JP3126448U - 帯電防止樹脂チューブ - Google Patents
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Abstract
【課題】静電気の帯電を防止する効果を有する樹脂チューブを提供する。
【解決手段】ポリウレタン樹脂・ポリアミド樹脂・ポリエチレン樹脂・ポリプロピレン樹脂またはこれらのエラストマーのいずれかからなる樹脂チューブ本体の外面に長手方向に沿って伸びる少なくとも1本の導電性部分を設け、該導電性部分はポリウレタン樹脂・ポリアミド樹脂・ポリエチレン樹脂・ポリプロピレン樹脂またはこれらのエラストマーのいずれかをベースとする体積抵抗率が102乃至108Ω・cmの導電樹脂を用いる。
【選択図】図5
【解決手段】ポリウレタン樹脂・ポリアミド樹脂・ポリエチレン樹脂・ポリプロピレン樹脂またはこれらのエラストマーのいずれかからなる樹脂チューブ本体の外面に長手方向に沿って伸びる少なくとも1本の導電性部分を設け、該導電性部分はポリウレタン樹脂・ポリアミド樹脂・ポリエチレン樹脂・ポリプロピレン樹脂またはこれらのエラストマーのいずれかをベースとする体積抵抗率が102乃至108Ω・cmの導電樹脂を用いる。
【選択図】図5
Description
本考案は、帯電防止樹脂チューブに関する。
様々なチューブが液体・気体・粉体等の物体の搬送に使用されている。とくに樹脂チューブは樹脂材料の選択によって耐薬品性・耐熱性・耐摩耗性・耐汚染性等に優れたものが比較的安価に得られ、広く実用に供されている。
しかし、一般に樹脂は体積抵抗率が高く、従って樹脂チューブは物体が流通する際の摩擦によって容易に帯電してしまう。チューブが帯電すると、静電力で粉体等がチューブ壁面に付着して流通が妨げられるほか、可燃性流体の流通時には時に引火の原因にもなる。また、チューブに人体が触れるとショックを与えるという不都合もある。以上の様な不都合を解消する為、従来より様々な帯電防止樹脂チューブが開発されてきた。
例えば、実開平5−31870号公報の図1には、樹脂チューブを少なくとも内面層と外面層の2層構造とし、内面層と外面層の間に補強層とともにアース線を埋設した構造のチューブが開示されている。
このような樹脂チューブによれば、アース線を接地することでチューブ内に生じた静電気は放電されるのでチューブの帯電はきわめて小さくなる。また、樹脂チューブ内を流通する物体と放電を行うための構造(アース線)が直接触れることも無いので、流通する物体の汚染の心配も無い。加えて、樹脂チューブの構成材料樹脂を透明樹脂とすることでチューブ内を流通する物体を外部から目視確認することも可能である。
しかしながら、アース線を埋設した構造の樹脂チューブの製造には複雑な製造装置が必要であり、製造コストが高くなりやすい。また、アース線が樹脂チューブ内に埋設されている為にこれを接地する為には、樹脂チューブの使用者がアース線を樹脂チューブから引き出して積極的に接地作業を行う必要がある。これは熟練を要する手間のかかる作業であり樹脂チューブの使い勝手を低下させてしまう。そこで、導電性にきわめて優れた金属製のアース線を使用する場合よりも静電気の帯電防止効果は劣ると考えられるものの、多くの用途においては十分な帯電防止効果を得られると考えられる樹脂チューブが提案されている。
例えば、特開2000−291848号公報の図2には、熱可塑性フッソ樹脂からなる透明部分と導電性物質を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる導電部分とを有するフッ素樹脂チューブが開示されている。
このようなフッ素樹脂チューブによれば、フッ素樹脂チューブ外部に導電性物質が露出していることにより、フッ素樹脂チューブを接地された金属製または導電性樹脂製の支持具で支持する等すれば自然にフッ素樹脂チューブが接地されて静電気が放電され、フッ素樹脂チューブの帯電が防止される。また、通常不透明な導電性物質層をフッ素樹脂チューブ本体の外周面に長手方向に沿ってストライプ状に設けることで、導電性物質層に覆われていない透明フッソ樹脂層部からフッ素樹脂チューブ内を流通する物体を外部から目視することも可能である。
