JP3128396U - 緑化用植生マット - Google Patents

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Abstract

【課題】施工が容易で、屋上、屋根、ベランダなどを構成するコンクリートなどの植物の根による破壊が防止され、ヒートアイランド現象を防止するのに有効な緑化用植生マットを提供する。
【解決手段】(a)熱接着可能な熱可塑性樹脂でケナフ繊維を熱接着して得られるケナフボード1、(b)熱可塑性樹脂ネット状物2、(c)熱接着可能な熱可塑性樹脂でケナフ繊維を熱接着して得られるケナフボード3、(d)吸水性シート4、(e)紙/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シート、又は、紙/合成繊維織物/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シートであって、紙を上層側にしたシート5、(f)熱可塑性樹脂ネット状物6、がこの順に積層され、全層を貫通する糸7で縫合することによって積層されてなる緑化用植生マット。
【選択図】 図1

Description

本考案は、ビル、工場、家屋などの建築物の屋上や陸屋根、ベランダ、テラス、などの上に植物生育環境を造成する際に用いる緑化用植生マット関するものである。
近年、ビル、工場、家屋などの建築物の屋上や陸屋根、ベランダ、テラスなどの上に植物生育環境を造成することにより、ヒートアイランド現象の防止、省エネルギー対策(断熱効果)、景観の改善などを図ろうとする施策がすすめられている。その一例として、土壌を植物生育のベースとし、コイルやプラスチック繊維と不織布などからなる排水マット、防根シートなどを組み合わせた植生マットを用いたものなどが提案されている(下記特許文献1参照)。
また、屋上緑化設備の軽量化を図るため、土壌の代わりに、多孔質で軽いシラスを用いることも提案されている(下記特許文献2参照)。
特開2002−125451号公報 特開2004−201632号公報
屋上や屋根、その他の施工対象物に荷重負担がかからないようにすることが建築物保護や地震対策などからも極めて重要であり、建築基準法施行令でも、屋上に荷重をかける場合の上限が定められている。従って、屋上や屋根等の緑化においては、軽量化は重要な問題であり、更に排水性も重要な問題となり、さらには、植物育成のための保水性、植物の根による屋上を構成するコンクリートなどの破壊の防止なども考慮する必要がある。植物の根は、岩も砕くおそれがあり、屋上を構成するコンクリートなどに植物の根がはびこるようになると、屋上を構成するコンクリートなどを傷め、雨漏りなどの問題も生じる。また、施工の容易さも問題になる。
しかして、前記特許文献1に示されたものは、土壌を植物生育のベースとして用いるため、重くなり、屋上や屋根、その他の施工対象物にかかる荷重が大きくなると言う問題があり、また、強度の低い既存建築物の屋上には、そのため施工ができないという問題もある。
また、前記特許文献2に示されたものは、通常の土壌を用いるものに較べて軽くなるが、シラスは軽い微細な粒子ないし粉状物からなるので、風に弱く、風で逸散するなどの問題があるし、防根シート、排水基板材、セパレーターなどは場合により予め積層状態のものを作成しておくことも可能であるが、シラス培土は屋上などの現場において、施工することになり、実質上、屋上現場にて緑化設備を完成させることが必要になり、完成品を屋上や屋根などの施工現場に持っていって、設置するのみでよいというような施工の容易さが欠ける点で問題がある。
本考案は、通気性、水はけがほど良く、水もち、肥料もちがよく、従って、保水性と透水性のバランスがほどよくとれており、水分の供給をそれほど頻繁に行わなくても、比較的長時間保水でき、降雨の多い場合は、水分の排出もほどよくなされ、軽くて屋上や屋根などの施工現場にかかる荷重負荷が少なくて済み、風で逸散するなどの問題がなく、完成品を屋上や屋根などの施工対象物の施工現場に持っていって、設置するのみでよく施工が容易で、植物の根による屋上などの施工対象物を構成するコンクリートなどの破壊が防止され、太陽熱による建物内部温度の上昇はもとより、太陽熱で高温になったコンクリートからの放熱に伴うヒートアイランド現象を防止するのに有効な緑化用植生マットを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本考案の緑化用植生マットは、次のような構成を有する。
