JP3136631B2 - 核磁気共鳴装置 - Google Patents
核磁気共鳴装置Info
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- JP3136631B2 JP3136631B2 JP03072436A JP7243691A JP3136631B2 JP 3136631 B2 JP3136631 B2 JP 3136631B2 JP 03072436 A JP03072436 A JP 03072436A JP 7243691 A JP7243691 A JP 7243691A JP 3136631 B2 JP3136631 B2 JP 3136631B2
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- surface coil
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- coils
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被検体中の水素や燐等か
らの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を測定し、
核の密度分布や緩和時間分布等を映像化するNMR装置
に関し、特にそれに用いられる表面コイルを改良したN
MR装置に関する。
らの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を測定し、
核の密度分布や緩和時間分布等を映像化するNMR装置
に関し、特にそれに用いられる表面コイルを改良したN
MR装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、NMR装置においては、被検体
(例えば、人)の関心部位を取り巻く各種の頭部用コイル
や腹部用コイル,心臓等の動きの影響を受けにくい表面
コイル等を用い被検体の検査,撮像が行われてきた。と
ころで、上記表面コイルは、上記頭部用コイルや腹部用
コイルに比べて高感度であるが、視野が制限されてしま
うため、脊椎等の如く広範囲を検査する際には、上記表
面コイルを検査対象に沿って移動させ、数回撮像しなけ
ればならず、検査時間が長くかかるという問題が発生し
ていた。これに対しては、例えば、特開平2-13432号公
報に開示されている如く、NMR装置に用いられる複数
個の表面コイルを、各表面コイルが隣接する表面コイル
と相互結合しないよう適度にオーバラップさせて配列
し、上記各表面コイルで受信されたNMR信号を合成す
ることにより実質的に視野を広くする方法が提案されて
いる。
(例えば、人)の関心部位を取り巻く各種の頭部用コイル
や腹部用コイル,心臓等の動きの影響を受けにくい表面
コイル等を用い被検体の検査,撮像が行われてきた。と
ころで、上記表面コイルは、上記頭部用コイルや腹部用
コイルに比べて高感度であるが、視野が制限されてしま
うため、脊椎等の如く広範囲を検査する際には、上記表
面コイルを検査対象に沿って移動させ、数回撮像しなけ
ればならず、検査時間が長くかかるという問題が発生し
ていた。これに対しては、例えば、特開平2-13432号公
報に開示されている如く、NMR装置に用いられる複数
個の表面コイルを、各表面コイルが隣接する表面コイル
と相互結合しないよう適度にオーバラップさせて配列
し、上記各表面コイルで受信されたNMR信号を合成す
ることにより実質的に視野を広くする方法が提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術は、静磁場が垂直磁場方式のNMR装置で用いら
れる表面コイル特有の感度分布については配慮されてお
らず、上述の表面コイルを配列させる方向によっては感
度むらが生ずるという問題があった。本発明は上記事情
に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従
来の技術における上述の如き問題を解消し、上述の表面
コイルが一方向に有する感度均一方向と、該表面コイル
を配列して成る「表面コイルアレイ」の配列方向とを一致
させ、感度むらを生じさせずに視野を拡張可能とするN
MR装置を提供することにある。
来技術は、静磁場が垂直磁場方式のNMR装置で用いら
