JP3131398B2 - 細胞からの核酸入手法 - Google Patents

細胞からの核酸入手法

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JP3131398B2 JP09057799A JP5779997A JP3131398B2 JP 3131398 B2 JP3131398 B2 JP 3131398B2 JP 09057799 A JP09057799 A JP 09057799A JP 5779997 A JP5779997 A JP 5779997A JP 3131398 B2 JP3131398 B2 JP 3131398B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞性成分を入手
可能にする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】核酸のような細胞性成分の入手は、様々
な分子生物学方法論にとって不可欠である。このような
方法論としては、核酸配列順序決定、核酸ハイブリダイ
ゼーションによる特定の核酸配列の直接的検出および核
酸配列増幅技術がある。
【0003】若干の微生物の細胞からの核酸の入手は、
特に複雑な方法論も苛酷な処理も必要としないが、他の
微生物は、核酸または他の細胞性成分を入手するのが特
に難しい細胞を有する。後者の群の微生物としては、ミ
コバクテリア(Mycobacteria)属の種、酵母および真菌
がある。通常、細胞性成分入手の難しさは、溶解若しく
は破壊に対して極めて耐性である微生物細胞壁、および
/または細胞性タンパク質および細胞壁片のような他の
細胞性物質に対する核酸のようなある種の細胞性成分の
付着性の結果である。
【0004】ミコバクテリア微生物から核酸を入手しよ
うする試みの難しさのために、用いられる方法は苛酷で
ありがちであり、したがって、非ミコバクテリア微生物
にとってはあまり有用ではない。逆に、細胞を破壊し且
つ非ミコバクテリア微生物から核酸を入手するのに用い
られる方法は、ミコバクテリア微生物に用いられた場
合、有効ではないことが多い。
【0005】細胞を破壊して核酸を入手するのに用いら
れてきた二つの非酵素的方法は、細胞の加熱(米国特許
第5,376,527号明細書を参照されたい)および溶原性化
学薬品の存在下で「ミニビーズ」を用いるまたは用いな
い細胞の物理的撹拌である。例えば、デ・ウィット(De
Witt)ら、J.Clin.Micro.28(11):2437-2441(1990)は、
緩衝フェノールおよびドデシル硫酸ナトリウム(SD
S)の存在下でのミコバクテリア細胞含有試料の旋回振
とうを記載し、ハーリー(Hurley),S.S.ら、J.Cl
in.Microbiol 25(11)2227-2229(1987)は、バイオスペ
ク・プロダクツ・ミニ・ビードビーター(Biospec Prod
ucts Mini-Beadbeater)中においてジルニウムビーズを
用いるミコバクテリア細胞のフェノール抽出および物理
的破壊の組合わせを記載し、そしてシャー(Sha
h),J.S.ら、J.Clin.Microbiol 3 3(2),322-328(1
995)は、溶原性物質チオシアン酸グアニジミウム(G
uSCN)による熱不活化ミコバクテリア細胞の溶解お
よび酸化ジルコニウムビーズを用いる物理的撹拌を記載
している。更に、米国特許第5,374,522号明細書は、ビ
ーズ 存在下において細胞に対して超音波エネルギーを
加えることによって細胞を破壊する方法を記載し、そし
てハーリーら、Int.J.Systemic Bacteriology 38(2):14
3-146(1988)は、蒸留フェノールおよびジルコニウムビ
ーズの存在下のミコバクテリア細胞含有試料の物理的撹
拌を記載している。
【0006】米国特許第5,374,522号明細書で認められ
るように、微生物の激しい物理的粉砕または振とうは、
ビーズを用いても用いなくてもかなりの欠点を示す。第
一に、粉砕用粒子の物理的相互作用によって生じる摩擦
は、核酸に対して悪影響を及ぼす過熱を生じることがあ
り、したがって、引き続きのハイブリダイゼーション法
において核酸を使用不能にさせることがある。更に、細
胞性成分の抽出のために細胞がこのような苛酷な条件を
必要とする微生物の多くは極めて病原性であり、したが
って、これらの物理的操作を開放系で行った場合、健康
に害を与える。更に、SDS、GuSCN、プロテイナ
ーゼ、フェノール/クロロホルム等のような溶原性化学
薬剤および/または酵素の使用は、しばしば、核酸を入
手する引き続きの分子生物学工程に悪影響を及ぼす。例
えば、イオンまたは非イオン洗剤は、ポリメラーゼ連鎖
反応(PCR)および鎖置換増幅(SDA)のような核
酸増幅工程を阻害することが知られており、そしてガラ
スビーズを処理するのに一般的に用いられるカーボンブ
ラックはSDAを阻害することが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、核酸のよう
な細胞性成分を、細胞溶解後でも、核酸が結合する細胞
性タンパク質のような他の細胞性成分から分離する従来
取り組まれなかった問題に対する解決法を提供する。試
料処理方法のこの改善は本発明において具体化され、そ
れは、破壊された細胞の試料に、粒子の存在下の撹拌を
施して、核酸を他の細胞性成分から分離することによっ
て利用しうる細胞性成分を供給する方法である。本発明
の方法の使用によっていったん入手されたら、核酸のよ
うな細胞性成分は、様々な分子生物学方法で用いること
ができる。本発明の方法はまた、試料処理方法におい
て、加熱などの適合した細胞破壊方法論と一緒に、同時
のまたは部分的に同時の工程として組合わせることがで
きる。
【0008】
【課題を解決すための手段】広範な態様において、本発
明の方法は、引き続きの分子生物学方法に有用な形の核
酸含有細胞性成分を入手するための簡単な方法を提供す
る。方法の簡単さは、溶解した細胞を含有する試料の限
定された操作に起因する。本方法を試料の加熱を含めた
細胞破壊工程と組合わせる場合、細胞を破壊するのに必
要な熱は、試料中の任意の感染性微生物を非感染性にさ
せるのにも充分であるので、安全性の要素が更に与えら
れる。
【0009】細胞を破壊する加熱工程と一緒に実施され
た場合、本方法は、試料を加熱後に物理的撹拌を行う逐
次的工程を伴うことができる。或いは、加熱および物理
的撹拌は、部分的に重複する工程として(部分的に同時
に)または完全に同時に起こりうる。
【0010】試料中の細胞が破壊された後に、本発明の
方法を行って、核酸のような細胞性成分が細胞性タンパ
ク質などの他の細胞性成分から分離されるように粒子の
存在下で試料を撹拌する。本発明の方法の具体的な利点
は、試料の撹拌の際に粒子と共に溶原性物質が存在しな
いことである。デ・ウィットら、上記、ハーリー,S.
