JP2781749B2 - マイコバクテリアの溶菌方法 - Google Patents

マイコバクテリアの溶菌方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分子生物学の分野の
発明である。特に、本発明は細胞溶解の領域の発明であ
る。最も特定的には、本発明はマイコバクテリアの溶菌
方法の発明である。
【0002】
【従来の技術】マイコバクテリアは、大きくて多様で広
く分布している、高い細胞壁脂質含量と遅い増殖速度と
を有する好気性で非胞子形成性の非運動型桿菌のファミ
リーである。マイコバクテリウム属のメンバーでは、病
原力が実に様々である。幾つかのマイコバクテリアは無
害であるが、他のヒト型結核菌のようなものはかなり病
原性である。マイコバクテリウム属の種は、それらの増
殖速度、色素生産性、動物病原性、及び生化学反応性に
より区別される。
【0003】マイコバクテリウム科の微生物の如き病原
性微生物の存在を確認する多くの検出方法は、それら微
生物の溶解に依拠している。しかしながら、商業的な及
び公表されたマイコバクテリウム科の溶菌操作は、高価
であり、労力を要し、時間がかかり、そして腐蝕性の試
薬、特殊な装置、又はそれらの両方を必要とし得る。こ
れは、一般に溶菌に厳しい条件を要求しない他の型の細
胞についての溶解手順と対照的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近のマイコバクテリ
アの遺伝学の進歩及び後天性免疫不全症候群を患ってい
る人々の如き患者における日和見病原菌への興味の高ま
りで、マイコバクテリウム科の菌を迅速に溶菌するため
の操作が必要であるという事実に注意が集まっている。
簡単、迅速かつ溶菌からの望まれる物質に対し分解性で
ないマイコバクテリアの溶菌方法を有することは有益で
あろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、簡単、迅速か
つ溶菌からの望まれる物質に対し分解性でないマイコバ
クテリアの溶菌方法を提供する。1つの態様において
は、マイコバクテリアを溶菌有効量の熱に曝すことから
本質的になる方法が提供される。
【0006】更なる態様は、本発明のこの方法を用いて
マイコバクテリアの溶菌から遊離する特定の細胞成分を
単離することを含む。
【0007】特有の態様は、マイコバクテリアから核酸
を単離して、本発明の方法の実施から得られるその核酸
を増幅する追加段階も含む。
【0008】他の態様は、溶菌されたマイコバクテリア
にマイコバクテリア同定剤を添加してマイコバクテリア
の存在を同定することを含む。
【0009】本発明の方法には1つの段階が含まれるだ
けであり、先行方法と比較して好都合であり、器具が殆
ど必要でないので、特に有益である。本発明の方法を実
施することによって、最小限の労力でマイコバクテリア
を溶菌することが可能になる。加えて、本発明を実施す
れば、マイコバクテリアからデオキシリボ核酸(DN
A)が遊離される。DNAが遊離されるだけでなく、こ
の遊離したDNAは、プローブハイブリダイゼーショ
ン、制限酵素分析、増幅等によるその後の分析にも適し
ている。
【0010】本明細書で用いる場合“溶菌有効量の熱”
とは、DNA、RNA等の如き細胞内成分を遊離する高
温の量のことであるが、望ましい細胞内成分を破壊した
りそれを後で使用するのに適さないものにしたりしない
量のことをいう。本発明の特に効果的な1つの態様にお
いては、この溶菌有効量の熱は強制熱風として与えられ
る。
【0011】本発明は、マイコバクテリアの溶菌及びそ
れによるマイコバクテリアからのDNA及び細胞性物質
の遊離を可能にする。
【0012】溶菌のためにマイコバクテリアを加熱する
ことは、腐蝕性の化学物質の使用、時間のかかる培養、
及び French プレス、 Hughes プレス、プローブの音波
処理、バス音波処理装置、凍結−解凍、ガラスビーズ、
Ribi 加圧細胞 (the Ribi pressure cell) 等の機械的
方法を包含する公知のマイコバクテリア溶菌方法(表I
を参照)よりも有益である。
【0013】種々の微生物を溶菌するのに非常に多くの
酵素及び操作が存在するが、マイコバクテリアを溶菌す
るために熱をかけることはユニークである。マイコバク
テリアは容易に溶菌しないことで有名である。一般に、
マイコバクテリアの溶菌に帰着する操作は、所望の細胞
内容物も破壊してしまう。溶菌操作で細胞の内容物が破
壊されなかったとしても、それは、一般に、タイミング
が適切でありかつ骨の折れる手順を用いた結果に過ぎな
い。マイコバクテリアは、物理的ストレスに極めて抵抗
性なので、普通の細菌を死滅させる濃度及び消化操作に
曝すことができる(表IとIIを比較のこと)。従って、
この途方もなく溶菌抵抗性のマイコバクテリアを、あま
り猛烈でない細菌を溶菌できるに過ぎない熱だけで溶菌
できることは意外である。また、加熱よりも厳しい他の
条件が作用しないので、加熱がマイコバクテリアの溶菌
にそれほどよく作用することも意外である。しかしなが
ら、本発明を実施すると、マイコバクテリアが溶菌さ
れ、その後に、検出方法及び増幅の如き種々の目的に用
いるのに適する使用可能なDNA片、並びに遊離RNA
及び他の細胞成分が生成する。本発明の方法は、溶菌し
た微生物からDNA及びRNAを一本鎖の形で提供する
ことができる。
【0014】表I及びIIには、相当数のマイコバクテリ
ア溶菌手順が記載されている。これら全ての手順は、本
発明よりも多くの関わりを必要としている。
【0015】
【表1】 表 I 商業的な及び公表されたマイコバクテリアの溶菌方法 著者/出典 方法 参照文献 GenProbe 溶菌緩衝液及びガラスビーズと共に15 Gen-Probe package 分間の音波処理 insert Pierreら 0.1N NaOH, 2M NaCl, 0.5% SDSと共に J. Clin. Micro. 29(1991) 95℃で15分間 (4):712-717 Hurleyら 蒸留フェノール及び 0.1mmジルコニウ Int. J. Systematic (1988) ムビーズと共にミニビーズビーター Bacteriology 38(2): (Biospec Prod. Bartlesville,オクラ 143-146 ホマ州)中で3分間 Labidi マイコバクテリアを 1.4% グリシン, Archs. Inst. Pasteur 60μg/ml D−シクロセリン, 1mg/ml Tunis. 655(3-4):261- 塩化リチウム, 200 μg/mlリゾチーム, 270 2mg/ml EDTA 中での増殖によりスフェ ロプラストに転化;次いで遠心分離に より沈殿させて 1% SDS 中で65℃で15 分間加熱 Butcher ら 10mg/ml サブチリシンと共に37℃で3 Gut 29:1222-1228 (1988) 時間;次いで 50mg/mlリゾチームと共 に37℃で3時間;次いで 3mg/ml プロ ナーゼ及び 1% SDS と共に37℃で12時 Wayne と 37℃で72時間激しくエアレーション; J. Bacteriol. 95(4): Gross 次いで10μM EDTA, 1mg/mlプロナーゼ 1481-1482 (1968) と共に嫌気的に37℃で24時間;次いで 5% DOCと共に56℃で90分間 Brisson-Noel 培養:0.1M NaOH, 2M NaCl, 0.5% SDS Lancet, 11/4:1069- ら(1989) と共に95℃で15分間 1071 血液:10mg/ml リゾチームと共に37℃ で4時間;次いで 5mg/ml pro K 及び 0.1% Triton X-100 と共に55℃で16時 De Witら 10mM Tris-HCl, pH8.5, 1mM EDTA,150 J. Clin. Micro. 28 mM EDTA と共に70℃で30分間;次いで (11):(1990) 緩衝フェノール:1.5% SDS(1:1 容量) 2437-2441 と共にオービタル震盪をしながら37℃ で3時間 Roberts ら 0.85% NaClで3回洗浄;次いで 70% J. Clin. Micro. 25 (1987) エタノールと共に20℃で15分間;次い (7):1239-1243 で−70℃ Pickenら 100mg/0.8ml リゾチームと共に37℃で Mol. Cell. Probes (1988) 16時間;次いで 1mg/ml pro K と共に 2:289-304 〜37℃で1時間;次いで 2% SDS と共 に50℃で6時間 Sjobringら SDS;次いでpro K によりタンパク質を J. Clin. Micro. 