れる表面コイル特有の感度分布については配慮されてお
らず、上述の表面コイルを配列させる方向によっては感
度むらが生ずるという問題があった。本発明は上記事情
に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従
来の技術における上述の如き問題を解消し、上述の表面
コイルが一方向に有する感度均一方向と、該表面コイル
を配列して成る「表面コイルアレイ」の配列方向とを一致
させ、感度むらを生じさせずに視野を拡張可能とするN
MR装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、所
定の空間で垂直方向に静磁場を形成し、前記空間内に置
かれた被検体の核スピンを高周波磁場により励起し、前
記核スピンによる高周波信号を検出する垂直磁場方式の
NMR装置において、複数の単位表面コイルから構成さ
れる表面コイルが前記垂直方向と直交する平面内に配置
され、前記各単位表面コイルは第1,第2の導電ループ
を有し、前記各単位表面コイルが全体として8の字型の
形状を有し、前記各単位表面コイルは、前記垂直方向に
垂直な第1の方向に不均一な感度分布を、前記垂直方向
および前記第1の方向と直交する第2の方向に均一な感
度分布をそれぞれ有し、前記各単位表面コイルが、隣接
する他の前記単位表面コイルと最小の相互結合となるよ
うに、前記第2の方向に相互にオーバラップして配列さ
れ、前記各単位表面コイルが、隣接する前記単位表面コ
イルの前記第1の導電ループ同士及び前記第2の導電ル
ープ同士が相互にオーバラップして配列されることを特
徴とするNMR装置によって達成される。
定の空間で垂直方向に静磁場を形成し、前記空間内に置
かれた被検体の核スピンを高周波磁場により励起し、前
記核スピンによる高周波信号を検出する垂直磁場方式の
NMR装置において、複数の単位表面コイルから構成さ
れる表面コイルが前記垂直方向と直交する平面内に配置
され、前記各単位表面コイルは第1,第2の導電ループ
を有し、前記各単位表面コイルが全体として8の字型の
形状を有し、前記各単位表面コイルは、前記垂直方向に
垂直な第1の方向に不均一な感度分布を、前記垂直方向
および前記第1の方向と直交する第2の方向に均一な感
度分布をそれぞれ有し、前記各単位表面コイルが、隣接
する他の前記単位表面コイルと最小の相互結合となるよ
うに、前記第2の方向に相互にオーバラップして配列さ
れ、前記各単位表面コイルが、隣接する前記単位表面コ
イルの前記第1の導電ループ同士及び前記第2の導電ル
ープ同士が相互にオーバラップして配列されることを特
徴とするNMR装置によって達成される。
【0005】
【作用】本発明に係るNMR装置においては、垂直磁場
方式のNMR装置で用いられる表面コイルが一方向に有
する感度均一方向と上記表面コイルを配列する際の配列
方向を一致させる如く構成したことにより、感度が均一
なままで視野を拡張できる。すなわち、表面コイルアレ
イ化時に感度均一性を損なわないので、感度むらが生じ
ない。
方式のNMR装置で用いられる表面コイルが一方向に有
する感度均一方向と上記表面コイルを配列する際の配列
方向を一致させる如く構成したことにより、感度が均一
なままで視野を拡張できる。すなわち、表面コイルアレ
イ化時に感度均一性を損なわないので、感度むらが生じ
ない。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図6は、本発明の一実施例を示すNMR装
置の構成図である。図中、1Aは後述する表面コイルア
レイ、2は被検体、6は本装置全体の制御を行う制御装
置、7は高周波パルス発生器、8は送信用増幅器、9は
後述する高周波プローブ、10は受信用増幅器、11は
位相敏感検波器、12は信号処理装置を示している。ま
た、13〜15は傾斜コイル、16〜18は傾斜コイル
ドライバ、19は静磁場コイル、20は被検体支持用の
ベッド、21はベッド支持台を示している。コイル19
は、その内部の空間に一定強度,一定方向(z軸方向)の
静磁場を発生する高周波コイルである。一方、3組の傾
斜コイル13,14,15は、それぞれ、傾斜コイルドラ
イバ16,17,18により駆動され、上記静磁場の強度
に、それぞれ、z方向およびこれに直交するx方向,y