(1) (a)熱接着可能な熱可塑性樹脂でケナフ繊維を加熱接着させて得られるケナフボード、
(b)熱可塑性樹脂ネット状物、
(c)熱接着可能な熱可塑性樹脂でケナフ繊維を加熱接着させて得られるケナフボード、
(d)吸水性シート、
(e)紙/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シート、又は、紙/合成繊維織物/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シートであって、紙を上層側にしたシート、
(f)熱可塑性樹脂ネット状物、
がこの順に積層され、全層を貫通する糸で縫合することによって積層されてなる緑化用植生マット。
(2) (d)の吸水性シートが、紙に吸水性樹脂粒子又は粉末を保持させた吸水性シートである前記(1)項に記載の緑化用植生マット。
(3) (a)のケナフボードが2層のケナフボードからなり、前記2層のケナフボードの間に、遠赤外線を放射する鉱物の粉末又は粒状物が散布されている前記(1)〜(2)項のいずれかに記載の緑化用植生マット。
(4) (e)のポリプロピレン又はポリエチレンフィルムに代えて、炭及び/又は活性炭の粉末を含有するポリプロピレンテープ状ヤーン織物が積層されている前記(1)〜(3)項のいずれかに記載の緑化用植生マット。
(5) 炭及び/又は活性炭の粉末の含有量が、炭及び/又は活性炭の粉末を含有するポリプロピレンテープ状ヤーン織物の、10〜40重量%である前記(4)項に記載の緑化用植生マット。
(6) (a)の熱接着可能な熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン繊維又はポリエチレン繊維からなる前記(1)〜(5)項のいずれかに記載の緑化用植生マット。
(7) (b)ならびに(f)の熱可塑性樹脂ネット状物が、ポリエチレン、ポリプロピレン、又は、ポリ塩化ビニルからなるネット状物である前記(1)〜(6)項のいずれかに記載の緑化用植生マット。
(8) (f)の熱可塑性樹脂ネット状物の厚さが15mm〜40mmである前記(1)〜(7)項のいずれかに記載の緑化用植生マット。
(9) 緑化用植生マット全体の厚さが、35〜90mmである前記(1)〜(8)項のいずれかに記載の緑化用植生マット。
本考案の緑化用植生マットは、通気性、水はけがほど良く、水もち、肥料もちがよく、従って、保水性と透水性のバランスがほどよくとれており、水分の供給をそれほど頻繁に行わなくても、比較的長時間保水でき、降雨の多い場合は、水分の排出もほどよくなされ、軽くて屋上、屋根はもとより、ベランダ、テラスなどの施工対象物にかかる荷重負荷が少なくて済み、風で逸散するなどの問題がなく、施工が容易で、植物の根による屋上や陸屋根、ベランダ、テラスなどを構成するコンクリートその他の構成部材などの上層からの破壊が防止され、太陽熱による建物内部温度の上昇や太陽熱で高温になった屋上その他のコンクリートなどからの放熱に伴うヒートアイランド現象を防止するのに有効な緑化用植生マットを提供できる。
以下、本考案の緑化用植生マットの理解を容易にするために、図面を引用しながら、好ましい具体的実施の形態例について説明するが、本考案は、これらの具体的実施の形態例のみに限定されるものではない。
図1は本考案の緑化用植生マットの一実施の形態例の斜視図である。図1において、1が(a)熱接着可能な熱可塑性樹脂でケナフ繊維を加熱接着させて得られるケナフボード(以下、単にケナフボードと略称することがある。)であり、ケナフボードは特に限定するものではないが、ケナフ繊維に、熱接着可能な熱可塑性樹脂、例えば、ポリプロピレン繊維又はポリエチレン繊維など(特に好ましくはポリプロピレン繊維)を熱接着剤として混合し、このポリプロピレン繊維又はポリエチレン繊維を熱により溶融して、ケナフ繊維同士を部分的に接着することにより容易に製造できる。熱接着可能な熱可塑性樹脂とケナフ繊維の使用割合は、熱接着可能な熱可塑性樹脂30〜50重量%に対し、ケナフ繊維70〜50重量%の範囲が、ケナフの保水性が適度に発揮され、ボードの強度も良好で好ましい。