前記フッ素樹脂チューブは前記の通り優れた性質を有しており、特開2003−4176号公報の図1にも、特開2000−291848号公報の図2開示のフッ素樹脂チューブと実質的に同一のフッ素樹脂チューブが開示されている。
実開平5−31870号公報
特開2000−291848号公報
特開2003−4176号公報
しかし、フッソ樹脂チューブ以外のチューブに対して類似構造を適用した例は報告が無い。
本考案が解決しようとする課題は、上記の通り帯電を防止し、かつ内部を流通する物体を外部から目視できる樹脂チューブを提供するという点である。
本考案は、樹脂チューブ本体の外面に長手方向に沿って伸びる少なくとも1本の導電性部分を有し、該樹脂チューブ本体はポリウレタン樹脂・ポリアミド樹脂・ポリエチレン樹脂・ポリプロピレン樹脂またはこれらのエラストマーのいずれかからなり、該導電性部分はポリウレタン樹脂・ポリアミド樹脂・ポリエチレン樹脂・ポリプロピレン樹脂またはこれらのエラストマーのいずれかをベースとし体積抵抗率が102乃至108Ω・cmの導電樹脂としたことを最も主要な課題解決手段としている。
一般的に体積抵抗率が高い樹脂材料で構成された樹脂チューブは内部を絶縁性の物体が流通した際の摩擦静電気によって帯電しやすいが、樹脂チューブ外面に長手方向に沿って伸びる少なくとも1本の導電性部分を体積抵抗率が102乃至108Ω・cmの導電性樹脂によって設けると、帯電した静電気を放電することができる。樹脂チューブ内面と樹脂チューブ外面は樹脂材料で絶縁されているのであるが、樹脂チューブの厚みは比較的薄いために抵抗値の絶対値はさほど高くは無く、静電気の放電は十分可能である。一方、樹脂チューブの長手方向は非常に長くなることがあるものの、この方向には導電性部分が存在することによって抵抗が低く保たれ、設置された金属製や導電樹脂製のチューブ継手やチューブ固定具を介して帯電した静電気を放電することができるのである。
樹脂チューブ本体の材質としたポリウレタン樹脂・ポリアミド樹脂・ポリエチレン樹脂・ポリプロピレン樹脂はフッ素樹脂と比較して原料コスト・製造コストとも安価であり、従って製品である樹脂チューブも安価に製造できる利点がある。また、フッ素ガスの発生の懸念が無いことから特殊な製造設備が必要なく、製造工程の作業者の安全衛生上の観点でも好ましい。
ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、ポリアミド樹脂も類似の性質がある。樹脂チューブは例えば塗装装置の可動部の接続のように繰り返し曲げが加えられる用途に使用されることが多く、従って耐摩耗性に優れたこれら材料が適している。また、塗装装置の例では、摩擦電気を発生しやすい油性塗料を樹脂チューブで流通させる必要があるので、樹脂チューブは帯電防止機能を有していることが必要なのである。
ポリエチレン樹脂・ポリプロピレン樹脂は前記ポリウレタン樹脂・ポリアミド樹脂と比較すると耐摩耗性はわずかに劣るものの、耐水性・耐薬品性に優れ、用途によって使い分けることができる。
エラストマとは樹脂成分であるハードセグメントとゴム成分であるソフトセグメントとに分離している構造の材料であるが、ゴム的性質を持ちながらも射出成形などの溶融成形が容易であり、樹脂チューブの成形も可能である。樹脂チューブ本体を前記樹脂材料のエラストマで構成した場合、製造が容易であるばかりか、樹脂チューブが柔軟性に富むものとなり、繰り返し曲げが必要な用途で装置の曲げトルクが小さくてすむといった効果が得られる。また、柔軟性ゆえに樹脂チューブ表面の割れ等も発生しにくくなるという効果も得られる。仮に導電性部分を構成する樹脂に割れが生じると、導電性部分の連続性が失われて帯電防止効果を喪失してしまうのであるから、長期間にわたって安定した帯電防止効果を得る上で、導電性部分のベース樹脂に前記樹脂のエラストマを用いることはきわめて効果的である。
なお、樹脂チューブ本体と導電性部分の材料の選択は、これらが互いに熱溶着可能な組み合わせとなるよう選択すればよい。このように材料を選択すると、接着剤を使用せずに樹脂チューブ本体と導電性部分を安価・強固に接着することができるからである。加えて、これらがほぼ同じヤング率や熱膨張係数を有するように選択されていれば、樹脂チューブに曲げや温度変化が生じた際等に樹脂チューブ本体と導電性部分が剥離してしまう危険が少なくなるのでより好ましい。また、熱膨張係数が近い場合は、成形後の樹脂の収縮による形状のひずみが少なくなり、樹脂チューブ成形後の断面形状精度を高くしやすい利点もある。断面形状精度は樹脂チューブの継ぎ手部分でのシール性に大きな影響を与えるパラメータであるから、これは高ければ高いほど好ましいのである。
