JP3131112B2 - シクロスポリン含有乳化組成物 - Google Patents

シクロスポリン含有乳化組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は安定性及び経皮吸収性に
優れ、皮膚刺激性がなく、シクロスポリンを高濃度で含
み得る新規なシクロスポリン含有乳化組成物に関する。
シクロスポリンは11個のアミノ酸からなる環状ペプチ
ドであるが、これまでにA−Iなどと称せられる数多く
の天然ないしは合成のいわゆる「シクロスポリン」が知
られている。本発明でいう「シクロスポリン」はこれら
の各ペプチドおよび各ペプチドの混合物を含むものとす
る。
【0002】
【従来の技術】シクロスポリンは、免疫抑制剤や抗炎症
剤として臓器移植、例えば心臓、肺、肝臓、腎臓、膵
臓、皮膚、角膜等多くの異形臓器移植に用いられてき
た。それと共に自己免疫疾患、例えば重症性乾癬症、ペ
ーチェット病、グレーブス病、後ブドウ膜炎、クローン
病、糖尿病、潰瘍性大腸炎、重症性筋無力症、リュウマ
チ性関節炎等にも広く利用され、その有効性が報告され
ている。
【0003】特に乾癬についてはこれまで経口投与での
有効性が確かめられ、現在では多くの臨床成績が報告さ
れている(例えば、ブリティッシュ ジャーナル オブ
ダーマトロジー British Jounal of Dcrmatology. V
ol.122, suppl.36.1990)。しかし経口投与の場合にはシ
クロスポリン特有の腎毒性、肝毒性等の副作用が数多く
報告されており、かつ、経口投与時のバイオアベイラビ
リティー(Bioavailability)がおよそ
30%と低く、個体間の変動により投与量の設定も困難
で、経口投与による治療には多くの問題点を抱えてい
る。
【0004】このような背景から、乾癬部位に直接塗布
して経皮吸収させる治療方法が試みられ、上記したよう
な副作用のない有効な外用剤の開発が望まれている。し
かしながら、シクロスポリンは分子量が大きく、高い疎
水性を有することを特徴とする薬物であるため、これを
ワセリンや流動パラフィン等の親油性基剤或いはポリエ
チレングリコール等の親水性基剤に分散させた製剤によ
っては、シクロスポリンの経皮吸収は望むことができな
い。
【0005】また、シクロスポリンはメタノ−ル、エタ
ノール、アセトン、エーテル、クロロホルム等にはよく
溶解するので、アルコール類、特にエタノールに溶解し
た製剤による外用投与も考えられるが、アルコールが揮
散した後はシクロスポリンの結晶が容易に析出するた
め、薬物を高濃度に配合することができず、治療に十分
な量を経皮吸収させることはできない。また、長期連用
を必要とする乾癬やアトピー性皮膚炎の場合、アルコー
ル含有製剤は皮膚安全性の面から考えると必ずしも好ま
しい製剤とは言えない。
【0006】シクロスポリン含有組成物に関する先行技
術としては、特開平2−49733号公報に中鎖脂肪酸
ジグリセリド又はモノグリセリドを配合してなる乳化液
製剤、特開平2−121929号公報に親水性成分、中
鎖脂肪酸トリグリセリド、界面活性剤を配合してなる乳
化組成物、特開平2−235817号公報に脂肪酸サッ
カリドモノエステル、希釈剤からなる医薬組成物、特開
平2−255623号公報に脂肪酸トリグリセリド、グ
リセリン脂肪酸部分エステル等からなる医薬組成物、さ
らに特開平2−290809号公報には中鎖脂肪酸トリ
グリセリド、植物油、界面活性剤等を含有してなる乳化
組成物が記載されている。
【0007】しかしながら、これらの技術によってもシ
クロスポリンを高濃度で配合することは不可能で、その
上製剤の安定性も不十分なものであるため、これらはま
だ実用化には至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、外
用剤として、高濃度でシクロスポリンを配合しても安定
性に優れ、経皮吸収性のよい乳化組成物を得ることを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、(a)
シクロスポリン、(b)常温で液状のポリカルボン酸ポ
リアルキルエステル、(c)I.O.Bが0〜0.25
の常温で液状の油分及び(d)界面活性剤を含むシクロ
スポリン含有水中油型乳化組成物が提供される。
【0010】以下、本発明について詳述する。本発明者
らは、親油性成分にポリカルボン酸ポリアルキルエステ
ルを使用すれば、高濃度にシクロスポリンを配合するこ
とが可能で、しかも製剤的に安定なシクロスポリン乳化
組成物を得ることができることを見出した。
【0011】本発明におけるシクロスポリンの配合量