ケナフボード1の厚さは特に限定するものではないが、8〜25mm程度が好ましく、特に15mm以上が好ましい。ケナフボードは、厚みの厚いものが生産効率などの点から作りにくい場合には、所望の厚さにするのに、図1に示したように2層又はそれ以上に分けて用いてもよい。2層以上に分けた場合には層間は後述する縫合で一体化されるが、水の透過性をあまり阻害しない範囲で、必要に応じて層間を予め接着しておいてもよい。ケナフはアオイ科ハイビスカス属の熱帯性1年草植物で成長が早く、半年で高さ3〜4m、茎の太さは3〜4cmに成長するので、原料として伐採しても森林破壊などを起こすおそれも少なく、安価に入手でき、近年、パルプなどの原料として注目されている植物である。ケナフボードは、断熱効果と防音効果に優れ、保水性に優れている。また、軽量である。しかも、天然植物原料からなるので、植物育成用の床材料としても好ましい。
本考案では、このケナフボード1の下に、(b)の熱可塑性樹脂ネット状物2が積層される。
熱可塑性樹脂ネット状物2は、特に限定するものではないが、ケナフボード1に水が供給された場合に、ケナフボード1に含まれる水の量が多すぎる場合に水を逃がして、ケナフボード1に含まれる水の量を調整する機能を有する。
熱可塑性樹脂ネット状物2の熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、又は、ポリ塩化ビニルなどが好ましく用いられ、特にポリエチレンが好ましい。熱可塑性樹脂ネット状物2は、網目の揃ったネットである必要はなく、網目はランダムでもよい。より具体的には、例えば、太さ1.5〜2mm程度の前記熱可塑性樹脂のストランド(棒状物)をランダムに所望の大きさの空間にループなどを形成しながら押し込んで、ストランドの交点を熱接着するなどして凹凸のあるネット状の層としたものが、比較的安価で好ましい。熱可塑性樹脂ネット状物2の厚さは特に限定するものではないが、5〜12mm程度が好ましい。
本考案の緑化用植生マットは、上述の熱可塑性樹脂ネット状物2の下に、更に、(c)の熱接着可能な熱可塑性樹脂でケナフ繊維を熱接着して得られるケナフボード3が積層される。このケナフボード3は、上記ケナフボード1、熱可塑性樹脂ネット状物2と一体になって、水の量を調整する機能を有する。熱可塑性樹脂ネット状物2のみでは、保水能力がなくあまりに早く水が下層に抜けすぎるのを調整するための層である。従って、ケナフボード3の厚さはケナフボード1の厚さより薄くてよい。ケナフボード3の厚さは特に限定するものではないが、4〜12mm程度が好ましい。また、特に限定するものではないが、ケナフボード3は、ケナフボード1で説明したと同じ方法、同じ原料割合で製造できる。植物を土壌で栽培する場合に、通気性、水はけがほど良く、水もち、肥料もちがよく、従って、保水性と透水性のバランスがほどよくとれる様に、細かい土のみでなく、赤玉土、鹿沼土、バーミキュライトなどのより大き目の粒状物の層を設けて栽培することが行われているが、ケナフボード1/熱可塑性樹脂ネット状物2/ケナフボード3の層は一体となって、あたかも、上記のような土壌栽培の機能と類似の機能を発揮させようとするものである。
次に、本考案では、このケナフボード3の下に、(d)の吸水性シート4が積層される。吸水性シート4としては、紙に吸水性樹脂粒子又は粉末を保持させた吸水性シートが好ましい。吸水性樹脂粒子又は粉末としては、紙おむつや失禁パッド、生理用ナプキンなどに使用されている公知の吸水性樹脂粒子又は粉末を用いることができる。代表的な例としては、ポリアクリル酸並びにその部分アルカリ金属塩の架橋重合体などである。紙も吸水性がある紙であれば特に限定されず、コストを安くするために再生紙なども好適に用いられる。紙は砕いて使用してもよい。紙を砕いて使用して、その上下の層で挟まれて保持できる。この層は、水分を保持するための層であり、上層の水分が少なくなった場合でも、植物の根のうち、この層に届いている植物の根に水が供給されることになり、水もち、肥料もちを良くするための層であり、水分の供給をそれほど頻繁に行わなくても、比較的長時間保水できる機能を果たす。紙と吸水性樹脂粒子又は粉末の使用割合は、紙が70〜80重量%、吸水性樹脂粒子又は粉末が30〜20重量%の範囲が好ましい。この範囲が、適度の保水性を保ちながら、あまりに保水量が大きくなりすぎて、重量が大きくなり、屋上や陸屋根、ベランダ、テラスなどの施工対象物にかかる荷重負荷が大きくなりすぎることがなく好ましい。吸水性シート4の厚さは特に限定するものではないが、2〜6mm程度が好ましい。
