JP3127537U - アクリル系人造石 - Google Patents

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Abstract

【課題】安山岩様の意匠性を有するアクリル系人造石を提供する。
【解決手段】アクリル系樹脂(A)、無機充填剤(B)、およびアクリル系樹脂粒子(C)を含有するアクリル系樹脂組成物を重合硬化してなるアクリル系人造石であって、アクリル系樹脂(A)が、メタクリル酸メチル単位80質量%以上からなり、アクリル系樹脂粒子(C)が、アクリル系樹脂(D)と無機充填剤(E)とからなる組成物の重合硬化物を破砕して得られたものであり、アクリル系樹脂粒子(C)が、粒径0.5mm未満の粒子、および粒径15mmを超える粒子を含有せず、粒径5mm以上15mm以下の粒子を含有し、アクリル系樹脂組成物が、アクリル系樹脂(A)40〜70質量%、および無機充填剤(B)60〜30質量%からなる混合物100質量部に対し、アクリル系樹脂粒子(C)5〜30質量部を含有する。
【選択図】図1

Description

本考案は、アクリル系人造石に関するものであり、より詳しくは、天然の安山岩様の意匠装飾性を有するアクリル系人造石に関するものである。
従来、人工大理石を中心とする様様な人造石群は、天然の大理石と花崗岩が表現している外観や節理を模倣しようと意図したものであった。これは、大理石や花崗岩が古くよりその外観や節理を装飾用途に使用されてきた歴史的経緯の故である。しかしながら、近年、人工大理石市場においては顧客の人工大理石に対する意匠上のニーズも多様化してきており、従来であれば顧客に受け入れ難いと考えられていた意匠の商品についても、実際には受け入れられ得る状況となっている。むしろ市場においては、従来表現されたことのない新規な意匠表現が一部期待されつつある。
深成岩の一種である花崗岩様の意匠を有するアクリル系人造石は、耐熱性、耐汚染性及び強度等に優れていることから、キッチン天板や各種カウンタートップ、洗面化粧台、シャワートレー、防水パン、床材、壁材、間仕切り板等の装飾に使用されているが、その一方でアクリル系人造石の意匠ニーズの多様化も進んでいる(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許第3192955号 特許第2888632号
ところで、前記大理石及び花崗岩以外にも装飾用途に用いられてきた天然石は幾つか存在する。そのひとつとして安山岩が挙げられる。特に、斑晶と石基とが明瞭に識別し得る輝石安山岩は、意匠装飾性が高いとされている。この輝石安山岩は一様な石基の中に斜長石や輝石の斑晶が貫入し、全体として斑状の模様をその表面に呈した状態となっており、花崗岩や大理石とは異なる印象を与える天然の意匠素材となっている。
しかしながら、火山岩の一種である安山岩は、その表面の独特の斑状組織ゆえに意匠性が高いと評価されながらも、従来、アクリル系人造石による再現の試みはなされていなかった。その理由として、斑状組織の再現に不可欠な模様材が有する特徴次第では、アクリル系人造石の要求物性が満たされないことが考えられる。
そこで、本考案はアクリル系人造石としての要求物性を満たし、且つ、天然の安山岩様の意匠性を有するようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本考案はこの課題を解決することを目的とする。
本考案者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のアクリル系樹脂とアクリル系樹脂粒子とを含有するアクリル系樹脂組成物を重合硬化してなるアクリル系人造石によって上記の問題が解決されることを見出し、本考案を完成するに至った。
すなわち、本考案は上記目的を達成するために提案されたものであり、
(1)アクリル系樹脂(A)、無機充填剤(B)、およびアクリル系樹脂粒子(C)を含有するアクリル系樹脂組成物を重合硬化してなるアクリル系人造石であって、以下の要件(イ)〜(ニ):
要件(イ) 前記アクリル系樹脂(A)が、メタクリル酸メチル単位80質量%以上からなること;
要件(ロ) 前記アクリル系樹脂粒子(C)が、アクリル系樹脂(D)と
無機充填剤(E)とからなる組成物の重合硬化物を破砕して得られたものであること;
要件(ハ) 前記アクリル系樹脂粒子(C)が、粒径0.5mm未満の粒子、および粒径15mmを超える粒子を含有せず、且つ、粒径5mm以上15mm以下の粒子を含有すること;および