本考案にかかる樹脂チューブでは、好ましくは、前記導電性部分の前記樹脂チューブ本体の円周方向の幅は0.5mm乃至20mmとするとよい。
樹脂チューブは通常継手や固定具によって固定使用されるのであるが、これら継手や固定具が導電性を有する場合はこれらを通じて樹脂チューブが自然に接地され、これによって帯電した静電気が放電されるという好ましい効果がある。しかし、樹脂チューブはかなりの長さの物が使用される場合があり、樹脂チューブの長手方向に導電性部分が設けたとしても、条件によっては継手や固定具の間隔が長くなると設置されていない部分の樹脂チューブの長手方向の抵抗値が高くなり、帯電した静電気の放電が難しくなる場合が想定できる。
本願考案の考案者等の研究によれば、チューブの長手方向の単位長さあたりの抵抗が概ね1012Ω以下であれば、通常の樹脂チューブの使用においては十分な静電気の放電効果が得られることが判明している。ここで、導電性部分に体積抵抗率が最も高い108Ω・cmの導電性樹脂を使用して厚み50μmの導電性部分を形成したとすると、導電性部分の円周方向の幅は0.2mm以上で、チューブの長手方向の単位長さあたりの抵抗を1012Ω以下とすることができる。現実には、導電性部分の円周方向の幅をあまりに狭くすると導電性部分のかすれが生じた場合や、磨耗が生じた場合に帯電した静電気の放電効果が不足してしまうため、余裕を見て導電性部分の円周方向の幅を0.5mm以上とすることが好ましい。
なお、導電性部分の円周方向の幅を大きくすればするほど帯電した静電気の放電効果は大きくなるものの、一般に導電性樹脂は不透明であることがほとんどであり、樹脂チューブ内を流通する物体の外部からの視認性を損なうことになる。そこで、通常製造される樹脂チューブの外形範囲を勘案すれば、導電性部分の円周方向の幅を最大でも20mm以下とすれば好適である。
本考案にかかる樹脂チューブでは、好ましくは、前記導電性部分は、前記樹脂チューブ本体と共押出成形によって製造すると良い。
共押出成形によって本考案に係る樹脂チューブを製造するとは、専用の成形ダイ内で樹脂チューブ本体の原料樹脂と導電性部分の原料樹脂の成形・接着を完了する製造法であり、これら原料樹脂が互いに熱溶着可能な組み合わせであれば、接着剤などを用いずとも非常に強固な接着が得られ、しかも製造した樹脂チューブの外形精度が非常に高くなる。具体的には、樹脂チューブの断面形状がきわめて真円に近いものを製造することが出来る。樹脂チューブに要求される機能のひとつに継手等によって樹脂チューブを接続した際に優れたシール性を得られることがあり、これは樹脂チューブの断面形状が如何に真円に近いかに大きく影響を受ける。従って、導電性部分と樹脂チューブ本体とを共押出成形によって製造することが好ましいのである。
なお、樹脂チューブ本体を押し出し成形したものと、別途製造したリボン状の導電性部分を熱溶着加工することで、本考案に係る樹脂チューブを製造することも可能である。この場合は、前記のとおりシール性を確保するために樹脂チューブ本体に導電性部分を熱溶着すると同時にまたは熱溶着した後に、外形を真円に近く整形することが好ましい。
導電性部分と樹脂チューブ本体を共押出成形することで最も高い生産性が得られるのであるが、共押出成形は製造時の押出成形機の調整の難度が高いという課題がある。具体的には、共押出する樹脂材料の押出圧力や成形温度を適切に設定しなければ導電性部分が所望の厚みにならなかったり、あるいは途切れたりする事態を生じるのであるが、この調整は熟練した作業者が時間をかけて行う必要があり、同じ品種の樹脂チューブを大量に生産する場合には良いが、多品種少量生産を行う場合には製造設備のいわゆる段取り替えに時間を要して製造設備の稼働率が低下し、生産性を損ねてしまう。
