JP3125598B2 - 平板型画像表示装置 - Google Patents

平板型画像表示装置

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JP3125598B2 JP06249660A JP24966094A JP3125598B2 JP 3125598 B2 JP3125598 B2 JP 3125598B2 JP 06249660 A JP06249660 A JP 06249660A JP 24966094 A JP24966094 A JP 24966094A JP 3125598 B2 JP3125598 B2 JP 3125598B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラーテレビジョン受像
機、計算機の端末ディスプレイ等に用いられる平板型画
像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、平板型画像表示装置として、種々
の方式の表示装置が盛んに開発され、液晶ディスプレ
イ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマ
ディスプレイ等が市場に登場しているが、現状におい
て、輝度、解像度、フルカラー化の点で、カラーブラウ
ン管に劣っている。
【0003】そこでブラウン管並みの高画質の画像が得
られるように、電子ビームを用いてカラーテレビジョン
画像を平板状の装置で表示することを目的として、スク
リーン上の画面をマトリクス状の区分に隙間なく分割
し、各々の区分毎に電子ビームを偏向、走査して蛍光体
を発光させ、全体としてカラーテレビジョン画像を構成
する平板型画像表示装置があり、画質、フルカラー化の
点で十分ブラウン管に匹敵するところまで開発が進んで
いる。
【0004】以下図面を参照しながら、上記した従来の
平板型画像表示装置の一例について説明する。
【0005】従来の平板型の画像表示装置として例えば
特開平1−173553号公報等に記されたものが知ら
れている。図7は従来の平板型画像表示装置の基本構造
を示す斜視図であり、電子ビームが偏向されていない状
態を示している。
【0006】図7において、51は背面電極、52は電
子ビーム源としての線状熱陰極、53は電子ビーム引き
出し電極、54は信号電極、55は第一集束電極、56
は第二集束電極、57は水平偏向電極、58は垂直偏向
電極であり、これらの構成部品を真空容器(図示せず)
内に納めてある。
【0007】線状熱陰極52は、図示のように一定間隔
で複数本平行に設けられている。これらの線状熱陰極5
2は例えばタングステン線の表面に酸化物陰極材料が塗
着されて構成されている。
【0008】背面電極51は板状の導電材からなり、線
状熱陰極52に対し平行に設けられている。
【0009】引き出し電極53は線状熱陰極52をはさ
んで背面電極51と対向し、電子ビームの通過孔として
の貫通孔が線状熱陰極52に対応する場所にあけられて
いる板状電極である。
【0010】信号電極54は、引き出し電極53におけ
る貫通孔の各々に相対向する位置に所定間隔を介して複
数個設置された垂直方向に細長い導電板の列からなり、
各導電板においては、引き出し電極53の貫通孔に相対
向する位置に、同様の貫通孔を有している。
【0011】第一集束電極55は、信号電極54の貫通
孔の各々に対向する位置に貫通孔を有する導電板からな
る。
【0012】第二集束電極56は、第一集束電極55の
貫通孔の各々に対向する位置に貫通孔を有する導電板か
らなる。
【0013】水平偏向電極57は、同一平面上に互いに
空間を介して噛み合った2枚の櫛歯状の導電板から構成
されており、2枚の櫛歯状導電板の間に作られた空間
は、第二集束電極56の貫通孔と相対向している。
【0014】垂直偏向電極58も、2枚の櫛歯状の導電
板を同一平面状で空間を介して噛み合せた構成からな
る。
【0015】引き出し電極53から垂直偏向電極58の
各電極間の間隔は等しく揃えられている。
【0016】スクリーン59は、電子ビームの照射によ
って発光する蛍光体(図示せず)をガラス容器61の内
