JP3132127B2 - 容器の液面レベル検出装置 - Google Patents

容器の液面レベル検出装置

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JP3132127B2
JP3132127B2 JP04073979A JP7397992A JP3132127B2 JP 3132127 B2 JP3132127 B2 JP 3132127B2 JP 04073979 A JP04073979 A JP 04073979A JP 7397992 A JP7397992 A JP 7397992A JP 3132127 B2 JP3132127 B2 JP 3132127B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属容器のような不
透明な容器内の液面レベルをその液体とは非接触にして
検出する容器の液面レベル検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、清涼飲料水のシロップやビール
等の液体は、タンクやコンテナ等の密閉容器内に充填さ
れており、その液体は所望の液量ずつ密閉容器のタップ
から取り出されて消費される。この種の密閉容器は通
常、液体の変質を防止する上で金属からなっており、そ
れ故、密閉容器内の液体は外側から見えないことにな
る。このため、密閉容器の管理者は、単に勘のみで、そ
の液体残量を推測したり、又は、密閉容器を秤に載せ
て、密閉容器の重量から液体残量を推測している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した液体残量の検
出の仕方は、極めて不確実であったり、管理者にとって
煩わしく、管理者は、密閉容器内の残量を確認すること
を怠りがちとなる。このため、密閉容器内の液体がなく
なって初めて、管理者は、その液体残量がないこと、す
なわち、密閉容器が空になったことを知ることになる。
【0004】このような事情から、液面レベルを検出す
るための装置を組み込んだ密閉容器を使用することが考
えられるが、しかしながら、この場合には、既に使用し
ている密閉容器を全て検出装置を備えた密閉容器に交換
する必要があり、実現可能ではない。また、検出装置の
中には、密閉容器内の液体に直接接触するセンサ部を有
するものもあるが、このような検出装置は、液体が食品
である場合には使用することができない。
【0005】この発明は、上述した事情に基づいてなさ
れたもので、その目的とするところは、不透明な容器内
の液面レベルを液体とは非接触にして容器の外側から検
出可能とする容器の液面レベル検出装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の液面レベル検
出装置は、容器の外壁に対し互いに水平方向に離間した
状態で接触可能な第1及び第2伝熱部材と、第1及び第
2伝熱部材の温度を夫々検出する第1及び第2温度セン
サと、第1及び第2伝熱部材が容器の外壁に接触されて
いる状態で、第1伝熱部材を電気的に加熱する加熱手段
と、前記第1及び第2温度センサからの出力に基づき、
前記加熱手段による第1伝熱部材の加熱を制御し、第1
伝熱部材が第2伝熱部材に比べて所定温度だけ高い設定
温度に加熱された加熱終了時点で前記加熱手段にオフ信
号を出力して第1伝熱部材の加熱を停止し、この後、第
1伝熱部材が第2伝熱部材と同一の温度まで低下した加
熱開始時点で前記加熱手段にオン信号を出力して第1伝
熱部材の加熱を再開する加熱制御手段とを備えており、
これにより、液面レベル検出装置は、前記加熱終了時点
と前記加熱開始時点との間の時間間隔が示す第1伝熱部
材から容器の外壁を通じ容器内に伝熱される熱量の伝熱
速度に基づき、容器内の液面レベルを検出する。
【0007】
【作用】容器の外壁に液面レベル検出装置が取り付けら
れ、これにより、第1及び第2伝熱部材が容器の外壁に
最初接触されたとき、第1及び第2温度センサにより検
出される第1及び第2伝熱部材の温度は同一となってい
る。従って、このような状況では、第1伝熱部材は加熱
