JP3137050U - 食品加工プラント用oリング - Google Patents

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Abstract

【課題】配管中を流れる流体の抵抗にならず、そのうえ、メッシュが目詰まりを起こすことがなく、Oリングの経年劣化に起因する局所的な崩壊に伴う異物の混入を確実に防ぐことができる食品加工プラント用配管継手に適用されるOリングを提供すること。
【解決手段】ゴムまたはPTFEと、該ゴムまたはPTFEに混入された黒色酸化鉄粉とからなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本考案は、食品加工プラント用Oリングに関する。
Oリングやシール材は、プレス加硫されたシート状のゴム材料から打抜きなどの加工により製造される。素材として使用されるゴムは、耐油性のNBRが多く、他にSBR、NR、CR、EPDM、11Rや特殊用として、FR、Siなどがあげられる。またパッキン材およびシール材の必要性として使用目的に応じて、耐油性を必要としないものに用いるもの、耐油性が優れているものに用いるもの、耐熱・耐寒性が優れているものに用いるもの、耐熱性と耐油性が優れているものに用いるものに大別されている。
そして、シール特性を良くするため、面圧分布をコンスタントにするゴム材の中に磁性粉を混入させ、シール面に接する鉄系材料の密着性を良くしたものもある。
通常、ゴム内に磁性粉を混入させたタイプのパッキング・シール材は、ゴム材と磁性粉を混ぜる場合、ゴムをネリ上げる際に磁性粉を混入させ、これをプレス加工してシート状とし、これから打抜き加工で製造されるが、磁性粉を混入したパッキング・シール材を管継手など使用した場合、シール材が磁性を帯びているため、冷却水路や潤滑通路を流れる流体中のアカサビや鉄系摩耗粉などがシール材に付着して通路が狭くなったり、継手間のスキマを腐蝕させやすくするなどの問題が生じる。
たとえば、特許文献1記載の考案では、ディスク状のキャビテイが形成された金型内に粉体を充填し成型したディスク状のパッキン・シール材において、磁性粉を含んだゴム粒子をディスク状のキャビテイの底面と外周面に接するように充填し、他方ゴム材料を上面と内周面に接するように充填してこれらを一体成形されてなるものとしている。
特許文献1記載の考案は、かかる構成により、パッキン材は、その表裏いずれかとその外周面は磁性粉を含んだ磁性シール層であり、継手に装着したときにその磁力により密着が良好となり、また内周面は通常のゴム層からなるため、流体中のアカサビや鉄系摩耗粉などが付着することがなくなるというものである。
特開平5−172253号公報
叙上のとおり、内燃機関、発電用蒸気プラント、原子力プラントなどの燃料、潤滑油、冷却水、蒸気用のいわゆる一般配管に使用される継手のシール用のパッキンでは、シール特性をより良くすることを技術的課題としているのであるが、飲料水、酒、味醂、醤油、ソース、酢、ケチャップなどの食品加工装置に用いられる食品加工プラント用配管継手に適用されるOリングには、叙上の一般配管用継手に適用されるOリングに要求されるシール特性以上に、Oリング自体の経年劣化に起因する局所的な崩壊に伴う異物が混入されないことが求められている。
しかし、食品加工プラントの場合、プラントを定期的に停止して、配管および継手を保守点検することによってパッキンの経年劣化の有無を目視により確認し、配管系統に配設された濾過器(strainer)によって異物を除去しているが、メッシュが大きければ異物がメッシュを通過し、異物の混入が避けられず、メッシュを小さくすると、配管中を流れる流体の抵抗になり、そのうえ、メッシュが目詰まりを起こすという問題がある。
そこで、本考案は、配管中を流れる流体の抵抗にならず、そのうえ、メッシュが目詰まりを起こすことがなく、Oリングの経年劣化に起因する局所的な崩壊に伴う異物の除去を確実にする食品加工プラント用配管継手に適用されるOリングを提供することを目的とするものである。
本考案の食品加工プラント用Oリングは、ゴムまたはPTFEと、該ゴムまたはPTFEに混入された黒色酸化鉄粉とからなることを特徴とする。
また、前記黒色酸化鉄粉のゴムまたはPTFEに対する配合率が10〜30重量%であることが好ましい。