面に塗布し、その上にメタルバック層(図示せず)が付
加されて構成される以上のように構成された平板型画像
表示装置について、以下その動作について説明する。
【0017】まず線状熱陰極52を加熱した状態で背面
電極51、引き出し電極53に適切な電圧を印加し、線
状熱陰極の電圧を個別に制御することにより、上方から
順にシート状の電子ビーム62を発生させることができ
る。ただし図では簡単のためシート状ではなく、スクリ
ーン59に到達する一束分の成分のみ示している。前記
のシート状の電子ビーム62は、次に引き出し電極53
の貫通孔によって分割され、信号電極54の貫通孔に到
達するが、この際に、信号電極54の電圧を経時的にO
N・OFF制御することにより、絵素を表示するための
映像信号に応じて電子ビーム通過量を調節する。
【0018】信号電極54を通過した電子ビーム62は
次に第一集束電極55、第二集束電極56に到達し、貫
通孔を通過することによって、集束、整形されたのち、
水平偏向電極57の導電板間および垂直偏向電極58の
導電板間に与えられる電位差(偏向電圧)によって水平
および垂直に静電偏向される。さらにスクリーン59の
メタルバック層には例えば10kVの高電圧が印加され
ており、電子ビームは加速されてメタルバック層に衝突
し蛍光体を発光させる。
【0019】図9(a)は図7を水平に切った断面図で
あり、電子ビームの軌道はほぼ図9(a)のようになっ
ている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、まず第一に、信号電極の電圧を経時的に
制御するため、ON・OFFの中間の過渡的な電圧が存
在する。図8はその時の波形を示すもので、理想的なO
N電圧波形を入力しようとしても、回路の出力インピー
ダンスや電極間の静電容量の影響を受けて、図8の実線
で示すような波形になる。図9(b)は過渡的な電圧時
の電子ビームの軌道を示す図である。スクリーン上での
電子ビームスポット径が図9(b)のように広がり、そ
れが正規のON電圧時のスポット径に重畳され、結果的
にスポット径が肥大し、電子ビームが意図した色以外の
蛍光体にも当たり、平板型画像表示装置の色再現性が著
しく低下するという問題点を有していた。
【0021】また第2に、電子ビーム偏向時のスポット
径の肥大という問題があった。電子ビームを偏向した時
の状態を図9(c)で示す。図9(c)は水平偏向時の
電子ビーム軌道を示す断面図である。電子ビームを偏向
した場合、電子ビームは無偏向時とは違った電位空間を
通過する。そのため、電子光学的表現を用いると、ビー
ムの光路長が偏向という作用のため変化する。よって無
偏向時には焦点を結んでいた電子ビームがデフォーカス
状態になり、結果的にスポット径が肥大し、第1の問題
点と同様、電子ビームが意図した色以外の蛍光体にも当
たり、平板型画像表示装置の色再現性を著しく低下させ
ていた。
【0022】また第3に、スポット径の水平垂直比率の
適正化という課題があった。図10は白色の点を1ドッ
ト分表示したときのスポットの状態を示している。71
は赤色発光蛍光体塗布部、72は緑色発光蛍光体塗布
部、73は青色発光蛍光体塗布部、74はブラックスト
ライプである。図のようにストライプが垂直方向の場
合、ビームスポット75は水平方向にシャープに絞る必
要があるが、垂直方向には3ビームスポット75で形成
されるドットの水平垂直比を1に近づけるため、安定し
てデフォーカスさせなければならない。このような水平
垂直で異なるフォーカス特性を信号電極の過渡的電圧時
に安定させることができないという問題点を有してい
た。
【0023】本発明は上記問題点に鑑み、信号電極の過
渡的電圧時や電子ビームの偏向時にもスポット径の変化
を抑え、かつ水平垂直で異なるフォーカス特性を安定さ
せ、良好な画質を得ることができる平板型画像表示装置
を提供するものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の発明の平板型画像表示装置は、真空
容器内に、電子源と、前記電子源から電子ビームを取り
出す取り出し電極と、前記電子ビームの変調信号を印加
