JP3129891U - 獣類の足くくり罠 - Google Patents

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Abstract

【課題】
構造が簡単で、確実に獣類の足を捕捉することができる獣類の足くくり罠を提供する。
【解決手段】
縮径可能な輪が形成された罠ロープと、直線状の棒部と該棒部を接近させることにより付勢力が付与される棒部間に形成されたコイル部とからなるバネ部材と、地表に強固に定着された部材に固定する固定部材とを有する獣類の足くくり罠であって、該バネ部材に付勢力を付与した状態に維持して外力が作用したときにバネを復元させるように係止を解く係止部材が設けられ、該係止部材をバネ部材の一方端部に設けたフック部材と、他方端部に設けたリング部材と該フック部材とリング部材を重合した状態で係止する棒状の弾き止め部材で構成し、前記罠ロープの端部がバネ部材の棒部の端部に取り付けられてなる手段を有する。
【選択図】 図1

Description

本考案は、猪、鹿、熊等の獣類の足くくり罠に係り、より詳細には、罠ロープを縮径可能な輪状に形成して罠部にするとともに係止部材の弾き止め解除作用を抵抗無く円滑にして、罠部を確実に縮径することができて獣類の捕捉を確実にできることと、更に該罠ロープを撚り戻し部材を介して固定部材に接続することにより、罠部で捕捉した獣類が暴れても罠ロープが捩れることがなく、獣類の足の外れを防ぐことができる獣類の足くくり罠に関する。
ロープにループ状の罠部を形成し、獣類を捕獲する捕獲具としては、縮径可能な輪が形成された罠ロープと、該縮径可能な輪を跳ね上げるもので、地表に固定する直線状の固定棒部と該固定棒部に接近させることにより付勢力が付与される直線状の作動棒部間に形成されたコイル部とから成り該作動棒部の端部に該罠ロープの端部が取り付けられるバネ部材と、地表に強固に定着された樹木部材などに固定するもので該罠ロープに連結する固定部材とを有する獣類の足くくり罠が下記特許文献1、2で知られている。
特許第3101905号公報 特許第3495958号公報
しかし、上述の特許文献1の係止部材の構成は微妙な天秤バランス作用を必要としているもので何らかの拍子に不意に係止部材が外れる恐れが考えられ、特別な止め部材などを必要とするもので、獣類の捕獲には確実性に今一歩不安のあるものであった。
また、上述の特許文献2のものは括りバネ支持具の支持台構成が目立つ感じのものであり猪などの獣類が警戒して罠に近づかない恐れがあった。
そこで、本考案者は、このような問題に鑑み、獣類の足くくり罠について種々研究し、従来の問題点を解消するためにバネの復元を止めておく係止部材を直線状に抜き差しする形態の棒状の弾き止め部材として、ロープ罠の輪の中に位置させて配置した足踏み部材に連動させて、獣類が輪に足を入れたとき等に係止部材の係止を抵抗無く迅速に外すことにより、完全に確実に輪で獣類の足を捕捉することができることを究明した。
本考案は、上述した問題に対処して創案したものであって、その目的とする処は、構造が簡単で、確実に獣類の足を捕捉することができ、捕捉した獣類が暴れても罠ロープが捩れることがなく足の外れを防ぐことができる獣類の足くくり罠を提供することにある。
そして、上記目的を達成するための手段としての本考案の請求項1の獣類の足くくり罠は、縮径可能な輪が形成された罠ロープと、直線状の棒部と該棒部同士を接近させることにより付勢力が付与される棒部間に形成されたコイル部とからなるバネ部材と、前記罠ロープの端部を撚り戻し部材を介して接続して地表に強固に定着された部材に固定する固定部材とを有する獣類の足くくり罠であって、該バネ部材に付勢力を付与した状態に維持して外力が作用したときにバネを復元させるように係止を解く係止部材が設けられ、前記罠ロープの端部がバネ部材の棒部の端部に取り付けられて、バネ部材の復元時に罠ロープの端部が引っ張られて罠ロープの輪が縮径されるようにしたものにおいて、前記係止部材をバネ部材の棒部の一方端部に設けたフック部材と、他方端部に設けたリング部材と該フック部材とリング部材を重合した状態で係止する棒状の弾き止め部材で構成し、該弾き止め部材を罠ロープの輪の設定位置下方に設けた足踏み部材に接続して、獣類の足踏みに伴う足踏み部材の下動外力に応じて前記弾き止め部材が引き抜かれて、前記フック部材とリング部材の係止が解除されてバネ部材が復元して罠ロープの端部が引っ張られて罠ロープの輪が縮径されてなる構成としている。