S.ら(1987)および(1988)、上記並びにシャー,
J.S.ら、上記によって記載されたような方法は、溶
原性物質SDS、フェノールおよびGuSCNそれぞれ
を必要とする。これらのような溶原性物質は、しばし
ば、入手された核酸を用いて行われた引き続きの分子生
物学工程に悪影響を及ぼす。対照的に、本発明の方法
は、入手された核酸を用いて行われた引き続きの分子生
物学工程に悪影響を及ぼさない。
【0011】破壊された細胞のこのような試料の充分な
撹拌は、種々の商業的に入手可能な装置によって達成さ
れうる。典型的な装置は、バートルズビル、オクラホマ
のバイオスペク・プロダクツから入手可能なバイオスペ
ク・ミニ・ビードビーターおよびホルブルック、ニュー
ヨークのサバント・インスツルメンツ(Savant Instrum
ents)から入手可能な FastPrepTM装置である。
【0012】目的が細胞性成分を互いに分離することで
ある本発明の方法に必要な試料撹拌は、概して、試料中
の細胞を破壊するかまたは溶解して細胞性成分を放出す
るのに必要であるように記載された撹拌ほど激しくはな
い。例えば、フェノール抽出と一緒に用いてパラ結核菌
(M.paratuberculosis)、チモテ菌(M.phlei)、鳥型
結核菌(M.avium)、M.フォルツイツム(fortuitum)
およびM.スクロフラセウム(scrofulaceum)細胞を溶
解させる場合、ハーリー,S.S.ら(1987)、上記
は、バイオスペク・ミニ・ビードビーターを用いてジル
コニウムビーズの存在下で細胞を3分間混合することを
記載している。同様に、シャー,J.S.ら、上記は、
溶原性物質GuSCNによる熱不活化ヒト型結核菌(M.
tuberculosis)細胞の溶解、および該細胞を5,000
rpmで6分間運動させることを記載している。対照的
に、本発明の方法での破壊された細胞の試料の撹拌は、
ハーリー,S.S.らによって記載された細胞の混合ほ
ど激しくもないし、ハーリー,S.S.らまたはシャ
ー,J.S.らによって報告された撹拌工程ほど長い一
定量の時間それを続けるのでもない。
【0013】本発明の方法において試料に対してバイオ
スペク・ミニ・ビードビーターによって撹拌を施す場
合、装置を「ホモジナイズ」で2分以下の間設定する。
同様に、本発明の方法で用いる場合、Savant FastPrep
装置を約4〜約6.5メートル/秒の速度で約45秒以
下の間設定する。Savant 装置を用いると、5メートル
/秒の設定が好ましい。概して、本発明の目的を達成す
るのに有効な撹拌に対して設定された時間および速度に
逆の関係がある。これらの撹拌時間は、破壊された細胞
試料から入手しうる核酸の最適収量を可能にする。試料
は更に長時間撹拌されてもよいが、数ある理由の中で、
試料中の摩擦による熱が、若干の所望の核酸を破壊する
ほど大きくなるので、このようなより長い撹拌時間から
入手しうる核酸の収量は、上記で報告された撹拌時間に
よるものよりも有意に大きくはない。更に、破壊されて
いない細胞を含有する試料を粒子および溶原性物質の存
在下で撹拌する単一工程においてより激しい撹拌をより
長時間用いるハーリー,S.S.ら(1987)、上記およ
びシャー,J.S.ら、上記によって例証された細胞溶
解法は、既に破壊されている細胞からの細胞性成分を含
有する試料に対して粒子を用いる撹拌を施す本発明の方
法と同程度まで望ましい細胞性成分を入手可能にさせる
には単独では不充分であることが分かった。
【0014】撹拌を提供する装置は、試料中の粒子が試
料中を移動して細胞性成分の互いの分離、例えば、細胞
性タンパク質または細胞壁断片からの核酸の分離を引き
起こさせるように、少なくとも一つの試料容器中で撹拌
することができなければならない。試料中の粒子の移動
は、付着した細胞性成分の間に少なくとも部分的に粒子
を移動させ、それによって、細胞性成分を細胞性成分か
ら切り離すと考えられる。
【0015】一例として、Savant FastPrepTM装置は、
3種類の運動、 (1)軸方向往復−試料容器を直線往復運動によって容
器の軸で規定される方向に動かす。 (2)脱軸回転−試料容器を、容器軸から小角度でずれ
ている軸の回りに回転させる。 (3)横方向往復−試料容器を容器軸に対して垂直方向
に振動させる。 を組合わせる方式で12個の試料容器を動かす。最初の
二つの運動は、1回の完全な軸方向往復周期が1回の完
全な脱軸回転に対応するように同時に行われる。これら
の同時回転が1分間に約60回生じる。
【0016】対照的に、バイオスペク・ミニ・ビードビ
ーター中での試料容器の撹拌は、主として軸方向往復、
すなわち、試料容器の軸に平行の往復運動として記載す
ることができる。更に、僅かな成分の横方向往復は、緩
衝マウントのコンプライアンス並びに軸受およびカプッ
リング成分の機械的許容差のために付随的に導入され
る。
【0017】試料容器の撹拌は、試料の細胞性成分も試
料に対して加えられた粒子も共に試料容器中を移動させ
て細胞性成分を互いに切り離させると考えられる。
【0018】試料に対して加えられる粒子は、例えば、
ガラス、プラスチック、砂、シリケート、ラテックス、
結晶、ジルコニウムのような金属、金属酸化物等を含め
た種々の組成物から成ってよい。粒子はまた、例えば、
球体、立方体、卵形、カプセル形、錠剤形、名状しがた
いランダムな形等を含めた種々の形から成ってよいし、
そして均一な形または不均一な形から成ってよい。粒子
の形がどんなであっても、その最大幅の直径は、概し
て、約0.1mm〜約0.15mmの範囲である。直径
が約0.5mmより大きい粒子は、本発明の方法におい
て細胞性成分を互いに分離するのに有効といえるほどで
はないことが分かった。
【0019】試料に対して粒子を加えるための一つの特
に好都合な手段は、試料中に放出され且つ本発明の方法
に対して施された場合に、試料中の核酸を入手可能にさ
せる予め決定された量の粒子を保持するビヒクルの使用
による。適当なこのようなビヒクルについての更に完全
な説明は、これと同一日付に出願の同時係属米国特許出
願第 号明細書(弁理士事件整理番号P−350
5)で示され、その開示は本明細書にそのまま援用され
る。ビヒクルは、粒子を保持する遮断層を含み、そして
一つの適当な実施態様はカプセルであり、そこにおい
て、その遮断層は、カプセル表面を形成するもろい、溶
解しうるまたは溶融しうる材料である。
【0020】表面材料がもろい場合、粒子と一緒に、他
の粒子よりも大きい密度および/または寸法の少なくと
も1種類の「ブレーカー粒子」が包含されうる。試料が
撹拌された場合、ブレーカー粒子ともろい粒子との衝突
は材料を破壊させ、そして試料中に粒子を放出させる。
同様に、溶解しうるまたは溶融しうる表面材料はまた、
それぞれ、溶解または溶融時に粒子を試料中に放出させ
るであろう。試料中にいったん放出されたら、粒子を本
発明の方法で用いる。
【0021】任意の手段によって試料に対して加えられ
る粒子の量は、試料の量および粘度に依る。概して、臨
床医が診断目的に核酸を入手したいと望むであろう典型
的な臨床試料の容量は約1mLまたはそれ未満である。
しかしながら、環境試料または食品試料のような他の試
料は更に大きい容量でありうるし、そして他の試料は更
に少ない容量でありうる。
【0022】種々の試料の粘度もまた、例えば、臨床試
料の範疇内で異なることがあり、概して、喀痰試料は血
液または尿試料よりも粘性である。同様に、種々の環境
試料の粘度もまた異なるであろう。
【0023】原則として、喀痰のような粘性試料では、
ある与えられた容量の試料に対して加えられる粒子の量
は、約0.25:1〜約1:1の比率であろう。粘性が
より少ない試料については、本発明の方法を用いて細胞
性成分の望ましい互いの分離を達成するために、粒子対
試料のより少ない容量対容量比で充分であると考えられ
る。
【0024】しばしば、試料の撹拌は泡の生成を引き起
こす。この泡は、試料を引き続き自動計測によって処理