28 除去;次いで CTAB で沈殿 (10) 2200-2204 Whipple ら 8000U/0.5ml リパーゼと共に37℃で2 J. Clin. Micro. 25 (1987) 時間;次いで 5mg/ml リゾチームと共 (8):1511-1515 に37℃で2時間;次いで 2mg/ml pro K 及び 1% SDS と共に50℃で16時間; 次いで 0.4倍容量の 5M 酢酸カリウム と共に0℃で10分間 Varyら 10mg/ml サブチリシンと共に37℃で3 J. Clin. Micro. 28 (1990) 時間;次いで 5mg/ml リゾチームと共 (5):933-937 に50℃で3時間;次いで 3mg/ml プロ ナーゼ及び 1% SDS と共に18時間;次 いで新しい 3mg/ml プロナーゼと共に 6時間 Eisenachら D-シクロセリンと共に24〜72時間;15% Am. Rev. Resp. Dis.( 1986) スクロース中の 1mg/ml リゾチーム, 133 1065-1068 50mM Tris-HCl, 50mM EDTAと共に37℃ で30分間;次いで 0.1mg/ml pro K と 共に25℃で10分間;次いで 1% SDS と 共に37℃で2時間 Patel ら 軽質石油:クロロホルム:緩衝液 (3: J. Gen. Micro. 132:( 1986) 1:1)中でボルテックスをかけて混合し 541-551 ながら15分間;次いで遠心分離;次い で 10mg/mlナガーゼと共に37℃で 2-4 時間;次いで50mg/ml リゾチームと共 に50℃で2-4 時間;次いで 1% SDS 及 び 3mg/ml プロナーゼを間隔を開けて 12時間で添加しながら37℃で 12-36時間 Pao ら 25% スクロース, 0.1M EDTA, 50mM Tubercle 69:27-36 Tris-HCl中の 2 mg/mlリゾチームと共 に37℃で30分間;次いで0.1M Tris-HCl, 0.1M NaCl 中の 0.1% SDS Visuvanathan 70℃で1時間;次いで約12.5 mg/mlの J. Micro. Methods ら (1989) サブチリシンと共に37℃で18時間;次 10:59-64 いで約31mg/ml のリゾチームと共に50 ℃で5時間;次いで約2%のSDS 及び 3mg/mlプロナーゼと共に12時間;次い で新たな 3mg/ml プロナーゼと共に8 時間 Sritharin NALC沈殿物を 10mM Tris-HCl,pH8.0, Mol. Cell. Probes と Barker 1mM EDTA及び 1% Triton X-100中に懸 5:385-395(1991) 濁させて30分間煮沸 Kolkら NALC沈殿物を 5% Tween 20と10mg/ml J. Clin. Micro. (1992) pro K の消化緩衝液に曝して15分間煮 30:2567-2575 Victorら NALC沈殿物を遠心分離して渦を巻かせ J. Clin. Micro.(1992) る 30:1514-1517 Shawarら NALC沈殿物を 10mM Tris-HCl, 1mM ED J. Clin. Micro. (1993) TA及び 1% Triton X-100の溶菌緩衝液 31:61-65 に曝して30分間煮沸 Plikaytis ら NALC沈殿物を 20mg/mlリゾチームを含 Am. Rev. Respir.Dis. (1991) 有する緩衝液中に懸濁し;0.5M NaOH 144:1160-1163 と 1% SDS を添加して5分間煮沸 Cousins ら NALC沈殿物を75℃で45分間加熱して 2 J. Clin. Micro. (1992) mg/ml リゾチーム, 1% SDS及び 100μ 30:255-258 g/ml pro Kで溶菌 Del Portillo 痰を H2Oで希釈して10分間煮沸し、次 J. Clin. Micro. ら(1991) いで 2mg/ml リゾチーム中で37℃でイ 29:2163-2168 ンキュベートし、1% SDS及び 250μg/ ml pro Kを添加してから65℃で20分間 インキュベート Buckら 臨床サンプルのNALC沈殿物を16,000× J. Clin. Micro. (1992) g で10分間遠心分離し、次いで30分間 30:1331-1334 音波処理して10分間煮沸 Savic ら サンプルをスプトリシン (sputolysin) J. Inf. Dis. (1992) 操作により液化及び沈殿し;沈殿物を 166:1177-1180 10分間煮沸し、ガラスビーズと混合し、 40μg pro K 及び 0.5% Tween 20と共 に37℃で30分間インキュベートして60 ℃で20分間音波処理 Shankar ら サンプルを遠心分離して沈殿物を0.1N Lancet NaOH, 1M NaCl 及び 0.5% SDS に曝し; 33:5-7 次いで95℃で15分間加熱 Pierreら サンプルを SDS操作により液化及び沈 J. Clin. Micro. (1991) 殿し;次いで沈殿物を0.1N NaOH, 2M 29:712-717 NaCl及び 0.5% SDS と共に95℃で15分 間インキュベート Thierry ら 上の Pierre ら (1991) と同じ Mol. Cell. Probes(1992) 6:181-191 Brisson-Noel 上の Pierre ら (1989) と同じ Lancet, Nov.4(1989) 1069-1071 DeWit ら 胸膜液をポリエチレングリコール (PE J. Clin. Micro. (1990) G)と混合し、遠心分離して沈殿物をフ 28:2437-2441 ェノールで緩衝した 10% SDSで37℃で 3時間抽出 Sjoborg ら サンプルをスプトリシン操作により液 J. Clin. Micro. (1990) 化及び沈殿し;沈殿物を 50mM Tris中 28:2200-2204 に懸濁し;5分間煮沸し;そしてガラ スビーズと共に50℃で15分間音波処理 凡例: SDS,ドデシル硫酸ナトリウム;CTAB, セチルトリメチルアンモニウム・ ブロミド;pro K,プロテナーゼK;Tris-HCl,トリス(ヒドロキシメ チル)アミノメタン塩酸;EDTA,エチレンジアミン四酢酸。
【0016】
【表2】 表 II 公表された非マイコバクテリア細胞の溶解手順の例 著者/サンプル 方法 参照文献 deKloet /酵母 20U/mlリチカーゼと共に32℃で1 J. Micro Meth. 2:189 分間 -196 Monsenら/ 5mM EDTA, 0.5% Triron X-100 中 FEMS Micro. letters 連鎖球菌 の 0.1mg/ml ムタノリシン (muta 16:19-24(1983) nolysin)と共に37℃で5-60分間 Chassy/グラム 1.0mg 細菌細胞当たり1.2mg リゾ Appl.Env.Microbiol. 陽性グルフリダ チームと共に37℃で60分間 39(1):153-158 (Gluffrida)菌(1980) Gross-Bellard ら 50mg/ml pro K と共に37℃で12時 Eur. J:Biochem./哺乳動物 間 36:32-38 Grimbergら/ 10mg/ml Tris-HCl, 10mM NaCl, Nucleic Acids Res. 血液細胞核 10mM EDTA 中の 1mg/ml pro K と 17(20):8390(1989) 共に37℃で2時間 Morenoら/血液 0.4M Tris-HCl, 0.1M EDTA, 1% Nucleic Acids Res. (1989) SDS 中の 200μg pro K と共に50 17(20):8393 ℃で1時間 Birnboim & Doly 2mg/mlリゾチームと共に0℃で30 Nucleic Acids Res. /大腸菌 (1979) 分間;次いで 0.2N NaOH, 1% SDS 7(6):1513-1523 と共に0℃で5分間 Klein ら/大腸 10mM Tris-HCl 中の1mg/mlリゾチ Plasmid 3:88-91菌 (1980) ームと共に20℃で15分間 溶菌から遊離した細胞成分の後の使用には、マイコバク
