JP3130550B2 - 蒸着装置 - Google Patents
蒸着装置Info
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- JP3130550B2 JP3130550B2 JP03074187A JP7418791A JP3130550B2 JP 3130550 B2 JP3130550 B2 JP 3130550B2 JP 03074187 A JP03074187 A JP 03074187A JP 7418791 A JP7418791 A JP 7418791A JP 3130550 B2 JP3130550 B2 JP 3130550B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸着装置に関し、詳し
くは、基板上に堆積した蒸着膜の厚さおよび/または蒸
着速度を制御する手段を備えた蒸着装置に関するもので
ある。
くは、基板上に堆積した蒸着膜の厚さおよび/または蒸
着速度を制御する手段を備えた蒸着装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】蒸着装置は、一般に、蒸発源を蒸発させ
てこれを基板上に堆積させて蒸着膜を形成する装置であ
る。しかるに、所定の特性の蒸着膜を形成するために
は、基板上に堆積した蒸着膜の膜厚や膜厚分布および蒸
着速度をコントロールすることが必要である。
てこれを基板上に堆積させて蒸着膜を形成する装置であ
る。しかるに、所定の特性の蒸着膜を形成するために
は、基板上に堆積した蒸着膜の膜厚や膜厚分布および蒸
着速度をコントロールすることが必要である。
【0003】蒸着膜の膜厚制御方法としては、従来、次
に掲げる方法が知られている。 (1)流量法 蒸発飛翔粒子のモーメンタムによる効果を機械的に
検出して膜厚を制御するモーメンタム法、 蒸発飛翔
粒子のスペクトル強度を測定して膜厚を制御する励起光
分光や原子吸光等の光学的方法、 イオンゲージによ
り測定されるイオン電流が一定になるように蒸発源温度
を調節して膜厚を制御するイオンゲージ法、 質量分
析計により蒸発飛翔分子の空間密度を測定して膜厚を制
御する質量分析計法、等がある。
に掲げる方法が知られている。 (1)流量法 蒸発飛翔粒子のモーメンタムによる効果を機械的に
検出して膜厚を制御するモーメンタム法、 蒸発飛翔
粒子のスペクトル強度を測定して膜厚を制御する励起光
分光や原子吸光等の光学的方法、 イオンゲージによ
り測定されるイオン電流が一定になるように蒸発源温度
を調節して膜厚を制御するイオンゲージ法、 質量分
析計により蒸発飛翔分子の空間密度を測定して膜厚を制
御する質量分析計法、等がある。
【0004】(2)水晶振動子法 水晶の厚みすべり振動子を製作する際に、固有振動数を
所望の値にするため、電極薄膜を一度形成してからさら
に周波数を監視しながら追加蒸着する方法を利用して、
蒸着膜の膜厚を制御する方法である。
所望の値にするため、電極薄膜を一度形成してからさら
に周波数を監視しながら追加蒸着する方法を利用して、
蒸着膜の膜厚を制御する方法である。
【0005】(3)光学的方法 蒸着槽に単色測光系を設けて、透明単層膜の反射ま
たは透過率の極値を検出して蒸着を停止することにより
膜厚を制御する単色測光法、 二つの観測波長に対す
る測光量の差をとり、最初に膜の付着していないときの
出力指示が零となるよう調節しておき、以後は指示が零
となるごとに膜質を切り換えることにより多層膜を形成
して膜厚を制御する2色測光法、 λ0 /4多層膜の
k層目を蒸着しているとき、波長λを、λ=λ0 +Δλ
cos(2πft)で変動させた観測光を用い、その透過
光の受光信号を周波数fで選択増幅して得られた出力が
零となったときに蒸着を停止すればk層目もλ0 /4層
となることを利用して膜厚を制御する波長走査法、
単層膜にある方位角の直線偏光を入射させると、反射光
はp,s両成分で異なる変化を受け、その合成された光
は楕円偏光となり、そのp,s両成分の振幅反射係数の
振幅比と位相差を測定すれば、屈折率nと、厚さdを求
めることができることを利用して膜厚を制御する偏光解
析法、等がある。
たは透過率の極値を検出して蒸着を停止することにより
膜厚を制御する単色測光法、 二つの観測波長に対す
る測光量の差をとり、最初に膜の付着していないときの
出力指示が零となるよう調節しておき、以後は指示が零
となるごとに膜質を切り換えることにより多層膜を形成
して膜厚を制御する2色測光法、 λ0 /4多層膜の
k層目を蒸着しているとき、波長λを、λ=λ0 +Δλ
cos(2πft)で変動させた観測光を用い、その透過
光の受光信号を周波数fで選択増幅して得られた出力が
零となったときに蒸着を停止すればk層目もλ0 /4層
となることを利用して膜厚を制御する波長走査法、
単層膜にある方位角の直線偏光を入射させると、反射光
はp,s両成分で異なる変化を受け、その合成された光
は楕円偏光となり、そのp,s両成分の振幅反射係数の
振幅比と位相差を測定すれば、屈折率nと、厚さdを求
めることができることを利用して膜厚を制御する偏光解
析法、等がある。
【0006】(4)電気的磁気的方法 蒸着膜の電気抵抗を計測することによって膜厚を制
御する電気抵抗法、 周波数fの高周波電圧を印加し
たコイルを導体に近づけると、表皮電流の浸透深さが周
波数fの関数となり、その浸透深さでの表面層内で渦電
流を生じ、コイルのQが低下することを利用して、あら
かじめ基板上の蒸着膜の厚さとコイル電流またはQの関
係を校正しておくことにより膜厚を制御する渦電流法、
絶縁基板上に歯の総数Nのくし歯形電極膜が対向し
た共面コンデンサを形成し、このくし歯の寸法から電気
容量Cを求め、その電気容量Cの変化ΔCを測定するこ
とによって膜厚を制御する電気容量法、等がある。
御する電気抵抗法、 周波数fの高周波電圧を印加し
たコイルを導体に近づけると、表皮電流の浸透深さが周
波数fの関数となり、その浸透深さでの表面層内で渦電
流を生じ、コイルのQが低下することを利用して、あら
かじめ基板上の蒸着膜の厚さとコイル電流またはQの関
係を校正しておくことにより膜厚を制御する渦電流法、
絶縁基板上に歯の総数Nのくし歯形電極膜が対向し
た共面コンデンサを形成し、このくし歯の寸法から電気
容量Cを求め、その電気容量Cの変化ΔCを測定するこ
とによって膜厚を制御する電気容量法、等がある。
【0007】(5)マイクロバランス法 基板の単位面積に付着した蒸着膜の質量を測定してその
膜厚を制御する方法である。
膜厚を制御する方法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記(1)〜
(5)の従来の膜厚制御方法では、比較的厚い膜厚の制
御に向いている水晶振動子法でも、制御できる膜厚は高
々数十ミクロンである。従って、例えばX線デバイスに
使用される蛍光体層のように膜厚が数百ミクロンにもな
るものについては膜厚の制御は実際上困難である。従っ
て、このような厚膜を蒸着する場合には、蒸着全体にわ
たって蒸着速度を制御することも困難であった。また、
X線デバイスでは大面積の蛍光体層が必要とされるが、
厚膜でしかも大面積にわたって膜厚を均一に保つことは
従来の制御方法では困難であった。X線デバイスにおい