要件(ニ) 前記アクリル系樹脂組成物が、アクリル系樹脂(A)40〜70質量%、および無機充填剤(B)60〜30質量%からなる混合物100質量部に対し、アクリル系樹脂粒子(C)5〜30質量部を含有すること;
を満足するアクリル系人造石を提供する。
この構成によれば、アクリル系人造石の要求物性及び安山岩様の意匠性が確保される。特に、要件(イ)により、アクリル系人造石に要求された高い耐候性や高級感が得られ、又、要件(ロ)により、安山岩様の意匠装飾性が再現される。更に、要件(ハ)及び(ニ)により、アクリル系人造石に要求された機械的特性や生産性が保持される。
本考案は、特定のアクリル系樹脂とアクリル系樹脂粒子とを含有するアクリル系樹脂組成物が上記要件(イ)〜(ニ)を充足することにより、アクリル系人造石としての要求物性を保持しつつ安山岩様の意匠性を有するアクリル系人造石を提供することができる。
本考案は、アクリル系人造石としての要求物性を満たし、且つ、安山岩様の意匠性を有するという目的を、下記の要件(イ)〜(ニ)、即ち、
要件(イ) 前記アクリル系樹脂(A)が、メタクリル酸メチル単位80質量%以上からなること;
要件(ロ) 前記アクリル系樹脂粒子(C)が、アクリル系樹脂(D)と無機充填剤(E)とからなる組成物の重合硬化物を破砕して得られたものであること;
要件(ハ) 前記アクリル系樹脂粒子(C)が、粒径0.5mm未満の粒子、および粒径15mmを超える粒子を含有せず、且つ、粒径5mm以上15mm以下の粒子を含有すること;および
要件(ニ) 前記アクリル系樹脂組成物が、アクリル系樹脂(A)40〜70質量%、および無機充填剤(B)60〜30質量%からなる混合物100質量部に対し、アクリル系樹脂粒子(C)5〜30質量部を含有することにより達成した。
本考案者らは、人造石の意匠を表現する樹脂破砕物の粒径を特定範囲の組み合わせとすることにより、装飾用途に適した輝石安山岩の外観を人造石にて表現し得ることを見出した。以下、本考案の好適な具体的実施の形態を説明するが、本考案は以下の実施の形態に限定されるものではない。
本考案で用いるアクリル系樹脂組成物は、アクリル系樹脂(A)、無機充填剤(B)、およびアクリル系樹脂粒子(C)を含有するものである。
本考案で用いるアクリル系樹脂(A)は、要件(イ)として、メタクリル酸メチル単位が80質量%以上であることが必要であるが、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。なお、メタクリル酸メチル単位が80質量%未満であると、得られるアクリル系人造石の耐候性や高級感が損なわれるため好ましくない。
また、本考案で用いるアクリル系樹脂(A)には、本考案の上記効果を損なわない範囲内において、得られるアクリル系人造石の要求物性等を向上させるために、メタクリル酸メチルと共重合可能な他の単官能性不飽和単量体や多官能性単量体を20質量%以下の割合で共重合させることができる。
上記メタクリル酸メチルと共重合可能な他の単官能性不飽和単量体の例としては、1分子中の炭素原子数が2〜18の一価アルコールまたは一価フェノールとアクリル酸または(メタ)アクリル酸とのエステル、一分子中の炭素原子数が2〜4のアルコールとアクリル酸または(メタ)アクリル酸とのモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、スチレン、α―メチルスチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、弗化ビニリデン、エチレン、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、ブタジエン、グリシジルメタクリレートなどを挙げることができ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができ、又、目的や用途に応じて適宜選択することができる。
上記で、メタクリル酸メチルと共重合可能な他の多官能性単量体の例としては、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリールフタレート、ジアリールマレート、ジビニルアジペート、アリールアクリレート、アリールメタクリレート、トリアリールシアヌレート、トリアリールイソシアヌレートのように、アクリル酸および/またはメタクリル酸とエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、テトラメチロールメタン、ジメチロールエタン、トリメチロールエタン、ジメチロールプロパン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多官能不飽和単量体との多価エステル、ジビニルベンゼン、トリアリールイソシアヌレートなどの多官能性不飽和単量体などを挙げることができ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができ、又、目的や用途に応じて適宜選択することができる。
