JP3136712U - 電場形成器 - Google Patents
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Abstract
【課題】高電圧が印加された状態で金属製の箸等が近づいたときでも油の絶縁を維持することができ、絶縁破壊による油の焦げ付きや油煙、油の酸化劣化等が生じることがなく、また揚げ物の油切れが良くなり油の使用量を大幅に削減することができるとともに、揚げ物をカラッと美味しく揚げることができ、時間が経過しても揚げ物がべたつき難く、さらに油の温度を10〜15℃程度下げて揚げることができるため、油煙を減少させることができ厨房等の作業環境を改善できる電場形成器を提供する。
【解決手段】フライヤーの油槽内に配置される電場形成器であって、表面が遠赤外線放射層4で被覆された電極板2と、電極板2の周縁から張り出して全周に配設された周縁絶縁カバー5と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】フライヤーの油槽内に配置される電場形成器であって、表面が遠赤外線放射層4で被覆された電極板2と、電極板2の周縁から張り出して全周に配設された周縁絶縁カバー5と、を備える。
【選択図】図1
Description
本考案は、フライヤーの油槽内に配置され油槽内に電場を発生させる電場形成器に関するものである。
従来より、油槽内に板状の電極を配置し、電極に高電圧を印加することによって油槽内に電場を発生させるフライヤーが用いられている。
従来の技術としては、(特許文献1)に「油槽内に配置された環状の枠と、前記枠内に配設された多数の孔が形成された板状の電極と、前記電極の上方に配設された揚げカス用のフィルタと、前記電極と前記フィルタとの間に配設された多数の孔が形成された遠赤外線放射体と、を備え、前記遠赤外線放射体の孔が、前記電極の孔と同一の大きさ及び形状で、かつ、前記電極の孔と上下方向略同一位置にしてあるフライヤー」が開示されている。
このフライヤーは、電極に高電圧を印加することによって油の酸化劣化を抑制でき、また揚げ物の油切れが良くなるとともに遊離脂肪酸や乳化性物質を含む水分を油から分離させるため、油の使用量を大幅に削減することができ、さらに油の温度を低下させて揚げることができるため、油煙を減少させることができ厨房等の作業環境を改善することができるものである。
特許第3528538号公報
従来の技術としては、(特許文献1)に「油槽内に配置された環状の枠と、前記枠内に配設された多数の孔が形成された板状の電極と、前記電極の上方に配設された揚げカス用のフィルタと、前記電極と前記フィルタとの間に配設された多数の孔が形成された遠赤外線放射体と、を備え、前記遠赤外線放射体の孔が、前記電極の孔と同一の大きさ及び形状で、かつ、前記電極の孔と上下方向略同一位置にしてあるフライヤー」が開示されている。
このフライヤーは、電極に高電圧を印加することによって油の酸化劣化を抑制でき、また揚げ物の油切れが良くなるとともに遊離脂肪酸や乳化性物質を含む水分を油から分離させるため、油の使用量を大幅に削減することができ、さらに油の温度を低下させて揚げることができるため、油煙を減少させることができ厨房等の作業環境を改善することができるものである。
しかしながら、上記従来の技術には以下のような要望があった。
(1)電極と遠赤外線放射体が別々に形成されており、電極と遠赤外線放射体を枠内で密着させて配置するので、製造工程が煩雑であり、これを改善したいという要望があった。
(2)また、揚げ物をより美味しくカラッと揚げたいという要望があった。
(3)導電性の電極が油に剥き出しの状態で配置されるため、高電圧が印加された状態で金属製の箸等が近づいたときに、電極と箸等との間で油の絶縁が破壊され、油の焦げ付きが生じ油煙が生じたり油が劣化したりする場合があるため、これを改善したいという要望があった。
(1)電極と遠赤外線放射体が別々に形成されており、電極と遠赤外線放射体を枠内で密着させて配置するので、製造工程が煩雑であり、これを改善したいという要望があった。
(2)また、揚げ物をより美味しくカラッと揚げたいという要望があった。
(3)導電性の電極が油に剥き出しの状態で配置されるため、高電圧が印加された状態で金属製の箸等が近づいたときに、電極と箸等との間で油の絶縁が破壊され、油の焦げ付きが生じ油煙が生じたり油が劣化したりする場合があるため、これを改善したいという要望があった。