方向に沿った傾斜をつける。これらの各コイルの内部に
は、筒状のボビンに形成された高周波プローブ9が設置
されている。また、支持台21の上には移動可能なベッ
ド20が装着され、被検体2とその背面に配置された表
面コイルアレイ1Aは、上記ベッド20上に載置されて
前述の高周波プローブ9中に挿入される。高周波パルス
発生器7の出力は、送信用増幅器8で増幅されて上記高
周波プローブ9に与えられ、ここで高周波磁場が発生す
る。本装置の動作の概要は下記の通りである。制御装置
6は、プログラムされたシーケンスに従って、各傾斜コ
イルの駆動および高周波磁場の発生のタイミングを制御
し、被検体の核スピンを励起する。被検体2のNMRに
よる高周波信号は、上記表面コイルアレイ1Aで受信さ
れ、受信用増幅器10,位相敏感検波器11を介して信
号処理装置12に導かれる。信号処理装置12は、サン
プリングした受信データに処理を施し、図示されていな
い表示装置にNMR画像を写し出す。
に説明する。図6は、本発明の一実施例を示すNMR装
置の構成図である。図中、1Aは後述する表面コイルア
レイ、2は被検体、6は本装置全体の制御を行う制御装
置、7は高周波パルス発生器、8は送信用増幅器、9は
後述する高周波プローブ、10は受信用増幅器、11は
位相敏感検波器、12は信号処理装置を示している。ま
た、13〜15は傾斜コイル、16〜18は傾斜コイル
ドライバ、19は静磁場コイル、20は被検体支持用の
ベッド、21はベッド支持台を示している。コイル19
は、その内部の空間に一定強度,一定方向(z軸方向)の
静磁場を発生する高周波コイルである。一方、3組の傾
斜コイル13,14,15は、それぞれ、傾斜コイルドラ
イバ16,17,18により駆動され、上記静磁場の強度
に、それぞれ、z方向およびこれに直交するx方向,y
方向に沿った傾斜をつける。これらの各コイルの内部に
は、筒状のボビンに形成された高周波プローブ9が設置
されている。また、支持台21の上には移動可能なベッ
ド20が装着され、被検体2とその背面に配置された表
面コイルアレイ1Aは、上記ベッド20上に載置されて
前述の高周波プローブ9中に挿入される。高周波パルス
発生器7の出力は、送信用増幅器8で増幅されて上記高
周波プローブ9に与えられ、ここで高周波磁場が発生す
る。本装置の動作の概要は下記の通りである。制御装置
6は、プログラムされたシーケンスに従って、各傾斜コ
イルの駆動および高周波磁場の発生のタイミングを制御
し、被検体の核スピンを励起する。被検体2のNMRに
よる高周波信号は、上記表面コイルアレイ1Aで受信さ
れ、受信用増幅器10,位相敏感検波器11を介して信
号処理装置12に導かれる。信号処理装置12は、サン
プリングした受信データに処理を施し、図示されていな
い表示装置にNMR画像を写し出す。
【0007】図1は、前述の表面コイルアレイ1Aの具
体的実施例を示す図である。表面コイルアレイ1Aは、
縦横それぞれL,L’の長さを有する単位表面コイル1
a,1b(2個とは限らない)を一次元に配列したもので
あり、上述の単位表面コイル1aと1bは、相互結合が
最小となるような距離Dだけオーバラップさせてある
(例えば、L=170mm, L’=270mmの場合、Dは
約12mmとなる)。オーバラップ距離は、上記単位表面
コイルの縦横の長さの比L’/Lにより変化するもので
あることは言うまでもない。ところで、上述の単位表面
コイル1a,1bのそれぞれは、図2に示す如く、単位
表面コイルと水平な第1の方向(X方向)に磁場を形成す
る。なお、このX方向には、途中で磁場強度が落ちこむ
不均一な磁場分布が存在するが、第2の方向(Y方向)に
は、均一な磁場分布を有する。なお、図2中の等高線
は、感度の均一度分布を示している。そこで、本実施例
では、図1に示す如く、上記単位表面コイル1a,1b
を、該単位表面コイル1a,1bが有する感度均一方向
(第2の方向)に、相互結合が最小となるような距離Dだ
けオーバラップさせて配列し、表面コイルアレイ1Aを
形成する。すなわち、上記単位表面コイル1a,1bの
感度均一方向と表面コイルアレイ1Aの配列方向を一致
させる。これにより、上記表面コイルアレイ1Aは、上
述の第2の方向(Y方向)での感度均一性を損なわないの
で、感度むらを生ずることなく視野を拡張することが可
能となる。図4に、上記表面コイルアレイ1Aの使用状
