JP3126015B2 - 溶接機用水冷式トーチ - Google Patents

溶接機用水冷式トーチ

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JP3126015B2
JP3126015B2 JP07094404A JP9440495A JP3126015B2 JP 3126015 B2 JP3126015 B2 JP 3126015B2 JP 07094404 A JP07094404 A JP 07094404A JP 9440495 A JP9440495 A JP 9440495A JP 3126015 B2 JP3126015 B2 JP 3126015B2
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勝己 菅野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チップから溶接芯線を
繰り出すと同時に、チップを囲むノズルからシールドガ
スを溶接部に噴出し、ノズルをその内部空間に流す水に
より冷却しながら溶接を行う溶接機用水冷式トーチに関
する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の溶接機用水冷式トーチ
は、図3、図4のように構成されている。図3(A)は
従来の水冷式トーチの側面図、図3(B)はその縦断面
図、図4(A)は該水冷式トーチの正面図、図4(B)
は図3(B)の部分拡大断面図である。これらの図にお
いて、1は円筒状をなすトーチ本体であり、該トーチ本
体1は、溶接芯線および電流供給用コンジット管20を
尾端に接続し、側面には前記シールドガス供給用ホース
21を接続する接続管2を有する。22はトーチ本体1
を図5に示すようなアーム23等に取付けるためのブラ
ケットであり、該ブラケット22は半割り状のものを組
合わあせたもので、同様の半割り構造の絶縁アダプタ2
4を介してトーチ本体1に締め付けて取付けられる。
【0003】3はトーチ先端において溶接芯線を繰り出
すチップ、4はチップホルダであり、該チップ3は雌雄
ねじ部aにおいてチップホルダ4の先端に固定される。
該チップホルダ4は、その後端部の雄ねじ部4aをトー
チ本体1の雌ねじ部1aに螺合し、かつ後部の外面テー
パー部4bをトーチ本体1の内面テーパー部1bに嵌合
して組み合わされる。
【0004】5はノズル6取付け用の筒状アダプタであ
り、該アダプタ5はチップホルダ4の外周の雄ねじ部4
cにアダプタ5の内周の雌ねじ部5aを螺合して取付け
られる。該アダプタ5は、ノズル6とチップホルダ4と
の電気的絶縁を図るために内面側は絶縁物により構成さ
れている。ノズル6は中空の筒体であり、その後端側の
雌ねじ部6aを、前記アダプタ5の外周の雄ねじ部5b
に螺合することにより取付けられる。7はノズル6とチ
ップホルダ4との間に嵌合されてノズル6を支持しかつ
電気的に絶縁する絶縁リングである。ノズル6には内部
の中空部に連通するように、2本のホース接続部6b、
6cが一体に設けられ、それぞれ冷却水供給用、排出用
の冷却水用ホース25、26が接続される。8はチップ
ホルダ4内およびトーチ本体1内に嵌合した芯線ガイド
管である。
【0005】図5は前記トーチAの取付け例を示す側面
図であり、旋回、起伏装置(図示せず)を介して設置さ
れるアーム27にピン28を中心として上下回動自在に
ブラケット29を取付け、該ブラケット29に旋回装置
30に取付け、該旋回装置30の被旋回側にアーム23
を取付け、該アーム23に前記ブラケット22を介して
水冷式トーチAが取付けられる。該トーチAには、前述
の溶接芯線および電流供給用コンジット管20と、シー
ルドガス供給用ホース21と、ノズルへの給水用と排水
用の2本の冷却水用ホース25、26とが接続され、シ
ールドガス供給用ホース21と冷却水用ホース25、2
6とはカバー31に収容される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の水冷式
トーチは、チップ3より繰り出される溶接芯線と溶接部
との間に通電して芯線を溶解させ、ノズル6よりシール
ドガスを噴出し、冷却水用ホース25、26を介してノ