本考案は上記の要望を満足させるもので、高電圧が印加された状態で金属製の箸等が近づいたときでも油の絶縁を維持することができ、絶縁破壊による油の焦げ付きや油煙、油の酸化劣化等が生じることがなく、また揚げ物の油切れが良くなり油の使用量を大幅に削減することができるとともに、揚げ物をカラッと美味しく揚げることができ、時間が経過しても揚げ物がべたつき難く、さらに油の温度を10〜15℃程度下げて揚げることができるため、油煙を減少させることができ厨房等の作業環境を改善できる電場形成器を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本考案の電場形成器は、以下の構成を有している。
本考案の請求項1に記載の電場形成器は、フライヤーの油槽内に配置される電場形成器であって、表面が遠赤外線放射層で被覆された電極板と、前記電極板の周縁から張り出して全周に配設された周縁絶縁カバーと、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)電極板の表面が遠赤外線放射層で被覆されており、導電性の電極板が油に剥き出しになっていないため、高電圧が印加された状態で金属製の箸等が電極板に近づいたときでも油の絶縁が維持されるので、絶縁破壊による油の焦げ付きや油煙、油の酸化劣化等が生じることがない。このため、取扱い方等に依存することなく、油の酸化劣化や油煙等を抑制させることができる。
(2)電極板の周縁は角張っていることが多いため、遠赤外線放射層による被覆が薄くなったり、遠赤外線放射層の被覆が不完全な部分が生じたりして絶縁性が低下することがあるが、電極板の周縁から張り出して全周に周縁絶縁カバーが配設されているため、遠赤外線放射層による被覆が不完全だとしても電極板の周縁と金属製の箸等との絶縁が維持されるため、絶縁破壊による油の焦げ付きや油煙、油の酸化劣化等が生じることがない。このため、取扱い方等に依存することなく、油の酸化劣化を抑制させることができ安定性に優れる。
(3)電極板が遠赤外線放射層で被覆されているので組立が容易で生産性に優れる。
(4)遠赤外線放射効果が向上するので、揚げ物の油切れが良くなり油の使用量を大幅に削減することができるとともに、揚げ物をカラッと美味しく揚げることができ、時間が経過しても揚げ物がべたつき難く、さらに油の温度を10〜15℃程度下げて揚げることができるため、油煙を減少させることができ厨房等の作業環境を改善することができる。
本考案の請求項1に記載の電場形成器は、フライヤーの油槽内に配置される電場形成器であって、表面が遠赤外線放射層で被覆された電極板と、前記電極板の周縁から張り出して全周に配設された周縁絶縁カバーと、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)電極板の表面が遠赤外線放射層で被覆されており、導電性の電極板が油に剥き出しになっていないため、高電圧が印加された状態で金属製の箸等が電極板に近づいたときでも油の絶縁が維持されるので、絶縁破壊による油の焦げ付きや油煙、油の酸化劣化等が生じることがない。このため、取扱い方等に依存することなく、油の酸化劣化や油煙等を抑制させることができる。
(2)電極板の周縁は角張っていることが多いため、遠赤外線放射層による被覆が薄くなったり、遠赤外線放射層の被覆が不完全な部分が生じたりして絶縁性が低下することがあるが、電極板の周縁から張り出して全周に周縁絶縁カバーが配設されているため、遠赤外線放射層による被覆が不完全だとしても電極板の周縁と金属製の箸等との絶縁が維持されるため、絶縁破壊による油の焦げ付きや油煙、油の酸化劣化等が生じることがない。このため、取扱い方等に依存することなく、油の酸化劣化を抑制させることができ安定性に優れる。
(3)電極板が遠赤外線放射層で被覆されているので組立が容易で生産性に優れる。
(4)遠赤外線放射効果が向上するので、揚げ物の油切れが良くなり油の使用量を大幅に削減することができるとともに、揚げ物をカラッと美味しく揚げることができ、時間が経過しても揚げ物がべたつき難く、さらに油の温度を10〜15℃程度下げて揚げることができるため、油煙を減少させることができ厨房等の作業環境を改善することができる。
ここで、電極板としては、三角形状,四角形状等の多角形状や、円形,楕円形状,長円状等の略円形状等の外形で、1〜5mm程度の厚さに形成されたものが用いられる。平板状に形成されたものだけでなく、波板状に形成されたものも用いることができる。材質としては、鉄製,ステンレス製,アルミニウム製,銅製等の導電性を有する金属製が用いられる。