次に、本考案では、この吸水性シート4の下に、(e)の紙/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シート(e1)、又は、紙/合成繊維織物/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シート(e2)であって、紙を上層側にしたシートを積層する。何れも、紙が積層されている側が上側になるようにして用いる。積層シート(e2)の場合の合成繊維織物としては、ポリプロピレン繊維織物が好ましく用いられる。また、特に限定するものではないが、通常、(e1)のシートは、紙にポリプロピレン又はポリエチレンフィルムを直接ラミネートしたものが好ましく使用される。また、(e2)のシートにおいては、紙/合成繊維織物間は適宜の接着剤(熱溶融型接着剤を含む)で接着して積層する。合成繊維織物としてポリプロピレン繊維織物が好ましく用いられるが、ポリプロピレン繊維織物を用いた場合には、ポリプロピレンフィルムが熱溶融型接着剤として好適に用いられる。また(e2)のシートにおいて合成繊維織物/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルム間の接着は特に限定するものではないが、合成繊維織物にポリプロピレン又はポリエチレンフィルムを直接ラミネートしたものが好ましく使用される。
特に限定するものではないが、(e1)で説明した紙/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムのラミネートを用いる場合には、紙40〜50重量%、ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムが60〜50重量%の割合で用いるのが好ましい。(e1)で説明した紙/合成繊維織物/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シートを用いる場合には、特に限定するものではないが、合成繊維織物が44〜55重量%、紙40〜50重量%、ポリプロピレン又はポリエチレンフィルム5〜6重量%の割合で用いるのが好ましい。
この層の厚みも特に限定するものではないが、1〜2mm程度が好ましい。この層の機能は、ポリプロピレン又はポリエチレンフィルム自体は水を通さないが、後述する様に、緑化用植生マットの積層は、全層を貫通する糸(縫合糸7)で縫合することによって各層を結合している。そのため、水は糸で縫合した穴から少しずつ流れ出る。(e1)、(e2)の何れの積層シートにおいても、紙がポリプロピレン又はポリエチレンフィルムの上側に存在するので、紙に水分を含ませた状態で水は少しずつ流れることになるので保水性を発揮するための一つの層の役割を果たす。
次に、本考案では、この紙/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シート、又は、紙/合成繊維織物/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シート5の下に、最下層として、(f)の熱可塑性樹脂ネット状物6が積層される。(f)の熱可塑性樹脂ネット状物6の材料や形状は、上述した(b)の熱可塑性樹脂ネット状物2と同じ物を用いることができる。
ただ、この層の厚さは、上述した(b)の熱可塑性樹脂ネット状物2よりも厚いことが好ましく、15〜40mm程度が好ましい。特に30mm以上の厚いものが好ましい。
この層は、(e)の紙/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シート、又は、紙/合成繊維織物/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シート5で水の流れをほぼ遮断し、水の流れは糸で縫合した穴から少しずつ流れ出る程度なので(f)の熱可塑性樹脂ネット状物6の層は空気を十分に保持できる空気層としての役割を果たす。植物は、生きるため、前述したように、根が石、岩、コンクリートなども、根の先から(根腐れなどで)溶かしてしまう成分を出すため、通常、屋上や屋根、ベランダ、テラスのコンクリートなどの表層を構成する部材もひび割れるという問題が生じるのが建築物の屋上や屋根などの緑化の問題とされてきた。本考案は、空気が根に当たると、根の成長が止まるということを見出し、これを利用して、最下層に、熱可塑性樹脂ネット状物6の層を設けることにより、十分な空気層を作り出し、施工対象物のコンクリート層などを保護できる機能を発揮させたものである。