テリアの同定及び、ポリメラーゼ連鎖反応、鎖置換増殖
(Strand Displacement Amplification,SDA)、リガ
ーゼ連鎖反応等の如き手段による核酸の増殖が含まれ
る。同定は、マイコバクテリア同定剤によって行うこと
ができる。同定剤とは、デオキシリボ核酸及びリボ核酸
等を含む核酸プローブを含む、マイコバクテリアを同定
するのに適する物質のことをいう。
【0017】例えば、特定のマイコバクテリアの存在を
同定するためのプローブの使用は、一段階同定法におい
て用いることができる。例えば、サンプルを得たら、こ
のサンプルに熱をかけてから同定剤を添加する。そのサ
ンプルが痰サンプルであるときは、まず、このサンプル
をN−アセチル−L−システイン(NALC)及び水酸
化ナトリウムのような液化剤で消化する。次いで、その
同定剤に用いるために選んだマーカー(例えば、検出さ
れる信号)に依存して、マイコバクテリアの存在を種々
の手段により検出することができる。マイコバクテリア
の存在の同定手段は、通常、用いられる同定剤により決
まる。例えば、核酸プローブ(例えば、マイコバクテリ
アの種に対して特異性であるプローブ)は、典型的には
125I、32P、蛍光色素、化学発光性又は比色測定用酵
素等で標識される。次いで、そのマーカーを検出する。
この検出は、その特定のマイコバクテリアが存在すると
いう指標になる。他の検出手段には、サザーンブロット
分析、電気泳動ゲル可視化等が含まれる。検出は、サン
プル及び状況に依存して、先立って増殖させてから行っ
ても増殖させないで行ってもよい。
【0018】マイコバクテリアが痰の如きサンプルの形
で又は単離された形で得られたなら本発明の方法を用い
ることができる。マイコバクテリアは、便、痰、尿、血
清、組織、他の体液を含む種々の供給源から単離される
か、又は公営若しくは私営の培養物収集所等から得られ
る。典型的には、種々の供給源から得られたマイコバク
テリアを培養する。これには非常に時間がかかり、培養
期間は3〜6週間に達する。しかしながら、本発明の方
法を実施することにより、培養の必要性を排除すること
ができる。培養を望まない場合には、一般には、まず細
胞を慣用的なサンプル処理方法により供給源から単離
し、次いで通常は遠心分離によって沈殿させて細胞懸濁
液にする。次いで、この細胞懸濁液中のマイコバクテリ
アを熱に曝す。
【0019】臨床サンプルで本発明の方法を用いれるこ
とは特に有益である。その細胞内成分が望まれる微生物
を典型的には約60℃〜約100℃の範囲の熱に曝す。
個々の微生物についての熱の範囲は、この範囲内で熱を
変動させながらその微生物からの所望の標的分子の放出
を定量することによって容易に得ることができる。熱が
微生物を溶解させ、その後に細胞内成分が放出される。
熱を使用する上での唯一の制限は、興味の対象である特
定の細胞内成分がその熱による破壊に感受性でないとい
うことである。従って、細胞内成分を放出させるために
用いる熱により破壊されないそれら成分は、本発明の方
法を用いることにより得ることができる。本発明の方法
では種々の加熱手段を利用できる。加熱手段には、水
浴、マイクロ波、対流オーブン、強制熱風オーブン等が
含まれる。
【0020】本発明の方法は、微生物からDNA又はR
NAを得るのに特に有益である。本発明の方法は、DN
A及びRNAが一本鎖の形で微生物から遊離できるよう
にする。一般に、DNAを得るための溶菌操作では、D
NAは二本鎖の形で得られ、次いでこの二本鎖型を特別
な段階に付して、後の使用のために一本鎖DNAを得
る。かくして、本発明の方法は、後の使用に容易に用い
ることができる形でDNA及びRNAを提供するので、
一本鎖の核酸を得るために水酸化ナトリウムの如き腐蝕
性の化学薬品を用いる必要がない。殆どの検出及び増幅
操作は、DNA及びRNAが一本鎖型であることを要す
る。種々の増幅方法が利用可能であり、例えば、鎖置換
増殖(SDA)(Walker G.T.ら, Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 89,392 (1992))、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)(PCR Technology, H.A. Erlich編 (Stockton Pres
s, New York, NY 1989))、転写基礎増幅システム(tra
nscription-based amplification system,TAS)(Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA 86:1173 (1989))、連結増
幅反応(ligation amplification reaction,LAR)(G
enomics 4:560 (1989))、リガーゼ基礎増幅システム
(ligase based amplification system,LAS)(Gene
89:117 (1990))、及びQBレプリカーゼ (Infect.Dis.
162:13 (1990))がある。いずれのサンプル調製法も標
的分子に接触し易くして感度を向上させるのが目的であ
る。そのような目的は、サンプルを調製する方法、標的
プローブの比活性、及びサンプルを調製する培地又は物
質の選択を考慮に入れることによって達成される。
【0021】細胞内成分を得るのに要する加熱時間は、
約2分から約20分の範囲である。加熱の量及び加熱時
間は、細胞内成分が得られる供給源に依存して、溶菌さ
れるマイコバクテリアの一部をサンプリングして溶菌の
兆候を検査する(例えば、細胞内成分を検出する)こと
によって容易に見出せる。
【0022】本発明の最も基本的な態様においては、所
望の細胞内成分を含有するサンプル(臨床サンプル又は
培養サンプル)を加熱すれば使用可能な成分が簡単に得
られる。微生物をH2 O中で溶菌してもよいが、Tri
s緩衝生理食塩水(50mMTris−HCl,150
mM NaCl,pH8.0)、リン酸緩衝生理食塩水
(50mMリン酸ナトリウム,150mM NaCl,
pH8.0)、ポリメラーゼ連鎖反応緩衝液(10mM
Tris−HCl,pH8.8,50mMKCl,
1.5mM MgCl2)、React6(緩衝液名Re
act6は、Bethesda Research Labs により登録され
ている)(50mM Tris−HCl,pH7.1,
50mM NaCl,50mM KCl,6mM Mg
Cl2)、リン酸ナトリウム(pH5.0〜12.0)、
Trizma9.0(Sigma :トリスヒドロキシアミノ
メチルアミン)、及び0.5%Tween20と0.5
%Nonidet P−40の如き界面活性剤、の如き
好適な緩衝液中で溶菌してもよい。所望によりこの加熱
したサンプルを遠心分離して上澄み液と沈殿物とを後で
使用できるようにする。
【0023】サンプルを加熱した後の細胞内成分の使用
には、増幅、検出等が含まれる。放出された細胞内成分
に関連する更なる段階には、所望の成分のその後の精製
が含まれる。例えば、溶菌したサンプルからDNAを得
るための典型的な精製段階には、フェノール/クロロホ
ルム抽出の如き有機抽出又はガラス若しくは珪藻の如き
シリカ表面上への固相吸着が含まれる。
【0024】本発明の方法は、先立って培養することな
く実施することができる。痰、便、組織、血液、血清等
からの未精製の生物学的サンプルを本発明を実施するこ
とにより溶菌し、そして同じサンプル中で、マイコバク
テリア同定剤で同定することができる。従って、本法
は、臨床、生物学的、食品又は環境サンプル中のマイコ
バクテリアを検出するための簡略化された手段を含む。
【0025】熱でマイコバクテリアを溶菌する典型的な
手順には、マイコバクテリアのサンプルの短時間(例え
ば、約5分)遠心分離及び得られる上澄み液の排棄が含
まれる。次いで、マイコバクテリアの沈殿物を緩衝混合
液中にもどしてもよい。必要に応じて、あらゆる好適な
緩衝液が作用するであろう。溶菌有効量の熱で短時間イ
ンキュベーションした後、所望の細胞内成分を単離して
もよい。DNAを単離する慣用的な方法には、フェノー
ル:クロロホルム抽出、ガラスに結合させてから溶離す
る方法等が含まれる。DNAを単離する慣用的な手順の
例は、T. Maniatis ら, Molecular Cloning: A Laborat
ory Manual (Cold Spring Harbor Lab )(1982) 及び Bo
om ら, J. Clin. Micro. 28:495 (1990) の如き文献中
