JP3137791U - 筋骨格系疾患予防マウスボード - Google Patents

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Abstract

【課題】マウスを操作面に乗せやすく、且つ、マウスボードの向きを変えずに、長時間のマウス操作による手、手首、腕、首筋や肩等に与える疲労の蓄積を未然に防ぎ、マウス症候群等の筋骨格系疾患を予防可能な筋骨格系疾患予防マウスボードを提供する。
【解決手段】マウスをスライドさせたときにマウスボールを回転させるマウス接触面1と、支持手段に載置されて位置を固定させる底面2を有するマウスボードである。マウス接触面1は、底面2に対して5°〜10°のいずれかの角度で傾斜した第1の辺1aと、第1の辺1aと接し且つ底面2に対して3°〜8°のいずれかの角度で傾斜した第2の辺1bと、第1の辺1aと接しないで第2の辺1bと接し且つ底面2に対して10°〜20°のいずれかの角度で傾斜した第3の辺1cと、第2の辺1b及び第3の辺1cと接する第4の辺1dとに囲まれた傾斜面として形成されている。
【選択図】図1

Description

本考案は、マウスの操作時に使用する筋骨格系疾患予防マウスボードに関する。
一般に、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置における表示画面上で入出力指示を行なうための装置として、マウスが用いられている。
マウスは、操作者の手のひらで把持し易いように形成された曲面形状の把持部と平坦な底面部を持つハウジングの内部にマウスボールと、マウスボタンを備えている。マウスボールは、マウスの底面から少し飛び出しており、マウスに対して回転することにより、表示画面上に表示されているマウスポインタを移動させることができるように構成されている。マウスボタンは、クリックすることで、情報処理装置本体に所定の入出力指示を行なうことができるように構成されている。
また一般に、マウスボールの回転をスムーズにしてマウスポインタを所望の位置に移動させ易くするための部材として、マウスパッドが用いられている。
マウスパッドは、パーソナルコンピュータ等を操作するためのキーボードの近傍に配置して使用される平坦なシート状部材であり、上面が粗面に形成された操作面となっている。そして、マウスボールと操作面との間の摩擦抵抗を大きくすることで、マウスを操作面に接触させた状態でスライドさせたときにマウスボールを滑ることなく回転させて、マウスの移動量及び移動方向に対応した所望の位置にマウスポインタを移動させることができるように構成されている。
ところで、人間の腕は、楽な姿勢で前方に置いた場合、親指側が小指側よりも高い位置に位置するように、手のひらが斜めの方向を向く。これに対し、従来一般の平坦なシート状のマウスパッドでは操作面が水平となる。このため、操作者は、従来一般のマウスパッドの操作面上でマウスを操作する場合、手のひらが下方向を向くように、手首や腕を捻る必要がある。その結果、従来一般の水平な操作面を持つマウスパッドを用いてマウスを長時間操作すると、手、手首、腕、ひいては首筋や肩に疲労が蓄積して痛みや痺れを生じ、職業病としていわゆるマウス症候群等の筋骨格系疾患を発症し易いといった問題がある。
従来、この問題を緩和するための一手段として、リストレストが提案されている。
しかし、パーソナルコンピュータのキーボードの周囲にリストレストを配置するスペースが不足し、また、リストレストを配置することによりマウスの操作スペースが狭くなる等の問題がある。
そこで、従来、リストレストを用いることなく、上記筋骨格系疾患の問題を解消するために、実用新案登録第3038777号公報や特開平11−24836号公報において、操作面が底面に対して傾斜をつけられたマウスパッドが提案されている。
これらの公報によれば、マウスパッドに傾斜面をつけることにより、マウスを把持したときに操作者の腕が捻られることなく手のひらを自然な状態にすることができ、マウスを操作するときの手首や腕にかかる負担が軽減できる旨が記載されている。
ところで、人間工学的にみた場合、マウスを操作する操作者の肉体的負担を極力軽減するためには、マウスを把持したときの操作者の手のひらが自然な状態になるようにするための手段に加えて、マウスの操作方向に対する疲労度の分析を行なうことも重要である。
即ち、マウスを操作する場合において、マウスを把持するために前方に突き出したときの腕の捻れや手のひらの角度とともに、マウスを移動させる方向及びそれぞれの移動方向において最も腕や手首に疲労感を与えない腕及び手のひらの角度等についても考慮する必要がある。