また、前記黒色酸化鉄粉の粒径が0.1〜1μmであることが好ましい。
本考案によれば、配管中を流れる流体の抵抗にならず、そのうえ、メッシュが目詰まりを起こすことがなく、Oリングの経年劣化に起因する局所的な崩壊に伴う異物の除去を確実にする食品加工プラント用配管継手に適用されるOリングを提供することができる。
添付図面を参照しつつ本考案の食品加工プラント用Oリング(以下、Oリングという)について、以下に詳細に説明する。
図1は、本考案のOリングの一例を示す説明図であり、(a)は(b)のA−A線断面説明図である。図2は、図1のOリングが使用された食品加工プラント用配管継手構造体を示す説明図である。
図1において、参照符号1は本考案のOリングを示しており、参照符号1aは環状体、参照符号Fは黒色酸化鉄粉(Fe34)をそれぞれ示している。
図1を参照すると、本実施の形態にかかわるOリング1は、円形断面を有する環状体1aから構成されている。
そして、当該Oリング1は、ゴムまたはPTFEと、該ゴムまたはPTFEに均一に混入された黒色酸化鉄粉とから構成される。
ゴム材としては、例えば、シリコーンゴム、EPDM、IIR、NBR、CR、FRのほか、エラストマーなどがあり、樹脂材としてPTFEなどが採用され得る。本考案のOリングが食品加工プラントのシール材として使用されることからシリコーンゴム、EPDM、FRなどのゴム材と、PTFEが樹脂材として好適に採用される。
黒色酸化鉄粉Fのゴムに対する配合率としては、10〜30重量%が採用される。
黒色酸化鉄粉Fの粒径としては、0.1〜1μmの範囲のものが採用されるため、粒径が非常に小さいため、ゴムに混ぜやすいという利点と、酸化しているため耐酸性があり、さびにくいという利点があり、着磁性にすぐれ、磁力を受けやすいというさらなる利点がある。黒色酸化鉄粉は市販されているものを採用することができる。
つぎに図2を参照すると、本考案の食品加工プラント用配管継手構造体は、隣り合う2つの配管P1、P2と、当該隣り合う2つの配管P1、P2のそれぞれの端部に設けられたフランジ継手f1、f2と、前記フランジ継手f2の間に挟持されたOリング1とから構成される。
そして、Oリング1の環状体1aは、前記フランジ継手f1、f2の対向する面に略円形状に設けられた溝gに嵌入され、ボルトナット(図示されず)など従来より公知の締結手段によって挟持される。
また、図2に示されるような食品加工プラント用配管継手構造体を採用すると、少なくともプラントを頻繁に停止して、配管および継手を保守点検する必要はなくなる。配管系統には、濾過器(図示されず)が配設されてはいるが、Oリング1が局所的に崩壊して生じた異物は、配管系統内に磁石が設けられたトラップ(trap)(図示されず)を配設しておくと、Oリング1には磁性粉が含まれているため、当該異物はトラップによって確実に捕捉される。このため、配管系統に異物が混入することを回避でき、ひいては加工された食品中への異物の混入を防止することができる。
本考案のOリングの一例を示す説明図である。 図1のOリングが使用された食品加工プラント用配管継手構造体を示す説明図である。
符号の説明
1 Oリング
1a 環状体
F 黒色酸化鉄粉
f1、f2 フランジ継手
g 溝
P1、P2 配管

Claims (3)

  1. ゴムまたはPTFEと、
    該ゴムまたはPTFEに混入された黒色酸化鉄粉と
    からなる食品加工プラント用Oリング。
  2. 前記黒色酸化鉄粉のゴムまたはPTFEに対する配合率が10〜30重量%である請求項1記載の食品加工プラント用Oリング。
  3. 前記黒色酸化鉄粉の粒径が0.1〜1μmである請求項1または2記載の食品加工プラント用Oリング。
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Cited By (3)

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JP2010202787A (ja) * 2009-03-04 2010-09-16 Nitto Denko Corp ポリテトラフルオロエチレンシートおよびその製造方法

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