は、好ましくは乳化組成物重量基準で0.1〜10重量
%であり、更に好ましくは0.5〜5重量%である。
【0012】本発明に配合されるポリカルボン酸ポリア
ルキルエステルとしては、常温で液体でさえあればよ
い。好ましくは全炭素数が10〜25のエステルで、カ
ルボキシ基を2個以上有し、このカルボキシ基が脂肪族
的もしくは芳香族的に結合する脂肪族、芳香脂肪族もし
くは芳香族のポリカルボン酸と直鎖もしくは分岐したア
ルコールとのエステルが好ましい。本発明においては不
完全エステル化物も使用できる。前記エステルは単独で
用いてもよいし、2種又はそれ以上の混合物として用い
てもよい。その配合量には特に限定はなく、シクロスポ
リンを溶解させる量であればよく、好ましくは乳化組成
物重量基準で2〜50重量%、更に好ましくは5〜40
重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。
【0013】前記ポリカルボン酸ポリアルキルエステル
の具体例としては、全炭素数が12〜22のアジピン酸
ジアルキルエステル、全炭素数が13〜23のピメリン
酸ジアルキルエステル、全炭素数が14〜24のスベリ
ン酸ジアルキルエステル、全炭素数が13〜21のアゼ
ライン酸ジアルキルエステル、全炭素数が14〜22の
セバシン酸ジアルキルエステル、全炭素数が14〜24
のフタル酸ジアルキルエステル(ただし、これらのアル
キル基は直鎖もしくは分岐鎖のいずれでもよく、ジアル
キルのアルキル部分は同一でも異なっていてもよい)等
を挙げることができる。
【0014】この中でも好ましい代表例としては、フタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチ
ル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、アゼラ
イン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、ア
ジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル等があげら
れる。
【0015】シクロスポリンの配合量は前記したとお
り、好ましくは0.1〜15重量%であるが、この配合
量が少ないと製剤上は容易であるが薬理効果が劣る傾向
にあるので好ましくなく、逆に多すぎるとシクロスポリ
ンを溶解させるためのポリカルボン酸ポリアルキルエス
テルを多く配合しなければならず、結果として極性が高
くなるおそれがあるので乳化組成物が不安定になる。な
おI.O.B.が0〜0.25の油分を添加するとポリ
カルボン酸ポリアルキルエステルを多く配合しても安定
な乳化組成物を得られる。
【0016】上記I.O.B.が0〜0.25の油分と
しては、トリグリセリド(例えばオリブ油、大豆油、ナ
タネ油、ヤシ油等)、合成エステル油(例えばオレイル
オレート、イソプロピルミリステート、セチルミリステ
ート等)、又はスクワラン、流動パラフィン、シリコン
油等があげられる。またこれらの油分は単独又は任意の
混合物として使用することができる。
【0017】これら油分は分子量が約200以上である
のが好ましく、また取扱い上から常温で液状のものが好
ましい。これらの油分の配合量はシクロスポリン、ポリ
カルボン酸ポリアルキルエステルの合計配合量の好まし
くは1/50倍量〜等倍量、更に好ましくは1/20倍
量〜1/2倍量である。これらの油分の配合量が少なす
ぎると乳化組成物の安定化のためには好ましくなく、逆
に多すぎるとシクロスポリンの結晶が析出することがあ
る。
【0018】本発明によれば、シクロスポリンの溶解補
助剤として、ポリカルボン酸ポリアルキルエステルに加
えて、I.O.B.が0.25超0.85以下の常温で
液状の油分を1種又はそれ以上添加することができる。
この油分を少量添加するとポリカルボン酸ポリアルキル
エステルの使用量を大きく減じることが可能となる上
に、多量のシクロスポリンを溶解させることができるの
で好都合である。
【0019】これらの油分としては、具体的には、クロ
タミトン、ベンジルアルコール、フェネチルアルコー
ル、高級アルコール、(例えば2−オクチルドデカノー
ル、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール
等)、高級脂肪酸(例えばオレイン酸、リノール酸、リ
ノレイン酸等)等が挙げられるが、特にクロタミトンが
好ましい。これらの油分の配合量はシクロスポリンとポ
リカルボン酸ポリアルキルエステルの合計量に対し好ま
しくは0.1〜10重量%であり、更に好ましくは0.