しかし、上記実用新案登録第3038777号公報や特開平11−24836号公報に記載のマウスパッドは、マウスを把持するために前方に手を置いたときに自然な姿勢となるようにすることについてのみ配慮されたものとなっており、マウスを移動させる方向及びそれぞれの移動方向において腕や手首に疲労感を与えないようにするための腕及び手のひらの角度について配慮されたものとはなっていない。
これでは、単にマウスを把持した状態でマウスを移動させない場合や、短時間マウスを操作する場合においては、腕や手首等にかかる負担を軽減することができるものの、長時間マウスを操作していろいろな方向にマウスを移動させた場合には、腕や手首等に対する負担を軽減させることができず疲労が蓄積されてしまう。
また、手のひらが常に斜めを向くような姿勢をとっても、同じ姿勢をとり続けると却って腕や手首等に負担かかかって疲労が蓄積する。しかし、上記公報に記載のマウスパッドは、一方向に傾斜面が設けられており、同じ姿勢をとり続けることにより蓄積される疲労を軽減することについて配慮されたものとなっていない。
なお、実用新案登録第3038777号公報には、机上に載置するマウスパッドの向きを任意の方向に変えることにより、操作者の手のひらを様々な方向に向けることができ、操作者にとって気分転換となる旨が記載されている。
しかし、実際のマウス操作において、操作者がマウスパッドの向きを頻繁に変えるのは煩雑であり、操作者は長時間のマウス操作中、腕や手首等に相当の疲労感を感じなければ、マウスパッドの向きを変えることなくそのままの姿勢でマウス操作を続けてしまい易い。
このため、実用新案登録第3038777号公報に記載のマウスパッドでは、長時間のマウス操作による腕や手首等への疲労が蓄積してから操作者がマウスパッドの向きを変えることになり、長時間のマウス操作による腕や手首等に与える疲労の蓄積を未然に防ぐことが難しい。
また、マウスパッドの操作面に傾斜をつけた場合、操作者が操作をしないときのマウスは、マウスパッドの傾斜面の下方に安定配置される。
しかるに、上記実用新案登録第3038777号公報や特開平11−24836号公報に記載のマウスパッドでは、マウスを把持するために前方に手を置いたときに自然な姿勢となる手のひらを斜めに向けた方向に沿った傾斜面の下方にマウスは配置されることになる。
その場合、操作者は、マウスをマウスパッドの側方から操作面の上に乗せることになる。
しかし、人間工学的にみた場合、操作者にとっては、マウスをマウスパッドの手前から操作面の上に乗せるほうが操作し易い。
すなわち、上記実用新案登録第3038777号公報や特開平11−24836号公報に記載のマウスパッドは、人間工学的に見た場合、マウスをスライドさせながらマウスパッドの操作面の上に配置させ易い方向について配慮されたものとなっていない。
このように、上記実用新案登録第3038777号公報や特開平11−24836号公報に記載のマウスパッドでは、マウスの操作に関し、マウスを把持したときに操作者の腕が捻られることなく手のひらを自然な状態にしてマウスを把持するときに手首や腕にかかる負担を幾分軽減できるに過ぎず、マウスを任意の方向に操作するときに手首や腕にかかる負担を最大限に軽減することができず、しかも、マウスを長時間操作する場合において同じ姿勢をとり続けることによる疲労の蓄積を防止することもできない。さらには、上記実用新案登録第3038777号公報や特開平11−24836号公報に記載のマウスパッドは、マウス操作開始時にマウスをマウスパッドに乗せ易いものにもなっていない。
これでは、操作者のマウス操作による手、手首、腕、ひいては首筋や肩等に与える疲労の蓄積を未然に防ぐことができず、職業病としてのいわゆるマウス症候群等の筋骨格系疾患を発症してしまう危険性が高い。
本考案は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、マウス操作開始時にマウスを操作面に乗せやすく、且つ、マウスボードの向きを変えることなく、長時間のマウス操作による手、手首、腕、ひいては首筋や肩等に与える疲労の蓄積を未然に防ぐことができ、職業病としてのいわゆるマウス症候群等の筋骨格系疾患を予防することが可能な筋骨格系疾患予防マウスボードを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本考案による筋骨格系疾患予防マウスボードは、マウスをスライドさせたときにマウスボールを回転させるマウス接触面と、支持手段に載置されることによって位置を固定させる底面を有するマウスボードであって、前記マウス接触面は、前記底面に対して5°〜10°のいずれかの角度で傾斜した第1の辺と、前記第1の辺と接し且つ前記底面に対して3°〜8°のいずれかの角度で傾斜した第2の辺と、前記第1の辺と接しないで前記第2の辺と接し且つ前記底面に対して10°〜20°のいずれかの角度で傾斜した第3の辺と、前記第2の辺及び前記第3の辺と接する第4の辺とに囲まれた傾斜面として形成されていることを特徴としている。