する信号電極と、前記電子ビームを制御する電子ビーム
制御電極群と、前記電子ビームの射突により発光するス
クリーンとを備えた平板型画像表示装置において、全電
極の電子ビーム通過孔の開口寸法に対して、前記信号電
極の電子ビーム通過孔の開口寸法のうち、水平、垂直の
少なくとも一方の寸法が、最小であることを特徴とす
る。
【0025】また、本発明の第2の発明の平板型画像表
示装置は、全電極の電子ビーム通過孔の開口寸法に対し
て、前記信号電極の電子ビーム通過孔の開口寸法のう
ち、水平、垂直の少なくとも一方の寸法が、最小である
とともに、前記信号電極が前記引き出し電極に隣接する
ように配置され、前記引き出し電極の電位が、前記信号
電極の電位に対して、少なくとも同じか、ないしは高く
なっていることを特徴とする。
【0026】また、本発明の第3の発明の平板型画像表
示装置は、前記電子ビーム制御電極群には、電子ビーム
の集束電極を備え、全電極の電子ビーム通過孔の開口寸
法に対して、前記信号電極の電子ビーム通過孔の開口寸
法のうち、水平、垂直の少なくとも一方の寸法が、最小
であるとともに、前記信号電極の最小である方向の寸法
を基準としたときに、前記電子ビームの集束電極に至る
までの全電極の電子ビーム通過孔の水平垂直の開口寸法
比が、全て1より大きいことを特徴とする。
【0027】
【作用】本発明の第1の発明の平板型画像表示装置によ
れば、信号電極の電子ビーム通過孔の水平、垂直の開口
寸法のうち、スポットを絞るべき方向の寸法を、全電極
の電子ビーム通過孔の開口寸法に対して最小とし、信号
電極の電子ビームの通過孔の像をスクリーン上に投影
し、それをスポットとすれば、たとえ信号電極の電圧が
変化しても、信号電極の通過孔の大きさは物理的に変化
しないため、像の大きさも変化がない。これにより、信
号電極の過渡的電圧時にもスポット径の変化を抑えるこ
とができる。
【0028】本発明の第2の発明の平板型画像表示装置
によれば、信号電極を引き出し電極に隣接するように配
置し、信号電極の電子ビーム通過孔の水平、垂直の開口
寸法のうち、スポットを絞るべき方向の寸法を、全電極
の電子ビーム通過孔の開口寸法に対して最小とするとと
もに、引き出し電極の電位を、信号電極の電位に対し
て、少なくとも同じか、ないしは高くすれば、電子光学
的に引き出し電極に発散レンズ、信号電極に集束レンズ
が形成され、かつ最小寸法部分が全体の開口絞りの役割
をし、開口角が最小となる電子レンズ系が得られる。こ
れにより、電子ビームの偏向時の光路長の変化に対して
十分に深い焦点深度が得られ、スポット径の変化を抑え
ることができる。
【0029】本発明の第3の発明の平板型画像表示装置
によれば、信号電極の電子ビーム通過孔の水平、垂直の
開口寸法のうち、スポットを絞るべき方向の寸法を、全
電極の電子ビーム通過孔の開口寸法に対して最小とする
とともに、信号電極の最小である方向の寸法を基準とし
たときに、電子ビームの集束電極に至るまでの全電極の
電子ビーム通過孔の水平垂直の開口寸法比を全て1より
大きくすれば、デフォーカス方向の電子ビーム通過孔周
辺の等電位面の曲率を小さくできる。これにより、水平
垂直で異なるフォーカス特性を得るとともに、電子レン
ズ強度が弱まるので、信号電極の過渡的電圧時でのフォ
ーカス特性の変化も小さくすることができる。
【0030】
【実施例】
(実施例1)以下に第1の発明の一実施例を図面を参照
しながら説明する。なお、説明を簡単にするため、制御
電極群の構成が従来例と同じ場合を説明する図1は第1
の発明の実施例における平板型画像表示装置の基本構成
を示す断面斜視図であり、従来例で図9(a)に対応す
る印加電圧の状態を示している。なお図面の尺度はわか
りやすくするため、奥行方向に対して、上下左右の方向
を拡大して表示している。
【0031】図1において、1は背面電極、2は電子ビ
ーム源としての線状熱陰極、3は電子ビームの引き出し
電極、4は信号電極、10は制御電極群、9はスクリー
ンである。制御電極群10は第一集束電極5、第二集束
電極6、水平偏向電極7、垂直偏向電極8で構成されて
いる。以上の構成部品を真空容器(図示せず)内に納め
