JP3137860B2 - 薄肉円板成形品の成形方法 - Google Patents
薄肉円板成形品の成形方法Info
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- JP3137860B2 JP3137860B2 JP819095A JP819095A JP3137860B2 JP 3137860 B2 JP3137860 B2 JP 3137860B2 JP 819095 A JP819095 A JP 819095A JP 819095 A JP819095 A JP 819095A JP 3137860 B2 JP3137860 B2 JP 3137860B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオディスクやオー
ディオディスク等の円板状記録媒体（以下、ディスクと
いう。）などの薄肉円板状の成形品の成形方法に関し、
一層詳細には、樹脂を冷却固化後、成形品の離型時に発
生する離型マークの不良を未然に防止できるようにした
薄肉円板成形品の成形方法に関する。
ディオディスク等の円板状記録媒体（以下、ディスクと
いう。）などの薄肉円板状の成形品の成形方法に関し、
一層詳細には、樹脂を冷却固化後、成形品の離型時に発
生する離型マークの不良を未然に防止できるようにした
薄肉円板成形品の成形方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】この種の薄肉円板状のディスクは、金型
内に形成されたキャビティ内に溶融樹脂を射出する射出
成形により製造している。従来のディスク成形方法で
は、溶融樹脂を金型のキャビティ内に射出した後は、樹
脂を冷却固化する冷却工程を行っている。この冷却工程
では、樹脂の固化を待って型締力を落とすなどによって
急激な圧抜きをしてから、成形品を金型から取り出して
いる。
内に形成されたキャビティ内に溶融樹脂を射出する射出
成形により製造している。従来のディスク成形方法で
は、溶融樹脂を金型のキャビティ内に射出した後は、樹
脂を冷却固化する冷却工程を行っている。この冷却工程
では、樹脂の固化を待って型締力を落とすなどによって
急激な圧抜きをしてから、成形品を金型から取り出して
いる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ディスク成形方法では、冷却固化に伴なう樹脂の収縮に
起因して離型マークの不良が発生することが、品質上の
大きな問題となっている。射出された溶融樹脂は、キャ
ビティ内で固化する際に収縮する。この時、成形品に
は、金型のキャビティ成形面からの剥離現象がみられ
る。そして、この成形品が剥離するときに、キャビティ
表面と成形品との間に微小滑りが生じる。成形品の離型
マーク不良の発生は、この微小滑りと、その時の圧力に
関係があり、微小滑りの起ったときに、同時にキャビテ
ィと成形品との間に高圧力が発生していると、成形品に
離型マークの不良が発生することが判明している。この
種の離型マーク不良の発生メカニズムについては、例え
ば、成形加工 １９９３年、「超音波による金型内の固
化挙動」１８４頁に詳細に報告されている。
ディスク成形方法では、冷却固化に伴なう樹脂の収縮に
起因して離型マークの不良が発生することが、品質上の
大きな問題となっている。射出された溶融樹脂は、キャ
ビティ内で固化する際に収縮する。この時、成形品に
は、金型のキャビティ成形面からの剥離現象がみられ
る。そして、この成形品が剥離するときに、キャビティ
表面と成形品との間に微小滑りが生じる。成形品の離型
マーク不良の発生は、この微小滑りと、その時の圧力に
関係があり、微小滑りの起ったときに、同時にキャビテ
ィと成形品との間に高圧力が発生していると、成形品に
離型マークの不良が発生することが判明している。この
種の離型マーク不良の発生メカニズムについては、例え
ば、成形加工 １９９３年、「超音波による金型内の固
化挙動」１８４頁に詳細に報告されている。
【０００４】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の
有する問題点を解消し、射出後の冷却工程での樹脂の挙
動に合せて型締力を調整することにより、成形品の収縮
時に発生する離型マークを未然に防止できるようにした
薄肉円板成形品の成形方法を提供することにある。
有する問題点を解消し、射出後の冷却工程での樹脂の挙
動に合せて型締力を調整することにより、成形品の収縮
時に発生する離型マークを未然に防止できるようにした
薄肉円板成形品の成形方法を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、金型内に形成された薄肉円板状のキャ
ビティに溶融樹脂を射出し、溶融樹脂を冷却固化して薄
肉円板状の成形品を成形する成形方法において、前記キ
ャビティに溶融樹脂を射出する射出工程と、樹脂を冷却
するとともに、冷却工程の終局段階に発生する成形品の
キャビティからの剥離発生にタイミングを合せて、剥離
現象が発生し始める直前から型締力を徐々に低下させる
冷却工程とからなることを特徴とするものである。