5〜5重量%である。この際の前記ポリカルボン酸ポリ
アルキルエステルの配合量は5〜30重量%である。
【0020】なお、本発明でいうI.O.B.(Ino
rganic OraganicBalance)値と
は「化学の領域」第11巻、第10号、第719〜72
5頁、(1957年)に示されている藤田による計算方
法に従い算出される無機性および有機性の値の比、すな
わち、次式によって表わされる数値である。
【0021】 I.O.B.=Σ(無機性)/Σ(有機性)
【0022】本発明において使用される界面活性剤とし
ては、非イオン性界面活性剤(エステル系:ソルビタン
脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリ
セリン脂肪酸エステル、プリピレングリコール脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等、エーテル
系:ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等)、
イオン性界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム、セチル
硫酸ナトリウム等)、両性界面活性剤(ベタイン、アミ
ノカルボン酸等)のいずれも使用可能であり、これらは
単独または任意の混合物として使用できる。その配合量
は、乳化組成物全重量基準で好ましくは0.5〜15重
量%、更に好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは
1〜7重量%である。この界面活性剤の量が少ないと乳
化組成物が不安定となるおそれがあり、多すぎると使用
感が悪くなるおそれがある。
【0023】本製剤をクリーム製剤とする場合、当然の
ことながら固形の高級脂肪酸(例えばパルミチン酸、ス
テアリン酸、ベヘニン酸等)や高級アルコール(例えば
セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルア
ルコール等)を加えることができる。また、半固形の油
分(例えばワセリン、硬化油等)を加えることもでき
る。さらに、水溶性高分子で増粘してクリーム製剤とす
ることもできる。この場合の水溶性高分子としては、例
えばカルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ポリビニルアルコール、ポリビニルビロリドン等を
挙げることができる。
【0024】これらは単独または任意の混合物として使
用することができる。また、製剤のpHを調整するための
中和剤(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ア
ンモニア水等の無機塩基、トリエチルアミン、トリエタ
ノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機塩基
等)を用いることもできる。その他必要に応じて湿潤剤
(例えばプロピレングリコール、1,3−ブチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、グリセリン等)、防
腐剤(例えばメチルパラベン、エチルパラベン、プロピ
ルパラベン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウ
ム等)、抗酸化剤(例えばジブチルヒドロキシトルエ
ン、アスコルビン酸、d1−α−トコフェロール、エデ
ト酸ナトリウム等)を加えることもできる。
【0025】本発明の一態様として乳液やクリームとす
る場合、水は必須の成分で、その配合量は好ましくは2
0〜90重量%である。
【0026】本発明に係わるシクロスポリン配合製剤
は、当業者に知られた乳化組成物製造のための任意の方
法で製造することができる。例えばシクロスポリンをポ
リカルボン酸ポリアルキルエステルに加えて加温溶解
し、徐々に室温まで冷却しながら油分を加えて油相を調