に見られる。
【0026】上述のように、溶菌有効量の熱は、水浴、
マイクロ波、対流オーブン及び強制熱風オーブンを含む
種々の供給源から供給することができる。しかしなが
ら、強制熱風オーブンを用いることに伴う幾つかの利点
が存在し、それらには、サンプル管の外部を清浄で乾燥
した状態に維持できること、対流オーブンや加熱ブロッ
クよりも熱伝達が効率的で速いこと、及び優れた再現性
が含まれる。
【0027】熱水浴とは対照的に、強制熱風オーブン
は、サンプル管の外部表面を濡らさない。かかる濡れた
外部表面は、その後にサンプルを処理する間にサンプル
間の交差コンタミネーションが起こる原因となる。ま
た、表面が濡れていると技術者又は科学者がサンプル管
を手際よく扱ったり操作したりするのが難しくなる。濡
れた外部表面についてのこれら同じような望ましくない
特徴は、液体境界面を有する加熱ブロック中でサンプル
管を加熱する場合にも存在する。
【0028】対照的に、加熱ブロックが乾式である(即
ち、液体境界面がない)場合は、サンプルへの熱交換が
強制熱風オーブンよりも遅くなり、そして加熱ブロック
の上部の冷却域がサンプルの温度をバラツキなく保つの
を妨げるために再現性が乏しくなる。同じく、対流オー
ブンは外部サンプル管表面を清浄で乾燥した状態に維持
するが、熱伝達が遅いのでサンプルが所望の温度に達す
るのに長時間の遅れが生ずる。
【0029】サンプルを強制熱風で加熱すると、所望の
サンプル温度に素早く到達でき、結果の再現性が優れて
おり、そしてサンプル管の表面が清浄で乾燥しているた
めにサンプル間の交差コンタミネーションが抑えられる
ことにより、他の加熱方法の上述の望ましくない特徴が
取り除かれるか又は有意に抑えられる。強制熱風加熱で
の温度制御のこの長所は、サンプル管全体の周囲の空気
が急速に動いていることに依っている。
【0030】強制熱風加熱は、周囲温度から約150℃
までの範囲の温度を達成でき、好ましくは周囲温度から
約100〜105℃の所望の温度までに約2分間で到達
できる、あらゆる市販の強制熱風オーブンで行うことが
できる。オーブンを通り抜ける空気の速度は、約3m/
秒〜約6m/秒である。オーブン内での通気パターン
は、全てのサンプル管がバラツキなくかつ均一に所望の
温度に効率良く加熱されるようなパターンであるべきで
ある。市販の強制熱風オーブンでは、通気はサンプル管
又はサンプルを保持している容器に対して一般に水平又
は垂直であるが、サンプル管又は容器が熱風中に実質的
に完全に没してしまう如何なる通気パターン又は配置も
許容できる。
【0031】加えて、強制熱風加熱での熱伝達はバラツ
キがないために、マイコバクテリアの生育能力の損失又
は死滅がよりバラツキなく起こることが分かった。マイ
コバクテリア微生物の死滅は、これら微生物が感染性で
あるのでその溶菌と同じほど重要であり得る。マイコバ
クテリアの死滅にバラツキがあると、マイコバクテリア
を溶菌して核酸を得ようとする研究者の安全が脅かされ
る。実施例で詳細に説明するが、対流オーブン及び加熱
ブロックは、マイコバクテリアを非感染性にするか又は
死滅させるのに十分な温度に達したサンプルをバラツキ
なく提供することはない。
【0032】上記の加熱方法の全てにおいて、マイコバ
クテリアサンプルは、加熱している間、栓をした管又は
他の容器内に保持される。従って、その管又は容器内の
蒸気圧は、圧力、絶対温度及び体積間のシャルルの法則
の関係に従って、熱が上昇するにつれて上昇する。管又
は容器内の圧力の簡単な測定の仕方は、Chemical Rubbe
r Company (“CRC") により発刊された the Handbook o
f Chemistry and Physics に提示されている如き、容
易に入手できる表を参照すればよい。
【0033】本発明を実施することにより溶菌できる重
要なマイコバクテリアには、トリ型結核菌、M.ゴルド
ナエ (M. gordonae)、ヒト型結核菌、カンサス・マイコ
バクテリウム、M.フォルチュイツム、M.ケロナエ
(M. chelonae)、ウシ型結核菌、M.スクロフラセウ
ム、パラ結核菌、M.マリヌム、M.シミアエ (M. sim
iae)、M.スズルガイ (M. szulgai) 、M.イントラセ
ルラーレ (M. intracellulare)、M.キセノピ (xenop
i) 、M.ウルセランス、らい菌、鼡らい菌、スメグマ
菌、M.フラベッセンス (M. flavescens)、M.テラエ
(M. terrae)、M.ノンクロモゲニクム (M. nonchromo
genicum)、M.マルモエンセ (M. malmoense)、M.ア
ジアチクム (M. asiaticum) 、M.バッカエ (M. vacca
e)、M.ガストリ (M. gastri)、M.トリビアレ (M. t
riviale)、M.ハエモヒルム (M. haemophilum) 、M.
アフリカヌム (M. africanum) 、M.サーモレジスタブ
ル (M. thermoresistable)、及びM.フレイが含まれ
る。幾つかのマイコバクテリアは病原性である。例え
ば、既に20億人に感染し、毎年7〜9百万人に感染し
ているヒト型結核菌は、疫学的及び臨床的観点から重要
なマイコバクテリアである。加えて、トリ型結核菌、ウ
シ型結核菌、M.イントラセルラーレ、M.アフリカヌ
ム、らい菌、M.ケロナエ、パラ結核菌、及びM.マリ
ヌムも、疫学的及び臨床的観点から重要である。
【0034】本発明を実施すれば、種々の検出操作に後
で使用するためのDNA、RNA及び細胞成分を提供す
るマイコバクテリアの迅速で簡単な溶菌操作が提供され
る。
【0035】以下の実施例は、この明細書に記載した本
発明の具体的態様を説明するものである。当業者には明
らかであろうが、種々の変更及び修飾が可能である。そ
してそれらは本発明の範囲内に属すると考えられる。
【0036】
【実施例】
実施例1 目的:ヒト型結核菌の溶菌についての熱単独での効果の
証明 操作:ヒト型結核菌培養物の3ml沈殿物をBACTE
Cシステム(Becton Dickinson, Towson, メリーランド
州)で7H10培地中で培養することにより調製した。
このサンプルを0.5mlのH2 O中でもどしてから沸
騰水浴中に15分間浸けた。
【0037】この溶菌サンプルをフェノール/クロロホ
ルムで2回抽出してからクロロホルム/イソアミルアル
コールで2回抽出した。次いで、これらを−20℃で一
晩エタノール沈殿した。サンプルを150μlのH2
中でもどした。PCRミックスを作り、それぞれ50μ
lの溶菌産物を用いてサイクルに付した。10μlのP
CR産物をアクリルアミドゲル(10%)で展開した。
50μlの原サンプルも、GENE SCREEN Plusハイブリダ
イゼーション転写膜(DuPontカタログ番号 NEF-976)を
メーカーの使用説明書に従って用いて、スロット (Slo
t) ブロットハイブリダイゼーション分析に用いた。
【0038】結果:このPCR産物のエチジウム染色ゲ
ルから、PCRによる増幅そして該ゲル上での検出が可
能になるのに十分な標的DNAが加熱で放出されたこと
が示された。このブロットのオートラジオグラムは、D
NAがこのマイコバクテリアから遊離して放射性プロー
ブにハイブリダイズしていたことを示した。
【0039】実施例2 操作:BACTECヒト型結核菌培養物の3ml沈殿物
を実質的に実施例1の方法に従って調製した。このサン
プルを0.5mlのH2 O中でもどしてから60℃で1
5分間音波処理した。この溶菌サンプルをフェノール/
クロロホルムで2回抽出してからクロロホルム/イソア
ミルアルコールで2回抽出した。次いで、これらを−2
0℃で一晩エタノール沈殿した。サンプルを150μl
のH2 O中でもどした。PCRミックスを作り、それぞ
れ50μlの溶菌産物を用いてサイクルに付した。10
μlのPCR産物をアクリルアミドゲル(10%)で展
開した。50μlの原サンプルもスロットブロットハイ
ブリダイゼーション分析に用いた。
【0040】結果:このPCR産物のエチジウム染色ゲ
ルから、PCRによる増幅そして該ゲル上での検出が可
能になるだけの標的DNAが音波処理では放出されなか
ったことが示された。このブロットのオートラジオグラ
ムは、DNAが放射性プローブにハイブリダイズしなか
ったことを示した。従って、音波処理単独では、ヒト型
結核菌からDNAは放出されなかった。
【0041】実施例3 操作 :BACTECヒト型結核菌培養物の3ml沈殿物