手段により電気的に加熱される。第1伝熱部材の温度が
第2伝熱部材の温度に比べて所定の温度だけ高い設定温
度に達して加熱終了時点となると、この設定温度が第1
温度センサにより検出され、加熱制御手段は加熱終了時
点で加熱手段にオフ信号を出力し、加熱手段による第1
伝熱部材の加熱を停止する。
【0008】この後、第1伝熱部材の温度が第2伝熱部
材と同一の温度まで低下して加熱開始時点となって、こ
れが第1温度センサにより検出されると、前記加熱制御
手段は加熱開始時点で加熱手段にオン信号を出力し、加
熱手段による第1伝熱部材の加熱が開始される。従っ
て、第1伝熱部材は、第2伝熱部材の温度と前記設定温
度との間で加熱と冷却を繰り返されることなる。ここ
で、第1伝熱部材が設定温度から第2伝熱部材と同一の
温度まで冷却されるのに要する時間間隔、即ち、前記加
熱終了時点と前記加熱開始時点との間の冷却間隔は、第
1伝熱部材から容器の外壁を通じ容器内に伝熱される熱
量の伝熱速度を示すことになるが、この伝熱速度は、第
1伝熱部材が容器の外壁を介して容器内の液体に接して
いるか又は容器内の空気に接しているかにより、液体と
空気との間の熱伝導率の違いによって変化することか
ら、前記伝熱速度に基づき、容器内の液面レベルが検出
されることになる。
【0009】
【実施例】図1を参照すると、熱伝導性を有した金属製
の容器2が示されている。この容器2は円筒形をなし、
その内部には例えばビールが充填可能となっている。容
器2のビールつまり液体は、タップ(図示しない)を通
じて取り出すことができる。
【0010】容器2の外周壁6の下部にはベルト8によ
り、検出装置10が取り付けられている。ベルト8は、
伸縮性を有したゴム製のバンド12と、バンド12の一
端に設けたバックル14とからなっている。従って、検
出装置10は、ベルト8により、容器2の外周壁6に取
り外し可能にして押し付けられている。検出装置10
は、図2に示されているように、矩形のケース16を備
えており、このケース16は合成樹脂からなっている。
ケース16の裏面18の上部には支持パッド20が取り
付けられており、この支持パッド20は容器2の外周壁
6と同一の曲率半径を有したパッド面22を有してい
る。
【0011】ケース16の裏面18の下部には、一対の
第1及び第2検出パッド24,26が取り付けられてお
り、これら第1及び第2検出パッド24,26は、熱伝
導性を有したゴムからなっている。第1及び第2検出パ
ッド24,26は、ケース16の底面28から同一のレ
ベル位置で、且つ、図2でみたとき水平方向に僅かに離
間して位置付けられている。また、第1及び第2検出パ
ッド24,26もまた、支持パッド20のパッド面22
と同様なパッド面30を有しており、これらパッド面3
0は、容器2の外周壁6に沿って湾曲され、しかも、パ
ッド面22とパッド面30とは、ケース16の裏面18
から同一の距離を存した突出位置に位置付けられてい
る。従って、ケース16の支持パッド20及び検第1及
び第2出パッド24,26は、容器2の外周壁6に密着
することができる。
【0012】第1及び第2検出パッド24,26の各々
は、図3及び図4から明かなように、ケース16の裏面
18側の部分が軸部32として形成されており、この軸
部32は、ケース16の裏面18に一端が露出したサポ
ート34,36に夫々接着されている。これらサポート
34,36は、熱伝導性を有したシリコーン樹脂からな
っており、サポート34,36の他端は、ケーシング1
6に収容されている基板38に夫々接着されている。従
って、サポート34,36もまた、基板38上にて離間
して配置されている。なお、互いに組をなす検出パッド
とサポートとは一体に形成することも可能である。
【0013】ここで、第1検出パッド24とサポート3
4とは第1伝熱部材を構成しており、また、第2検出パ
ッド26とサポート36とは第2伝熱部材を構成してい
る。第1及び第2伝熱部材の熱容量は同一に設定されて
いる。図3に示されているように、基板38上には、加
熱手段としてのヒータ40及び第1温度センサとしての
第1サーミスタ42が所定の間隔を存して配置されてお
り、これらヒータ40及び第1サーミスタ42はサポー