請求項2の獣類の足くくり罠は、前記請求項1の獣類の足くくり罠において、罠ロープが柔らかくて靱性のある細いワイヤーロープで構成され緩み止め部材を介して括り輪が形成されたものとし、該罠ロープに撚り戻し部材を介して接続される固定部材を硬質性の太いワイヤーロープとからなる構成としている。
本考案の獣類の足くくり罠は、上記のように縮径可能な輪が形成された罠ロープと、直線状の棒部と該棒部を接近させることにより付勢力が付与される棒部間に形成されたコイル部とからなるバネ部材と、地表に強固に定着された部材に固定する固定部材とを有する獣類の足くくり罠であって、該 バネ部材に付勢力を付与した状態に維持して外力が作用したときにバネを復元させるように係止を解く係止部材が設けられ、罠ロープの端部がバネ部材の棒部の端部に取付けられてなる。そして、前記係止部材をバネ部材の棒部の一方端部に設けたフック部材と、他方端部に設けたリング部材と該フック部材とリング部材を重合した状態で係止する棒状の弾き止め部材で構成し、該弾き止め部材を罠ロープの輪の設定位置下方に設けた足踏み部材に接続して、獣類の足踏みに伴う足踏み部材の下動外力に応じて前記弾き止め部材が引き抜かれて、前記フック部材とリング部材の係止が解除されてバネ部材が復元して罠ロープの端部が引っ張られて罠ロープの輪が縮径されてなる構成としている。従って、構造は簡単であるので、設定が容易であり、弾き止め部材は直線的に引き抜かれることにより、タイミング良く確実に係止部材が外れて罠ロープで獲物を捕獲することができる。
また、請求項2の考案によれば、罠ロープが柔らかくて靱性のある細いワイヤーロープで構成され緩み止め部材を介して括り輪が形成されたものとしているので、動物の足がはまると、確実に括り輪が足を縛り、緩み止め部材により括り輪が不測に緩むことがなく、獣類の足を確実に捕捉し、獲物を捕獲することができる。そして、撚り戻し部材を介して接続されることにより、罠部で捕捉した獣類が暴れても罠ロープが捩れることがなく、獣類の足の外れを防ぐことができる 。
以下、図面を参照しながら、本考案を具体化した実施形態について説明する。本実施形態の獣類の足くくり罠1は、縮径可能な括り輪2aが形成された罠ロープ2と、この罠ロープ2の端部に取付けられたバネ部材3と、バネ部材3の付勢力に逆らってバネ部材3が復元するのを阻止する係止部材4と、地表に強固に定着された部材10に固定する固定部材5とからなり、バネ部材3は剛性の棒部31,32と、これらの中間に形成されたコイル部33とからなり、一方の棒部31の端部に設けた環部材31aに罠ロープ2の一端が挿通して取り付けられている。
罠ロープ2は、柔らかくて靱性のある細いワイヤーロープ21からなり、地表面に広げられて配置され、獣の足Kを捕捉して縮径して足が外れるのを防ぎ、獣類を捕獲するための部材であり、ワイヤ21の一方の端部21aを緩み止め部材22の孔22aに挿通してかしめ部材21bで抜け止め部を形成する。そして、この緩み止め部材22に設けた長孔22b、孔22cにワイヤ21の他端を挿通することにより縮径可能に括り輪2aを形成している。この罠ロープ2は、強度を大きくして可撓性を持たせるように鋼ワイヤを複数本を撚りあわせて柔らかくて靱性のある細いワイヤーロープに形成している。他方の端部は重ね合わせて、かしめ部材23により締結して連結輪24を形成している。そして、この連結輪24形成時に、他の部材、例えば固定ロープ(固定部材5)に連結する撚り戻し部材からなる連結金具25の連結部(両端の孔25a)に嵌め、環部材31aを端部側に掛けて罠ロープ2をバネ部材3の端部に取り付ける。
バネ部材3は、付勢力が付与されて係止されるようになっており、その係止が解かれると急激に復元する部材で、復元するときに罠ロー プ2の他方端を急速に引くためのものであり、一本の棒部材3の中央部が巻かれてコイル部32が形成され、コイル部32の両端にほぼ直線の棒部31,32が形成されている。棒部31にはバネ部材3を折り曲げて付勢力を付与した状態に維持して、バネ部材3の付勢力に逆らってバネ部材3が復元するのを阻止する係止部材4を設けている。この前記係止部材4は、バネ部材3の棒部31の一方端部31zに設けた鉤状に形成したフック部材4aと、他方の棒部32の端部32zに設けたリング部材4bと該フック部材4aとリング部材4bを重合した状態で係止する棒状の弾き止め部材4cで構成し、該弾き止め部材4cを罠ロープ2の括り輪2aの設定位置下方に設けた足踏み部材に索引部材4dで接続して、獣類の足踏みに伴う足踏み部材6の下動外力に応じて前記弾き止め部材4cが引き抜かれて、前記フック部材4aとリング部材4bの係止が解除されてバネ部材3が復元すると、上記棒部31に針金等の巻き付け部材Mを介して罠ロープ2の一端が結線して取り付けられているので、該バネ部材3の復元により罠ロープ2の端部が引っ張られて罠ロープの括り輪2aが縮径して獣の足Kを捕捉する動作を行わせるようにされている。