を実質的に実施例1の方法に従って調製した。
【0042】このサンプルを0.5mlのH2 O+25
μl分のガラスビーズ中でもどした。次いで、このサン
プルをビーズと共に沸騰水浴中に15分間浸けた。
【0043】この溶菌サンプルをフェノール/クロロホ
ルムで2回抽出してからクロロホルム/イソアミルアル
コールで2回抽出した。これらを−20℃で一晩エタノ
ール沈殿した。サンプルを150μlのH2 O中でもど
した。PCRミックスを作り、それぞれ50μlの溶菌
産物を用いてサイクルに付した。10μlのPCR産物
をアクリルアミドゲル(10%)で展開した。50μl
の原サンプルもスロットブロットハイブリダイゼーショ
ン分析に用いた。
【0044】結果:このPCR産物のエチジウム染色ゲ
ルから、PCRによる増幅そして該ゲル上での検出が可
能になるのに十分な標的DNAがガラスビーズ存在下で
の加熱で放出されたことが示され、そして増幅のレベル
は、ガラスビーズの不存在下でなされたのと同じである
ように見えた。このブロットのオートラジオグラムは、
DNAが放射性プローブにハイブリダイズしなかったこ
とを示した。従って、加熱処理+ガラスビーズでは、検
出されるだけの十分なDNAが放出されなかったか又は
DNAがビーズに結合したままであったかのいずれかで
あった。ビーズの添加は、DNA放出のプロセスには有
利でないと考えられる。
【0045】実施例4 操作 :BACTECヒト型結核菌培養物の3ml沈殿物
を実質的に実施例1の方法に従って調製した。
【0046】このサンプルを0.5mlのH2 O+〜2
5μl分のガラスビーズ中でもどした。サンプルをビー
ズと共に60℃で15分間音波処理した。
【0047】この溶菌サンプルをフェノール/クロロホ
ルムで2回抽出してからクロロホルム/イソアミルアル
コールで2回抽出した。これらを−20℃で一晩エタノ
ール沈殿した。サンプルを150μlのH2 O中でもど
した。PCRミックスを作り、それぞれ50μlの溶菌
産物を用いてサイクルに付した。10μlのPCR産物
をアクリルアミドゲル(10%)で展開した。50μl
の原サンプルもスロットブロットハイブリダイゼーショ
ン分析に用いた。
【0048】結果:このPCR産物のエチジウム染色ゲ
ルから、ガラスビーズを伴う音波処理で標的DNAが放
出されたことが示された。このDNAはPCRにより増
幅されたもので該ゲル上で検出された。しかしながら、
認められた増幅標的のレベルは、先程の実施例1及び3
における好結果の処理についてのレベルよりも低かっ
た。このブロットのオートラジオグラムは、DNAが放
射性プローブにハイブリダイズしなかったことを示し
た。従って、音波処理+ガラスビーズでは、検出される
だけの十分なDNAが放出されなかったか又はDNAが
ビーズに結合したままであったかのいずれかであった。
【0049】実施例5 操作 :BACTECヒト型結核菌培養物の3ml沈殿物
を実質的に実施例1の方法に従って調製した。
【0050】このサンプルを200μlのH2 Oで希釈
してから Gen-Prove溶菌管中に入れて、60℃で15分
間音波処理してからこの溶菌管に300μlのH2 Oを
更に添加した。
【0051】この溶菌サンプルをフェノール/クロロホ
ルムで4回抽出してからクロロホルム/イソアミルアル
コールで2回抽出した。次いで、これらを−20℃で一
晩エタノール沈殿した。サンプルを150μlのH2
中でもどした。PCRミックスを作り、それぞれ50μ
lの溶菌産物を用いてサイクルに付した。10μlのP
CR産物をアクリルアミドゲル(10%)で展開した。
50μlの原サンプルもスロットブロットハイブリダイ
ゼーション分析に用いた。
【0052】結果:このPCR産物のエチジウム染色ゲ
ルから、PCRによる増幅そして該ゲル上での検出が可
能になるのに十分な標的DNAがこの Gen-Prove溶菌方
法で放出されたことが示され、そしてその増幅のレベル
は、実施例1及び3で認められたレベルと同じであるよ
うに見えた。このブロットのオートラジオグラムは、D
NAが放射性プローブにハイブリダイズしたことを示し
た。これは、検出されるのに十分なDNAが放出された
ことを示している。Gen-Prove は好結果を与えるが、分
析に付する前にサンプルを清浄にする(即ち、溶菌溶液
から夾雑物を除去する)ために、追加のフェノール/ク
ロロホルム抽出が2回必要になった。
【0053】実施例6 操作 :10μlの106 /ml BACTEC培養ヒト
型結核菌を1mlの滅菌H2O中に入れて、この溶液か
ら複数の10μlアリコートを複数の0.6ml管に入
れた(=100微生物/実験)。各管に100μlの1
×PCR緩衝液を添加して、100℃で0、1、5、1
0及び15分間インキュベートした。加熱後に、ヒト型
結核菌を含有するこれら混合液をマイクロ遠心機(1
2,000×g)で5分間遠心分離し、その沈殿物と上
澄み液を、IS6110ヒト型結核菌挿入成分に対して
特異性のプライマーを用いて次の熱サイクル手順に従っ
てPCR増幅に付した:94℃3分間変性、次いで94
℃1分間変性、62℃1分間アニーリング、72℃1分
間伸長を30サイクル、ついで72℃7分間伸長、及び
4℃浸漬。この増幅産物をエチジウム染色ポリアクリル
アミドゲルで分析した。
【0054】結果:増幅された標的の生成により示され
たところでは、0時間(即ち、未煮沸)コントロールを
含む全ての加熱時間で溶菌が起こったことが分かった。
これにはまず驚いたが、このことは、PCR反応の初期
の温度サイクルが94℃に3分間加熱することからなっ
ており、これは増幅された標的により証明されるように
ヒト型結核菌の溶菌には十分であると思われるので、矛
盾するものではない。加熱時間が1分間から15分間に
増加するにつれて、沈殿物中の増幅された標的の信号が
減少した。これは、熱がこの微生物の溶菌をもたらすた
めに遠心分離によってはそれらが沈殿しなくなったと考
えると矛盾しない。
【0055】熱サイクル反応の間に行われる94℃加熱
はヒト型結核菌から増幅可能な標的DNAを放出させる
のに適していること、及びこの反応の前の100℃での
インキュベーション時間を増やすとヒト型結核菌の溶菌
が向上することが結論として得られた。
【0056】実施例7 操作 :更なる証拠により、熱サイクル反応の間に行われ
る94℃加熱がヒト型結核菌から増幅可能な標的DNA
を放出させるのに適していることが示唆された。100
のヒト型結核菌微生物をPCR混合液に直接投入して上
記の通りにPCRサイクルに付した。IS6110配列
を含有する100コピーのプラスミドSK4.3からな
る陽性コントロールをH2 Oからなる陰性コントロール
と同時に流した。
【0057】結果:これら増幅された標的をエチジウム
染色ポリアクリルアミドゲル上で分析した。IS611
0配列を含有する陽性コントロールに増幅された標的が
見られ、無傷微生物にも増幅された標的が見られたが、
陽性コントロールよりも約10倍大きな強度であった。
これは、各ヒト型結核菌微生物が約10コピーのIS6
110標的配列を含有するという公表された知見と一致
する。
【0058】この実験は、熱サイクル反応の間に行われ
る94℃加熱がヒト型結核菌から増幅可能な標的DNA
を放出させるのに適しているという先の結論をより確か
なものにした。
【0059】実施例8 目的 マイコバクテリアを沸騰水浴中で加熱する際に存在
させる緩衝液であって:A.溶菌してそれらのDNAを
放出させB.このDNAの増幅を可能にする適合性の緩
衝液を特定する。
【0060】原料 BACTECヒト型結核菌培養瓶 (〜106 微生物/m
l) BACTEC M.フォルチュイツム培養物 (〜108
微生物/ml) NaCl (Fisher #5271-500 Lot#896394) Naリン酸塩 (Fisher #5381 Lot#742308) Na3 リン酸塩 (Fisher #5377 Lot#78758) 10×TBS pH8.1(+2%アジド) アセトン (Fisher A18-000 Lot#902245) 10%SDS溶液 (BRL #5553JA Lot#ARU602) NP−40 (Sigma #N-6507 Lot#36F-0198) Tween20 (BioRadカタログ#170-0531 コントロー
ル#M1419) アクロモペプチダーゼ (Sigma #A-7550 Lot#127F-6839
1) Trizma9.0 (100mM Tris9.0+1
0mM NaCl) 10×PCR緩衝液 (100mM Tris pH8.