電極板には、複数の貫通孔を形成することができる。貫通孔が形成されていると、油槽内の油の対流等を妨げることがなく、また油中の遊離脂肪酸や乳化性物質を含む水分を、貫通孔を通過させて沈下させ分離させることができるので、油の酸化劣化をさらに抑制させることができるとともに、揚げ物をさらにカラッと美味しく揚げることができる。
なお、貫通孔としては、三角形状,四角形状等の多角形状、円形,楕円形状,長円状等の略円形状等に形成されたものが用いられる。幅の細いスリット状に形成されたものも用いることができる。
なお、貫通孔としては、三角形状,四角形状等の多角形状、円形,楕円形状,長円状等の略円形状等に形成されたものが用いられる。幅の細いスリット状に形成されたものも用いることができる。
遠赤外線放射層としては、ジルコニアやシリカ等の遠赤外線を放射する金属酸化物の溶射層、ジルコニアやシリカ等の金属酸化物,鉱物,炭等の遠赤外線を放射する粉末を分散させた琺瑯コーティングやフッ素樹脂等のポリマーコーティング等が用いられる。なかでも、遠赤外線を放射する粉末を分散させた琺瑯コーティングが好適に用いられる。絶縁性が高く、また光沢があり美麗で、機械的強度が高く耐久性に優れるからである。
電極板に貫通孔が形成されている場合は、貫通孔の内縁も遠赤外線放射層で被覆される。なお、貫通孔の内縁は、研磨等により板厚方向の曲率を小さくするのが好ましい。遠赤外線放射層で被覆し易くするためである。
電極板に貫通孔が形成されている場合は、貫通孔の内縁も遠赤外線放射層で被覆される。なお、貫通孔の内縁は、研磨等により板厚方向の曲率を小さくするのが好ましい。遠赤外線放射層で被覆し易くするためである。
周縁絶縁カバーとしては、絶縁性と耐熱性を有し機械的強度も大きなフッ素樹脂等の合成樹脂製、アルミナ等のセラミックス製等で形成されたものが用いられる。
周縁絶縁カバーは、周縁絶縁カバー及び電極板に貫設された孔部に、合成樹脂製やセラミックス製等のネジやリベット等の固定具を挿通し固定することによって、電極板の周縁の全周に配設することができる。
周縁絶縁カバーは、周縁絶縁カバー及び電極板に貫設された孔部に、合成樹脂製やセラミックス製等のネジやリベット等の固定具を挿通し固定することによって、電極板の周縁の全周に配設することができる。
本考案の請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の電場形成器であって、前記周縁絶縁カバーが、高電圧用配線が接続された配線接続部を覆った構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)他端が高電圧電源に接続された配線と電極板とが接続された配線接続部を周縁絶縁カバーが覆っているので、配線と電極板との良好な接続状態を維持することができ、接続不良になり難く耐久性に優れる。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)他端が高電圧電源に接続された配線と電極板とが接続された配線接続部を周縁絶縁カバーが覆っているので、配線と電極板との良好な接続状態を維持することができ、接続不良になり難く耐久性に優れる。
ここで、配線接続部としては、例えば、電極板に貫設された2〜4個の孔部を有するものが用いられる。配線を孔部に結束したり挿通させたりすることで、電極板と配線とを接続させることができる。孔部を形成せずに、電極板と配線を半田付け等により接続することもできる。遠赤外線被覆層は、電極板の配線接続部を除いて被覆する。電極板の配線接続部と配線との導通を保つためである。
本考案の請求項3に記載の考案は、請求項1又は2に記載の電場形成器であって、前記周縁絶縁カバーの内側の前記電極板の下面に配設された面内絶縁体と、前記面内絶縁体及び前記電極板に貫設された孔部と、前記孔部に挿通された固定具と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)導電性を有するステンレス製等で形成されたフライヤーの油槽の底面に置いて使用した場合でも、電極板の下面に面内絶縁体が配設されているので、電極板が撓んでも油槽の底面と電極板が接触したり近接したりすることがなく、電極板の良好な接続状態を維持することができる。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)導電性を有するステンレス製等で形成されたフライヤーの油槽の底面に置いて使用した場合でも、電極板の下面に面内絶縁体が配設されているので、電極板が撓んでも油槽の底面と電極板が接触したり近接したりすることがなく、電極板の良好な接続状態を維持することができる。
