JP3137690U - 荷役車両用リフトシリンダの支持構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フォークリフト等の荷役車両におけるリフトシリンダ支持構造において、部品点数を削減する。
【解決手段】 フォークリフトにおいてリフトシリンダ1を固定マスト2に支持させるための支持構造において、リフトシリンダ1の上部に配置されたシリンダキャップ10の外周に凹溝10aを形成するとともに、凹溝10aに係合し得るU字状の湾曲部とその両端にそれぞれ形成されたネジ部31とからなるUボルト30を有し、固定マスト2の側に係止されるクランプ部材3を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 フォークリフトにおいてリフトシリンダ1を固定マスト2に支持させるための支持構造において、リフトシリンダ1の上部に配置されたシリンダキャップ10の外周に凹溝10aを形成するとともに、凹溝10aに係合し得るU字状の湾曲部とその両端にそれぞれ形成されたネジ部31とからなるUボルト30を有し、固定マスト2の側に係止されるクランプ部材3を設ける。
【選択図】 図1
Description
本考案は、フォークリフト等の荷役車両におけるリフトシリンダ支持構造に関する。
一般に、フォークリフト等の荷役車両の昇降装置は、車両前部に固定された左右の固定マスト(外枠)と、固定マストの間に配置され、固定マストに沿って昇降自在な左右の可動マスト(内枠)と、可動マストを昇降させるための左右のリフトシリンダと、可動マストに沿って昇降自在に設けられ、フォークを有する昇降体と、昇降体を昇降させるためのリフトチェーンとを備えている。リフトシリンダの上部および下部は固定マストに支持されており、ピストンロッドの先端は可動マストに係止されている。
この構成により、リフトシリンダのピストンロッドが上下動すると、可動マストが昇降するとともに、リフトチェーンを介してフォークが昇降するようになっている。
従来、リフトシリンダ上部の固定マストへの支持は、特開平1−256500号公報の第1図および特開平8−91791号公報の図3に示すように、リフトシリンダの外周面に沿ってUボルトのU字状の湾曲部を当接させるとともに、Uボルト両端のネジ部を固定マスト側のブラケットにナットで固定し、当該ナットを締め込んでUボルトの湾曲部をリフトシリンダの外周面に押圧させることにより、行っていた。
このような従来の支持構造では、U字状の湾曲部をリフトシリンダの外周面に締め付けているだけなので、リフトシリンダを前後および左右方向に支持することはできても、上下方向(軸方向)の支持は十分とはいえず、リフトシリンダの下部が固定マストから上方に抜け出る恐れがあった。
そこで、リフトシリンダ下部を固定マストに支持させる際には、図4に示すように、左右の固定マスト(図示せず)の各下部を連結するロアステー(シリンダサポート部)120に貫通穴120aを形成するとともに、リフトシリンダ100の下部のテール部101の下面に雌ネジ101aを形成し、ロアステー120の下面から貫通穴120aにセットボルト130を挿入して、セットボルト130のネジ部をリフトシリンダ100のテール部下面の雌ネジ101aにねじ込むようにしており、これにより、リフトシリンダ100のロアステー120からの抜けを防止していた。
また、特開2000−344492号公報の図1に示すものでは、リフトシリンダのテール部下面に凸部を設け、該凸部を、ロアステーに形成した貫通穴に挿入するとともに、該凸部の下面に規制板をボルト締めすることにより、リフトシリンダのテール部をロアステーに支持させて、リフトシリンダの抜け止めを行っていた。
特開平1−256500号公報(第1図参照)
特開平8−91791号公報(図3参照)
特開2000−344492号公報(図1参照)
しかしながら、前記従来の支持構造では、リフトシリンダのロアステーからの抜け止めのために、セットボルト(またはボルト)や規制板が別個必要になり、部品点数が多かった。また、セットボルトを用いていることでリフトシリンダの着脱の度にセットボルトを締め付けたり緩めたりする必要があり、リフトシリンダの取付けおよび取外しが面倒であった。
本考案は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、本考案が解決しようとする課題は、部品点数を削減できるリフトシリンダの支持構造を提供することにある。また、本考案は、荷役車両用リフトシリンダの取付けおよび取外しを簡単に行える、リフトシリンダの支持構造を提供しようとしている。
請求項1の考案は、荷役車両のリフトシリンダを固定マストに支持させるためのリフトシリンダ支持構造において、リフトシリンダ上部に形成した凹溝に係合する係合部を有するクランプ部材を備えており、該クランプ部材は、固定マストの側に係止されており、係合部を凹溝に締着させている。