めに、本発明は、金型内に形成された薄肉円板状のキャ
ビティに溶融樹脂を射出し、溶融樹脂を冷却固化して薄
肉円板状の成形品を成形する成形方法において、前記キ
ャビティに溶融樹脂を射出する射出工程と、樹脂を冷却
するとともに、冷却工程の終局段階に発生する成形品の
キャビティからの剥離発生にタイミングを合せて、剥離
現象が発生し始める直前から型締力を徐々に低下させる
冷却工程とからなることを特徴とするものである。
【０００６】
【作用】本発明によれば、溶融樹脂を金型キャビティに
射出した後、冷却固化した際にキャビティ面からの剥離
現象が発生し、キャビティ表面と成形品との間に微小滑
りが生じても、このとき、既に型締力が低下してキャビ
ティ表面と成形品との間は低圧になるので、滑りの際の
摩擦力が低下し、離型マークの発生を未然に防止でき
る。
射出した後、冷却固化した際にキャビティ面からの剥離
現象が発生し、キャビティ表面と成形品との間に微小滑
りが生じても、このとき、既に型締力が低下してキャビ
ティ表面と成形品との間は低圧になるので、滑りの際の
摩擦力が低下し、離型マークの発生を未然に防止でき
る。
【０００７】
【実施例】以下、本発明による薄肉円板成形品の成形方
法の一実施例について添付の図面を参照して説明する。
図１は、実施例によるディスク成形品の成形工程におい
て、射出工程、冷却工程の各工程と金型の型締力の関係
を示すタイムチャートである。曲線Ａは、金型の型締力
の変化を表わしている。斜線の領域Ｂは、成形品のキャ
ビティ面からの剥離現象の発生する範囲である。この剥
離現象については、あらかじめ試験的に射出サイクルを
実施して、その射出条件で、成形品が剥離し微小滑りの
生じる範囲がサイクル開始後の経過時間と、圧力との関
係で事前に測定されるものである。
法の一実施例について添付の図面を参照して説明する。
図１は、実施例によるディスク成形品の成形工程におい
て、射出工程、冷却工程の各工程と金型の型締力の関係
を示すタイムチャートである。曲線Ａは、金型の型締力
の変化を表わしている。斜線の領域Ｂは、成形品のキャ
ビティ面からの剥離現象の発生する範囲である。この剥
離現象については、あらかじめ試験的に射出サイクルを
実施して、その射出条件で、成形品が剥離し微小滑りの
生じる範囲がサイクル開始後の経過時間と、圧力との関
係で事前に測定されるものである。
【０００８】射出サイクルの最初は、型締力の上昇を確
認後、溶融樹脂を金型内のキャビティに射出して射出工
程に入る。この射出工程は、型締力を一定に保ったまま
１．０秒継続する。
認後、溶融樹脂を金型内のキャビティに射出して射出工
程に入る。この射出工程は、型締力を一定に保ったまま
１．０秒継続する。
【０００９】次いで、冷却工程では、型締力を射出工程
に較べて低く保ちながら溶融樹脂を冷却して樹脂を固化
せしめる。この冷却工程では、キャビティ内の成形品に
は、冷却固化に伴い収縮が発生するので、成形品の表面
はキャビティ面から剥離していく現象が生じる。そこ
で、剥離現象が発生し始める時点の直前、すなわち、冷
却工程の開始から１．７秒経過した時点で型締力を序々
に低下させる。
に較べて低く保ちながら溶融樹脂を冷却して樹脂を固化
せしめる。この冷却工程では、キャビティ内の成形品に
は、冷却固化に伴い収縮が発生するので、成形品の表面
はキャビティ面から剥離していく現象が生じる。そこ
で、剥離現象が発生し始める時点の直前、すなわち、冷
却工程の開始から１．７秒経過した時点で型締力を序々
に低下させる。
【００１０】このような剥離現象は、冷却工程の終局段
階で発生するが、この剥離現象が生じる時点での型締力
は、十分に低下している。従って、剥離と同時に微小滑
りが発生しても、滑り摩擦力は低いので、離型マークの
不良現象の発生を未然に防止することができる。
階で発生するが、この剥離現象が生じる時点での型締力
は、十分に低下している。従って、剥離と同時に微小滑
りが発生しても、滑り摩擦力は低いので、離型マークの
不良現象の発生を未然に防止することができる。
【００１１】また、冷却工程の終了する時点では、型締
力を０にするように下げていくことにより、圧抜き動作
を完了させられるので、成形サイクルも短くなり、工程
の効率化にも資する。
力を０にするように下げていくことにより、圧抜き動作
を完了させられるので、成形サイクルも短くなり、工程
の効率化にも資する。
【００１２】一方、図２は、実施例と比較するため、従
来のディスク成形品成形工程での型締力の変化を表わし
たタイムチャートである。
来のディスク成形品成形工程での型締力の変化を表わし
たタイムチャートである。
【００１３】樹脂の冷却固化に伴う成形品の収縮による
剥離現象は、型締力の高い時点で発生する。従って、従
来例のように型締力を冷却中に高い圧力に保ったままで
は、成形品とキャビティ表面との間に大きな滑り摩擦力
が働き、離型マークの不良となって現われる。また、剥
離現象の発生する時点に圧抜きのタイミングを合せるこ
とも難しくなる。
剥離現象は、型締力の高い時点で発生する。従って、従
来例のように型締力を冷却中に高い圧力に保ったままで
は、成形品とキャビティ表面との間に大きな滑り摩擦力