本考案で用いる無機充填剤(B)は、アクリル系樹脂組成物の重合硬化を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、アルミン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、シリカ、タルク、クレー等から選ばれる一種または二種以上を使用することができ、得られるアクリル系人造石に高級感を付与する観点から水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカが好ましく、水酸化アルミニウムが特に好ましい。
本考案で用いる無機充填剤(B)の平均粒子径は、本考案の効果を損なうものでなければ特に限定されないが、5〜100μmの範囲内であることが好ましい。なお、本明細書における平均粒子径は算術平均粒子径を意味する。
本考案で用いるアクリル系樹脂粒子(C)は、次の要件(ロ)及び(ハ)を満足することが必要である。即ち、
要件(ロ)として、アクリル系樹脂(D)と無機充填剤(E)とからなる組成物の重合硬化物を破砕して得られたものであること;および
要件(ハ)として、粒径0.5mm未満の粒子、および粒径15mmを超える粒子を含
有せず、且つ、粒径5mm以上15mm以下の粒子を含有すること;
を満足することが必要である。以下に各要件(ロ)、(ハ)ごとに説明する。
要件(ロ)は、得られるアクリル系人造石に均一な物性を付与するために必要な条件である。
アクリル系樹脂粒子(C)は、アクリル系樹脂(D)と無機充填剤(E)とからなる組成物を重合硬化した後、これを破砕することによって得ることができる。
本考案で用いるアクリル系樹脂(D)の種類は、本考案の効果を損なわず、上記したアクリル系樹脂(A)に準ずるものであれば特に制限はなく、アクリル系樹脂(A)と同種であっても異種であってもよい。
同様に、本考案で用いる無機充填剤(E)の種類は、本考案の上記効果を損なわず、上記した無機充填剤(B)に準ずるものであれば特に制限はなく、無機充填剤(B)と同種であっても異種であってもよい。
本考案で用いるアクリル系樹脂粒子(C)の比重は特に制限はないが、アクリル系樹脂(A)および無機充填剤(B)からなる混合物中において、該アクリル系樹脂粒子(C)の偏在を防止して得られるアクリル系人造石の安山岩様の意匠性を再現させる観点からは、該混合物を重合硬化して得られるアクリル系人造石のマトリクス部分の比重との差が0.2以下であることが好ましく、0.15以下がより好ましく、0.10以下がさらに好ましい。
なお、本考案で用いる無機充填剤(E)の使用割合は、要件(ロ)を満たす限り特に制限はないが、重合硬化物を破砕してアクリル系樹脂粒子(C)を得る際の生産性を向上させる観点から、アクリル系樹脂粒子(C)全量に対して30〜60質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。
アクリル系樹脂粒子(C)を得る際の重合硬化物の破砕方法には特に制限はなく、公知の方法、例えば、ボールミル、ロールミル、ハンマーミル、ジェットミル、ピンミル、ブレーキクラッシャー、ロールクラッシャー等の方法があり、これらの破砕方法と篩がけなどの公知の分級方法とを組み合わせて使うことも可能である。
次に、要件(ハ)について説明する。この要件(ハ)は、得られるアクリル系人造石の機械的特性や生産性を保持しつつ安山岩様の意匠性を再現させるために必要な条件である。
アクリル系樹脂粒子(C)は、得られるアクリル系人造石のマトリクス部分との接触界面増大に伴う機械的特性の低下を抑制し、安山岩様の意匠性の再現を可能にする観点から、粒径0.5mm未満の粒子を含有しないことが必要であり、0.6mm未満の粒子を含有しないことが好ましく、0.7mm未満の粒子を含有しないことがより好ましい。
また、アクリル系樹脂粒子(C)は、汎用材料としてのアクリル系人造石の標準的な厚み以上の粒径を有する粒子が存在することによるアクリル系人造石の生産性の低下を防止する観点から、粒径15mmを超える粒子を含有しないことが必要であり、14mmを超える粒子を含有しないことが好ましく、13mmを超える粒子を含有しないことがより好ましい。
さらに、アクリル系樹脂粒子(C)は、安山岩様の意匠性の再現を可能にする観点から