また、本考案による筋骨格系疾患予防マウスボードは、マウスをスライドさせたときにマウスボールを回転させるマウス接触面と、支持手段に載置されることによって位置を固定させる底面を有するマウスボードであって、前記マウス接触面は、左右のいずれか一方向から他方向へ行くにしたがって高くなるように前記底面に対して3°〜8°のいずれかの角度で傾斜し、且つ、手前から奥に行くにしたがって高くなるように前記底面に対して5°〜10°のいずれかの角度で傾斜した、平坦な傾斜面として形成されていることを特徴としている。
本考案によれば、マウス操作開始時にマウスを操作面に乗せやすく、且つ、長時間のマウス操作による手、手首、腕、ひいては首筋や肩等に与える疲労の蓄積を未然に防ぐことができ、職業病としてのいわゆるマウス症候群等の筋骨格系疾患を予防することが可能な筋骨格系疾患予防マウスボードが得られる。
図1は本考案の一実施形態にかかる筋骨格系疾患予防マウスボードの構成を示す斜視図である。なお、図1では便宜上、右利き用の筋骨格系疾患予防マウスボードとして示してある。
本実施形態の筋骨格系疾患予防マウスボードは、操作面としてのマウス接触面1と、底面2を一体的に有している。
マウス接触面1は、マウスを接触させた状態で移動させたときにマウスボールを回転させてマウスポインタを移動させ易くなるような大きさの摩擦抵抗を持つ粗面を備えている。底面2は、パーソナルコンピュータやキーボード等を載置する支持手段としての机等に載置して位置を固定しやすくなるような大きさの摩擦抵抗を持つ粗面を備えている。
なお、本実施形態のマウスボードに用いる素材は、従来公知のマウスパッドに用いられている素材であればどのような素材を用いてもよい。
本実施形態のマウスボードは、以下の構成において、従来の操作面が水平なマウスパッドや実用新案登録第3038777号公報及び特開平11−24836号公報に記載のマウスパッドにはない特徴を有している。
マウス接触面1は、底面2に対して5°〜10°のいずれかの角度θ1(例えば、5°)で傾斜した第1の辺1aと、第1の辺1aと接し且つ底面2に対して3°〜8°のいずれかの角度θ2(例えば、3°)で傾斜した第2の辺1bと、第1の辺1aと接しないで第2の辺1bと接し且つ底面2に対して10°〜20°のいずれかの角度θ3(例えば、10°)で傾斜した第3の辺1cと、第2の辺1b及び第3の辺1cと接する第4の辺1dとに囲まれた傾斜面として形成されている。
本件考案者は、人間工学的な見地から、操作者が長時間マウスを操作するときにおいて、手、腕、手、手首、腕、ひいては首筋や肩に最も負担のかからないマウスボードの傾斜角度、傾斜面について鋭意研究を行った。その結果、マウス接触面1を構成する辺1a,1b,1cが上述のような角度を備えている場合に、手、腕、手、手首、腕、ひいては首筋や肩に最も負担のかからないことが判明した。
人間の腕は、マウスを把持するために前方に突き出したとき、親指側が小指側よりも高い位置に位置するように、手のひらが斜めの方向を向く。
従って、マウスを把持した状態では、マウスボードには、手のひらが斜めの方向を向くように、マウス接触面1に傾斜をつける必要がある。
また、操作者がマウスをスライドさせる方向は、前後ばかりではなく左右方向、さらにはそれらを組合せた方向と様々である。即ち、仮に、マウス接触面1の傾斜方向を手のひらが斜めの方向を向くような方向のみにつけたとすると、操作者からみて左右方向のみに傾斜がついたマウスボードとなる。しかし、前後方向にマウスを移動させた場合、手を前後に移動させることになるため、腕や肘に負担がかかる。
しかるに、本件考案者は、マウスボードを手前から奥に向かうにしたがって高くなるように所定の傾斜をつけると、手を前後に移動させる量を極力減らしてマウスを前後にスライドさせることができることに想到した。
さらに、本件考案者は、そのような左右及び前後に傾斜角度をつけたマウスボードにマウスをスライドさせて載置し易い位置について研究した。その結果、操作者が右利きの場合には右斜め前方から(左利きの場合には左斜め前方から)、マウスをスライドさせてマウスボードに載置するようにするのが、操作者の腕や肘にかかる負担が最も少ないことがわかった。
これらの研究結果に基づき、本件考案者は、さらに、マウス接触面1に設ける理想的な傾斜角度について試行錯誤を重ねた結果、上述のような範囲で傾斜角度を設けたマウスボードを想到した。