固定部材5は、罠ロープと同様の強度が大きくて可撓性がある鋼ワイヤを複数本を撚りあわせて比較的硬質性の太いワイヤーロープに形成している。一方の端部は重ね合わせて、かしめ部材23により締結して連結輪52を形成し、この連結輪52を前記連結金具25の連結孔25に挿通して止めることにより連結金具25の相対的回動による撚り戻し機構によりロープの撚りを防止した状態で罠ロープ2と連結している。
次に、上記のように構成した本実施形態の獣類の足くくり罠の設置方法を説明する。先ず、動物の通る獣道に直径約15cm、深さ約15〜20cmの穴Hを堀り、格子状の足踏み部材6を針金で支えて穴Hの中心部に少し浮かせるようにセットする。そして、穴表面に細い枝などの支持梁7を渡して枯れ葉8で表面を覆って穴を塞ぐ。この場合、穴は落とし穴で、動物が乗って穴が落ちたら、足踏み部材6を踏み込むことにより係止部材4の弾き止め部材4cの係止が外れる外力が作用し、罠ロープの輪が締まって足を捕捉する大きさである。支持梁7は動物の足が乗ったら折れるか、外れるかして落ちるようにする。そして、支柱9を地中に埋め、バネ部材3の罠ロープを取付けていない方の棒部32を地中に埋めてこの支柱9に固定すると共に、固定部材5を立木10等に締結する。バネ部材3を係止部材4で付勢状態を係止して、係止部材4に連繋した足踏み部材6を穴Hの内部に浮かせて設置し穴Hの周りに罠ロープ2の括り輪2aを配置し、さらにこれらの表面を枯れ葉、又は土で覆う。このように設置しておくと獣道に全く目立たない状態に設置するので猪等の獣類が警戒することもなく自然な状態で獣道を往来することになる。そして、適宜、見回って罠の状態を点検するとともに、獲物のかかりを見る。
もし、獲物が穴Hに足を入れて落ちると、係止部材4の足踏み部材6を押し下げ、係止部材4の弾き止め部材4cを牽くこととなり、弾き止め部材4cが引き抜かれてフック部材4aとリング部材4bの係止が解除される。これによりバネ部33の付勢力を止めていた係止が外れるので、バネ部33の付勢力によりバネが復元して、棒部31が伸びる。このとき一方の棒部32は地中に埋められて支柱9に固定されているので、他方の棒部31が上方に旋回することになる。この棒部31には、罠ロープ2の一端が針金等の巻き付け部材Mで結線して取り付けられているので、棒部31の上方旋回に伴って罠ロープ2が瞬時に引かれ、輪23の中に入れた足Kを引き抜く間もないので、輪が縮径して締まり、足を外すことができなくなり、動物を捕捉することができる。
この時、係止部材4の構造は簡単であるので設定が容易であり、且つ外力が作用しない限り不測に弾き止め部材が引き抜き方向に外れることの恐れが少なく、獲物の足が穴に落ちた瞬間に弾き止め部材は直線的に引き抜かれることにより、係止解除の荷重を少なくしてタイミング良く確実に係止部材が外れて罠ロープで獲物を捕獲することができる。
また、罠ロープが柔らかくて靱性のある細いワイヤーロープで構成され緩み止め部材を介して括り輪が形成されたものとしているので、動物の足が嵌ると、確実に括り輪が足を縛り、緩み止め部材により括り輪が不測に緩むことがなく、獣類の足を確実に捕捉し、獲物を捕獲することができる。そして、撚り戻し部材を介して接続されることにより、罠部で捕捉した獣類が暴れても罠ロープが捩れることがなく、獣類の足の外れを防ぐことができる 。
なお、本考案は、上述した実施形態に限定されるものでなく、本考案の要旨を変更しない範囲内で変形実施できるものを含む。因みに、上述した実施形態では、足踏み部材を格子状部材で形成した構成で説明したが、単に穴の上部に渡す部材に係止部材を連繋する構成にしてもよい。その他、各部材の構造も上述の例に限られず、同様の作用効果を奏する構造に形成してもよいことは当然である。
本考案の獣類の足くくり罠の設置状態を説明するための説明図である。 足くくり罠の係止部材の構成を示す説明図である。 緩み止め部材の構成を示す説明図である。 撚り戻し部材の構成を示す説明図である。 バネ部材が撥ねて獣類を足を括った状態を説明するための説明図である。
符号の説明
1 足くくり罠
2 罠ロープ
3 バネ部材
4 係止部材
5 固定部材
6 足踏み部材