する場合、液面検知手段の妨げになることがある。した
がって、引き続きの試料の処理の妨げにならないと考え
られる任意の適当な消泡剤をそこに加えて、この起こり
うる問題に取り組むことができる。試料にSDA処理を
施す場合、試料処理用緩衝液に対して約0.015重量
%の量の消泡剤FG/10の添加は、撹拌による起泡を
実質的に減少させるのに有効であることが分かった。F
G/10は、ダウ・コーニング(Dow Corning)から商
業的に入手可能である食品銘柄シリコーンエマルジョン
である。
【0025】明らかであるように、撹拌を施される試料
は細胞性成分を含有する。細胞性成分は、生物の細胞中
からの全成分である。したがって、広範囲の態様におい
て本発明の方法を実施する前に、試料中または由来の細
胞を破壊するかまたは溶解させるべきである。
【0026】細胞を破壊するまたは溶解するのに用いら
れてきた試料処理技術は多数ある。いくつか知られてい
る細胞破壊方法の例は、この書類の発明の背景の部分で
示されている。ミコバクテリア細胞および非ミコバクテ
リア細胞のための他の知られている細胞破壊方法を、そ
れぞれ以下の表Iおよび表IIで示す。
【0027】
【表1】 表I 市販のおよび公表されたミコバクテリア溶菌法 著者/源 方法 参考文献 GenProbe 溶菌用緩衝液およびガラスビーズ GenProbe package を用いる15′音波処理 insert ピーア(Pierre)ら 0.1N NaOH、2M NaCl、0.5% SDSを J.Clin.Micro.29(4): (1991) 用い@95℃15′ 712-717 ハーリー(Hurley) 蒸留フェノールおよび0.1-mmジル Int.J.Systematic ら(1988) コニウムビーズを用いてミニビー Bacteriology 38(2): ドビーター(バイオスペク・プロ 143-146 ダクツ、バートルズビル、OK) 中で3′ ラビディ(Labidi) ミコバクテリアを1.4% グリシン、 Archs.Inst.Pasteur. D-シクロセリン60μg/ml、塩化リチ Tunis.655(3-4):261- ウム1mg/mL、リゾチーム200ug/ml 270 、EDTA 2mg/mL中での増殖によっ てスフェロプラストに変換し;次 に、遠心分離によってペレットに し、そして加熱する。 1%SDS 中@65℃15′ ブチャー ズブチリシン 10mg/mlを用い@37 Gut 29:1222-1228. (Butcher)ら ℃3時間;次に、リゾチーム50mg (1988) /mLを用い@37℃3時間;次に、 プロナーゼ3mg/mLおよび1% SDS を用い@37℃12時間。 ウェイン(Wayne) 激しく通気して@37℃72時間;次 J.Bcteriol.95(4): およびグロス に、10uM EDTA、プロナーゼ1mg 1481-1482. (Gross)(1968) /mLを用い嫌気的に@37℃24時間; 次に、5% DOCを用い@56℃90′。 ブリソン(Briss 培養物:0.1M NaOH 、2M NaCl、 Lancet,11/4:1069- on)-ノエル(Noel) 0.5% SDSを用い@95℃15′ 1071. ら(1989) 血液:リゾチーム10mg/mLを用い @37℃4時間;次に、プロK5mg/ mLおよび0.1%トリトンX-100を用 い@55℃16時間。 デ・ウィット 10mMトリス-HCl、pH 8.5、1mM EDTA J.Clin.Micro.28(11): (De Wit)ら 、150mM EDTAを用い@70℃30′; (1990)2437-2441. 次に、緩衝フェノール:1.5% SDS (1:1容量)を用い旋回振とうしな がら@37℃3時間。 ロバーツ(Rober 0.85% NaClによって3回洗浄;次 J.Clin.Micro 25(7): ts)ら(1988) に、70%エタノールを用い@20℃ 1239-1243 15′;次に、−70℃。+ ピッケン(Picken) リゾチーム 100mg/0.8mLを用い@ Mol.Cell.Probes 2: ら(1988) 37℃16時間;次に、プロK1mg/mL 289-304 を用い〜37℃1時間:次に、2% SDS を用い@50℃6時間。 ショブリング SDS;次に、プロテイナーゼK J.Clin.Micro 28(10): (Sjobring)ら によってタンパク質を除去し;次 2200-2204. に、CTABによって沈降させる。 ホイップル リパーゼ 8000U/0.5mLを用い@37 J.Clin.Micro.25(8): (Whipple)ら ℃間2時;次に、リゾチーム5mg/ 1511-1515. (1987) mLを用い@37℃2時間;次に、プ ロK2mg/mLおよび1% SDSを用い@ 50℃16時間;次に、0.4 容量の5M 酢酸カリウムを用い0℃10分間。 ヴァリ(Vary)ら ズブチリシン 10mg/mlを用い@37 J.Clin.Micro 28(5): (1990) ℃3時間;次に、リゾチーム5mg/mL 933-937 を用い@50℃3時間;次に、プロ ナーゼ3mg/mLおよび1% SDSを用い 18時間;次に、新鮮なプロナーゼ 3mg/mlを用い6時間。 アイゼナハ D-シクロセリンを用い24-72 時間 Am.Rev.Resp.Dis.133 (Eisenach)ら ;15%スクロース中リゾチーム 1065-1068 (1986) 1mg/mL、50mMトリス-HCl、50mM EDTAを用い@37℃30′;次に、プ ロK0.1mg/mLを用い@25℃10′; 次に、1% SDSを用い@37℃2時間。 パテル(Patel) 軽油:クロロホルム:緩衝液 J.Gen.Micro.132: ら(1986) (3:1:1)中で掻回し且つ混合しな 541-551 がら15′;次に、ナガラーゼ 10mg/ mLを用い@37℃2-4 時間;次に、 リゾチーム 50mg/mLを用い@50℃ 2-4 時間;次に、1% SDSおよびプ ロナーゼ3mg/mlを@12時間間隔で 加えて@37℃12-36 時間。 パオ(Pao)ら 25%スクロース中リゾチーム2mg/ Tubercle 69:27-36. mL、0.1M EDTA、50mMトリス-HCl を用い@37℃30′;次に、0.1Mト リス-HCl中0.1% SDS、0.1M NaCl。 ビスバナタン @70℃1時間;次に、ズブチリシ J.Micro.Methods 10: (Visuvanathan)ら ン約12.5 mg/mLを用い@37℃18時 59-64 (1989) 間;次に、リゾチーム約.31mg/mL を用い@50℃5時間;次に、約2% SDSおよびプロナーゼ3mg/mLを用 い12時間;次に、新鮮なプロナー ゼ3mg/mLを用い8時間。 スリタリン(Sri NALCペレットを10mMトリス-HCl、 Mol.Cell.Probes 5: tharin)および pH 8.0、0.1mM EDTAおよび1%トリ 385-395. バーカー(Barker) トンX-100中に懸濁させ且つ30分 (1991) 間沸騰させる。 コルク(Kolk)ら NALCペレットに5%トゥイーン20お J.Clin.Micro.30: (1992) よびプロテイナーゼK 10mg/mlの 2567-2575 消化緩衝液を施し且つ15分間沸騰 させる。 ビクター(Victor) NALCペレットを遠心分離し且つ掻 J.Clin.Micro.30: ら(1992) 回す。 1514-1517 ショワー(Shawar) NALCペレットに10mMトリス-HCl、 J.Clin.Micro.31: ら(1993) 1mM EDTAおよび1%トリトンX-100 61-65 の溶解緩衝液を施し且つ30分間沸 騰させる。 プリケイティス NALCペレットをリゾチーム 20mg/ Am.Rev.Respir.Dis. (Plikaytis)ら ml含有緩衝液中に懸濁させ;0.5M 144:1160-1163 (1991) NaOHおよび1% SDSを加え且つ5分 間沸騰させる。 