、粒径5mm以上15mm以下の粒子を含有することが必要であり、粒径5mm以上14mm以下の粒子を含有することが好ましく、粒径5mm以上13mm以下の粒子を含有することがより好ましい。なお、粒径0.5mm以上かつ5mm以下のアクリル系樹脂粒子(C)の前記アクリル系樹脂粒子(C)全体量に対する割合は、本考案の上記効果を損なうものでなければ特に制限ないが、1〜50質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましい。
次に、要件(ニ)について説明する。この要件(ニ)は、得られるアクリル系人造石の機械的特性や生産性を保持しつつ安山岩様の意匠性を再現させるために必要な条件である。
本考案で用いるアクリル系樹脂(A)の使用割合は、アクリル系樹脂(A)と無機充填剤(B)との合計量に対して40〜70質量%であることが必要であり、45〜65質量%であることが好ましく、50〜60質量%であることがより好ましい。この場合、前記アクリル系樹脂(A)の使用割合が40質量%未満であると、得られるアクリル系人造石の透明性が損なわれるため好ましくなく、又、70質量%を超えると、得られるアクリル系人造石の機械的特性や耐熱性が損なわれるため好ましくない。
本考案で用いるアクリル系樹脂粒子(C)の使用割合は、アクリル系樹脂(A)と無機充填剤(B)との合計100質量部に対し、5〜30質量部であることが必要であり、5〜25質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましい。この場合、アクリル系樹脂粒子(C)の使用割合が5質量部未満であると、安山岩様の意匠を有するアクリル系人造石が得られず、又、30質量部を超えると、アクリル系人造石の機械的特性や生産性が損なわれるため好ましくない。
本考案のアクリル系人造石は、上記したアクリル系樹脂(A)、無機充填剤(B)、およびアクリル系樹脂粒子(C)からなるスラリーを、重合開始剤を用いて注型重合などの方法で重合して得ることができる。
注型重合の際には、スラリーの粘度の調節のため、得られるアクリル系人造石に外観上の問題を発生しない限りにおいて、メタクリル酸メチルを主体とする単量体から形成される重合体を混合してもよい。従って、本考案で用いるアクリル系樹脂(A)には、その一部を重合体として溶解含有するシラップも包含される。
混合させる重合体は、必ずしも1種類の重合体である必要はなく、アクリル系人造石の特性を損なわない範囲において、組成あるいは分子量分布を異にする複数の種類の重合体のブレンド物であってもよい。また、該重合体を含有させる方法としては、例えば、ビーズ状、ペレット状などの重合体をアクリル系樹脂(A)に直接溶解させる方法、アクリル系樹脂(A)を低い重合率まで重合させておく方法等を挙げることができる。
本考案のアクリル系人造石の製造で使用する重合開始剤は、種類、アクリル系樹脂(A)の組成、得られるアクリル系人造石の要求性能等に応じて適宜選択および調整をすればよく、使用量については特に制限されない。
また、重合開始剤の種類についても本考案の効果を損なわない範囲内において特に制限はなく、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ジカーボネート、1,1−ジt−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルパレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタンのようなラジカル重合開始剤、および過酸化
水素、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド等の過酸化物と鉄(II)イオン、亜硫酸塩等の還元剤を組み合わせたレドックス系重合開始剤等の従来公知の重合開始剤を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本考案のアクリル系人造石には、本考案の効果を損なわない範囲内において、必要に応じて染顔料類、補強材類、改質材、増粘剤、安定剤、離型剤、滑剤等の添加剤類を含有させることも可能である。また、本考案の効果を損なわない範囲で、アクリル系人造石に一般に用いられる柄付け模様材、すなわちマイカ、フィルム片、金属箔、繊維等の意匠を表現するための成分を加えることも可能である。