ては、膜厚は放射線感度、鮮鋭性、粒状性に密接に関連
しているために膜厚分布の均一化は特に重要である。そ
こで、本発明の目的は、簡単な手段によって、蒸着膜の
膜厚の厚い場合にもその膜厚を確実に所定値に制御でき
る蒸着装置を提供することにある。さらに、本発明の目
的は、蒸着膜の膜厚の厚い場合にも蒸着全体にわたって
蒸着速度を所定値に制御できる蒸着装置を提供すること
にある。さらにまた、本発明の目的は、蒸着膜の膜厚の
厚い場合にも、大面積にわたって膜厚分布を均一に制御
することのできる蒸着装置を提供することにある。
(5)の従来の膜厚制御方法では、比較的厚い膜厚の制
御に向いている水晶振動子法でも、制御できる膜厚は高
々数十ミクロンである。従って、例えばX線デバイスに
使用される蛍光体層のように膜厚が数百ミクロンにもな
るものについては膜厚の制御は実際上困難である。従っ
て、このような厚膜を蒸着する場合には、蒸着全体にわ
たって蒸着速度を制御することも困難であった。また、
X線デバイスでは大面積の蛍光体層が必要とされるが、
厚膜でしかも大面積にわたって膜厚を均一に保つことは
従来の制御方法では困難であった。X線デバイスにおい
ては、膜厚は放射線感度、鮮鋭性、粒状性に密接に関連
しているために膜厚分布の均一化は特に重要である。そ
こで、本発明の目的は、簡単な手段によって、蒸着膜の
膜厚の厚い場合にもその膜厚を確実に所定値に制御でき
る蒸着装置を提供することにある。さらに、本発明の目
的は、蒸着膜の膜厚の厚い場合にも蒸着全体にわたって
蒸着速度を所定値に制御できる蒸着装置を提供すること
にある。さらにまた、本発明の目的は、蒸着膜の膜厚の
厚い場合にも、大面積にわたって膜厚分布を均一に制御
することのできる蒸着装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、蒸発源から
の蒸発量は、基板上に堆積した蒸着膜の膜厚に比例する
ことから、蒸発源の減量を検出することにより、基板上
に堆積した蒸着膜の膜厚および/または蒸着速度を間接
的に知ることができることを見出し、本発明を完成する
に至ったものである。
めに、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、蒸発源から
の蒸発量は、基板上に堆積した蒸着膜の膜厚に比例する
ことから、蒸発源の減量を検出することにより、基板上
に堆積した蒸着膜の膜厚および/または蒸着速度を間接
的に知ることができることを見出し、本発明を完成する
に至ったものである。
【0010】本発明の蒸着装置は、蒸発源を蒸発させて
基板上に蒸着膜を形成する蒸着装置において、蒸発源の
減量計測手段と、この減量計測手段による計測値から蒸
着膜の膜厚および/または蒸着速度を換算する蒸着条件
換算手段と、この蒸着条件換算手段により換算された膜
厚と設定膜厚および/または換算された蒸着速度と設定
速度とを比較して換算膜厚および/または換算蒸着速度
を制御する比較制御手段と、この比較制御手段からの制
御信号により蒸着を停止する蒸着停止手段および/また
は蒸着速度を制御する蒸着速度制御手段とを備えてなる
ことを特徴とする。
基板上に蒸着膜を形成する蒸着装置において、蒸発源の
減量計測手段と、この減量計測手段による計測値から蒸
着膜の膜厚および/または蒸着速度を換算する蒸着条件
換算手段と、この蒸着条件換算手段により換算された膜
厚と設定膜厚および/または換算された蒸着速度と設定
速度とを比較して換算膜厚および/または換算蒸着速度
を制御する比較制御手段と、この比較制御手段からの制
御信号により蒸着を停止する蒸着停止手段および/また
は蒸着速度を制御する蒸着速度制御手段とを備えてなる
ことを特徴とする。
【0011】
【作用】図6に示すように、蒸発源の減量計測手段によ
って、蒸発源からの蒸発量が計測され、この計測値が蒸
着条件換算手段に送られる。蒸着条件換算手段において
は、蒸発源からの蒸発量が基板上に堆積した蒸着膜の膜
厚に比例するので、この比例関係をあらかじめ較正して
おくことにより、減量計測手段の計測値から蒸着膜の膜
厚および/または蒸着速度が換算され、この換算膜厚お
よび/または換算蒸着速度が比較制御手段に送られる。
比較制御手段においては、蒸着条件換算手段により換算
された膜厚と設定膜厚とを比較して、換算膜厚が設定膜
厚以下のときには蒸着が継続され、設定膜厚に達したと
きには制御信号が発生し、この制御信号が蒸着停止手段
に送られる。また、比較制御手段においては、蒸着条件
換算手段により換算された蒸着速度と設定速度とを比較
して、換算蒸着速度が設定速度より小さいときは、速度
を増大させるように制御信号が発生し、設定速度より大
きいときは速度を減少させるように制御信号が発生し、
この制御信号が蒸着速度制御手段に送られる。蒸着停止
手段においては、比較制御手段からの制御信号を受けて
蒸着を停止させる。また、蒸着速度制御手段において
は、比較制御手段からの制御信号を受けて蒸着速度を制
御する。このように本発明の蒸着装置によれば、簡単な
手段の組合せによって、相当に高い精度で蒸着膜の膜厚
や蒸着速度を制御することができる。
って、蒸発源からの蒸発量が計測され、この計測値が蒸
着条件換算手段に送られる。蒸着条件換算手段において
は、蒸発源からの蒸発量が基板上に堆積した蒸着膜の膜
厚に比例するので、この比例関係をあらかじめ較正して
おくことにより、減量計測手段の計測値から蒸着膜の膜
厚および/または蒸着速度が換算され、この換算膜厚お
よび/または換算蒸着速度が比較制御手段に送られる。
比較制御手段においては、蒸着条件換算手段により換算
された膜厚と設定膜厚とを比較して、換算膜厚が設定膜
厚以下のときには蒸着が継続され、設定膜厚に達したと
きには制御信号が発生し、この制御信号が蒸着停止手段
に送られる。また、比較制御手段においては、蒸着条件
換算手段により換算された蒸着速度と設定速度とを比較
して、換算蒸着速度が設定速度より小さいときは、速度
を増大させるように制御信号が発生し、設定速度より大
きいときは速度を減少させるように制御信号が発生し、
この制御信号が蒸着速度制御手段に送られる。蒸着停止
手段においては、比較制御手段からの制御信号を受けて
蒸着を停止させる。また、蒸着速度制御手段において
は、比較制御手段からの制御信号を受けて蒸着速度を制
御する。このように本発明の蒸着装置によれば、簡単な
手段の組合せによって、相当に高い精度で蒸着膜の膜厚
や蒸着速度を制御することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の構成を具体的に説明する。図
1は、本発明の一実施例に係る蒸着装置を示し、1は蒸
発源の減量計測手段、2は蒸着条件換算手段、3は比較
制御手段、4−aは蒸着停止手段、4−bは蒸着速度制
御手段、5は蒸発源、6はピアス式電子銃からなる蒸発
源加熱手段、7はシャッターからなる蒸気流遮断手段、
8は基板、9はベルジャー、10は電子ビーム、11は蒸発
源容器、12は蒸気流が通過するスリットを有する調整部
材、13は基板の搬送用レール、14は基板の搬送用ワイ
ヤ、15は基板の加熱ヒータ、16は基板のホルダー、17は
メインバルブ、18は補助バルブ、19はリークバルブであ
る。メインバルブ17、補助バルブ18、リークバルブ19
は、排気装置 (図示省略) と連動して、ベルジャー9内
