JP3126597B2 - 筆記具判別装置 - Google Patents

筆記具判別装置

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JP3126597B2 JP06209805A JP20980594A JP3126597B2 JP 3126597 B2 JP3126597 B2 JP 3126597B2 JP 06209805 A JP06209805 A JP 06209805A JP 20980594 A JP20980594 A JP 20980594A JP 3126597 B2 JP3126597 B2 JP 3126597B2
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義征 山下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、文書、帳票等の被読取
媒体に文字を書く際に使用した筆記具の種類を光学的に
判別する筆記具判別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
例えば次のような文献に記載されるものがあった。 文献;特開昭62−112124号公報 一般に、文書、帳票等の被読取媒体に文字や図形等を記
入する場合、それに使用する筆記具には、黒色の鉛筆や
ボールペン等が多く用いられている。ところが、同じ黒
色であっても、鉛筆とボールペンでは、記入部分の濃度
等が異なるために、同一条件下で光学的に画像の取り込
みを行う際には、かすれや、つぶれ等といった不具合が
生じる場合がある。そのため、例えば従来の光学文字読
取装置では、記入筆記具が鉛筆であるのか、ボールペン
であるのかを、該光学文字読取装置のオペレータが指示
を行い、筆記具別の条件によって画像の取り込みを行う
といった工夫が行われていた。しかし、このような方法
では、オペレータが筆記具の種類を光学文字読取装置に
入力しなければならないので、オペレータに過度の負担
をかけるばかりでなく、高速処理が困難になったり、オ
ペレータの指示誤りによる操作ミスが発生するといった
問題があった。そこで、このような問題を解決するた
め、前記文献の技術では、光学文字読取装置における筆
記具判別手段を次のように提案している。この文献の技
術では、ある筆記具を用いて被読取媒体上に記入された
文字等を読み取る場合に、その被読取媒体の所定の箇所
に、使用された筆記具と同一の筆記具を用いてマークを
記入させる。そして、被読取媒体の所定の箇所に記入さ
れたマークの画像イメージを光学センサで読み取り、こ
のセンサの光電変換出力を筆記具の種類別に用意された
基準値と比較手段で比較する。その後、比較手段の比較
結果から、被読取媒体の記入用に使用された筆記具を判
別し、これに対応した適切な光学フィルタをセットして
被読取媒体上の文字等を読み取るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光学文字読取装置における筆記具判別方法では、被読取
媒体の所定位置のマーク記入用の枠内を、被読取媒体記
入時に使用した筆記具で塗りつぶさなければならないた
め、被読取媒体記入時の作業効率の面では大変不利であ
るという問題があり、それを解決することが困難であっ
た。本発明は、前記従来技術が持っていた課題を解決
し、被判別媒体上のマーク記入用の枠及び使用筆記具に
よる塗りつぶし作業の必要がなく、作業効率の高い筆記
具判別装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、前記課題
を解決するために、被判別媒体上に文字等を書くために
使用した筆記具を判別する筆記具判別装置において、前
記被判別媒体のカラー画像イメージを記憶する記憶手段
と、前記記憶手段に記憶されているカラー画像イメージ
から、画素単位に、この画素の色情報を所定閾値と比較
してこの比較結果に基づき、前記筆記具により書かれた
部分に該当する画素のみを抽出する筆記具画素抽出手段
と、前記筆記具画素抽出手段により抽出された画素の色
情報の分布状況の違いにより、前記筆記具の判別を行う
筆記具判別手段とを、備えている。第2の発明では、被
判別媒体のカラー画像イメージから、画素単位に、この
画素の色情報を所定閾値と比較してこの比較結果に基づ
き、筆記具により書かれた部分に該当する画素のみを抽
出する筆記具画素抽出手段と、前記筆記具画素抽出手段
により抽出された画素の色情報の分布状況の違いによ
り、前記筆記具の判別を行う筆記具判別手段とを、備え
ている。第3の発明では、被判別媒体のカラー画像イメ
ージを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されて
いるカラー画像イメージから、前記被判別媒体1枚毎
に、画素単位に、この画素の色情報を所定閾値と比較し
てこの比較結果に基づき、筆記具により書かれた部分に
該当する画素のみを抽出する筆記具画素抽出手段と、前
記筆記具画素抽出手段により抽出された被判別媒体1枚
毎の画素の色情報の分布状況の違いにより、前記筆記具
の判別を行う筆記具判別手段とを、備えている。
【0005】第4の発明では、被判別媒体のカラー画像
イメージを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶さ
れているカラー画像イメージから、1文字あるいは1図
形を切り出す文字・図形切出手段と、前記文字・図形切
出手段により切り出されたカラー画像イメージから、
素単位に、この画素の色情報を所定閾値と比較してこの
比較結果に基づき、筆記具により書かれた部分に該当す
る画素のみを抽出する筆記具画素抽出手段と、前記筆記
具画素抽出手段により抽出された画素の色情報の分布状
況の違いにより、前記筆記具の判別を行う筆記具判別手