Claims (2)

  1. 縮径可能な輪が形成された罠ロープと、直線状の棒部と該棒部同士を接近させることにより付勢力が付与される棒部間に形成されたコイル部とからなるバネ部材と、前記罠ロープの端部を撚り戻し部材を介して接続して地表に強固に定着された部材に固定する固定部材とを有する獣類の足くくり罠であって、該バネ部材に付勢力を付与した状態に維持して外力が作用したときにバネを復元させるように係止を解く係止部材が設けられ、前記罠ロープの端部がバネ部材の棒部の端部に取り付けられて、バネ部材の復元時に罠ロープの端部が引っ張られて罠ロープの輪が縮径されるようにしたものにおいて、前記係止部材をバネ部材の棒部の一方端部に設けたフック部材と、他方端部に設けたリング部材と該フック部材とリング部材を重合した状態で係止する棒状の弾き止め部材で構成し、該弾き止め部材を罠ロープの輪の設定位置下方に設けた足踏み部材に接続して、獣類の足踏みに伴う足踏み部材の下動外力に応じて前記弾き止め部材が引き抜かれて、前記フック部材とリング部材の係止が解除されてバネ部材が復元して罠ロープの端部が引っ張られて罠ロープの輪が縮径されるようにしたことを特徴とする獣類の足くくり罠。
  2. 前記罠ロープが柔らかくて靱性のある細いワイヤーロープで構成され緩み止め部材を介して括り輪が形成されたものとし、該罠ロープに撚り戻し部材を介して接続される固定部材を硬質性の太いワイヤーロープとしたことを特徴とする請求項1に記載の獣類の足くくり罠。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0682142A (ja) * 1992-02-17 1994-03-22 Samsung Electronics Co Ltd 冷蔵庫の解凍装置及びその制御方法
JP2013046575A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Tatsuo Sugimoto 括り罠
CN114946818A (zh) * 2022-06-20 2022-08-30 北京林业大学 一种无伤捕捉大型鸟类的陷阱

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