ここで、面内絶縁体としては、絶縁性と耐熱性を有し機械的強度も大きなフッ素樹脂等の合成樹脂製、アルミナ等のセラミックス製等で形成されたものが用いられる。面内絶縁体は、面内絶縁体及び電極板に貫設された孔部に、合成樹脂製やセラミックス製等のネジやリベット等の固定具を挿通し固定することによって、電極板の面内の1乃至複数個所に配設させることができる。
面内絶縁体は、周縁絶縁カバーの厚さと同一の厚さに形成されたものが好適に用いられる。フライヤーの油槽の底面等の平坦面に置いて使用する場合、ガタツキがなく安定性に優れるからである。
面内絶縁体は、周縁絶縁カバーの厚さと同一の厚さに形成されたものが好適に用いられる。フライヤーの油槽の底面等の平坦面に置いて使用する場合、ガタツキがなく安定性に優れるからである。
以上のように本考案の電場形成器によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の考案によれば、
(1)電極板の表面が遠赤外線放射層で被覆されているので、高電圧が印加された状態で金属製の箸等が電極板に近づいたときでも油の絶縁が維持されるので、絶縁破壊による油の焦げ付きや油煙、油の酸化劣化等が生じることがなく、取り扱い方等に依存することなく安定性に優れた電場形成器を提供できる。
(2)電極板の周縁は角張っていることが多いため、遠赤外線放射層による被覆が薄くなったり、遠赤外線放射層の被覆が不完全な部分が生じたりして絶縁性が低下することがあるが、電極板の周縁から張り出して全周に周縁絶縁カバーが配設されているため、遠赤外線放射層による被覆が不完全だとしても電極板の周縁と金属製の箸等との絶縁が維持されるため、絶縁破壊による油の焦げ付きや油煙、油の酸化劣化等が生じることがなく、取扱い方等に依存することなく安定性に優れた電場形成器を提供できる。
(3)電極板が遠赤外線放射層で被覆されているので組立が容易で生産性に優れ、また遠赤外線放射効果が向上するので、揚げ物の油切れが良くなり油の使用量を大幅に削減することができるとともに、揚げ物をカラッと美味しく揚げることができ、時間が経過しても揚げ物がべたつき難く、さらに油の温度を10〜15℃程度下げて揚げることができるため、油煙を減少させることができ厨房等の作業環境を改善することができる電場形成器を提供できる。
請求項1に記載の考案によれば、
(1)電極板の表面が遠赤外線放射層で被覆されているので、高電圧が印加された状態で金属製の箸等が電極板に近づいたときでも油の絶縁が維持されるので、絶縁破壊による油の焦げ付きや油煙、油の酸化劣化等が生じることがなく、取り扱い方等に依存することなく安定性に優れた電場形成器を提供できる。
(2)電極板の周縁は角張っていることが多いため、遠赤外線放射層による被覆が薄くなったり、遠赤外線放射層の被覆が不完全な部分が生じたりして絶縁性が低下することがあるが、電極板の周縁から張り出して全周に周縁絶縁カバーが配設されているため、遠赤外線放射層による被覆が不完全だとしても電極板の周縁と金属製の箸等との絶縁が維持されるため、絶縁破壊による油の焦げ付きや油煙、油の酸化劣化等が生じることがなく、取扱い方等に依存することなく安定性に優れた電場形成器を提供できる。
(3)電極板が遠赤外線放射層で被覆されているので組立が容易で生産性に優れ、また遠赤外線放射効果が向上するので、揚げ物の油切れが良くなり油の使用量を大幅に削減することができるとともに、揚げ物をカラッと美味しく揚げることができ、時間が経過しても揚げ物がべたつき難く、さらに油の温度を10〜15℃程度下げて揚げることができるため、油煙を減少させることができ厨房等の作業環境を改善することができる電場形成器を提供できる。
請求項2に記載の考案によれば、請求項1の効果に加え、
(1)他端が高電圧電源に接続された配線と電極板とが接続された配線接続部を周縁絶縁カバーが覆っているので、配線と電極板との良好な接続状態を維持することができ、接続不良になり難く耐久性に優れた電場形成器を提供できる。
(1)他端が高電圧電源に接続された配線と電極板とが接続された配線接続部を周縁絶縁カバーが覆っているので、配線と電極板との良好な接続状態を維持することができ、接続不良になり難く耐久性に優れた電場形成器を提供できる。