ズル6内の中空部に冷却水を流しながら溶接を行うが、
ノズル6は溶接時高温となり、また、溶接スパッタ付着
等のために交換する必要がある。ノズル6を交換した
時、冷却水用ホース25、26の接続管6b、6cの回
転方向の位相が、図4(A)の正面図に2点鎖線で示す
ようにずれていると、アーム27を作動させたり旋回装
置30を作動させてトーチAを移動させる際に、冷却水
用ホース25、26に無理な応力が発生し、冷却水用ホ
ース25、26がホース接続管6b、6cから脱落した
り、ノズル6とアダプタ5のねじ部6a、5bの弛みが
発生するという問題点があった。また、これを避けるた
め、アダプタ5とノズル6との間にシムを介在させる等
の手段により、冷却水用ホース25、26の位相を正確
に合わせる必要があり、部品交換に手間がかかる上、シ
ム等の別部品が必要になるという問題点があった。
【0007】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
冷却水用ホースの位相合わせをシム等の別部品を要する
ことなく迅速に行うことができ、また、冷却水用ホース
の回転方向の位相が合わないことにより生じるトーチの
故障の発生を防止できる構造の溶接機用水冷式トーチを
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による溶接機用水冷式トーチは、トーチ本体
に、溶接芯線および電流供給用コンジット管と、シール
ドガス供給用ホースとを接続し、前記トーチ本体の先端
側にチップホルダを結合し、該チップホルダの先端に溶
接芯線を繰り出すチップを取付け、前記チップホルダ
に、螺合構造により、アダプタを介して、前記チップを
空間を介して囲む筒形ノズルを取付け、該ノズルにはノ
ズル内部の空間に冷却水を供給、排出する2本のホース
が接続される溶接機用水冷式トーチにおいて、前記チッ
プホルダと前記トーチ本体のいずれか一方の外面に設け
た雄ねじ部にカップリングナットの内面に設けた雌ねじ
部を螺合し、他方に設けた係止部に、カップリングナッ
トに設けた係止部を係止させる面固定構造により、チッ
プホルダとトーチ本体とを結合したことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明においては、チップホルダとトーチ本体
とが前記面固定構造により相互に固定される構造とした
ので、冷却水用ホースの位相をトーチ本体に対して合わ
せた状態としておいてカップリングナットを締めること
により、冷却水用ホースはトーチ本体に対して位相が好
適位置に設定されたままの状態で固定される。
【0010】
【実施例】図1(A)は本発明による水冷式トーチの一
実施例を示す側面図、図1(B)はその縦断面図、図2
は本発明におけるトーチの要部を示す断面図である。1
0はトーチ本体1とチップホルダ4とを結合する袋ナッ
ト状のカップリングナットであり、該カップリングナッ
ト10は、一端側の内面に突出させて設けた係止部10
aを、チップホルダ4の外面に設けた鍔状の係止部4d
に係止させ、カップリングナット10の内面の雌ねじ部
10bをトーチ本体1の外面の雄ねじ部1cに螺合する
ことにより、チップホルダ4のトーチ尾端側の外面のテ
ーパー部4bをトーチ本体1の先端側内面のテーパー部
1bに嵌合して結合するものである。11はカップリン
グナット10の外面に螺合または嵌合により取付けられ
た筒状の絶縁カバーであり、カップリングナット10が
外部装置と接触することを防止して弛みを防止するもの
である。
【0011】チップホルダ4に対するアダプタ5の結合
は、従来と同様に、該アダプタ5の内面の雌ねじ部5a
をチップホルダ4の外面の雄ねじ部4cに螺合すること
により行われる。また、アダプタ5に対するノズル6の
取付けは、ノズル6の尾端側の雌ねじ部6aを、前記ア
ダプタ5の外周の雄ねじ部5bに螺合することにより行
われる。
【0012】このような構成とすれば、新しいノズル6
の取付けの際、冷却水用ホース25、26の接続管6
b、6cの回転方向の位相をトーチ本体1に対して好適
位置、に合わせた状態(図4(A)の実線に示すように
シールドガス供給用ホース21の接続管2と同側)とし
て、カップリングナット10を締めることにより、チッ
プホルダ4とトーチ本体1とが相対的に回動することな