てある。
【0032】本実施例では、スクリーン9の蛍光体のス
トライプ11が垂直方向に形成されているとし、水平方
向にビームスポット12を絞る必要があるとする。
【0033】信号電極4の電子ビームの通過孔13の水
平方向の寸法(図中a寸法)は、引き出し電極3〜垂直
偏向電極8の通過孔の全寸法中、最小になるように形成
されている。14は電子ビーム軌道であり、線状熱陰極
2より熱電子放出現象でランダムな方向に発生した電子
のうち、信号電極4がON電圧時にスクリーン9に到達
する電子の水平断面上の代表的な軌道を示している。特
に、以後の説明のため、信号電極4の通過孔13の境界
付近を通過する軌道は太線で区別している。
【0034】なお各構成部品の位置関係などは従来例に
準じるため、ここでは省略する。以上のように構成され
た平板型画像表示装置について、以下図1及び図2を用
いてその動作を説明する。なお、従来例に準じる動作に
ついては簡単に説明し、異なる点を重点的に説明する。
【0035】線状熱陰極2を加熱した状態で背面電極
1、引き出し電極3に適切な電圧を印加しすることで、
電子ビーム14を発生させることができる。電子ビーム
14は次に引き出し電極3の通過孔によって分割され、
信号電極4の通過孔13に到達するが、この際に、信号
電極4の電圧を経時的にON・OFF制御することによ
り、絵素を表示するための映像信号に応じて電子ビーム
通過量を調節する。
【0036】信号電極4を通過した電子ビーム14は次
に第一集束電極5、第二集束電極6に到達し、通過孔を
通過することによって、集束、整形されたのち、水平偏
向電極7および垂直偏向電極8与えられる偏向電圧によ
って水平および垂直に静電偏向される。さらに高電圧が
印加されたスクリーン9に電子ビーム14が衝突し蛍光
体を発光させる。
【0037】本発明において、信号電極4の通過孔13
の開口寸法が最小となっているので、図1でも明らかな
ように、信号電極4の通過孔13が電子ビーム14に対
しての絞りの役割を持つことになる。線状熱陰極2から
は熱電子放出現象でランダムな方向に電子ビームは発生
しているので、最終のスポット12の大きさは、信号電
極4の通過孔13の境界付近を通過する電子ビーム14
の軌道を追跡すればよい。図1において、太線で表した
電子ビーム14の軌道は、フォーカス調整後、すなわ
ち、制御電極群10の第一集束電極5、第二集束電極
6、水平偏向電極7等のバイアス電圧調整後の最適スポ
ットの状態を示している。これは、電子光学的にスクリ
ーン9上に信号電極4の通過孔13の像が結ばれている
状態になっている。
【0038】さて、この状態で信号電極4の電圧を経時
的に制御すると、図8に示すような波形となり、ON・
OFFの中間の過渡的な電圧の状態が現れる。図2は過
渡的な電圧時の電子ビームの軌道を示す図である。同一
の構成部品には図1と同じ番号を付し、電子ビーム14
の軌道は信号電極4の通過孔13の境界付近を通過する
分のみ表している。
【0039】図2において、信号電極4の電位が変化し
ているため、信号電極4付近の電位分布が信号電極4の
ON電圧時に対して変化し、そのため信号電極4の通過
孔13に突入する電子ビーム14のベクトル分布が変化
する。これが従来例でのスポット径が広がりの原因であ
るが、本発明の場合、最適スポットの状態がスクリーン
9上に信号電極4の通過孔13の像が結ばれている状態
であるので、制御電極群10のバイアス電圧の変化がな
ければ、図2に示すように変化したベクトルに対して、
やはりスクリーン9上に信号電極4の通過孔13の像を
結ぶことになる。信号電極4の通過孔13の大きさは物
理的に変化しないため、たとえ信号電極4の電圧が変化
しても、像の大きさは変化しない。
【0040】以上のように、本発明の第1の発明の平板
型画像表示装置の構成にすることにより、信号電極の過
渡的電圧時にもスポット径の変化を抑えることができ、
しいては良好な画質を得ることができる。
【0041】本実施例では、スクリーン9の蛍光体のス
トライプ11が垂直方向に形成され、水平方向にビーム
スポット12を絞る必要があると仮定して説明したが、
水平垂直の概念は相対的なものであるので、本実施例の
