JP3135916U - センターホール型荷重変換器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】同一高さを有する円筒形の外筒2及び内筒3の二体の弾性体1から成り、外筒2内に内筒3を嵌合わせたとき、外筒2と内筒3の上部及び下部におい密着し、上下中間部には円周方向に環状に連続する空間部5が形成される。この空間部5の向き合う面に、センサ6を配置する。センサ6を保護するためのカバーなどを取付けないため、材料の無駄が生じない。アンカーヘッド11の直下に荷重変換器Aが位置して、曲げや偏心などによる誤差が生じない。空間部5内で配線が容易に行える。
【選択図】 図1
Description
グラウンドアンカーは、地中に埋設した緊張材bであるPC撚り線(テンドン)、その緊張材bをくさびcによって掴んで定着するアンカーヘッドd、緊張荷重を受ける支圧板eなどから成っている。
このようなグラウンドアンカーのアンカーヘッドdと支圧板eとの間に、センターホール型荷重変換器aが配置されている。
センターホール型荷重変換器aは、図10〜図12に示すように、円筒形の鋼製の弾性体fを採用するものが多く、曲げ荷重の影響誤差を小さくするために、円筒形弾性体fの内周面と外周面に、表裏一対となるひずみゲージなどのセンサgを配置している。
表裏に配したセンサgが、その位置のズレによって発生する曲げ力の差を補償して、正確に緊張力を測定しようとするものである。
弾性体fは緊張材bの緊張力が作用して弾性変形するが、カバーhの剛性が緊張力に影響を与えて緊張力の正確な測定を妨げないよう、弾性体fの上下端に内周方向と外周方向に出来る限り薄肉の突片iを突設し、図11に示すようにこの突片iの先端にカバーhを溶接kするか、或いは図12に示すようにOリングlを介在させてカバーhと密着させていた。
前記したような突片iの形成は、弾性体fの内周面と外周面の上下中間部分を切削して、上下に突片iを残すように形成するため、その切削する分だけ高強度の材料が無駄に必要となるもので、部材コストがその分高くなっていた。
このような場合は、アンカーヘッドdの下に直に変換器aを設置することが出来ず、図13に示すように、荷重変換器aとアンカーヘッドdとの間、及び荷重変換器aと支圧板eとの間に、それぞれ受圧板j・jを挟んで、アンカーヘッドdからの荷重を荷重変換器aに伝達するようにしている。
センターホール型荷重変換器aでは、前記したように弾性体fの表裏にセンサgを配することで曲げの影響を少なくするのであるが、アンカーヘッドdからの緊張力が真っ直ぐに荷重変換器aに伝わらず、曲げが大きくなると、逆に一対のセンサgの検知する値の差が大きくなって、誤差量を大きくしてしまうという欠点を備えている。
つまりは、図で矢印で示すようにアンカーヘッドdからの荷重が、真っ直ぐに荷重変換器aに伝わらずに、測定張力(以下軸力という)によって大きな曲げが発生し、測定値に誤差が生じ易くなっていた。
また、前記した受圧板j・jに十分な厚みがないと、測定値に曲げや偏心の影響が出て、やはり正確な測定が出来ないことがあった。
表裏一対のセンサgは、弾性体fに内周面から外周面に貫通する孔を開けてリード線を通す必要があるし、複数箇所の対となるセンサgをリード線で繋ぎ、カバーhを取付けた後で、そのリード線をカバーhの外側に引き出して測定機器と連結する作業は、極めて手間がかかる作業であった。
弾性体fの外周側と内周側に、それぞれカバーhを上方或いは下方から被せるようにスライドさせて取付けるが、一方のカバーhをいちいち上方や下方にズラして配線を確かめて、Oリングlをそれぞれ嵌め、次に他方のカバーhを上方と下方にズラしてOリングlをそれぞれ嵌めるという工程を採らねばならない。
すなわち、Oリングlを図のように4本取付けるだけで、8工程が必要となる。
従って、その高さHに応じた荷重変換器aの占める空間が、必要分大きくなっていた。
円筒形の外筒及び内筒の二体の弾性体から成り、
外筒内に内筒を嵌合わせたとき、外筒と内筒の上部及び下部において密閉し、
