JP3131630U - ブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】毛束をヘッド部材に強固に固定し、ヘッド部材をコンパクトに形成し、低コストでの大量生産を可能とする。
【解決手段】複数の毛束6を有するヘッド部材3が柄部2の先端に取り付けられており、前記ヘッド部材3は、複数の毛束6と、これらの毛束6のそれぞれと毛束6の基端側で一体とされた基端部材9とを備えるブラシ体7と、それぞれの毛束6に対応した位置に挿通孔13が形成されると共に、挿通孔13に毛束6を挿通した状態で前記ブラシ体7に溶着されている固定部材8とを有している。
【選択図】図3

Description

本考案は、ヘッド部材が柄部の先端に取り付けられているブラシに関するものである。
従来の歯ブラシにおいては、複数本の刷毛を束ねた毛束がヘッド部の植毛面に金属片を用いて植毛されている。しかしながら、金属片を用いて毛束が植毛される歯ブラシにおいては、金属片が腐食して毛束がヘッド部から抜けやすくなるため、耐久性に劣るという問題がある。そのため、近年は毛束がヘッド部に固着された歯ブラシが用いられている。
例えば、特許文献1には、ヘッド部の植毛面と毛束の端部とをプレート状ヒータで溶融状態とし、溶融状態において植毛面に毛束を溶着する歯ブラシが知られている。
また、特許文献2には、ヘッド部に植毛孔を形成し、この植毛孔に毛束を挿通し、毛束ごと植毛孔を樹脂で埋め込んで形成される歯ブラシが知られている。
特開昭61−76104号公報 特開2003−19029号公報
しかしながら、特許文献1、2の歯ブラシは、金属片による固定に比べて毛束のヘッド部に対する固定は強固ではない。そのため、前記歯ブラシにおいては、毛束をヘッド部に深く差し込んだ状態で固定できるようにヘッド部に一定の厚みを確保する必要がある。つまり、特許文献1、2の歯ブラシはコンパクト化が困難であるという問題があった。
また、前記歯ブラシは、ヘッド部や毛束を加熱する工程やヘッド部に植毛孔を形成する工程が毛束の溶着工程以外に必要となり、複雑な製造工程を必要とするため低コストでの大量生産が困難であるという問題もあった。
本考案はこのような問題に鑑みてなされたものであって、本考案は、ヘッド部材を厚く形成しなくても毛束をヘッド部材に強固に固定でき、ヘッド部材をコンパクトに形成できるため低コストでの大量生産が可能となるブラシを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本考案は次の技術的手段を講じている。
即ち、複数の毛束6を有するヘッド部材3が柄部2の先端に取り付けられているブラシであって、前記ヘッド部材3は、複数の毛束6と、これらの毛束6のそれぞれと毛束6の基端側で一体とされた基端部材9とを備えるブラシ体7と、それぞれの毛束6に対応した位置に挿通孔13が形成されると共に、挿通孔13に毛束6を挿通した状態で前記ブラシ体7に熱溶着されている固定部材8とを有している。
この技術的手段によれば、ブラシ体7においては複数の毛束6がそれぞれの基端側で基端部材9に一体に形成され、基端部材9が毛束6のヘッド部材3からの抜け止めをするので、ヘッド部材3を厚く形成しなくても毛束6をヘッド部材3に強固に固定することができ、毛束6がヘッド部材3から抜けることが抑制乃至防止される。
また、本考案のブラシ1では、毛束6を樹脂で埋め込む場合に比べてヘッド部材3を薄肉化(コンパクト化)できるようになり、原材料費を低くできると共に製造時間を短縮化できるので、低コストでの大量生産が可能となる。
なお、前記ヘッド部材3は、柄部2の先端に超音波接合で取り付けられているのが好ましい。
これにより、接着剤で柄部2の先端にヘッド部材3を取り付けた場合のように溶剤を用いることがないので、衛生上好ましい歯ブラシを得ることができる。
本考案の歯ブラシによれば、ヘッド部材を厚く形成しなくても毛束をヘッド部材に強固に固定でき、ヘッド部材をコンパクトに形成できるため低コストでの大量生産が可能となる。
以下、本考案に係るブラシの実施の形態を説明する。
図1に示すように、本考案のブラシ1は、柄部2と、柄部2の先端側(図1右側)に取り付けられたヘッド部材3とを有している。
前記柄部2は、合成樹脂で棒状に形成されており、中途側から基端側(図1左側)は先端側より太めに形成されている。この柄部2の中途側から基端側には、把持した際に滑らないように滑り止めなどを形成することができる。柄部2の先端側は、口内に差し込む際に支障にならないように、中途側や基端側より細めに形成されている。柄部2の先端側には、ヘッド部材3と係合する係合面4が下側に形成されている。
前記係合面4は、ヘッド部材3の被係合面5に対応して平坦に形成されており、被係合面5と超音波接合により接合(取付)されている。