態を示す。感度均一方向と配列方向とを一致させ、相互
結合が最小になるように一次元上に配置された表面コイ
ルアレイ1Aは、被検体2の撮像したい部位に絶縁さ
れ、固定される。例えば、脊椎を撮像したい場合、頸椎
から腰椎にかけて複数個(図では、2個)の単位表面コイ
ルが体軸方向に一次元に配置される。これにより、大型
化された均一磁場領域が体軸方向に形成され、脊椎撮像
を容易に行うことが可能になる。
体的実施例を示す図である。表面コイルアレイ1Aは、
縦横それぞれL,L’の長さを有する単位表面コイル1
a,1b(2個とは限らない)を一次元に配列したもので
あり、上述の単位表面コイル1aと1bは、相互結合が
最小となるような距離Dだけオーバラップさせてある
(例えば、L=170mm, L’=270mmの場合、Dは
約12mmとなる)。オーバラップ距離は、上記単位表面
コイルの縦横の長さの比L’/Lにより変化するもので
あることは言うまでもない。ところで、上述の単位表面
コイル1a,1bのそれぞれは、図2に示す如く、単位
表面コイルと水平な第1の方向(X方向)に磁場を形成す
る。なお、このX方向には、途中で磁場強度が落ちこむ
不均一な磁場分布が存在するが、第2の方向(Y方向)に
は、均一な磁場分布を有する。なお、図2中の等高線
は、感度の均一度分布を示している。そこで、本実施例
では、図1に示す如く、上記単位表面コイル1a,1b
を、該単位表面コイル1a,1bが有する感度均一方向
(第2の方向)に、相互結合が最小となるような距離Dだ
けオーバラップさせて配列し、表面コイルアレイ1Aを
形成する。すなわち、上記単位表面コイル1a,1bの
感度均一方向と表面コイルアレイ1Aの配列方向を一致
させる。これにより、上記表面コイルアレイ1Aは、上
述の第2の方向(Y方向)での感度均一性を損なわないの
で、感度むらを生ずることなく視野を拡張することが可
能となる。図4に、上記表面コイルアレイ1Aの使用状
態を示す。感度均一方向と配列方向とを一致させ、相互
結合が最小になるように一次元上に配置された表面コイ
ルアレイ1Aは、被検体2の撮像したい部位に絶縁さ
れ、固定される。例えば、脊椎を撮像したい場合、頸椎
から腰椎にかけて複数個(図では、2個)の単位表面コイ
ルが体軸方向に一次元に配置される。これにより、大型
化された均一磁場領域が体軸方向に形成され、脊椎撮像
を容易に行うことが可能になる。
【0008】図5に、前述の実施例に示した表面コイル
アレイ1Aの駆動回路のブロック図を示す。感度均一方
向と配列方向とを一致させ、一次元に配列された表面コ
イルアレイ1Aの各単位表面コイル1a,1bの信号取
出し点には、それぞれ、インピーダンス整合回路を有す
るプリアンプ3が接続され、このプリアンプ3の出力端
は、装置使用者によって任意に選択可能な選択回路4を
介して加算器5に導かれ、位相敏感検波器11へ接続さ
れる。なお、必要に応じてプリアンプ3の出力にフェー
ズシフタを追加し、位相ずれを調整することも可能であ
る。実際の検査においては、例えば、脊椎の検査の場
合、広い撮像視野が要求されるので、上記表面コイルア
レイ1Aを用い、実質的に単位表面コイル2個分と等価
な視野で撮像を行う。この場合、単位表面コイル1a,
1bで受信された被検体からのNMR信号は、それぞ
れ、プリアンプ3で増幅され、必要に応じてフェーズシ
フタで位相ずれを調整されて選択回路4を通過し、加算
器5で合成され、位相敏感検波器11ヘ送られ、矢状お
よび冠状断層像を得る。また、上述の矢状および冠状断
層像から特定の部位に着目して、その部位に対応した表
面コイル(例えば、上記表面コイル1b)のみで、限られ
た視野の撮像を行う。この場合、被検体2の特定の部位
からのNMR信号は、単位表面コイル1a,1bでそれ
ぞれ受信され、プリアンプ3でそれぞれ増幅され、必要
に応じてフェーズシフタで位相ずれを調整されて選択回
路4ヘ導かれる。選択回路4へ導かれたNMR信号のう
ち、上述の単位表面コイル1bで受信されたもののみが
後段ヘ送られ、単位表面コイル1aで受信されたものは
遮断される。これらの動作により、被検体2の特定の部
位の矢状および冠状断層像が得られる。つまり、撮像視
野を任意に設定できる。これにより、フェーズエンコー
ドで決められる視野よりも広い感度分布を有することか
ら生じる折り返し現象を防ぐことができる。なお、単位