ト34に埋め込まれている。
【0014】また、基板38上には、図4に示されてい
るように第1サーミスタ42とは別の第2サーミスタ4
4が配置されており、この第2サーミスタ44はサポー
ト36に埋め込まれている。第2サーミスタ44は、第
2温度センサを構成する。ここで、第1及び第2サーミ
スタ42,44は、温度上昇により、その抵抗値が減少
する特性を有するものである。
【0015】ヒータ40及び第1及び第2サーミスタ4
2,44は、基板38上の検出回路に接続されており、
この検出回路は図5に示されている。図5の検出回路
は、前述したヒータ40の加熱制御手段を含んでおり、
この検出回路において、第1及び第2サーミスタ42,
44は、その一端がノード74を介してパルス発生回路
76に夫々接続されている。このパルス発生回路76
は、図示されているように無安定形マルチバイブレータ
からなっており、その振幅値が0以上のパルス信号をす
る。
【0016】第2サーミスタ44の他端は、増幅器7
8,80及び整流用ダイオード82を介してノード84
に接続されており、一方、第1サーミスタ42の他端
は、増幅器88を介してノード90に接続されている。
このノード90は、一方においては前記ノード84に接
続されているとともに他方においては抵抗92を介して
接地されている。
【0017】ノード84とパルス発振回路76側のノー
ド74とは相互に接続されており、これらノード74,
84間には、整流用ダイオード94が介挿されている。
第2サーミスタ44と増幅器78との間のノード96
は、キャパシタ98を介して接地されており、また、第
1サーミスタ42と増幅器86との間のノード100も
また、キャパシタ102を介して接地されている。ここ
で、キャパシタ102は、キャパシタ98よりも大きな
容量を有している。
【0018】前述したノード84は、抵抗104、増幅
器106及びフォトダイオード108に順次されてお
り、このフォトダイオード108は、抵抗109を介し
てスイッチング用トランジスタ110のベースに接続さ
れている。また、トランジスタ110のベースと抵抗1
09との間のノード111は、抵抗113を介してパワ
ートランジスタ62のベースに接続されている。なお、
フォトダイオード108は、検出装置10のケース16
の外面に取り付けられるものとなっている。
【0019】スイッチング用トランジスタ110のコレ
クタは、前述したヒータ40を介して電源Vccに接続さ
れており、また、そのエミッタは、パワートランジスタ
62のベースと抵抗113との間のノード114に接続
されている。更に、パワートランジスタ62のコレクタ
は、ヒータ40にノード112を介して接続されてお
り、そのエミッタは接地されている。
【0020】前述した抵抗104と増幅器106と間の
ノード116は、キャパシタ118を介して接地されて
おり、更に、ノード116は、整流用ダイオード120
を介してノード84,90間のノード122に接続され
ている。更に、増幅器106とフォトダイオード108
との間のノード124は出力端子126に接続されてお
り、この出力端子126には、この実施例の場合、ラッ
チングリレー128が接続されている。
【0021】上述した検出回路によれば、パルス発生回
路76からノード74に供給されたパルス信号は、この
後、ノード74からサーミスタ42を介してノード84
に達する経路と、ノード74からダイオード94を介し
てノード84に達する経路及びノード74からサーミス
タ44を介してノード84に達する経路を夫々伝達さ
れ、そして、ノード84にて合流する。
【0022】ここで、容器2内に液体がフルに充填され
ており、この容器2の下部に検出装置10が取り付けら
れ、そして、今、検出装置10の作動が開始された直後
であるとする。従って、この時点では、容器2内の液面
レベルは、図6に示してある検出装置10における第1
及び第2検出パッド24,26の上縁レベルHよりも十
分に高い位置にある。
【0023】このような状況にあっては、第1及び第2
サーミスタ42,44は、同一の温度、即ち基準温度T
sを検出するから、これら第1及び第2サーミスタ4