く固定されるので、冷却水用ホース25、26はトーチ
本体1に対して位相が合ったままの状態で固定される。
従って、シム等の別部品を用いることなく、冷却水用ホ
ース25、26の回転方向の位相を容易かつ迅速に合わ
せることができる。そしてこれにより、トーチ移動に伴
う冷却水用ホース25、26のトーチに対するからみつ
きや無理な応力の発生、あるいはこれにより起こる冷却
水用ホース25、26の脱落による水漏れやノズル6の
ねじ弛みの発生のおそれがなく、ノズル6の寿命を長く
することができる。
【0013】上記実施例においては、トーチ本体1に雄
ねじ部1cを設け、該雄ねじ部1cにカップリングナッ
ト10の雌ねじ部10bを螺合したが、チップホルダ4
の外面に雄ねじ部を設け、トーチ本体1に鍔状の係止部
を設け、その係止部にカップリングナットの係止部を係
止させ、カップリングナットの雌ねじ部をチップホルダ
の雄ねじ部に螺合してトーチ本体1とチップホルダ4と
を結合するようにしてもよい。
【0014】
【発明の効果】請求項1によれば、チップホルダとトー
チ本体とをカップリングナットにより面固定構造により
結合したので、チップホルダすなわちノズルの回転方向
の位相を任意に調整してトーチ本体に固定することがで
きるため、ノズルの冷却水用ホースの接続口の回転方向
の位相を、シム等の調整作業を要することなく、容易に
行え、部品交換時間を短縮できる。また、ノズルの位相
合わせ不具合による冷却水用ホースの脱離やねじれによ
るねじの弛み等の故障が減少し、トーチ寿命の延長が達
成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明による水冷式トーチの一実施例
を示す側面図、(B)はその縦断面図である。
【図2】本実施例におけるトーチの要部を示す拡大断面
図である。
【図3】(A)は従来の水冷式トーチの側面図、(B)
はその縦断面図である。
【図4】(A)は従来の水冷式トーチの正面図、(B)
はその部分拡大縦断面図である。
【図5】トーチの取付け例を示す側面図である。
【符号の説明】
1:トーチ本体、1b:テーパー部、1c:雄ねじ部、
2:シールドガス供給用ホースの接続管、3:チップ、
4:チップホルダ、4b:テーパー部、4c:雄ねじ
部、4d:係止部、5:アダプタ、5a:雌ねじ部、5
b:雄ねじ部、6:ノズル、6a:雌ねじ部、6b、6
c:冷却水用ホースの接続管、7:絶縁リング、8:溶
接芯線ガイド筒、10:カップリングナット、10a:
係止部、10b:雌ねじ部、11:絶縁カバー、20:
コンジット管、21:シールドガス供給用ホース、2
2:ブラケット、24:絶縁アダプタ、25、26:冷
却水用ホース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−1144(JP,A) 実開 昭59−157780(JP,U) 実公 平2−39653(JP,Y2) 実公 平5−22379(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/29

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トーチ本体に、溶接芯線および電流供給用
    コンジット管と、シールドガス供給用ホースとを接続
    し、 前記トーチ本体の先端側にチップホルダを結合し、該チ
    ップホルダの先端に溶接芯線を繰り出すチップを取付
    け、 前記チップホルダに、螺合構造により、アダプタを介し
    て、前記チップを空間を介して囲む筒形ノズルを取付
    け、 該ノズルにはノズル内部の空間に冷却水を供給、排出す
    る2本のホースが接続される溶接機用水冷式トーチにお
    いて、 前記チップホルダと前記トーチ本体のいずれか一方の外
    面に設けた雄ねじ部にカップリングナットの内面に設け
    た雌ねじ部を螺合し、他方に設けた係止部に、カップリ
    ングナットに設けた係止部を係止させる面固定構造によ
    り、チップホルダとトーチ本体とを結合したことを特徴
    とする溶接機用水冷式トーチ。
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