JP3128306B2 - 超音波振動板 - Google Patents
超音波振動板Info
- Publication number
- JP3128306B2 JP3128306B2 JP03354015A JP35401591A JP3128306B2 JP 3128306 B2 JP3128306 B2 JP 3128306B2 JP 03354015 A JP03354015 A JP 03354015A JP 35401591 A JP35401591 A JP 35401591A JP 3128306 B2 JP3128306 B2 JP 3128306B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ultrasonic
- layer
- vibration plate
- ultrasonic vibration
- titanium nitride
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- Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)
- Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は超音波洗浄機や、超音波
照射機、超音波送受波器などに使用して液中に振動を伝
達する超音波振動板に関するものである。
照射機、超音波送受波器などに使用して液中に振動を伝
達する超音波振動板に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来の超音波洗浄機や、超音波照射機、
超音波送受波器等の動力源には、超音波を発生させる超
音波振動板が設けられている。そして、この種の超音波
振動板においては、ステンレス、チタン、タンタル等の
金属や、ポリ塩化ビニールやポリフッ化ビニリデン等の
樹脂が用いられている。しかし、前記のような超音波振
動板にステンレスを用いた場合、ステンレスは振動や流
れによって発生するエロージョンによる浸食に対して弱
いという欠点があった。この為、ステンレスの場合に
は、表面にハードクロム鍍金等を行い、二層構造にする
場合があった。ちなみに、表面にコーティングする金属
は、硬いほど、エロージョンが発生しにくいことは周知
の通りである。 しかし、硬度４００ＨＲＣのステンレス
の上に硬度２０００ＨＲＣの酸化チタンをコーティング
した場合、静止物なら問題なくコーティングの状態をそ
のまま保持しつづけるが、超音波振動を加えると、いと
も簡単に両者は剥離してしまうので、到底実用には供し
得なかった。又、ポリ塩化ビニールやポリフッ化ビニリ
デン等の樹脂も振動や熱に対する耐久力が弱かった。
又、樹脂だからといって、全ての薬品に対する耐薬品性
を有するものではなかった。
超音波送受波器等の動力源には、超音波を発生させる超
音波振動板が設けられている。そして、この種の超音波
振動板においては、ステンレス、チタン、タンタル等の
金属や、ポリ塩化ビニールやポリフッ化ビニリデン等の
樹脂が用いられている。しかし、前記のような超音波振
動板にステンレスを用いた場合、ステンレスは振動や流
れによって発生するエロージョンによる浸食に対して弱
いという欠点があった。この為、ステンレスの場合に
は、表面にハードクロム鍍金等を行い、二層構造にする
場合があった。ちなみに、表面にコーティングする金属
は、硬いほど、エロージョンが発生しにくいことは周知
の通りである。 しかし、硬度４００ＨＲＣのステンレス
の上に硬度２０００ＨＲＣの酸化チタンをコーティング
した場合、静止物なら問題なくコーティングの状態をそ
のまま保持しつづけるが、超音波振動を加えると、いと
も簡単に両者は剥離してしまうので、到底実用には供し
得なかった。又、ポリ塩化ビニールやポリフッ化ビニリ
デン等の樹脂も振動や熱に対する耐久力が弱かった。
又、樹脂だからといって、全ての薬品に対する耐薬品性
を有するものではなかった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】この様に、従来技術に
おいては超音波振動板の金属母材表面にコーティングし
た高硬度金属物質は剥離しやすく、耐久力に欠け、しか
も浸食や溶解による金属粉、即ち塵の発生も避けられ
ず、この塵の発生によって処理対象製品の歩留率も低下
してしまうことから精密洗浄分野には使用できない欠点
もあった。そこで、本発明においては、超音波振動板の
表面に形成されている高硬度金属物質が剥離しにくく、
耐エロージョンや耐食性にすぐれ、浸食や溶解等による
塵の発生もなく、しかも音響的にもすぐれた超音波振動
板を提供するのが目的である。
おいては超音波振動板の金属母材表面にコーティングし
た高硬度金属物質は剥離しやすく、耐久力に欠け、しか
も浸食や溶解による金属粉、即ち塵の発生も避けられ
ず、この塵の発生によって処理対象製品の歩留率も低下
してしまうことから精密洗浄分野には使用できない欠点
もあった。そこで、本発明においては、超音波振動板の
表面に形成されている高硬度金属物質が剥離しにくく、
耐エロージョンや耐食性にすぐれ、浸食や溶解等による
塵の発生もなく、しかも音響的にもすぐれた超音波振動
板を提供するのが目的である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は一方の面に超音