クーザン(Cousi NALCペレットを75℃で45分間加熱 J.Clin.Micro.30: ns)ら(1992) し且つリゾチーム2mg/ml、1% SDS 255-258 およびプロテイナーゼK100ug/ml によって溶解する。 デル・ポルティロ 喀痰を H2O中で希釈し且つ10分間 J.Clin.Micro.29: (Del Portillo) 沸騰させた後、リゾチーム2mg/ml 2163-2168 ら(1991) 中において37℃でインキュベート し、そして1% SDSおよびプロテイ ナーゼK250ug/uLを加えた後に65 ℃で20分間インキュベートする。 バック(Buck)ら 臨床試料のNALCペレットを16,000 J.Clin.Micro.30: (1992) xgで10分間遠心分離した後、30分 1331-1334 間音波処理し、そして10分間沸騰 させる。 サビク(Savic) 試料を液状にし且つスプトリシン J.Inf.Dis.166: ら(1992) (sputolysin)法によってペレット 1177-1180 にし;ペレットを10分間沸騰させ、 ガラスビーズと混合し、プロテイ ナーゼK40ugおよび0.5%トゥイー ン20と一緒に37℃で30分間インキ ュベートし、そして60℃で20分間 音波処理する。 シャンカー 試料を遠心分離し、そしてペレッ Lancet 33:5-7 (Shankar)ら トに0.1N NaOH、1M NaClおよび 0.5% SDSを施した後、95℃で15分 間加熱する。 ピーアら 試料を液状にし且つSDS法によ J.Clin.Micro.29: (1991) ってペレットにした後、ペレット 712-717 を0.1N NaOH、2M NaClおよび0.5% SDSと一緒に95℃で15分間インキ ュベートする。 ティエリー(Th 上記のピーアら、1991年と同様。 Mol.Cell.Probes 6: ierry)ら(1992) 181-191 ブリソン−ノエル 上記のピーアら、1989年と同様。 Lancet,Nov.4 ら(1989) 1069-1071 デ・ウィットら 胸膜液をポリエチレングリコール J.Clin.Micro.28: (PEG)と混合し、遠心分離し、そ 2437-2441 してペレットを10%SDS、緩衝フェ ノールによって37℃で3時間抽出 する。 ショボルグ 試料を液状にし且つスプトリシン J.Clin.Micro.28: (Sjoborg)ら 法によってペレットにし;ペレッ 2200-2204 (1990) トを50mMトリス中に懸濁させ、5 分間沸騰させ、そしてガラスビー ズと一緒に50℃で15分間音波処理 する。 記号の説明:SDS,ドデシル硫酸ナトリウム;CTA
B,臭化セチルトリメチルアンモニウム;プロK,プロ
テイナーゼK;トリス−HCl,トリス(ヒドロキシメ
チル)アミノメタン塩酸塩;EDTA,エチレンジアミ
ン四酢酸。
【0028】
【表2】 表II 公表された非ミコバクテリア細胞の溶解プロトコールの例 著者/試料 方法 参考文献 デクロート リティカーゼ20U/mlを用い J.Micro.Meth.2: (deKloet)/酵母 @32℃1′ 189-196 モンセン(Monsen)ら/ 5mM EDTA中のムタノリシン FEMS Micro.letters 連鎖球菌(1983) 0.1mg/ml、0.5%トリトンX 16:19-24. -100を用い@37℃5-60′ チェシー(Chassy)/グ 細菌細胞1.0 mg当りリゾチ Appl.Env.Microbiol. ラム+グルフリダ(Gl ーム1.2 mgを用い@37℃60′ 39(1):153-158 uffrida)細菌(1980) グロス(Gross)-ベラルド プロK 50mg/mlを用い Eur.J:Biochem.36: (Bellard)ら/哺乳動物 @37℃12時間 32-38 グリムバーグ(Grimberg) 10mMトリス-HCl中のプロK Nucleic Acids Res. ら/血液細胞核(1989) 1mg/ml、10mM NaCl、10mM 17(20):8390 EDTAを用い@37℃2時間 モレノ(Moreno)ら/ 0.4Mトリス-HCl中のプロK Nucleic Acids Res. 血液(1989) 200ug、0.1M EDTA、1% SDS 17(20):8393 を用い@50℃1時間。 バーンボイム(Birnboim) リゾチーム2mg/mlを用い@ Nucleic Acids Res. &ドリー(Doly)/大腸菌 0℃30′;次に、0.2N NaOH 7(6):1513-1523 (E.coli)(1979) 、1% SDSを用い@0℃5′ クライン(klein)ら/ 10mMトリス-HCl中のリゾチ Plasmid 3:88-91 大腸菌(1980) ーム1mg/mlを用い@20℃15′
【0029】細胞含有試料の加熱は、細胞を破壊して細
胞性成分を放出し且つ試料中の任意の感染性微生物を非
感染性にする二重の目的にかなうので、それは細胞を破
壊する好ましい方法の一つであることが分かった。例え
ば、開示が両方とも本明細書にそのまま援用される米国
特許第5,376,527号明細書および1994年8月9日出
願の米国特許出願第08/287,734号明細書で教示されるよ
うに、他の溶原性物質または他の溶原性条件の不存在下
における溶解有効量の単独加熱は、ミコバクテリア微生
物の溶解しにくい細胞さえも溶解するであろう。この溶
解有効量の熱は、ヒト型結核菌微生物のような感染性微
生物を非感染性にするのにも十分であり、したがって、
取り扱うのに安全である。細胞を破壊するための試料の
加熱および細胞性成分を互いに分離するための粒子を用
いる試料の撹拌の組合わせは、非感染性環境中の細胞性
タンパク質から分離された容易に入手しうる核酸を生成
する。
【0030】この結果は、熱だけによってかまたは粒子
を用いる撹拌だけによって達成しうるとは考えられな
い。本発明に先立って、熱を用いて細胞を溶解し且つビ
ーズによる撹拌を用いて細胞を溶解した。しかしなが
ら、本発明に先立って、既に溶解した細胞からの細胞性
成分の試料に対して粒子を用いる撹拌を適用して核酸が
入手されたとは考えられない。
【0031】試料の加熱は、任意の適当な方法によって
行うことができる。特定の微生物の細胞を破壊する熱範
囲は、ある微生物の細胞からの望ましい細胞性成分の放
出に対する時間の種々の量について種々の温度を滴定す
ることによって容易に得ることができる。加熱は、微生
物の細胞を溶解し、引き続き細胞内成分を放出するであ
ろう。加熱に対する一つの限界は、目的の具体的な細胞
内成分が熱による破壊に感受性でないことである。適当
な加熱手段としては、水浴、電子オーブン、熱対流炉、
強制循環熱風炉等がある。
【0032】試料中の細胞内成分を暴露するのに必要な
加熱時間は、概して、約2分間〜約30分間である。熱
および加熱時間の量は、細胞内成分を得ようとする源に
応じて、溶解される微生物の細胞の一部分をサンプリン
グし且つ溶解の徴候(例えば、細胞内成分の検出)につ
いて検査することによって容易に分かる。
【0033】溶解される微生物の細胞はH2O中に存在
しうるが、トリス緩衝食塩水(50mMトリス−HC
l,150mM NaCl,pH8.0)、リン酸緩衝
食塩水(50mMリン酸ナトリウム,150mM Na
Cl,pH8.0)、ポリメラーゼ連鎖反応緩衝液(1
0mMトリス−HCl,pH8.8,50mM KC
l,1.5mM MgCl2)、React6(緩衝液名 Reac
t6 は、ベセスダ・リサーチ・ラブズ(Bethesda Resear
ch Labs)によって登録されている(50mMトリス−
HCl,pH7.1,50mM NaCl,50mM
KCl,6mM MgCl2))、リン酸ナトリウム(p
H5.0〜12.0)、Trizma 9.0(シグマ(sigm
a):トリスヒドロキシアミノメチルアミン)などの適
当な緩衝液、並びに0.5%トゥイーン20および0.