8,500mMKCl,15mM MgCl2 ) 10×REACT6 (1×50mM NaCl,Tri
s,KCl+6mM MgCl2操作 14本の1.5mlネジ蓋付き試験管を一列に並べた。
各試験管に2mlのヒト型結核菌培養物からの沈殿物を
添加した。これを、M.フォルチュイツムの培養物につ
いても行った。
【0061】滅菌H2 Oで次の溶液を調製した: 1.滅菌H2 O 2.100mM NaCl 3.1×TBS (50mM Tris−HCl,150
mM NaClpH8) 4.1×PBS (50mM Na2 リン酸塩,150m
M NaCl pH8) 5.1×PCR緩衝液 6.1×React6 (50mM Tris−HCl,
pH12,NaCl,KCl+6mM MgCl2 ) 7.Trizma9.0 8.Trizma9.0+アクロモペプチダーゼ 9.10%アセトン 10.0.5%Tween20 11.0.5%NP−40 12.0.5%SDS 13.リン酸ナトリウム(50mM pH12) 14.リン酸ナトリウム(50mM pH5) #8を除いて、300μlの溶液をその適切なマイコバ
クテリア沈殿物に添加し(それぞれ1本のヒト型結核
菌、1本の M.フォルチュイツム)、30分間ボルテ
ックスした後で100℃でインキュベートした。#8に
は300μlのTrizma9.0+36μlのアクロ
モペプチダーゼの5mg/ml溶液(50ユニット)を
添加した。これを50℃で30分間インキュベートして
から100℃で30分間インキュベートした。全サンプ
ルをフェノール/クロロホルム抽出してから、クロロホ
ルム抽出し、次いで一晩エタノール沈殿した。
【0062】サンプルを30μlの滅菌水中にもどして
から、15μlのサンプル+5μlのII型追跡色素 (tr
acking dye) を1×TAE中の1%アガロースゲルで電
気泳動し、臭化エチジウム染色で可視化した。
【0063】各サンプル5μl(ヒト型結核菌のみ)を
0.25μMのヒト型結核菌21及び22プライマー並
びに2.5ユニットの増幅Taq (amplitaq) ポリメラ
ーゼを含有するPCRミックス中に入れた。サンプルを
次のサイクルに付した: 94℃ 3分間 変性 94℃ 1分間 変性 ) 62℃ 1分間 アニーリング )30サイクル 72℃ 1分間 伸長 ) 72℃ 7分間 伸長 4℃ 浸漬 各PCR産物の10%を10%アクリルアミドゲルで電
気泳動して臭化エチジウムで染色した。
【0064】結果 アガロースゲルの結果は、100倍多い微生物を有する
M.フォルチュイツムサンプルが、ヒト型結核菌よりも
多いDNAを放出することを示している(パーセンテー
ジで比較したものでなく量で比較したもの)。ヒト型結
核菌については、アクロモペプチダーゼ/煮沸、Twe
en20/煮沸サンプル、及び0.5%SDSにおいて
DNAが見られる。
【0065】これらPCRの結果は、PCRを阻害する
ことが分かっているSDSを除いては、全ての溶液が煮
沸で(ヒト型結核菌)DNAを放出することを示してい
る。結論 このデータは、試験した14の溶液のうち13が、PC
Rで検出できるような量で煮沸した場合にヒト型結核菌
DNAを遊離するであろうことを示している。アガロー
スゲルは、それら緩衝液がM.フォルチュイツムから小
さなサイズのDNAを遊離させるが、該ゲル上で多くの
DNAが認められるだけ十分なヒト型結核菌微生物が存
在しなかったことを示している。
【0066】実施例9 100℃の強制熱風加熱によるマイコバクテリアの溶菌 A.原料及び方法 この実施例では次のマイコバクテリアを用いた: 微生物 供給源/株 トリ型結核菌 ATCC 25291 M.ケロナエ Trudeau Society 1542 M.フォルチュイツム Trudeau Society 1529 M.ゴルドナエ Trudeau Society 1318 M.イントラセルラーレ ATCC 13950 カンサス・マイコバクテリウム Trudeau Society 1201 M.サーモレジスタブル CAP Survey+ ヒト型結核菌 Trudeau Society 201 M.キセノピ Trudeau Society 1482 +CAP = College of American Pathologists 全ての微生物を Lowenstein-Jensen(LJ)斜面上及び
Bactec12Bバイアル (Becton Dickinson Diagn
ostic Instrument Systems, Towson,メリーランド州)
中で増殖させた。ガラス製組織グラインダーで微生物塊
を分散して25mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.
6)で希釈することによって微生物の濃度を種々の McF
arlandスタンダードに調節した。
【0067】この実施例の死滅段階における微生物の生
育能力は、0.2mlのこの懸濁液をBactec12
Bバイアル中でPANTA溶液(Becton Dickinson)と
一緒に37℃で少なくとも6週間培養することによって
確認した。全ての陽性Bactec信号を抗酸性染色
(キニオウンズ(Kinyoun's) 及びオーラミンO)及びグ
ラム染色により確認した。疑問のある結果を出したバイ
アルを血液寒天及びLJ斜面上で副次培養した。CO2
中で37℃でインキュベートしたLJ斜面上での増殖物
も一定の実験のためのBactecシステムへの補助と
して用いた。微生物濃度は、混釈平版法により Middleb
rook7H10寒天 (Difco,デトロイト, ミシガン州) で
測定した。
【0068】臨床サンプルをn−アセチルシステイン−
NaOH法 (Remel, Lenexa,カンサス州) により処理し
て、1mlの0.2%ウシアルブミン(Remel) 中に再懸
濁させた。得られた懸濁液を以下“NALC沈殿物”と
いう。
【0069】1.マイコバクテリアの加熱 まず、ウシ型結核菌を除く表1に掲げた全ての微生物の
1.5及び4.5ml容量の McFarland2懸濁液を沸騰
水浴中で100℃に加熱して、0、5、10、15及び
30分でサンプルを採取した。独立した3実験では、1
00℃で少なくとも5分間加熱した後ではマイコバクテ
リアは増殖しなかった。
【0070】しかしながら、沸騰水浴に伴う固有の安全
性の問題のために、これら100℃加熱実験を強制熱風
オーブンを用いて繰り返した。強制熱風オーブンでの結
果は沸騰水浴の結果と同じであった。また、臨床サンプ
ルからの7つの陽性及び7つの陰性NALC沈殿物も強
制熱風オーブン中で100℃で30分間加熱した。6週
間インキュベートした後、これら加熱NALC沈殿物の
いずれも陽性ではなかった。
【0071】2.PCR増幅 加熱死滅後のヒト型結核菌標的DNAのPCR増幅を標
準的手順(Saiki, R.K. ら, Science 230, 1350 (198
5))に従い、Thierry, D.C. ら, Mol. Cell. Probes 6,
181 (1992) に記載されたIS6110ヒト型結核菌複
合体挿入成分のヌクレオチド956と1029の間の領
域に対して特異性のプライマーを用いて行った。マイコ
バクテリア属DNAのPCR増幅には、Shinnick, T.M.