2,44の抵抗値もまた同一の値となっている。従っ
て、このとき、図5の検出回路において、A乃至Gの各
部位には図7に示すパルス波形が夫々現れる。即ち、検
出回路のA部には、パルス発生回路76からノード84
に直接に供給されるパルス波形が現れ、これに対し、B
部及びC部にはパルス発生回路76からサーミスタ4
4,42を通過した後のパルス波形が現れる。ここで、
第1及び第2サーミスタ42,44に夫々接続されてい
るキャパシタ102,98に関して、前述したようにキ
ャパシタ102の方がキャパシタ98に比べて容量が大
きいことから、C部のパルス波形はB部のパルス波形に
比べ、その立ち上がり速度にずれが発生する。即ち、C
部のパルス波形がその半振幅までの立ち上がり及び立ち
下がりに要する時間は、B部のパルス波形の場合に比べ
て、t0時間及びt1時間だけ夫々遅れることになる。
【0024】従って、B部のパルス波形が増幅器78,
80を順次通過したとき、検出回路のD部及びE部に
は、図7の(D),(E)に示すパルス波形が現れるこ
とになる。一方、C部のパルス波形が増幅器86を通過
したとき、検出回路のF部には、E部のパルス波形に対
し、図7の(F)に示すように、その立ち上がり及び立
ち下がりがt0及びt1時間だけ遅れ、しかも、反転した
形のパルス波形が現れる。
【0025】従って、A部、E部及びF部のパルス波形
がノード84にて、足し合わされると、検出回路のG部
には、図7の(G)に示すようなパルス波形が現れる。
即ち、図7の(G)から明かなように、検出回路のG部
には、(E)及び(F)のパルス波形の立ち下がりと立
ち上がりとの間の時間差t1に起因して、周期的なパル
ス波形が現れる。ここで、G部でのパルス波形は、その
振幅値が0以上の正の値をとる場合をプラス(+)で示
してあり、これに対し、その振幅値が負の値をとる場合
にはマイナス(−)で示してある。
【0026】検出回路のG部にパルス波形が現れると、
このパルス波形は、この後、増幅器106にて増幅さ
れ、そして、フォトダイード108を介してスイッチン
グ用トランジスタ110に供給される。従って、この場
合、フォトダイオード108が点灯されると同時に、ス
イッチングトランジスタ110がオンとなり、この結
果、パワートランジスタ62もまたオンとなる。
【0027】従って、このような状況ではヒータ40に
通電されることから、このヒータ40が発熱し、これに
より、前述したように検出装置10の第1検出パッド2
4及びサポート34の加熱が開始される。第1検出パッ
ド24及びサポート34の温度が上昇すると、第1サー
ミスタ42の抵抗値もまた徐々に減少していくから、検
出回路のF部のパルス波形は、図7中矢印で示すよう
に、その位相が早められることになる。従って、第1検
出パッド24及びサポート34の温度が設定温度Teま
で上昇して、F部のパルス波形の位相が前述した時間差
t1を打ち消すだけ早められると、検出回路のG部に現
れるパルス波形は、図8に示されるように無くなってし
まう。この結果、スイッチング用トランジスタ110及
びパワートランジスタ62が共にオフとなって、ヒータ
40への通電が停止され、ヒータ40による第1検出パ
ッド24及びサポート34の加熱もまた停止される。な
お、この時点で、フォトダイオード108が消灯される
ことはいうまでもない。従って、容器2の管理者は、フ
ォトダイオード10の点灯及び消灯から、ヒータ40へ
の通電状態及び通電停止状態を視認することができる。
【0028】ここで、ヒータ40への通電中には、検出
回路の出力端子126にオン信号が現れているが、ヒー
タ40の通電が停止されたとき、出力端子126にオフ
信号が現れることに留意すべきであり、また、これらの
オン信号及びオフ信号は、ラッチングリレー128に保
持される。従って、電源がオフされても、今まで、電源
オフ時の出力端子126に現れていた信号の状態をラッ
チングリレー128によって検出することが可能とな
る。
【0029】ヒータ40の発熱が停止されると、第1検
出パッド24及びサポート34の熱は、容器2の外周壁
6を通じて容器2内の液体に放熱されていくから、これ