を所定の真空度にするために使用される。
1は、本発明の一実施例に係る蒸着装置を示し、1は蒸
発源の減量計測手段、2は蒸着条件換算手段、3は比較
制御手段、4−aは蒸着停止手段、4−bは蒸着速度制
御手段、5は蒸発源、6はピアス式電子銃からなる蒸発
源加熱手段、7はシャッターからなる蒸気流遮断手段、
8は基板、9はベルジャー、10は電子ビーム、11は蒸発
源容器、12は蒸気流が通過するスリットを有する調整部
材、13は基板の搬送用レール、14は基板の搬送用ワイ
ヤ、15は基板の加熱ヒータ、16は基板のホルダー、17は
メインバルブ、18は補助バルブ、19はリークバルブであ
る。メインバルブ17、補助バルブ18、リークバルブ19
は、排気装置 (図示省略) と連動して、ベルジャー9内
を所定の真空度にするために使用される。
【0013】図1の減量計測手段1は、蒸発源5が仕込
まれた蒸発源容器11の全体の重量を測ることができる天
秤を用いて構成されている。蒸発源5および蒸発源容器
11の全体重量が経時的に計測され、当該全体重量の初期
値からの減少量すなわち蒸発源5の減量が算出される。
蒸着期間中においては、図7のフローチャートに示すよ
うに、減量計測手段1により、蒸発源5からの蒸発量が
経時的に計測されていて、この計測値が蒸着条件換算手
段2に送られる。
まれた蒸発源容器11の全体の重量を測ることができる天
秤を用いて構成されている。蒸発源5および蒸発源容器
11の全体重量が経時的に計測され、当該全体重量の初期
値からの減少量すなわち蒸発源5の減量が算出される。
蒸着期間中においては、図7のフローチャートに示すよ
うに、減量計測手段1により、蒸発源5からの蒸発量が
経時的に計測されていて、この計測値が蒸着条件換算手
段2に送られる。
【0014】蒸着条件換算手段2では、蒸発源5からの
蒸発量は、図2に示すように、基板8上に堆積した蒸着
膜の膜厚にほぼ直線的に比例するので、この比例関係を
あらかじめ較正しておくことにより、減量計測手段1の
計測値から蒸着膜の膜厚が換算され、この換算膜厚が比
較制御手段3に送られる。実際に、蒸発源5からの蒸発
量と蒸着膜の膜厚とは5%以内の精度で対応する。
蒸発量は、図2に示すように、基板8上に堆積した蒸着
膜の膜厚にほぼ直線的に比例するので、この比例関係を
あらかじめ較正しておくことにより、減量計測手段1の
計測値から蒸着膜の膜厚が換算され、この換算膜厚が比
較制御手段3に送られる。実際に、蒸発源5からの蒸発
量と蒸着膜の膜厚とは5%以内の精度で対応する。
【0015】この比較制御手段3では、この蒸着条件換
算手段2により換算された膜厚と設定膜厚とを比較して
換算膜厚が設定膜厚以下のときは蒸着が継続され、設定
膜厚に達したときには停止信号が発生し、この停止信号
が蒸着停止手段4−aに送られる。
算手段2により換算された膜厚と設定膜厚とを比較して
換算膜厚が設定膜厚以下のときは蒸着が継続され、設定
膜厚に達したときには停止信号が発生し、この停止信号
が蒸着停止手段4−aに送られる。
【0016】蒸着停止手段4−aでは、比較制御手段3
からの停止信号を受けると蒸着を停止させる。停止の態
様としては、例えば蒸発源加熱手段6の動作すなわち電
子ビーム10の照射を停止させて蒸発源5の加熱を停止す
る態様、蒸気流遮断手段7であるシャッターを閉じて蒸
気流を遮断する態様、基板8を所定位置から移動させる
態様等が挙げられる。これらの態様は組合せて用いても
よい。また、蒸着条件換算手段2では、減量計測手段1
の計測値の時間的変化量(例えば、減量変化率)を算出
したり、あるいは換算膜厚の時間的変化量を算出するこ
とにより、蒸着膜の蒸着速度が換算され、この換算蒸着
速度が比較制御手段3に送られる。
からの停止信号を受けると蒸着を停止させる。停止の態
様としては、例えば蒸発源加熱手段6の動作すなわち電
子ビーム10の照射を停止させて蒸発源5の加熱を停止す
る態様、蒸気流遮断手段7であるシャッターを閉じて蒸
気流を遮断する態様、基板8を所定位置から移動させる
態様等が挙げられる。これらの態様は組合せて用いても
よい。また、蒸着条件換算手段2では、減量計測手段1
の計測値の時間的変化量(例えば、減量変化率)を算出
したり、あるいは換算膜厚の時間的変化量を算出するこ
とにより、蒸着膜の蒸着速度が換算され、この換算蒸着
速度が比較制御手段3に送られる。
【0017】比較制御手段3では、蒸着条件換算手段2
により換算された蒸着速度と設定速度とを比較して、換
算蒸着速度が設定速度より小さいときは、蒸着速度が設
定速度と概略等しくなるように蒸着速度制御信号が発生
する。逆に、換算蒸着速度が設定速度より大きいときに
は、蒸着速度が設定速度と概略等しくなるように蒸着速
度制御信号が発生する。この蒸着速度制御信号は、蒸着
速度制御手段4−bに送られる。
により換算された蒸着速度と設定速度とを比較して、換
算蒸着速度が設定速度より小さいときは、蒸着速度が設
定速度と概略等しくなるように蒸着速度制御信号が発生
する。逆に、換算蒸着速度が設定速度より大きいときに
は、蒸着速度が設定速度と概略等しくなるように蒸着速
度制御信号が発生する。この蒸着速度制御信号は、蒸着
速度制御手段4−bに送られる。
【0018】蒸着速度制御手段4−bでは、比較制御手
段3からの蒸着速度制御信号を受けると、ただちに蒸着
速度を制御する。制御の態様としては、例えば蒸発源加
熱手段6の出力、すなわち電子ビーム10の出力をコント
ロールする態様、基板8の搬送速度をコントロールする
態様、蒸気流が通過するスリットの幅をコントロールす
る態様等が挙げられる。これらの態様は組合せて用いて
もよい。本発明では、蒸着膜厚と蒸着速度の少なくとも
一方のみを制御する場合でも十分効果があるが、少なく
とも蒸着膜厚を制御する場合において効果が大きく、蒸
着膜厚および蒸着速度の両方を制御する場合に特に効果
が大きく好ましい。
段3からの蒸着速度制御信号を受けると、ただちに蒸着
速度を制御する。制御の態様としては、例えば蒸発源加
熱手段6の出力、すなわち電子ビーム10の出力をコント
ロールする態様、基板8の搬送速度をコントロールする
態様、蒸気流が通過するスリットの幅をコントロールす
る態様等が挙げられる。これらの態様は組合せて用いて
もよい。本発明では、蒸着膜厚と蒸着速度の少なくとも
一方のみを制御する場合でも十分効果があるが、少なく
とも蒸着膜厚を制御する場合において効果が大きく、蒸
着膜厚および蒸着速度の両方を制御する場合に特に効果
が大きく好ましい。
【0019】蒸発源容器11は、線状の形態を有し、基板
8の幅方向(図1において紙面に直角方向)と平行に配
置されることが好ましい。この蒸発源容器11の長さ(図
1において紙面に直角方向)は、基板8の幅の 0.4〜2.
0 倍の範囲で使用されるのが好ましい。電子ビーム10
は、蒸発源5に入射してその長さ方向(第1図において
紙面に直角方向)にラスタスキャンされて一様に蒸発が
行われる。これに対し、基板8は、モータ (図示せず)
と連動した基板の搬送用ワイヤ14および基板の搬送用レ
ール13によって線状の蒸発源5に対して直角方向に移動
する。
8の幅方向(図1において紙面に直角方向)と平行に配
置されることが好ましい。この蒸発源容器11の長さ(図
1において紙面に直角方向)は、基板8の幅の 0.4〜2.