5% Nonidet P-40 のような洗浄剤中にも存在しうる。
所望により、加熱した試料を遠心分離し、引き続きの使
用に対して上澄みおよびペレットを利用可能にすること
ができる。
【0034】ミコバクテリア細胞を熱によって溶解する
典型的なプロトコールは、ミコバクテリア細胞を含有す
ると考えられる試料の短い時間量(例えば、約5分間)
の遠心分離および得られた上澄みの廃棄を含む。次に、
ペレットは任意の適当な緩衝液中に還元することができ
る。次に、試料は、溶解有効量の熱を用いる短いインキ
ュベーション時間を施される。
【0035】上述のように、溶解有効量の熱は、水浴、
電子オーブン、熱対流炉、強制循環熱風炉を含めた種々
の源から提供されうる。しかしながら、試料管の清浄で
且つ乾燥した外部環境の維持、熱対流炉および加熱ブロ
ックより有効で且つ迅速な熱伝達、並びに優れた再現性
を含めた、強制循環熱風炉に関係した利点が多数ある。
これらの利点は、米国特許第5,376,527号明細書で更に
詳細に教示され、その開示は本明細書中にそのまま援用
される。
【0036】強制循環熱風加熱は、周囲〜約150℃の
温度範囲を達成することができ、そして好ましくは、周
囲温度から約2分間以内に約100℃〜105℃の所望
の温度になることができる商業的に入手可能ないずれの
強制循環熱風炉によっても達成されうる。オーブン中の
空気移動速度は、約3メートル/秒〜約6メートル/秒
である。オーブン中の通気パターンは、全試料管が望ま
しい温度まで一貫して且つ均一に効率よく加熱されるよ
うにあるべきである。商業的に入手可能な強制循環熱風
炉において、その通気は、概して、試料が入っている管
または容器に対して平行または垂直であるが、しかしな
がら、通気パターンまたは結果として生じる空間的配置
が、管または容器を熱風中に実質的に完全に沈めている
ものはいずれも許容しうる。
【0037】更に、強制循環熱風加熱による熱伝達の一
貫性により、ミコバクテリア微生物の生存能力のより一
貫した減少または死滅が起こることが分かった。ミコバ
クテリア微生物の死滅は、これらの微生物の感染性ゆえ
に、その溶解と同程度に重要でありうる。ミコバクテリ
ア微生物の死滅に一貫性が無いことは、ミコバクテリア
を溶解して核酸を得ようと試みる研究者に対して危険な
環境を与える。
【0038】上記の加熱方法のいずれにおいても、試料
は加熱の間中、密閉された管または他の容器中に入れら
れる。したがって、管または容器中の蒸気圧は、シャル
ルの法則で示されたように圧力と絶対温度と体積との関
係により、熱の増加に伴って増加する。管または容器内
部の圧力を決定する簡単な方法は、ケミカル・ラバー・
カンパニー(Chemical Rubber Company)(「CR
C」)によって公表されたthe Handbook of Chemistry
and Physics で示されたような容易に入手可能な表の参
照による。
【0039】以下の実施例は、この論文で記載された発
明の具体的な実施態様を例証する。当業者に理解される
ように、様々な変更および修正は可能であり、そして記
載された発明の範囲内と考えられる。
【0040】
【実施例】実施例1 フェノール/クロロホルム抽出によるミコバ
クテリア細胞の溶解による核酸の入手 この実験は、ミコバクテリア細胞からの核酸の抽出のた
めの本技術の状態を、本発明の方法を実証する他の実施
例の比較例として実証するために行われた。
【0041】材料 下記の材料を用いた。 ・ ヒト型結核菌菌株H37Rv(ATCC#2729
4) ・ M/15リン酸緩衝液、pH6.8(レメル・カタ
ログ(Remel Catalog)#21−249) ・ KPDG緩衝液(32.48mM KPO4,7.
5%DMSO,3%グリセロール,pH8.0) ・ フェノール/クロロホルム試薬 トリス−EDTA−NaCl緩衝液(TEN緩衝液,5
0mMトリス,100mM EDTA,150mM N
aCl,pH8.0) ズブチリシン(12.5mg/mL) リゾチーム(100mg/mL) 20%SDS(シグマL−4390,ロット93H04
25) プロナーゼE(60mg/mL) フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(シ
グマP3803,ロット14H0279) クロロホルム/イソアミルアルコール(シグマC−05
49,ロット44H0191) 7.5M酢酸NH4(シグマA−1542,ロット33
H0287) 100%および70%エタノール(IBIロット5B1
9−50) RO/DI水(ロット94−31A) ・ SDAおよび検出試薬 KPDG緩衝液(32.48mM KPO4,7.5%
DMSO,3%グリセロール,pH8.0) プレAmp緩衝液(KPO4,DMSO,グリセロー
ル) 41.25mM KPO4、5%トレハロース、アセチ
ル化BSA0.05mg/mL、1mM酢酸Mg、1.