が働き、離型マークの不良となって現われる。また、剥
離現象の発生する時点に圧抜きのタイミングを合せるこ
とも難しくなる。
【００１４】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、冷却工程では、冷却工程の終局段階に発生す
る成形品のキャビティからの剥離発生にタイミングを合
せて、剥離現象が発生し始める直前から型締力を徐々に
低下させている。これにより、キャビティ表面と成形品
との間が低圧になって滑りの際の摩擦力が低下するの
で、離型マークの発生を未然に防止するのが可能とな
り、また、成形サイクルの短縮も達成することができ
る。
によれば、冷却工程では、冷却工程の終局段階に発生す
る成形品のキャビティからの剥離発生にタイミングを合
せて、剥離現象が発生し始める直前から型締力を徐々に
低下させている。これにより、キャビティ表面と成形品
との間が低圧になって滑りの際の摩擦力が低下するの
で、離型マークの発生を未然に防止するのが可能とな
り、また、成形サイクルの短縮も達成することができ
る。
【図１】実施例によるディスク成形品の成形工程におい
て、射出工程、冷却工程の各工程と金型の型締力の関係
を示すタイムチャート。
て、射出工程、冷却工程の各工程と金型の型締力の関係
を示すタイムチャート。
【図２】従来のディスク成形品の成形工程での型締力の
変化を対応させたタイムチャート。
変化を対応させたタイムチャート。
Ａ 冷却工程における型締力の変化を示す曲線 Ｂ 成形品とキャビティ面との間に剥離現象の発生する
範囲
範囲
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中 村 秀 一 静岡県沼津市大岡2068の３ 東芝機械株 式会社 沼津事業所内 (56)参考文献 特開 昭62−263017（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−192450（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−246766（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−164550（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−246644（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B29C 45/70 - 45/84
Claims (1)
- 【請求項１】金型内に形成された薄肉円板状のキャビテ
ィに溶融樹脂を射出し、溶融樹脂を冷却固化して薄肉円
板状の成形品を成形する成形方法において、 前記キャビティに溶融樹脂を射出する射出工程と、樹脂
を冷却するとともに、冷却工程の終局段階に発生する成
形品のキャビティからの剥離発生にタイミングを合せ
て、剥離現象が発生し始める直前から型締力を徐々に低
下させる冷却工程とからなることを特徴とする薄肉円板
成形品の成形方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP819095A JP3137860B2 (ja) | 1995-01-23 | 1995-01-23 | 薄肉円板成形品の成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP819095A JP3137860B2 (ja) | 1995-01-23 | 1995-01-23 | 薄肉円板成形品の成形方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08197598A JPH08197598A (ja) | 1996-08-06 |
| JP3137860B2 true JP3137860B2 (ja) | 2001-02-26 |
Family
ID=11686379
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP819095A Expired - Fee Related JP3137860B2 (ja) | 1995-01-23 | 1995-01-23 | 薄肉円板成形品の成形方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3137860B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100376614B1 (ko) † | 1998-06-16 | 2003-03-19 | 스미도모쥬기가이고교 가부시키가이샤 | 사출성형기 |
-
1995
- 1995-01-23 JP JP819095A patent/JP3137860B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08197598A (ja) | 1996-08-06 |
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