請求項3に記載の考案によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)導電性を有するステンレス製等で形成されたフライヤーの油槽の底面に置いて使用した場合でも、電極板の下面に面内絶縁体が配設されているので、電極板が撓んでも油槽の底面と電極板が接触したり近接したりすることがなく、電極板の良好な接続状態を維持することができる電場形成器を提供できる。
(1)導電性を有するステンレス製等で形成されたフライヤーの油槽の底面に置いて使用した場合でも、電極板の下面に面内絶縁体が配設されているので、電極板が撓んでも油槽の底面と電極板が接触したり近接したりすることがなく、電極板の良好な接続状態を維持することができる電場形成器を提供できる。
以下、本考案を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本考案の実施の形態1における電場形成器の平面図であり、図2は図1のA−A線における周縁絶縁カバーの断面図であり、図3は図1のB−B線における配線接続部の断面図であり、図4は実施の形態1の変形例における電場形成器の要部断面図である。
図1乃至3において、1は実施の形態1における電場形成器、2は厚さが1〜5mm程度の板状の金属製で略矩形状に形成された電極板、3は電極板2に複数貫設された円形状の貫通孔、4は電極板2の表面及び貫通孔3を被覆したジルコニアやシリカ等の遠赤外線を放射する金属酸化物の溶射層,ジルコニアやシリカ,鉱石等の遠赤外線を放射する粉末を分散させた琺瑯コーティング,ジルコニアやシリカ,鉱石等の遠赤外線を放射する粉末を分散させたフッ素樹脂等のポリマーコーティング等の絶縁性を有する遠赤外線放射層、5はフッ素樹脂等の合成樹脂製,アルミナ等のセラミック製等で形成され電極板2の周縁から張り出して電極板2の周縁の上面及び下面に配設された薄板状の周縁絶縁カバー、6は周縁絶縁カバー5と電極板2に貫設された孔部に挿通されたフッ素樹脂等の合成樹脂製,アルミナ等のセラミック製等のネジやリベット等の固定具であり、固定具6により上下の周縁絶縁カバー5は電極板2の周縁を挟装している。7は他端が図示しない高電圧電源に接続された配線、8は電極板2の周縁近傍に形成され周縁絶縁カバー5に覆われた配線接続部、9は配線接続部8に対応する周縁絶縁カバー5内に形成された空洞部、9aは配線7の一端が交互に挿通された配線接続部8の孔部であり、配線7は周縁絶縁カバー5の空洞部9内に収容され、配線接続部8に半田付け等で固定されている。10はフッ素樹脂等の合成樹脂製,アルミナ等のセラミック製等で周縁絶縁カバー5の厚さとほぼ同一厚さのブロック状に形成され周縁絶縁カバー5の内側の電極板2の下面に配設された面内絶縁体、11は面内絶縁体10及び電極板2に貫設された孔部に挿通され面内絶縁体10を固定するネジやリベット等の固定具である。
図4において、1aは実施の形態1の変形例における電場形成装置、5aはフッ素樹脂等の合成樹脂製,アルミナ等のセラミック製等で形成された周縁絶縁カバー、5bは周縁絶縁カバー5aの側部に形成された溝である。周縁絶縁カバー5aは、電極板2の周縁が溝5b内に嵌挿され電極板2の周縁から張り出して電極板2の周縁の全周に配設されている。
(実施の形態1)
図1は本考案の実施の形態1における電場形成器の平面図であり、図2は図1のA−A線における周縁絶縁カバーの断面図であり、図3は図1のB−B線における配線接続部の断面図であり、図4は実施の形態1の変形例における電場形成器の要部断面図である。
図1乃至3において、1は実施の形態1における電場形成器、2は厚さが1〜5mm程度の板状の金属製で略矩形状に形成された電極板、3は電極板2に複数貫設された円形状の貫通孔、4は電極板2の表面及び貫通孔3を被覆したジルコニアやシリカ等の遠赤外線を放射する金属酸化物の溶射層,ジルコニアやシリカ,鉱石等の遠赤外線を放射する粉末を分散させた琺瑯コーティング,ジルコニアやシリカ,鉱石等の遠赤外線を放射する粉末を分散させたフッ素樹脂等のポリマーコーティング等の絶縁性を有する遠赤外線放射層、5はフッ素樹脂等の合成樹脂製,アルミナ等のセラミック製等で形成され電極板2の周縁から張り出して電極板2の周縁の上面及び下面に配設された薄板状の周縁絶縁カバー、6は周縁絶縁カバー5と電極板2に貫設された孔部に挿通されたフッ素樹脂等の合成樹脂製,アルミナ等のセラミック製等のネジやリベット等の固定具であり、固定具6により上下の周縁絶縁カバー5は電極板2の周縁を挟装している。