また、共押出成形を行う生産設備の調整時に使用した樹脂材料はリサイクルが困難であるという課題もある。共押出成形を行うと、導電性部分を構成する材料と樹脂チューブ本体を構成する材料が一体となって分離困難だからである。単純な押出成形であれば、生産設備の調整時に使用した樹脂は他の樹脂と混ざることが無いので、容易にリサイクルでき、この点でも生産設備の調整(段取り替え)が頻発する多品種少量生産には、樹脂チューブ本体を押し出し成形したものと、別途製造したリボン状の導電性部分を熱溶着加工することが有利である。
本考案にかかる樹脂チューブでは、前記導電性部分を前記樹脂チューブ本体の外面に接着加工によって接着することも出来る。
導電性部分と樹脂チューブ本体の材質の組み合わせにより熱溶着できない場合であっても、接着剤を塗布してこれらを貼付すれば帯電した静電気を放電する効果が得られる。この場合、リボン状に成形した導電性部分を貼付することで任意の樹脂チューブに帯電防止効果を付与できるという利便性がある。もっとも、外形を高精度に真円に近づけることは困難である為、シール性の確保に外形の真円性を要する継手と共に使用する用途には向かない。樹脂チューブの内形でシールを行う継手には問題なく使用できる。
本考案にかかる樹脂チューブでは、好ましくは、前記導電性部分は、前記樹脂チューブ本体の外面に印刷によって形成するとよい。
導電性を有するインクで樹脂チューブ表面に長手方向に沿って伸びるストライプ状の模様を印刷することで、印刷した模様部分が導電性部として働き、帯電した静電気を放電する効果を得ることができる。ここに、導電性を有するインクとは銀やカーボンの微粒子を適当なバインダーに分散したものの様に、スクリーン印刷方式やインクジェット方式で対象物表面に印刷可能なものである。また、インク状態で導電性が無くとも、印刷後の硬化に伴って導電性が発現するものでも良い。
印刷によって導電性部分を形成する方法によれば、極めて薄い導電性部分を樹脂チューブ本体に形成できる為に樹脂チューブの外形精度にほとんど影響を与えずにすむ他、目的に応じて導電性部分の円周方向の幅を容易に調整可能であるという利点がある。導電性インクとして樹脂チューブ本体に対して浸透性の高いものを使用すれば、この利点はさらに顕著である。また、樹脂チューブ本体の成形工程と導電性部分の成形工程が分離される為に、おのおのの工程の生産設備の調整も容易になるという効果も得られる。
本考案にかかる樹脂チューブでは、好ましくは、前記樹脂チューブ本体は、透明または半透明とするとよい。
樹脂チューブ内部を流通する物体を外部から目視確認可能であることは、樹脂チューブの使い勝手上重要であり、樹脂チューブ本体を透明又は半透明とすることでこれは容易に達成される。導電性部分は不透明または少なくとも透明度の低い樹脂になることが通常である為、樹脂チューブ本体の外面に長手方向に沿って伸びるとすることで、導電性部分に覆われない樹脂チューブ本体部分から樹脂チューブ内部を流通する物体の視認性を確保するのである。
本考案にかかる樹脂チューブでは、好ましくは、揮発性または可燃性流体を搬送する為のチューブとするとよい。
樹脂チューブに静電気が帯電した場合のもっとも大きな問題は火花放電が生じることに起因する火災の発生であり、これは樹脂チューブ内部を可燃性流体が流通している際に発生し易い。とくに、可燃性流体が揮発性を有している場合には危険が高まる為、本考案にかかる樹脂チューブは、特に揮発性または可燃性流体を搬送する為のチューブに適するのである。
なお、通常は揮発性や可燃性があるとはされないものを搬送する場合であっても本考案にかかる樹脂チューブは有効である。例えば、粉体を圧縮空気で搬送する場合には、粉体が静電気で帯電した樹脂チューブ内壁に固着して搬送効率が低下したり、あるいは燃焼しにくい粉体が火花放電発生時に爆発してしまう、いわゆる粉体爆発または粉塵爆発の原因にもなる。このような事態の防止にも、本考案に係る樹脂チューブの帯電防止効果が得られる。
さらに、本考案にかかる樹脂チューブでは、樹脂チューブ本体に補強層を設けるとよい。
具体的には、樹脂チューブ本体を樹脂チューブ本体内層と、該樹脂チューブ本体内層の周囲を覆うように設けた補強層と、該補強層の周囲を覆うように設けた樹脂チューブ本体外層とから構成し、該補強層は該樹脂チューブ本体内層の周りに金属線や樹脂糸をらせん状にまたはメッシュ状に巻きつけて構成するなどすればよい。