請求項1の考案においては、固定マストの側に係止されるクランプ部材の係合部が、リフトシリンダ上部に形成された凹溝に係合して締着している。これにより、リフトシリンダがシリンダ長手方向(軸方向)に移動しようとしても、クランプ部材の係合部がシリンダ上部の凹溝の側壁面と干渉することによって、リフトシリンダのシリンダ長手方向の移動を規制できる。
この場合には、クランプ部材によって、リフトシリンダの前後・左右方向の支持のみならず、長手方向の支持をも行うことができるので、リフトシリンダの抜け止めのためにリフトシリンダの下端にセットボルト等を用いる必要がなくなり、これにより、部品点数を削減できる。また、その結果、リフトシリンダの取付けおよび取外しの際にセットボルト等の着脱が不要となるので、リフトシリンダの取付けおよび取外しを簡単に行えるようになる。
請求項2の発明では、請求項1において、凹溝が、リフトシリンダの上部に配置されたシリンダキャップに形成されている。
請求項3の発明では、請求項2において、凹溝が、シリンダキャップの外周に形成された円周溝である。
請求項4の発明では、請求項1において、クランプ部材の係合部が、凹溝に係合し得るU字状の湾曲部から構成されている。
請求項5の発明では、請求項4において、係合部が、湾曲部の両端にそれぞれネジ部を有するUボルトまたはUバンドである。
請求項6の発明では、請求項1において、荷役車両がフォークリフトである。
以上のように、本考案に係るリフトシリンダ支持構造によれば、固定マストの側に係止されるクランプ部材の係合部を、リフトシリンダ上部に形成した凹溝に係合させて締着させるようにしたので、リフトシリンダの抜け止めのためにセットボルト等を用いることなく、クランプ部材によってリフトシリンダのシリンダ長手方向の移動を規制できるようになり、これにより、部品点数を削減できる。また、リフトシリンダの取付けおよび取外しの際にセットボルト等の着脱が不要となるので、リフトシリンダの取付けおよび取外しを簡単に行えるようになる。
以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図3は、本考案の一実施例によるリフトシリンダ支持構造を説明するための図であって、図1は本実施例による支持構造を適用したリフトシリンダを固定マストとともに示す側面図、図2は図1のII-II線断面図、図3はクランプ部材の分解組立図である。ここでは、荷役車両として、フォークリフトを例にとって説明する。
図1に示すように、フォークリフトの可動マスト(図示せず)を昇降させるためのリフトシリンダ1が上下方向に配設されている。リフトシリンダ1のピストンロッド1aの先端は、可動マストに係止されている。リフトシリンダ1の上部には、シリンダキャップ10が配置されている。シリンダキャップ10の外周には、円周状の凹溝10aが形成されている。また、リフトシリンダ1の下部には、テール部11が配置されており、テール部11の端面11aには、軸方向下方に突出する円柱状の突出部11aが形成されている。
一方、リフトシリンダ1の側方には、固定マスト2が上下方向に配設されている。固定マスト2は、フォークリフトの前部において左右にそれぞれ設けられており、左右の固定マスト2は、それぞれの下部に配設されたロアステー20により互いに連結されている。ロアステー20には、リフトシリンダ下端の突出部11aが嵌入し得る貫通孔20aが形成されている。
リフトシリンダ上部の凹溝10aと固定マスト2との間には、リフトシリンダ上部を固定マスト2に支持させるためのクランプ部材3が設けられている。
クランプ部材3は、図2に示すように、リフトシリンダ1の凹溝10aと係合する係合部としてのUボルト30を有している。Uボルト30は、金属製の丸棒をU字状に湾曲させた部材であって、その両端にそれぞれネジ部31が形成されている。なお、U字状に湾曲する係合部としては、図3に示すようなUバンド30であってもよい。Uバンド30は、金属製の帯板をU字状に湾曲させた部材であって、その両端にそれぞれボルト(ネジ部)31が固着されている。図2および図3に示すものでは、係合部30として、Uボルトを用いているか、あるいはUバンドを用いているかの違いがあるだけであって、その他は同様の構成を有している。
図2および図3に示すように、リフトシリンダ1を挟んでUボルト(またはUバンド)30の逆側には、Uボルト30の両端を連結する連結プレート32が配置されている。連結プレート32は、図示していないが、固定マスト2に係止されている。連結プレート32には、Uボルト30のネジ部31が挿通する一対の貫通孔32aが形成されている。また、各貫通孔32aの間には、プレッシャーボルト36が螺合する雌ネジ32bが形成されている。
リフトシリンダ1と連結プレート32との側には、プレッシャーボルト36の先端が当接するプレッシャープレート33が配置されている。プレッシャープレート33の両端には、Uボルト30のネジ部31が挿通する切欠き33aが形成されている。また、プレッシャープレート33の内側には、リフトシリンダ1の凹溝10aの外周面に当接する凹面34aを有するクッション材34が固着されている。