0 倍の範囲で使用されるのが好ましい。電子ビーム10
は、蒸発源5に入射してその長さ方向(第1図において
紙面に直角方向)にラスタスキャンされて一様に蒸発が
行われる。これに対し、基板8は、モータ (図示せず)
と連動した基板の搬送用ワイヤ14および基板の搬送用レ
ール13によって線状の蒸発源5に対して直角方向に移動
する。
【0020】蒸発源5として輝尽性蛍光体を用いる場合
には、輝尽性蛍光体の気相堆積においては、輝尽性蛍光
体成分の蒸気流の流線方向に平行に微細柱状結晶が成長
するので、特に、蒸気流の調整部材12は輝尽性蛍光体の
結晶の成長方向を揃えるために有効である。また、蒸気
流が基板8面に至る流線の入射方向を調整することによ
り、輝尽性蛍光体層における微細柱状結晶の成長方向を
制御することもでき、輝尽励起光の照射および輝尽発光
の集光に最も好都合な輝尽性蛍光体層を形成することが
できる。輝尽性蛍光体層における微細柱状結晶の成長方
向は、輝尽励起光を一次元照射し一次元集光面を有する
集光部材で集光する場合には基板8面に対して直角であ
ることが好ましい。
には、輝尽性蛍光体の気相堆積においては、輝尽性蛍光
体成分の蒸気流の流線方向に平行に微細柱状結晶が成長
するので、特に、蒸気流の調整部材12は輝尽性蛍光体の
結晶の成長方向を揃えるために有効である。また、蒸気
流が基板8面に至る流線の入射方向を調整することによ
り、輝尽性蛍光体層における微細柱状結晶の成長方向を
制御することもでき、輝尽励起光の照射および輝尽発光
の集光に最も好都合な輝尽性蛍光体層を形成することが
できる。輝尽性蛍光体層における微細柱状結晶の成長方
向は、輝尽励起光を一次元照射し一次元集光面を有する
集光部材で集光する場合には基板8面に対して直角であ
ることが好ましい。
【0021】蒸発源5として輝尽性蛍光体を用いる場合
は、この輝尽性蛍光体を均一に溶解させるか、プレスま
たはホットプレスにより成形された形態で蒸発源容器11
に仕込まれる。この際、脱ガス処理を行うことが好まし
い。輝尽性蛍光体層を形成するための蒸発源5として
は、輝尽性蛍光体である必要はなく、輝尽性蛍光体を構
成する原料を混和したものであってもよい。
は、この輝尽性蛍光体を均一に溶解させるか、プレスま
たはホットプレスにより成形された形態で蒸発源容器11
に仕込まれる。この際、脱ガス処理を行うことが好まし
い。輝尽性蛍光体層を形成するための蒸発源5として
は、輝尽性蛍光体である必要はなく、輝尽性蛍光体を構
成する原料を混和したものであってもよい。
【0022】蒸発源容器11は、均一な組成の蒸発源5を
少量ずつ均一な組成で蒸発させるために、局部的に加熱
して昇温できるように水冷用パイプ(図示省略)により
冷却することが好ましい。また蒸発源5が仕込まれた蒸
発源容器11と基板8との間隔は、蒸発源5の平均飛程に
合わせて決定されるが、蒸発源5として輝尽性蛍光体を
用いる場合には、概ね10〜40cmとされる。蒸着時におい
ては、基板8は、加熱ヒータ15によって50〜350 ℃に加
熱してもよい。まだ蒸着を開始する前においては、メイ
ンバルブ17等を操作してベルジャー9の内部の気体を排
除し、10-4〜10-6Torr程度の真空度に維持する。なお、
この際、アルゴン等の不活性ガスをベルジャー9内に混
入してもよい。蒸着するに際しては、蒸気流の調整部材
12のスリットの位置を調整して蒸気流の流線と基板8面
との交角を定めた後、基板8を左右に一定速度で往復移
動させながら、蒸発源加熱手段6からの電子ビーム10を
蒸発源5の長さ方向に走査しながら局部的に少量ずつ蒸
発させればよい。
少量ずつ均一な組成で蒸発させるために、局部的に加熱
して昇温できるように水冷用パイプ(図示省略)により
冷却することが好ましい。また蒸発源5が仕込まれた蒸
発源容器11と基板8との間隔は、蒸発源5の平均飛程に
合わせて決定されるが、蒸発源5として輝尽性蛍光体を
用いる場合には、概ね10〜40cmとされる。蒸着時におい
ては、基板8は、加熱ヒータ15によって50〜350 ℃に加
熱してもよい。まだ蒸着を開始する前においては、メイ
ンバルブ17等を操作してベルジャー9の内部の気体を排
除し、10-4〜10-6Torr程度の真空度に維持する。なお、
この際、アルゴン等の不活性ガスをベルジャー9内に混
入してもよい。蒸着するに際しては、蒸気流の調整部材
12のスリットの位置を調整して蒸気流の流線と基板8面
との交角を定めた後、基板8を左右に一定速度で往復移
動させながら、蒸発源加熱手段6からの電子ビーム10を
蒸発源5の長さ方向に走査しながら局部的に少量ずつ蒸
発させればよい。
【0023】図3は、蒸発源5の減量計測手段1の他の
例を示し、蒸発源容器11をスプリング20等によりベルジ
ャー9内に保持すると共に、蒸発源容器11の例えば上端
を検出する位置センサ21を設ける構成としてもよい。こ
の構成では、蒸発するに従って蒸発源5および蒸発源容
器11の全体重量が減少するので、スプリング20により蒸
発源容器11が上昇する。従って、このスプリング20の伸
びすなわち蒸発源容器11の位置と蒸発源5および蒸発源
容器11の全体重量との関係をあらかじめ較正しておけ
ば、位置センサ21により蒸発源容器11の位置を検出する
ことにより、その差Δtから蒸発源5の減量すなわち蒸
発量を測定することができる。
例を示し、蒸発源容器11をスプリング20等によりベルジ
ャー9内に保持すると共に、蒸発源容器11の例えば上端
を検出する位置センサ21を設ける構成としてもよい。こ
の構成では、蒸発するに従って蒸発源5および蒸発源容
器11の全体重量が減少するので、スプリング20により蒸
発源容器11が上昇する。従って、このスプリング20の伸
びすなわち蒸発源容器11の位置と蒸発源5および蒸発源
容器11の全体重量との関係をあらかじめ較正しておけ
ば、位置センサ21により蒸発源容器11の位置を検出する
ことにより、その差Δtから蒸発源5の減量すなわち蒸
発量を測定することができる。
【0024】図4は、蒸発源5の減量計測手段1のさら
に他の例を示し、蒸発源容器11内に配置された柱状の蒸
発源5の上端を検出する位置センサ22を設けた構成であ
る。この図4のように、柱状の蒸発源5の高さを直接検
出する場合にも、その差Δtから蒸発源5の減量を間接
的に計測することができる。
に他の例を示し、蒸発源容器11内に配置された柱状の蒸
発源5の上端を検出する位置センサ22を設けた構成であ
る。この図4のように、柱状の蒸発源5の高さを直接検
出する場合にも、その差Δtから蒸発源5の減量を間接
的に計測することができる。
【0025】また、互いに異なる蒸発源を仕込んだ蒸発
源容器の複数個をベルジャー内に設置し、これらの蒸発
源を順次蒸発させて蒸着を行い、基板上に複数種の輝尽
性蛍光体からなる堆積層を形成してもよい。
源容器の複数個をベルジャー内に設置し、これらの蒸発
源を順次蒸発させて蒸着を行い、基板上に複数種の輝尽
性蛍光体からなる堆積層を形成してもよい。
【0026】また、図5に示すように、同一の蒸発源5
を仕込んだ蒸発源容器11の複数個〜をベルジャー9
内に設置して蒸着を行ってもよい。この際、複数個の蒸
発源容器11は図5のように線状に配置されることが好ま
しい。ここで図5におけるA方向は図1においては紙面
に垂直な方向を表している。従って、電子ビームは〜
の蒸発源上をA方向に移動し、基板は紙面に垂直な方
向に移動する。一般に、基板8上に堆積した蒸着膜にお
いて、蒸発源が基板の中央下部にのみ設置されている場
合には、基板周辺部での膜厚は中央部の膜厚よりも薄く
なり、基板上に膜厚分布が生じる。本出願人は、特開昭
63− 89660号公報、特開平2− 97665号公報において、
大面積にわたって膜厚分布を均一化する蒸着装置を提案
したが、膜厚が数百ミクロンと厚い場合には、従来の膜
厚制御方法では膜厚分布の均一化は十分ではなかった。
本発明によれば、複数個の蒸発源5のそれぞれに蒸発源
の減量計測手段1を設け、あらかじめ個々の蒸発源から