本実施形態のマウスボードを使用する場合、第1の辺1aが操作者からみた左右方向に沿う方向となるように配置する。このように配置すると、操作者はマウスを把持した状態でマウスを第1の辺1aと第2の辺1bとが接触する部位近傍からスライドさせて操作面1の上に載置することができる。このような動きをすれば、手の移動量を最小限に抑えることができ、操作者の手、腕、肘にかかる負担は極力軽減される。
次に、この状態から、操作者は、前後左右にマウスを移動させて操作する。マウスを左右方向に移動させた場合には、第1の辺1a及び第3の辺1cに設けた傾斜により、操作者は、手のひらが下方向を向いた自然な状態を維持することができる。
また、マウスを前後方向に移動させた場合には、第2の辺1bに設けた傾斜により、操作者は、手を突き出す量を極力抑えることができ、腕や肘にかかる負担を極力軽減することができる。
実際には、さらに、左右方向と前後方向とが組み合わさった方向にマウスを移動させる場合が多くなるが、上述したように、左右方向、前後方向それぞれに手、腕、肘にかかる負担を軽減した姿勢を保つことができる。
また、長時間のマウス操作をする場合において、手や腕の方向が一定に維持され続けると、却って疲労が蓄積されてしまうが、本実施形態のマウスボードでは、マウス接触面1の左右方向、前後方向それぞれに所定の傾斜角度を付けてあるため、マウス操作中において前後、左右の方向が切り替わるたびに手や腕の方向が所定量変化する。この変化が、手首や腕に対し、適度なリラックス効果を与えることになる。
このため、本実施形態のマウスボードによれば、マウスを操作面に乗せやすく、且つ、マウスボードの向きを変えることなく、長時間のマウス操作による手、手首、腕、ひいては首筋や肩等に与える疲労の蓄積を未然に防ぐことができ、職業病としてのいわゆるマウス症候群等の筋骨格系疾患を予防することが可能となる。
なお、本実施形態のマウスボードにおけるマウス接触面1に設ける傾斜角度θ1,θ2,θ3は、それぞれの辺1a,1b,1cが上述したそれぞれの範囲のいずれかの角度であれば、どのような角度でも適用できる。
また、本実施形態のマウスボードにおけるマウス接触面1を、第1の辺1aが底面2に対して3°〜8°のいずれかの角度θ1で傾斜し、且つ、第2の辺1bが5°〜10°のいずれかの角度θ2で傾斜した、平坦な傾斜面として形成してもよい。このようにしても、本実施形態において上述したマウスボードとほぼ同様な効果が得られる。
また、本実施形態では、第1の辺1aが右から左へ行くにしたがって高くなるように傾斜した右利き用のマウスボードについて説明したが、左利き用のマウスボードについても同様の作用効果が得られる。左利きのマウスボードの場合は、第1の辺1aを左から右へ行くにしたがって高くなるように傾斜させるとともに、第2の辺1bと第4の辺1dの位置を図1の構成と入れ替えればよい。
本考案は、特に、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置における表示画面上で長時間マウスを用いて入出力指示を行なうことが必要とされる分野に有用である。
本考案の一実施形態にかかる筋骨格系疾患予防マウスボードの構成を示す斜視図である。
符号の説明
1 マウス接触面
1a 第1の辺
1b 第2の辺
1c 第3の辺
1d 第4の辺
2 底面

Claims (2)

  1. マウスをスライドさせたときにマウスボールを回転させるマウス接触面と、支持手段に載置されることによって位置を固定させる底面を有するマウスボードであって、
    前記マウス接触面は、前記底面に対して5°〜10°のいずれかの角度で傾斜した第1の辺と、前記第1の辺と接し且つ前記底面に対して3°〜8°のいずれかの角度で傾斜した第2の辺と、前記第1の辺と接しないで前記第2の辺と接し且つ前記底面に対して10°〜20°のいずれかの角度で傾斜した第3の辺と、前記第2の辺及び前記第3の辺と接する第4の辺とに囲まれた傾斜面として形成されていることを特徴とする筋骨格系疾患予防マウスボード。
  2. マウスをスライドさせたときにマウスボールを回転させるマウス接触面と、支持手段に載置されることによって位置を固定させる底面を有するマウスボードであって、
    前記マウス接触面は、左右のいずれか一方向から他方向へ行くにしたがって高くなるように前記底面に対して3°〜8°のいずれかの角度で傾斜し、且つ、手前から奥に行くにしたがって高くなるように前記底面に対して5°〜10°のいずれかの角度で傾斜した、平坦な傾斜面として形成されていることを特徴とする筋骨格系疾患予防マウスボード。
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