ら, Infec.Immun., 56, 446 (1988) に記載された65
K遺伝子内の配列に対して特異性のプライマーを用い
た。簡単に説明すると、各反応液は、20mM Tri
s−HCl, pH8.8,100mM KCl,4.5
mM MgCl2 ,1.0mMデオキシヌクレオチド三
リン酸,20mM 2−メルカプトエタノールから構成
される50μlのPCR緩衝液ミックスを含有し、これ
に新たにプライマー(50pM)とTaqポリメラーゼ
(2.5ユニット;Cetus Perkin-Elmer, Branchburg,
ニュージャージー州)を添加した。これを前もって混合
して置いたストック溶液から50μlのサンプルを含有
する0.5ml微小分離管に添加して約50μlの鉱油
(Sigma,セントルイス, ミズーリ州)でその上を覆っ
た。
【0072】a.温度サイクル手順 IS6110の増幅のために、このPCR混合液を、9
4℃3分間変性1サイクル、及び94℃1分間変性、6
2℃1分間アニーリング、72℃1分間伸長からなる3
0サイクルにセットしたモデル480温度サイクル装置
(Cetus Perkin-Elmer) でインキュベートした。続い
て、これを72℃での7分間伸長段階に付した。
【0073】65K標的の増幅は、95℃3分間変性1
サイクル、及び95℃1.5分間変性、50℃1分間ア
ニーリング、72℃2分間伸長からなる27サイクルに
セットしたモデル480温度サイクル装置(Cetus Perk
in-Elmer) で行った。続いて、これを72℃での7分間
伸長段階に付した。
【0074】b.PCR増幅DNAの検出 10%ポリアクリルアミドゲル上での電気泳動及び臭化
エチジウムでの染色にによりPCR産物を可視化した。
化学発光固相サンドイッチアッセイにより又はSciScan
5000 走査デンシトメーター(U.S. Biochemical,クリ
ーブランド,オハイオ州)での臭化エチジウム染色ゲル
のポラロイド写真(57型フィルム)の濃度測定により
産物を定量した。
【0075】3.SDA増幅 加熱死滅後のマイコバクテリアDNAのSDAによる等
温増幅を、Walkerら,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89,
392 (1992) 及び Nucleic Acids Res. 20, 1695 (1992)
の方法により、ヒト型結核菌についてはIS6110
DNA標的を用い、マイコバクテリウム種については1
6srDNAを用いて行った。25μlのサンプルを
0.5ml微小分離管中で20μlの溶液1(以下に記
載)と混合してから、沸騰水浴中で2.5分間変性し
た。加熱ブロック(USA/Scientific Thermolok Dry Bat
h, Ocala, フロリダ州)中で41℃に冷却した後、5μ
lの溶液2(以下に記載)を添加した。これら分離管を
41℃で2時間インキュベートした後、95℃加熱浴中
で2分間インキュベートすることによってこのSDA反
応を停止させた。SDA産物を化学発光固相サンドイッ
チアッセイにより検出した。阻害物質の効果を照査する
ために、合成標的配列を各反応バイエルに添加した。
【0076】a.IS6110増幅 溶液1.17.5mM MgCl2 ,0.25mg/m
lウシ血清アルブミン,22.5グリセロール,90.
75mM KPO4 ,0.5mMデオキシヌクレオチド
三リン酸(dGTP,dTTP,dCTP),0.5m
Mデオキシアデノシン5’−〔α−チオ〕三リン酸及び
Walker, G.T. ら (1994) A Chemiluminescent DNA pro
be test based upon strand displacement amplificati
on. ViralDetection Methods. Academic Press で公表
された4つのプライマーB1,B2,S1及びS2をそ
れぞれ1250nM,及びH2 O中の超純粋ヒト胎盤D
NA(Sigma) を250ng。MgCl2 は、MgPO4
の析出を避けるために最後に注意して添加し、同じ Wal
ker らの刊行物の合成コントロール配列25000コピ
ーを各反応に含めた。
【0077】溶液2.HincII制限エンドヌクレアー
ゼ及びポリメラーゼIのエキソクレノウフラグメントを
2 Oで5μl当たりそれぞれ150及び3ユニットの
比活性に希釈した。
【0078】b.16S増幅 溶液1.=0.25mg/mlウシ血清アルブミン,3
0%ジメチルスルホキシド(DMSO),81.25m
M KPO4 ,1.25mMデオキシヌクレオチド三リ
ン酸(dGTP,dTTP,dCTP),0.5mMデ
オキシアデノシン5’−〔α−チオ〕三リン酸及び4つ
のプライマーB1,B2,S1,S2をそれぞれ125
0nM,及びH2 O中の超純粋ヒト胎盤DNA(Sigma)
を250ng。合成コントロール配列500コピーを各
反応に含めた。上で説明したIS6110増幅でのよう
に、この16S増幅に用いたプライマーとコントロール
配列は、Walkerらの参考文献に公表されている。
【0079】溶液2.=IS6110増幅についてはH
incII制限エンドヌクレアーゼ及びポリメラーゼIの
エキソクレノウフラグメントをH2 Oで5μl当たりそ
れぞれ150及び3ユニットの比活性に希釈し、酢酸マ
グネシウムを65mMの濃度になるように添加した。
【0080】B.増幅DNAのアッセイ検出 1.IS6110 PCR及びSDA増幅ヒト型結核菌IS6110DNA
を、これら増幅産物の内部配列に特異的な Walker らの
刊行物に開示されたビオチニル化DNAプローブ及び W
alker らの刊行物に開示されたアルカリ性ホスファター
ゼ結合デテクタープローブの溶液相ハイブリダイゼーシ
ョンにより検出した。
【0081】2.16SrDNA SDA増幅マイコバクテリア16S DNAをビオチニ
ル化捕捉プローブ及び2種のアルカリ性ホスファターゼ
結合ディテクタープローブで検出し、増幅内部コントロ
ールを異なる一組の捕捉プローブとディテクタープロー
ブにより捕捉した。これら捕捉プローブとディテクター
プローブは全て Walker らの刊行物に開示されている。
【0082】ハイブリダイゼーションは、100mM
Tris−HCl,pH7.0,1.8M NaCl,
0.2%アセチル化ウシ血清アルブミン,0.1mM
ZnCl2 ,0.1%NaN3 を含有するストレプトア
ビジン被覆マイクロタイタープレート(Microlite 1, D
ynatech, Chantilly, バージニア州)中で37℃で45
分間行った。次いで、それらプレートを100mM T
ris−HCl,pH7.5,250mM NaCl,
0.1%ウシ血清アルブミン及び0.1%NaN3 で3
回洗浄(300μl/洗浄)して、未結合ビオチニル化
プローブを除去した。化学発光性アルカリ性ホスファタ
ーゼ基質、つまり Lumi-Phos 530(Lumigen, Southfiel
d,ミシガン州)をウェルに添加して37℃で30分間イ
ンキュベートした。次いで、それらの反応をルミノメー
ター(Labsystems Luminoscan,フィンランド)で読み取
った。
【0083】C.結果 加熱で死滅させた微生物のサンプルからのゲノミックD
NAを上記の通りPCR及びSDAを用いる増幅に付し
た。以下の表III 及びIVに示したゲノミックDNAの増
幅は、強制熱風オーブン中で30分間100℃の温度に
曝すことによりこれらマイコバクテリア種が溶菌された
ことを明らかにしている。
【0084】
【表3】表 III加熱溶菌マイコバクテリア種からのDNAのPCR 種 RDU* ヒト型結核菌 239.7 M.イントラセルラーレ 161.7 トリ型結核菌 177.0 M.ケロナエ 78.1 M.サーモレジスタブル 92.5 M.フォルチュイツム 192.7 カンサス・マイコバクテリウム 149.5 M.ゴルドナエ 40.4 M.キセノピ 203.9 陰性コントロール 4.7 *RDU=相対密度単位
【表4】 表 IV 加熱溶菌マイコバクテリア種からのDNAのSDA 種 属RLU* 内部コントロールRLU ヒト型結核菌 13058 1601 M.イントラセルラーレ 14027 1439 トリ型結核菌 8724 1028 M.ケロナエ 1306 1544 M.サーモレジスタブル 1706 2247 M.フォルチュイツム 3033 1083 カンサス・マイコバクテリウム 13947 942 M.ゴルドナエ 6992 3150 M.キセノピ 689 1413 陰性コントロール 27 3275 *RLU=相対光度単位 PCR及びSDAによる7つの陽性臨床サンプルからの