段とを、備えている。第5の発明では、被判別媒体のカ
ラー画像イメージを記憶する記憶手段と、前記記憶手段
に記憶されているカラー画像イメージから、文字あるい
は図形を行単位に切り出す行切出手段と、前記行切出手
段により切り出されたカラー画像イメージから、画素単
位に、この画素の色情報を所定閾値と比較してこの比較
結果に基づき、筆記具により書かれた部分に該当する画
素のみを抽出する筆記具画素抽出手段と、前記筆記具画
素抽出手段により抽出された画素の色情報の分布状況の
違いにより、前記筆記具の判別を行う筆記具判別手段と
を、備えている。第6の発明では、第1、第2、第3、
第4又は第5の発明の筆記具判別手段が、前記筆記具に
より書かれた部分に該当する画素の色情報の分布状況の
違いにより、前記筆記具の判別を行ってその判別結果を
外部に出力する手段を具備している。
【0006】第7の発明では、第1、第2、第3、第
4、第5又は第6の発明の筆記具判別手段における前記
色情報が、赤(R)、緑(G)、青(B)の画像イメー
ジ信号となっている。第8の発明では、第1、第2、第
3、第4、第5又は第6の発明の筆記具判別手段におけ
る前記色情報が、色相(H)、彩度(S)、あるいは明
度(V)のいずれか一つあるいは複数の組み合せとなっ
ている。第9の発明では、第7の発明の筆記具判別手段
において、判別対象筆記具を黒の鉛筆とボールペンと
し、これらの筆記具により書かれた部分に該当する画素
の赤(R)の濃度値の緑(G)の濃度値あるいは青
(B)の濃度値に対する大小関係を用いて筆記具の判別
を行う構成にしている。
【0007】
【作用】第1の発明によれば、以上のように筆記具判別
装置を構成したので、被判別媒体のカラー画像イメージ
が入力されると、それが記憶手段に格納される。記憶手
段に格納されたカラー画像イメージのうち、筆記具によ
り書かれた部分に該当する画素のみが筆記具画素抽出手
段で抽出され、筆記具判別手段へ送られる。筆記具判別
手段では、筆記具画素抽出手段により抽出された、筆記
具により書かれた部分に該当する画素の色情報の分布状
況の違いに基づき、使用筆記具の判別を行う。第2の発
明によれば、被判別媒体のカラー画像イメージが入力さ
れると、そのカラー画像イメージから、筆記具画素抽出
手段により、筆記具により書かれた部分に該当する画素
のみが抽出され、筆記具判別手段へ送られる。筆記具判
別手段では、筆記具画素抽出手段により抽出された、筆
記具により書かれた部分に該当する画素の色情報の分布
状況の違いに基づき、使用筆記具の判別を行う。第3の
発明によれば、被判別媒体のカラー画像イメージが入力
されると、それが記憶手段に格納される。記憶手段に格
納されたカラー画像イメージから、筆記具画素抽出手段
により、被判別媒体1枚毎に、筆記具により書かれた部
分に該当する画素のみが抽出されて筆記具判別手段へ送
られる。筆記具判別手段では、筆記具画素抽出手段によ
って抽出された被判別媒体1枚毎の、筆記具により書か
れた部分に該当する画素の色情報の分布状況の違いに基
づき、使用筆記具の判別を行う。
【0008】第4の発明によれば、被判別媒体のカラー
画像イメージが入力されると、それが記憶手段に格納さ
れる。記憶手段に格納されたカラー画像イメージから、
文字・図形切出手段により、1文字あるいは1図形が切
り出される。この切り出されたカラー画像イメージか
ら、筆記具画素抽出手段により、筆記具により書かれた
部分に該当する画素のみが抽出され、筆記具判別手段へ
送られる。筆記具判別手段では、筆記具画素抽出手段に
よって抽出された、筆記具により書かれた部分に該当す
る画素の色情報の分布状況の違いに基づき、使用筆記具
の判別を行う。第5の発明によれば、被判別媒体のカラ
ー画像イメージが入力されると、それが記憶手段に格納
される。記憶手段に格納されたカラー画像イメージか
ら、行切出手段により、文字あるいは図形が行単位に切
り出される。この切り出されたカラー画像イメージか
ら、筆記具画素抽出手段により、筆記具により書かれた
部分に該当する画素のみが抽出され、筆記具判別手段へ
送られる。筆記具判別手段では、筆記具画素抽出手段に
よって抽出された、筆記具により書かれた部分に該当す
る画素の色情報の分布状況の違いに基づき、使用筆記具
の判別を行う。第6の発明によれば、筆記具判別手段
は、筆記具により書かれた部分に該当する画素の色情報
の分布状況の違いに基づき、使用筆記具の判別を行って
その判別結果を外部へ出力する。
【0009】第7の発明によれば、筆記具判別手段は、
筆記具により書かれた部分に該当する画素のR、G、B
の画像イメージ信号の違いに基づき、使用筆記具の判別
を行う。第8の発明によれば、筆記具判別手段は、筆記
具により書かれた部分に該当する画素のH、S、あるい
はVのいずれか一つあるいは複数の組み合せの違いによ
り、筆記具の判別を行う。第9の発明によれば、筆記具
判別手段は、黒の鉛筆とボールペンで書かれた部分に該
当する画素のRの濃度値のGの濃度値あるいはBの濃度
値に対する大小関係を用いてそれらの筆記具の判別を行
う。従って、前記課題を解決できるのである。
【0010】
【実施例】第1の実施例 図1は、本発明の第1の実施例を示す筆記具判別装置の
機能ブロック図である。この筆記具判別装置は、集積回
路等を用いた個別回路、あるいはプログラム制御される
プロセッサ等で構成されるもので、被判別媒体からR、
G、Bの3色のカラー画像イメージを取り込む走査部1
0を有している。走査部10は、光電変換素子等で構成
され、被判別媒体上を走査してその被判別媒体のカラー
画像イメージを電気信号の形で取り込む機能を有し、そ
の出力側にカラーイメージ記憶部20が接続されてい
る。カラーイメージ記憶部20は、走査部10により取
り込まれたカラー画像イメージを記憶する記憶手段とし
ての機能を有し、その出力側に筆記具画素抽出部30が
接続されている。筆記具画素抽出部30は、カラーイメ