「水平」、「垂直」という表現は特に本発明を制限する
ものではない。
【0042】また説明を簡単にするために、制御電極群
10の構成要素を従来例と同じにしたが、電子ビーム1
4を集束、偏向する手段を有しているならば、特に限定
する必要はない。
【0043】(実施例2)以下に第2の発明の一実施例
を図面を参照しながら説明する。なお、実施例1と構成
が同じものに関しては、図面に同じ番号を付し、各構成
要素の位置関係や基本的動作については実施例1で述べ
てあるので、ここでは説明を省略し、異なる点について
以下に述べる。
【0044】図3は第2の発明の実施例における平板型
画像表示装置の基本構成を示す断面斜視図である。なお
図面の尺度はわかりやすくするため、奥行方向に対し
て、上下左右の方向を拡大して表示している。
【0045】信号電極4の電子ビームの通過孔13の水
平方向の寸法(図中a寸法)は、実施例1同様、引き出
し電極3〜垂直偏向電極8の通過孔の全寸法中、最小に
なるように形成されている。また、引き出し電極3は信
号電極4と隣接していて、引き出し電極3の電位を、信
号電極4の電位より少なくとも同じか、ないしは高くな
るように設定してある。
【0046】図中の破線は空間の電位分布を示す等電位
線15(等電位面の水平方向の断面)である。図3では
引き出し電極3の電位が、信号電極4の電位より高い場
合で表示している。しかし同電位でも、図で示される等
電位線15の湾曲方向は同じであるので、以下の説明に
おいてはこれで行う。
【0047】図3において、引き出し電極3と信号電極
4付近で、等電位線15の接線に垂直でかつ高圧側に向
かって矢印を引いたものが16で、これは電界の逆ベク
トルを表現している。電子ビームはこの電界の逆ベクト
ル16の方向に加速されるため、電子光学的に引き出し
電極3付近に発散レンズ、信号電極4付近に集束レンズ
が形成されることになる。かつ信号電極4の通過孔13
の最小寸法部分が全体の開口絞りの役割をする。
【0048】以上の電子レンズ系の関係を光学レンズ系
で等価的に示したものが図4(a)である。17が引き
出し電極3付近の発散レンズ、18は信号電極4付近の
集束レンズ、19は制御電極群10の持つ結像レンズ
系、20は信号電極4の通過孔13による開口絞りであ
る。線状熱陰極2は電子ビーム源であるので光源21、
電子ビーム14は光線22、スクリーン9は像面23と
して表される。また図4(b)は比較のため、発散レン
ズ17と集束レンズ18が形成されていない場合を示し
ている。
【0049】図4の(a)と(b)を比較すると明らか
なように、開口絞り20を通過する光線22の開口角2
4は、発散レンズ17や集束レンズ18の影響を受け、
図4(a)のほうが小さくなる。そのため、像面が移動
したとしてのデフォーカスの程度は非常に小さいものに
なる。すなわち、光路長の変化に対して十分に深い焦点
深度が得られるわけである。
【0050】一般に、電子ビームを偏向すると光路長が
無偏向時と異なるため、デフォーカスによるビームスポ
ットの太りが発生するが、本発明のように、光路長の変
化に対して十分に深い焦点深度が得られておれば、電子
ビームの偏向時にも、スポット径の変化を抑えることが
でき、しいては良好な画質を得ることができる。
【0051】本実施例においても、実施例1同様、「水
平」、「垂直」という表現は特に本発明を制限するもの
ではなく、また、制御電極群10の構成要素を従来例と
同じにしたが、電子ビーム14を集束、偏向する手段を
有しているならば、特に限定する必要はない。
【0052】(実施例3)以下に第3の発明の一実施例
を図面を参照しながら説明する。なお、実施例1と構成
が同じものに関しては、図面に同じ番号を付し、各構成
要素の位置関係や基本的動作については実施例1で述べ
てあるので、ここでは説明を省略し、異なる点について
以下に述べる。
【0053】図5は第3の発明の実施例における平板型
画像表示装置の基本構成を示す断面斜視図である。実施
例1とは異なり垂直方向に断面を取っている。なお図面
の尺度はわかりやすくするため、奥行方向に対して、上
下左右の方向を拡大して表示している。