補強層を設けることで、樹脂チューブの強度は飛躍的に向上し、例えば搬送する気体や液体の圧力が高い場合に特に適したものとなる。なお、このように補強層を有する樹脂チューブはしばしばホースと呼ばれることもある。
なお、補強層に金属線を用いた場合はこれを通じて帯電した静電気を放電する作用がある程度は期待できる。しかしながら、確実に帯電した静電気を放電するには、前記金属線を樹脂チューブから引き出して接地する面倒な作業が必要である。従って、補強層に金属線を使用した場合であっても、樹脂チューブ本体の外面に長手方向に沿って伸びる少なくとも1本の導電性部分を設けて、チューブ継手やチューブ固定具を介して静電気を放電できる本考案の効果が必要なのである。
以上説明したとおり、本考案に係る樹脂チューブでは、簡単な構成で製造性に優れた樹脂チューブにもかかわらず、静電気の帯電を防止する作用が得られるいう利点がある。また、樹脂チューブの継手や固定具を介して自然と接地され、内部を流通する物体を目視確認することも可能であるという特徴も得られる。
以下、本考案を図面を元に詳細に説明する。
図1は、本考案に係る樹脂チューブの1実施例の説明図である。同図は、樹脂チューブの断面を示しており、実際には樹脂チューブは図の手前側及び奥側に連続している。
本実施例では樹脂チューブ本体1は、耐薬品性に優れたポリプロピレン樹脂からなる。また、導電性部2は同じくポリプロピレン樹脂をベースとした、体積抵抗率が108Ω・cm以下の導電性樹脂である。また、導電性部2の厚みは約100μm、円周方向の幅は1mmとしている。この場合、本樹脂チューブは単位長さあたりの抵抗値は約1011Ω程度であり、十分な静電気の帯電防止効果を有する。
樹脂チューブ本体1と導電性部2は共押出成形によって一体に成形されており、量産性に優れているほか、外形も高い精度で真円になっており、継手部等でのシール性にも優れている。また、樹脂チューブ内を流通する物体はポリプロピレン樹脂からなる樹脂チューブ本体1のみにしか触れない為、樹脂チューブ内を流通する物体の汚染も無い。さらに、導電性部2が樹脂チューブの外部に露出している為、樹脂チューブの継手や固定具に導電性があれば、積極的に樹脂チューブの接地作業をしなくとも自然と樹脂チューブが接地される。
なお、本実施例では樹脂チューブ本体1と導電性部2を共押出にて一体に成形したが、これらを別々に成形した後に熱溶着及び整形して同様の構造のものを得ても良い。また、樹脂チューブ本体1の表面上に導電性インクを用いて導電性部2を印刷形成しても良い。この場合は、導電性インクが樹脂チューブ本体1に対して浸透性を有し、樹脂チューブの外形精度を低下させないようにすることが好ましい。
また、本実施例では耐薬品性に優れたポリプロピレン樹脂からなる樹脂チューブ本体1とこれをベースとした導電性部2によって樹脂チューブを構成したが、ポリプロピレン樹脂に代えてポリウレタン樹脂・ポリアミド樹脂・ポリエチレン樹脂を使用することも可能である。
図3は、本考案に係る樹脂チューブの別の実施例の説明図である。同図も、樹脂チューブの断面を示している。
本実施例では、導電性部2を対向して2本設けており、これ以外の点については実施例1と同様である。これにより、本樹脂チューブの単位長さあたりの抵抗値は導電性部が1本のみの場合の約半分となり、より大きな帯電防止効果が得られる。また、導電性部2が2本あることにより、樹脂チューブの導電性部が継手や固定具に確実に接触して接地される可能性が高まり、より帯電防止効果は確実になる。
なお、導電性部を2本設ける場合には、図3にように導電性部を樹脂チューブ断面で対向するようにすると良い。このようにすると、樹脂チューブ内部を流通する物体の視認性の低下を最小限とすることができるからである。なお、必要に応じて導電性部を3本以上設けても良いことはいうまでも無い。
図2は、本考案に係る樹脂チューブの別の実施例の説明図である。同図も、樹脂チューブの断面を示している。
本実施例では、樹脂チューブ本体1にリボン上に成形した導電性部2を図示しない接着材にて貼付している。この実施例では、外形精度は劣るものの、共押出成形設備が不要であるという、製造上の利点が得られる。
図4は、本考案に係る樹脂チューブの別の実施例の説明図である。同図も、樹脂チューブの断面を示している。また、図5には同実施例の理解を助ける為、斜視図を加えた。同斜視図では、本実施例の内部構造が把握できるよう、樹脂チューブ本体外層(1b)の一部を切り取った状態を示している。