ージ記憶部20に記憶されているカラー画像イメージか
ら使用筆記具にて書かれた部分に該当する画素のみを抽
出する筆記具画素抽出手段としての機能を有し、その出
力側に筆記具判別部40が接続されている。筆記具判別
部40は、筆記具画素抽出部30により抽出された画素
(使用筆記具により書かれた部分に該当する画素)の
R、G、B値の分布状況の違いにより、筆記具の判別を
行ってその判別結果を外部に出力する筆記具判別手段と
しての機能を有している。この筆記具判別部40は、筆
記具画素抽出部30により抽出された使用筆記具による
画素のR、G、B値を用いて筆記具判別のための評価値
を算出する評価値算出部41と、該評価値算出部41に
おいて得られる評価値に対する例えば鉛筆及びボールペ
ンの基準となる値を記憶する基準値記憶部42と、該評
価値算出部41により得られる評価値と該基準値記憶部
42に記憶されている基準値とを比較して筆記具の判別
を行う比較部43とで、構成されている。以上のように
構成される筆記具判別装置の動作を図2、図3及び図4
(a),(b)を参照しつつ説明する。
【0011】図2は、図1の筆記具判別装置で使用する
被判別媒体50を示す図である。この被判別媒体50
は、例えば、地色が白色であり、被判別筆記具として黒
色の鉛筆あるいはボールペンを用いて「ABC」の文字
51が書かれている。図3は、被判別媒体50のカラー
画像イメージを走査部10で取り込む際の走査の方向
(主走査方向61及び副走査方向62)を示す図であ
る。図1の筆記具判別装置で筆記具を判別する場合、走
査部10により、図2の被判別媒体50上を図3に示す
主走査方向61及び副走査方向62に光学的に走査し、
R、G、Bの3色のカラー画像イメージを順次取り込
み、カラーイメージ記憶部20に格納する。カラー画像
イメージは、例えば、R、G、Bそれぞれ8ビット(0
〜255)多値にて取り込まれ、カラーイメージ記憶部
20に格納される。走査部10により、被判別媒体50
のカラー画像イメージがカラーイメージ記憶部20に格
納されると、筆記具画素抽出部30では、カラーイメー
ジ記憶部20に格納されたカラー画像イメージより、所
定領域内部の部分のイメージを取り出し、画素単位に、
一般に黒色はR、G、B値がすべて小さく、白色は逆に
R、G、B値がすべて大きいことを利用して次の条件
(1)を満たすとき、文字51を構成する画素であると
判定する。
【0012】 R<THr かつ G<THg かつ B<THb ・・・(1) 但し、THr、THg及びTHb;それぞれR、G及び
B値に対する所定閾値条件(1)の所定領域は、記入文
字51を構成する画素を含む領域であるとする。筆記具
画素抽出部30によって文字51を構成する画素が抽出
されると、筆記具判別部40内の評価値算出部41で
は、次式(2)により、筆記具判別のための評価値Ar
gbを算出する。
【数1】 この評価値Argbの計算は、筆記具画素抽出部30に
よる文字51を構成する画素の抽出と同時に行う。即
ち、筆記具画素抽出部30により、文字51を構成する
画素Rn,Gn,Bnが抽出されるたびに、評価値算出
部41では、 (Rn−Gn)+(Rn−Bn) ・・・(3) を逐次計算し、その計算結果を累積していくと同時に、
文字51を構成する画素数Nをカウントアップし、すべ
ての所定領域内部の画素について筆記具画素抽出部30
による文字51を構成する画素の抽出動作が終了したと
き、累積された(3)式の計算結果を、文字51を構成
する画素数Nで割る。評価値算出部41によって評価値
Argbが算出されると、比較部43では、評価値Ar
gbと、基準値記憶部42に予め記憶されている筆記具
判別のための基準閾値とを比較し、鉛筆であるのか、ボ
ールペンであるのか、あるいはどちらでもないのかを判
別し、その判別結果を外部へ出力する。
【0013】次に、筆記具判別のための評価値Argb
を、(2)式とした根拠を図4(a),(b)を参照し
つつ説明する。図4(a),(b)は図1の筆記具判別
装置で判別される筆記具により書かれた文字を構成する
画素のR、G、B値の濃度ヒストグラムを示す図であ
り、同図(a)は黒色の鉛筆のR、G、B値の濃度ヒス
トグラムの例を示し、同図(b)は黒色のボールペンの
R、G、B値の濃度ヒストグラムの例を示している。図
4(a)に示す如く、黒色の鉛筆では、R値が、G値あ
るいはB値に比べ、小さい値を示す場合が多い。また、
図4(b)に示す如く、黒色のボールペンでは、R値
が、G値あるいはB値に比べ、大きいか、同程度の値を
示す場合が多い。つまり、R値のG値あるいはB値に対
する大小関係が、黒色の鉛筆とボールペンでは異なって
いるのである。従って、(2)式は文字51を構成する
各画素の(R−G)及び(R−B)の合計の平均値であ
り、この値が小さければ鉛筆書きであり、大きければボ
ールペン書きである可能性が高いことになる。
【0014】以上のように、この第1の実施例では、次
のような利点がある。 (1) 筆記具の判別にカラー画像イメージを用いてい
るので、従来のようなモノクロ画像イメージを用いた方
法に比べ、色情報を判別に用いることができる。そのた
め、色の異なる筆記具同士については勿論、さらに一見
ほぼ同色と感じる筆記具同士の色の微妙な違いについて
も、高精度に判別を行うことができる。 (2) 筆記具判別を行う文字51を構成する画素の色
情報を直接用いて筆記具判別を行っているので、従来の
ように被判別媒体50上の所定位置にマーク記入枠を設
ける必要がなく、それと同時に、筆記者によるマーク記
入枠を塗りつぶす必要もないため、作業効率の面で大変
有利となる。 (3) 筆記具の判別のための評価値が(2)式に示す
ようなR、G、B値をそのまま使った簡単な式で算出さ
れるため、高速な判別が可能となる。
【0015】第2の実施例 図5は、本発明の第2の実施例を示す筆記具判別装置の
機能ブロック図であり、第1の実施例を示す図1中の要