表面コイルは2個だけに限らず、複数の単位表面コイル
を用い、また、種々の単位表面コイルを組み合せること
が可能である。
アレイ1Aの駆動回路のブロック図を示す。感度均一方
向と配列方向とを一致させ、一次元に配列された表面コ
イルアレイ1Aの各単位表面コイル1a,1bの信号取
出し点には、それぞれ、インピーダンス整合回路を有す
るプリアンプ3が接続され、このプリアンプ3の出力端
は、装置使用者によって任意に選択可能な選択回路4を
介して加算器5に導かれ、位相敏感検波器11へ接続さ
れる。なお、必要に応じてプリアンプ3の出力にフェー
ズシフタを追加し、位相ずれを調整することも可能であ
る。実際の検査においては、例えば、脊椎の検査の場
合、広い撮像視野が要求されるので、上記表面コイルア
レイ1Aを用い、実質的に単位表面コイル2個分と等価
な視野で撮像を行う。この場合、単位表面コイル1a,
1bで受信された被検体からのNMR信号は、それぞ
れ、プリアンプ3で増幅され、必要に応じてフェーズシ
フタで位相ずれを調整されて選択回路4を通過し、加算
器5で合成され、位相敏感検波器11ヘ送られ、矢状お
よび冠状断層像を得る。また、上述の矢状および冠状断
層像から特定の部位に着目して、その部位に対応した表
面コイル(例えば、上記表面コイル1b)のみで、限られ
た視野の撮像を行う。この場合、被検体2の特定の部位
からのNMR信号は、単位表面コイル1a,1bでそれ
ぞれ受信され、プリアンプ3でそれぞれ増幅され、必要
に応じてフェーズシフタで位相ずれを調整されて選択回
路4ヘ導かれる。選択回路4へ導かれたNMR信号のう
ち、上述の単位表面コイル1bで受信されたもののみが
後段ヘ送られ、単位表面コイル1aで受信されたものは
遮断される。これらの動作により、被検体2の特定の部
位の矢状および冠状断層像が得られる。つまり、撮像視
野を任意に設定できる。これにより、フェーズエンコー
ドで決められる視野よりも広い感度分布を有することか
ら生じる折り返し現象を防ぐことができる。なお、単位
表面コイルは2個だけに限らず、複数の単位表面コイル
を用い、また、種々の単位表面コイルを組み合せること
が可能である。
【0009】図3は、本発明の他の実施例に係る、表面
コイルアレイ1Aの具体的構成例を示す図である。表面
コイルアレイ1Aは、縦がL1およびL2,横がL’の長
さである単位表面コイル1c,1dを一次元に配列した
ものであり、上記単位表面コイル1cと1dは、相互結
合が最小となるような距離Dだけオーバラップさせてあ
る。オーバラップ距離Dは、上記単位表面コイルの縦横
の長さにより変化するものであることは前述の通りであ
る。本実施例が前述の実施例と異なる点は、単位表面コ
イル1c,1dの縦の長さをL1およびL2と変えたこと
により、相互結合を最小とするオーバラップ距離Dを大
きくし、上記単位表面コイル1cと1dのオーバラップ
領域での感度落ち込みを小さくすることを可能とした点
にある。本実施例においても、表面コイルアレイ1A
は、前述の第2の方向(Y方向)での感度均一性を損なわ
ないので、感度むらを生ずることなく視野を拡張するこ
とが可能となる。なお、上述の各実施例に示した、高周
波磁場の発生と高周波信号の受信を別々のコイルでおこ
なうクロス方式の他に、高周波磁場の発生と高周波信号
の受信を同一のコイルでおこなうシングル方式があり、
本発明に係る表面コイルアレイ1Aが用い得ることは言
うまでもないことである。
コイルアレイ1Aの具体的構成例を示す図である。表面
コイルアレイ1Aは、縦がL1およびL2,横がL’の長
さである単位表面コイル1c,1dを一次元に配列した
ものであり、上記単位表面コイル1cと1dは、相互結
合が最小となるような距離Dだけオーバラップさせてあ
る。オーバラップ距離Dは、上記単位表面コイルの縦横
の長さにより変化するものであることは前述の通りであ
る。本実施例が前述の実施例と異なる点は、単位表面コ
イル1c,1dの縦の長さをL1およびL2と変えたこと
により、相互結合を最小とするオーバラップ距離Dを大
きくし、上記単位表面コイル1cと1dのオーバラップ
領域での感度落ち込みを小さくすることを可能とした点
にある。本実施例においても、表面コイルアレイ1A
は、前述の第2の方向(Y方向)での感度均一性を損なわ
ないので、感度むらを生ずることなく視野を拡張するこ