製する。一方水相は湿潤剤に界面活性剤を加えて加温溶
解し、これに水を加えて調製する。次に油相を水相に添
加しながら高速攪拌下で乳化を行うことにより、シクロ
スポリン含有乳化組成物を得ることができる。
【0027】本発明においては、乳化物の粒子径にかか
わらず安定な乳化組成物が得られるので乳化は通常のホ
モミキサーで行うことが可能である。しかし、ウルトラ
ソニックホモジナイザー(米国ウルトラソニック社製)
のような超音波乳化機、ポリトロン乳化機(スイス国キ
ネマチカ社製POLYTRON登録商標TypePT4
5/50)のような高速回転型乳化機を用いても製造す
ることができる。更に、微細な乳化粒子径の乳化組成物
を得るためにはマントンガウリンホモジナイザー(米国
マントンガウリン社Type15M−8TA)やマイク
ロフルイダイザー(米国マイクロフルイダイザー社Ty
pe110T)のような加圧乳化機を用いることができ
る。
【0028】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、本発明をこれらの実施例に限定するもので
ないことはいうまでもない。なお、「%」は特にことわ
らない限り「重量%」を示す。
【0029】実施例1 (処方) 成 分 (1)シクロスポリン 1 (2)アジピン酸ジイソプロピル 5 (3)セバシン酸ジブチル 5 (4)オリブ油 2 (5)流動パラフィン 3 (6)P.O.E.(20)ソルビタンモノステアレート 2.8 (7)モノグリセリルステアレート 2 (8)グリセリン 10 (9)カルボキシビニルポリマー 0.2 (10)ジイソプロパノールアミン 適量 (11)防腐剤 適量 (12)精製水 残余 合計 100%
【0030】(製法)成分(1)を成分(2),(3)
に加えて加温溶解し、これに成分(4),(5)を加え
て油相を調製した。一方、成分(6),(7),(8)
に成分(12)の一部を加え加温溶解した。これに先に
調製した油相を加え、超音波乳化して乳化液を調製し
た。さらに、成分(9),(11)を成分(12)の残
余に攪拌溶解した。これに成分(10)を加えてpHを中
性にし、先に調製した乳化液に加えて均等になるまで攪
拌して乳液製剤を得た。本製剤の乳化粒子径は1μm以
下であり、またシクロスポリンの結晶は認められなかっ
た。
【0031】実施例2 (処方) 成 分 (1)シクロスポリン 5 (2)クロタミトン 2 (3)セバシン酸ジエチル 15 (4)スクワラン 4 (5)P.O.E.(55)モノステアレート 2 (6)デカグリセリンモノオレート 1 (7)1,3−ブチレングリコール 8 (8)カルボキシビニルポリマー 0.8 (9)ジイソプロパノールアミン 適量 (10)防腐剤 適量 (11)精製水 残余 合計 100%
【0032】(製法)成分(1)を成分(2),(3)
に加えて加温溶解し、これに成分(4)を加えて油相を
調製した。一方、成分(5),(6),(7)に成分
(11)の一部を加え加温溶解した。これに先に調製し
た油相を加え、ホモミキサーで乳化して乳化液を調製し
た。さらに、成分(8),(10)を成分(11)の残
余に攪拌溶解した。これに成分(9)を加えてpHを中性
とし、先に調製した乳化液に加えて均等になるまで攪拌
してクリーム製剤を得た。本製剤の乳化粒子径は1μm
以下であり、またシクロスポリンの結晶は認められなか
った。
【0033】実施例3 (処方) 成 分 (1)シクロスポリン 5 (2)クロタミトン 2 (3)セバシン酸ジエチル 15 (4)スクワラン 4 (5)P.O.E.(55)モノステアレート 2 (6)デカグリセリンモノオレート 1 (7)1,3−ブチレングリコール 8 (8)ステアリルアルコール 1.5 (9)セチルアルコール 3.5 (10)ステアリン酸 1.5 (11)パナセート875 1 (12)エチルパラベン 適量 (13)テノスMG 3 (14)セチル硫酸ナトリウム 0.2 (15)精製水 残余 合計 100%