素と共通の要素には共通の符号が付されている。この筆
記具判別装置では、第1の実施例のカラーイメージ記憶
部20を省略し、走査部10の出力側を筆記具画素抽出
部30Aの入力側に接続した構成になっている。即ち、
被判別媒体からR、G、Bの3色のカラー画像イメージ
を取り込む走査部10の出力側には、筆記具画素抽出部
30Aが接続されている。筆記具画素抽出部30Aは、
走査部10により取り込まれたカラー画像イメージから
使用筆記具にて書かれた部分に該当する画素のみを抽出
する筆記具画素抽出手段としての機能を有し、その出力
側に筆記具判別部40Aが接続されている。筆記具判別
部40Aは、筆記具画素抽出部30Aにより抽出された
画素(使用筆記具により書かれた部分に該当する画素)
のR、G、B値の分布状況の違いにより、筆記具の判別
を行ってその判別結果を出力する筆記具判別手段として
の機能を有し、第1の実施例とほぼ同様の評価値算出部
41A、基準値記憶部42A、及び比較部43Aで構成
されている。
【0016】以上のように構成される筆記具判別装置の
動作を説明する。第1の実施例と同様に、図2に示す被
判別媒体50には、黒色の鉛筆あるいはボールペンで
「ABC」の文字51が書かれている。この文字51を
書くために使用された筆記具を判別する場合、図5の走
査部10では、被判別媒体50上を図3に示す主走査方
向61及び副走査方向62に光学的に走査してR、G、
Bの3色のカラー画像イメージを順次取り込む。なお、
ここでは、第1の実施例と同様に、カラー画像イメージ
はR、G、Bそれぞれ8ビット(0〜255)多値にて
取り込むこととし、また被判別筆記具は黒色の鉛筆及び
ボールペンであるとし、被判別媒体50の地色が白色で
あるとする。走査部10による、被判別媒体50のカラ
ー画像イメージの取り込みが開始すると、筆記具画素抽
出部30Aでは、該走査部10から受け取った画素につ
いて、画素単位に、一般に黒色はR、G、B値がすべて
小さく、白色は逆にR、G、B値がすべて大きいことを
利用して前記条件(1)を満たすとき、文字51を構成
する画素であると逐次判定する。筆記具画素抽出部30
Aによって文字51を構成する画素が抽出されると、筆
記具判別部40A内の評価値算出部41Aでは、前記
(2)式により、筆記具判別のための評価値Argbの
算出を開始する。この評価値Argbの計算は、筆記具
画素抽出部30Aによる文字51を構成する画素の抽出
と同時に行う。
【0017】即ち、筆記具画素抽出部30Aによって文
字51を構成する画素R、G、Bが抽出されるたびに、
評価値算出部41Aでは、第1の実施例と同様に、前記
(3)式を逐次計算し、その計算結果を累積していくと
同時に、文字51を構成する画素数Nをカウントアップ
し、すべての被判別媒体50の画素について筆記具画素
抽出部30Aによる文字51を構成する画素の抽出動作
が終了したとき、累積された(3)式の計算結果を、文
字51を構成する画素数Nで割る。従って、走査部10
による被判別媒体50の走査が終了した直後に、評価値
Argbの算出が終了する。評価値算出部41Aによっ
て評価値Argbが算出されると、第1の実施例と同様
に、比較部43Aでは、該評価値Argbと、基準値記
憶部42Aに予め記憶されている筆記具判別のための基
準閾値とを比較し、鉛筆であるのか、ボールペンである
のか、あるいはどちらでもないのかを判別し、その判別
結果を外部へ出力する。この第2の実施例では、次のよ
うな利点がある。 (a) 第1の実施例の利点(1),(2),(3)と
同様の利点がある。 (b) 本実施例では、走査部10による被判別媒体5
0の走査と同時に、評価値算出部41Aによって筆記具
判別のための評価値の算出を行うので、この面において
も筆記具判別が高速に行える。
【0018】第3の実施例 図6は、本発明の第3の実施例を示す筆記具判別装置の
機能ブロック図であり、第1の実施例を示す図1中の要
素と共通の要素には共通の符号が付されている。この筆
記具判別装置では、図1の筆記具画素抽出部30及び筆
記具判別部40と異なる構成の筆記具画素抽出部30B
及び筆記具判別部40Bが設けられている。即ち、この
筆記具判別装置では、第1の実施例と同様に、被判別媒
体からR、G、Bの3色のカラー画像イメージを取り込
む走査部10と、該走査部10により取り込まれたカラ
ー画像イメージを記憶するカラーイメージ記憶部20と
が設けられている。カラーイメージ記憶部20の出力側
には、筆記具画素抽出部30Bが接続されている。筆記
具画素抽出部30Bは、カラーイメージ記憶部20に記
憶されているカラー画像イメージから、被判別媒体1枚
毎に、使用筆記具にて書かれた部分に該当する画素のみ
を抽出する筆記具画素抽出手段としての機能を有し、そ
の出力側に筆記具判別部40Bが接続されている。筆記
具判別部40Bは、筆記具画素抽出部30Bにより抽出
された画素(被判別媒体1枚毎の、使用筆記具によって
書かれた部分に該当する画素)のR、G、B値の分布状
況の違いによって筆記具の判別を行い、その判別結果を
外部に出力する筆記具判別手段としての機能を有し、第
1の実施例とほぼ同様に、評価値算出部41B、基準値
記憶部42B、及び比較部43Bで構成されている。
【0019】図7は、図6の筆記具判別装置で使用する
被判別媒体50を示す図であり、それには黒色の鉛筆あ
るいはボールペンによって「ABC」の文字51と「X
YZ」の文字52とが書かれている。図8は、走査部1
0によって被判別媒体50のカラー画像イメージを取り
込む際の走査の方向(主走査方向61及び副走査方向6
2)を示す図である。これらの図7及び図8を参照しつ
つ、図6に示す筆記具判別装置の動作を説明する。走査
部10は、図7の被判別媒体50上を図8に示す主走査
方向61及び副走査方向62に光学的に走査して、その
被判別媒体1枚分のR、G、Bの3色のカラー画像イメ