【0054】信号電極4の電子ビームの通過孔13の水
平方向の寸法は、実施例1同様、引き出し電極3〜垂直
偏向電極8の通過孔の全寸法中、最小になるように形成
されており、ビームスポット12は水平方向に絞り、垂
直方向にはデフォーカスさせる必要があるとする。電子
ビームの集束電極に至るまでの全電極としては、本実施
例では引き出し電極3と信号電極4であるが、両電極の
電子ビーム通過孔13の水平に対する垂直の開口寸法比
を全て1より大きくなるように形成する(本図において
は縦長にする)。
【0055】以上のように構成された平板型画像表示装
置について、その動作を説明する。図6は垂直水平の開
口寸法比が変化したときの、各々の方向での電子レンズ
強度の変化を示したグラフである。X軸は水平の寸法を
1としたときの垂直寸法を示す。Y軸はその時の各々の
方向での電子レンズ強度を示す。ただし、電子レンズの
前後の電界は一定とする。これを見ると、垂直方向寸法
が1より小さいときは、垂直方向の電子レンズ強度のほ
うが大きいが、1に近づくにつれ急激に小さくなり、1
で垂直水平の両電子レンズ強度は等しくなる。そして、
1を越えると垂直方向の電子レンズ強度は小さくなり、
最後は0に漸近する。
【0056】これからわかることは、電極の電子ビーム
通過孔13の水平に対する垂直の開口寸法比を全て1よ
り大きくなるように形成することは、水平の電子レンズ
に対して、垂直の電子レンズを弱める、または十分に大
きくすれば、無視できるレベルになくすことができると
いうわけである。この理由を一言でいえば、電子ビーム
通過孔の形状の軸対称性が崩れたため、通過孔周辺の等
電位面の曲率が垂直方向に関して小さくなったからと言
える。
【0057】本実施例の構成では、図5のように、引き
出し電極3と信号電極4の電子ビーム通過孔13の水平
に対する垂直の開口寸法比を全て1より大きくなるよう
に形成している(本図においては縦長にしている)た
め、両電極の垂直方向の電子レンズ強度が小さくなり、
電子ビーム14は図5に示すような、第一集束電極5に
到達するまで広がっていく軌道を取る。明らかに水平方
向のフォーカス特性と違い、十分大きなデフォーカスの
スポットを得ることができる。
【0058】また、信号電極4の垂直方向の電子レンズ
強度が弱まるので、信号電極4の過渡的電圧時でのフォ
ーカス特性の変化も小さくすることができる。
【0059】本実施例においても、実施例1同様、「水
平」、「垂直」という表現は特に本発明を制限するもの
ではなく、また、制御電極群10の構成要素を従来例と
同じにしたが、電子ビーム14を集束、偏向する手段を
有しているならば、特に限定する必要はない。
【0060】
【発明の効果】本発明の第1の発明の平板型画像表示装
置によれば、信号電極の電子ビーム通過孔の水平、垂直
の開口寸法のうち、スポットを絞るべき方向の寸法を、
全電極の電子ビーム通過孔の開口寸法に対して最小とす
ることで、信号電極の過渡的電圧時にもスポット径の変
化を抑えることができるので、結果的にスポット系の肥
大を防ぎ、良好な画質を得ることができる。
【0061】本発明の第2の発明の平板型画像表示装置
によれば、信号電極を引き出し電極に隣接するように配
置し、信号電極の電子ビーム通過孔の水平、垂直の開口
寸法のうち、スポットを絞るべき方向の寸法を、全電極
の電子ビーム通過孔の開口寸法に対して最小とするとと
もに、引き出し電極の電位を、信号電極の電位に対し
て、少なくとも同じか、ないしは高くすれことにより、
電子ビームの偏向時の光路長の変化に対して十分に深い
焦点深度が得られ、結果的にスポット径の変化を抑える
ことができ、良好な画質を得ることができる。
【0062】本発明の第3の発明の平板型画像表示装置
によれば、信号電極の電子ビーム通過孔の水平、垂直の
開口寸法のうち、スポットを絞るべき方向の寸法を、全
電極の電子ビーム通過孔の開口寸法に対して最小とする
とともに、信号電極の最小である方向の寸法を基準とし
たときに、電子ビームの集束電極に至るまでの全電極の
電子ビーム通過孔の水平垂直の開口寸法比を全て1より
大きくすれことにより、水平垂直で異なるフォーカス特
性を得るとともに、信号電極の過渡的電圧時でのフォー