の蒸発量と膜厚分布の関係を較正しておくことにより、
個々の蒸発源5からの蒸発量から膜厚分布を知ることが
できる。膜厚分布が所望の値より大きい場合には、特開
平2− 97665号公報に示す方法により膜厚分布を所望の
値以内に抑えることができ、膜厚分布の均一化を達成す
ることができる。
を仕込んだ蒸発源容器11の複数個〜をベルジャー9
内に設置して蒸着を行ってもよい。この際、複数個の蒸
発源容器11は図5のように線状に配置されることが好ま
しい。ここで図5におけるA方向は図1においては紙面
に垂直な方向を表している。従って、電子ビームは〜
の蒸発源上をA方向に移動し、基板は紙面に垂直な方
向に移動する。一般に、基板8上に堆積した蒸着膜にお
いて、蒸発源が基板の中央下部にのみ設置されている場
合には、基板周辺部での膜厚は中央部の膜厚よりも薄く
なり、基板上に膜厚分布が生じる。本出願人は、特開昭
63− 89660号公報、特開平2− 97665号公報において、
大面積にわたって膜厚分布を均一化する蒸着装置を提案
したが、膜厚が数百ミクロンと厚い場合には、従来の膜
厚制御方法では膜厚分布の均一化は十分ではなかった。
本発明によれば、複数個の蒸発源5のそれぞれに蒸発源
の減量計測手段1を設け、あらかじめ個々の蒸発源から
の蒸発量と膜厚分布の関係を較正しておくことにより、
個々の蒸発源5からの蒸発量から膜厚分布を知ることが
できる。膜厚分布が所望の値より大きい場合には、特開
平2− 97665号公報に示す方法により膜厚分布を所望の
値以内に抑えることができ、膜厚分布の均一化を達成す
ることができる。
【0027】蒸着時においては、必要に応じて基板8を
冷却してもよい。蒸着終了後は、必要に応じて蒸着膜を
加熱処理(アニリーング)してもよい。また蒸着時に
は、ベルジャー9内に必要に応じてO2 、H2 等のガス
を導入して反応性蒸着を行ってもよい。また蒸発源加熱
手段6としては、図1のような電子ビーム加熱手段のほ
か、抵抗加熱手段を採用してもよい。
冷却してもよい。蒸着終了後は、必要に応じて蒸着膜を
加熱処理(アニリーング)してもよい。また蒸着時に
は、ベルジャー9内に必要に応じてO2 、H2 等のガス
を導入して反応性蒸着を行ってもよい。また蒸発源加熱
手段6としては、図1のような電子ビーム加熱手段のほ
か、抵抗加熱手段を採用してもよい。
【0028】蒸発源5として輝尽性蛍光体を用いた場合
には、X線デバイス、例えば放射線画像変換パネルに使
用される輝尽性蛍光体層を形成することができる。この
輝尽性蛍光体層の膜厚は、放射線に対する感度、輝尽性
蛍光体の種類等によって異なるが、放射線の吸収率を高
めて放射線感度を向上させ、また画像の粒状性を良好に
し、さらに輝尽性蛍光体層中での横方向への光の広がり
を防止して画像の鮮鋭性を良好にする観点から、200 μ
m以上であることが好ましい。放射線画像変換パネルに
使用される輝尽性蛍光体層の堆積速度は、輝尽性蛍光体
の種類等によって異なるが、0.01〜1000μm/分が好ま
しく、特に 0.1〜100μm/分が好ましい。堆積速度が
0.01μm/分未満の場合は輝尽性蛍光体層の形成効率が
悪く、逆に堆積速度が1000μm/分を超える場合は堆積
速度のコントロールが困難となり好ましくない。
には、X線デバイス、例えば放射線画像変換パネルに使
用される輝尽性蛍光体層を形成することができる。この
輝尽性蛍光体層の膜厚は、放射線に対する感度、輝尽性
蛍光体の種類等によって異なるが、放射線の吸収率を高
めて放射線感度を向上させ、また画像の粒状性を良好に
し、さらに輝尽性蛍光体層中での横方向への光の広がり
を防止して画像の鮮鋭性を良好にする観点から、200 μ
m以上であることが好ましい。放射線画像変換パネルに
使用される輝尽性蛍光体層の堆積速度は、輝尽性蛍光体
の種類等によって異なるが、0.01〜1000μm/分が好ま
しく、特に 0.1〜100μm/分が好ましい。堆積速度が
0.01μm/分未満の場合は輝尽性蛍光体層の形成効率が
悪く、逆に堆積速度が1000μm/分を超える場合は堆積
速度のコントロールが困難となり好ましくない。
【0029】放射線画像変換パネルに使用される輝尽性
蛍光体は、最初の光もしくは高エネルギー放射線が照射
された後に、光的、熱的、機械的、化学的または電気的
等の刺激(輝尽励起)により、最初の光もしくは高エネ
ルギー放射線の照射量に対応した輝尽発光を示す蛍光体
であるが、実用的な面から好ましくは 500nm以上の輝尽
励起光によって輝尽発光を示す蛍光体である。この輝尽
性蛍光体としては、例えば特開昭48− 80487号公報に記
載されているBaSO4 :AX、特開昭48− 80489号公
報に記載されているSrSO4 :AX、特開昭53− 392
77号公報に記載されているLi2 B4 O7 :Cu,Ag
等、特開昭54− 47883号公報に記載されているLi2 O
・(B2 O2 )x :CuおよびLi2 O・(B2 O2 )
x :Cu,Ag等、米国特許第 3,859,527号明細書に記
載されているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,S
m、La2 O2 S:Eu,Smおよび(Zn,Cd)
S:Mnで表される蛍光体、特開昭55− 12142号公報に
記載されているZnS:Cu,Pb蛍光体、一般式Ba
O・xAl2 O3 :Euで表されるアルミン酸バリウム
蛍光体、一般式MIIO・xSiO2 :Aで表されるアル
カリ土類金属ケイ酸塩系蛍光体、特開昭55− 12143号公
報に記載されている一般式(Ba1-x-y Mgx Cay )
FX:eEu2+で表されるアルカリ土類フッ化ハロゲン
化物蛍光体、特開昭55− 12144号公報に記載されている
一般式LnOX:xAで表される蛍光体、特開昭55− 1
2145号公報に記載されている一般式(Ba1-x Mx )F
X:yAで表される蛍光体、特開昭55− 84389号公報に
記載されている一般式BaFX:xCe,yAで表され
る蛍光体、特開昭55−160078号公報に記載されている一
般式MIIFX・xA:yLnで表される希土類元素付活
2価金属フルオロハライド蛍光体、一般式ZnS:A、
CdS:A、(Zn,Cd)S:A、S:A,ZnS:
A,XおよびCdS:A,Xで表される蛍光体、特開昭
59− 38278号公報に記載されている一般式xM3 (PO
4 )2 ・NX2 :yAおよびM3 (PO4 )2 :yAで
表される蛍光体、一般式nReX3 ・mAX' 2 :xE
uおよびnReX3 ・mAX' 2 :xEu,ySmで表
される蛍光体、および一般式MI X・aMIIX' 2 ・b
MIII X" 3 :cAで表されるアルカリハライド蛍光体
等が挙げられる。特に、アルカリハライド蛍光体は、蒸
着法で輝尽性蛍光体層を形成させやすく好ましい。
蛍光体は、最初の光もしくは高エネルギー放射線が照射
された後に、光的、熱的、機械的、化学的または電気的
等の刺激(輝尽励起)により、最初の光もしくは高エネ
ルギー放射線の照射量に対応した輝尽発光を示す蛍光体
であるが、実用的な面から好ましくは 500nm以上の輝尽
励起光によって輝尽発光を示す蛍光体である。この輝尽
性蛍光体としては、例えば特開昭48− 80487号公報に記
載されているBaSO4 :AX、特開昭48− 80489号公
報に記載されているSrSO4 :AX、特開昭53− 392
77号公報に記載されているLi2 B4 O7 :Cu,Ag
等、特開昭54− 47883号公報に記載されているLi2 O
・(B2 O2 )x :CuおよびLi2 O・(B2 O2 )
x :Cu,Ag等、米国特許第 3,859,527号明細書に記
載されているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,S
m、La2 O2 S:Eu,Smおよび(Zn,Cd)
S:Mnで表される蛍光体、特開昭55− 12142号公報に
記載されているZnS:Cu,Pb蛍光体、一般式Ba