1mM dNTP、2.75mM dUTP、2.75
μMプライマー、0.1375μMバンパー、0.27
5μMアダプター、UDG 1単位から成る汚染除去ド
ライダウンミックス(Drydown Mix)41.25mM K
PO4、5%トレハロース、アセチル化BSA0.05
mg/mL、1mM DTT、標示1000コピー/μ
L、17.875mM酢酸Mg、HincII 250単
位、エクソクレノウ4単位、UDI 2単位から成る増
幅ドライダ ウンミックス ダミー汚染除去、増幅装置(DAD)(ロット95−2
0,22,16) 検定装置(AD)(ロット95−01) Mtbハイブリダイゼーション緩衝液(ロット95−5
0A) 属ハイブリダイゼーション緩衝液(ロット95−32
D) 標示ハイブリダイゼーション緩衝液(ロット95−11
9A) システム液(ロット95−01A) ストリンジェント洗浄液(ロット95−01A) ルミホス(LumiPhos)TM530(ロットL5 4020
2)(サウスフィールド,MIのルミゲン(Lumigen)
から入手可能)
【0042】フェノール/クロロホルム(P/C)抽出
され、希釈された試料の製造 対数期培養物からのヒト型結核菌H37Rv細胞をM/
15リン酸緩衝液によって洗浄して、細胞外DNAを全
て除去した。細胞を該リン酸緩衝液中に再懸濁させ、計
数し、そして作業濃度まで希釈した(リン酸緩衝液
中)。希釈液を0.25mL容量中に分別して、1
2、103または104粒子/0.25mL(試料)の
濃度を与えた。
【0043】KPDG 1mLを各試料に対して加え
た。試料を12,000×gで5分間遠心分離して、ヒ
ト型結核菌細胞をペレットにした。上澄みを傾瀉した
後、この工程を繰り返した。得られたペレットを最終1
mLのTEN緩衝液中に再懸濁させ、試料環境を次の酵
素反応に適合性にした。
【0044】次に、試料に、以下のような標準的なフェ
ノール/クロロホルム抽出を施した。試料の1mLアリ
コートを12,000×gで10分間遠心分離し、そし
て上澄みを傾瀉した。ペレットに対して12.5mg/
mLのズブチリシン0.25mLを加えた。次に、試料
を37℃で3時間インキュベートし、そしてリゾチーム
を100mg/mLで50μL加え、そして試料を55
℃で3時間インキュベートした。次に、20%SDAを
25μLおよびプロナーゼEを60mg/mLで25μ
L加え、そして試料を37℃で一晩中インキュベートし
た。最後に、プロナーゼEを更に25μL加え、そして
試料を55℃で3時間インキュベートした。
【0045】これらの酵素反応に続いて、試料に、2回
の連続したフェノール/クロロホルム/イソアミルアル
コール抽出、続いてクロロホルム/イソアミルアルコー
ル抽出を1回施した。次に、試料からのDNAを、酢酸
アンモニウムおよび100%エタノールを用いて沈殿さ
せ、そして12,000×gで15分間遠心分離した。
DNAペレットを70%エタノールによって1回洗浄
し、再度遠心分離し、自然乾燥させ、そして最後に、水
中に溶解させた。
【0046】水30μl中のこれらのP/C抽出された
試料は、その試料全部を同量の1×KPDG中に入れ
て、各試料が1×KPDG中のP/C抽出された試料6
0μlであるようにするために、2×KPDG緩衝液
(リン酸カリウム,DMSO,グリセロール)中で1:
2に希釈した。
【0047】P/C抽出された試料からの核酸の増幅お
よび検出次に、それぞれの試料(「希釈されていない試
料」)の30μlアリコートを、以下の条件下において
以下の試薬を用いるSDA検定で直接的に実験した。
【0048】該30μl試料を、0.5mLミクロ遠心
管中でプレAmp緩衝液5μlと混合した。この試料を
沸騰水浴中で3分間加熱した。これに対して汚染除去ド
ライダウンミックス10μlを加え、そしてアンプリコ
ン汚染除去反応を41℃で50分間行った。アンプリコ
ン汚染除去は、その開示が本明細書にそのまま援用され
る米国特許第5,035,996号明細書などの参考文献から当
業者に周知の方法を用いて行われた。簡単にいうと、核
酸増幅工程中に、ヌクレオチドdUTPをdTTPの代
わりに置き換えるので、標的DNA配列から複製される
生成物(アンプリコン)はいずれも、dTTPの代わり
にdUTPを含む。次に、核酸増幅工程に先立って、試
料を酵素ウラシルDNAグリコシダーゼ(UDG)と接
触させる。UDGは、dUTPがDNA分子中に包含さ
れた場合、ウラシルと糖デオキシリボースとの間のグリ
コシド結合を切断する。したがって、前の核酸増幅工程
からのアンプリコンは増幅不能にされる(すなわち、複
製のための鋳型として不適当である)。したがって、試
料中の真の標的配列だけが核酸増幅の鋳型として役立つ
であろう。
【0049】アンプリコン汚染除去に続いて、増幅ドラ
イダウンミックス10μlを加え、そして試料を41℃
で更に2時間インキュベートして、鎖置換増幅(SD
A)工程を進行させた。SDAは、当業者に周知の核酸
増幅法である。簡単にいうと、鎖置換増幅(SDA)
は、プライマーの伸長、半修飾制限エンドヌクレアーゼ
認識/切断部位のニッキング、1本鎖伸長生成物の置
換、該伸長生成物(または元の標的配列)に対するプラ
イマーのアニーリングおよび引き続きのプライマーの伸
長が反応配合物中で同時に起こる等温核酸増幅法であ
る。これは、反応の温度循環特性の結果として反応工程
が別々の段階またはサイクルで起こるPCRとは対照的
である。SDAは、(1)制限エンドヌクレアーゼの、
その二本鎖認識/切断部位のヘミホスホロチオエート型
の未修飾鎖にニックを入れる能力および(2)ニックで
複製を開始し且つ下流の非鋳型鎖を置換するいくつかの
ポリメラーゼの能力に基く。プライマーのアニーリング
のための二本鎖標的配列を変性する増加した温度(約9
5℃)での最初のインキュベーションの後、新たに合成
された鎖の引き続きの重合および置換が一定温度で起こ
る。標的配列のそれぞれの新しいコピーの製造は、
(1)元の標的配列または予め重合され置換された一本
鎖伸長生成物に対する増幅プライマーの結合、(2)α
−チオデオキシヌクレオシド三リン酸(αチオdNT
P)を包含する5′−3′エキソヌクレアーゼ欠失ポリ
メラーゼによるプライマーの伸長、(3)半修飾二本鎖
制限部位のニッキング、(4)ニック部位からの制限酵
素の解離、および(5)下流の新たに合成された鎖の置
換を伴う、5′−3′エキソヌクレアーゼ欠失ポリメラ
ーゼによるニックの3′末端からの伸長の5段階から成
る。ニッキング、重合および置換は、ニックからの伸長
が別のニッキング可能な制限部位を再生するので、一定
温度で同時且つ連続的に起こる。1対の増幅プライマー
を用いる場合、対のそれぞれが二本鎖標的配列の二つの
鎖の一方に対してハイブリッド形成し、増幅は指数的で
ある。これは、センスおよびアンチセンス鎖が引き続き
の増幅ラウンドにおいて対向するプライマーの鋳型とし
て役立つためである。一つの増幅プライマーを用いる場
合、一方の鎖だけがプライマー伸長の鋳型として役立つ
ので、増幅は直線的である。αチオdNTPが包含され
た場合に制限エンドヌクレアーゼの二本鎖認識/切断部
位にニックを入れる制限エンドヌクレアーゼの例は、H
incII、HindII、AvaI、NciIおよび
Fnu4HIである。これらの制限エンドヌクレアーゼ
および必要なニッキング活性を示す他のものはいずれ
も、従来のSDAで用いるのに適している。しかしなが