リフトシリンダ1にクランプ部材3を組み付ける際には、図3に示すように、リフトシリンダ1の固定マスト側に配置された連結プレート32の内側にプレッシャープレート33を配置するとともに、リフトシリンダ1を挟んで固定マスト側と逆側にUボルト30を配置し、Uボルト30のネジ部31をプレッシャープレート33の切欠き33aおよび連結プレート32の貫通孔32aに挿入して、ネジ部31の先端にナット35を嵌めて締め込む。これにより、クランプ部材3がリフトシリンダ1の凹溝10aに係合するとともに、クランプ部材3が固定マスト2の側に係止される。
次に、連結プレート32の雌ネジ32bにプレッシャーボルト36を螺合してねじ込む。プレッシャーボルト36をねじ込むにつれて、プレッシャーボルト36の先端がプレッシャープレート33の中央部に圧接し、これにより、プレッシャープレート内側のクッション材34の凹面34aがリフトシリンダ1の凹溝10aの外周面の一方の側に圧接する。その一方、プレッシャーボルト先端がプレッシャープレート33を押圧すると、その反作用として、連結プレート32がプレッシャープレート33から離れる側に力を受け、その結果、Uボルト30の湾曲部の内周面がリフトシリンダ1の凹溝10aの外周面の前記一方の側と逆側に圧接して、Uボルト30の湾曲部が凹溝10aに締着される。
このようにして、リフトシリンダ1の凹溝10aがクランプ部材3で挟持されて、リフトシリンダ1がクランプ部材3を介して固定マスト2に支持されることになる。
この場合には、固定マスト2の側に係止されるクランプ部材30の係合部が、リフトシリンダ上部に形成された凹溝10aに係合して締着している。これにより、リフトシリンダ1がシリンダ長手方向(軸方向)に移動しようとしても、クランプ部材30の係合部がシリンダ上部の凹溝10aの側壁面と干渉することによって、リフトシリンダ1のシリンダ長手方向の移動を規制できる。
この場合には、クランプ部材3がリフトシリンダ1の凹溝10aに係合することによって、リフトシリンダ1の前後・左右方向の支持のみならず、長手方向(軸方向)の支持をも行うことができるので、リフトシリンダ1の抜け止めのためにリフトシリンダ1の下端にセットボルト等を用いる必要がなくなる。これにより、部品点数を削減できる。また、その結果、リフトシリンダ1の取付けおよび取外しの際にセットボルト等の着脱が不要となるので、リフトシリンダ1の取付けおよび取外しを簡単に行えるようになる。
なお、前記実施例では、凹溝10aが、リフトシリンダ上部のシリンダキャップ10に形成された例を示したが、本考案の適用はこれに限定されず、凹溝10aは、シリンダキャップ以外のシリンダ上部に形成するようにしてもよい。
前記実施例では、凹溝10aが、シリンダキャップ10の全周に形成された円周溝である場合を例にとって説明したが、凹溝10aは、シリンダキャップ10の外周の一部に形成するようにしてもよい。
また、前記実施例では、荷役車両としてフォークリフトを例にとって説明したが、本考案は、フォークリフト以外の他の荷役車両にも同様に適用可能である。
1: リフトシリンダ
10: シリンダキャップ
10a: 凹溝
2: 固定マスト
3: クランプ部材
30: Uボルト(係合部)
31: ネジ部
10: シリンダキャップ
10a: 凹溝
2: 固定マスト
3: クランプ部材
30: Uボルト(係合部)
31: ネジ部
Claims (6)
- 荷役車両においてリフトシリンダを固定マストに支持させるための支持構造において、
前記リフトシリンダの上部に形成された凹溝と、
前記凹溝に係合する係合部を有し、前記固定マストの側に係止されるとともに前記係合部を前記凹溝に締着するためのクランプ部材とを備え、
前記クランプ部材の前記係合部が前記リフトシリンダの前記凹溝に係合して締着されている、
ことを特徴とする荷役車両用リフトシリンダの支持構造。 - 請求項1において、
前記凹溝が、前記リフトシリンダの上部に配置されたシリンダキャップに形成されている、
ことを特徴とする荷役車両用リフトシリンダの支持構造。 - 請求項2において、
前記凹溝が、前記シリンダキャップの外周に形成された円周溝である、
ことを特徴とする荷役車両用リフトシリンダの支持構造。 - 請求項1において、
前記クランプ部材の前記係合部が、前記凹溝に係合し得るU字状の湾曲部から構成されている、
ことを特徴とする荷役車両用リフトシリンダの支持構造。 - 請求項4において、
前記係合部が、前記湾曲部の両端にそれぞれネジ部を有するUボルトまたはUバンドである、
ことを特徴とする荷役車両用リフトシリンダの支持構造。 - 請求項1において、
前記荷役車両がフォークリフトである、
ことを特徴とする荷役車両用リフトシリンダの支持構造。
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JP2007007315U JP3137690U (ja) | 2007-09-21 | 2007-09-21 | 荷役車両用リフトシリンダの支持構造 |
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