O・xAl2 O3 :Euで表されるアルミン酸バリウム
蛍光体、一般式MIIO・xSiO2 :Aで表されるアル
カリ土類金属ケイ酸塩系蛍光体、特開昭55− 12143号公
報に記載されている一般式(Ba1-x-y Mgx Cay )
FX:eEu2+で表されるアルカリ土類フッ化ハロゲン
化物蛍光体、特開昭55− 12144号公報に記載されている
一般式LnOX:xAで表される蛍光体、特開昭55− 1
2145号公報に記載されている一般式(Ba1-x Mx )F
X:yAで表される蛍光体、特開昭55− 84389号公報に
記載されている一般式BaFX:xCe,yAで表され
る蛍光体、特開昭55−160078号公報に記載されている一
般式MIIFX・xA:yLnで表される希土類元素付活
2価金属フルオロハライド蛍光体、一般式ZnS:A、
CdS:A、(Zn,Cd)S:A、S:A,ZnS:
A,XおよびCdS:A,Xで表される蛍光体、特開昭
59− 38278号公報に記載されている一般式xM3 (PO
4 )2 ・NX2 :yAおよびM3 (PO4 )2 :yAで
表される蛍光体、一般式nReX3 ・mAX' 2 :xE
uおよびnReX3 ・mAX' 2 :xEu,ySmで表
される蛍光体、および一般式MI X・aMIIX' 2 ・b
MIII X" 3 :cAで表されるアルカリハライド蛍光体
等が挙げられる。特に、アルカリハライド蛍光体は、蒸
着法で輝尽性蛍光体層を形成させやすく好ましい。
【0030】放射線画像変換パネルに使用される輝尽性
蛍光体としては、以上の蛍光体に限定されるものではな
く、放射線を照射した後、輝尽励起光を照射した場合に
輝尽発光を示す蛍光体であればよい。蒸着膜は、上記の
輝尽性蛍光体の少なくとも1種を含む1つもしくは2つ
以上の輝尽性蛍光体層からなる輝尽性蛍光体層群であっ
てもよい。また、それぞれの輝尽性蛍光体層に含まれる
輝尽性蛍光体は同一であってもよいが異なっていてもよ
い。
蛍光体としては、以上の蛍光体に限定されるものではな
く、放射線を照射した後、輝尽励起光を照射した場合に
輝尽発光を示す蛍光体であればよい。蒸着膜は、上記の
輝尽性蛍光体の少なくとも1種を含む1つもしくは2つ
以上の輝尽性蛍光体層からなる輝尽性蛍光体層群であっ
てもよい。また、それぞれの輝尽性蛍光体層に含まれる
輝尽性蛍光体は同一であってもよいが異なっていてもよ
い。
【0031】本発明において、基板としては、例えばア
ルミナ等のセラミックス板、化学強化ガラス、結晶化ガ
ラス等のガラス板、アルミニウム、鉄、銅、クロム等の
金属板あるいは当該金属酸化物の被覆層を有する金属板
が好ましいが、セルロースアセテートフィルム、ポリエ
ステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカ
ーボネートフィルム等のプラスチックフィルムであって
もよい。また、基板の厚さは用いる基板の材質等によっ
て異なるが、一般的には、80〜3000μmである。基板の
表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着
性を向上させる目的でマット面としてもよい。また、基
板の表面は特開昭61−142497号公報に述べられているよ
うな凹凸面としてもよいし、特開昭61−142498号公報に
述べられているように隔絶されたタイル状板を敷き詰め
た構造でもよい。さらに、基板上には、必要に応じて光
反射層、光吸収層、接着層等を設けてもよい。
ルミナ等のセラミックス板、化学強化ガラス、結晶化ガ
ラス等のガラス板、アルミニウム、鉄、銅、クロム等の
金属板あるいは当該金属酸化物の被覆層を有する金属板
が好ましいが、セルロースアセテートフィルム、ポリエ
ステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカ
ーボネートフィルム等のプラスチックフィルムであって
もよい。また、基板の厚さは用いる基板の材質等によっ
て異なるが、一般的には、80〜3000μmである。基板の
表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着
性を向上させる目的でマット面としてもよい。また、基
板の表面は特開昭61−142497号公報に述べられているよ
うな凹凸面としてもよいし、特開昭61−142498号公報に
述べられているように隔絶されたタイル状板を敷き詰め
た構造でもよい。さらに、基板上には、必要に応じて光
反射層、光吸収層、接着層等を設けてもよい。
【0032】本発明の方法により形成された輝尽性蛍光
体層の表面には、これを物理的にあるいは化学的に保護
するための保護層を設けることが好ましい。この保護層
は、保護層用の塗布液を輝尽性蛍光体層の上に直接塗布
して形成してもよいし、あらかじめ別途形成した保護層
を輝尽性蛍光体層上に接着してもよい。また、特開昭61
−176900号公報で提案されている放射線および/または
熱によって硬化される樹脂を用いてもよい。保護層の材
料としては、酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリ
メチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルホルマール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリ四フッ化エ
チレン、ポリ三フッ化一塩化エチレン、四フッ化エチレ
ン/六フッ化プロピレン共重合体、塩化ビニリデン/塩
化ビニル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル
共重合体等を挙げることができる。
体層の表面には、これを物理的にあるいは化学的に保護
するための保護層を設けることが好ましい。この保護層
は、保護層用の塗布液を輝尽性蛍光体層の上に直接塗布
して形成してもよいし、あらかじめ別途形成した保護層
を輝尽性蛍光体層上に接着してもよい。また、特開昭61
−176900号公報で提案されている放射線および/または
熱によって硬化される樹脂を用いてもよい。保護層の材
料としては、酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリ
メチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルホルマール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリ四フッ化エ
チレン、ポリ三フッ化一塩化エチレン、四フッ化エチレ
ン/六フッ化プロピレン共重合体、塩化ビニリデン/塩
化ビニル共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル
共重合体等を挙げることができる。
【0033】また、この保護層は、真空蒸着法、スパッ
タリング法等により、SiC,SiO2 ,SiN,Al
2 O3 等の無機物質を積層して形成してもよい。また、
透光性に優れたシート状に成形できるものを輝尽性蛍光
体層上に密着させて、あるいは距離をおいて配設して保
護層とすることもできる。保護層は、輝尽励起光および
輝尽発光を効率よく透過するために、広い波長範囲で高
い光透過率を示すことが望ましく、光透過率は80%以上
が好ましい。そのようなものとしては、例えば、石英、
ホウケイ酸ガラス、化学的強化ガラス等の板ガラスや、
PET、延伸ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の有機
高分子化合物が挙げられる。ホウケイ酸ガラスは 330nm
〜2.6 μmの波長範囲で80%以上の光透過率を示し、石
英ガラスではさらに短波長においても高い光透過率を示
す。
タリング法等により、SiC,SiO2 ,SiN,Al
2 O3 等の無機物質を積層して形成してもよい。また、
透光性に優れたシート状に成形できるものを輝尽性蛍光