波振動子を固定した金属母材の反対側の面にハードクロ
ム層を鍍金し、このハードクロム層の表面にヘアークラ
ックを形成し、ヘアークラック内にその一部を侵入させ
るようにチタニウムナイトライド層をその上にコーティ
ングして超音波振動板を構成することにより、上記課題
を解決せんとするものである。
波振動子を固定した金属母材の反対側の面にハードクロ
ム層を鍍金し、このハードクロム層の表面にヘアークラ
ックを形成し、ヘアークラック内にその一部を侵入させ
るようにチタニウムナイトライド層をその上にコーティ
ングして超音波振動板を構成することにより、上記課題
を解決せんとするものである。
【０００６】
【作用】本発明は前記のように構成したもので、金属母
材、ハードクロム層、チタニウムナイトライド層の３層
構造になっており、しかも、ハードクロム層の表面には
ヘアークラックを設けてチタニウムナイトライド層の一
部をこれに侵入させているので、ヘアークラック内にチ
タニウムナイトライドがくさび状に打ち込まれたことに
なり、サンドイッチされた各金属物質間には残留応力は
生ぜず、ハードクロム層とチタニウムナイトライド層は
強固に接合されることになる。洗浄液に直接接するチタ
ニウムナイトライド層は耐熱性や耐食性にすぐれ、化学
薬品に対しても、耐久力が極めて強く、音響損失もなく
振動を効率的に伝達する。
材、ハードクロム層、チタニウムナイトライド層の３層
構造になっており、しかも、ハードクロム層の表面には
ヘアークラックを設けてチタニウムナイトライド層の一
部をこれに侵入させているので、ヘアークラック内にチ
タニウムナイトライドがくさび状に打ち込まれたことに
なり、サンドイッチされた各金属物質間には残留応力は
生ぜず、ハードクロム層とチタニウムナイトライド層は
強固に接合されることになる。洗浄液に直接接するチタ
ニウムナイトライド層は耐熱性や耐食性にすぐれ、化学
薬品に対しても、耐久力が極めて強く、音響損失もなく
振動を効率的に伝達する。
【０００７】
【実施例】本発明の一実施例を図１に基いて詳細に説明
する。ステンレスで構成した金属母材１の表面にハード
クロム層２を鍍金で形成し、その上にチタニウムナイト
ライド層３をコーティングして超音波振動板４を形成す
る。ハードクロム層２の表面には図２に示す様に、微細
なほぼ亀甲状をなしたヘアークラック８が形成されてお
り、チタニウムナイトライド層３の一部はこのヘアーク
ラック８内に侵入している。そして、金属母材１の裏面
側には超音波振動子５を固定し、超音波発振器６に接続
し、チタニウムナイトライド層３を洗浄液７に接触させ
るようになっている。
する。ステンレスで構成した金属母材１の表面にハード
クロム層２を鍍金で形成し、その上にチタニウムナイト
ライド層３をコーティングして超音波振動板４を形成す
る。ハードクロム層２の表面には図２に示す様に、微細
なほぼ亀甲状をなしたヘアークラック８が形成されてお
り、チタニウムナイトライド層３の一部はこのヘアーク
ラック８内に侵入している。そして、金属母材１の裏面
側には超音波振動子５を固定し、超音波発振器６に接続
し、チタニウムナイトライド層３を洗浄液７に接触させ
るようになっている。
【０００８】尚、製造に際しては、金属母材１の表面に
ハードクロム層２を鍍金するのは従来公知の手段を用い
るが、ハードクロム層２の表面へのヘアークラック８の
形成は薬液処理によって行うことができる。 ハードクロ
ム層２の表面へのチタニウムナイトライド層３のコーテ
ィングは、物理蒸着法や化学蒸着法を用いる。ヘアーク
ラック８の深さは金属母材１とハードクロム層２との合
計厚さの１／５位となる。
ハードクロム層２を鍍金するのは従来公知の手段を用い
るが、ハードクロム層２の表面へのヘアークラック８の
形成は薬液処理によって行うことができる。 ハードクロ
ム層２の表面へのチタニウムナイトライド層３のコーテ
ィングは、物理蒸着法や化学蒸着法を用いる。ヘアーク
ラック８の深さは金属母材１とハードクロム層２との合
計厚さの１／５位となる。
【０００９】本発明の実施例は前記のように構成したも
ので、超音波発振器６からの信号を超音波振動子５に送
り、電気−機械振動変換して、超音波振動板４に伝達さ
れる。超音波振動板４は洗浄液７に対して、機械振動−
音響変換して出力し、洗浄液７に音響として放射され、
キャビテーションや直進流、衝撃力を発生して洗浄作業
を行う。
ので、超音波発振器６からの信号を超音波振動子５に送
り、電気−機械振動変換して、超音波振動板４に伝達さ
れる。超音波振動板４は洗浄液７に対して、機械振動−
音響変換して出力し、洗浄液７に音響として放射され、
キャビテーションや直進流、衝撃力を発生して洗浄作業
を行う。
【００１０】尚、ヘアークラック８は亀甲状で互いに隔
離されているので、曲げ応力や内部応力などの残留応力
が、極めて小さい。一方、チタニウムナイトライド層の
一部がその中に侵入することにより付着力は増強されて
おり、高い耐食性と耐エロージョン性を有し、３層構造
でも音響インピーダンスがほとんど変わらず、音響的な
損失もないというすぐれた特性を有している。本実施例
の耐食性は図３からも明らかなように非常にすぐれてい
る。
離されているので、曲げ応力や内部応力などの残留応力
が、極めて小さい。一方、チタニウムナイトライド層の