7は他端が図示しない高電圧電源に接続された配線、8は電極板2の周縁近傍に形成され周縁絶縁カバー5に覆われた配線接続部、9は配線接続部8に対応する周縁絶縁カバー5内に形成された空洞部、9aは配線7の一端が交互に挿通された配線接続部8の孔部であり、配線7は周縁絶縁カバー5の空洞部9内に収容され、配線接続部8に半田付け等で固定されている。10はフッ素樹脂等の合成樹脂製,アルミナ等のセラミック製等で周縁絶縁カバー5の厚さとほぼ同一厚さのブロック状に形成され周縁絶縁カバー5の内側の電極板2の下面に配設された面内絶縁体、11は面内絶縁体10及び電極板2に貫設された孔部に挿通され面内絶縁体10を固定するネジやリベット等の固定具である。
図4において、1aは実施の形態1の変形例における電場形成装置、5aはフッ素樹脂等の合成樹脂製,アルミナ等のセラミック製等で形成された周縁絶縁カバー、5bは周縁絶縁カバー5aの側部に形成された溝である。周縁絶縁カバー5aは、電極板2の周縁が溝5b内に嵌挿され電極板2の周縁から張り出して電極板2の周縁の全周に配設されている。
以上のように構成された本考案の実施の形態1における電場形成器1,1aは、フライヤーの油槽に配置した後、高電圧電源により電極板2に高電圧を印加することにより、油槽内に電場を形成させることができる。
以上のように、本考案の実施の形態1やその変形例における電場形成器は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)電極板2の表面及び貫通孔3が遠赤外線放射層4で被覆されており、導電性の電極板2が油に剥き出しになっていないため、高電圧が印加された状態で金属製の箸等が電極板2に近づいたときでも油の絶縁が維持されるので、絶縁破壊による油の焦げ付きや油煙、油の酸化劣化等が生じることがなく安定性に優れる。
(2)電極板2の周縁から張り出して全周に周縁絶縁カバー5,5aが配設されているため、遠赤外線放射層4による被覆が不完全だとしても電極板2の周縁と金属製の箸等との絶縁が維持されるため、絶縁破壊による油の焦げ付きや油煙、油の酸化劣化等が生じることがなく安定性に優れる。
(3)電極板2に貫通孔3が形成されているため、油槽内の油の対流等を妨げることがなく、また油中の遊離脂肪酸や乳化性物質を含む水分を、貫通孔3を通過させて沈下させ分離させることができるので、油の酸化劣化を抑制させることができるとともに揚げ物をカラッと美味しく揚げることができる。
(4)電極板2が遠赤外線放射層4で被覆されて一体化しているので生産性に優れ、また遠赤外線放射効果が向上するので、揚げ物の油切れが良くなり油の使用量を大幅に削減することができるとともに、揚げ物をカラッと美味しく揚げることができ、時間が経過しても揚げ物がべたつき難く、さらに油の温度を10〜15℃程度下げて揚げることができるため、油煙を減少させることができ厨房等の作業環境を改善することができる。
(5)高電圧電源に接続された配線7と電極板2とが接続された配線接続部8を周縁絶縁カバー5が覆っているので、配線7と電極板2との良好な接続状態を維持することができ、接続不良になり難く耐久性に優れる。
(6)配線接続部8の孔部9aに配線7の一端が交互に挿通されているので、配線7が配線接続部8に強く固定されるため、配線7と配線接続部8との良好な接続状態を維持することができ、接続不良になり難く耐久性に優れる。
(7)電場形成器1をステンレス製等で形成されたフライヤーの油槽の底面に置いて使用する場合、電極板2の下面に面内絶縁体10が配設されているので、電極板2が面内絶縁体10と周縁絶縁カバー5,5aで安定に支持されるため、電極板2が撓んでも油槽の底面と電極板2が接触したり近接したりすることがなく、電極板2の良好な接続状態を維持することができる。
(1)電極板2の表面及び貫通孔3が遠赤外線放射層4で被覆されており、導電性の電極板2が油に剥き出しになっていないため、高電圧が印加された状態で金属製の箸等が電極板2に近づいたときでも油の絶縁が維持されるので、絶縁破壊による油の焦げ付きや油煙、油の酸化劣化等が生じることがなく安定性に優れる。
(2)電極板2の周縁から張り出して全周に周縁絶縁カバー5,5aが配設されているため、遠赤外線放射層4による被覆が不完全だとしても電極板2の周縁と金属製の箸等との絶縁が維持されるため、絶縁破壊による油の焦げ付きや油煙、油の酸化劣化等が生じることがなく安定性に優れる。