【0034】(製法)成分(1)を成分(2),(3)
に加えて加温溶解し、これに成分(4)を加えて油相を
調製した。一方、成分(5),(6),(7)に成分
(15)の一部を加え加温溶解した。これに先に調製し
た油相を加え、ホモミキサーで乳化して乳化液(成分
A)を調製した。成分(8),(9),(10),(1
1),(12),(13)を加温溶解して油相を調製し
た。また、成分(14)を成分(15)の残余に溶解し
た後、先の油相を加えてホモジナイザーで乳化し、乳化
液(成分B)を調製した。さらに成分Bに成分Aを加え
攪拌混合し、冷却してクリーム製剤を得た。本製剤の乳
化粒子径は1μm以下であり、またシクロスポリンの結
晶は認められなかった。
【0035】実施例4 (処方) 成 分 (1)シクロスポリン 10 (2)セバシン酸ジエチル 30 (3)オレイン酸 5 (4)流動パラフィン 7 (5)P.O.E.(60)硬化ヒマシ油 2 (6)P.O.E.(25)セチルエーテル 1.5 (7)プロピレングリコール 10 (8)カルボキシビニルポリマー 0.8 (9)水酸化カリウム 適量 (10)防腐剤 適量 (11)精製水 残余 合計 100%
【0036】(製法)成分(1)を成分(2)に加えて
加温溶解し、これに成分(3),(4)を加えて油相を
調製した。一方、成分(5),(6),(7)に成分
(11)の一部を加え加温溶解した。これに先に調製し
た油相を加えホモミキサーで乳化し、さらにマントンガ
ウリンホモジナイザーを用いて加圧下で乳化し、乳化液
を調製した。さらに、成分(8)を成分(11)の残余
に攪拌溶解し、これに成分(9)を加えてpHを中性に
し、これを先に調製した乳化液に加え、均等になるまで
攪拌してクリーム製剤を得た。本製剤の乳化粒子径は1
μm以下であり、またシクロスポリンの結晶は認められ
なかった。
【0037】実施例5 (処方) 成 分 (1)シクロスポリン 5 (2)フタル酸ジブチル 20 (3)オレイルオレート 5 (4)流動パラフィン 5 (5)P.O.E.(45)ステアレート 5 (6)ステアリン酸カリウム 0.5 (7)プロピレングリコール 8 (8)グリセリン 2 (9)防腐剤 適量 (10)精製水 残余 合計 100%
【0038】(製法)成分(1)を成分(2)に加えて
加温溶解し、これに成分(3),(4)を加えて油相を
調製した。一方、成分(5),(6),(7),(8)
に成分(10)の一部を加え加温溶解した。これに先に
調製した油相を加えホモミキサーで乳化し、更にマント
ンガウリンホモジナイザーを用いて加圧下で乳化し、乳
化液を調製した。さらに、成分(9)を成分(10)の
残余に攪拌溶解し、これを先に調製した乳化液に加え、
均等になるまで攪拌し乳液を得た。本製剤の乳化粒子径
は1μm以下であり、またシクロスポリンの結晶は認め
られなかった。
【0039】実施例6 (処方) 成 分 (1)シクロスポリン 3 (2)アジピン酸ジブチル 20 (3)イソプロピルミリステート 2 (4)スクワラン 3 (5)デカグリセリンモノステアレート 3 (6)水添レシチン 0.5 (7)1,3−ブチレングリコール 3 (8)グリセリン 12 (9)防腐剤 適量 (10)精製水 残余 合計 100%
【0040】(製法)成分(1)を成分(2)に加えて
加温溶解し、これに成分(3),(4)を加えて油相を
調製した。一方、成分(5),(6),(7),(8)
に成分(10)の一部を加え加温溶解し、これに先に調
製した油相を加えポリトロンで乳化機を用いて乳化し、
乳化液を調製した。さらに、成分(9)を成分(10)
の残余に攪拌溶解し、これを先に調製した乳化液に加
え、均等になるまで攪拌し乳液を得た。本製剤の乳化粒
子径は1μm以下であり、またシクロスポリンの結晶は
認められなかった。