外筒と内筒の上下中間部には、円周方向に環状に連続する空間部が形成され、
前記空間部の向き合う面にセンサを配置したことを特徴とするものである。
本考案にかかる他のセンターホール型荷重変換器は、
外筒と内筒を溶接によって固着し、
空間部を密閉したことを特徴とするものである。
本考案にかかる他のセンターホール型荷重変換器は、
外筒と内筒の上部及び下部の密着部分であって、外筒か内筒のいずれかに、筒の円周方向に連続するOリング溝を形成し、
当該Oリング溝にOリングを嵌め込んで他方に密着させ、
空間部を密閉したことを特徴とするものである。
また、本考案にかかる他のセンターホール型荷重変換器は、
外筒と内筒の上部及び下部の密着部分であって、外筒と内筒の互いに向き合う面に、筒の円周方向に連続するOリング溝を形成し、
当該Oリング溝にOリングを嵌め込むことを特徴とするものである。
更に、本考案にかかる他のセンターホール型荷重変換器は、
外筒及び内筒のいずれか一方は、弾性体の厚みとほぼ同じ厚みを持つ底部と、その底部から立ち上がる中間部によって、一部断面形状がほぼL字形となっており、
他方は、弾性体の厚みとほぼ同じ厚みを持つ天部と、その天部から下降する中間部によって、一部断面形状が逆L字形状となっており、
当該外筒と内筒を嵌め合わせたとき、底部と天部が、それぞれ他方の筒の中間部端部に密着して、圧力を底部と天部の平面全体で均等に受けることを特徴とするものである。
<a>弾性体の内側に空間を設け、この中にセンサを配置し、その上下を密閉したため、カバーを被せるための突片を、弾性体を切削して形成する必要がなく、材料を無駄にすることがない。
従ってその分、部材コストを安価にすることが可能となる。
<b>センサを弾性体内の空間に位置させたため、弾性体の外側にカバーを取付ける必要がなく、弾性体の内周面を、緊張材の間近まで接近させて配置することが可能となる。
従って、弾性体の外周直径を小さくして、アンカーヘッドの外径以内に収めることも容易となり、アンカーヘッドの下面に直に弾性体を接触させて、緊張力を直下の弾性体に伝えることが可能となり、曲げや偏心の影響が生じ難くなる。
<c>弾性体の内側に出来た円周方向に連続する環状の空間の中に、対となるセンサを向き合わせて配置し、周方向に離隔したセンサ同士も空間を通してリード線で繋ぐことが可能で、リード線の配線や連結が容易となる。
<d>空間部の中に向き合わせてセンサを配置して繋いであるため、外筒と内筒を多少ズラせば中の配線を確認出来、変換器の外へと繋ぐ作業が容易である。
<e>外筒と内筒の互いに向き合う面に、Oリング溝を形成してOリングを嵌め込むようにすることで、空間の幅(厚み)を小さくでき、弾性体の切削部分を少なくして材料の無駄を少なくできる。
<f>一部断面形状がL字形と逆L字形の外筒と内筒を噛み合わせることで、その天部と底部の平面全体で圧力を均等に受けることが出来、測定値に誤差が生じ難くなる。
<g>外筒と内筒の互いに向き合う面に、Oリング溝を形成して、これにOリングを嵌め込むようにすることで、溝にOリングを嵌めて、外筒と内筒を互いに噛み合わせるだけで、Oリングのはめ込み作業が完了するため、工程が著しく簡略化される。
<h>弾性体を外筒と内筒に半分に分けると、一体物の従来の弾性体と比較するとその厚みTは、約H/2となる。
厚みHが半分となれば、その高さも半分H/2とすれば従来品と同等の特性を得られ、その分荷重変換器をコンパクトにし、材料費も安価にすることが可能である。
図1・図2に示すのは、本考案にかかるセンターホール型荷重変換器Aの第1実施例であって、図1はその断面図、図2はその平面図である。
弾性体1は、一体物の高級材料によって形成するが、そのリング形状の材料を精密加工(ワイヤカット)で切断して、外筒2と内筒3とに分割形成する。
本考案にあっては、従来の一体円筒弾性体の面圧中心径を境に、外・内側に分割して外筒2と内筒3のそれぞれの緊張力を支持する面積を、その外径、内径、空間部径によって割り振ることにより、外筒2と内筒3で均等に圧力として受けるものである。