(3)電極板2に貫通孔3が形成されているため、油槽内の油の対流等を妨げることがなく、また油中の遊離脂肪酸や乳化性物質を含む水分を、貫通孔3を通過させて沈下させ分離させることができるので、油の酸化劣化を抑制させることができるとともに揚げ物をカラッと美味しく揚げることができる。
(4)電極板2が遠赤外線放射層4で被覆されて一体化しているので生産性に優れ、また遠赤外線放射効果が向上するので、揚げ物の油切れが良くなり油の使用量を大幅に削減することができるとともに、揚げ物をカラッと美味しく揚げることができ、時間が経過しても揚げ物がべたつき難く、さらに油の温度を10〜15℃程度下げて揚げることができるため、油煙を減少させることができ厨房等の作業環境を改善することができる。
(5)高電圧電源に接続された配線7と電極板2とが接続された配線接続部8を周縁絶縁カバー5が覆っているので、配線7と電極板2との良好な接続状態を維持することができ、接続不良になり難く耐久性に優れる。
(6)配線接続部8の孔部9aに配線7の一端が交互に挿通されているので、配線7が配線接続部8に強く固定されるため、配線7と配線接続部8との良好な接続状態を維持することができ、接続不良になり難く耐久性に優れる。
(7)電場形成器1をステンレス製等で形成されたフライヤーの油槽の底面に置いて使用する場合、電極板2の下面に面内絶縁体10が配設されているので、電極板2が面内絶縁体10と周縁絶縁カバー5,5aで安定に支持されるため、電極板2が撓んでも油槽の底面と電極板2が接触したり近接したりすることがなく、電極板2の良好な接続状態を維持することができる。
ここで、本実施の形態においては、電極板2が矩形状に形成された場合について説明したが、油槽の形状に応じて、方形状や円形状等に形成されたものを用いる場合もある。また、電極板2は平板状に形成されたものを用いるだけでなく、波板状に形成されたものを用いる場合もある。また、貫通孔3の形状や数、位置も適宜選択して用いることができる。
以下、本考案を実施例により具体的に説明する。なお、本考案はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
直径15mmの貫通孔が複数個形成された長さ260mm,幅180mm,厚さ1mmのステンレス製の電極板に、鉱物粉を分散させた琺瑯コーティングを施し、遠赤外線放射層を形成した。配線を接続した後、電極板の周縁の全周にフッ素樹脂製の周縁絶縁カバーを配設し、実施例の電場形成器を製造した。
実施例の電場形成器をフライヤーの油槽の底に静かに沈めた後、10kVの高電圧を印加した状態でコロッケを揚げた。
(比較例)
フライヤーの油槽の底に電場形成器を沈めてない状態で、油の温度を実施例と同じにしてコロッケを揚げたところ、実施例に係るコロッケと同じ揚げ色にするには約1.2倍の調理時間を要した。
(実施例)
直径15mmの貫通孔が複数個形成された長さ260mm,幅180mm,厚さ1mmのステンレス製の電極板に、鉱物粉を分散させた琺瑯コーティングを施し、遠赤外線放射層を形成した。配線を接続した後、電極板の周縁の全周にフッ素樹脂製の周縁絶縁カバーを配設し、実施例の電場形成器を製造した。
実施例の電場形成器をフライヤーの油槽の底に静かに沈めた後、10kVの高電圧を印加した状態でコロッケを揚げた。
(比較例)
フライヤーの油槽の底に電場形成器を沈めてない状態で、油の温度を実施例と同じにしてコロッケを揚げたところ、実施例に係るコロッケと同じ揚げ色にするには約1.2倍の調理時間を要した。
財団法人食品環境検査協会 福岡事業者にて、実施例の電場形成器を用いて揚げたコロッケ、電場形成器を用いずに揚げたコロッケ(比較例)のタンパク質、脂質、グルタミン酸(遊離アミノ酸)を測定した。なお、タンパク質の測定はケルダール法(係数6.25)、脂質の測定は酸分解法、グルタミン酸の測定はアミノ酸自動分析計により行った。測定結果を表1に示す。
表1から、実施例のコロッケは、比較例のコロッケに比較してタンパク質が4%増加し、脂質が20%減少し、グルタミン酸が8%増加したことがわかった。これは、実施例のコロッケは油切れが良いため脂質が少なく、タンパク質やグルタミン酸が増加していることから美味しく揚がっているものと推察される。