図2〜図4に示すように、第1実施形態のヘッド部材3は、複数の毛束6と、これらの毛束6のそれぞれと毛束6の基端側で一体とされた基端部材9とを備えるブラシ体7と、それぞれの毛束6に対応した位置に挿通孔13が形成されると共に、挿通孔13に毛束6を挿通した状態で前記ブラシ体7に溶着されている固定部材8とを有している。
前記ヘッド部材3は、上方に配置されたブラシ体7と下方に配置された固定部材8とを熱溶着して形成されている。ヘッド部材3は、上部に被係合面5を有しており、この被係合面5を介して前記柄部2の係合面4に接合(固定)されている。
前記ブラシ体7は、複数の毛束6と、複数の毛束6の基端側(図2における毛束6の上端側)に設けられる基端部材9とを有している。前記毛束6は、刷毛10を20〜40本揃えて束ねたものである。
前記基端部材9は、合成樹脂で板状に形成されており、一方の面には毛束形成面11が形成されている。この毛束形成面11には毛束6が一定の間隔をあけて且つ毛束形成面11と略垂直に複数配置されており、これらの毛束6がそれぞれの基端側で毛束形成面11と接するように毛束6と基端部材9とが一体に形成されている。
前記基端部材9は、互いに隣接しあう毛束6同士を繋ぐように、それぞれの毛束6の基端側を溶融して板状に形成した部材と言うこともできる。
なお、前記基端部材9は、それぞれの毛束6の基端側が熱溶着されて、溶融された合成樹脂がそれぞれの毛束6を中心に広がることで、隣接し合う毛束6同士がそれぞれの基端側で繋がった板状に形成されている。そのため、本実施形態においては図2に示されるように、隣接し合う毛束6同士の間隔が大きな箇所には合成樹脂が十分に広がりきれていない隙間が形成されている。しかし、溶融された合成樹脂の量を増やすことで、基端部材9を合成樹脂で隙間のない板状に形成することもできる。
前記固定部材8は、基端部材9を構成する合成樹脂より高融点の合成樹脂で板状に形成されており、上部に凹状部12が設けられている。前記凹状部12の底面には、毛束6を挿通する挿通孔13が、毛束形成面11上の毛束6に対応した位置に形成されている。なお、本実施形態では、挿通孔13は毛束形成面11上の毛束6の1束に対応して1つづつ形成されている。前記凹状部12の底面は、基端部材9の毛束形成面11と面接状態で溶着されている。
刷毛10は、ブラッシング用途や除去対象に合わして熱可塑性の合成樹脂で形成されている。熱可塑性の合成樹脂には、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)やポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)などのポリエステル樹脂、ナイロンやアラミドなどのポリアミド樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂を好ましくは用いることができる。なお、刷毛10の耐久性に鑑みれば、ナイロンやアラミドなどのポリアミド樹脂の刷毛10を用いるのが最も好ましい。
刷毛10は、ブラッシングの用途(成人向け/子供向け、歯周病予防、歯石予防などの用途)、ブラッシングする歯の種類(前歯、奥歯、乳歯、歯間)、除去対象(食べかす、プラーク)などに合わせて形状、太さなどを適宜変更することができる。例えば、歯間に挟まった食べかすを取り除くために毛先を細めたり、プラークを擦り落とすために毛先を球状にしたりすることもできる。
刷毛10の太さは、ブラッシングの用途や対象により異なるため一概に定めることはできないが、一般的なものとしては0.05〜0.25mmφ、好ましくは0.12〜2.0mmφとされる。
毛束6は、合成樹脂製の刷毛10に他の材料からなるブラッシング部材を混ぜ合わした混糸で形成することもできる。前記ブラッシング部材には、0.05〜0.25mmφの合成繊維糸、天然繊維糸、または合成樹脂製のプレートなどが挙げられる。これにより、歯間に挟まった食べかすをより確実に取り除けるようになる。
図5に示すように、第1実施形態のブラシ1は以下に示す方法で製造される。
つまり、図5(a)に示す第1の工程において、固定部材8が金型14の中央に配置される。この金型14には上下に貫通孔15が形成されており、貫通孔15の上下方向の途中に固定部材8を位置決めする段差16が設けられている。
図5(b)に示す第2の工程において、金型14に配置された固定部材8の挿通孔13に対して、毛束6が下方から挿入される。毛束6は上端が挿通孔13を挿通して固定部材8より上方に飛び出るように挿入される。
図5(c)に示す第3の工程において、毛束6(刷毛10)を構成する合成樹脂の融点以上の温度に加熱された成形金型18が固定部材8に向けて下降し、固定部材8より上方に飛び出た毛束6の上端側に当接する。固定部材8より上方に飛び出た毛束6は成形金型18により溶融し、毛束6を構成する刷毛10同士が溶着される。