外筒2か内筒3の少なくともいずれか一方側、実施例では双方の向き合う面の上下中間部を周方向に切削して溝部4・4を形成する。
外筒2と内筒3を合わせたとき、上部と下部が密着し、中間部には、弾性体1の周方向に連続する密封された環状の空間部5が形成される
このような構造にすると、各々の円筒弾性体がカバー部部品を兼ねることになり、溶接部などによる密閉箇所が2ケ所に半減し、かつ、応力緩和部幅も半減以下となる。
前記した空間部5内に、センサ6が配置してある。
センサ6は、図2に示すように、空間部5の四箇所に、外筒2と内筒3の表面に向き合わせて一対づつ取付けるものである。
向き合う一対のセンサ6・6は、外筒2と内筒3を嵌め合わせる際に、簡単にリード線(図示せず)で繋ぐことができ、四箇所に配したセンサ6同士も、空間部5内を通したリード線によって繋ぐ。
リード線は、外筒2の一箇所に連結した引出し部7内を通して、表示装置へと繋ぐ。
外筒2と内筒3は、その上下端で溶接8によって固定する。
本考案の構造は、内部の空間部5に、一対のセンサ6・6とリード線格納分を有すればよい訳で、しかも溶接接合とすることで弾性体1の厚みを薄くできる。
図3は、グラウンドアンカーへの使用状態を示すもので、鋼より線などの緊張材9をクサビ10によって定着したアンカーヘッド11と、支圧板12との間に、本考案にかかる荷重変換器Aを配置したものである。
荷重変換器Aは、前記したように、内側に形成した空間部5が、一対のセンサ6・6とリード線収納空間分だけあればよく、外筒2・内筒3、つまりは弾性体1の厚みTを薄くできる。
つまりは、弾性体1の内周や外周へ張り出すものがなく、緊張力を支えられるだけの厚みTを有すればよい。
従って、緊張材9に一杯一杯に近づけても、弾性体1の外径D1若しくは内径D2が小さいがために、アンカーヘッド11の下面に弾性体1の水平面(支持面)が当接して、圧力を真下で受けるため、受圧板などが不要であるとともに、曲げや偏心による誤差の発生が少なくなる。
また、センサ6が配置される空間部5内壁面は、圧力を受ける面芯面に近い位置で左右にあるため、曲げの影響があっても量も小さくなり、かつお互いに補償しあう関係を保つことができる。
内筒3は、その一部断面、すなわち環状の厚みを有する内筒3の厚み形状が、弾性体1と同じ厚みを持つ底部31と、その底部31から立ち上がる中間部32によってL字形となっている。
このような外筒2と内筒3を嵌め合わせて、溶接8によって固定して、弾性体1が形成されている。
外筒2の天部21が内筒3の中間部32に、内筒3の底部31が外筒2の中間部22に、密着する。
従って、緊張力を天部21と底部31の平面全体で均等に受けることになる。
このような構造であると、受圧面の均等化を促し、組み立て後の受圧面のずれにより荷重分担が大きく偏る恐れが発生しない。
外筒2と内筒3とを嵌め合わせたとき、両者の中間部22・32の間に空間部5が形成される。
その空間部5の上方には内筒3の外周面に、下方には外筒の内周面に、それぞれOリング溝13・13が形成してある。
そのふたつの溝13に、それぞれOリング14を嵌めて、空間部5の上下を密閉してある。
15は、外筒2と内筒3の回転を防ぐためのピンである。
このOリング段差16にOリング14を嵌め合わせて、外筒2と内筒3を密着させる。
外筒2と内筒3との間に出来た円周方向の溝17に、円形の突部20を有する天部リング18と底部リング19を嵌め合わせる。
Oリング14の厚みを、外筒2と内筒3の二つの段差16内に収納するため、空間部5の厚みも小さくでき、よりコンパクトに出来る。
また、天部リング18と底部リング19が、受圧面として圧力を均等に受ける。
このような構造も受圧面の均等化を促し、組み立て後の受圧面のずれにより荷重分担が大きく偏る恐れが発生しない。
この実施例では、外筒2の一部断面形状を逆L字形とし、内筒3の一部断面形状をL字形としてある。