体層上に密着させて、あるいは距離をおいて配設して保
護層とすることもできる。保護層は、輝尽励起光および
輝尽発光を効率よく透過するために、広い波長範囲で高
い光透過率を示すことが望ましく、光透過率は80%以上
が好ましい。そのようなものとしては、例えば、石英、
ホウケイ酸ガラス、化学的強化ガラス等の板ガラスや、
PET、延伸ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の有機
高分子化合物が挙げられる。ホウケイ酸ガラスは 330nm
〜2.6 μmの波長範囲で80%以上の光透過率を示し、石
英ガラスではさらに短波長においても高い光透過率を示
す。
【0034】さらに、保護層の表面に、MgF2 等の反
射防止層を設けると、輝尽励起光および輝尽発光を効率
よく透過すると共に、鮮鋭性の低下を小さくする効果も
あり好ましい。また、保護層の厚さは、50μm〜5mmで
あり、 100μm〜3mmが好ましい。保護層を輝尽性蛍光
体層に対して距離をおいて配設する場合には、基板と保
護層との間に、蛍光体層を取り囲んでスペーサを設ける
のがよく、そのようなスペーサとしては、輝尽性蛍光体
層を外部雰囲気から遮断した状態で保持することができ
るものであれば特に制限されず、ガラス、セラミック
ス、金属、プラスチック等を用いることができ、厚さは
輝尽性蛍光体層の厚さ以上であることが好ましい。
射防止層を設けると、輝尽励起光および輝尽発光を効率
よく透過すると共に、鮮鋭性の低下を小さくする効果も
あり好ましい。また、保護層の厚さは、50μm〜5mmで
あり、 100μm〜3mmが好ましい。保護層を輝尽性蛍光
体層に対して距離をおいて配設する場合には、基板と保
護層との間に、蛍光体層を取り囲んでスペーサを設ける
のがよく、そのようなスペーサとしては、輝尽性蛍光体
層を外部雰囲気から遮断した状態で保持することができ
るものであれば特に制限されず、ガラス、セラミック
ス、金属、プラスチック等を用いることができ、厚さは
輝尽性蛍光体層の厚さ以上であることが好ましい。
【0035】以上のように本発明の蒸着装置では、簡単
な手段により、膜厚の厚い場合でも、所定膜厚の蒸着膜
を形成することができる。従って、特に、放射線画像変
換パネルの輝尽性蛍光体層を有利に形成することがで
き、実用的なメリットが大きい。
な手段により、膜厚の厚い場合でも、所定膜厚の蒸着膜
を形成することができる。従って、特に、放射線画像変
換パネルの輝尽性蛍光体層を有利に形成することがで
き、実用的なメリットが大きい。
【0036】以下、さらに具体的な実施例について説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1 図1に示す蒸着装置内に、厚さ 500μmの結晶化ガラス
からなる基板を設置した。蒸発源容器内には蒸発源とし
てRbBr:0.0006Tl(輝尽性蛍光体)を仕込んだ。
ベルジャー内を排気して2×10-6Torrの真空度に保持し
た後、基板をスリットの真上位置を通過するように往復
移動させながら、ピアス式電子銃から電子ビームを蒸発
源の表面にラスタ状に走査して入射させ、蒸発源を蒸発
させた。蒸発源の減量計測手段では蒸発源の減量が経時
的に計測され、膜厚換算手段では蒸着膜の経時的な換算
膜厚が算出され、膜厚判定手段では換算膜厚と設定膜厚
との比較が行われ、換算膜厚が設定膜厚(200 μm) に
達したときに停止信号が発生されて、電子ビームの照射
が停止されると共に、シャッターにより基板への蒸気流
が遮断された。以上の操作を繰り返して、合計3つの基
板上にそれぞれ輝尽性蛍光体層からなる蒸着膜を形成し
た。この3つの蒸着膜の実際の膜厚を調べたところ、設
定膜厚(200 μm) からのずれは、それぞれ+3%、+
5%、−2%であった。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1 図1に示す蒸着装置内に、厚さ 500μmの結晶化ガラス
からなる基板を設置した。蒸発源容器内には蒸発源とし
てRbBr:0.0006Tl(輝尽性蛍光体)を仕込んだ。
ベルジャー内を排気して2×10-6Torrの真空度に保持し
た後、基板をスリットの真上位置を通過するように往復
移動させながら、ピアス式電子銃から電子ビームを蒸発
源の表面にラスタ状に走査して入射させ、蒸発源を蒸発
させた。蒸発源の減量計測手段では蒸発源の減量が経時
的に計測され、膜厚換算手段では蒸着膜の経時的な換算
膜厚が算出され、膜厚判定手段では換算膜厚と設定膜厚
との比較が行われ、換算膜厚が設定膜厚(200 μm) に
達したときに停止信号が発生されて、電子ビームの照射
が停止されると共に、シャッターにより基板への蒸気流
が遮断された。以上の操作を繰り返して、合計3つの基
板上にそれぞれ輝尽性蛍光体層からなる蒸着膜を形成し
た。この3つの蒸着膜の実際の膜厚を調べたところ、設
定膜厚(200 μm) からのずれは、それぞれ+3%、+
5%、−2%であった。
【0037】実施例2 実施例1において、膜厚判定手段における設定膜厚を 3
50μmに変更したほかは同様にして、合計3つの基板上
にそれぞれ輝尽性蛍光体層からなる蒸着膜を形成した。
この3つの蒸着膜の実際の膜厚を調べたところ、設定膜
厚(350 μm)からのずれは、それぞれ+1%、±0
%、−3%であった。
50μmに変更したほかは同様にして、合計3つの基板上
にそれぞれ輝尽性蛍光体層からなる蒸着膜を形成した。
この3つの蒸着膜の実際の膜厚を調べたところ、設定膜
厚(350 μm)からのずれは、それぞれ+1%、±0
%、−3%であった。
【0038】実施例3 実施例1において、膜厚判定手段における設定膜厚を 5
00μmに変更したほかは同様にして、合計3つの基板上
にそれぞれ輝尽性蛍光体層からなる蒸着膜を形成した。
この3つの蒸着膜の実際の膜厚を調べたところ、設定膜
厚(500 μm)からのずれは、それぞれ+3%、−2
%、−1%であった。
00μmに変更したほかは同様にして、合計3つの基板上
にそれぞれ輝尽性蛍光体層からなる蒸着膜を形成した。
この3つの蒸着膜の実際の膜厚を調べたところ、設定膜
厚(500 μm)からのずれは、それぞれ+3%、−2
%、−1%であった。
【0039】実施例4 実施例1において、蒸発源容器を図5に示すように5つ
配置し、各蒸発源容器内に蒸発源としてRbBr:Tl
からなる輝尽性蛍光体を仕込み、これらの蒸発源の表面
に電子ビームをラスタ状に走査して入射させ、個々の蒸
発源の蒸発量比が::::=4:2:1:
2:4となるように電子ビームの滞留時間を個々の蒸発
源について制御し、しかも堆積速度が 0.5μm/min と
なるように電子ビームの強度を制御して蒸着を行った以
外は実施例1と同様にして、合計3つの基板上にそれぞ
れ輝尽性蛍光体層からなる蒸着膜を形成した。これらの
3つの蒸着膜の実際の膜厚および膜厚分布を調べたとこ
ろ、設定膜厚(200 μm) からのずれ、および膜厚分布
(かっこ内に示す)は、それぞれ±0%(±3%)、−
3%(±2%)、+2%(±4%)であった。
配置し、各蒸発源容器内に蒸発源としてRbBr:Tl
からなる輝尽性蛍光体を仕込み、これらの蒸発源の表面
に電子ビームをラスタ状に走査して入射させ、個々の蒸
発源の蒸発量比が::::=4:2:1:
2:4となるように電子ビームの滞留時間を個々の蒸発
源について制御し、しかも堆積速度が 0.5μm/min と
なるように電子ビームの強度を制御して蒸着を行った以
外は実施例1と同様にして、合計3つの基板上にそれぞ
れ輝尽性蛍光体層からなる蒸着膜を形成した。これらの
3つの蒸着膜の実際の膜厚および膜厚分布を調べたとこ
ろ、設定膜厚(200 μm) からのずれ、および膜厚分布
(かっこ内に示す)は、それぞれ±0%(±3%)、−
3%(±2%)、+2%(±4%)であった。
【0040】実施例5 実施例4において、蒸発源加熱手段として抵抗加熱法を
用い、堆積速度および蒸発量比の制御は個々の蒸発源に