本考案によって再現される意匠対象たる安山岩の種類については、石基中に斑晶の基となる灰曹長石〜中性長石および角閃石、輝石等の苦鉄質有色鉱物を含有するものであれば特に制限なく、例えば、角閃石安山岩、複輝石安山岩、角閃石紫蘇輝石安山岩、輝石安山岩、ピジョン輝石安山岩、紫蘇輝石角閃石安山岩、橄欖石輝石安山岩、石英角閃石安山岩等が挙げられるが、意匠性の高さという観点から、石基と斑晶とが明瞭に識別し得る安山岩を選定することが好ましい。
以下、実施例により本考案をさらに具体的に説明するが、本考案はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。また、以下の実施例および比較例における各種測定等は、以下の方法で行った。
(1)意匠性の評価
成形品と安山岩の実物との同形サンプルを並べ、無作為に抽出した5人の観察者に1m離れたところから目視観察を実施させ、観察者が両サンプルのそれぞれから受ける印象が同一であると判断した場合を「○」、異なると判断した場合を「×」とし、成形品の意匠性について以下の判断基準で評価した。
○:観察者全員が「○」と判断した場合。
×:少なくとも一名の観察者が「×」と判断した場合。
また、製造例、実施例および比較例中に用いた化合物名及びその略称〔( )内〕を下記に示す。
メタクリル樹脂(PMMA;パラビーズHR−L、クラレ社製)、メタクリル酸メチル(MMA)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(NPGDM;新中村化学社製)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン(TBPB)、水酸化アルミニウム粉末(H−310;ハイジライトH−310、昭和電工社製、平均粒径17μm)、黒色顔料ペースト(品名「ソプロトナーBK」、山陽色素株式会社製造)、緑色顔料ペースト(商品名「AT−10G601」、大日精化株式会社製造)。
≪参考例1〜6≫〔アクリル系人造石のマトリクス部分の製造〕
表1に示した処方にしたがってメタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル樹脂(PMMA)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(NPGDM)からなるシラップを調整し、該シラップに対し、離型剤としてステアリン酸を0.025質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.025質量部、および2,2’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン(TBPB)を0.013質量部添加混合し、さらに表1に示した処方にしたがってH−310を添加混合して樹脂組成物からなるスラリーを得た。該スラリーを二枚のガラス板の間に塩化ビニル製チューブをU字型に配置した空間厚み15mmの型に注入し、60℃の水浴中で4時間、ついで120℃
の恒温槽中で2時間保持させて樹脂平板を得、該樹脂平板の比重を測定した。その結果を併せて表1に示す。
Figure 0003127537
≪製造例≫〔アクリル系樹脂粒子(C)の製造〕
メタクリル酸メチル(MMA)70質量%、メタクリル樹脂(PMMA)17質量%、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(NPGDM)13質量%からなるシラップを調整し、該シラップ55質量部に対し、ステアリン酸を0.025質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.025質量部、2,2’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン(TBPB)を0.013質量部添加混合し、さらに水酸化アルミニウム粉末(H−310)を45質量部添加混合して樹脂組成物からなるスラリーを得た。
該スラリーを二枚のガラス板の間に塩化ビニル製チューブをU字型に配置した型に注入し、60℃の水浴中で4時間、ついで120℃の恒温槽中で2時間保持させ、比重1.53、厚さ15mmの樹脂平板を得た。該樹脂平板をロールミルで粉砕し、篩にかけることにより、下記の粒径範囲を有する白色のアクリル系樹脂粒子(i)〜(iv)を得た。
アクリル系樹脂粒子 (i);粒径範囲 0.1〜 0.5mm
アクリル系樹脂粒子 (ii);粒径範囲 1.0〜 3.0mm
アクリル系樹脂粒子(iii);粒径範囲 5.0〜 8.0mm
アクリル系樹脂粒子 (iv);粒径範囲15.0〜16.0mm
≪実施例1〜5、比較例1〜4≫〔アクリル系人造石の製造〕