外筒2の内周面、内筒2の外周面に、両者で形成する空間部5の上下に位置するように、Oリング溝13・13を形成してある。
この溝13にOリング14を嵌めこんで、両者を一体化したものである。
このような構造の荷重変換器Aであると、図8に示すように、外筒2と内筒3とを上下にズラすと、センサ6の連結するリード線の配線が外から確認できる位置となって、連結作業が容易に確実に行える。
1:弾性体
2:外筒
3:内筒
4:溝
5:空間部
6:センサ
9:緊張材
10:クサビ
11:アンカーヘッド
12:支圧板
13:Oリング溝
14:Oリング
15:ピン
Claims (5)
- 円筒形の外筒及び内筒の二体の弾性体から成り、
外筒内に内筒を嵌合わせたとき、外筒と内筒の上部及び下部において密閉し、
外筒と内筒の上下中間部には、円周方向に環状に連続する空間部が形成され、
前記空間部の向き合う面にセンサを配置したことを特徴とする
センターホール型荷重変換器。 - 外筒と内筒を溶接によって固着し、
空間部を密閉したことを特徴とする
請求項1記載のセンターホール型荷重変換器。 - 外筒と内筒の上部及び下部の密着部分であって、外筒か内筒のいずれかに、筒の円周方向に連続するOリング溝を形成し、
当該Oリング溝にOリングを嵌め込んで他方に密着させ、
空間部を密閉したことを特徴とする
請求項1記載のセンターホール型荷重変換器。 - 外筒と内筒の上部及び下部の密着部分であって、外筒と内筒の互いに向き合う面に、筒の円周方向に連続するOリング溝を形成し、
当該Oリング溝にOリングを嵌め込むことを特徴とする
請求項1記載のセンターホール型荷重変換器。 - 外筒及び内筒のいずれか一方は、弾性体の厚みとほぼ同じ厚みを持つ底部と、その底部から立ち上がる中間部によって、一部断面形状がほぼL字形となっており、
他方は、弾性体の厚みとほぼ同じ厚みを持つ天部と、その天部から下降する中間部によって、一部断面形状が逆L字形状となっており、
当該外筒と内筒を嵌め合わせたとき、底部と天部が、それぞれ他方の筒の中間部端部に密着して、圧力を底部と天部の平面全体で均等に受けることを特徴とする
請求項1,2又は3記載のセンターホール型荷重変換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007005583U JP3135916U (ja) | 2007-07-20 | 2007-07-20 | センターホール型荷重変換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007005583U JP3135916U (ja) | 2007-07-20 | 2007-07-20 | センターホール型荷重変換器 |
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JP3135916U true JP3135916U (ja) | 2007-10-04 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007005583U Expired - Lifetime JP3135916U (ja) | 2007-07-20 | 2007-07-20 | センターホール型荷重変換器 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3135916U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108643253A (zh) * | 2018-08-09 | 2018-10-12 | 山东建勘集团有限公司 | 一种静压管桩桩端阻力测试装置及测试方法 |
-
2007
- 2007-07-20 JP JP2007005583U patent/JP3135916U/ja not_active Expired - Lifetime
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