ージを順次取り込み、カラーイメージ記憶部20に格納
する。なお、ここでは、第1の実施例と同様に、カラー
画像イメージはR、G、Bそれぞれ8ビット(0〜25
5)多値にて取り込むこととし、また被判別筆記具は黒
色の鉛筆及びボールペンであるとし、被判別媒体50の
地色は白色であるとする。走査部10により、被判別媒
体50のカラー画像イメージがカラーイメージ記憶部2
0に格納されると、筆記具画素抽出部30Bでは、該カ
ラーイメージ記憶部20に格納された被判別媒体1枚分
のカラー画像イメージより、画素単位に、一般に黒色は
R、G、B値がすべて小さく、白色は逆にR、G、B値
がすべて大きいことを利用して前記条件(1)を満たす
とき、文字51,52を構成する画素であると判定す
る。
【0020】筆記具画素抽出部30Bによる文字51,
52を構成する画素の抽出が開始されると、筆記具判別
部40B内の評価値算出部41Bでは、前記(2)式に
より、筆記具判別のための評価値Argbの算出を開始
する。この評価値Argbの計算は、筆記具画素抽出部
30Bによる文字51,52を構成する画素の抽出と同
時に行う。即ち、筆記具画素抽出部30Bにより、文字
51,52を構成する画素Rn,Gn,Bnが抽出され
るたびに、評価値算出部41Bでは、前記(3)式を逐
次計算し、その計算結果を累積していくと同時に、文字
51,52を構成する画素数Nをカウントアップし、被
判別媒体50のすべての画素について筆記具画素抽出部
30Bによる文字51,52を構成する画素の抽出動作
が終了したとき、累積された(3)式の計算結果を、文
字51,52を構成する画素数Nで割る。評価値算出部
41Bによって評価値Argbが算出されると、第1の
実施例とほぼ同様に、比較部43Bでは、評価値Arg
bと、基準値記憶部42Bに予め記憶されている筆記具
判別のための基準閾値とを比較し、鉛筆であるのか、ボ
ールペンであるのか、あるいはどちらでもないのかを判
別し、その判別結果を被判別媒体1枚毎に外部へ出力す
る。この第3の実施例では、第1の実施例の利点
(1),(2),(3)と同一の利点を有する上に、さ
らに次のような利点(c)がある。(c) 本実施例で
は、筆記具画素抽出部30Bにより抽出された被判別媒
体1枚全体について、筆記具判別部40Bで一括して筆
記具の判別を行うため、高速かつ正確な判別が行える。
そのため、被判別媒体毎に筆記者が異なっており、それ
ぞれの筆記者毎に筆記具が一定であるような場合に有効
である。
【0021】第4の実施例 図9は、本発明の第4の実施例を示す筆記具判別装置の
機能ブロック図であり、第1の実施例を示す図1中の要
素と共通の要素には共通の符号が付されている。この筆
記具判別装置では、図1のカラーイメージ記憶部20と
筆記具画素抽出部30との間に、新たに文字切出部21
が設けられている。即ち、この筆記具判別装置では、第
1の実施例と同様に、被判別媒体からR、G、Bの3色
のカラー画像イメージを取り込む走査部10と、該走査
部10によって取り込まれたカラー画像イメージを記憶
するカラーイメージ記憶部20とを、備えている。カラ
ーイメージ記憶部20の出力側には、文字切出部21が
接続されている。文字切出部21は、カラーイメージ記
憶部20に記憶されているカラー画像イメージから、1
文字単位(あるいは1図形単位)に文字(あるいは図
形)を切り出す文字・図形切出手段としての機能を有
し、その出力側に筆記具画素抽出部30Cが接続されて
いる。筆記具画素抽出部30Cは、文字切出部21によ
って切り出された1文字分(あるいは1図形分)のカラ
ー画像イメージから、使用筆記具にて書かれた部分に該
当する画素のみを抽出する筆記具画素抽出手段としての
機能を有し、その出力側に筆記具判別部40Cが接続さ
れている。筆記具判別部40Cは、筆記具画素抽出部3
0Cによって抽出された画素(使用筆記具により書かれ
た部分に該当する画素)のR、G、B値の分布状況の違
いにより、筆記具の判別を行ってその判別結果を外部に
出力する筆記具判別手段としての機能を有し、第1の実
施例とほぼ同様に、評価値算出部41C、基準値記憶部
42C、及び比較部43Cで構成されている。
【0022】以上のように構成される筆記具判別装置の
動作を説明する。走査部10は、図2の被判別媒体50
上を図3に示す主走査方向61及び副走査方向62に光
学的に走査して、R、G、Bの3色のカラー画像イメー
ジを順次取り込み、カラーイメージ記憶部20に格納す
る。ここでは、第1の実施例と同様に、カラー画像イメ
ージはR、G、Bそれぞれ8ビット(0〜255)多値
にて取り込むこととする。走査部10により、被判別媒
体50のカラー画像イメージがカラーイメージ記憶部2
0に格納されると、文字切出部21では、該カラーイメ
ージ記憶部20に格納されているカラー画像イメージよ
り、文字画像に該当するカラー画像イメージを、1文字
分づつ切り出す。文字切出部21による、1文字毎の文
字画像の切り出しが終了すると、筆記具画素抽出部30
Cでは、切り出されたカラー画像イメージから、画素単
位に、一般に黒色はR、G、B値がすべて小さく、白色
は逆にR、G、B値がすべて大きいことを利用して前記
条件(1)を満たすとき、文字を構成する画素であると
判定する。筆記具画素抽出部30Cにより、1文字毎に
文字を構成する画素の抽出が開始されると、筆記具判定
部40C内の評価値算出部41Cでは、前記(2)式に
より、1文字毎に筆記具判別のための評価値Argbの
算出を開始する。この評価値Argbの計算は、筆記具
画素抽出部30Cによる文字を構成する画素の抽出と同
時に行う。
【0023】即ち、筆記具画素抽出部30Cにより、文
字を構成する画素Rn,Gn,Bnが抽出されるたび
に、評価値算出部41Cでは、前記(3)式を逐次計算
し、その計算結果を累積していくと同時に、文字を構成
する画素数Nをカウントアップし、すべての文字単位の