とが可能となる。なお、上述の各実施例に示した、高周
波磁場の発生と高周波信号の受信を別々のコイルでおこ
なうクロス方式の他に、高周波磁場の発生と高周波信号
の受信を同一のコイルでおこなうシングル方式があり、
本発明に係る表面コイルアレイ1Aが用い得ることは言
うまでもないことである。
【0010】
【発明の効果】以上、詳細に説明した如く、本発明によ
れば、垂直磁場方式のNMR装置において、表面コイル
が一方向に有する感度均一方向と、該表面コイルを配列
して成る「表面コイルアレイ」の配列方向とを一致させた
ことにより、感度むらを生じさせずに視野を拡張可能と
するNMR装置を実現できるという顕著な効果を奏する
ものである。
れば、垂直磁場方式のNMR装置において、表面コイル
が一方向に有する感度均一方向と、該表面コイルを配列
して成る「表面コイルアレイ」の配列方向とを一致させた
ことにより、感度むらを生じさせずに視野を拡張可能と
するNMR装置を実現できるという顕著な効果を奏する
ものである。
【0011】
【図1】本発明の一実施例を示すNMR装置に用いられ
る表面コイルアレイの具体的構成例を示す図である。
る表面コイルアレイの具体的構成例を示す図である。
【図2】実施例に係る表面コイルの磁場(感度)分布を示
す図である。
す図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す図である。
【図4】実施例の表面コイルアレイの使用状態を示す図
である。
である。
【図5】実施例の表面コイルアレイを用いた回路のブロ
ック図である。
ック図である。
【図6】本発明の一実施例を示すNMR装置の構成図で
ある。
ある。
1a〜1d 単位表面コイル 1A 表面コイルアレイ 2 被検体 3 プリアンプ 4 選択回路 5 加算器 6 制御装置 7 高周波パルス発生器 8 送信用増幅器 9 高周波プローブ 10 受信用増幅器 11 位相敏感検波器 12 信号処理装置 13,14,15 傾斜コイル 16,17,18 傾斜コイルドライバ 19 静磁場コイル 20 ベッド 21 支持台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 悦治 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 鈴木 隆一 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−153055(JP,A) 特開 平2−195939(JP,A) 特開 平4−180733(JP,A) 特開 平2−307433(JP,A) 特開 平2−13432(JP,A) 特開 昭63−234957(JP,A) 特表 平2−500175(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055
Claims (1)
- 【請求項1】 所定の空間で垂直方向に静磁場を形成
し、前記空間内に置かれた被検体の核スピンを高周波磁
場により励起し、前記核スピンによる高周波信号を検出
する垂直磁場方式の核磁気共鳴装置において、複数の単
位表面コイルから構成される表面コイルが前記垂直方向
と直交する平面内に配置され、前記各単位表面コイルは
第1,第2の導電ループを有し、前記各単位表面コイル
が全体として8の字型の形状を有し、前記各単位表面コ
イルは、前記垂直方向に垂直な第1の方向に不均一な感
度分布を、前記垂直方向および前記第1の方向と直交す
る第2の方向に均一な感度分布をそれぞれ有し、前記各
単位表面コイルが、隣接する他の前記単位表面コイルと
最小の相互結合となるように、前記第2の方向に相互に
オーバラップして配列され、前記各単位表面コイルが、
隣接する前記単位表面コイルの前記第1の導電ループ同
士及び前記第2の導電ループ同士が相互にオーバラップ
して配列されることを特徴とする核磁気共鳴装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03072436A JP3136631B2 (ja) | 1991-03-12 | 1991-03-12 | 核磁気共鳴装置 |
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