【0041】実施例7 (処方) 成 分 (1)シクロスポリン 5 (2)クロタミトン 2 (3)フタル酸ジブチル 8 (4)オレイン酸 2 (5)スクワラン 9 (6)プロピレングリコール 2 (7)P.O.E.(55)モノステアレート 1.5 (8)ドデシルジメチルアミンオキサイド 1 (9)セチル硫酸ナトリウム 0.2 (10)セチルアルコール 2.5 (11)ステアリルアルコール 4 (12)ベヘニン酸 1 (13)白色ワセリン 8 (14)モノステアリン酸グリセリン 3 (15)カルボキシビニルポリマー 適量 (16)グリセリン 適量 (17)エデト酸ナトリウム 適量 (18)水酸化ナトリウム 適量 (19)防腐剤 適量 (20)精製水 残余 合計 100%
【0042】(製法)成分(1)を成分(2),(3)
に加えて加温溶解し、これに成分(4)及び(5)の一
部を加えて油相を調製した。一方、成分(6)〜(9)
に(20)の一部を加え加温溶解した。これに先に調製
した油相を加え、ホモミキサーで乳化して乳化液(成分
A)を調製した。成分(5)の残余、(10)〜(1
4)を加温溶解して油相を調製した。また、成分(1
5)〜(19)を(20)の残余に溶解した後、先の油
相を加えてホモジナイザーで乳化し、乳化液(成分B)
を調製した。さらに成分Bに成分Aを加え攪拌混合し、
冷却してクリーム製剤を得た。本製剤の乳化粒子径は1
μm以下であり、またシクロスポリンの結晶は認められ
なかった。
【0043】参考例1 (処方) 成 分 (1)シクロスポリン 5 (2)エチルアルコール 10 (3)オリブ油 73 (4)P.O.E.(5)グリセリルモノステアレート 5 (5)アロエジル200 合計 100%
【0044】(製法)成分(4)に成分(3)を加えて
加温溶解し、冷却する。これに、成分(1)を成分
(2)に加えて溶解した液を加え、さらに成分(5)を
加えて攪拌混合してゲル製剤を得た。
【0045】実験例1(熱安定性試験) 実施例2のクリーム製剤約5gを20mlのガラス容器に
充填密栓後、室温および40℃の恒温槽に保存し、外観
変化、結晶析出および薬物含有量変化を検討した。な
お、対象品としては参考例1の製品を用い、含有量の定
量は液体クロマトグラフ法を用いて行った。その結果を
表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】この結果、本発明品は長期間にわたって結
晶の析出もなく、熱安定性に優れていることが判明し
た。一方、参考例1のゲル製剤はアルコールの揮散によ
ってすぐに結晶が析出した。
【0048】実験例2(薬物透過性試験) 実施例2のクリーム製剤および参考例1のゲル製剤につ
いてヘビ皮を使用してシクロスポリンの皮膚透過性を検
討した。装置には縦型フランツセルを用い、定量は液体
クロマトグラフ法を用いて行った。その結果を図1に示
す。この結果より、従来のアルコールに溶解した製剤と
比較し、本発明品からの皮膚透過性が優れていることが
認められた。
【0049】実験例3(経皮吸収性試験) C3H/Crj系ヘアレスマウス(6週令、体重約25
g)を1群5匹として背部に実施例3のクリーム製剤お
よび参考例1のゲル製剤約1.2gを塗布し、その上を
ガーゼで覆い、テープで固定した。塗布後下記の時間ご
とに後大静脈より採血し、血中の薬物濃度を測定した。
定量はラジオイムノアッセイ法によって行った。その結
果を図2に示す。
【0050】実験例4(薬理効果試験) ジニトロクロルベンゼン(DNCB)感作モルモット
(6週令、体重約350g)を1群5匹として感作誘導
直後に、実施例3のクリーム製剤および参考例1のゲル
製剤、またブラセボとしてシクロスポリンを含有しない
実施例3および参考例1の製剤の合計4製剤についてそ
れぞれ約1.0gを、DNCBを塗布した同部位に1回
塗布することによって接触感作性抑制効果を評価した。
評価は以下の基準にしたがった。
【0051】〔陽性反応の評価基準〕 (紅斑および痂皮の形成) 紅斑が全く認められないもの 0 わずかな紅斑が認められるもの 1 明らかな紅斑が認められるもの 2 中程度の紅斑が認められるもの 3 強い紅斑にわずかな痂皮が認められるもの 4 (浮腫の形成) 浮腫が全く認められないもの 0 わずかな浮腫が認められるもの 1 中程度の浮腫が認められるもの 2 強い浮腫が認められるもの 3