画素について筆記具画素抽出部30Cによる文字を構成
する画素の抽出動作が終了したとき、累積された(3)
式の計算結果を、文字を構成する画素数Nで割る。評価
値算出部41Cによって評価値Argbが算出される
と、比較部43Cでは、第1の実施例とほぼ同様に、評
価値Argbと、基準値記憶部42Cに予め記憶されて
いる筆記具判別のための基準閾値とを比較し、鉛筆であ
るのか、ボールペンであるのか、あるいはどちらでもな
いのかを判別し、その判別結果を文字毎に外部へ出力す
る。以上の一連の筆記具判別処理を、被判別媒体50上
のすべての文字51について行う。この第4の実施例で
は、第1の実施例の利点(1),(2),(3)と同一
の利点を有する上に、次のような利点(d)がある。 (d) 本実施例では、文字切出部21で切り出した1
文字毎に筆記具判別部40Cで使用筆記具の種類を判別
し、外部へ出力しているので、文字毎に筆記具の種類を
換えることが可能となる。
【0024】第5の実施例 図10は、本発明の第5の実施例を示す筆記具判別装置
の機能ブロック図であり、第1の実施例を示す図1中の
要素と共通の要素には共通の符号が付されている。この
筆記具判別装置では、第1の実施例のカラーイメージ記
憶部20と筆記具画素抽出部30との間に、新たに行切
出部22が設けられている。即ち、この筆記具判別装置
では、第1の実施例と同様に、被判別媒体からR、G、
Bの3色のカラー画像イメージを取り込む走査部10
と、該走査部10によって取り込まれたカラー画像イメ
ージを記憶するカラーイメージ記憶部20とを、備えて
いる。カラーイメージ記憶部20の出力側には、行切出
部22が接続されている。行切出部22は、カラーイメ
ージ記憶部20に記憶されているカラー画像イメージか
ら、1行単位に文字列を切り出す行切出手段としての機
能を有し、その出力側に筆記具画素抽出部30Dが接続
されている。筆記具画素抽出部30Dは、行切出部22
によって切り出された1行分のカラー画像イメージか
ら、使用筆記具にて書かれた部分に該当する画素のみを
抽出する筆記具画素抽出手段としての機能を有し、その
出力側に筆記具判別部40Dが接続されている。筆記具
判別部40Dは、筆記具画素抽出部30Dによって抽出
された画素(使用筆記具によって書かれた部分に該当す
る画素)のR、G、B値の分布状況の違いにより、筆記
具の判別を行ってその判別結果を外部へ出力する筆記具
判別手段としての機能を有し、第1の実施例とほぼ同様
に、評価値算出部41D、基準値記憶部42D、及び比
較部43Dで構成されている。
【0025】図11は、図10に示す筆記具判別装置で
使用する被判別媒体50を示す図である。この被判別媒
体50には、文字の記入領域を示す文字記入枠53,5
4が予め印刷されており、その文字記入枠53,54内
部に、黒色の鉛筆あるいはボールペンで「ABC」の文
字51と「XYZ」の文字52が書き込まれている。図
12は、被判別媒体50のカラー画像イメージを取り込
む際の走査部10の走査の方向(主走査方向61及び副
走査方向62)を示す図である。これらの図11及び図
12を参照しつつ、図10に示す筆記具判別装置の動作
を説明する。走査部10は、図11の被判別媒体50上
を図12に示す主走査方向61及び副走査方向62に光
学的に走査し、R、G、Bの3色のカラー画像イメージ
を順次取り込み、カラーイメージ記憶部20に格納す
る。ここでは、第1の実施例と同様に、カラー画像イメ
ージはR、G、Bそれぞれ8ビット(0〜255)多値
にて取り込むこととし、また被判別筆記具は黒色の鉛筆
及びボールペンであるとし、被判別媒体50の地色は白
色であるとする。走査部10によって被判別媒体50の
カラー画像イメージがカラーイメージ記憶部20に格納
されると、行切出部22では、該カラーイメージ記憶部
20に格納されているカラー画像イメージより、行単位
に文字画像に該当する部分のカラー画像イメージを切り
出す。ここでは、各行の切り出し領域は、文字記入枠5
3及び54それぞれの内部とし、予め与えられているも
のとする。
【0026】行切出部22によって行単位のカラー画像
イメージの切り出しが終了すると、筆記具画素抽出部3
0Dでは、切り出されたカラー画像イメージから、画素
単位に、一般に黒色はR、G、B値がすべて小さく、白
色は逆にR、G、B値がすべて大きいことを利用して前
記条件(1)を満たすとき、文字51,52を構成する
画素であると判定する。筆記具画素抽出部30Dによる
行単位の文字51,52を構成する画素の抽出が開始さ
れると、筆記具判別部40D内の評価値算出部41Dで
は、前記(2)式により、行単位に筆記具判別のための
評価値Argbの算出を開始する。この評価値Argb
の計算は、筆記具画素抽出部30Dによる文字51,5
2を構成する画素の抽出と同時に行う。即ち、筆記具画
素抽出部30Dによって文字を構成する画素Rn,G
n,Bnが抽出されるたびに、評価値算出部41Dで
は、前記(3)式を逐次計算し、その計算結果を累積し
ていくと同時に、文字を構成する画素数Nをカウントア
ップし、すべての行単位の画素について筆記具画素抽出
部30Dによる文字を構成する画素の抽出動作が終了し
たとき、累積された(3)式の計算結果を、文字を構成
する画素数Nで割る。評価値算出部41Dによって評価
値Argbが算出されると、第1の実施例とほぼ同様
に、比較部43Dでは、評価値Argbと、基準値記憶
部42Dに予め記憶されている筆記具判別のための基準
閾値とを比較し、鉛筆であるのか、ボールペンであるの
か、あるいはどちらでもないのかを判別し、その判別結
果を行単位に外部へ出力する。
【0027】以上の一連の筆記具判別処理を被判別媒体
50上のすべての文字行について行う。この第5の実施
例では、第1の実施例の利点(1),(2),(3)と
同一の利点を有する上に、次のような利点(e)があ
る。 (e) 本実施例では、行切出部22で切り出した行単