ら第1検出パッド24及びサポート34の温度は、設定
温度Teから徐々に低下していく。この後、第1サーミ
スタ42の抵抗値が増加して、検出回路のF部に現れる
パルス波形の位相が遅くなり、この結果、G部に再び負
のパルス波形が現れるようになると、ヒータ40の通電
が再開され、第1検出パッド24及びサポート34は、
再び設定温度Teまで加熱されることになる。
【0030】即ち、ヒータ40の通電と通電停止とは、
図9に示されるように繰り返されることになり、ヒータ
40の加熱停止時点と加熱開始時点との間の時間間隔
は、第1検出パッド24及びサポート34が前記設定温
度Teから前述した基準温度Tsに低下するまでに要する
冷却時間となる。ここで、冷却時間は容器2内の液体の
液面レベルSLに応じて変化する。具体的には、前述し
たように液面レベルSLが第1検出パッド24の上縁レ
ベルH(図6参照)よりも高いときには、第1検出パッ
ド24側からの放熱が容器2内の液体を介してなされる
から、その放熱量が最大となって、冷却時間は最も短く
なる。そして、液面レベルSLが第1検出パッド24の
上縁レベルHよりも低下すると、第1検出パッド24側
からの放熱は、容器2内の液体と気体との双方に対して
なされるから、冷却時間は徐々に長くなっていくことに
なる。更に、液面レベルSLが第1検出パッド24の下
縁レベルLよりも低下すると、第1検出パッド24側か
ら放熱は、容器2内の気体即ち空気に対してのみに行わ
れるから、冷却時間は更に長くなる。即ち、第1検出パ
ッド24及びサポート34の冷却時間は、図10に示さ
れているように、容器2内の液面レベルSLに応じて変
化することになる。
【0031】更に、容器2の外周壁6に対して、検出装
置10の取付が不完全であると、つまり、外周壁6に対
して第1検出パッド24が完全に密着されていないと、
第1検出パッド24から外周壁6に伝導される熱量が無
くなるから、前述した冷却時間は容器2が空の場合での
冷却時間に比べても長くなる。従って、検出回路の出力
端子126に現れるヒータ40のオフ信号の維持時間、
即ち、冷却時間を計測することにより、容器2内の液面
レベルSLの検出が可能となり、また、冷却時間が所定
時間t3を越えるよう状況にあっては、検出装置10に
取付不良が発生していると判定できる。
【0032】付け加えれば、第1検出パッド24及びサ
ポート34が例え設定温度Teを僅かに越えて加熱さ
れ、その結果、図11に示されているように検出回路に
於けるE部のパルス波形に比べ、F部のパルス波形の位
相が早まり過ぎるような状況があっても、検出回路のG
部に2点鎖線で示すような負のパルス波形が発生するよ
うなことはない。即ち、検出回路のG部では、E部及び
F部のパルス波形に加えて、A部のパルス波形をも足し
合わされているから、上述した2点鎖線のパルス波形
は、A部からの正の振幅を有するパルス波形により打ち
消されることになる。従って、第1検出パッド24及び
サポート34が設定温度Teまで加熱された後、ヒータ
40への通電が継続されるようなことはない。従って、
図12に示されているように、第1検出パッド24及び
サポート34の温度が設定温度Teに達すると、ヒータ
40の発熱が直ちに停止されるから、これら第1検出パ
ッド24及びサポート34が図12中破線で示すように
設定温度Te以上に加熱されることはない。
【0033】この発明は上述した実施例に制約されるも
のではなく、種々の変形が可能である。例えば、検出装
置は、気体と液体との間の熱伝導率の違いを利用して、
容器内の液面レベルを検出する方式が採用したものであ
るから、容器内の液体はビールやシロップ等の食品に限
られるものではない。例えば、LPGや各種特殊ガス等
が液化した状態で充填されている高圧のガスタンクに検
出装置を取り付ければ、この検出装置は、ガスタンク内
の液面レベルをも検出することができる。
【0034】また、検出装置を適用できる容器として
は、金属容器に限らず、熱伝導性を有し且つ不透明な合
成樹脂から成形された容器であってもよい。更に、図1
3及び図14を参照すれば、ベルト8の代わりに検出装
置10の取付アーム130が示されている。この取付ア