ら、それらは比較的熱不安定性であり、約40℃を越え
ると活性を失う。
【0050】SDAによる増幅の標的は、標的配列を切
断しないエンドヌクレアーゼによる制限によってより大
きい核酸をフラグメント化することにより製造すること
ができる。しかしながら、概して、SDA反応における
ニッキングのために選択された制限エンドヌクレアーゼ
認識/切断部位を有する標的核酸配列は、ウォーカー
(Walker)ら、1992年,Proc,Natl,Acad.Sci.USA 8
9,392-396、ウォーカーら、1992年,Nucl.Acids Re
s.20,1691-1696 および米国特許第5,270,184号明細書
(本明細書にそのまま援用される)で記載のように生成
されるのが好ましい。簡単にいうと、標的配列が二本鎖
である場合、4個のプライマーをそれに対してハイブリ
ッド形成させる。それらのプライマーの内の二つ(S1
およびS2)はSDA増幅プライマーであり且つ二つ
(B1およびB2)は外部すなわちバンパープライマーで
ある。S1およびS2は、標的配列に隣接した二本鎖核酸
の対向した鎖に対して結合する。B1およびB2はそれぞ
れ、S1およびS2の標的配列5′(すなわち、上流)に
対して結合する。次に、エキソヌクレアーゼ欠失ポリメ
ラーゼを用いて、3種類のデオキシヌクレオシド三リン
酸および少なくとも1種類の修飾デオキシヌクレオシド
三リン酸(例えば、2′−デオキシアデノシン5′−O
−(1−チオ三リン酸)、「dATPαS」)の存在下
で4個のプライマー全部を同時に伸長させる。それによ
って、S1およびS2の伸長生成物は、B1およびB2の伸
長による元の標的配列鋳型から置換される。増幅プライ
マーの置換された一本鎖伸長生成物は、対向する増幅の
結合のための標的およびバンパープライマーとして役立
つ(例えば、S1の伸長生成物はS2およびB2を結合す
る)。伸長および置換の次のサイクルは、半修飾制限エ
ンドヌクレアーゼ認識/切断部位を両末端に有する二つ
の二本鎖核酸フラグメントを生じる。これらは、SDA
による増幅に適当な基質である。SDAの場合と同様、
標的生成反応の個々の工程は同時に且つ連続的に起こ
り、SDAにおいて制限酵素によってニッキングするの
に必要な末端の認識/切断配列を有する標的配列を生成
する。SDA反応の成分は全て標的生成反応において既
に与えられているので、生成された標的配列は自動的に
且つ連続的にSDAに加わり且つ増幅される。
【0051】上記で引用された刊行物で最初に報告され
たSDA反応(「従来のSDA」)は、典型的に、約3
5℃〜45℃の温度で行われ、そして約2時間以内に標
的配列を108倍に増幅させることができる。最近にな
って、SDAは更に高い反応温度に適応されてきた(約
45〜65℃−「好熱性SDA」または「tSD
A」)。tSDAは、約50〜60℃において約15〜
30分以内に109〜1010倍の増幅をもたらすことが
できる。増加した反応速度に加えて、tSDAにおいて
は、従来のSDAと比較して非特異的 バックグラウン
ド増幅に有意の減少がある。
【0052】増幅された標的ミコバクテリウム属配列お
よびヒト型結核菌複合種配列(IS6110)の検出
は、BDProbeTecTM装置において検定のみの形式で行っ
た。この検出システムは、C.A.スパーゴ(Spargo)
らによって、Molec.Cellular Pro bes 7:395-404(1993)
に完全に記載されている。
【0053】BDProbeTecTM装置は、SDA検定を実施す
るための自動システムである。この実施例においてSD
A検定後に増幅された標的配列の検出を自動的に行うの
に用いられた BDProbeTecTM装置の実施態様の具体的な
詳細は、1995年3月24日出願の米国特許出願第08
/409,821号明細書で開示されており、その開示は本明細
書にそのまま援用される。
【0054】それぞれの試料の別の30μlアリコート
に対してKPDGを970μl加えて、容量を1mlま
でとした。次に、これらの試料(「希釈された試料」)
それぞれの30μlアリコートに、標準的な洗浄/溶解
法によって見られる1:33希釈液をまねるように上記
と同様のSDA工程を施した。
【0055】結果 以下の表1で示されるのは、ヒト型結核菌種(IS61
10)およびミコバクテリウム属のSDAおよび検出検
定の結果である。
【0056】
【表3】 表1 非希釈P/C試料 非希釈P/C試料 Mtb IS6110 陽性 属 陽性 IS6110 陽性 属 陽性細胞数 RLU 数 RLU 数 RLU 数 RLU 数 102 20 7/10 33 6/10 3 2/10 5 2/10 103 334 10/10 70 9/10 19 4/10 31 6/10 104 1014 10/10 433 10/10 216 10/10 60 10/10 RLU−相対光単位
【0057】表1の結果から分かるように、P/C抽出
は、非希釈試料中の反応当り細胞100〜1000個の
近最適核酸収量を与える。希釈試料については、P/C
抽出は、細胞10,000個/反応の最適核酸収量を与
える。
【0058】実施例2 熱によるミコバクテリア細胞の
溶解による核酸の入手 この実施例で用いた材料は、フェノール/クロロホルム
抽出試薬を用いなかったこと以外は実施例1で用いたの
と同様であった。
【0059】熱溶解試料の製造 ヒト型結核菌H37Rv細胞の試料を、最終の再懸濁が
TEN緩衝液ではなくKPDG 1mL中であったこと
以外は実施例1の方法と同様に製造した。次に、試料を
強制循環熱風炉中において105℃で30分間加熱し
た。
【0060】熱溶解試料からの核酸の増幅および検出 該試料に、実施例1の試料の場合と同様に、SDAおよ
び化学発光検出検定を施した。
【0061】結果 以下の表2で示されるのは、この実施例のSDAおよび
検出検定の結果である。
【0062】
【表4】 表2 Mtb細胞数 IS6110RLU 陽性数 属RLU 陽性数 102 35 7/10 3 2/10 103 135 10/10 4 5/10 104 875 7/10 197 7/7
【0063】表2で示された結果から分かるように、D
NA入手に対する単独の加熱は、ヒト型結核菌複合種
(IS6110)についての実施例1のP/C抽出に対
して同等の結果を示した。しかしながら、属配列につい
ては、陽性%およびRLUシグナルに測定しうる減少が
あった。
【0064】実施例3 試料の撹拌による核酸の入手 粒子だけを用いるヒト型結核菌細胞試料の撹拌は、ヒト
型結核菌微生物を非感染性にしないので、安全性の問題
によってこの比較例は実際には行われなかった。しかし
ながら、ハーリー,S.S.ら(1987)上記からのデー
タは、ミコバクテリア細胞試料の撹拌から用いうる核酸
の収量に関する以下のデータを与える。
【0065】ハーリー,S.S.らは、0.1mmジル
コニウムビーズおよびフェノールを用いてバイオスペク
・ミニ・ビードビーターで混合され且つ破壊されたミコ
バクテリア細胞からのDNAまたはRNAの収量を、リ
ビ(Ribi)圧力セル中で溶解されたミコバクテリア細胞
から回収されたDNAおよびRNAと比較した。この比
較の結果は、等しい細胞数をリビ圧力セルおよびミニ・
ビードビーター両方で用いた場合、ミニ・ビードビータ
ー製造が3〜4倍多いDNAを生じたことを示した。し
かしながら、ミニ・ビードビーター製造からのフラグメ
ント寸法範囲はより大きかった。更に、ハーリー,S.