付随した加熱手段への投入電力を制御して行うこと以外
は、実施例4と同様にして、合計3つの基板上にそれぞ
れ輝尽性蛍光体層からなる蒸着膜を形成した。これらの
3つの蒸着膜の実際の膜厚および膜厚分布を調べたとこ
ろ、設定膜厚(200 μm) からのずれ、および膜厚分布
(かっこ内に示す)は、それぞれ+1%(±2%)、+
4%(±3%)、−2%(±3%)であった。
用い、堆積速度および蒸発量比の制御は個々の蒸発源に
付随した加熱手段への投入電力を制御して行うこと以外
は、実施例4と同様にして、合計3つの基板上にそれぞ
れ輝尽性蛍光体層からなる蒸着膜を形成した。これらの
3つの蒸着膜の実際の膜厚および膜厚分布を調べたとこ
ろ、設定膜厚(200 μm) からのずれ、および膜厚分布
(かっこ内に示す)は、それぞれ+1%(±2%)、+
4%(±3%)、−2%(±3%)であった。
【0041】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の蒸
着装置によれば、蒸発源の減量計測手段により計測され
た蒸発源の減量を膜厚換算手段において換算膜厚に変換
し、膜厚判定手段において換算膜厚が設定膜厚に達した
ときに停止信号を発生して、この停止信号を受けた蒸着
停止手段によって蒸着を停止するので、簡単な手段によ
り、膜厚が厚い場合であっても所定膜厚の蒸着膜を高い
精度で形成することができる。さらに、本発明の蒸着装
置によれば、複数の蒸発源からの蒸発量の比を制御する
ことにより、膜厚分布の制御を高い精度で行うことがで
きる。さらにまた、本発明の蒸着装置によれば、蒸発量
の経時変化を制御することにより、蒸着膜の堆積速度を
高い精度で制御することができる。以上より、本発明に
よれば、輝尽性蛍光体層の膜厚、膜厚分布、堆積速度を
所定の値に高い精度で制御できることから、高性能の放
射線画像変換パネルの作製に著しい効果がある。
着装置によれば、蒸発源の減量計測手段により計測され
た蒸発源の減量を膜厚換算手段において換算膜厚に変換
し、膜厚判定手段において換算膜厚が設定膜厚に達した
ときに停止信号を発生して、この停止信号を受けた蒸着
停止手段によって蒸着を停止するので、簡単な手段によ
り、膜厚が厚い場合であっても所定膜厚の蒸着膜を高い
精度で形成することができる。さらに、本発明の蒸着装
置によれば、複数の蒸発源からの蒸発量の比を制御する
ことにより、膜厚分布の制御を高い精度で行うことがで
きる。さらにまた、本発明の蒸着装置によれば、蒸発量
の経時変化を制御することにより、蒸着膜の堆積速度を
高い精度で制御することができる。以上より、本発明に
よれば、輝尽性蛍光体層の膜厚、膜厚分布、堆積速度を
所定の値に高い精度で制御できることから、高性能の放
射線画像変換パネルの作製に著しい効果がある。
【図1】本発明の一実施例に係る蒸着装置の構成例を示
す概略図である。
す概略図である。
【図2】蒸発源の蒸発量と蒸着膜の膜厚との関係を表す
グラフである。
グラフである。
【図3】蒸発源の減量計測手段の他の例を示す説明図で
ある。
ある。
【図4】蒸発源の減量計測手段のさらに他の例を示す説
明図である。
明図である。
【図5】複数の蒸発源を用いる場合の蒸着装置の構成例
を示す概略図である。
を示す概略図である。
【図6】本発明の蒸着装置の動作を概略的に示すフロー
チャートである。
チャートである。
【図7】本発明の蒸着装置の動作を具体的に示すフロー
チャートである。
チャートである。
1 蒸発源の減量計測手段 2 膜厚換算手段 3 膜厚判定手段 4−a 蒸着停止手段 4−b 蒸着速度制御手段 5 蒸発源 6 蒸発源加熱手段 7 蒸気流遮断手段 8 基板 9 ベルジャー 10 電子ビーム 11 蒸発源容器 12 調整部材 13 搬送用レール 14 搬送用ワイヤ 15 加熱ヒータ 16 ホルダー 17 メインバルブ 18 補助バルブ 19 リークバルブ 20 スプリング 21 位置センサ 22 位置センサ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 23/00 - 25/22 C23C 14/00 - 14/58 G21K 4/00
Claims (1)
- 【請求項1】 蒸発源を蒸発させて基板上に蒸着膜を形
成する蒸着装置において、蒸発源の減量計測手段と、こ
の減量計測手段による計測値から蒸着膜の膜厚および/
または蒸着速度を換算する蒸着条件換算手段と、この蒸
着条件換算手段により換算された膜厚と設定膜厚および
/または換算された蒸着速度と設定速度とを比較して換
算膜厚および/または換算蒸着速度を制御する比較制御
手段と、この比較制御手段からの制御信号により蒸着を
停止する蒸着停止手段および/または蒸着速度を制御す
る蒸着速度制御手段とを備えてなることを特徴とする蒸
着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03074187A JP3130550B2 (ja) | 1991-03-15 | 1991-03-15 | 蒸着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03074187A JP3130550B2 (ja) | 1991-03-15 | 1991-03-15 | 蒸着装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04285093A JPH04285093A (ja) | 1992-10-09 |
JP3130550B2 true JP3130550B2 (ja) | 2001-01-31 |
Family
ID=13539921
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03074187A Expired - Fee Related JP3130550B2 (ja) | 1991-03-15 | 1991-03-15 | 蒸着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3130550B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2906006B2 (ja) * | 1992-10-15 | 1999-06-14 | 東京エレクトロン株式会社 | 処理方法及びその装置 |
DE602004015218D1 (de) | 2003-09-17 | 2008-09-04 | Konica Minolta Med & Graphic | Strahlungsbildwandler und Verfahren zu seiner Herstellung |
JP2006105596A (ja) * | 2004-09-30 | 2006-04-20 | Fuji Photo Film Co Ltd | 放射線像変換パネル |
JP2007232633A (ja) * | 2006-03-02 | 2007-09-13 | Fujifilm Corp | 放射線画像変換パネルおよび放射線画像変換パネルの製造方法 |
JP2010169667A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-08-05 | Tokyo Electron Ltd | 金属膜の膜厚測定方法及び基板処理方法及び装置 |
CN113463049A (zh) * | 2021-06-28 | 2021-10-01 | 深圳市康盛光电科技有限公司 | 一种卷绕式ito镀膜设备及其使用方法 |
-
1991
- 1991-03-15 JP JP03074187A patent/JP3130550B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04285093A (ja) | 1992-10-09 |
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