本実施例では、樹脂チューブ本体は樹脂チューブ本体内層(1a)と樹脂チューブ本体外層(1b)とこれらの間に埋め込まれた補強糸(3)と、樹脂チューブ本体外層(1b)の長手方向にストライプ状に設けられた導電性部(2)からなる樹脂チューブとしている。樹脂チューブ本体内層(1a)や樹脂チューブ本体外層(1b)、導電性部(2)については先の実施例と同様である。
補強糸(3)は強靭な金属線または樹脂糸をメッシュ状にしたものであり、樹脂チューブで高圧の気体や液体を搬送した際にも樹脂チューブが破裂することなく安全に使用可能な高い強度を実現する。なお、通常補強糸(3)の周りには樹脂チューブ本体外層(1b)を構成する樹脂材料が充満されている。つまり、補強糸(3)と樹脂チューブ本体外層(1b)の一部が層状構造となって、樹脂チューブの補強層としての効果を奏するのである。
なお、前記構成は、樹脂チューブ本体内層(1a)を押出成形によって製造し、これに補強糸(3)を巻きつけて、さらに樹脂チューブ本体外層(1b)を形成することで容易に得られる。導電性部(2)は、樹脂チューブ本体外層(1b)を成形ダイで形成する際に共押出成形することで容易に構成できる。
本実施例では、高い圧力の気体や液体を搬送可能でしかも静電気の帯電を防止可能な樹脂チューブ(ホースともいう)を得ることができる。
以上説明したように、本考案は帯電防止樹脂チューブとして大きな効果を有するものである。
1 樹脂チューブ本体
1a 樹脂チューブ本体内層
1b 樹脂チューブ本体外層
2 導電性部
3 補強糸
1a 樹脂チューブ本体内層
1b 樹脂チューブ本体外層
2 導電性部
3 補強糸
Claims (7)
- 樹脂チューブ本体の外面に長手方向に沿って伸びる少なくとも1本の導電性部分を有し、該樹脂チューブ本体はポリウレタン樹脂・ポリアミド樹脂・ポリエチレン樹脂・ポリプロピレン樹脂またはこれらのエラストマーのいずれかからなり、該導電性部分はポリウレタン樹脂・ポリアミド樹脂・ポリエチレン樹脂・ポリプロピレン樹脂またはこれらのエラストマーのいずれかをベースとした体積抵抗率が102乃至108Ω・cmの導電樹脂からなることを特徴とする樹脂チューブ。
- 前記導電性部分の前記樹脂チューブ本体の円周方向の幅は0.5mm乃至20mmであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂チューブ。
- 前記導電性部分は、前記樹脂チューブ本体と共押出成形によって形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂チューブ。
- 前記導電性部分は、前記樹脂チューブ本体の外面に接着加工によって形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂チューブ。
- 前記導電性部分は、前記樹脂チューブ本体の外面に印刷によって形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂チューブ。
- 前記樹脂チューブ本体は、透明または半透明であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1の請求項に記載の樹脂チューブ。
- 前記樹脂チューブは、揮発性または可燃性流体を搬送する為のチューブであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1の請求項に記載の樹脂チューブ。
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JP2010101604A (ja) * | 2008-10-27 | 2010-05-06 | Kajima Corp | 爆薬装填用ホース |
JP2022534050A (ja) * | 2019-05-23 | 2022-07-27 | インテグリス・インコーポレーテッド | 静電気放電緩和チューブセグメントおよび静電気放電緩和チューブセグメントを含む流体回路 |
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