一部がその中に侵入することにより付着力は増強されて
おり、高い耐食性と耐エロージョン性を有し、３層構造
でも音響インピーダンスがほとんど変わらず、音響的な
損失もないというすぐれた特性を有している。本実施例
の耐食性は図３からも明らかなように非常にすぐれてい
る。
【００１１】
【発明の効果】本発明は前記のような構成、作用を有す
るから、超音波振動の印加によるコーティング層の剥離
がおこりにくく、常に安定して能率良く液中に音響放射
を行うことができる。その結果、耐エロージョン、薬品
等に対するの耐久性を強化でき、超音波洗浄機や、超音
波照射機や超音波送受波器などに応用することができ
る。
るから、超音波振動の印加によるコーティング層の剥離
がおこりにくく、常に安定して能率良く液中に音響放射
を行うことができる。その結果、耐エロージョン、薬品
等に対するの耐久性を強化でき、超音波洗浄機や、超音
波照射機や超音波送受波器などに応用することができ
る。
【００１２】
【図１】本発明に係る超音波振動板の一実施例を示す断
面図。
面図。
【図２】その拡大断面図。
【図３】耐食性を示す説明図。
１ 金属母材 ２ ハードクロム層 ３ チタニウムナイトライド層 ４ 超音波振動板 ５ 超音波振動子 ６ 超音波発振器 ７ 洗浄液 ８ ヘアークラック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−43378（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−139696（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−283258（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−6514（ＪＰ，Ａ) 特開 昭51−90936（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−234250（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−177635（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B06B 3/00
Claims (1)
- 【請求項１】 一方の面に超音波振動子を固定した金
属母材の反対側の面にハードクロム層を鍍金し、このハ
ードクロム層の表面にヘアークラックを形成し、ヘアー
クラック内にその一部を侵入させるようにチタニウムナ
イトライド層をその上にコーティングしたことを特徴と
する３層構造よりなる超音波振動板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03354015A JP3128306B2 (ja) | 1991-12-19 | 1991-12-19 | 超音波振動板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03354015A JP3128306B2 (ja) | 1991-12-19 | 1991-12-19 | 超音波振動板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05169027A JPH05169027A (ja) | 1993-07-09 |
| JP3128306B2 true JP3128306B2 (ja) | 2001-01-29 |
Family
ID=18434741
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03354015A Expired - Lifetime JP3128306B2 (ja) | 1991-12-19 | 1991-12-19 | 超音波振動板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3128306B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014091025A (ja) * | 2012-10-31 | 2014-05-19 | Jet's Co Ltd | アクセサリー用の玉、及びこれを用いたアクセサリー |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5098701B2 (ja) * | 2008-03-04 | 2012-12-12 | パナソニック株式会社 | 食器洗い機 |
-
1991
- 1991-12-19 JP JP03354015A patent/JP3128306B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014091025A (ja) * | 2012-10-31 | 2014-05-19 | Jet's Co Ltd | アクセサリー用の玉、及びこれを用いたアクセサリー |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05169027A (ja) | 1993-07-09 |
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