カス特性の変化も小さくすることができ、良好な画質を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における平板型画像表示
装置の基本構成を示す水平断面斜視図
【図2】過渡的な信号電圧時の電子ビームの軌道を示す
【図3】本発明の第2の実施例における平板型画像表示
装置の基本構成を示す水平断面斜視図
【図4】(a)本発明の第2の実施例における等価的光
学レンズ系を表す図 (b)比較のための光学レンズ系を表す図
【図5】本発明の第3の実施例における平板型画像表示
装置の基本構成を示す垂直断面斜視図
【図6】垂直水平の開口寸法比が変化したときの、各々
の方向での電子レンズ強度の変化を示したグラフ
【図7】従来例の平板型画像表示装置の基本構造を示す
斜視図
【図8】信号電極の電圧波形を示すグラフ
【図9】(a)従来例の平板型画像表示装置の電子ビー
ム軌道を示す断面図 (b)同じく、過渡的な信号電圧時の電子ビーム軌道を
示す断面図 (c)同じく、水平偏向時の電子ビーム軌道を示す断面
【図10】スクリーン上でのスポットの状態を示す正面
【符号の説明】
2 線状熱陰極 3 引き出し電極 4 信号電極 9 スクリーン 10 制御電極群 12 ビームスポット 13 通過孔 14 電子ビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−27147(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 31/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内に、電子源と、前記電子源か
    ら電子ビームを取り出す取り出し電極と、前記電子ビー
    ムの変調信号を印加する信号電極と、前記電子ビームを
    制御する電子ビーム制御電極群と、前記電子ビームの射
    突により発光するスクリーンとを備えた平板型画像表示
    装置であって、前記信号電極の電子ビーム通過孔の開口
    寸法のうち、水平、垂直の少なくとも一方の寸法が、前
    記の全ての電極の電子ビーム通過孔の開口寸法の中で最
    小であることを特徴とする平板型画像表示装置。
  2. 【請求項2】 真空容器内に、電子源と、前記電子源か
    ら電子ビームを取り出す取り出し電極と、前記電子ビー
    ムの変調信号を印加する信号電極と、前記電子ビームを
    制御する電子ビーム制御電極群と、前記電子ビームの射
    突により発光するスクリーンとを備えた平板型画像表示
    装置であって、前記信号電極の電子ビーム通過孔の開口
    寸法のうち、水平、垂直の少なくとも一方の寸法が、前
    記の全ての電極の電子ビーム通過孔の開口寸法の中で最
    小であるとともに、前記信号電極が前記引き出し電極に
    隣接するように配置され、前記引き出し電極の電位が、
    前記信号電極の電位に対して、少なくとも同じか、ない
    しは高くなっていることを特徴とする平板型画像表示装
    置。
  3. 【請求項3】 真空容器内に、電子源と、前記電子源か
    ら電子ビームを取り出す取り出し電極と、前記電子ビー
    ムの変調信号を印加する信号電極と、前記電子ビームを
    制御する電子ビーム制御電極群と、前記電子ビームの射
    突により発光するスクリーンとを備えた平板型画像表示
    装置であって、前記電子ビーム制御電極群には、電子ビ
    ームの集束電極を備え、前記信号電極の電子ビーム通過
    孔の開口寸法のうち、水平、垂直の少なくとも一方の寸
    法が、前記の全ての電極の電子ビーム通過孔の開口寸法
    の中で最小であるとともに、前記信号電極の最小である
    方向の寸法を基準としたときに、前記電子ビームの集束
    電極に至るまでの全電極の電子ビーム通過孔の水平垂直
    の開口寸法比が、全て1より大きいことを特徴とする平
    板型画像表示装置。
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