この結果から、実施例の電場形成器を用いることにより、揚げ物の油切れが良くなり油の使用量を大幅に削減することができるとともに、揚げ物をカラッと美味しく揚げることができ、さらに調理時間も削減できることがわかった。
この結果から、実施例の電場形成器を用いることにより、揚げ物の油切れが良くなり油の使用量を大幅に削減することができるとともに、揚げ物をカラッと美味しく揚げることができ、さらに調理時間も削減できることがわかった。
本考案は、フライヤーの油槽内に配置され油槽内に電場を発生させる電場形成器に関し、高電圧が印加された状態で金属製の箸等が近づいたときでも油の絶縁を維持することができ、絶縁破壊による油の焦げ付きや油煙、油の酸化劣化等が生じることがなく、また揚げ物の油切れが良くなり油の使用量を大幅に削減することができるとともに、揚げ物をカラッと美味しく揚げることができ、時間が経過しても揚げ物がべたつき難く、さらに油の温度を10〜15℃程度下げて揚げることができるため、油煙を減少させることができ厨房等の作業環境を改善できる電場形成器を提供できる。
1 電場形成器
2 電極板
3 貫通孔
4 遠赤外線放射層
5,5a 周縁絶縁カバー
5b 溝
6 固定具
7 配線
8 配線接続部
9 空洞部
9a 孔部
10 面内絶縁体
11 固定具
2 電極板
3 貫通孔
4 遠赤外線放射層
5,5a 周縁絶縁カバー
5b 溝
6 固定具
7 配線
8 配線接続部
9 空洞部
9a 孔部
10 面内絶縁体
11 固定具
Claims (3)
- フライヤーの油槽内に配置される電場形成器であって、
表面が遠赤外線放射層で被覆された電極板と、前記電極板の周縁から張り出して全周に配設された周縁絶縁カバーと、を備えていることを特徴とする電場形成器。 - 前記周縁絶縁カバーが、高電圧用配線が接続された配線接続部を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の電場形成器。
- 前記周縁絶縁カバーの内側の前記電極板の下面に配設された面内絶縁体と、前記面内絶縁体及び前記電極板に貫設された孔部と、前記孔部に挿通された固定具と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電場形成器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007003804U JP3136712U (ja) | 2007-05-24 | 2007-05-24 | 電場形成器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007003804U JP3136712U (ja) | 2007-05-24 | 2007-05-24 | 電場形成器 |
Publications (1)
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JP3136712U true JP3136712U (ja) | 2007-11-08 |
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ID=43287120
Family Applications (1)
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JP (1) | JP3136712U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010088769A (ja) * | 2008-10-10 | 2010-04-22 | Comcom:Kk | 食用油酸化防止装置の高電位発生プレートおよび食用油酸化防止装置 |
-
2007
- 2007-05-24 JP JP2007003804U patent/JP3136712U/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2010088769A (ja) * | 2008-10-10 | 2010-04-22 | Comcom:Kk | 食用油酸化防止装置の高電位発生プレートおよび食用油酸化防止装置 |
JP4627797B2 (ja) * | 2008-10-10 | 2011-02-09 | 株式会社コムコム | 食用油酸化防止装置の高電位発生プレートおよび食用油酸化防止装置 |
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