尚、本考案の緑化用植生マット全体の厚さは、35〜90mmの範囲のものが好ましい。施工場所に応じて、厚みは適宜選定すればよく、各層の厚さも、施工場所に応じて適宜選択すればよい。
また、上記で説明した各層は、上記(a)から(f)の順に重ねられて、全層を貫通する糸(縫合糸)7で縫合されて、本考案の緑化用植生マットとされる。
縫合糸7と隣の縫合糸7との間隔は特に限定するものではないが、5から10cm程度のピッチが好ましい。縫合糸7の素材は適宜の強度を有するものであれば特に限定されないが、ビニロン糸、ナイロン糸、ポリエステル糸など、合成繊維から成る糸が強度、耐久性などの点から好ましい。
尚、本考案の緑化用植生マットは、連続した長さのマットとしてもよいが、適宜の大きさにカットされたユニット(例えば、一辺が100cm〜60cm程度の四角形状など)を、屋上その他の施工対象物上に載せることで施工することも出来る。通常の屋上や陸屋根、ベランダ、テラスなどであれば、本考案の緑化用植生マットの施工はそれらの施工対象物の上に並べ、置くだけでよく、軽量であるし、施工が簡単で、屋上、屋根、その他の施工対象物の補強工事なども必要としない。
以上、上記図1に示した、本考案の緑化用植生マットは、通気性、水はけがほど良く、水もち、肥料もちがよく、従って、保水性と透水性のバランスがほどよくとれており、水分の供給をそれほど頻繁に行わなくても、比較的長時間保水でき、降雨の多い場合は、水分の排出もほどよくなされ、軽くて屋上や屋根、その他の施工対象物にかかる荷重負荷が少なくて済み、風で逸散するなどの問題がなく、完成品を屋上や屋根、その他の施工対象物上に持っていって、設置するのみでよく施工が容易で、植物の根による屋上を構成するコンクリートなどや、その他、陸屋根、ベランダ、テラスなどの表層部からの植物の根による破壊が防止され、太陽熱による建物内部温度の上昇はもとより、太陽熱で高温になったコンクリート等からの放熱に伴うヒートアイランド現象を防止するのに有効な緑化用植生マットを提供できる。
次に、図2に本考案の緑化用植生マットの別の一実施の形態例の斜視図を示した。
図2に示された、本考案の緑化用植生マットは、(a)のケナフボード1が2層のケナフボードからなり、前記2層のケナフボード1、1の間に、遠赤外線を放射する鉱物の粉末又は粒状物10が散布されている点が、図1に示した態様と異なり、その他の点は、図1に示した態様と同一であるので、同一部分には同じ符号を付して、重複説明を省略している。
遠赤外線を放射する鉱物(遠赤鉱物)の粉末又は粒状物としては、遠赤外線を放射する鉱物であれば特に限定されないが、具体的には、例えばジャスパー鉱石(日本名:碧石)などが好適に用いられる。遠赤外線は、水・空気などもクラスターを分解し、小さくするため、植物にとって非常によい環境を作り、植物の生育に好適である。このような遠赤外線を育成波と言うが、ジャスパー鉱石の場合には、育成波として、波長4〜14μmの遠赤外線を放射しているので、植物の成長によい環境を保つ働きがあり、好ましい。ジャスパー鉱石に限らず、遠赤外線の育成波を発している鉱物であれば他の鉱物でもよい。
次に、図示していないが、更に別の好ましい態様の一つとして、図1や図2の(e)の紙/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シート、又は、紙/合成繊維織物/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シート5のポリプロピレン又はポリエチレンフィルムの代わりに、炭及び/又は活性炭の粉末を含有するポリプロピレンテープ状ヤーン織物を用いてもよい。この場合、炭及び/又は活性炭の粉末を含有するポリプロピレンテープ状ヤーン織物は、紙表面にラミネートするのではなく、単に重ねて、前述した様に、縫合糸7で他の層とともに縫合される。
この様に、炭及び/又は活性炭の粉末を含有するポリプロピレンテープ状ヤーン織物を用いることにより、消臭機能が発揮され、緑化用植生マットが臭くなるのを防止し、ダイオキシンなどの有害ガスを吸着したりする機能が発揮され好ましい。
炭及び/又は活性炭の粉末の量と、ポリプロピレンテープ状ヤーン織物を構成するポリプロピレンとの使用割合は、特に限定するものではないが、炭及び/又は活性炭の粉末の量は、多いほど上記機能が発揮され好ましい。炭及び/又は活性炭の粉末の量がポリプロピレンに対し10〜70重量%の割合が用いられるが、強度の面からは、炭及び/又は活性炭の粉末の量がポリプロピレンに対し10〜40重量%の割合が好ましい。