成形金型18は、固定部材8の上端と面位置になるまで下降し、この面位置より上方に突出した毛束6が全て溶融されると共に、溶融された合成樹脂が板状に押し伸ばされる。その結果、隣り合う毛束6同士が溶着し合い、基端部材9が毛束6の上方に一体に形成されたブラシ体7が成形される。このブラシ体7は、固定部材8に熱可塑状態で圧着されるため、固定部材8に溶着固定される。
ブラシ体7が形成された後、毛束6の下端側がカット装置19で切断され、ヘッド部材3が形成される。
図5(d)に示す第4の工程において、柄部2がヘッド部材3の上に配置され、係合面4の下面とヘッド部材3の被係合面5とが面接状態となる。この面接状態において柄部2とヘッド部材3に超音波Sが加えられ、ヘッド部材3が柄部2に超音波接合される。
前記ブラシ体7は、複数の毛束6がそれぞれの基端側で基端部材9に強固に一体形成されており、この基端部材9が毛束6のヘッド部材3からの抜け止めを行っている。そのため、毛束6がヘッド部材3に強固に固定され、毛束6のヘッド部材3からの抜け落ちが抑制乃至防止される。
また、前記ブラシ体7は、毛束6の抜け止めを毛束6に一体形成された基端部材9により行っており、従来の毛束6を樹脂で埋め込む場合のようにヘッドを厚くする必要がない。そのため、本考案のブラシ1ではヘッド部を薄肉化(コンパクト化)できるようになり、原材料費を低くできると共に製造時間を短縮化できるので、低コストでの大量生産が可能となる。
また、前記ブラシ1は、ヘッドが薄肉化されているので、口内の隅々まで確実にブラッシングすることが可能となる。さらに、本考案のブラシ1ではヘッド部材3を薄肉化しているので、厚肉のヘッド部よりブラシ部分が弾力的に歯に当たり、歯肉を傷つけないようにソフトにブラッシングしても十分に食べかすや汚れを取り除くことができる。
前記ヘッド部材3を柄部2の先端に超音波接合で取り付けることにより、接着剤で柄部2の先端にヘッド部を取り付けた場合のように溶剤を用いることがないので、衛生上好ましい歯ブラシを得ることができる。また、前記ブラシ1は、従来のように接着剤の硬化工程が不要であるため、製造工程を簡略化と製造の省スペース化が可能となる。
本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、考案の本質を変更しない範囲で各部材の形状、構造、材質、組み合わせなどを適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態は、歯ブラシの用途に用いられるブラシ1についてのものであった。しかし、本考案のブラシ1は、日用品、医療、工業などの分野で歯ブラシ以外の用途に用いられるブラシにも利用することができる。
また、上記実施形態ではヘッド部材3は柄部2に超音波接合されていたが、接着や熱融着を用いてヘッド部材3を柄部2に取り付けても良い。また、ヘッド部材3を嵌着や螺合により柄部2に着脱自在に取り付けることで、用途に合わせて複数のヘッド部材3を取り替えられるブラシを得ることもできる。
さらに、上記実施形態において固定部材8より上方に飛び出た毛束6は、合成樹脂の融点以上の温度に加熱された成形金型18により溶融されていたが、合成樹脂の融点以上に加熱された熱風により毛束6を溶融することも可能である。
上記実施形態では毛束6は毛束形成面11上において一定の間隔をあけて設けられていたが、毛束6を毛束形成面11上にそれぞれ異なる間隔で形成したり特定のパターンに沿わせて形成することも可能である。
さらにまた、上記実施形態では挿通孔13は毛束形成面11上の毛束6の1束に対応して1つづつ形成されていたが、挿通孔13を毛束形成面11上の複数の毛束6に対応して1つづつ形成することも可能である。
本考案のブラシの側面図である。 ヘッド部材を上方から見た平面図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 本考案のブラシの製造方法を示す説明図である。
符号の説明
1 ブラシ
2 柄部
3 ヘッド部材
6 毛束
7 ブラシ体
8 固定部材
9 基端部材
13 挿通孔

Claims (2)

  1. 複数の毛束(6)を有するヘッド部材(3)が柄部(2)の先端に取り付けられているブラシであって、
    前記ヘッド部材(3)は、
    複数の毛束(6)と、これらの毛束(6)のそれぞれと毛束(6)の基端側で一体とされた基端部材(9)とを備えるブラシ体(7)と、
    それぞれの毛束(6)に対応した位置に挿通孔(13)が形成されると共に、挿通孔(13)に毛束(6)を挿通した状態で前記ブラシ体(7)に熱溶着されている固定部材(8)と
    を有していることを特徴とするブラシ。
  2. 前記ヘッド部材(3)は、柄部(2)の先端に超音波接合で取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のブラシ。
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