位に筆記具判別部40Dによって使用筆記具の種類を判
別し、その判別結果を外部へ出力しているので、例え
ば、文字51は鉛筆書きで、文字52はボールペン書き
といったように、1枚の被判別媒体50に複数の筆記具
による記入文字列の行単位の混在が可能となる。なお、
本発明は上記第1〜第5の実施例に限定されず、種々の
変形が可能である。その変形例としては、例えば次のよ
うなものがある。 (i) 上記実施例では、判別対象を鉛筆及びボールペ
ンで書いた文字の場合について説明したが、例えば各筆
記具による図形等を判別対象としても、上記実施例と同
様の作用、効果が得られる。 (ii) 上記実施例では、文字51,52を構成する画
素を抽出する方法として、R、G、B値がすべて所定閾
値より小さい画素を抽出する場合について説明したが、
これにかかわらず、これ以外のいずれかの好適な方法を
用いてもよい。 (iii) 上記実施例では、筆記具を判別するための評価
値を(2)式により求める場合について説明したが、
R、G、B値の分布状況を考慮した、例えば次式(4)
あるいは(5)式を用いてもよい。
【0028】
【数2】 (iv) 上記実施例では、筆記具判別にR、G、B値の
分布状況の違いを利用する場合について説明したが、こ
れ以外の例えば、H(色相)、S(彩度)、V(明度)
等の値の違いを利用してもよい。 (v) 上記実施例では、走査部10によってカラー画
像イメージを取り込むようにしたが、この走査部10を
省略し、イメージファイル等からカラー画像イメージを
入力する構成にしてもよい。
【0029】
【発明の効果】第1、第6、第7及び第9の発明によれ
ば、記憶手段、筆記具画素抽出手段、及び筆記具判別手
段を備えており、次のような効果がある。 (1) 筆記具の判別にカラー画像イメージを用いてい
るので、従来のモノクロ画像イメージを用いた方法に比
べ、色情報を判別に用いることができる。そのため、色
の異なる筆記具同士については勿論、さらに一見ほぼ同
色と感じる筆記具同士の色の微妙な違いについても高精
度に判別を行うことができる。 (2) 筆記具判別を行う文字を構成する画素の色情報
を直接用いて筆記具判別を行っているので、従来のよう
に被判別媒体上の所定位置にマーク記入枠を設ける必要
がなく、それと同時に、筆記者によるマーク記入枠を塗
りつぶす必要もないため、作業効率の面で大変有利とな
る。 (3) 筆記具の判別のための評価値が、例えばR、
G、B値をそのまま使った簡単な式で算出できるので、
高速な判別が可能となる。第2の発明によれば、筆記具
画素抽出手段、及び筆記具判別手段を備えており、次の
ような効果がある。 (a) 第1の発明の効果(1),(2),(3)と同
様の効果がある。 (b) 被判別媒体の画像イメージの入力と同時に、筆
記具判別のための評価値の算出を行うことにより、筆記
具判別を高速に行える。
【0030】第3の発明によれば、記憶手段、筆記具画
素抽出手段、及び筆記具判別手段を備えており、第1の
発明の効果(1),(2),(3)と同様の効果を有す
る上に、さらに次のような効果がある。被判別媒体1枚
全体について一括して筆記具の判別を行うため、高速か
つ正確な判別が行える。そのため、被判別媒体毎に筆記
者が異なっており、それぞれの筆記者毎に筆記具は一定
であるような場合に有効である。第4の発明によれば、
記憶手段、文字・図形切出手段、筆記具画素抽出手段、
及び筆記具判別手段を備えており、第1の発明の効果
(1),(2),(3)と同様の効果を有する上に、さ
らに次のような効果がある。1文字あるいは1図形など
毎に使用筆記具の種類を判別し、その判別結果を外部へ
出力しているので、文字毎あるいは図形毎などに筆記具
の種類を換えることが可能となる。第5の発明によれ
ば、記憶手段、行切出手段、筆記具画素抽出手段、及び
筆記具判別手段を備えており、第1の発明の効果
(1),(2),(3)と同様の効果を有する上に、さ
らに次のような効果がある。行切出手段によって切り出
した行単位に使用筆記具の種類を判別し、その判別結果
を外部へ出力しているので、例えば、ある行の文字は鉛
筆書きで、他の行の文字はボールペン書きといったよう
に、1枚の被判別媒体に複数の筆記具による記入文字列
あるいは記入図形列等の行単位の混在が可能となる。第
8の発明によれば、色情報としてH、SあるいはVのい
ずれか一つあるいは複数の組み合せを用いているので、
相関性の強いR、G、Bに比べて判別精度をより向上で
きる場合がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す筆記具判別装置の
機能ブロック図である。
【図2】図1で使用する被判別媒体を示す図である。
【図3】図1の走査部の走査方向を示す図である。
【図4】図1で判別される筆記具の濃度ヒストグラムを
示す図である。
【図5】本発明の第2の実施例を示す筆記具判別装置の
機能ブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施例を示す筆記具判別装置の
機能ブロック図である。
【図7】図6で使用する被判別媒体を示す図である。
【図8】図6の走査部の走査方向を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施例を示す筆記具判別装置の
機能ブロック図である。
【図10】本発明の第5の実施例を示す筆記具判別装置
の機能ブロック図である。
【図11】図10で使用する被判別媒体を示す図であ
る。
【図12】図10の走査部の走査方向を示す図である。
【符号の説明】
10 走査部 20 カラーイメ
ージ記憶部 21 文字切出部 22 行切出部 30,30A,30B,30C,30D 筆記具画素
抽出部 40,40A,40B,40C,40D 筆記具判別
部 41,41A,41B,41C,41D 評価値算出