S.らによって与えられた最もよいデータは、ジルコニ
ウムビーズおよびフェノールを用いる撹拌を用いて細胞
105/mlを含有するミコバクテリア試料から抽出さ
れた核酸を示す。対照的に、以下の実施例4で示される
ように、既に破壊された細胞に撹拌を施す本発明は、ミ
コバクテリア細胞を400個/ml(試料)(すなわ
ち、ミコバクテリア細胞102個/0.25ml(試
料))程度に僅かに含有する試料からのSDAに充分な
核酸を提供する。
【0066】実施例4 熱溶解試料の撹拌による核酸の
入手 この実施例で用いた材料は、実施例2で用いたのと同様
の材料であり、0.1mmガラスビーズ(コール・パー
マー・カタログ(Cole-Parmer Catalog)#11079
−101)を更に用いた。次に、試料を調製し、そして
実施例2の試料の場合と同様の熱溶解工程を施した。
【0067】SDAの潜在的な阻害剤を全て除去するこ
とを試みて等容量のKPDG緩衝液によって3回洗浄さ
れたガラスビーズ1mLを、試料に対して加えた。次
に、試料をバイオスペク101ミニ・ビードビーター装
置中に入れ、それをホモジナイズの設定で1.5分間運
転した。(バイオスペク101ミニ・ビードビーター
は、最も遅いから最も速いまで、遅い、混合、速いおよ
びホモジナイズの4種類の速度設定を有する。) 試料に、実施例1の試料の場合と同様にSDAを施し
た。
【0068】結果 加熱後にビーズを用いる試料の撹拌は、102粒子にお
いてヒト型結核菌SDA標的に対して100%陽性およ
び104粒子においてミコバクテリウム属標的に対して
100%陽性を生じた。この方法は、熱単独(実施例
2)よりも1.5〜27倍大きく且つフェノール/クロ
ロホルム抽出(実施例1)の1.5〜6倍のSDAシグ
ナルを生じた。増加は、SDA標的および粒子の投入量
に依る。熱および粒子を用いる撹拌は他の二つの方法よ
りも強く且つ一貫したシグナルを生じ、より良く低い末
端感受性をもたらした。
【0069】実施例5 熱溶解した模擬臨床検体の撹拌
による核酸の入手 この実施例で用いた材料は、実施例4で用いたものと同
様であった。ヒト型結核菌細胞を、実施例1の試料の場
合と同様の方法で調製して、リン酸緩衝液中の希釈液に
した。しかしながら、リン酸緩衝液中の試料希釈液は、
0.25mL容量の陰性NALC沈降物プールを加える
のに引き続き用いられて、粒子100個、200個、5
00個または1000個/0.25mL(沈降物)の濃
度を与えた。これらの試料は、臨床検体を模擬するよう
に設計された。
【0070】KPDG 1mLを各試料に加えた。次
に、試料を12,000×gで5分間遠心分離してヒト
型結核菌細胞をペレットにした。上澄みを傾瀉後、この
洗浄工程を繰り返した。得られたペレットを最終1mL
のKPDG中に再懸濁させ、試料環境をSDAに適合性
にした。一組の試料(n=10/粒子濃度)を強制循環
熱風炉中において105℃で30分間加熱した。洗浄さ
れたガラスビーズ1mLを各試料に対して加えた。次
に、試料に、バイオ101ミニ・ビードビーター装置中
においてホモジナイズ速度で1.5分間の撹拌を施し
た。第二組の試料には熱処理のみを施した。次に、試料
に、実施例1の試料の場合と同様の方法でSDAを施し
た。
【0071】結果 熱処理に続くビーズを用いる撹拌は、NALC沈降物に
つき粒子100個でヒト型結核菌SDA標的に対して1
00%陽性およびNALC沈降物につき粒子1000個
でミコバクテリウム属SDA標的に対して100%陽性
を生じた(80%属陽性は粒子200個および500個
で見られた)。熱処理単独は、両方の標的に対していず
れの粒子濃度でも100%陽性を生じなかった。加熱お
よびビーズを用いる撹拌は、平均SDAシグナルを加熱
単独のそれの2〜17倍に増加させた(増加は標的およ
び粒子の投入量に依る)。加熱に続くビーズを用いる撹
拌は、熱単独よりも多くのDNAを増幅に利用可能に
し、より良く低い低末端感受性をもたらした。
【0072】実施例6 核酸を入手するための撹拌で用
いられる粒子の最適化 この実施例で用いた材料は、実施例5で用いたのと同様
の材料であり、0.1mmジルコニア/シリカビーズ
(コール・パーマー・カタログ#11079−101
Z)を更に用いた。
【0073】試料は実施例5の場合と同様の方法で調製
され、その濃度は、NALC沈降物プール0.25mL
につきヒト型結核菌粒子500個であった。
【0074】全試料を強制循環熱風炉中において105
℃で30分間加熱した。熱処理後、一組の試料に洗浄さ
れたガラスビーズ1mLを与え、一組に洗浄されたジル
コニア/シリカビーズを与え、そして一組は熱のみの対
照とするように放置した。ビース含有試料を実施例5の
場合と同様に撹拌した。試料に、実施例1の試料と同様
の条件下でSDAを施した。
【0075】結果 ジルコニア/シリカビーズの使用は、ヒト型結核菌およ
びミコバクテリウム属SDA標的に対して100%陽性
を生じた。ガラスビーズの使用は属標的に対して陽性を
70%まで降下させ、そして熱のみは、両方の標的の陽
性を降下させた(それぞれ、50%および13%)。更
に、ガラスビーズ試料では内部SDA対照によってシグ
ナル減衰が見られ、ガラスビーズは(洗浄後でも)増幅
を阻害していたことを示した。ジルコニア/シリカビー
ズはこのような阻害を示さなかった。核酸を入手するた
めのジルコニア/シリカビーズの使用は、ガラスビーズ
中のSDA阻害剤炭素の存在のために、ガラスビーズよ
りも好ましい増幅条件をもたらす。
【0076】本発明をある程度具体的に記載してきた
が、当業者に明らかな修正は、本発明の範囲から逸脱す
ることなく行うことができる。本発明の様々な特徴を請
求の範囲に記載する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 595117091 1 BECTON DRIVE, FR ANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNI TED STATES OF AMER ICA (72)発明者 ダレッタ・エイ・ブルッチー アメリカ合衆国メリーランド州21093, ティモニウム,コーマー・コート 5 (56)参考文献 特開 平2−289596(JP,A) Journal of Clinic al Microbiology,Vo l.28,No.3,(1990),p.495 −503 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 19/34

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞性成分を入手可能にする方法であっ
    て、破壊された細胞からの細胞性成分を含有する試料に
    粒子の存在下の撹拌を施すことを含み、該撹拌は他の細
    胞性成分から核酸を分離するのに充分である上記方法。
  2. 【請求項2】 細胞性成分がミコバクテリア細胞に由来
    する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 粒子の直径が、それらの最大幅で0.5
    mm以下である請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 粒子が球状である請求項1に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 粒子がジルコニウムおよびシリカを含ん
    で成る請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 粒子対試料の容量対容量比が約0.2
    5:1〜約1:1である請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 試料中の細胞を、試料に前記撹拌を施す
    のと同時に破壊する請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 試料を、試料中の感染性微生物を非感染
    性にさせるのに充分な温度で且つ充分な時間加熱するこ
    とによって試料中の細胞を破壊する請求項1に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 加熱温度が約95℃〜約105℃であり
    且つ加熱時間が約2分間〜約30分間である請求項1に
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 試料を、試料中の感染性微生物を非感
    染性にさせるのに充分な温度で且つ充分な時間加熱する
    ことによって試料中の細胞を破壊する請求項7に記載の
    方法。
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