本考案の緑化用植生マット上で植物を育成するには、ケナフボード1の側に植物(具体的には、芝、龍のヒゲなどの丈が低く横に成長する植物が好ましいが)を植えつけるか、種をまくことにより、植物を育成する。もちろん、肥料や水は、適宜、必要に応じて供給する。
以上、考案を実施するための最良の形態例を挙げて本考案の緑化用植生マットについて説明したが、本考案は、これのみに限定されるものではなく、本考案の範囲内で、他の態様とすることが出来る。
本考案は、通気性、水はけがほど良く、水もち、肥料もちがよく、従って、保水性と透水性のバランスがほどよくとれており、水分の供給をそれほど頻繁に行わなくても、比較的長時間保水でき、降雨の多い場合は、水分の排出もほどよくなされ、軽くて屋上や屋根など、その他の施工対象物にかかる荷重負荷が少なくて済み、風で逸散するなどの問題がなく、施工が容易で、植物の根による屋上を構成するコンクリートなどやその他の施工対象物の表層からの破壊が防止され、太陽熱による建物内部温度の上昇や太陽熱で高温になったコンクリートからの放熱に伴うヒートアイランド現象を防止するのに有効な緑化用植生マットを提供できる。従って、本考案の緑化用植生マットは、屋上、陸屋根、ベランダ、テラスなどの緑化用植生マットとしてきわめて有用である。
本考案の緑化用植生マットの一実施の形態例の斜視図。 本考案の緑化用植生マットの別の一実施の形態例の斜視図。
符号の説明
1 ケナフボード
2 熱可塑性樹脂ネット状物
3 ケナフボード
4 吸水性シート
5 紙/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シート、又は、紙/合成繊維織物/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シート
6 熱可塑性樹脂ネット状物
7 縫合糸
10 遠赤外線を放射する鉱物の粉末又は粒状物

Claims (9)

  1. (a)熱接着可能な熱可塑性樹脂でケナフ繊維を熱接着して得られるケナフボード、
    (b)熱可塑性樹脂ネット状物、
    (c)熱接着可能な熱可塑性樹脂でケナフ繊維を熱接着して得られるケナフボード、
    (d)吸水性シート、
    (e)紙/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シート、又は、紙/合成繊維織物/ポリプロピレン又はポリエチレンフィルムからなる積層シートであって、紙を上層側にしたシート、
    (f)熱可塑性樹脂ネット状物、
    がこの順に積層され、全層を貫通する糸で縫合することによって積層されてなる緑化用植生マット。
  2. (d)の吸水性シートが、紙に吸水性樹脂粒子又は粉末を保持させた吸水性シートである請求項1に記載の緑化用植生マット。
  3. (a)のケナフボードが2層のケナフボードからなり、前記2層のケナフボードの間に、遠赤外線を放射する鉱物の粉末又は粒状物が散布されている請求項1又は2のいずれかに記載の緑化用植生マット。
  4. (e)のポリプロピレン又はポリエチレンフィルムに代えて、炭及び/又は活性炭の粉末を含有するポリプロピレンテープ状ヤーン織物が積層されている請求項1〜3のいずれかに記載の緑化用植生マット。
  5. 炭及び/又は活性炭の粉末の含有量が、炭及び/又は活性炭の粉末を含有するポリプロピレンテープ状ヤーン織物の、10〜40重量%である請求項4に記載の緑化用植生マット。
  6. (a)の熱接着可能な熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン繊維又はポリエチレン繊維からなる請求項1〜5のいずれかに記載の緑化用植生マット。
  7. (b)ならびに(f)の熱可塑性樹脂ネット状物が、ポリエチレン、ポリプロピレン、又は、ポリ塩化ビニルからなるネット状物である請求項1〜6のいずれかに記載の緑化用植生マット。
  8. (f)の熱可塑性樹脂ネット状物の厚さが15mm〜40mmである請求項1〜7のいずれかに記載の緑化用植生マット。
  9. 緑化用植生マット全体の厚さが、35〜90mmである請求項1〜8のいずれかに記載の緑化用植生マット。
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