ーム130は、容器2の上縁及び下縁の夫々に弾性的に
係合可能な上端及び下端を有してており、検出装置10
のケース16は、取付アーム130の背面に取り付けら
れている。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の液面レ
ベル検出装置は、加熱手段により、第1伝熱部材を一旦
設定温度まで加熱してからその加熱を停止し、この後、
第1伝熱部材が第2伝熱部材と同一の温度まで低下した
とき、加熱手段により第1伝熱部材を設定温度まで加熱
する工程を繰り返して実施するようにしたから、第1伝
熱部材の温度が設定温度から第2伝熱部材と同一の温度
まで低下するのに要する冷却時間を求めることで、この
冷却時間から容器内の液面レベルをその液体はとは非接
触して且つ容器の外側から検出することができるばかり
でなく、その容器の取付不良もまた検出できるなどの優
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】検出装置が取り付けられた状態を示す容器の斜
視図である。
【図2】図1の検出装置を示した斜視図である。
【図3】検出装置の一部を破断して示した側面図であ
る。
【図4】図3中、IV−1V線に沿う検出装置の断面図
である。
【図5】検出装置に内蔵された一実施例の検出回路を示
した回路図である。
【図6】検出装置の第1及び第2検出パッドと液面レベ
ルとの間の相対レベルを示した図である。
【図7】第1検出パッドの温度が基準温度にある状況で
の、図5の検出回路に於ける各部でのパルス波形を示し
た図である。
【図8】第1検出パッドが設定温度に加熱された状況で
の、図5の検出回路に於ける各部でのパルス波形を示し
た図である。
【図9】ヒータのオンオフ作動を示したタイムチャート
である。
【図10】容器の液面レベルと第1検出パッドの冷却時
間との関係を示したグラフである。
【図11】第1検出パッドが設定温度よりも僅かに過熱
された状況での、図5の検出回路に於ける各部でのパル
ス波形を示した図である。
【図12】ヒータのオンオフによる第1検出パッドの温
度変化を示したグラフである。
【図13】検出装置が取付アームを介して取り付けられ
た状態の容器の側面図である。
【図14】図13の取付アームの背面図である。
【符号の説明】
2 容器 10 検出装置 16 ケース 24 第1検出パッド 26 第2検出パッド 34,36 サポート 40 ヒータ 42 第1サーミスタ 44 第2サーミスタ 62 パワートランジスタ 76 パルス発生回路 98,102 キャパシタ 108 フォトダイオード 110 スイッチング用トランジスタ 126 出力端子

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導性を有し且つ不透明な容器内の液
    体のレベルを検出する容器の液面レベル検出装置におい
    て、 容器の外壁に対し互いに水平方向に離間した状態で接触
    可能な第1及び第2伝熱部材と、第1及び第2伝熱部材
    の温度を夫々検出する第1及び第2温度センサと、第1
    及び第2伝熱部材が容器の外壁に接触されている状態
    で、第1伝熱部材を電気的に加熱する加熱手段と、前記
    第1及び第2温度センサからの出力に基づき、前記加熱
    手段による第1伝熱部材の加熱を制御し、第1伝熱部材
    が第2伝熱部材に比べて所定温度だけ高い設定温度に加
    熱された加熱終了時点で前記加熱手段にオフ信号を出力
    して第1伝熱部材の加熱を停止し、この後、第1伝熱部
    材が第2伝熱部材と同一の温度まで低下した加熱開始時
    点で前記加熱手段にオン信号を出力して第1伝熱部材の
    加熱を再開する加熱制御手段とを備えており、 前記加熱終了時点と前記加熱開始時点との間の時間間隔
    が示す第1伝熱部材から容器の外壁を通じ容器内に伝熱
    される熱量の伝熱速度に基づき、容器内の液面レベルを
    検出することを特徴とする容器の液面レベル検出装置。
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