℃
のアゾジカルボンアミド(三協化成(株)製のセルマイ
クC)が0.4重量%添加されている厚みが1mm、幅
が500mmの未発泡のシートを使用した。
【0047】第1組12と第2組13におけるそれぞれ
対のエンドレスベルト12a、12b、13a、13b
のシート挟圧側における凹形状面に関しては、両側縁か
ら夫々25mmの幅寸法について中央部表面より0.2
mm隆起させたものを使用した。また、シート11の側
部には水ミストをノズルより吹き付けて温度制御した。
なお、ベルトの速度と温度などは次の表2に示す条件で
実施した。
【0048】
【表2】 得られた発泡シートは発泡倍率が5.05でセルの大き
さが均一で形状も球形に近く表面の平滑性も良好であっ
た。実施例2 メルトインデックスが1.9g/分(ASTM−D12
38法で測定)、融点が109℃(DSC法で測定)の
低密度ポリエチレン(三井石油化学工業(株)製のミラ
ソン50)を使用した。発泡剤として、分解温度が15
0℃のP,P′−オキシービス(ベンゼンスルホニルヒ
ドラジン)(三協化成(株)製のセルマイクS)が2.
5重量%添加されている厚みが1mm、幅が500mm
の未発泡シートを使用した。第1組と第2組のエンドレ
スベルトに挟圧されたシート側部には水ミストを吹き付
けて温度制御した。ベルトの温度と速度などは次の表3
に示す条件で実施した。
【0049】
【表3】 得られた発泡シートは発泡倍率が10.2で、セルの大
きさが均一で形状も球形に近い楕円であり、表面の平滑
性も良好であった。比較例 (1)前述の実施例2で、第1組と第2組の金属ベルト
の温度を全て90℃に設定した以外は実施例と同じ条件
で発泡シートを作ったが、発泡剤が分解しなく発泡シー
トが得られなかった。 (2)実施例2で、第1組と第2組の金属ベルト速度を
同一にした以外は実施例2と同じ条件で発泡シートを作
ったが、セル厚み方向に長く、シート表面にセルが破
壊してできた凹凸が多数発生し、良好な発泡品が得られ
なかった。 (3)実施例3で、第1組と第2組のシート側部を冷却
しない以外は実施例2と同じ条件で発泡シートを作った
が、第1組の後半及び第2組の前半部よりシートが流出
し発泡シートが作れなかった。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の発泡シー
トの製造方法及びその装置によれば、セルの形状が球形
で大きさも均一であり、更に表面に凹凸がなく、低発泡
から高発泡までの発泡シートを容易に製造することがで
きる。その結果、食品容器、小形ケース、文具、自動車
の内装部品に好適で品質の非常に良い発泡シートを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る発泡シートの製造装置
を概略的に示す構成説明図である。
【図2】図1に示された発泡シートの製造装置において
2−2線に沿って得た第2組の一対のエンドレスベルト
の形状を示す断面図である。
【図3】本発明の発泡シートの製造装置において第1組
及び第2組のそれぞれ一対のエンドレスベルトの別の形
状を示す断面図である。
【符号の説明】
10 発泡シートの製造装置 11 未発泡シート 12 第1組のエンドレスベルト 13 第2組のエンドレスベルト 14 第3組のエンドレスベルト 15 発泡シート

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂シート成形手段から送り出された樹
    脂シートを挟圧して移送すべく同方向に同速度で進行す
    る一対の金属製エンドレスベルトを直列に2組以上設置
    して発泡シートを製造する方法であって、 前記第2組のエンドレスベルトを前記第1組のそれより
    も高速で進行させること、 少なくとも前記第1組と前記第2組との各エンドレスベ
    ルトで挟圧されて移送される発泡シートの両側部を使用
    樹脂の融点以下の温度に制御すること、からなる発泡シ
    ートの製造方法。
  2. 【請求項2】 第2組の前記エンドレスベルトを第1組
    のそれより5〜1000%増の速度で進行させ、第3組
    以降の前記エンドレスベルトを直前の組のエンドレスベ
    ルトとほぼ同速度で進行させ、 前記第1組のエンドレスベルトにおける入口側のシート
    挟圧ベルト部分の温度を100〜250℃、出口側のシ
    ート挟圧ベルト部分の温度を90〜170℃、前記第2
    組のエンドレスベルトにおける入口側の発泡シート挟圧
    ベルト部分の温度を80〜180℃、出口側のシート挟
    圧ベルト部分の温度を120℃以下に、第3組以降のエ
    ンドレスベルトを60℃以下に制御することを特徴とす
    る請求項1に記載の発泡シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1組と第2組のエンドレスベルト
    におけるシート挟圧側の面が、相対向するベルトの間隔
    が幅方向中央部に比較して両側部を狭くするように凹状
    に形成され、前記樹脂シート成形手段から送り出された
    樹脂シートを第1組のエンドレスベルト間の狭い両側部
    より内側に供給することを特徴とする請求項2に記載の
    発泡シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂シート成形手段から送り出された樹
    脂シートを挟圧して移送すべく同方向に同速度で進行す
    る一対の金属製エンドレスベルトを直列に2組以上設置
    してなる発泡シートの製造装置であって、 前記第1組及び第2組のエンドレベルトによる発泡シー
    ト挟圧範囲長さが少なくとも1m有り、 前記第1組及び第2組のそれぞれ一対のエンドレスベル
    トの挟圧面側が断面でみて凹状に形成され、 前記各組におけるそれぞれ一対のエンドレスベルトのベ
    ルト間隔が前記第1組ではその移動方向においてほぼ一
    定に保たれ、前記第2組では出口側が入口側の5〜10
    00%広くされ、前記第3組以降ではほぼ一定に保た
    れ、且つ前記各組における入口側のベルト間隔は直前の
    組の出口側のベルト間隔にほぼ等しく設定されて構成さ
    れていることを特徴とする発泡シートの製造装置。
  5. 【請求項5】 前記第1組と第2組とにおけるそれぞれ
    一対のエンドレスベルトの挟圧面側凹形状は、前記ベル
    トの間隔が幅方向中央部に対して両側部を10〜50%
    狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項
    4に記載の発泡シートの製造装置。
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