表2に示した処方にしたがってメタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル樹脂(PMMA)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(NPGDM)からなるシラップを調整した。該シラップに対し、ステアリン酸を0.025質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.025質量部、2,2’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン(TBPB)を0.013質量部添加混合した後、さらに表2に示した処方にしたがって水酸化アルミニウム粉末(H−310)および上記アクリル系樹脂粒子(i)〜(iv)を添加混合して樹脂組成物からなるスラリーを得た。
該スラリーを二枚のガラス板の間に塩化ビニル製チューブをU字型に配置した空間厚み15mmの型に注入し、60℃の水浴中で4時間、ついで120℃の恒温槽中で2時間保持させて樹脂平板を得た。次に、該樹脂平板の水平に保持した下面側に対応する面に、厚み方向に2mmの切削厚みで研磨を施してアクリル系人造石を得た。得られたアクリル系人造石について、上記した耐衝撃性、耐候性、および意匠性の評価を実施した。その評価結果を併せて表2に示す。なお、表2では、各実施例および各比較例における本考案の要件(イ)〜(ニ)の充足状況について、充足する場合を「○」、充足していない場合を「×」と表記した。
Figure 0003127537
表2の結果から、実施例1〜5のアクリル系人造石は、粒径0.5mm未満および粒径15mmを超えるアクリル系樹脂粒子(C)を含有する点で要件(ハ)を満たしていない比較例4および比較例5のアクリル系人造石と対比して、安山岩様の意匠性が再現されていることが判る。
なお、粒径15mmを超えるアクリル系樹脂粒子(C)を含有する点で要件(ハ)を満たしていない比較例4のアクリル系人造石は、スラリーを型に入れて樹脂平板を製造する際に該粒子が型に入らず、生産における十分な工程通過性が得られなかった。
表2の結果から、実施例1〜5のアクリル系人造石は、アクリル系樹脂粒子(C)の添加割合が少な過ぎる点で要件(ニ)を満たしていない比較例6のアクリル系人造石と対比して、安山岩様の意匠が再現されていることが判る。
本考案により、アクリル系人造石としての要求物性を保持しつつ安山岩様の意匠性を有するアクリル系人造石が得られた。本考案により得られた板状のアクリル系人造石1は、図1に示すように、その表裏両面及び前後左右の外周側面、並びに内部(断面)に天然の安山岩の外観模様に酷似した斑点模様2,2,2・・・を有する。
以上の説明から明らかなように、本考案のアクリル系人造石は、耐熱性、耐汚染性及び強度等に優れているだけでなく、天然の安山岩の外観模様に酷似した独特の斑点組織の模様を有するので、キッチン天板や各種カウンタートップ、洗面化粧台、シャワートレー、防水パン、床材、壁材、間仕切り板等に使用すれば、高級な質量感を呈する安山岩様の意匠装飾性が表出再現され、従来に比べて商品価値を著しく高めることができる。
なお、本考案は、本考案の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本考案が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
本考案の一実施例を示し、アクリル系人造石枠の一部を破断した斜視図。
符号の説明
1 アクリル系人造石
2 斑点模様

Claims (1)

  1. アクリル系樹脂(A)、無機充填剤(B)、およびアクリル系樹脂粒子(C)を含有するアクリル系樹脂組成物を重合硬化してなるアクリル系人造石であって、以下の要件(イ)〜(ニ):
    要件(イ) 前記アクリル系樹脂(A)が、メタクリル酸メチル単位80質量%以上からなること
    要件(ロ) 前記アクリル系樹脂粒子(C)が、アクリル系樹脂(D)と無機充填剤(E)とからなる組成物の重合硬化物を破砕して得られたものであること;
    要件(ハ) 前記アクリル系樹脂粒子(C)が、粒径0.5mm未満の粒子、および粒径15mmを超える粒子を含有せず、且つ、粒径5mm以上15mm以下の粒子を含有すること;および
    要件(ニ) 前記アクリル系樹脂組成物が、前記アクリル系樹脂(A)40〜70質量%、および無機充填剤(B)60〜30質量%からなる混合物100質量部に対し、前記アクリル系樹脂粒子(C)5〜30質量部を含有すること;
    を満足するアクリル系人造石。
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