部 42,42A,42B,42C,42D 基準値記憶
部 43,43A,43B,43C,43D 比較部 50 被判別媒体 51,52 文字 53,54 文字記入枠 61 主走査方向 62 副走査方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 義征 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−112124(JP,A) 特開 平5−5655(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 3/50 G06K 9/20 350 G06K 9/20 360

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被判別媒体のカラー画像イメージを記憶
    する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されているカラー画像イメージか
    ら、画素単位に、この画素の色情報を所定閾値と比較し
    てこの比較結果に基づき、筆記具により書かれた部分に
    該当する画素のみを抽出する筆記具画素抽出手段と、 前記筆記具画素抽出手段により抽出された画素の色情報
    の分布状況の違いにより、前記筆記具の判別を行う筆記
    具判別手段とを、 備えたことを特徴とする筆記具判別装置。
  2. 【請求項2】 被判別媒体のカラー画像イメージから、
    画素単位に、この画素の色情報を所定閾値と比較してこ
    の比較結果に基づき、筆記具により書かれた部分に該当
    する画素のみを抽出する筆記具画素抽出手段と、 前記筆記具画素抽出手段により抽出された画素の色情報
    の分布状況の違いにより、前記筆記具の判別を行う筆記
    具判別手段とを、 備えたことを特徴とする筆記具判別装置。
  3. 【請求項3】 被判別媒体のカラー画像イメージを記憶
    する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されているカラー画像イメージか
    ら、前記被判別媒体1枚毎に、画素単位に、この画素の
    色情報を所定閾値と比較してこの比較結果に基づき、
    記具により書かれた部分に該当する画素のみを抽出する
    筆記具画素抽出手段と、 前記筆記具画素抽出手段により抽出された被判別媒体1
    枚毎の画素の色情報の分布状況の違いにより、前記筆記
    具の判別を行う筆記具判別手段とを、 備えたことを特徴とする筆記具判別装置。
  4. 【請求項4】 被判別媒体のカラー画像イメージを記憶
    する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されているカラー画像イメージか
    ら、1文字あるいは1図形を切り出す文字・図形切出手
    段と、 前記文字・図形切出手段により切り出されたカラー画像
    イメージから、画素単位に、この画素の色情報を所定閾
    値と比較してこの比較結果に基づき、筆記具により書か
    れた部分に該当する画素のみを抽出する筆記具画素抽出
    手段と、 前記筆記具画素抽出手段により抽出された画素の色情報
    の分布状況の違いにより、前記筆記具の判別を行う筆記
    具判別手段とを、 備えたことを特徴とする筆記具判別装置。
  5. 【請求項5】 被判別媒体のカラー画像イメージを記憶
    する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されているカラー画像イメージか
    ら、文字あるいは図形を行単位に切り出す行切出手段
    と、 前記行切出手段により切り出されたカラー画像イメージ
    から、画素単位に、この画素の色情報を所定閾値と比較
    してこの比較結果に基づき、筆記具により書かれた部分
    に該当する画素のみを抽出する筆記具画素抽出手段と、 前記筆記具画素抽出手段により抽出された画素の色情報
    の分布状況の違いにより、前記筆記具の判別を行う筆記
    具判別手段とを、 備えたことを特徴とする筆記具判別装置。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載の筆記
    具判別装置において、前記筆記具判別手段は、前記筆記
    具により書かれた部分に該当する画素の色情報の分布状
    況の違いにより、前記筆記具の判別を行ってその判別結
    果を外部に出力する手段を具備することを特徴とする筆
    記具判別装置。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    筆記具判別装置において、前記筆記具判別手段における
    前記色情報は、赤、緑、青の画像イメージ信号であるこ
    とを特徴とする筆記具判別装置。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    筆記具判別装置において、前記筆記具判別手段における
    前記色情報は、色相、彩度、あるいは明度のいずれか一
    つあるいは複数の組み合せであることを特徴とする筆記
    具判別装置。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の筆記具判別装置におい
    て、前記筆記具判別手段は、判別対象筆記具を黒色の鉛
    筆とボールペンとし、使用筆記具により書かれた部分に
    該当する画素の赤の濃度値の緑の濃度値あるいは青の濃
    度値に対する大小関係を用いて筆記具の判別を行う構成
    にしたことを特徴とする筆記具判別装置。
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