【0052】図3には陽性反応の平均評点の結果を、ま
た表2には明らかな紅斑を認めたものを陽性とした場合
の陽性率の結果を示す。
【0053】
【表2】
【0054】以上の結果より明らかなように、本発明の
クリーム製剤は参考例のゲル製剤に比べて接触感作性に
対して強い抑制反応を示した。このことは本発明の優れ
た経皮吸収性を証明するものである。
【0055】
【発明の効果】本発明に係るシクロスポリン含有水中油
型乳化組成物は、シクロスポリンを高濃度に配合可能
で、経時安定性にも優れ、良好な経皮吸収性を示し、か
つ皮膚刺激性のないものであるというすぐれた性質を有
している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2のクリーム製剤と参考例1のゲル製剤
の薬物透過性を示すグラフ図である。
【図2】実施例3のクリーム製剤と参考例1のゲル製剤
の経皮吸収性を示すグラフ図である。
【図3】実施例3のクリーム製剤と参考例1のゲル製剤
およびシクロスポリン不含有対象製剤についての接触感
作抑制効果を示すグラフ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−310591(JP,A) 特開 平6−128148(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 38/13 A61K 9/107 A61K 47/14

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)全乳化組成物重量基準で0.1〜
    10重量%のシクロスポリン、(b)全乳化組成物重量
    基準で2〜50重量%の常温で液状のポリカルボン酸ポ
    リアルキルエステル、(c)シクロスポリン及びポリカ
    ルボン酸ポリアルキルエステルの合計量基準で1/20
    〜1/2倍量のI.O.B.が0〜0.25の常温で液
    状の油分及び(d)乳化組成物全重量基準で0.5〜1
    5重量%の界面活性剤を含んで成るシクロスポリン含有
    水中油型乳化組成物。
  2. 【請求項2】 ポリカルボン酸ポリアルキルエステル
    の配合量が全乳化組成物重量基準で40重量%であ
    る請求項1記載の乳化組成物。
  3. 【請求項3】 I.O.B.が0.25超0.85以下
    の常温で液状の油分を更に含む請求項1又は2に記載の
    乳化組成物。
  4. 【請求項4】 ポリカルボン酸ポリアルキルエステルが
    フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、セバシン酸ジブ
    チル、セバシン酸ジエチル、アゼライン酸ジイソプロピ
    ル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジブチル及
    びアジピン酸ジイソブチルから選ばれた少なくとも1種
    である請求項1〜のいずれか1項に記載の乳化組成
    物。
  5. 【請求項5】 I.O.B.が0〜0.25の常温で液
    状の油分がオリブ油、大豆油、オレイルオレートイソ
    プロピルミリステート、セチルミリステート、スクワラ
    ン、流動パラフィン及びシリコーン油から選ばれた少な
    くとも1種である請求項1〜のいずれか1項に記載の
    乳化組成物。
  6. 【請求項6】 I.O.B.が0.250.85以下
    の常温で液状の油分がクロタミトン、オレイン酸、オレ
    イルアルコール、ベンジルアルコール及びフェネチルア
    ルコールから選ばれた少なくとも1種である請求項1〜
    のいずれか1項に記載の乳化組成物。
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