ゲノミックDNAの増幅も認められた。しかしながら、
7つの陰性臨床サンプルの増幅の結果は、陰性コントロ
ールと矛盾するものではなかった。
【0085】強制熱風オーブン中でのマイコバクテリア
の加熱は、マイコバクテリアの溶菌をもたらすだけでな
く、無生育能力又は死滅をももたらした。
【0086】実施例10 95℃及び105℃の強制熱風加熱によるマイコバクテ
リアの溶菌 4種のマイコバクテリア、つまりヒト型結核菌、トリ型
結核菌、M.ケロナエ及びM.イントラセルラーレをマ
イコバクテリア用のBactec(商標)培地7H9中
で培養した。GI(増殖指数)により示される対数増殖
期に入った直後に細胞を採取した。従って、それら細胞
は生育能力があると考えられ、死んだ後の細胞破壊のた
めに自発的に細胞から放出されるマイコバクテリアDN
Aからの錯雑の可能性はあまりなかった。
【0087】4種のマイコバクテリア全てのサンプルを
強制熱風オーブン中で:(1) 95℃で5、10、15及
び30分間隔;及び (2)105℃で5、10、15及び
30分間隔の加熱に曝した。
【0088】次いで、溶解したマイコバクテリアから放
出されたIS6110又は属検出物のいずれかについて
の標的DNAを実施例10に記載したSDA法を用いて
増幅した。以下の表2に示すように、IS6110及び
属検出物についての増幅可能な標的DNAが、曝した時
間に関係なく両方の温度で全てのサンプルから放出され
た。サンプル番号20の増幅は低いように見えるが、こ
の結果は、抑制されたコントロール配列(シグナチャー
(signature))により示されるように、細胞溶解中では
なくて増幅中のサンプルの錯雑のためであった。
【0089】
【表5】 表 2 95℃及び105℃での溶菌後のマイコバクテリアDNAの増幅 サンプル# 温度 時間 GI IS6110 シグナチャー 1 ヒト型結核菌 95℃ 5分 70 77966 75105 7754 2 同上 95℃ 10分 74200 58006 10701 3 同上 95℃ 15分 77380 80744 9001 4 同上 95℃ 30分 77005 92741 13695 5 同上 100℃ 5分 145 75987 69625 7518 6 同上 100℃ 10分 73237 78294 11218 7 同上 100℃ 15分 73023 75464 10455 8 同上 100℃ 30分 69722 74620 7993 9 トリ型結核菌 95℃ 5分 70 13 89191 4073 10 同上 95℃ 10分 10 88090 2598 11 同上 95℃ 15分 111 85086 1849 12 同上 95℃ 30分 11 90384 1603 13 同上 100℃ 5分 133 96 91375 1350 14 同上 100℃ 10分 29 88899 2008 15 同上 100℃ 15分 19 85065 2194 16 同上 100℃ 30分 62 81745 1375 17 ケロナエ 95℃ 5分 201 9 41447 3598 18 同上 95℃ 10分 10 19953 4279 19 同上 95℃ 15分 98 46995 3309 20 同上 95℃ 30分 12 1144 108 21 同上 100℃ 5分 473 15 21246 3483 22 同上 100℃ 10分 13 15795 3157 23 同上 100℃ 15分 16 16562 5124 24 同上 100℃ 30分 124 17235 2737 25 イントラセルラーレ 95℃ 5分 85 8 57191 5967 26 同上 95℃ 10分 13 79016 8331 27 同上 95℃ 15分 15 72134 8023 28 同上 95℃ 30分 21 80282 7436 29 同上 100℃ 5分 127 20 86008 9670 30 同上 100℃ 10分 35 59088 3478 31 同上 100℃ 15分 335 78192 6858 32 同上 100℃ 30分 35 67761 4163 コントロール SDAゲノミック標的 IS6110 シグナチャー 0 14 77 7002 10 2982 761 11939 20 6800 368 9902 40 17514 1503 13128 アッセイ標的の原子モル数のレベル IS6110 シグナチャー 0 19 262 43 低 1198 1841 2613 中 3979 7335 11273 高 13779 20475 30486 *低=IS6110について500でシグナチャーについて2000 中=IS6110について2000でシグナチャーについて8000 高=IS6110について8000でシグナチャーについて32000 具体的な態様に関して本発明を説明してきたが、これら
詳細な記載を限定と解釈するべきではない。本発明の思
想及び範囲から逸脱することなく、種々の均等法、変法
及び修飾法が可能であるが、かかる均等な態様は本発明
に包含されると理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:32) (C12N 15/09 C12R 1:32) (C12Q 1/06 C12R 1:32) (72)発明者 ウィリアム・イー・キーティング アメリカ合衆国メリーランド州21234, ボルチモア,ノース・ブランチ・レーン 3002 (72)発明者 アドリアン・ジェイ・ウォルターズ アメリカ合衆国メリーランド州21212, ボルチモア,コーディング・アベニュー 508 (72)発明者 ジュリアン・エイ・ロブソン アメリカ合衆国ノース・カロライナ州 27312,ピッツボロ,フェアリントン・ ポスト 46 (72)発明者 アレン・レイチラー アメリカ合衆国メリーランド州21117, オーウィングス・ミルス,コーチハウ ス・ドライブ 1 (56)参考文献 欧州特許出願公開547789(EP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 1/00 - 1/38 C12Q 1/06 C12Q 1/68 C12N 15/00 - 15/90 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイコバクテリアを溶菌剤の不存在下で
    溶菌有効量の熱および所望により他の物理的溶菌条件に
    曝すことを含むマイコバクテリウム科の細菌の溶菌方法
    であって、前記溶菌有効量の熱が強制熱風として与えら
    れる方法。
  2. 【請求項2】 マイコバクテリアを非感染性にする、請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 マイコバクテリウム科の細菌が、トリ型
    結核菌、M.イントラセルラーレ、M.ゴルドナエ、ヒ
    ト型結核菌、カンサス・マイコバクテリウム、M.フォ
    ルチュイツム、M.ケロナエ、ウシ型結核菌、M.スク
    ロフラセウム、パラ結核菌、M.フレイ、M.マリヌ
    ム、M.シミアエ、M.スズルガイ、らい菌、M.キセ
    ノピ、M.ウルセランス、鼡らい菌、M.フラベセン
    ス、M.テラエ、M.ノンクロモゲニクム、M.マルモ
    エンセ、M.アジアチクム、M.バッカエ、M.ガスト
    リ、M.トリビアエ、M.ハエモヒルム、M.アフリカ
    ヌム、M.サーモレジスタブル、及びスメグマ菌からな
    る群から選ばれる、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 マイコバクテリアがヒト型結核菌であ
    る、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 細胞成分の単離を更に含む、請求項1記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 単離された細胞成分がDNAである、請
    求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 単離された細胞成分がRNAである、請
    求項5記載の方法。
  8. 【請求項8】 マイコバクテリア核酸の増幅を更に含
    む、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 マイコバクテリア同定剤の添加を更に含
    む、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 マイコバクテリア同定剤が核酸プロー
    ブである、請求項9記載の方法。
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